(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149629
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】プログラム、ゲーム装置及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20231005BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/95 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/26 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/214 20140101ALI20231005BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/20 A
A63F13/95 A
A63F13/55
A63F13/26
A63F13/214
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058289
(22)【出願日】2022-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樋口 亘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亜以子
(57)【要約】
【課題】プレイヤへの好適な興趣提示を実現する。
【解決手段】プログラムは、実物品から取得した情報に基づいて進行する対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、実物品の情報を取得する取得処理であって、実物品の識別情報と移動情報とを取得する取得処理と、表示領域への情報提示を行う提示処理であって、情報が取得された実物品に対応するキャラクター画像及び仮想物品画像を提示する提示処理と、対戦ゲームの進行と提示処理の情報提示を制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、提示処理は、キャラクター画像と仮想物品画像を離間して提示する第1提示処理と、キャラクター画像と仮想物品画像を接続して提示する第2提示処理とを含み、制御処理において、実物品について取得された移動情報に基づいて、提示処理として第1提示処理及び第2提示処理のいずれを実行させるかが制御される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実物品から取得した情報に基づいて進行する対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、
実物品の情報を取得する取得処理であって、実物品の識別情報と移動情報とを取得する取得処理と、
表示領域への情報提示を行う提示処理であって、情報が取得された実物品に対応するキャラクター画像及び仮想物品画像を提示する提示処理と、
前記対戦ゲームの進行と前記提示処理の情報提示を制御する制御処理と、
を実行させるプログラムであって、
前記提示処理は、前記キャラクター画像と前記仮想物品画像を離間して提示する第1提示処理と、前記キャラクター画像と前記仮想物品画像を接続して提示する第2提示処理とを含み、
前記制御処理において、実物品について取得された前記移動情報に基づいて、前記提示処理として前記第1提示処理及び前記第2提示処理のいずれを実行させるかが制御されるプログラム。
【請求項2】
前記対戦ゲームは、載置面に載置された実物品に基づいて進行するゲームであり、
前記識別情報は、前記載置面に載置された実物品から前記載置面を介して取得され、
前記移動情報は、前記識別情報が取得された実物品の前記載置面における移動に基づいて取得される請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記移動情報は、第1種別の移動情報と第2種別の移動情報とがあり、
前記第1種別の移動情報が取得された場合に、前記制御処理において、前記第1提示処理を実行させるよう制御される請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記対戦ゲームは、前記載置面に載置された実物品に係るキャラクターのパラメータが変動しながら進行するゲームであり、
前記制御処理において、前記キャラクターのパラメータが所定値を上回る場合に前記第1種別の移動情報が取得されたことを条件として、前記第1提示処理を実行させる制御が行われる請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2種別の移動情報が取得された場合に、前記制御処理において、前記第2提示処理を実行させるよう制御される請求項3または4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1種別の移動情報及び前記第2種別の移動情報は、いずれも前記載置面において所定距離を超える実物品の移動がなされたことを条件として取得される請求項3乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記載置面は、前記対戦ゲームをプレイするプレイヤに対して手前から奥に延びる平面を有して構成され、
前記第1種別の移動情報は、前記載置面における手前から奥への実物品の移動がなされたことを条件として取得され、
前記第2種別の移動情報は、前記載置面における奥から手前への実物品の移動がなされたことを条件として取得される請求項3乃至6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記載置面は、第1領域と、当該第1領域に隣接する第2領域とを含み、
前記第1種別の移動情報は、前記載置面における前記第1領域から前記第2領域への実物品の移動がなされたことを条件として取得され、
前記第2種別の移動情報は、前記載置面における前記第2領域から前記第1領域への実物品の移動がなされたことを条件として取得される請求項3乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1提示処理と前記第2提示処理とで、実物品に係るキャラクターの状態変更を示す異なる演出が提示される請求項2乃至8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記表示領域は、第1画面と、前記第1画面に隣接する第2画面を含み、
前記提示処理は、前記対戦ゲームに係るキャラクター同士の対戦演出をさらに提示し、
前記制御処理において、前記対戦演出が前記第2画面に提示される一方で、前記第1画面に提示されないよう前記提示処理が制御される請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記第1提示処理において、実物品に係るキャラクターの上空への上昇演出が提示され、
前記第2提示処理において、実物品に係るキャラクターの上空からの下降演出が提示される請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
実物品に対応する前記キャラクター画像は、当該実物品に係るキャラクターの外観の第1部位を示す第1部位画像と第2部位を示す第2部位画像とを含んで構成され、
前記第2提示処理において、前記第1部位画像の少なくとも一部が前記第2画面に提示され、前記第2部位画像の少なくとも一部が前記第1画面に提示される請求項10または11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1部位は、実物品に係るキャラクターの上半身であり、
前記第2部位は、実物品に係るキャラクターの下半身である請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記表示領域は、前記第1画面に隣接せず、前記第2画面に隣接する第3画面をさらに含み、
前記表示領域において、前記キャラクター画像を提示可能な領域が前記第1画面、前記第2画面及び前記第3画面である一方で、前記仮想物品画像を提示可能な領域が前記第1画面に限定される請求項10乃至13のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記第1提示処理において、前記キャラクター画像の表示位置が前記第1画面から前記第3画面に変更して提示され、
前記第2提示処理において、前記キャラクター画像の表示位置が前記第3画面から前記第1画面に変更して提示される請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記第1提示処理及び前記第2提示処理において、前記キャラクター画像の表示位置の変更前に前記表示領域のいずれの領域にも前記キャラクター画像が所定期間提示されない請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記第1提示処理において、前記第3画面に提示される前記対戦ゲームに係る空間が切り替えられる請求項15または16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記第1提示処理において、前記第3画面に提示される空間が上空に切り替えられる請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記キャラクター画像が前記第3画面に提示されている場合、前記制御処理において、当該キャラクター画像に係るキャラクターのパラメータが前記対戦ゲームの進行を有利にせしめる状態に変更される請求項15乃至17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記対戦ゲームは、情報が取得された複数の実物品の各々に係るキャラクターが登場して進行するゲームであり、複数のキャラクターを連携させた対戦行動が可能に構成され、
前記第1提示処理において、前記第3画面に前記キャラクター画像の表示位置が変更されるキャラクターに他のキャラクターが連携されている場合に、当該他のキャラクターに対応する前記キャラクター画像の表示位置を共に前記第3画面に変更して提示する請求項15乃至19のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項21】
前記第1画面は、前記載置面を含み、
前記制御処理において、前記キャラクター画像及び前記仮想物品画像を、前記載置面において実物品が載置されている領域と重複しない位置に提示するよう前記提示処理が制御される請求項11乃至20のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項22】
前記仮想物品画像は、前記第1画面に提示された場合に、前記対戦ゲームに係り使用可能な実物品よりも大きい表示サイズとなるよう構成された画像である請求項21に記載のプログラム。
【請求項23】
実物品から取得した情報に基づいて進行する対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なゲーム装置であって、
実物品の情報を取得する取得手段であって、実物品の識別情報と移動情報とを取得する取得手段と、
表示領域への情報提示を行う提示手段であって、前記取得手段により情報が取得された実物品に対応するキャラクター画像及び仮想物品画像を提示する提示手段と、
前記対戦ゲームの進行と前記提示手段による情報提示を制御する制御手段と、
を備え、
前記提示手段は、前記キャラクター画像と前記仮想物品画像を離間して提示する第1提示処理と、前記キャラクター画像と前記仮想物品画像を接続して提示する第2提示処理とを実行可能に構成され、
前記制御手段は、実物品について取得された前記移動情報に基づいて、前記提示手段に前記第1提示処理及び前記第2提示処理のいずれを実行させるかを制御するゲーム装置。
【請求項24】
ゲーム用実物品と、当該ゲーム用実物品から取得した情報に基づいて進行する対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なゲーム装置とを含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ゲーム用実物品の情報を取得する取得手段であって、前記ゲーム用実物品の識別情報と移動情報とを取得する取得手段と、
表示領域への情報提示を行う提示手段であって、前記取得手段により情報が取得された前記ゲーム用実物品に対応するキャラクター画像及び仮想物品画像を提示する提示手段と、
前記対戦ゲームの進行と前記提示手段による情報提示を制御する制御手段と、
を備え、
前記提示手段は、前記キャラクター画像と前記仮想物品画像を離間して提示する第1提示処理と、前記キャラクター画像と前記仮想物品画像を接続して提示する第2提示処理とを実行可能に構成され、
前記制御手段は、前記ゲーム用実物品について取得された前記移動情報に基づいて、前記提示手段に前記第1提示処理及び前記第2提示処理のいずれを実行させるかを制御するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、ゲーム装置及びゲームシステムに関し、特に実物品の態様に応じて表示制御がなされる電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
載置パネルに載置されたカードを、どのように移動操作すべきかをプレイヤが容易に把握可能なよう、各種情報を含んだ関連画像をカードの載置位置に追従して表示するゲーム装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のゲーム装置では、カードにつき表示される関連画像はいずれも固定的なデザインであり、載置面における興趣提示は限定的であった。
【0005】
本発明は、プレイヤへの好適な興趣提示を実現するプログラム、ゲーム装置及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、実物品から取得した情報に基づいて進行する対戦ゲームのプレイ体験を提供可能なコンピュータに、実物品の情報を取得する取得処理であって、実物品の識別情報と移動情報とを取得する取得処理と、表示領域への情報提示を行う提示処理であって、情報が取得された実物品に対応するキャラクター画像及び仮想物品画像を提示する提示処理と、対戦ゲームの進行と提示処理の情報提示を制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、提示処理は、キャラクター画像と仮想物品画像を離間して提示する第1提示処理と、キャラクター画像と仮想物品画像を接続して提示する第2提示処理とを含み、制御処理において、実物品について取得された移動情報に基づいて、提示処理として第1提示処理及び第2提示処理のいずれを実行させるかが制御される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プレイヤへの好適な興趣提示を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100のハードウェア構成を例示したブロック図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観及び各ディスプレイを説明するための図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係る載置ディスプレイ201に提示される第1画面を例示した図
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係る各カードについて提示される関連画像を説明するための図
【
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る各キャラクターについて管理されるキャラクター情報の構成を例示した図
【
図6】本発明の実施形態及び変形例に係る各カードについて提示されるキャラクター画像及び仮想物品画像を説明するための図
【
図7】本発明の実施形態及び変形例に係る特殊カードの移動操作に応じて提示される上空への上昇演出を例示した図
【
図8】本発明の実施形態及び変形例に係る特殊カードの移動操作に応じて提示される上空からの下降演出を例示した図
【
図9】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100で実行される提示制御処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、載置面に載置された実物品から取得した情報に基づいて進行する対戦ゲームのプレイ体験を提供するゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、実物品から情報取得を行って進行するゲームのプレイ体験を提供することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム装置のハードウェア構成》
図1は、本実施形態に係るゲーム装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0012】
制御部101は、CPU等のプロセッサであり、ゲーム装置100が備える各ハードウェアの動作制御、及びゲームのプレイ体験の提供機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている必要なプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0013】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100を動作させるためのオペレーティングシステムやプレイ体験を提供するゲームに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、プレイ体験を提供するゲームに係る各種データを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0014】
GPU104は、ゲームのプレイ体験の提供中に提示されるゲーム画面やその他の画面・画像の生成に係る、各種の描画処理を実行する描画装置である。GPU104は、不図示のGPUメモリを含み、記憶装置102から読み出された各種グラフィックスデータを展開し、所定の演算を行って画面をはじめとする各種の画像を生成する。GPU104により生成された画面や画像は、例えばゲーム装置100が具備する提示装置110が含む表示装置に表示されることで、プレイヤに提示される。
【0015】
提示装置110は、ゲーム装置100が備える情報提示機能を備えた装置である。1つの態様では、提示装置110は、GPU104により生成された画面を表示する、液晶ディスプレイ等の表示装置を含む。またゲーム装置100における情報提示の手段は、表示装置や照明装置のような視覚的な情報提示を実現するものに限られるものではなく、聴覚的な情報提示を実現するスピーカ等の音声出力装置、触覚的な情報提示を実現する力覚提示装置等、他の種類の情報提示手段を含むものであってよい。その場合、提示する情報は、例えば記憶装置102から読み出されたデータや、制御部101が随時構成したデータであってよい。
【0016】
操作I/F105は、ゲーム装置100が備える操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。操作I/F105は、操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。1つの態様において、操作I/F105は、例えば決定入力用のボタンや選択入力用のボタン等の操作部材や各種センサ等を含む。また提示装置110がタッチ入力を検出可能な表示装置を含む態様では、操作I/F105は、当該表示装置に設けられた、タッチ入力検出センサを含む。
【0017】
通信I/F106は、ゲーム装置100が備える外部装置との通信インタフェースである。通信I/F106と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。通信I/F106が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよく、後者の場合、例えば近距離無線通信や近接無線通信も含み得る。
【0018】
支払装置120は、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いを受け付ける装置である。代価は、例えば不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理が完了したこと等により支払われたものとして扱うことができる。支払装置120は、代価の支払いがなされたことを検出すると、その旨を示す制御信号を制御部101に出力する。以下の説明では特に断りのない限り、ゲーム装置100は、いずれのプレイヤにも利用されていない状態(スタンバイ状態)において代価の支払いが検出された場合に、その状態を、ゲームのプレイ体験を提供可能な状態に切り替え、プレイヤへのサービス提供を開始するものとする。
【0019】
リーダ130は、ゲーム装置100が備える実物品からの情報取得を行う装置である。リーダ130の情報取得方式は、例えば撮像装置により実物品の外観に付されたコードを読み取る方式を用いることができる。別の態様では、リーダ130の情報取得方式は、例えば実物品に内蔵された所定のチップから情報を読み出す方式や、ゲーム装置100に実物品を装着した際の装着部における所定のスイッチの入力態様や接続端子の導通態様等を監視する方式等、任意の情報取得方式を採用することもできる。リーダ130により取得された情報は、制御部101に伝送され、例えばゲームの進行やサービス提供内容を制御するために用いられる。
【0020】
提供装置140は、予め収容した実物品を提供する機能を具備した装置である。本実施形態のゲーム装置100は、例えばサービス提供の開始時等の所定の条件が満たされた場合に、制御部101による制御を受けて提供装置140が規定数の実物品を提供するよう構成される。1つの態様において、提供装置140は、内蔵するストッカに収容された実物品を、その収容順に提供することができる。また別の態様では、提供装置140は、収容された実物品に対して、所定の加工を施した上で提供することもできる。提供装置140により提供される実物品は、1つの態様では、リーダ130によって取得可能な情報が付された物品とすることもできる。
【0021】
本実施形態では、ゲーム装置100の筐体にこれらのハードウェア構成が内蔵されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、提示装置110、支払装置120、リーダ130及び提供装置140の少なくともいずれかは、ゲーム装置100の筐体外部に設けられ、ゲーム装置100と接続されることにより利用可能に構成されるものであってもよい。
【0022】
《表示領域の構成》
以下、本実施形態の提示装置110が視覚的な情報提示を行う表示領域について、図を参照して詳細を説明する。
【0023】
なお、本実施形態のゲーム装置100は、対戦ゲームのプレイ体験を提供可能に構成されており、提示装置110には、当該対戦ゲームに係る視覚的な情報提示がなされる。対戦ゲームは、1台のゲーム装置100を複数のプレイヤで利用する場合に、当該プレイヤ同士を対戦させるよう実施されるものであってもよいし、複数のプレイヤが各々異なるゲーム装置100を利用する場合に、当該プレイヤ同士を対戦させるよう実施されるものであってもよい。後者の場合、複数のゲーム装置100がネットワークを介して不図示のゲームサーバに設けられたゲームセッションに接続することで、互いの操作入力の情報やゲームの進行を共有して対戦ゲームを成立させることができる。ここで、ゲームサーバを介して対戦ゲームを実施する態様では、当該ゲームサーバにおいて、いずれのゲーム装置100を利用するプレイヤ同士を対戦させるかを決定するマッチング処理が行われるものであってよい。また発明の理解を容易にすべく、本実施形態の対戦ゲームは2人のプレイヤを対戦させるものとして説明するが、本発明の実施がこれに限られるものではなく、3人以上のプレイヤ同士が対戦する対戦ゲームにも適用可能であることは容易に理解されよう。また別の態様において、対戦ゲームは、思考プログラムやAI等とプレイヤとの間で行われるもの(1人用ゲームプレイ)を含んでもよい。
【0024】
図2(a)は、本実施形態のゲーム装置100の斜視図である。図示されるように、ゲーム装置100は、視覚的な情報提示に係る提示装置110として、載置ディスプレイ201、当該載置ディスプレイ201と隣接する正面ディスプレイ202、及び載置ディスプレイ201とは隣接しないが正面ディスプレイ202と隣接する上部ディスプレイ203の3種類を備える。これらディスプレイは、対戦ゲームに係る処理の実行中、一体となって対戦ゲームに係る画面を提示するよう構成されており、個々のディスプレイの表示領域の全体が対戦ゲームに係る表示領域として用いられる。以下の説明では、単に「(ゲーム装置100の)表示領域」として言及した場合、これら3種類のディスプレイの表示領域の全体を含むものとする。即ち、ゲーム装置100の表示領域の表示は、載置ディスプレイ201に表示される画面(第1画面)と、正面ディスプレイ202に表示される画面(第2画面)と、上部ディスプレイ203に表示される画面(第3画面)とで構成される。各ディスプレイにおける情報提示は、制御部101により制御される。
【0025】
これらのディスプレイは、
図2(b)のゲーム装置100の側面図に示されるように、互いに異なる傾斜を有して保持されている。図において、頭部210は、ゲーム装置100を利用するプレイヤの頭部を示している。載置ディスプレイ201の表示面は略水平に、正面ディスプレイ202の表示面はプレイヤ対して後傾し、上部ディスプレイ203の表示面はプレイヤに対して前傾して設けられている。本実施形態のゲーム装置100では、各ディスプレイがこのような角度を成して設けられることで、対戦ゲームに係る表示を立体的に知覚可能な態様とすることができる。
【0026】
載置ディスプレイ201は、上述したように表示面が略水平の、プレイヤに対して手前から奥に延びる平面で構成されているため、実物品を安定して載置することが可能である。従って、本実施形態のゲーム装置100では、載置ディスプレイ201は、対戦ゲームに使用する実物品を載置する載置面として機能する。本実施形態のリーダ130は、ゲーム装置100の内部に設けられた撮像装置を含み、載置ディスプレイ201を裏面から撮像することで得られた撮像画像を解析することで、載置された実物品を認識し、当該実物品に付された情報を取得可能に構成される。詳細は後述するが、本実施形態のゲーム装置100において実行される対戦ゲームでは、プレイヤは、実物品を載置面に載置することで当該実物品に対応付けられたキャラクターをゲームに登場させるキャラクターとして登録可能であり、また当該実物品を載置面上で操作することで当該キャラクターに係る操作を行うことができる。
【0027】
対戦ゲームは、参加するプレイヤに係るキャラクター同士が、ゲームに係る空間において攻防を繰り広げる対戦演出の提示を含んで進行するが、載置ディスプレイ201に係る第1画面は、基本的には、実物品の認識状況をプレイヤに知らしめるための表示や実物品の操作に必要な情報の表示に用いられるため、当該対戦演出の提示に用いられない。対戦演出は、正面ディスプレイ202に係る第2画面を主に用いて提示されるよう構成される。また対戦演出は、上部ディスプレイ203に係る第3画面も追加的に用いて提示されることもある。
【0028】
《載置面での情報取得》
次に、載置面を介してリーダ130により行われる、実物品からの情報取得について説明する。
【0029】
本実施形態のゲーム装置100において実行される対戦ゲームでは、各プレイヤは、載置面に実物品を載置し、当該実物品に付された情報をリーダ130に読み取らせることにより、当該実物品に対応付けられたキャラクターを操作対象として登録することができる。本実施形態では、対戦ゲームに使用可能な実物品をカードであるものとし、当該カードに対応付けられたキャラクターを一意に特定する識別情報が付されているものとする。
【0030】
上述したように、リーダ130は、載置ディスプレイ201を裏面から撮像した載置画像を用いて、載置面に載置されたカードに付された情報を取得する構成である。このため、カードへの識別情報の付加は、識別情報を変換した2次元画像(以降、コード画像として言及)が、カードの外観に例えば不可視のインクによって印刷されることで実現されるものであってもよい。即ち、リーダ130は、得られた撮像画像中に含まれるコード画像を検出することで、載置された各カードの載置面上の位置を特定することができ、また各コード画像に対して所定の演算を適用することで各カードの識別情報を取得することができる。
【0031】
またリーダ130は、各カードの載置位置の履歴情報(時間推移)を格納する不図示の履歴バッファを具備しており、当該履歴情報に基づいて載置面における各カードの移動を示す移動情報を取得することもできる。本実施形態に係る対戦ゲームでは、プレイヤは、操作I/F105に対する操作入力に加えて、載置面に載置したカードを移動することでも、対戦ゲームに係る操作入力を行うことができるよう構成される。従って、リーダ130は、当該カードの移動操作に係る移動情報を取得し、制御部101に出力する。
【0032】
移動操作は、プレイヤが操作対象のキャラクターに行わせる行動を指定するために用いることができる。より詳しくは、プレイヤは、操作対象のキャラクターに行わせる行動を受け付け可能な状況において、当該キャラクターが対応付けられたカードを載置面において移動させることにより、その行動を指定することができる。本実施形態で説明する態様においては、載置ディスプレイ201に表示される第1画面は、
図3に示されるように、プレイヤに対して手前側に位置する防御領域302と、当該防御領域302に隣接し、奥側に位置する攻撃領域301を含んで構成されており、プレイヤは、載置面に載置したカードを、いずれの領域に対応する位置に移動させるかによって、当該カードに対応付けられたキャラクターに行わせる行動を指定することができる。ここで、攻撃領域301は、移動操作の結果、当該領域上に配置されたカードに対応付けられたキャラクターに、攻撃行動を行わせるよう指定する領域である。また防御領域302は、当該領域上に配置されたカードに対応付けられたキャラクターに、攻撃行動を行わせず、回復・防御行動を行わせるよう指定する領域である。
【0033】
本実施形態では第1画面を
図3のように構成するため、リーダ130は、以下の2種類の移動操作について異なる種別の移動情報を制御部101に出力するものとする。1つ目は、載置されたカードを防御領域302上から攻撃領域301上に移動させる操作であり、リーダ130は、当該移動操作の検出を条件として第1種別の移動情報を出力する。2つ目は、載置されたカードを攻撃領域301上から防御領域302上に移動させる操作であり、リーダ130は、当該移動操作の検出を条件として第2種別の移動情報を出力する。
【0034】
《カードの載置により表示される要素》
続いて、このような載置面におけるカードの載置またはカードの移動に応じて提示される表示要素について図を参照して説明する。
【0035】
〈関連画像〉
図4(a)に示されるように、載置面に載置された全てのカードには、カードが認識されていることを知らしめる対応表示が、第1画面中になされる。図示される態様では、載置面には4つのカードが載置されており、第1画面は、各カードに対応する位置に関連画像400を配置して表示している。ここで、各カードに対応する関連画像400が配置される位置は、載置ディスプレイ201に第1画面が提示された場合に、載置面上の該当するカードが載置されている領域と、当該関連画像400の少なくとも一部が重複するよう設定される。
図4(a)の例では、関連画像400は、その外形が、対応するカードを囲んで提示されるような配置とされており、当該カードが認識されていることをプレイヤに明示している。
【0036】
また関連画像400は、カードが認識されていることだけでなく、プレイヤが行った移動操作がどのように認識されているかを知らしめるべく、移動操作に応じてその外観を変化させるよう表示制御がなされる。本実施形態では関連画像400の外観は、対応するカードが攻撃領域301と防御領域302のいずれに含まれると認識されているかを知らしめるべく、リーダ130による検出位置に応じて切り替えられる。
【0037】
図4(a)に示した態様では、4つのカードはいずれも防御領域302に対応する領域に配置されているため、
図4(b)に示されるような、カード型の外観を示す防御時表示410の態様で第1画面に含められる。一方、
図4(a)のに示した状態からいずれかのカードが攻撃領域301上に移動され、検出位置が攻撃領域301に含まれると判断された場合、
図4(c)に示されるような、非カード型の外観を示す攻撃時表示420の態様で第1画面に含められる。
【0038】
〈キャラクター画像〉
また本実施形態に係る対戦ゲームでは、プレイヤがカードを載置したことで、当該カードに対応付けられたキャラクターが、カードからゲーム内に移動して登場したことを演出すべく、カードの認識を契機として当該キャラクターの外観を示す画像(キャラクター画像)が表示領域に表示される。キャラクター画像は、プレイヤによるカードの移動操作と連動して表示位置を変更可能に構成されており、対戦ゲームの没入感を高めている。
【0039】
ところで、カードに付された情報を読み取り、対応するキャラクター画像を表示する機能を有する従前のゲームでは、カードによってキャラクター画像の外観(キャラクターの種類)は変わるものの、キャラクター画像はいずれも特定のディスプレイに一律で表示されるものであったため、カードの使用に対するプレイヤへの興趣提示は限定的であった。本実施形態の対戦ゲームは、カードの使用に対するプレイヤへの興趣提示を拡張するため、使用可能なカードに種別を設け、その種類に応じてキャラクター画像の提示態様を異ならせるよう構成される。
【0040】
本実施形態では、カードの種別は、カードに対応付けられたキャラクターに基づいて判別されるものとする。即ち、制御部101は、リーダ130によりカードから取得された識別情報に基づいて対応付けられたキャラクターを特定し、当該キャラクターのタイプに基づいてカードがいずれの種別であるかを特定する。ここで、対戦ゲームに登場するキャラクターの各々についての情報(キャラクター情報)は、記憶装置102に含まれる不図示のキャラクターデータベース(DB)において管理されるものとする。
【0041】
1体のキャラクターについて管理されるキャラクター情報は、
図5に示されるように、当該キャラクターを一意に特定するキャラクターID501に関連付けて、当該キャラクターのタイプを示すキャラクタータイプ502、及び当該キャラクターの攻撃力、防御力、体力等の対戦ゲームの進行の決定にあたり参照されるパラメータ503を含む。このうちのキャラクタータイプ502が、対応付けられたカードの種別を判別するために参照される情報である。
【0042】
本実施形態の対戦ゲームでは、キャラクターは、後述の特殊攻撃行動を行うことができるか否かの点で異なるタイプに分類される。より詳しくは、キャラクターは、特殊攻撃行動を行うことができる場合には特殊タイプに分類され、特殊攻撃行動を行うことができない場合には通常タイプに分類され、キャラクター情報のキャラクタータイプ502にはそのいずれかを示す情報が格納される。従って、制御部101は、載置面に載置されたカードに対応付けられたキャラクターのキャラクタータイプ502に基づいて、当該カードの種別が、特殊タイプのキャラクターが対応付けられた特殊カードと通常タイプのキャラクターが対応付けられた通常カードのいずれであるかを判別する。
【0043】
なお、キャラクター情報のキャラクターID501は、キャラクターが対応付けられたカードに付される識別情報に一致するものであってよい。また本実施形態では特殊カードは通常カードよりも提供数(発行数)が少ないカードであり、希少度(レアリティ)が高く設定されている。このため、特殊タイプのキャラクターに係るパラメータ503は、通常タイプのキャラクターに係るパラメータ503よりも、対戦ゲームの進行を有利にせしめるよう構成されているものとする。
【0044】
以下、カードが載置されたことに応じて表示領域に表示される、特殊カードに係るキャラクター画像(以下、特殊キャラクター画像として言及)と通常カードに係るキャラクター画像(以下、通常キャラクター画像として言及)の提示態様の差を、
図6を参照して説明する。
図6は、ゲーム装置100が備える表示領域を、ゲーム装置100を利用時のプレイヤの視点で観賞した態様を示している。即ち、
図6に示される表示領域は、正面ディスプレイ202を正面から観賞する際の、正対方向が異なる載置ディスプレイ201及び上部ディスプレイ203の見え方の違い(表示面の傾斜の違い)も含めた態様となっている。なお、図示される態様では、各キャラクター画像の提示態様の違いを判別しやすくすべく、載置面には特殊カード602と通常カード604が1枚ずつ載置されている。
【0045】
特殊カード602が載置面に載置されたことに応じて表示される特殊キャラクター画像601は、図示されるように、第1画面を中心に表示される。特殊キャラクター画像601の表示位置は、載置面における特殊カード602の位置に応じて変化し得るが、基本的には少なくとも第1画面600にその一部の部位の画像が表示されるよう制御される。特殊キャラクター画像601の全体が第1画面600に収まらない場合には、特殊キャラクター画像601の収まらない部位の画像は第2画面610に表示されるよう制御される。立体的な視覚提示を実現するとの観点では、特殊キャラクター画像601を傾斜の異なる第1画面600と第2画面610の両方を用いて表示することが効果的であるため、本実施形態では、特殊キャラクター画像601は、キャラクターの下半身に係る部位の画像が少なくとも第1画面600に、キャラクターの上半身に係る部位の画像が少なくとも第2画面610に表示されるよう、各画面の描画制御がなされる。
【0046】
対して、通常カード604が載置面に載置されたことに応じて表示される通常キャラクター画像611は、図示されるように、第2画面610に表示される。通常キャラクター画像611の表示位置も、同様に載置面における通常カード604の位置に応じて変化し得るが、第2画面610にのみ表示され、第1画面600には表示されないよう制御される。
【0047】
このように特殊キャラクター画像601と通常キャラクター画像611とは、前者が少なくとも載置面に係る第1画面600に表示されるよう制御されるのに対し、後者が第1画面600には表示されないよう制御される点で異なっている。また特殊キャラクター画像601と通常キャラクター画像611とは、前者に対応するキャラクターが後述の特殊攻撃行動を行うことができるという点で戦略性が高く設定されており、表示領域においてより目立たせることでプレイヤを興趣性の高いプレイ体験に誘導できるため、表示領域において前者の方が後者よりも表示面積が大きくなるよう構成されている。
【0048】
また載置されたカードに対応するキャラクターと、載置されたカードとは無関係に対戦ゲームに登場するキャラクターとを識別可能にすべく、特殊キャラクター画像601と通常キャラクター画像611は、仮想物品画像603または612と接続して表示される。図示されるように、各仮想物品画像は載置されたカードに対応していることを示すべく、カード型の外観を有している。各仮想物品画像は、特殊キャラクター画像601及び通常キャラクター画像611と同様に、載置面における対応するカードの移動に応じて表示位置が制御され、基本的にはキャラクター画像と接続されて表示される。
【0049】
ここで、第1画面600には、特殊カード602に係る仮想物品画像603と、特殊カード602及び通常カード604に係る関連画像605とが配置される。図示されるように、仮想物品画像603と関連画像605とは、外観、表示位置、表示サイズにおいて異なっている。より詳しくは、関連画像605が、単に対応するカードを囲む枠上の外観を有しているのに対し、仮想物品画像603は対戦ゲームに係る空間のカード型のオブジェクトの外観を有している点で異なる。また関連画像605が、対応するカードが載置されている領域と重複する表示位置に配置されているのに対し、仮想物品画像603は、対応するカードが載置されている領域と重複しない表示位置に配置されている点で異なる。また関連画像605が、対応するカードと同等の表示サイズで表示されるのに対し、仮想物品画像603は、対応するカード及び関連画像605よりも大きい表示サイズで目立つように表示されている点で異なる。
【0050】
〈行動指定に係る演出〉
次に、対戦ゲームに係る処理の実行中、載置面に載置されて認識されたカードを移動操作することで表示領域に表示される演出について説明する。
【0051】
本実施形態の対戦ゲームはフェーズを重ねて進行するものであり、各フェーズの開始前に、当該フェーズでの操作対象のキャラクターに行わせる行動の決定に係る操作入力を受け付ける期間(行動決定期間)が設けられる。プレイヤは、当該期間において載置面に載置しているカードを移動することで、各カードに対応付けられたキャラクターに行わせる行動を指定することができる。
【0052】
具体的には各行動決定期間は、プレイヤの意図していない行動がキャラクターに指定されないよう、まず当該期間の開始時に全てのカードを防御領域302上に移動させる指示が提示装置110に提示され、全てのカードが防御領域302上に配置されたことを条件として開始する。行動決定期間中、プレイヤは、防御領域302上から攻撃領域301上にカードを移動させる移動操作を行うことで、当該カードに対応付けられたキャラクターに現在のフェーズにおいて攻撃行動を行わせることを指定できる。またプレイヤは、攻撃領域301上にカードを移動させたキャラクターの行動を、攻撃行動から防御行動に変更したい場合には、当該カードを攻撃領域301上から防御領域302上に移動させる移動操作を行うことで、防御行動を行わせるよう指定できる。またプレイヤは、行動決定期間の終了までカードを防御領域302上に配置しておくことで、当該カードに対応付けられたキャラクターに現在のフェーズにおいて防御行動を行わせることを指定できる。
【0053】
ここで、行動が指定されるキャラクターが通常タイプと特殊タイプのいずれであるかに応じて、表示領域には異なる演出が提示される。
【0054】
行動が指定されるキャラクターが通常タイプである場合、即ち、プレイヤが通常カードの移動操作を行ったことにより行動が指定される場合、表示領域に表示される演出は、第2画面において当該通常カードに対応する通常キャラクター画像を、行動に対応する表示位置に移動し、指定された行動に対応する表示効果を付して表示することに留まる。より詳しくは、本実施形態に係る対戦ゲームでは、通常カードに対応するキャラクターの攻撃行動は、対戦ゲームに係る空間のうちの、第2画面に示されるゲームフィールド(地面)付近で展開されるものとなるため、行動指定に係る移動操作に応じた通常キャラクター画像も第2画面内に表示される。
【0055】
例えば、通常カードについて防御領域302上から攻撃領域301上への移動操作がなされた場合、即ち、第1種別の移動情報が取得された場合、当該カードに対応する通常キャラクター画像は、載置面における当該カードの配置位置と対応する攻撃行動用の表示位置に配置され、攻撃行動を行うことを示す色(例えば赤色)の発光効果が付されて第2画面に含められる。また例えば、通常カードについて攻撃領域301上から防御領域302上への移動操作がなされた場合、即ち、第2種別の移動情報が取得された場合、当該カードに対応する通常キャラクター画像は、載置面における当該カードの配置位置と対応する防御行動用の表示位置に配置され、防御行動を行うことを示す色(例えば青色)の発光効果が付されて第2画面に含められる。
【0056】
一方、行動が指定されるキャラクターが特殊タイプである場合、即ち、プレイヤが特殊カードの移動操作を行ったことにより行動が指定される場合、表示領域に表示される演出は、第1画面や第2画面に留まらない。本実施形態に係る対戦ゲームでは、特殊タイプのキャラクターが行う攻撃行動は特殊攻撃行動となる。特殊攻撃行動は、通常タイプのキャラクターが行う攻撃行動とは異なり、キャラクターが上空に移動し、上空から対戦相手のキャラクターに対してより強力な攻撃行動を行う内容となる。従って、特殊タイプのキャラクターについて攻撃行動が指定される場合、表示領域に表示される演出は、キャラクターが上空に上昇する移動演出(上空への上昇演出)を含む。
【0057】
ここで、上空への上昇演出は、第3画面を用いて提示される。即ち、攻撃行動が指定されるキャラクターに係る特殊キャラクター画像は、行動指定前には第1画面から第2画面にわたって表示されるよう表示位置が設定されているが、行動指定後には第3画面に表示位置が変更される。
【0058】
また本実施形態に係る対戦ゲームでは、上空への上昇演出における移動の規模を大きく提示すべく、第3画面に表示される対戦ゲームに係る空間を異ならせる制御も行われる。具体的には、いずれのキャラクターも上空に移動していない状態では、通常タイプのキャラクターも含んだ対戦ゲームに係る空間をより広く示すべく、
図6に示したように、ゲームフィールド付近の空間が第2画面610及び第3画面620を用いて表示される。即ち、第3画面620に表示される空間は、第2画面610に表示される空間に隣接し、連続する空間である。対して、キャラクターが上空に移動する状態では、第3画面620に表示される空間は、第3画面620に表示されていた空間よりも高所である空間に切り替えられる。従って、切り替え後の第3画面に特殊キャラクター画像を含めて表示することで、キャラクターがより高所の空間に移動したことを演出できる。
【0059】
図7に、上空への上昇演出に係る表示領域の表示遷移例を示す。なお、
図7では、発明の理解を容易にすべく、表示領域中には1体の特殊キャラクター画像701のみがキャラクター画像として示されている。
【0060】
例えば、特殊カードについて防御領域302上から攻撃領域301上への移動操作がなされた場合、即ち、第1種別の移動情報が取得された場合、当該カードに対応する特殊キャラクター画像701は、
図7(a)に示されるように載置面の奥の方向に所定の位置まで移動(特殊キャラクター画像701の下端が第1画面700中の所定の位置となるまで、第1画面700及び第2画面710の上方向に移動)されて停止する。その後、
図7(b)に示されるように第3画面720に提示される空間が上空に切り替えられ、
図7(c)に示されるように、特殊キャラクター画像701が仮想物品画像702から順次離されて、第1画面700及び第2画面710の上方向に移動される。このとき、仮想物品画像702は、他の画面には移動せず、第1画面700に留まって表示されるため、キャラクターが特殊カードから飛び出すが如く興趣提示を実現することができる。当該移動が所定フレーム分行われた後、所定の期間、
図7(d)に示されるように、表示領域に特殊キャラクター画像701が表示されない状態となる。当該特殊キャラクター画像701が表示されない期間は、キャラクターが表示領域に表示されない空間を移動している時間を演出する。その後、特殊キャラクター画像701は、
図7(e)に示されるように、第3画面720の下端から順次上方向に表示位置が移動しながら表示され、最終的に
図7(f)に示されるような所定の表示位置まで移動される。
【0061】
このような一連の表示遷移により、上空への上昇演出をより効果的にプレイヤに提示することができる。当該演出中に係る、特殊キャラクター画像701の表示領域における移動は、プレイヤの視点から観賞した場合、対応するキャラクターが載置面の法線方向に移動しているように見える。
【0062】
また、このように上空に移動させたキャラクターの行動を、攻撃行動から防御行動に変更したい場合には、プレイヤは該当の特殊カードを攻撃領域301上から防御領域302上に移動させる移動操作を行うことで防御行動を行わせるよう指定できる。特殊タイプのキャラクターに行わせる行動が防御行動に変更される場合、表示領域に表示される演出は、キャラクターが上空から下降する移動演出(上空からの下降演出)を含む。
【0063】
ここで、上空からの下降演出は、上空への上昇演出と同様に第3画面と第1画面及び第2画面を用いて提示される。即ち、防御行動が指定されるキャラクターに係る特殊キャラクター画像は、行動指定前には第3画面に表示されるような表示位置が設定されているが、行動指定後には第1画面から第2画面にわたって表示されるような表示位置に変更される。
【0064】
図8に、上空からの下降演出に係る表示領域の表示遷移例を示す。なお、
図8では、発明の理解を容易にすべく、表示領域中には1体の特殊キャラクター画像801のみがキャラクター画像として示されている。
【0065】
例えば、特殊カードについて攻撃領域301上から防御領域302上への移動操作がなされた場合、即ち、第2種別の移動情報が取得された場合、当該カードに対応する特殊キャラクター画像801は、
図8(a)に示されるように、第3画面820の下端の方向に順次表示位置が移動しながら表示される。当該移動が所定フレーム分行われた後、所定の期間、
図8(b)に示されるように、表示領域に特殊キャラクター画像801が表示されない状態となる。その後、
図8(c)に示されるように第3画面820に提示される空間が上空から、再度、第2画面810に表示される空間に隣接し、連続する空間に変更される。そして
図8(d)に示されるように、特殊キャラクター画像801は、第1画面800に配置された仮想物品画像802に順次近接させるよう、第3画面820、第2画面810及び第1画面800を順次下方向に移動され、最終的に
図8(e)に示されるような仮想物品画像802に接続する表示位置まで移動される。その後、
図8(f)に示されるように、特殊キャラクター画像801と仮想物品画像802とが、第1画面800における防御行動用の表示位置まで移動される。
【0066】
このような一連の表示遷移により、上空からの下降演出もより効果的にプレイヤに提示することができる。当該演出中に係る、特殊キャラクター画像801の表示領域における移動も、プレイヤの視点から観賞した場合、対応するキャラクターが載置面の法線方向に移動しているように見える。当該移動は、上空への上昇演出とは逆方向の移動として提示される。
【0067】
従って、特殊カードについては、第1種別の移動情報が取得される場合と第2種別の移動情報が取得される場合とで、当該対象カードに対応付けられたキャラクターの状態変更を示す異なる演出が提示される。またこれら説明したように、通常タイプのキャラクターと特殊タイプのキャラクターとでは、行動を指定した場合の興趣提示の内容が異なり、表示領域においてキャラクター画像を表示可能な領域も異なる。即ち、後者のキャラクターに係る特殊キャラクター画像が表示領域において表示可能な領域(第1画面、第2画面及び第3画面)は、前者のキャラクターに係る通常キャラクター画像が表示可能な領域(第2画面)よりも広い。
【0068】
なお、このように操作対象のキャラクターに対して行動決定期間で指定された行動は、当該期間の終了後に行われるフェーズの進行を決定する処理において解決される。行動の解決は、例えば一方のプレイヤの操作対象のキャラクターによる攻撃行動の成否を決定するためのミニゲームを実行し、その結果と攻撃行動を行ったキャラクターのパラメータとに基づいて、攻撃を受けたキャラクターの体力を減少させる処理を含んでよい。対戦ゲームは、このような攻撃行動の結果、いずれかのプレイヤの操作対象である全てのキャラクターの体力が0となった、あるいは、規定数のフェーズが進行したことを条件としてプレイ体験が終了するよう構成される。
【0069】
《提示制御処理》
以下、本実施形態のゲーム装置100において行動決定期間における表示領域への情報提示を制御する提示制御処理について、
図9のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本提示制御処理は、例えば対戦ゲームの各フェーズに係る行動決定期間が開始され、載置面に載置されたカードが全て防御領域302上に移動されたことを検出した際に開始されるものとして説明する。
【0070】
また以下の説明では、発明の理解を容易にすべく、キャラクターに行わせる行動を新たに指定するためのカードの移動操作がなされた場合の提示制御のみを説明する。このため、行動の指定に至らない程度のカードの移動操作(攻撃領域301または防御領域302内でのカードの移動操作)がなされた場合に、対応する関連画像やキャラクター画像及び仮想物品画像の表示位置を当該移動操作に追従するよう変更する提示制御等は、本フローチャートから割愛される。しかしながら、制御部101が各要素の表示位置を決定し、変更後の表示位置に各要素を配置した画面をGPU104に生成させる処理は、所定のフレームレートで繰り返し行われているものとする。
【0071】
S901で、制御部101は、載置されたカードについて第1種別の移動情報または第2種別の移動情報が取得されたか否かを判断する。制御部101は、いずれかの移動情報が取得されたと判断した場合は処理をS902に移し、取得されていないと判断した場合は処理をS907に移す。
【0072】
S902で、制御部101は、移動情報が取得されたカード(以下、対象カードとして言及)が特殊カードであるか否かを判断する。本ステップの判断は、対象カードに付された識別情報(キャラクターID501)を有するキャラクター情報のキャラクタータイプ502を参照することにより行われる。制御部101は、対象カードが特殊カードであると判断した場合は処理をS903に移し、特殊カードではない、即ち、通常カードであると判断した場合は処理をS906に移す。
【0073】
S903で、制御部101は、対象カードについて取得された移動情報が第1種別の移動情報と第2種別の移動情報のいずれであるかを判断する。制御部101は、取得された移動情報が第1種別の移動情報であると判断した場合は処理をS904に移し、第2種別の移動情報であると判断した場合は処理をS905に移す。
【0074】
S904で、GPU104は制御部101の制御の下、対象カードに対応する特殊キャラクター画像を用いた上空への上昇演出に係る、表示領域の一連の画面群を生成する。そして制御部101は、生成された各画面を提示装置110の載置ディスプレイ201、正面ディスプレイ202及び上部ディスプレイ203に順次表示させるよう制御することで、上空への上昇演出の提示を実現する。当該上空への上昇演出において、対象カードに係る特殊キャラクター画像は、同仮想物品画像と離間して提示されることになる。
【0075】
一方、S903において、取得された移動情報が第2種別の移動情報であると判断された場合、GPU104は制御部101の制御の下、S905で、対象カードに対応する特殊キャラクター画像を用いた上空からの下降演出に係る、表示領域の一連の画面群を生成する。そして制御部101は、生成された各画面を提示装置110の載置ディスプレイ201、正面ディスプレイ202及び上部ディスプレイ203に順次表示させるよう制御することで、上空からの下降演出の提示を実現する。当該上空からの下降演出において、対象カードに係る特殊キャラクター画像は、同仮想物品画像と接続して提示されることになる。ここでいう「接続」とは、キャラクター画像と仮想物品画像の縁部同士が繋がっている状態、又はキャラクター画像の少なくとも一部が仮想物品画像に重畳している状態をいう。
【0076】
またS902において対象カードが通常カードであると判断された場合、GPU104は制御部101の制御の下、S906で、指定された行動に対応する態様で対象カードに係る通常キャラクター画像及び仮想物品画像を第2画面中に配置した、表示領域の画面群を生成する。そして制御部101は、生成された各画面を提示装置110の載置ディスプレイ201、正面ディスプレイ202及び上部ディスプレイ203に表示させるよう制御することで、行動指定に係る情報提示を実現する。
【0077】
S907で、制御部101は、行動決定期間が終了したか否かを判断する。制御部101は、行動決定期間が終了したと判断した場合は本提示制御処理を完了し、終了していないと判断した場合は処理をS901に戻す。
【0078】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、プレイヤへの好適な興趣提示を実現することができる。より詳しくは、使用可能なカードに複数種別を設け、載置面にされた場合にその種別に応じて、載置面の領域を含めてより目立つ態様でキャラクター画像を提示するか、載置面の領域外の領域にのみキャラクター画像を提示するかを異ならせるため、特定のカードを使用する場合の対戦ゲームの興趣性を向上させることができる。また行動指定に係る操作がなされた場合に提示される演出を、カードの種別に応じて、提示に用いられる表示領域中の画面を異ならせながら提示することで、ゲームの攻略性、及び対戦ゲームの興趣性の双方を向上させることができる。
【0079】
なお、本実施形態では、特殊カードが載置面に載置された場合に、対応する特殊キャラクター画像を第1画面から第2画面にわたって提示する態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。特殊キャラクター画像は、少なくとも第1画面に提示されるよう制御されるものであればよく、第2画面を用いずに提示されるものであってもよい。
【0080】
[変形例1]
上述した実施形態では特殊キャラクター画像が通常の立位姿勢のキャラクターを示す画像であるものとし、特殊キャラクター画像を第1画面と第2画面とに分離して提示する態様において、第1画面にはキャラクターの下半身が、第2画面にはキャラクターの上半身が提示されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。特殊キャラクター画像は、通常の立位姿勢のキャラクターを示す画像である必要はなく、例えば逆立ち姿勢のキャラクターや、体を横たえている姿勢のキャラクターを示す画像であってよく、この場合、各画面に表示されるキャラクターの部位が異なることは言うまでもない。
【0081】
[変形例2]
上述した実施形態では、特殊カードについて第1種別の移動情報が取得された場合に、第3画面に提示される空間を上空に切り替えることで上空への上昇演出を提示する態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。第1種別の移動情報が取得されたことに基づく、特殊カードに対応付けられたキャラクターの移動演出は、当該キャラクターをそれまでに表示されていたディスプレイとは異なるディスプレイに表示させることで、キャラクターの移動を効果的に提示するものであればよく、移動先のディスプレイに表示される対戦ゲーム対戦ゲームに係る空間はいずれであってもよい。
【0082】
また表示位置の移動により表現される演出は、キャラクターが移動したことを示すものに限らず、例えばキャラクターのフォーム変更等、異なる状態への変更を演出するものとしてもよい。
【0083】
[変形例3]
上述した実施形態では、特殊タイプのキャラクターのパラメータが、通常タイプのキャラクターのパラメータよりも対戦ゲームの進行を有利にせしめるよう構成されているものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば同一のパラメータを有するキャラクターについて、通常カードと特殊カードとが発行される態様において、当該キャラクターが上空に移動した場合に、当該キャラクターのパラメータを、対戦ゲームの進行を有利にせしめる状態に変更することで、特殊攻撃行動の有用性を示す態様としてもよい。
【0084】
なお、特殊カードを載置することで、通常タイプのキャラクターよりも対戦ゲームを有利に進行させるパラメータを有した特殊タイプのキャラクターを使用可能とする態様は、プレイヤの興趣体験を向上させる一方で、その使用数によってはゲームバランスの崩壊を引き起こし得る。このため、対戦ゲームに使用可能な特殊カードの数は、少なくとも使用される通常カードの数よりも少なく設定される等、制限を設けてもよい。
【0085】
[変形例4]
上述した実施形態では、特殊タイプのキャラクターについては、特殊カードを用いて移動操作を行うことで、常に特殊攻撃行動を行わせることを指定できるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、特殊攻撃行動の発動には条件を設け、当該条件が満たされた場合にのみ、攻撃行動の指定に係る移動操作の取得に応じて特殊攻撃行動を発動するように制御し、移動演出を提示するよう構成してもよい。1つの態様では、特殊タイプのキャラクターには、対戦ゲームの進行に応じて変動する発動用ゲージが設けられ、当該ゲージの値が所定値を上回った場合にのみ、第1種別の移動情報の取得に応じて、あるいは、さらに発動を決定する旨の操作入力がなされたことを条件として、特殊攻撃行動に係る移動演出を提示するよう構成してもよい。
【0086】
[変形例5]
上述した実施形態では、載置面に載置されたカードについて、防御領域302上から攻撃領域301上に移動させる操作がなされたことに応じて、攻撃行動を指定するための第1種別の移動情報が取得され、攻撃領域301上から防御領域302上に移動させる操作がなされたことに応じて、防御行動を指定するための第2種別の移動情報が取得されるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。
【0087】
例えば、攻撃行動を指定するための第1種別の移動情報は、簡易的に、載置面における手前から奥に向かうカードの移動操作がなされたことに応じて取得されるものとしてもよい。また例えば、防御行動を指定するため第2種別の移動情報も同様に、載置面における奥から手前に向かうカードの移動操作がなされたことに応じて取得されるものとしてもよい。あるいは、より明確な移動操作に基づいて取得するよう、当該移動操作が、載置面においてカードを所定距離を越えて移動させるものであることを条件に、各移動情報を取得するものとしてもよい。
【0088】
[変形例6]
上述した実施形態では、特殊カードについて第1種別の移動情報が取得された場合に、当該対象カードに対応付けられたキャラクの移動演出を提示し、当該キャラクターに特殊攻撃行動を行わせることを指定するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。特殊攻撃行動は、特殊カードに対応付けられたキャラクターに限定して実行可能な行動とするのではなく、当該キャラクターを起点とすれば、通常カードに対応付けられたキャラクターも参加して実行可能なように構成されてもよい。
【0089】
この場合、例えば対戦ゲームにおいて、予め特殊タイプのキャラクターと連携させる通常タイプのキャラクターを指定する操作入力がなされた場合に、あるいは、連携条件が満たされ場合に、特殊タイプのキャラクターに通常タイプのキャラクターが連携されていることがメモリ103に格納される。そして、その後に当該特殊タイプのキャラクターに係る特殊カードについて第1種別の移動情報が得られた場合にメモリ103に格納された情報が参照され、当該キャラクターと連携された通常タイプのキャラクターとについての移動演出の提示、及びこれらすべてのキャラクターに特殊攻撃行動を行わせることの指定を行うことができる。即ち、上空への上昇演出は、特殊タイプのキャラクターに係る特殊キャラクター画像と、連携された通常タイプのキャラクターに係る通常キャラクター画像の表示位置を、共に第3画面に変更して提示する内容となる。
【0090】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:GPU、110:提示装置、105:操作I/F、106:通信I/F、120:支払装置、130:リーダ、140:提供装置、201:載置ディスプレイ、202:正面ディスプレイ、203:上部ディスプレイ