(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149653
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】撮像装置、電子機器
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H01L27/146 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058334
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】松下 昭広
(72)【発明者】
【氏名】蒔田 吉弘
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AB01
4M118BA10
4M118BA14
4M118EA14
4M118GA02
4M118GC07
4M118GD01
4M118HA02
4M118HA30
4M118HA31
4M118HA32
4M118HA40
(57)【要約】
【課題】迷光成分の発生を抑制し、画質を向上させる。
【解決手段】光電変換素子が形成されたチップと、カバーガラスと、前記チップと前記カバーガラスとを接合する第1の接合部と、前記第1の接合部と前記チップとに接合されている第2の接合部とを備え、前記第1の接合部と前記第2の接合部が接合している接合面は、前記カバーガラスと平行となる位置にある。本技術は、例えば、パッケージ化された撮像装置に適用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子が形成されたチップと、
カバーガラスと、
前記チップと前記カバーガラスとを接合する第1の接合部と、
前記第1の接合部と前記チップとに接合されている第2の接合部と
を備え、
前記第1の接合部と前記第2の接合部が接合している接合面は、前記カバーガラスと平行となる位置にある
撮像装置。
【請求項2】
前記接合面は、前記チップの表面が位置する位置にある
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の接合部が前記チップと接合している幅は、前記カバーガラスと接合している幅よりも小さい
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の接合部と前記第2の接合部は、同じ材料で形成されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の接合部は、有色の材料で形成され、前記第2の接合部は、接着性が高い材料で形成されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第2の接合部は、前記チップの側面と、外部との接続端子が形成されている面とに形成されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1の接合部の1辺は、前記チップと前記カバーガラスとの間で傾斜を有して形成されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
光電変換素子が形成されたチップと、
カバーガラスと、
前記チップと前記カバーガラスとを接合する第1の接合部と、
前記第1の接合部と前記チップとに接合されている第2の接合部と
を備え、
前記第1の接合部と前記第2の接合部が接合している接合面は、前記カバーガラスと平行となる位置にある
撮像装置と、
前記撮像装置からの信号を処理する処理部と
を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は撮像装置、電子機器に関し、例えば、画質を向上させることができるようにした撮像装置、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画素が配置された画素領域を封止するために半導体基板に対してガラス基板を接合する構造として、半導体基板とガラス基板との間に空隙が設けられるキャビティ構造が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体基板とガラス基板とを接合する構造であるため、半導体基板とガラス基板を接合する接合部分があり、この接合部分で迷光成分が発生する可能性があった。迷光成分の発生を抑制し、画質をより向上させることが望まれている。
【0005】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、画質を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の撮像装置は、光電変換素子が形成されたチップと、カバーガラスと、前記チップと前記カバーガラスとを接合する第1の接合部と、前記第1の接合部と前記チップとに接合されている第2の接合部とを備え、前記第1の接合部と前記第2の接合部が接合している接合面は、前記カバーガラスと平行となる位置にある撮像装置である。
【0007】
本技術の一側面の電子機器は、光電変換素子が形成されたチップと、カバーガラスと、前記チップと前記カバーガラスとを接合する第1の接合部と、前記第1の接合部と前記チップとに接合されている第2の接合部とを備え、前記第1の接合部と前記第2の接合部が接合している接合面は、前記カバーガラスと平行となる位置にある撮像装置と、前記撮像装置からの信号を処理する処理部とを備える電子機器である。
【0008】
本技術の一側面の撮像装置においては、光電変換素子が形成されたチップと、カバーガラスと、チップとカバーガラスとを接合する第1の接合部と、第1の接合部とチップとに接合されている第2の接合部とが備えられている。また、第1の接合部と第2の接合部が接合している接合面が、カバーガラスと平行となる位置にある。
【0009】
本技術の一側面の電子機器は、前記第1の撮像装置を含む構成とされている。
【0010】
なお、撮像装置および電子機器は、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本技術を適用した撮像装置の一実施の形態の構成を示す図である。
【
図2】接合樹脂が形成されている部分について説明するための図である。
【
図3】発生する迷光成分について説明するための図である。
【
図4】接合部分の大きさについて説明するための図である。
【
図5】撮像装置の製造について説明するための図である。
【
図6】撮像装置の製造について説明するための図である。
【
図7】撮像装置の製造について説明するための図である。
【
図8】第2の実施の形態における撮像装置の構成を示す図である。
【
図9】第3の実施の形態における撮像装置の構成を示す図である。
【
図10】第4の実施の形態における撮像装置の構成を示す図である。
【
図11】第5の実施の形態における撮像装置の構成を示す図である。
【
図12】電子機器の構成例につて説明するための図である。
【
図13】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図14】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。
【0013】
<第1の実施の形態における撮像素子の構成>
図1は第1の実施の形態における撮像装置1(撮像装置1aとする)の構成を示す図である。
図1は、撮像装置1aの模式的断面図である。
【0014】
撮像装置1aは、撮像素子チップ11とカバーガラス12から構成される。撮像素子チップ11は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどである。撮像素子チップ11の有効画素領域21は、シリコン基板22に、入射光を電荷に変換する複数の光電変換素子(PD : Photo Diode)23を備える。
【0015】
光電変換素子23(シリコン基板22)上には、カラーフィルタ層24が形成されている。カラーフィルタ層24上にマイクロレンズ(不図示)が形成されている構成とすることもできる。
【0016】
撮像素子チップ11のシリコン基板22の下部(光入射面側とは逆側の面)には、配線層が形成されており、配線25が形成されている。配線25は、Al(アルミニウム)、Cu(銅)などが用いられ、酸化膜や窒化膜などが用いられた絶縁膜内に形成されている。
【0017】
複数の配線25のうちの所定の配線25は、外部接続端子26と表面電極27に接続されている。外部接続端子26は、外部回路との接続のための接続端子であり、シリコン基板22の下部に形成されている。外部接続端子26は、半田ボールを用いたACP(異方性導電ペースト)やACF(異方性導電フィルム)などの異方性導電性部材も用いることができる。
【0018】
撮像素子チップ11とカバーガラス12は、接合樹脂31により接合されている。シリコン基板22の側面は、接合樹脂32により覆われている。
【0019】
図2は、接合樹脂31と接合樹脂32の部分を拡大した図である。
図5乃至7を参照して後述するように、接合樹脂31と接合樹脂32は、異なるタイミングで形成される。接合樹脂31と接合樹脂32との間には界面33が位置する。界面33は、製造後の撮像装置1aにおいても、所定の解析で界面33が存在していることを確認できるが、界面33のところで、接着強度が落ちるといったことはなく、十分な接着強度が保たれた状態で形成されている。
【0020】
接合樹脂31は、撮像素子チップ11とカバーガラス12との間に形成され、撮像素子チップ11とカバーガラス12とを接合するために形成されている。接合樹脂32は、撮像素子チップ11の側面(シリコン基板22の側面)に形成され、撮像素子チップ11とカバーガラス12の接合強度を増すため、またシリコン基板22を保護するために形成されている。
【0021】
接合樹脂31と接合樹脂31は、同一の材料で形成しても良いし、異なる材料で形成しても良い。撮像素子チップ11とカバーガラス12との間に形成される接合樹脂31は、有効画素領域21内にある画素(光電変換素子23)に入射される迷光を抑制するために、例えば、光透過率が50%以下の特性を有する材料が用いられる。このことについて、
図3、4を参照して説明する。
【0022】
図3は、従来の撮像装置の構成を示す図である。
図3に示した撮像装置1’(従来の撮像素子であることを示すために、ダッシュを付して記載する、他の部分も同様に記載する)は、撮像素子チップ11’とカバーガラス12’が接合樹脂31’で接合されている。接合樹脂31’は、撮像素子チップ11’とカバーガラス12’の間にだけあり、撮像素子チップ11’の側面には形成されていない。
【0023】
図3に示した撮像装置1’においては、図中左側に、矢印で示したように、入射された光の一部が接合樹脂31’にあたり、反射して、光電変換素子23’側に向かう光がある。
図3の右側に、矢印で示したように、入射された光の一部が接合樹脂31’を透過し、シリコン基板22の表面で反射し、カバーガラス12’の側面で反射し、さらに上面で反射し、光電変換素子23’に入射してしまう光がある。
【0024】
撮像素子チップ11’とカバーガラス12’とを十分に接合するためには、接合樹脂31’の幅c1を十分大きくとる必要がある。よって接合樹脂31’による影響も受けやすくなり、迷光成分が発生する可能性も高くなる。
【0025】
このような接合樹脂31’による迷光成分の発生を防ぐために、
図1に示した撮像装置1の接合樹脂31は、遮光特性を有する材料が用いられる構成とする。遮光特性としては、光が透過しない、光を吸収するといった特性であり、例えば、光透過率が50%以下の特性とすることができる。接合樹脂31は、有色の材料を用いることができる。
【0026】
図3を再度参照するに、接合樹脂31’の幅を幅c1とする。接合樹脂31’は、撮像素子チップ11’とカバーガラス12’を十分に接合する強度が得られるように、ある程度の幅が必要であり、その幅が幅c1であるとする。
【0027】
図4のAは、カバーガラス12’側から撮像装置1’を見たときの撮像装置1’の平面図である。
図4のAに示すように、接合樹脂31’は、有効画素領域21’を囲むように形成されている。接合樹脂31’の幅は、幅c1で形成されている。
【0028】
図1に示した撮像装置1も、
図4のBに示すように、カバーガラス12側から撮像装置1を見た場合、有効画素領域21を囲むように接合樹脂31が形成されている。
【0029】
接合樹脂31は、撮像素子チップ11の外周に所定の幅、ここでは幅b1で形成されている。撮像素子チップ11の外周とは、有効画素領域21の端部から撮像素子チップ11の端部までの領域であり、接合樹脂31は、撮像素子チップ11の端部側の外周部に配置されている。
【0030】
有効画素領域21は、撮像素子チップ11、カバーガラス12、および接合樹脂31により封止されている。封止されている空間を、適宜キャビティと称する。
図1に示したような撮像装置1は、キャビティ構造の撮像装置である。
【0031】
図4のBに示すように、撮像装置1の接合樹脂31の幅は、幅b1とすることができ、この幅b1は、幅c1よりも狭い幅である。このように、接合樹脂31の幅b1を狭くしたとしても、本技術を適用した撮像装置1aは、十分な接合強度で撮像素子チップ11とカバーガラス12を接合した状態を維持することができる。
【0032】
図2を再度参照するに、接合樹脂31は、カバーガラス12の下面(図中、カバーガラス12の下側であり、撮像素子チップ11側の面とする)と幅b1で接合されている。接合樹脂31は、撮像素子チップ11の上面(図中、撮像素子チップ11の上側であり、カバーガラス12側の面とする)と幅a1で接合されている。
【0033】
接合樹脂32は、撮像素子チップ11の側面と幅a2で接合されている。また接合樹脂32は、接合樹脂31と幅a3で接合されている。幅a1+幅a3=幅b1の関係にある。
【0034】
接合樹脂31と接合樹脂32は、幅a3で接合され、十分な強度で接合されている。接合樹脂31と接合樹脂32は、1つの接合樹脂(以下、接合樹脂34と記載する)と見なすことができる。この接合樹脂34は、撮像素子チップ11とは、幅a1と幅a2を足し合わせた幅で接合されていることになる。
【0035】
幅a1と幅a2を足し合わせた幅は、幅c1(
図3)よりも広くなるため、接合樹脂34が撮像素子チップ11と接する面積を大きくすることができる。よって、幅c1よりも狭い幅b1としても、撮像素子チップ11と十分な接合強度を得ることができる。このように、接合樹脂31と接合樹脂32は、撮像素子チップ11とカバーガラス12を接合する役割を有するため、材料としては、上記した遮光性を有する以外に、以下のような特性を有する材料が一例として用いられる。
【0036】
接合樹脂31は、Si(シリコン)を主とした材料のような透湿性が高い材料とすることができる。接合樹脂31は、シリコン基板22とカバーガラス12との密着性(接着性)が強い材料であり、密着性を向上させるための接着層を有する構造とすることもできる。
【0037】
接合樹脂32は、接合樹脂32とシリコン基板22の双方に密着性を有する材料を用いることができ、密着性を向上させるための接着層を有する構造とすることもできる。接合樹脂32は、シリコン基板22の側壁を保護するため、透湿性が低い材料を用いることができる。
【0038】
接合樹脂32の最小の膜厚は、10um以上とすることができる。本技術によれば、後述するように接合樹脂32をシリコン基板22の側壁に形成するため、その膜厚は、厚くし、防湿性能を高めたり、衝撃や熱などからの保護をより高めたりすることができる。接合樹脂32は、接合樹脂31と同じ材料でも良い。
【0039】
接合樹脂31と接合樹脂32を、同じ材料で構成した場合、双方の材料の密着性を向上させたり、コストを低減させたりすることができる。接合樹脂31と接合樹脂32を、異なる材料で構成した場合、それぞれの接合樹脂を目的に適した材料で構成することができ、製品の性能や信頼性を向上させた材料を選択的に用いることができる。
【0040】
<第1の実施の形態における撮像装置1aの製造方法>
図1の撮像装置1aの製造方法を、
図5乃至7を参照して説明する。
【0041】
図5を参照して撮像素子チップ11の製造について説明する。工程S11において、シリコン単結晶から形成された基板に光電変換素子23を含む画素領域が複数形成された半導体ウェハ61が用意される。半導体ウェハ61に、半導体ウェハ61に形成されている光電変換素子23などを保護するための保護シート62が、光電変換素子23などが形成されている面側に貼り合わされる。
【0042】
工程S11において、半導体ウェハ61に、保護シート62と支持基板(不図示)が2重で貼り付けられるようにしても良い。支持基板も貼り付けることで、工程S12以降の工程において、半導体ウェハ61の薄肉化や配線の形成などを容易に行うことができる。
【0043】
工程S12において、保護シート62が貼られた半導体ウェハ61が裏返され、半導体ウェハ61の光電変換素子23が形成されていない側からの加工で半導体ウェハ61が薄肉化される。薄肉化後、半導体ウェハ61に、外部接続端子26と接続するための配線25(再配線(RDL:Redistribution Layer))と、配線25を表面電極27と接続するための貫通電極などが形成される。工程S12において、配線形成が行われる際、外部接続端子26(半田ボール)まで形成されるようにしても良い。
【0044】
工程S13において、ダイシングが行われることで、半導体ウェハ61が個片化され、撮像素子チップ11が製造される。工程S13の状態は、保護シート62はダイシングされず、個片化された撮像素子チップ11が保護シート62に貼り合わされた状態が維持されている状態である。後述する工程S31(
図7)において、撮像素子チップ11は、保護シート62から剥がされ、ウェハ状態のカバーガラス12上に配置される。
【0045】
図6を参照してカバーガラス12に係わる工程について説明する。工程S21において、カバーガラス12となる基板であり、半導体ウェハ61と同程度の大きさで製造されたガラス基板71が用意される。ガラス基板71に、後段の工程でダイシングなどの加工時にガラス基板71に生じる傷を防止するための保護シート72が貼り合わされる。
【0046】
工程S22において、保護シート72が貼り合わされたガラス基板71が裏返され、ガラス基板71の全面に、接合樹脂31となる非光透過樹脂73が塗布される。非光透過樹脂73は、シート状のものを使うこともできる。
【0047】
工程S23において、非光透過樹脂73が加工されることで、接合樹脂31となる部分が形成される。非光透過樹脂73が除去される領域、換言すれば、開口される領域は、撮像素子チップ11よりも小さな開口形状の領域とされる。非光透過樹脂73をパターン形成することで、接合樹脂31となる部分が形成されるようにしても良い、ステンシルマスク等を用いたダイレクトなパターン形成でも良い。
【0048】
工程S23において、非光透過樹脂73を開口する大きさは、任意の大きさに設定することができる。開口された結果、残される非光透過樹脂73の線幅は、接合樹脂31の2本分の線幅、例えば、
図2に示したような幅b1の接合樹脂31を形成する場合、幅b1の2倍の線幅であり、その線幅にダイシング幅を加算した線幅となる。幅b1には、
図2に示したように、接合樹脂31と接合樹脂32が接する幅a3が含まれ、残される非光透過樹脂73の線幅は、この幅a3をどの程度にするかも考慮された線幅とされる。
【0049】
図7を参照して、撮像装置1aのパッケージ化に係わる工程について説明を加える。工程S31において、工程S13で個片化された撮像素子チップ11が、保護シート62から剥がされ、工程S23で接合樹脂31が形成されたガラス基板71上に置かれ、接合される。
【0050】
図7の工程S31のところに図示したように、撮像素子チップ11の両端は、接合樹脂31上にあるように置かれる。断面で見たときには、
図7に示したようになるが、平面で見た場合、撮像素子チップ11の外周部に接合樹脂31が位置し、有効画素領域21の領域が開口された接合樹脂31上に、撮像素子チップ11が配置される。
【0051】
図7の工程S31のところに図示したように撮像素子チップ11同士が、所定の間隔で配置される。この間隔の中央は、スクラブラインとなる部分である。
【0052】
工程S31において、カバーガラス12となるガラス基板71上に撮像素子チップ11を配置するため、異なる大きさの撮像素子チップ11をガラス基板71に配置することもできる。異なる大きさの撮像素子チップ11を配置する場合、工程S23(
図6)において、非光透過樹脂73をパターニングするとき、配置される撮像素子チップ11に合わせた開口を有するパターニングが行われる。このようにすることで、半導体ウェハ61に効率良く撮像素子チップ11を配置することができ、理収を高めることができる。
【0053】
工程S32において、撮像素子チップ11間に接合樹脂32となる材料が充填される。工程S32における処理は、接合樹脂31が硬化した後に行われる。
【0054】
工程S33、工程S34において、ダイシングが行われることで、撮像装置1aに個片化される。
図7では、工程S33において、接合樹脂31と接合樹脂32がダイシングされ、工程S34においてガラス基板71がダイシングされる工程を示した。このように、接合樹脂をダイシングするときとガラス基板71をダイシングするときとで、ブレードを替えて行うようにしても良いし、一括してダイシングする、すなわち工程S33と工程S34に分けずに接合樹脂からガラス基板71までをダイシングするようにしても良い。
【0055】
工程S35において、個片化後の撮像装置1aから、保護シート72が除去されることで、撮像装置1aが製造される。
【0056】
このようにして、撮像装置1aが製造される。接合樹脂31と接合樹脂32は、それぞれ工程S23と工程S32で形成されるため、
図2を参照して説明したように、接合樹脂31と接合樹脂32との間に界面33が存在する。
【0057】
接合樹脂31と接合樹脂32を、別工程で形成するため、異なる材料で形成することも容易となり、所望とされる特性を有する材料を選択的に用いることができる。このような工程で撮像装置1を製造した場合、界面33は、接合樹脂31と接合樹脂32の接合面となり、この接合面は、撮像素子チップ11の上面(撮像素子チップ11の表面)と同じ位置または少しずれた位置にある。
【0058】
界面33は、撮像素子チップ11の表面やカバーガラス12の裏面などと平行となる位置にある。仮に界面33がカバーガラス12と平行以外の位置関係にあると、接合樹脂31上に撮像素子チップ11を配置したとき、撮像素子チップ11がカバーガラス12に対して傾きを有した状態で配置されてしまう可能性がある。よって、接合樹脂31の撮像素子チップ11が配置される側の面は、カバーガラス12と平行に形成される。このような接合樹脂31上に接合樹脂32が充填されるため、接合樹脂31と接合樹脂32接合面(界面33)は、カバーガラス12に対して平行な位置となる。
【0059】
このように、シリコン基板22の配線層まで形成した後に、パッケージ化するため、製造工程中の反りの影響を低減させることができる。
【0060】
<第2の実施の形態における撮像装置の構成>
図8は、第2の実施の形態における撮像装置1bの構成例を示す図である。以下の説明においては、
図1に示した第1の実施の形態における撮像装置1aと同一の部分には同一の符号を付し、適宜詳細な説明は省略する。
【0061】
図8に示した撮像装置1bは、
図1に示した撮像装置1aと比べて、撮像素子チップ11の外部接続端子26が形成されている面(裏面とする)に保護膜101が形成されている点が異なり、他の部分は同一である。
【0062】
保護膜101は、撮像素子チップ11(シリコン基板22)の裏面に形成される配線層を保護する膜として設けられ、裏面の外部接続端子26以外の全面に形成されている。保護膜101を設けることで、撮像素子チップ11の側面と裏面を保護する構成とすることができる。
【0063】
保護膜101は、接合樹脂32と同じ材料で形成することができる。保護膜101を接合樹脂32と同じ材料で形成した場合、製造時に、工程S32(
図7)において、撮像素子チップ11間の隙間に接合樹脂32を充填するときに保護膜101も成膜することができる。
【0064】
<第3の実施の形態における撮像装置の構成>
図9は、第3の実施の形態における撮像装置1cの構成例を示す図である。
【0065】
図9に示した撮像装置1cは、
図1に示した撮像装置1aと比べて、撮像素子チップ11の外部接続端子26が形成されている面に保護膜111が形成されている点と、側面に形成されている接合樹脂112の厚さが薄く形成されている点が異なり、他の部分は同一である。
【0066】
保護膜111は、
図8に示した撮像装置1bの保護膜101と同じく、撮像素子チップ11(シリコン基板22)の裏面に形成される配線層を保護する膜として設けられ、裏面の外部接続端子26以外の全面に形成されている。撮像装置1cの撮像素子チップ11の側面は、接合樹脂112で覆われている。
【0067】
保護膜111と接合樹脂112は、同じ材料で形成することができる。保護膜111と接合樹脂112を同じ材料で形成した場合、製造時に、工程S32(
図7)において、撮像素子チップ11間の隙間を完全に埋めるように接合樹脂112を充填するのではなく、接合樹脂112と接合樹脂31が十分な強度で接合され、撮像素子チップ11を保護できる膜厚となるように形成すれば良い。またこのとき、保護膜111も成膜されるようにすることができる。
【0068】
接合樹脂112の膜厚としては、例えば10um以上の膜厚で被膜されるようにすることができ、保護膜111も、例えば10um以上の膜厚で被膜されるようにすることができる。
【0069】
<第4の実施の形態における撮像装置の構成>
図10は、第4の実施の形態における撮像装置1dの構成例を示す図である。
【0070】
図10に示した撮像装置1dは、
図1に示した撮像装置1aと比べて、撮像素子チップ11とカバーガラス12の間に設けられている接合樹脂121の形状が、テーパ状に形成されている点が異なり、他の部分は同一である。
【0071】
撮像装置1dにおいては、接合樹脂121のキャビティ内側の形状が、テーパ状に形成されている。換言すれば、接合樹脂121は、撮像素子チップ11とカバーガラス12との間で傾斜を有して形成されている。
【0072】
図10に示した例では、接合樹脂121の幅は、撮像素子チップ11側からカバーガラス12側に行くほど広くなる形状で形成されている。接合樹脂121をテーパ状に形成することで、接合樹脂121端に起因する迷光を抑制することができる。また、接合樹脂121とカバーガラス12が接する面積を大きくすることができ、接合樹脂121とカバーガラス12との接合強度を強めることができる。
【0073】
撮像装置1dにおいて、撮像装置1b(
図8)や撮像装置1c(
図9)と同じく、撮像素子チップ11の裏面に保護膜101(111)に該当する保護膜が形成された構成としても良い。
【0074】
<第5の実施の形態における撮像装置の構成>
図11は、第5の実施の形態における撮像装置1eの構成例を示す図である。
【0075】
図11に示した撮像装置1eは、
図1に示した撮像装置1aと比べて、撮像素子チップ11とカバーガラス12の間に設けられている接合樹脂131の形状が、半円弧状に形成されている点が異なり、他の部分は同一である。
【0076】
撮像装置1eにおいては、接合樹脂131のキャビティ内側の形状が、半円弧状、換言すれば、傾斜を有して形成されている。接合樹脂131を半円弧状に形成することで、接合樹脂131端に起因する迷光を抑制することができる。
【0077】
また、接合樹脂131とカバーガラス12が接する面積を大きくすることができ、接合樹脂131とカバーガラス12との接合強度を強めることができる。接合樹脂131と撮像素子チップ11が接する面積を大きくすることができ、接合樹脂131と撮像素子チップ11との接合強度も強めることができる。
【0078】
撮像装置1eにおいて、撮像装置1b(
図8)や撮像装置1c(
図9)と同じく、撮像素子チップ11の裏面に保護膜101(111)に該当する保護膜が形成された構成としても良い。
【0079】
本技術によれば、撮像素子チップ11とカバーガラス12を接合する接合樹脂(例えば、
図1に示した接合樹脂31)の幅を細くすることができ、また幅を細くしても、十分な接合強度を得ることができるため、撮像装置1を小型化することができる。
【0080】
撮像素子チップ11の側面を接合樹脂(例えば、
図1に示した接合樹脂32)により保護する構成とすることで、製品の信頼性を向上させることができる。
【0081】
<電子機器の構成>
上記した撮像装置は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、携帯電話機などの撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に撮像装置を用いる複写機など、画像取込部(光電変換部)にパッケージ化された撮像装置を用いる電子機器全般に対して適用可能である。
【0082】
図12は、本技術に係る電子機器、例えば撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図12に示すように、本技術に係る撮像装置1000は、レンズ群1001等を含む光学系、撮像素子(撮像デバイス)1002、DSP回路1003、フレームメモリ1004、表示装置1005、記録装置1006、操作系1007及び電源系1008等を有する。そして、DSP回路1003、フレームメモリ1004、表示装置1005、記録装置1006、操作系1007および電源系1008がバスライン1009を介して相互に接続されている。
【0083】
レンズ群1001は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで撮像素子1002の撮像面上に結像する。撮像素子1002は、レンズ群1001によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
【0084】
表示装置1005は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等のパネル型表示装置からなり、撮像素子1002で撮像された動画または静止画を表示する。記録装置1006は、撮像素子1002で撮像された動画または静止画を、ビデオテープやDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録する。
【0085】
操作系1007は、ユーザによる操作の下に、本撮像装置が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源系1008は、DSP回路1003、フレームメモリ1004、表示装置1005、記録装置1006及び操作系1007の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0086】
上記の構成の撮像装置は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、さらには携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールなどの撮像装置として用いることができる。そして、当該撮像装置において、撮像素子1002として、上述した撮像装置を用いることができる。
【0087】
<内視鏡手術システムへの応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0088】
図13は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0089】
図13では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0090】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0091】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0092】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0093】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0094】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0095】
光源装置11203は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0096】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0097】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0098】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0099】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0100】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0101】
図14は、
図13に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0102】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0103】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0104】
撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0105】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0106】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0107】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0108】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0109】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0110】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0111】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0112】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0113】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0114】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0115】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0116】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0117】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0118】
本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0119】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0120】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0121】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
光電変換素子が形成されたチップと、
カバーガラスと、
前記チップと前記カバーガラスとを接合する第1の接合部と、
前記第1の接合部と前記チップとに接合されている第2の接合部と
を備え、
前記第1の接合部と前記第2の接合部が接合している接合面は、前記カバーガラスと平行となる位置にある
撮像装置。
(2)
前記接合面は、前記チップの表面が位置する位置にある
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記第1の接合部が前記チップと接合している幅は、前記カバーガラスと接合している幅よりも小さい
前記(1)または(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記第1の接合部と前記第2の接合部は、同じ材料で形成されている
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の撮像装置。
(5)
前記第1の接合部は、有色の材料で形成され、前記第2の接合部は、接着性が高い材料で形成されている
前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の撮像装置。
(6)
前記第2の接合部は、前記チップの側面と、外部との接続端子が形成されている面とに形成されている
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の撮像装置。
(7)
前記第1の接合部の1辺は、前記チップと前記カバーガラスとの間で傾斜を有して形成されている
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の撮像装置。
(8)
光電変換素子が形成されたチップと、
カバーガラスと、
前記チップと前記カバーガラスとを接合する第1の接合部と、
前記第1の接合部と前記チップとに接合されている第2の接合部と
を備え、
前記第1の接合部と前記第2の接合部が接合している接合面は、前記カバーガラスと平行となる位置にある
撮像装置と、
前記撮像装置からの信号を処理する処理部と
を備える電子機器。
【符号の説明】
【0122】
1 撮像装置, 11 撮像素子チップ, 12 カバーガラス, 21 有効画素領域, 22 シリコン基板, 23 光電変換素子, 24 カラーフィルタ層, 25 配線, 26 外部接続端子, 27 表面電極, 31 接合樹脂, 32 接合樹脂, 33 界面, 34 接合樹脂, 61 半導体ウェハ, 62 保護シート, 71 ガラス基板, 72 保護シート, 73 非光透過樹脂, 101 保護膜, 111 保護膜, 112 接合樹脂, 121 接合樹脂, 131 接合樹脂