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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149696
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】床梁接続構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20231005BHJP
   E04B 5/12 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
E04B1/94 V
E04B5/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058421
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤生 直人
(72)【発明者】
【氏名】山木戸 勇也
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001FA01
2E001GA12
2E001HA03
2E001HA21
(57)【要約】
【課題】梁材の耐火性能を高めることのできる床梁接続構造を提供する。
【解決手段】床梁接続構造10は、熱伝導性を有する床材11と、床材11を支承する可燃性を有する梁材12と、床材11と梁材12とを接続する接続部13と、を有する。梁材12は、側面が耐火材14sで、下面が耐火材14bで覆われている。接続部13は、床材11と耐火材14sの上端部とに接触するように設けられ、床材11から梁材12への熱伝導を低減する熱伝導低減部材18を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱伝導性を有する床材と、前記床材を支承する可燃性を有する梁材と、前記床材と前記梁材を接続する接続部と、を有する床梁接続構造であって、
前記梁材は、側面および下面が耐火材で覆われており、
前記接続部は、
前記床材と前記耐火材の上端部とに接触するように設けられ、前記床材下面の火災時において前記床材から前記梁材への熱伝導を低減する熱伝導低減部材を有する
床梁接続構造。
【請求項2】
前記接続部は、前記梁材に一体的に形成されて前記床材を支承する支承部を有し、
前記熱伝導低減部材は、前記支承部の両側に設けられている
請求項1に記載の床梁接続構造。
【請求項3】
前記接続部は、前記床材に一体的に形成されて前記梁材に支承される被支承部を有し、
前記熱伝導低減部材は、前記被支承部の両側に設けられている
請求項1に記載の床梁接続構造。
【請求項4】
前記熱伝導低減部材は、前記床材に沿うように前記耐火材の上端部から内側へ延びている
請求項2または3に記載に床梁接続構造。
【請求項5】
前記熱伝導低減部材は、前記床材に沿うように前記耐火材の上端部から外側へ延びている
請求項2または3に記載に床梁接続構造。
【請求項6】
前記熱伝導低減部材は、下面の一部が露出した状態で前記床材に埋設されている
請求項5に記載の床梁接続構造。
【請求項7】
前記熱伝導低減部材は、前記床材と前記耐火材とによって形成される入隅部に設けられている
請求項1に記載の床梁接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床材と梁材とを接続する床梁接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、鉄筋コンクリート製の床(床スラブ)を木製の梁で支持する構造が記載されている。この構造において、梁は、床の荷重を支える梁材(芯材)を有しており、その梁材の上面で床を直接支持している。梁材は、その側面および下面が燃え止まり層で覆われているとともに、その燃え止まり層が燃え代層によって覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-83104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した構造は、床材下面の火災時に床が熱せられると、床を伝わる熱によって梁材の上面に焦げや変色が生じやすいため、梁材の耐火性能について改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する床梁接続構造は、熱伝導性を有する床材と、前記床材を支承する可燃性を有する梁材と、前記床材と前記梁材を接続する接続部と、を有する床梁接続構造であって、前記梁材は、側面および下面が耐火材で覆われており、前記接続部は、前記床材と前記耐火材の上端部とに接触するように設けられ、前記床材下面の火災時において前記床材から前記梁材への熱伝導を低減する熱伝導低減部材を有する。これにより、床材の熱の一部が熱伝導低減部材に伝わるため、床材から梁材への熱伝導を低減させることができる。その結果、梁材の耐火性能を高めることができる。
【0006】
上記構成において、前記接続部は、前記梁材に一体的に形成されて前記床材を支承する支承部を有し、前記熱伝導低減部材は、前記支承部の両側に設けられていてもよい。これにより、床材から梁材への熱伝導を支承部の両側で低減させることができる。
【0007】
上記構成において、前記接続部は、前記床材に一体的に形成されて前記梁材に支承される被支承部を有し、前記熱伝導低減部材は、前記被支承部の両側に設けられていてもよい。これにより、床材から梁材への熱伝導を被支承部の両側で低減させることができる。
【0008】
上記構成において、前記熱伝導低減部材は、前記床材に沿うように前記耐火材の上端部から内側へ延びていてもよい。これにより、床材と梁材との接触面積を小さくすることができる。その結果、床材から梁材への熱伝導をさらに低減することができる。
【0009】
上記構成において、前記熱伝導低減部材は、前記床材に沿うように前記耐火材の上端部から外側へ延びていてもよい。これにより、梁材の上面全体を床材に接触させることができる。その結果、床材から梁材への荷重伝達、特に鉛直方向における荷重伝達を効率よく行うことができる。
【0010】
上記構成において、前記熱伝導低減部材は、下面の一部が露出した状態で前記床材に埋設されていてもよい。これにより、床材から梁材への熱伝導を効率よく抑えることができる。
【0011】
上記構成において、前記熱伝導低減部材は、前記床材と前記耐火材とによって形成される入隅部に設けられていてもよい。これにより、熱伝導低減部材の大きさについての自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態において、床梁接続構造の概略構成を模式的に示す図である。
図2】第1実施形態において、床梁接続構造の施工方法を模式的に示す図である。
図3】第2実施形態において、床梁接続構造の概略構成を模式的に示す図である。
図4】第2実施形態において、床梁接続構造の施工方法を模式的に示す図である。
図5】第3実施形態において、床梁接続構造の概略構成を模式的に示す図である。
図6】第3実施形態において、床梁接続構造の施工方法を模式的に示す図である。
図7】第4実施形態において、床梁接続構造の概略構成を模式的に示す図である。
図8】第4実施形態において、床梁接続構造の施工方法を模式的に示す図である。
図9】変形例において、床梁接続構造の概略構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
図1および図2を参照して、床梁接続構造の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、床梁接続構造10は、床材11、梁材12、および、接続部13を有する。なお、図1および図2において、下方向が鉛直方向である。
【0014】
床材11は、熱伝導性を有する。具体的には、床材11は、梁材12よりも高い熱伝導性を有する。床材11は、梁材12が設置された状態で打設されたセメント組成物が硬化することにより形成される。
【0015】
セメント組成物は、少なくともセメントと水とを混練した流動体である。セメント組成物は、例えば、セメントに骨材である砂利や砂などを混ぜたセメント混合物と水と混練したコンクリートである。セメント組成物は、スリムクリート(登録商標)等のモルタルであってもよく、繊維を混合したもの(繊維補強コンクリート材料)であってもよい。また、床材11には、各種の鉄筋が配設されていてもよい。
【0016】
梁材12は、断面矩形状の木材によって構成されており、可燃性を有する。梁材12は、図1の紙面に直交する方向に延びており、図示されない柱材などに支持されている。梁材12は、床材11の荷重を支える部材である。梁材12の側面は、耐火材14sによって覆われている。梁材12の下面は、耐火材14bによって覆われている。耐火材14s,14bは、梁材12よりも燃えにくい部材であり、耐水性に優れた耐水強化石膏ボードのほか、ケイカル板などの不燃材で構成することができる。耐火材14s,14bは、図示されないビスなどにより梁材12に取り付けられている。なお、図1では、側面および下面が重畳する2枚の耐水強化石膏ボードで構成されている場合を示している。
【0017】
梁材12には、接続部13を構成する支承部16が一体的に形成されている。支承部16は、床材11を支承する部分である。支承部16は、梁材12の上面中央部から上方に突出しており、断面矩形状に形成されている。なお、床材11と支承部16との間には、防水性を有するシート材が介在していてもよい。
【0018】
床材11と梁材12とは、床材11と梁材12との間において水平方向荷重が伝達されやすくなるように、例えばビスやスタッドなど、支承部16を貫通して床材11と梁材12とに跨がる埋設部材17を介して床材11に連結されることが好ましい。
【0019】
(熱伝導低減部材)
接続部13を構成する熱伝導低減部材18は、火災にともなって床材11を伝わる熱の一部を吸収することにより、床材11から梁材12への熱伝導(伝熱量)を低減する。特に、熱伝導低減部材18は、支承部16および梁材12の上側隅角部12aへの熱伝導を低減する。
【0020】
第1実施形態では、熱伝導低減部材18は、支承部16の両側に設けられている。熱伝導低減部材18は、その上面が支承部16の上面と面一となるように設けられている。熱伝導低減部材18は、耐火材14sの上端部から支承部16に向かって、床材11の下面に沿うように内側へと延びている。熱伝導低減部材18は、耐火材14sの外側面から数cm以上、好ましくは10cm程度内側に延びているとよい。熱伝導低減部材18は、耐水性に優れた不燃材であることが好ましい。熱伝導低減部材18は、例えば耐水強化石膏ボードで構成することができる。熱伝導低減部材18は、図示されないビスなどにより梁材12に取り付けられる。なお、図1においては、各熱伝導低減部材18が重畳する2枚の耐水強化石膏ボードで構成された場合を示している。
【0021】
(施工方法)
図2に示すように、梁材12は、埋設部材17のほか、耐火材14s,14bおよび熱伝導低減部材18が取り付けられた状態で施工現場に搬入されたのち、所定の位置に設置される。その後、梁材12の周囲に型枠19が設置される。型枠19は、その上面が支承部16の上面および熱伝導低減部材18の上面と面一となるように設置される。その後、矢印で示すようにセメント組成物が打設され、その打設されたセメント組成物が硬化することにより床材11が形成される。床材11が形成されると型枠19が取り除かれる。
【0022】
第1実施形態の作用および効果について説明する。
(1-1)床梁接続構造10においては、梁材12の側面が耐火材14sで覆われているとともに床材11から梁材12への熱伝導を低減する熱伝導低減部材18が設けられている。火災にともなう床材11の熱の一部は、梁材12の側面を覆う耐火材14sのほか、熱伝導低減部材18への伝わることとなる。これにより、床材11から梁材12への熱伝導を低減させることができる。また、床材11が支承部16を介して梁材12によって支承されていることから、床材11と梁材12との間における荷重伝達が阻害されることもない。
【0023】
すなわち、床梁接続構造10によれば、構造性能を損なうことなく、梁材12の耐火性能を高めることができる。また、床材11の下面に対して火災時における脱落が防止されるように耐火被覆を施工する必要がないため、床材11の意匠性を損なうこともない。
【0024】
(1-2)熱伝導低減部材18が支承部16の両側に設けられていることから、床材11から梁材12への熱伝導を支承部16の両側において低減させることができる。
(1-3)熱伝導低減部材18は、床材11に沿うように耐火材14sの上端部から内側へ延びている。これにより、床材11と支承部16との接触面積を小さくすることができる。その結果、支承部16を介した床材11から梁材12への熱伝導をさらに低減することができる。特に、梁材12の上側隅角部12aへの熱伝導を低減することができる。
【0025】
(1-4)また、耐火材14s,14bおよび熱伝導低減部材18の取付作業を工場などの施工現場とは異なる場所で行うことができる。そのため、耐火材14s,14bおよび熱伝導低減部材18を取り付けた状態で梁材12を施工現場に搬入することができる。その結果、施工現場における作業効率を高めることができる。
【0026】
(第2実施形態)
図3および図4を参照して、床梁接続構造の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の床梁接続構造は、第1実施形態における床梁接続構造と主要な構成が同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0027】
図3に示すように、第2実施形態の接続部20は、熱伝導低減部材18と、床材11に一体的に形成された被支承部22と、を有する。被支承部22は、梁材12によって支承される部分である。被支承部22は、床材11の下面から下方へ突出する断面矩形状に形成されている。
【0028】
(熱伝導低減部材)
熱伝導低減部材18は、被支承部22の両側に設けられている。熱伝導低減部材18は、耐火材14sの上端部から被支承部22に向かって、床材11に沿うように内側へ延びている。
【0029】
(施工方法)
図4に示すように、第2実施形態では、型枠19は、その上面が熱伝導低減部材18の下面と面一となるように設置される。その後、矢印で示すようにセメント組成物が打設され、その打設されたセメント組成物が硬化することにより床材11が形成される。このとき、熱伝導低減部材18の間に流れ込んだセメント組成物によって被支承部22が形成される。
【0030】
第2実施形態によれば、上記(1-1)、(1-3)、(1-4)に記載した効果に準ずる効果のほか、下記の効果が得られる。
(2-1)熱伝導低減部材18が被支承部22の両側に設けられていることから、床材11から梁材12への熱伝導を被支承部22の両側において低減させることができる。
【0031】
(2-2)熱伝導低減部材18は、セメント組成物を打設することにより形成される被支承部22の両側に設けられている。これにより、梁材12製造時における加工を簡素なものとすることができる。
【0032】
(第3実施形態)
図5および図6を参照して、床梁接続構造の第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態の床梁接続構造は、第1実施形態における床梁接続構造と主要な構成が同じである。そのため、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0033】
図5に示すように、第3実施形態の接続部30は、床材11に一体的に形成された被支承部32と、熱伝導低減部材35と、を有する。被支承部32は、梁材12によって支承される部分である。被支承部32は、床材11の下面から下方へ突出する断面矩形状に形成されている。
【0034】
(熱伝導低減部材)
熱伝導低減部材35は、被支承部32の両側に設けられている。熱伝導低減部材35は、耐火材14sの上端部から床材11に沿うように外側へ延びている。熱伝導低減部材35は、その下面の一部が露出した状態で床材11に埋め込まれるように設けられている。熱伝導低減部材35は、その下面が、床材11の下面、耐火材14sの上面、および、梁材12の上面と面一に設けられている。熱伝導低減部材35は、梁材12の上面全体が被支承部32に接触するように設けられている。熱伝導低減部材35は、例えば接着剤やビスなどを用いて耐火材14sの上面に取り付けることができる。なお、図5においては、各熱伝導低減部材35が1枚のケイカル板で構成されている場合を示している。
【0035】
(施工方法)
図6に示すように、第3実施形態では、梁材12は、耐火材14sの上面に対して熱伝導低減部材35が取り付けられた状態で施工現場に搬入される。型枠19は、その上面の一部が熱伝導低減部材35の下面を支持するように設置される。その後、セメント組成物が打設され、その打設されたセメント組成物が硬化することにより床材11が形成される。このとき、熱伝導低減部材35の間に流れ込んだセメント組成物によって被支承部32が形成される。
【0036】
第3実施形態によれば、上記(1-1)、(1-3)、(1-4)、(2-1)、(2-2)に記載した効果に準ずる効果のほか、下記の効果が得られる。
(3-1)熱伝導低減部材35が床材11に埋め込まれるように設けられていることから、例えば熱伝導低減部材35の上面のみが床材11に接触している場合に比べて、床材11の熱を熱伝導低減部材35が効率よく吸収することができる。
【0037】
(3-2)熱伝導低減部材35は、梁材12の上面全体が被支承部32に接触するように設けられている。その結果、被支承部32を介した床材11から梁材12への荷重伝達、特に鉛直方向における荷重伝達を効率よく行うことができる。
【0038】
(第4実施形態)
図7および図8を参照して、床梁接続構造の第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態の床梁接続構造は、第1実施形態における床梁接続構造と主要な構成が同じである。そのため、第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、第1実施形態と同様の部分については同様の符号を付すことによりその詳細な説明は省略する。
【0039】
図7に示すように、第4実施形態の接続部は、熱伝導低減部材45で構成されている。熱伝導低減部材45は、床材11と耐火材14sとによって形成される入隅部に設けられている。具体的には、熱伝導低減部材45は、耐火材14sの上端部における外側面から床材11に沿うように外側へ延びている。熱伝導低減部材45は、その上面が床材11の下面の接触するように設けられている。
【0040】
熱伝導低減部材45は、取付部材46を介して耐火材14sに取り付けられている。取付部材46は、例えば接着剤やビスなどを用いて、熱伝導低減部材45および耐火材14sに取り付けられている。こうした取付部材46により、熱伝導低減部材45と耐火材14sとをより強固に連結することができる。取付部材46は、梁材12の延在方向における一端部から他端部まで設けられている。また、取付部材46は、不燃材で構成されることが好ましい。なお、図7においては、各熱伝導低減部材45が1枚のケイカル板で構成されている場合を示している。
【0041】
(施工方法)
図8に示すように、第4実施形態では、梁材12は、耐火材14sの外側面に対して取付部材46を介して熱伝導低減部材45が取り付けられた状態で施工現場に搬入される。型枠19は、その上面が熱伝導低減部材45の上面と面一となるように設置される。その後、矢印で示すようにセメント組成物が打設され、その打設されたセメント組成物が硬化することにより床材11が形成される。
【0042】
第4実施形態によれば、上記(1-1)、(1-2)、(1-4)、(3-2)に記載した効果に準ずる効果のほか、下記の効果が得られる。
(4-1)熱伝導低減部材45が取付部材46を介して耐火材14sに取り付けられることで、熱伝導低減部材45と耐火材14sとを強固に連結することができる。
【0043】
(4-2)耐火材14sの上端部における外側面が熱伝導低減部材45で覆われるため、床材11の下層階において発生した火災の影響を耐火材14sの上端部が受けにくくなる。
【0044】
第1~第4実施形態は、以下のように変更して実施することができる。第1~第4実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0045】
・第1~第4実施形態において、床材11は、型枠19を設置した状態でセメント組成物を打設することにより形成されるものとした。これに限らず、床材11は、デッキプレートを鋼製捨て型枠としてセメント組成物を打設して形成されるものであってもよい。
【0046】
図9に示すように、熱伝導低減部材は、床材11と耐火材14sとがなす入隅部に吹き付けられた吹付材50であってもよい。吹付材50の一例としては、粒状のロックウール繊維を主原料として硬化材としてセメントを含んだ流動体である吹付けロックウールが挙げられる。
【0047】
・第4実施形態において、熱伝導低減部材45は、取付部材46を介すことなく、例えば接着剤で耐火材14sの外側面に取り付けられる構成であってもよい。
・第3実施形態において、熱伝導低減部材35は、耐火材14sの上端部から床材11に沿うようにして、外側および内側の双方に延びていてもよい。
【符号の説明】
【0048】
10…床梁接続構造、11…床材、12…梁材、12a…上側隅角部、13…第1実施形態の接続部、14b,14s…耐火材、16…第1実施形態の接続部を構成する支承部、17…埋設部材、18…第1および第2実施形態の接続部を構成する熱伝導低減部材、19…型枠、20…第2実施形態の接続部、22…第2実施形態の接続部を構成する被支承部、30…第3実施形態の接続部、32…第3実施形態の接続部を構成する被支承部、35…第3実施形態の接続部を構成する熱伝導低減部材、45…第4実施形態の接続部を構成する熱伝導低減部材、46…取付部材、50…吹付材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9