(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149737
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】コイン研磨装置
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20231005BHJP
B08B 1/02 20060101ALI20231005BHJP
B24B 29/00 20060101ALI20231005BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20231005BHJP
【FI】
A63F5/04 691Z
B08B1/02
B24B29/00 E
B24B41/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058479
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】596000523
【氏名又は名称】総和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 茂
【テーマコード(参考)】
2C182
3B116
3C034
3C158
【Fターム(参考)】
2C182CA10
2C182EB20
3B116AA03
3B116AB16
3B116BA02
3B116BA14
3B116BA15
3C034AA07
3C034BB85
3C034DD20
3C158AA06
3C158AA12
3C158AA14
3C158AA16
3C158AA18
3C158AB01
3C158AB03
3C158AB06
3C158AB08
3C158CA01
3C158CB01
(57)【要約】
【課題】回転ブラシを使用して、コインの両面に付着した汚れを良好に除去できるコイン研磨装置を提供する。
【解決手段】本発明のコイン研磨装置は、コ字型の部材を向かい合わせたコインガイドによりコインが水平状態で搬送され、コイン駆動部で駆動されたコインがブラシ部に押し込まれ、ところてん式に押し出されるコイン研磨装置であって、コイン駆動部には、回転ベルトが備えられ、コインガイドの一側の開口部からコインを押圧し、回転させながら搬送方向に送り出すと共に、ブラシ部には、長尺な円筒ブラシがコインガイドと並行にかつコインガイドの上側と下側に設置され、互いに反対方向に回転する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コ字型の部材を向かい合わせたコインガイドによりコインが水平状態で搬送され、コイン駆動部で駆動されたコインがブラシ部に押し込まれ、ところてん式に押し出されるコイン研磨装置であって、
前記コイン駆動部には、回転ベルトが備えられ、前記コインガイドの一側の開口部からコインを押圧し、回転させながら搬送方向に送り出すと共に、
前記ブラシ部には、長尺な円筒ブラシが前記コインガイドと並行にかつ前記コインガイドの上側と下側に設置され、互いに反対方向に回転することを特徴とするコイン研磨装置。
【請求項2】
前記円筒ブラシは、長さがコイン径の5~7倍で、直径がコイン径の3~4倍で、回転数が1200~1800回転/分であることを特徴とする請求項1に記載のコイン研磨装置。
【請求項3】
前記回転ベルトは、送り速度が30~40m/分であることを特徴とする請求項2に記載のコイン研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイン研磨装置に係り、より詳しくは、円筒ブラシを使用してコインの表面と裏面の両面を良好に研磨できるコイン研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の「コイン研磨装置」は、遊技機のスロットマシンで使用されるコインを研磨する装置で、搬送されるコインの両側に研磨ベルトを設け、押圧しながらコインの搬送方向と逆の方向に研磨ベルトを送り、コインに付着した汚れを落とす装置である。研磨ベルトには、布や合成皮革が使用される。
【0003】
特許文献2の「メダル洗浄装置」は、遊技機用のメダルを洗浄液で洗浄した後、メダル移送路の両側に配置したブラシでブラッシングを行う装置である。ブラシは、回転軸がメダルの進行方向と直交するように設置される。そのためブラシはメダルの表面を1回清掃するだけである。このようなブラッシングでは、コインに付着した汚れを落とすことができない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-277090号公報
【特許文献2】特開開平11-4953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コインの表面と裏面の汚れを良好に除去できるコイン研磨装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるコイン研磨装置は、コ字型の部材を向かい合わせたコインガイドによりコインが水平状態で搬送され、コイン駆動部で駆動されたコインがブラシ部に押し込まれ、ところてん式に押し出されるコイン研磨装置であって、前記コイン駆動部には、回転ベルトが備えられ、前記コインガイドの一側の開口部からコインを押圧し、回転させながら搬送方向に送り出すと共に、前記ブラシ部には、長尺な円筒ブラシが前記コインガイドと並行にかつ前記コインガイドの上側と下側に設置され、互いに反対方向に回転することを特徴とする。
【0007】
前記円筒ブラシは、長さがコイン径の5~7倍で、直径がコイン径の3~4倍で、回転数が1200~1800回転/分であることを特徴とする。
【0008】
前記回転ベルトは、送り速度が30~40m/分であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるコイン研磨装置によれば、
(1)長尺な円筒ブラシをコインガイドの上側と下側にコインガイドと並行に配置したので、円筒ブラシの長い距離をコインと接触でき、コインの両面を一挙に研磨できる。しつこい汚れも落とすことができる。
(2)コ字型の部材を向かい合わせたコインガイドは、コインを水平状態にして搬送し、コインの上面と下面を露出できるので、両面研磨に都合がよい。
(3)コインガイドの上側と下側の円筒ブラシは、互いに反対方向に回転したので、汚れを一側(後方又は前方)に排出できる。
(4)コインは、コイン駆動部で駆動され、ブラシ部からところてん式に押し出されるので、コインを送り出す速度で、研磨の時間を決めることができる。
【0010】
本発明によれば、
(1)円筒ブラシの長さをコイン径の5~7倍の長さとしたので、コイン径が25mmの場合、145mm~175mmの距離をコインと接触でき、コインを十分に研磨できる。
(2)円筒ブラシの直径をコイン径の3~4倍としたので、平ブラシをコインの上面と下面に接触させているような状態で研磨できる。
(3)円筒ブラシの回転数を1200~1800回転/分としたので、コインに付着した手垢、汗、ジュースの付着物、埃などのしつこい汚れを除去できる。
【0011】
本発明によれば、コイン駆動部の回転ベルトは、送り速度を30~40m/分としたので、ブラシ部でのコインの進行速度が制御でき、コインがブラシ部に留まる時間を長くすることや短くすることができ、コインに付着した手垢、汗、ジュースの付着物、埃などの汚れを除去できるにできる。コインの直径を2.5mとすると、1200~1600枚/分のコインが研磨できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明によるコイン研磨装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明によるコイン研磨装置を詳しく説明する。
【実施例0014】
図1は、本発明によるコイン研磨装置100の正面図である。コイン研磨装置100は、コイン駆動部20とブラシ部30からなる。コイン駆動部20は、コイン3を搬送方向に送り出す。ブラシ部30は、コインガイド4で搬送されるコイン3の上側と下側からコイン3を円筒ブラシ2、2’で研磨する。
【0015】
ブラシ部30は、長尺な円筒ブラシ2、2’がコインガイド4の上側と下側に設けられる。円筒ブラシ2、2’は、長手方向がコインガイド4と並行に設けられる。コインガイド4は、断面がコ字型の長尺な部材を向かい合わせにした形状で、コイン3を水平状態で搬送するための搬送路を形成する。コイン3は、遊技機で使用されるコイン(メダルとも称す)や硬貨(金属の貨幣)を指す。コイン3は、コインガイド4によって前後方向の両端が保持され、コイン3の上面と下面が露出する形で搬送される。本実施例では、コイン3は、直径が25mm、厚さが1.5mmの遊技機のコインである。コインガイド4の幅(前後方向)は、25.5mmである。また、コインガイド4の開口幅(前後方向)は21.5mmである。コイン3の両端は、両側の数mmのせり出し幅で保持される。硬貨は、遊技機のコインとは寸法が異なるので、これに合わせたコインガイド4にする必要がある。
【0016】
図1に示すように、円筒ブラシ2、2’は、筒に毛材6を植え付けたブラシである。毛材6は、1巻きずつ長さ方向に植毛したものでよい。毛材6をコイル巻きにしたものでもよい。
【0017】
円筒ブラシ2、2’は、長手方向の長さがコイン3の直径(コイン径と称す)の5~7倍の長さで、本実施例では、コイン径が25mmのため6倍の15cmとした。これによれば、コイン3を円筒ブラシ2、2’に長い区間に渡って接触させ研磨できる。円筒ブラシ2、2’は、直径をいずれも8cmとした。円筒ブラシ2、2’の直径は、コイン径の3~4倍の長さにできる。これによれば、平ブラシのようにコイン3に接触できる。
【0018】
円筒ブラシ2を回転させるモーター7と、円筒ブラシ2’を回転させるモーター7’を備える。モーター7の回転は、プーリ8、8とベルト9で円筒ブラシ2に伝達される。モーター7’の回転は、プーリ8’、8’とベルト9’で円筒ブラシ2’に伝達される。モーター7、7’の回転数は、1500回転/分(rpm)とした。回転数は、1200~1800回転/分(rpm)の範囲で選定できる。
【0019】
図2は、
図1のA-A線断面図である。コインガイド4は、断面がコ字型の長尺な部材を向かい合わせにした形状で、コイン3を水平に搬送するための搬送路である。円筒ブラシ2は、右回りに回転させた。円筒ブラシ2’は、逆の左回りに回転させた。互いに逆回りとなるように回転させたので、コイン3の上面と下面の埃や汚れは、矢印の後方に払い出される。汚れには手垢や汗、ジュースの付着物、それに埃などがある。円筒ブラシ2、2’の回転方向を
図2とは逆にした場合、コイン3の上面と下面の埃や汚れは前方に払い出される。
【0020】
図3は、コイン駆動部20の平面図である。コイン駆動部20は、プーリ22、22に回転ベルト21が掛け渡されており、コイン3を押圧して、回転させることで搬送方向に送り出す。コインガイド4は、コ字型の部材の一方を切り欠いて開口部4aが設けられる。開口部4aを設けたので、回転ベルト21がコイン3を押圧できる。コイン駆動部20からブラシ部30に押し込まれたコイン3は、ところてん式にブラシ部30から押し出される。回転ベルト21は、送り速度が30~40m/分である。本実施例では、1500枚/分のコイン3(25mmφ)を研磨できる速度とした。
【0021】
図4は、ブラシ部30の平面図である。一点鎖線は円筒ブラシ2を示す。円筒ブラシ2の直径は、コイン3の直径より約3倍大きいので、良好に研磨できる。しかも、5個のコイン3を同時に研磨できる。コインは、コイン駆動部20からブラシ部30に押し込まれ、コイン3が連続する限り、ところてん式にブラシ部30から押し出される。
【0022】
図1のブラシ部30の下流側(右側)には、コイン3の回収箱が設置される。コイン駆動部20の上流側(左側)にはコインを1枚ずつ取り出すホッパが設けられる。ホッパの底部には回転テーブルが設けられ、コインが1枚ずつ取り出され、コイン駆動部20に送り出される。