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特開2023-149766嵌合状態判定システム、計測器、嵌合状態判定プログラム
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  • 特開-嵌合状態判定システム、計測器、嵌合状態判定プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149766
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】嵌合状態判定システム、計測器、嵌合状態判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20231005BHJP
   G01H 1/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
G01H1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058521
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000130178
【氏名又は名称】株式会社コスモ計器
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 昭男
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】田代 康浩
【テーマコード(参考)】
2G024
2G064
【Fターム(参考)】
2G024AD28
2G024BA08
2G024CA13
2G024DA28
2G024FA06
2G064AA12
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB22
2G064BA02
2G064DD18
(57)【要約】
【課題】作業者の感性に頼ることなく、コネクタの嵌合状態を判定する。
【解決手段】本発明の嵌合状態判定システムは、骨伝導センサと、骨伝導センサで検知した振動を示す信号が入力される計測器を備える。骨伝導センサは、作業者が嵌合作業を行う指に取り付けるための取付具を有し、振動を検知する。計測器には、骨伝導センサで検知した振動を示す信号である振動信号が入力される。計測器は、信号受信部、トリガ判断部、振動データ取得部、嵌合状態判定部を備える。信号受信部は、振動信号を振動データに変換し、取得する。トリガ判断部は、あらかじめ定めたトリガデータが入力されたことを判断する。振動データ取得部は、トリガ判断部がトリガデータと判断した場合は、あらかじめ定めた期間、取得した振動データを記録する。嵌合状態判定部は、振動データ取得部が記録した振動データに基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者がコネクタの嵌合作業を行う指に取り付けるための取付具を有し、振動を検知する骨伝導センサと、
前記骨伝導センサで検知した振動を示す信号である振動信号が入力される計測器を備え、
コネクタの嵌合の状態を判定するための嵌合状態判定システムであって、
前記計測器は、
前記振動信号を振動データに変換し、取得する信号受信部と、
あらかじめ定めたトリガデータが入力されたことを判断するトリガ判断部と、
前記トリガ判断部がトリガデータと判断した場合は、あらかじめ定めた期間、取得した振動データを記録する振動データ取得部と、
前記振動データ取得部が記録した振動データに基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する嵌合状態判定部と
を備える
ことを特徴とする嵌合状態判定システム。
【請求項2】
コネクタの嵌合の状態を判定するために、作業者がコネクタの嵌合作業を行う指に取り付けた骨伝導センサで検知した振動信号が入力される計測器であって、
前記振動信号を振動データに変換し、取得する信号受信部と、
あらかじめ定めたトリガデータが入力されたことを判断するトリガ判断部と、
前記トリガ判断部がトリガデータと判断した場合は、あらかじめ定めた期間、取得した振動データを記録する振動データ取得部と、
前記振動データ取得部が記録した振動データに基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する嵌合状態判定部と
を備える計測器。
【請求項3】
請求項2記載の計測器であって、
前記トリガ判断部は、前記振動データの特徴に基づいて、あらかじめ定めたトリガデータかを判断する
ことを特徴とする計測器。
【請求項4】
請求項3記載の計測器であって、
前記のあらかじめ定めたトリガデータとは、前記指にあらかじめ定めた時間内にあらかじめ定めた回数の振動を与えたときに生じる振動データである
ことを特徴とする計測器。
【請求項5】
請求項3または4記載の計測器であって、
前記トリガデータと異なる振動データの特徴に基づいて、あらかじめ定めた複数の作業の中から1つの作業を選択する作業選択部も備え、
前記嵌合状態判定部は、前記作業選択部で選択された作業に対応する判定条件に基づいてコネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する
ことを特徴とする計測器。
【請求項6】
請求項3~5のいずれかに記載の計測器であって、
前記トリガ判断部は、トリガデータと判断した振動データに基づいて、前記指に取り付けた前記骨伝導センサの取付状態を判断する
ことを特徴とする計測器。
【請求項7】
請求項3~5のいずれかに記載の計測器であって、
前記トリガ判断部は、トリガデータと判断した振動データに基づいて、前記指の先端から前記骨伝導センサまでの伝達関数を推定する
ことを特徴とする計測器。
【請求項8】
請求項2~7のいずれかに記載の計測器であって、
前記嵌合状態判定部は、振動データの周波数成分の特徴に基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する
ことを特徴とする計測器。
【請求項9】
請求項2~8のいずれかに記載の計測器としてコンピュータを機能させるための嵌合状態判定プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者の指に取り付けた骨伝導センサで検知した振動を示す信号を用いて、コネクタの嵌合の状態を判定する嵌合状態判定システム、計測器、嵌合状態判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタの嵌合状態を確認する従来技術として、非特許文献1の技術が知られている。非特許文献1の要約には『ハーネスコネクタ嵌合作業における工程内品質保証度を向上させるため,マツダでは半嵌合の発生しないコネクタの開発をすすめてきた。更なるコネクタ嵌合品質の向上は車両組立領域の大きな課題である。これまで半嵌合防止構造を持つコネクタを標準コネクタとして全社展開してきたが,嵌合相手側の構造の制約等で現状以上に半嵌合防止コネクタを拡大展開するのは困難である。そこで生産/開発共同で,通常のコネクタに対して作業者が嵌合作業の完了を容易に判断できる3つの要素を定量化したフィーリング新基準を制定し,新型アクセラの量産準備業務ではそれに基づきハーネスコネクタ嵌合作業の工程内保証度の高いフィーリング良好なものを標準コネクタとして選定する活動を行ってきた。そして,机上でのフィーリング新基準評価結果と実車評価結果の相関関係を検証し,今後のコネクタ判断基準の標準化と量産準備段階での評価プロセスへの展開を行った。』と示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】久保田修平、 戸井隆史、“ハーネスコネクタ嵌合作業における工程内品質保証”,[令和4年3月4日検索]、マツダ技報、No.27、2009、インターネット< https://www.mazda.com/contentassets/75e8f8745fb8423ea76e59f85b2991be/files/2009_no032.pdf/>.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術はフィーリングという作業者の感性に依存したあいまいな基準で評価しているという課題がある。本発明は、作業者の感性に頼ることなく、コネクタの嵌合状態を判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の嵌合状態判定システムは、骨伝導センサと、骨伝導センサで検知した振動を示す信号が入力される計測器を備える。骨伝導センサは、作業者が嵌合作業を行う指に取り付けるための取付具を有し、指先からの振動を検知する。計測器には、骨伝導センサで検知した振動を示す信号である振動信号が入力される。計測器は、信号受信部、トリガ判断部、振動データ取得部、嵌合状態判定部を備える。信号受信部は、振動信号を振動データに変換し、取得する。トリガ判断部は、あらかじめ定めたトリガデータが入力されたことを判断する。振動データ取得部は、トリガ判断部がトリガデータと判断した場合は、あらかじめ定めた期間、取得した振動データを記録する。嵌合状態判定部は、振動データ取得部が記録した振動データに基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の嵌合状態判定システムによれば、作業者が嵌合作業を行う指に取り付けた骨伝導センサで、嵌合作業中の指先からの振動を検知する。骨伝導を利用するので、周囲の雑音の影響をほとんど受けることなく、嵌合時の振動を検出できる。そして、あらかじめ定めた期間内に取得した振動データに基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する。よって、作業者の感性に頼ることなく、コネクタの嵌合状態を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の嵌合状態判定システムの機能構成例を示す図。
図2】発明の計測器の処理フローの例を示す図。
図3】コンピュータの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0009】
図1に本発明の嵌合状態判定システムの機能構成例を示す。図2に本発明の計測器の処理フローの例を示す。嵌合状態判定システム10は、骨伝導センサ200と、骨伝導センサ200で検知した振動を示す信号が入力される計測器を備える。
【0010】
骨伝導センサ200は、作業者が嵌合作業を行う指に取り付けるための取付具210を有し、指先からの振動を検知する。取付具210は指輪のような形状、もしくは指に巻き付けるベルトのような形状とすればよい。振動の検知は、振動検知部220が行い、検知した振動を示す信号である振動信号は信号送信部230によって計測器100に送信される。振動検知部220は、取付具210と一体的になるように配置し、取付具210を伝わる振動を検知すればよい。信号送信部230は、振動検知部220と一体的にしてもよいし、信号線などで接続した上で別体としてもよい。計測器100には、骨伝導センサ200で検知した振動を示す信号である振動信号が入力される。骨伝導センサ200と計測器100との通信は、無線により行えばよい。
【0011】
計測器100は、少なくとも信号受信部110、トリガ判断部120、振動データ取得部130、嵌合状態判定部140を備える。計測器100は、作業選択部150、記録部190も備えればよい。記録部190には、嵌合状態判定部140が合否を判定する際の判定条件などを記録しておけばよい。
【0012】
信号受信部110は、振動信号を振動データに変換し、取得する(S110)。より具体的には、信号受信部110は、骨伝導センサ200からの振動信号を受信し(S111)、振動信号を増幅し、復調する(S112)。復調とは、搬送波が含まれた信号から振動を示す信号だけを取り出す処理などであるが、これらに限定する必要はない。信号受信部110は、アナログ信号である振動信号をデジタル信号に変換し、振動データを取得する(S115)。
【0013】
計測器100は、後述するトリガ判断部120がトリガデータを受け付けたと判断した後のあらかじめ定めた期間内かを確認する(S101)。ステップS101がYESの場合は、振動データ取得部130の処理(S130)に進む。ステップS101がNOの場合は、トリガ判断部120の処理(S120)側に進む。
【0014】
トリガ判断部120は、あらかじめ定めたトリガデータが入力されたときは、トリガデータが入力されたことを判断する(S120)。より具体的には、トリガ判断部120は、トリガデータが入力されたかを判断し(S121)、YESの場合にはトリガ受付時の処理を行う(S125)。「トリガデータ」は、トリガデータ専用のスイッチなど(図示していない)を計測器100もしくは骨伝導センサ200に備えておき、作業者が押すことで得てもよい。または、あらかじめ定めた特徴を有する振動データを「トリガデータ」としてもよい。この場合は、トリガ判断部120は、振動データの特徴に基づいて、あらかじめ定めたトリガデータかを判断する(S121)。「あらかじめ定めたトリガデータ」とは、例えば、指にあらかじめ定めた時間内にあらかじめ定めた回数の振動を与えたときに生じる振動データ(所定の閾値を超える振動のデータ)とすればよい。例えば、1秒間に3回の振動を与えたときに生じる振動データとした場合、骨伝導センサ200を取り付けた指で机などの物体を「トン・トン・トン」のように短い時間内に3回叩けばよい。振動データの特徴に基づいて、あらかじめ定めたトリガデータかを判断する場合は、骨伝導センサ200でトリガを送ることができるので、付加的なスイッチが不要であり、作業者にとっても操作しやすいという効果がある。
【0015】
トリガ判断部120は、例えば、トリガ受付時の処理として、トリガデータと判断した振動データに基づいて、作業者の指に取り付けた骨伝導センサ200の取付状態を判断する(S125)。骨伝導センサ200の取付状態が悪い場合、作業者の指に伝わる振動がうまく振動検知部220に伝わらない。したがって、トリガパルスを送ったが正常なトリガパルスと認識しない場合は、骨伝導センサの取付状態を確認すればよい。また、あらかじめ定めたトリガデータであると判断できた場合でも、例えば所定の閾値を超える振動を検知できていないと判断したときは、取付状態が悪いと判断し、再度取り付け直すことを作業者に求めればよい。なお、「トリガ受付時の処理」の例として、骨伝導センサ200の取付状態の確認を紹介したが、これに限る必要はない。指の先端で机などの物体を叩くことに限定するのであれば、トリガデータは、指の先端から振動検知部220までの伝達関数の影響を受けている。そこで、トリガ判断部120は、トリガデータと判断した振動データに基づいて、作業者の指の先端から骨伝導センサ200までの伝達関数を推定してもよい(S125)。後述する嵌合状態判定部140は、振動データに対して伝達関数を考慮した上で、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定してもよい。また、「トリガ受付時の処理」として、骨伝導センサ200が正常に動作していることを確認してもよい。
【0016】
振動データ取得部130は、トリガ判断部120がトリガデータと判断した場合(S101がYESの場合)は、あらかじめ定めた期間、取得した振動データを記録部190に記録する(S131)。振動データ取得部130は、振動データの記録が完了したかを確認する(S132)。振動データの記録が完了していない間(S132がNOの場合)は、振動データを取得する処理を繰り返す(S110に戻る)。振動データの記録が完了したとき(S132がYESの場合)は、嵌合状態判定部140の処理(S140)に進む。
【0017】
嵌合状態判定部140は、振動データ取得部130が記録した振動データに基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する(S140)。より具体的には、嵌合状態判定部140は、まず振動データを解析して、判定条件と比較し、嵌合状態を判定する(S141)。そして、嵌合状態判定部140は、嵌合状態判定の結果を表示する(S142)。例えば、嵌合状態判定部140は、振動データの周波数成分の特徴に基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定すればよい。なお、トリガ判断部120が、トリガデータと判断した振動データに基づいて、作業者の指の先端から骨伝導センサ200までの伝達関数を推定する場合は、嵌合状態判定部140は、振動データに対して伝達関数を考慮した上で、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定すればよい。
【0018】
コネクタ同士が嵌合するときには、一般的には、凸部が凹部に挿入されることで嵌合する、もしくは爪のような形状をした係止部が引っかかることで嵌合する。このようなときに振動が生じる。その振動は、嵌合にかかわる部分の形状、硬さなどに依存して固有の周波数特性を有する。また、その振動が生じるタイミングも形状などに依存する。振動の特徴を固有の周波数の強度で特徴化してもよいし、時間軸上での振動が生じるタイミングで特徴化してもよい。また、生じる振動は、正常な嵌合の場合と正常ではない嵌合の場合で異なる。特徴化する際に解析方法と嵌合状態が合格か否かを判定するための判定条件を決めればよい。
【0019】
計測器100は、作業選択部150も備えてもよい。作業選択部150は、トリガデータと異なる振動データの特徴に基づいて、あらかじめ定めた複数の作業の中から1つの作業を選択する(S150)。具体的には、ステップS101がNOの場合に、作業選択部150は、振動データが作業選択データかを判断する(S151)。ステップS151がNOの場合は作業選択部150の処理は行わない。ステップS151がYESの場合は、取得した振動データに基づいて作業を選択する(S155)。「トリガデータと異なる振動データの特徴」としては、例えば、骨伝導センサ200を取り付けた指で机などの物体を1秒間に2回叩き、1秒以上の間隔をあけて再度骨伝導センサ200を取り付けた指で机などの物体を、選択したい作業を示す番号と同じ回数叩くなどの方法があり得る。例えば、1秒間に2回叩き、2秒程度の間隔をあけて3回叩いたときには、3番目の作業が選択されたとすればよい。ただし、この方法に限定する必要はなく、別の方法でもよい。
【0020】
作業ごとに、コネクタの種類、数、その作業を行う期間(時間)が異なる。また、嵌合状態が合格か否かを判定するための判定条件は、コネクタの種類によって異なるし、その作業中に嵌合するコネクタの数によっても異なる。記録部190には、選択される可能性がある作業ごとに、あらかじめ定めた期間、判定条件を対応付けて記録しておけばよい。前述の嵌合状態判定部140は、作業選択部150で選択された作業に対応する判定条件に基づいてコネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する。ステップS101の「あらかじめ定めた期間」は、選択した作業を行う期間に基づいて定めればよい。例えば、1つのコネクタを嵌合するだけであれば、20秒間のような期間にすればよい。また、例えば、4つのコネクタを嵌合するのであれば、2分間のような期間にすればよい。あらかじめ定めた期間は、嵌合するコネクタの数だけでなく、コネクタの嵌合しやすさ、作業者の熟練度なども考慮して定めればよい。
【0021】
嵌合状態判定システム10によれば、作業者が嵌合作業を行う指に取り付けた骨伝導センサ200で、嵌合作業中の指先からの振動を検知する。骨伝導を利用するので、周囲の雑音の影響をほとんど受けることなく、嵌合時の振動を検出できる。そして、あらかじめ定めた期間内に取得した振動データに基づいて、コネクタの嵌合の状態が合格か否かを判定する。よって、作業者の感性に頼ることなく、コネクタの嵌合状態を判定できる。
【0022】
[プログラム、記録媒体]
上述の各種の処理は、図3に示すコンピュータ2000の記録部2020に、上記方法の各ステップを実行させるプログラムを読み込ませ、制御部2010、入力部2030、出力部2040、表示部2050などに動作させることで実施できる。
【0023】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
【0024】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0025】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0026】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【符号の説明】
【0027】
10 嵌合状態判定システム 100 計測器
110 信号受信部 120 トリガ判断部
130 振動データ取得部 140 嵌合状態判定部
150 作業選択部 190 記録部
200 骨伝導センサ 210 取付具
220 振動検知部 230 信号送信部

図1
図2
図3