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特開2023-14978オフグリッド型宿泊モジュール、プログラム、情報処理装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014978
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】オフグリッド型宿泊モジュール、プログラム、情報処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20230124BHJP
   G06Q 50/14 20120101ALI20230124BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230124BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q50/14
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022073861
(22)【出願日】2022-04-27
(62)【分割の表示】P 2021118480の分割
【原出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】517042553
【氏名又は名称】株式会社ARTH
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】高野 由之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049CC25
5L049CC26
(57)【要約】
【課題】電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けることなく、人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールを提供する技術を提供する。
【解決手段】発電装置と、発電装置が発電した電力を蓄電する蓄電装置と、発電装置が発電した電力、または蓄電装置に蓄電された電力を消費する電力消費装置と、貯水装置と、貯水装置に貯められた水を使用可能に浄化する水浄化装置と、水浄化装置により浄化された水を消費する水使用装置と、が配置され、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けることなく、人が滞在可能である、オフグリッド型宿泊モジュール30。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置と、
前記発電装置が発電した電力を蓄電する蓄電装置と、
前記発電装置が発電した電力、または前記蓄電装置に蓄電された電力を消費する電力消費装置と、
貯水装置と、
前記貯水装置に貯められた水を使用可能に浄化する水浄化装置と、
前記水浄化装置により浄化された水を消費する水使用装置と、が配置され、
移動可能であり、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けることなく、人が滞在可能である、オフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項2】
前記オフグリッド型宿泊モジュールを設置するために設定された条件に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールの仕様を変更可能に構成する、請求項1に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項3】
前記設定された条件は、前記オフグリッド型宿泊モジュールを設置する期間の条件、地理条件、前記地理条件の環境に関する条件のうちのいずれかまたは複数の条件を含む、請求項2に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項4】
前記設定された条件に基づき、前記発電装置、前記蓄電装置、前記電力消費装置、前記貯水装置、前記水浄化装置、前記水使用装置のいずれかまたは複数の仕様を変更可能に構成する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項5】
前記発電装置の配置数または発電量、
前記蓄電装置の配置数または蓄電容量、
前記電力消費装置の配置数または消費電力量、
前記貯水装置の配置数または貯水量、
前記水浄化装置の配置数または所定時間当たりの処理量、
前記水使用装置の配置数または水消費量、のいずれかまたは複数について変更可能に構成する、請求項4に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項6】
前記発電装置による発電量、前記蓄電装置による蓄電容量、前記電力消費装置による消費電力量、前記貯水装置による貯水量、前記水浄化装置による処理量、及び前記水使用装置による水使用量を時系列でモニタリングするモニタリング装置と、
前記モニタリングの結果を出力する出力装置と、を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項7】
前記出力装置は、前記モニタリングの結果に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給及び水の需給の予測を行い、前記予測の結果に基づいて前記オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出した結果を参照可能に出力する、請求項6に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項8】
前記貯水装置は、短期間の気象条件に応じて影響を受ける水、長期間の気象条件に応じて影響を受ける水、気象条件に応じて影響を受けない水、のいずれかまたは複数を貯水する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項9】
前記貯水装置は、雨水、井戸水、河川の水、または海水を真水化した水、のいずれかまたは複数を貯水する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【請求項10】
プロセッサを備えるコンピュータに実行させ、電力系統からの電力の供給または水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力するためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
前記オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップと、
あらかじめ定められた前記オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、前記地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップと、
前記予測の結果に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップと、
算出した滞在可能な期間を出力するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項11】
前記プログラムは、さらに、
前記オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、前記オフグリッド型宿泊モジュールを設置する期間の条件、地理条件、前記地理条件の環境に関する条件のいずれか1つまたは複数の変更入力を受け付けるステップを実行させ、
前記予測を行うステップにおいて、変更後の前記オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、前記期間の条件、前記地理条件、前記地理条件の環境に関する条件のいずれか1つまたは複数に基づき予測を行い、
前記オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップにおいて、変更後の前記オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出する、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報の変更入力を受け付けるステップにおいて、前記オフグリッド型宿泊モジュールに配置する発電装置、電力を蓄電する蓄電装置、電力を消費する電力消費装置、貯水装置、水を使用可能に浄化する水浄化装置、水を消費する水使用装置のいずれかまたは複数の仕様変更入力を受け付ける、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報の変更入力を受け付けるステップにおいて、前記オフグリッド型宿泊モジュールの間取り、前記オフグリッド型宿泊モジュールを構成する構造物のいずれかまたは両方の変更入力を受け付ける、請求項11または請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記プログラムは、さらに、
前記地理条件の環境に関する条件の情報として、前記オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域の気象情報を取得するステップを実行させる、請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップにおいて、前記オフグリッド型宿泊モジュールに配置する発電装置の発電量と、電力を蓄電する蓄電装置の蓄電量と、電力を消費する電力消費装置における電力使用量との予測を行う、請求項10から請求項14のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項16】
前記電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップにおいて、前記オフグリッド型宿泊モジュールに配置する貯水装置の貯水量と、水を消費する水使用装置における水使用量との予測を行う、請求項10から請求項15のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項17】
前記電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップにおいて、前記地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、前記貯水装置の貯水量の予測を行う、請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記プログラムは、さらに、
あらかじめ定められた前記オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、前記地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストのいずれかまたは両方を算出するステップと、
算出した製造コスト、運営コストのいずれかまたは両方を出力するステップと、を実行させる、請求項10から請求項17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
制御部を備え、電力系統からの電力の供給及び水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力する情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップと、
あらかじめ定められた前記オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、前記地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップと、
前記予測の結果に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップと、
算出した滞在可能な期間を出力するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項20】
プロセッサを備えるコンピュータにより実行され、電力系統からの電力の供給及び水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力するための方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
前記オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップと、
あらかじめ定められた前記オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、前記地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップと、
前記予測の結果に基づき、前記オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップと、
算出した滞在可能な期間を出力するステップと、を実行する、方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オフグリッド型宿泊モジュール、プログラム、情報処理装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低い建築物等について、関心が高まっている。環境負荷の低い建築物とは、具体的には太陽光等の自然エネルギーを利用することで、二酸化炭素の排出量を削減することを目的とする建築物である。また、大規模な住宅街等の開発においても、太陽光発電システムを利用したスマートタウン等の開発が行われている。
【0003】
特許文献1には、このようなスマートタウンにおける、停電時の自立運転制御に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/239664号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、外部からのエネルギー等の供給を受けることなく、人が滞在可能な宿泊施設を提供することについて、一定のニーズがある。例えば、自然環境を保護しつつ、自然が豊かな環境に宿泊施設を設置することで、自然環境に触れる機会を提供することが、宿泊業の新たなビジネスとして検討されている。そのような環境に宿泊施設を設置するためには、電力について自然エネルギーを利用し、電力系統からの電力の供給を受けないようにするだけではなく、水についても、水供給系統からの水の供給を受けないようにすることも必要である。
【0006】
そこで、本開示では、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けることなく、人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールを提供することを可能にする技術について説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によると、発電装置と、発電装置が発電した電力を蓄電する蓄電装置と、発電装置が発電した電力、または蓄電装置に蓄電された電力を消費する電力消費装置と、貯水装置と、貯水装置に貯められた水を使用可能に浄化する水浄化装置と、水浄化装置により浄化された水を消費する水使用装置と、が配置され、移動可能であり、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けることなく、人が滞在可能である、オフグリッド型宿泊モジュールが提供される。
【0008】
本開示の一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータに実行させ、電力系統からの電力の供給及び水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力するためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップと、あらかじめ定められたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップと、予測の結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップと、算出した滞在可能な期間を出力するステップと、を実行させる。
【0009】
本開示の一実施形態によると、制御部を備え、電力系統からの電力の供給及び水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力する情報処理装置が提供される。制御部は、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップと、あらかじめ定められたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップと、予測の結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップと、算出した滞在可能な期間を出力するステップと、を実行する。
【0010】
また、本開示の一実施形態によると、プロセッサを備えるコンピュータに実行され、電力系統からの電力の供給及び水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力するための方法が提供される。方法は、プロセッサが、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップと、あらかじめ定められたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップと、予測の結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップと、算出した滞在可能な期間を出力するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けることなく、人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールを提供することが可能になる。これにより、宿泊業における新たなビジネスを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示に係るオフグリッド型宿泊モジュール30の外観を示す図である。
図2】実施の形態1のシミュレーションシステム1の全体の構成を示す図である。
図3】実施の形態1のシミュレーションシステム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1のシミュレーションシステム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図5】サーバ20が記憶するモジュール構成データベース2021、地理条件データベース2022のデータ構造の例を示す図である。
図6】サーバ20が記憶する電力条件データベース2023、水条件データベース2024、建物条件データベース2025のデータ構造の例を示す図である。
図7】実施の形態1のシミュレーションシステム1によるシミュレーション処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態1のシミュレーションシステム1による構成変更受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図9】構成変更受付処理における端末装置10の建物構成入力の画面例を示す図である。
図10】構成変更受付処理における端末装置10の電気機器入力の画面例を示す図である。
図11】構成変更受付処理における端末装置10の水機器入力の画面例を示す図である。
図12】構成変更受付処理における端末装置10の地域条件入力の画面例を示す図である。
図13】シミュレーション処理における端末装置10のシミュレーション結果の表示の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0014】
<概要>
以下、本開示に係る、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けることなく、人が滞在可能であるオフグリッド型宿泊モジュールについて説明する。また、そのオフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間をシミュレーションするシミュレーションシステムについて説明する。
【0015】
図1は、本開示に係るオフグリッド型宿泊モジュール30の外観を示す図である。このオフグリッド型宿泊モジュール30は、例えば直方体に形成された、コンテナハウスのような形状の建物である。図1に示すように、オフグリッド型宿泊モジュール30は、外壁31、屋根32、床33により人が一定期間宿泊して滞在可能な空間が構築されており、クレーン等により持ち上げることが可能であり、船舶やトラック等で輸送することで移動可能に構成されている。また、図1に示すように、側面の一部が開放され、人の出入りが可能に構成してもよく、側面の一部に窓やドアが設けられてもよい。なお、このオフグリッド型宿泊モジュール30は、コンテナハウスのようにクレーン等による運搬が可能な構成に限られず、トレーラーハウスやキャンピングカーのように自走して移動可能に構成してもよい。さらに、オフグリッド型宿泊モジュール30は、所定の地域に設置するために設定された条件に基づき、オフグリッド型宿泊モジュール30の仕様、具体的には後述する各種装置の配置や間取り、大きさを変更可能に構成してもよい。例えば、オフグリッド型宿泊モジュール30の構成として、後述する蓄電装置や水浄化装置を配置するスペースである生活基盤ユニットと、宿泊客の居住(滞在)スペースである生活オプションユニットとに分割し、生活オプションユニットの大きさを(例えば、ユニット数の増減等で)変更可能に構成することで、間取りを変更可能に構成してもよい。
【0016】
また、このオフグリッド型宿泊モジュール30には、太陽光パネル(発電装置)34が配置されており、太陽光パネル34が発電する電力が供給され、オフグリッド型宿泊モジュール30内に配置された照明やエアコン等の家電設備(電力消費装置)が電力を消費するように構成されている。この太陽光パネル34が発電した電力が、オフグリッド型宿泊モジュール30に配置された蓄電池のような蓄電装置(図示は省略)により蓄電され、夜間や雨天時のように太陽光パネル34が発電できない場合には、蓄電装置が電力を供給できるようになっている。さらに、このオフグリッド型宿泊モジュール30には、水を貯水する貯水装置(図示は省略)が配置され、この貯水装置に貯められた水を使用可能に浄化する水浄化装置(図示は省略)が配置されている。この水浄化装置として、例えば、雨水を濾過及び(紫外線等により)殺菌して浄化することでシャワー等の生活用水として使用可能にする装置や、トイレの汚水を一次処理後に土壌湿潤層に存在する微生物により分解殺菌させて再利用する装置が配置される。水浄化装置により、外部から水の供給を受けなくても浄化された水を供給することが可能になり、オフグリッド型宿泊モジュール30に配置されて水を消費するシャワー等の水使用装置による水の使用が可能に構成されている。なお、このオフグリッド型宿泊モジュール30に設けられる発電装置は太陽光パネルに限られず、いわゆる再生可能エネルギーから発電する装置であれば風力発電装置やバイオマス発電装置であってもよい。また、貯水装置は、自然に存在している水が貯水されるものであり、例えば、雨水のように短期間の気象条件に応じて影響を受ける水資源の水、井戸水や河川の水、湖沼の水のように長期間の気象条件に応じて影響を受ける水資源の水、または、海水を真水化した水のように気象条件に応じて影響を受けない水資源の水が貯水される。
【0017】
このオフグリッド型宿泊モジュール30は、例えば離島や山間部のように、人による開発が進んでいない地域に設置することで、電気や水道といったインフラが不要で、環境負荷の低い施設の設置を可能にしており、これにより環境保護を図りつつ、観光資源を活用することを目的としている。
【0018】
また、本開示に係るシミュレーションシステムは、図1に示すようなオフグリッド型宿泊モジュール30を実際に設置した際に、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けない状態でシミュレーションを行い、人が滞在可能な期間を出力するためのシステムである。具体的には、このシミュレーションシステムは、オフグリッド型宿泊モジュール30自体の構成と、オフグリッド型宿泊モジュール30を実際に設置した地理条件の環境に関する条件の情報とから、電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うシミュレーション処理を行い、人が滞在可能な期間を算出して出力する。本開示に係るシミュレーションシステムは、例えばクラウドサーバ等によりWebサービスとして、いわゆるSaaS(Software as a Service)によって提供されるシステムとして説明するが、オフグリッド型宿泊モジュール30に設置されて外部との通信を行わずにスタンドアローンでシミュレーション処理を行うように構成してもよい。
【0019】
このオフグリッド型宿泊モジュール30が独立して人が滞在可能な状態、すなわち宿泊客を受け入れ可能な状態を持続するためには、照明やエアコンのように生活に必要な電力を賄うため、一定の電力の供給が必要である。また、人が生活するためには一定量の水が必要であり、そのような水を確保するための水浄化装置を稼働させるためにも、一定の電力の供給が必要である。しかし、太陽光パネルのように再生可能エネルギーから発電する装置は、天候等の自然条件に左右されるため、蓄電池に蓄電された電力が不足するおそれがある。また、自然に存在している水についても、天候等の自然条件に左右されるため、水貯水量が不足するおそれがある。そのため、このシミュレーションシステムでは、オフグリッド型宿泊モジュール30自体の構成として、間取り、構造物(壁、ドア、窓、ひさし等)、材質の情報、オフグリッド型宿泊モジュール30に配置される家電装置や水使用装置の仕様情報を取得している。また、オフグリッド型宿泊モジュール30を実際に設置した地理条件の環境に関する条件の情報として、設置場所の気象条件(気温、湿度、降水量等)や、付近に湖沼や河川、井戸が存在するか否かの情報を取得している。そして、このシミュレーションシステムでは、これらの情報に基づきシミュレーション処理を行っている。また、オフグリッド型宿泊モジュール30は、発電装置による発電量、蓄電装置による蓄電容量、電力消費装置による消費電力量、貯水装置による貯水量、水浄化装置による処理量、及び水使用装置による水使用量を時系列でモニタリングするモニタリング装置(各種センサ)と、モニタリングの結果を出力する出力装置(後述する端末装置10)とを備えてもよい。
【0020】
このような構成により、オフグリッド型宿泊モジュール30を適切に提供することが可能であり、設置する地理条件に応じた適切な仕様の決定に資することを可能にしている。
【0021】
<第1の実施の形態>
以下、シミュレーションシステム1について説明する。以下の説明では、例えば、端末装置10がサーバ20へアクセスすることにより、サーバ20が、端末装置10で画面を生成するための情報を応答する。端末装置10は、サーバ20から受信した情報に基づいて画面を生成し表示する。
【0022】
<1 シミュレーションシステム1の全体構成>
図2は、実施の形態1のシミュレーションシステム1の全体の構成を示す図である。シミュレーションシステム1は、上記のように、図1のオフグリッド型宿泊モジュール30を実際に設置した際に、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けない状態でシミュレーションを行い、人が滞在可能な期間を出力するためのシステムである。図2に示すように、シミュレーションシステム1は、複数の端末装置(図2では、端末装置10A及び端末装置10Bを示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ20とを含む。端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。
【0023】
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。ここで、ユーザとは、例えばオフグリッド型宿泊モジュールを所定の地域に設置する事業者やその担当者である。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。なお、端末装置10は、シミュレーション処理の対象であるオフグリッド型宿泊モジュール内に設置されてもよい。
【0024】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図2に端末装置10Bとして示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0025】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0026】
サーバ20は、オフグリッド型宿泊モジュールに配置される候補となる装置、具体的には家電装置や水使用装置の情報、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の情報、及び、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を管理する装置である。サーバ20は、ユーザから、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の情報を受け付け、家電装置や水使用装置の情報、当該地理条件の環境に関する条件の情報から、電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うシミュレーション処理を行い、人が滞在可能な期間を算出し、ユーザの端末装置10に出力して表示させる。
【0027】
サーバ20は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0028】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0029】
<1.1 端末装置10の構成>
図3は、実施の形態1のシミュレーションシステム1を構成する端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部121、第2無線通信部122)と、操作受付部130(キーボード131及びマウス132を含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、ディスプレイ150と、記憶部160と、制御部170とを含む。端末装置10は、図3では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリー、バッテリーから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路等)も有している。図3に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
【0030】
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0031】
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部122へ与える。
【0032】
第1無線通信部121は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第2無線通信部122は、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理等を行う。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路等を含む通信モジュールである。第1無線通信部121と第2無線通信部122とは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部170へ与える。
【0033】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、キーボード131と、マウス132とを含む。なお、操作受付部130は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する、タッチスクリーンとして構成してもよい。
【0034】
キーボード131は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。キーボード131は、文字入力を行う装置であり、入力された文字情報を入力信号として制御部170へ出力する。
【0035】
マウス132は、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。マウス132は、ディスプレイ150に表示されている表示物を選択等するためのポインティングデバイスであり、画面上で選択された位置情報と、ボタン押下されていることを示す情報とを入力信号として制御部170へ出力する。
【0036】
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部170へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0037】
ディスプレイ150は、制御部170の制御に応じて、画像、動画、テキスト等のデータを表示する。ディスプレイ150は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
【0038】
記憶部160は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部160は、ユーザ情報161を記憶する。
【0039】
ユーザ情報161は、端末装置10を使用してシミュレーションシステム1の機能である、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の情報、及び、オフグリッド型宿泊モジュールに配置される候補となる装置の入力等を行うユーザの情報である。ユーザ情報としては、ユーザを識別する情報(ユーザID)、ユーザの氏名、ユーザが所属している企業等の組織情報等が含まれる。
【0040】
制御部170は、記憶部160に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部170は、例えば予め端末装置10にインストールされているアプリケーションである。制御部170は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部171と、送受信部172と、データ処理部173と、通知制御部174としての機能を発揮する。
【0041】
入力操作受付部171は、キーボード131等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。
【0042】
送受信部172は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0043】
データ処理部173は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
【0044】
通知制御部174は、ユーザに対し情報を提示する処理を行う。通知制御部174は、表示画像をディスプレイ150に表示させる処理、音声をスピーカ142に出力させる処理等を行う。
【0045】
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図4は、実施の形態1のシミュレーションシステム1を構成するサーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。図4に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0046】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0047】
記憶部202は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部202は、モジュール構成データベース2021と、地理条件データベース2022と、電力条件データベース2023と、水条件データベース2024と、建物条件データベース2025等を記憶する。
【0048】
モジュール構成データベース2021は、シミュレーションシステム1にあらかじめ登録された、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を保持するためのデータベースである。なお、モジュール構成データベース2021は、オフグリッド型宿泊モジュールを設置するユーザから受け付けた地理条件に関する情報も格納される。詳細は後述する。
【0049】
地理条件データベース2022は、シミュレーションシステム1による選択の対象である、オフグリッド型宿泊モジュールが設置される地理条件の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0050】
電力条件データベース2023は、シミュレーションシステム1による選択の対象である、オフグリッド型宿泊モジュールに配置される候補となる、発電装置、蓄電装置、家電装置等の電気機器の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0051】
水条件データベース2024は、シミュレーションシステム1による選択の対象である、オフグリッド型宿泊モジュールに配置される候補となる、貯水装置、水浄化装置、水使用装置の情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0052】
建物条件データベース2025は、シミュレーションシステム1による選択の対象である、オフグリッド型宿泊モジュールの材質等の構成情報を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0053】
制御部203は、サーバ20のプロセッサ29がプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、登録情報取得モジュール2033、地理情報受付モジュール2034、需給予測モジュール2035、滞在可能期間算出モジュール2036、コスト算出モジュール2037、構成変更受付モジュール2038、及び結果出力モジュール2039に示す機能を発揮する。
【0054】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0055】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0056】
登録情報取得モジュール2033は、シミュレーションシステム1を使用するユーザが端末装置10を操作して、あらかじめ登録しておいた、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を取得する処理を制御する。登録情報取得モジュール2033が取得するオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報は、例えば、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する候補としてユーザが選択した発電装置、蓄電装置、電力消費装置、貯水装置、水浄化装置、及び水使用装置の情報を含む。これらの情報は、制御部203の機能として、ユーザが電力条件データベース2023、水条件データベース2024及び建物条件データベース2025に格納されている各装置から、ユーザが選択した情報でもよい。
【0057】
また、登録情報取得モジュール2033が取得するオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報は、例えば、オフグリッド型宿泊モジュールの物理的な大きさ、オフグリッド型宿泊モジュールを構成する部材の材質、部材(壁面、屋根、または床)の厚さ、オフグリッド型宿泊モジュールにおける窓の有無、窓の材質、窓の大きさ、オフグリッド型宿泊モジュールにおける扉の有無、扉の材質、扉の大きさ、窓や外部との出入口付近に設けられるひさしの長さ、オフグリッド型宿泊モジュールにおける滞在可能人数、オフグリッド型宿泊モジュールの間取り、部屋数を含む。すなわち、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報は、オフグリッド型宿泊モジュールを製造(建設)することが可能な構成情報、及びそこに配置される各種装置の情報であり、ユーザは、当該構成情報に基づいてオフグリッド型宿泊モジュールを製造し、各種装置を配置してもよい。
【0058】
さらに、登録情報取得モジュール2033が取得するオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報は、例えば、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けない状態で事前シミュレーションを行った結果情報を含む。
【0059】
登録情報取得モジュール2033は、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を、例えば、モジュール構成データベース2021から読み取って取得する。
【0060】
地理情報受付モジュール2034は、シミュレーションシステム1を使用するユーザが端末装置10を操作して、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件を入力するので、地理条件に関する情報の入力を受け付ける処理を制御する。地理情報受付モジュール2034は、例えば、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件として、設置する地域の住所情報を受け付けてもよく、所定の範囲の地図情報を提示し、その地図情報からユーザにより選択された位置を地図情報における緯度及び経度の情報として、または住所情報として取得してもよい。また、地理情報受付モジュール2034は、地理条件データベース2022に格納されている地理条件の情報を提示し、ユーザにより選択された地理条件の情報を受け付けてもよい。
【0061】
また、地理情報受付モジュール2034は、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の環境に関する条件の情報として、当該地域の気象情報、具体的には一定期間における日射量や平均気温、平均湿度、降水量等の情報の入力を受け付けてもよい。さらに、地理情報受付モジュール2034は、地理条件として受け付けた、設置する地域の住所情報または緯度及び経度の情報から、気象情報を提供する外部サーバにアクセスし、地理条件の環境に関する条件の情報として当該地理条件の気象情報を取得してもよい。
【0062】
また、地理情報受付モジュール2034は、地理条件として受け付けた、設置する地域の住所情報または緯度及び経度の情報から、地理条件データベース2022に格納されている情報を参照し、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の環境に関する条件の情報として、付近に湖沼や河川、井戸が存在するか否かの情報を取得してもよい。地理情報受付モジュール2034は、受け付けた地理条件に関する情報を、例えば、モジュール構成データベース2021へ格納する。
【0063】
需給予測モジュール2035は、登録情報取得モジュール2033が取得したオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理情報受付モジュール2034が受け付けた地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行う処理を制御する。需給予測モジュール2035は、具体的には、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する候補としてユーザが選択した発電装置、蓄電装置、電力消費装置の情報から、当該地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、発電量、蓄電量、電力消費量の将来予測を行うシミュレーション処理(例えば、1日ごとの電力の供給量と消費量との収支予測)を行い、電力需給予測を行う。例えば、当該地理条件の日照時間から、太陽光パネルによる発電量が算出されるため、蓄電装置への蓄電量及び電力消費量の将来予測が可能になる。また、需給予測モジュール2035は、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する候補としてユーザが選択した貯水装置、水浄化装置、水使用装置の情報から、当該地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、貯水量、水浄化量、水使用量の将来予測を行うシミュレーション処理(例えば、1日ごとの水の供給量と消費量との収支予測)を行い、水需給予測を行う。例えば、当該地理条件の降水量から、貯水装置の貯水量が算出されるため、水浄化装置の浄化量及び水消費量の将来予測が可能になる。
【0064】
また、需給予測モジュール2035は、後述する構成変更受付モジュール2038により受け付けた、変更入力されたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、地理条件、または地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行う。
【0065】
滞在可能期間算出モジュール2036は、需給予測モジュール2035によるオフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給の予測結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出する処理を制御する。滞在可能期間算出モジュール2036は、例えば、電気の需給、水の需給の予測結果から、蓄電量が電力供給に必要な所定の閾値を下回ると予測した場合、及び、貯水量が水供給に必要な所定の閾値を下回ると予測した場合、人が滞在不可能と判定し、当該シミュレーション開始日からの日数を、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間とする。
【0066】
また、滞在可能期間算出モジュール2036は、後述する構成変更受付モジュール2038により受け付けた、変更入力されたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、地理条件、または地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給の予測結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出する。
【0067】
コスト算出モジュール2037は、登録情報取得モジュール2033が取得したオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理情報受付モジュール2034が受け付けた地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストのいずれかまたは両方を算出する処理を制御する。コスト算出モジュール2037は、例えば、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報から、当該オフグリッド型宿泊モジュールの製造にかかる費用を算出することが可能である。また、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報及び地理条件の環境に関する条件の情報から、当該オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域までの運搬費用を算出することが可能である。また、これらの情報から、オフグリッド型宿泊モジュールを設置した後に必要な運営コスト(例えば、宿泊客が退去した後の清掃やメンテナンス等の人件費)を算出することが可能である。コスト算出モジュール2037は、これらの情報から、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストのいずれかまたは両方を算出する。
【0068】
また、コスト算出モジュール2037は、後述する構成変更受付モジュール2038により受け付けた、変更入力されたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、地理条件、または地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストのいずれかまたは両方を算出する。
【0069】
構成変更受付モジュール2038は、シミュレーションシステム1を使用するユーザが端末装置10を操作して、登録情報取得モジュール2033が取得したオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理情報受付モジュール2034が受け付けた地理条件の環境に関する条件の情報について、いずれか1つまたは複数の変更入力をするので、変更入力を受け付ける処理を制御する。ユーザは、後述する結果出力モジュール2039により端末装置10へ送信されて表示された、需給予測モジュール2035による予測結果、滞在可能期間算出モジュール2036により算出されたオフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間、コスト算出モジュール2037により算出されたオフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを参照し、より適切なオフグリッド型宿泊モジュールの構成や設置地域に変更することを検討する。構成変更受付モジュール2038は、検討結果に基づいて変更入力が可能に構成されている。このとき、構成変更受付モジュール2038は、例えば発電装置、蓄電装置、電力消費装置、貯水装置、水浄化装置、水使用装置の仕様を変更可能であり、具体的には、発電装置の配置数または発電量、蓄電装置の配置数または蓄電容量、電力消費装置の配置数または消費電力量、貯水装置の配置数または貯水量、水浄化装置の配置数または所定時間当たりの処理量、水使用装置の配置数または水消費量を変更可能である。また、構成変更受付モジュール2038は、例えばオフグリッド型宿泊モジュールの間取り、構造物(壁、ドア、窓、ひさし等)、材質を変更可能である。構成変更受付モジュール2038は、このようなオフグリッド型宿泊モジュールの構成及び地理条件の変更入力が可能であり、このような変更入力を受け付ける。
【0070】
構成変更受付モジュール2038は、変更入力されたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報及び地理条件の情報を、例えば、モジュール構成データベース2021へ格納する。
【0071】
結果出力モジュール2039は、需給予測モジュール2035による予測結果、滞在可能期間算出モジュール2036により算出されたオフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間、コスト算出モジュール2037により算出されたオフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを、ユーザの端末装置10へ送信して出力させる処理を制御する。また、構成変更受付モジュール2038により変更された情報による予測結果、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを送信する。
【0072】
<2 データ構造>
図5は、サーバ20が記憶するモジュール構成データベース2021、地理条件データベース2022のデータ構造の例を示す図である。また、図6は、サーバ20が記憶する電力条件データベース2023、水条件データベース2024、建物条件データベース2025のデータ構造の例を示す図である。
【0073】
図5に示すように、モジュール構成データベース2021のレコードのそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「結果詳細」等を含む。
【0074】
項目「ユーザID」は、シミュレーションシステム1によりオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を受け付けたユーザの情報それぞれを識別する情報である。
【0075】
項目「結果詳細」は、シミュレーションシステム1により受け付けたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報に関する詳細の情報であり、具体的には、項目「電気機器ID/水機器ID」と、項目「地理ID」と、項目「建物材質ID」と、項目「建物間取り」等を含む。なお、当該項目は、項目「ユーザID」により識別される1のユーザごとに1または複数のオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報が各レコードとして格納されるが、このような格納方式に限られない。
【0076】
項目「電気機器ID/水ID」は、シミュレーションシステム1にて選択した発電装置、蓄電装置、電力消費装置、貯水装置、水浄化装置、水使用装置の種類それぞれを識別する情報であり、後述する電力条件データベース2023の項目「電気機器ID」、または水条件データベース2024の項目「水機器ID」に対応している。
【0077】
項目「地理ID」は、シミュレーションシステム1にて、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域として設定した地域の情報それぞれを識別する情報であり、後述する地理条件データベース2022の項目「地理ID」に対応している。
【0078】
項目「建物材質ID」は、シミュレーションシステム1にて選択したオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報として選択した、オフグリッド型宿泊モジュールの部材の材質の種類それぞれを識別する情報であり、後述する建物条件データベース2025の項目「建物材質ID」に対応している。
【0079】
項目「建物間取り」は、シミュレーションシステム1にて設定されたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報の一部である、オフグリッド型宿泊モジュールの物理的な間取りを示す情報である。
【0080】
サーバ20は、ユーザからオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を受け付けることに伴って、モジュール構成データベース2021にレコードを追加する。サーバ20の地理情報受付モジュール2034は、ユーザから地理条件に関する情報を受け付けることに伴って、モジュール構成データベース2021を更新する。
【0081】
地理条件データベース2022のレコードのそれぞれは、項目「地理ID」と、項目「地域名称」と、項目「緯度経度」と、項目「日射量」と、項目「降水量」と、項目「気温」等を含む。
【0082】
項目「地理ID」は、シミュレーションシステム1にてオフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域として設定した地理条件の情報それぞれを識別する情報である。
【0083】
項目「地域名称」は、シミュレーションシステム1にてオフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域として設定した地理条件に含まれる地域の名称であり、例えば当該地域の住所を示す情報や地名等が格納されている。
【0084】
項目「緯度経度」は、シミュレーションシステム1にてオフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域として設定した地理条件に含まれる地域の位置情報を緯度経度で示した値である。例えば、ユーザが地図情報から選択した位置情報を、地理情報受付モジュール2034が取得した値である。
【0085】
項目「日射量」は、シミュレーションシステム1にてオフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域として設定した地理条件に含まれる地域の一定期間における、一定時間当たりの日射量を示す時系列の値である。地理情報受付モジュール2034が各ユーザから受け付けた気象情報から、または各ユーザから受け付けた地理条件の情報から取得した気象情報から取得される値である。
【0086】
項目「降水量」は、シミュレーションシステム1にてオフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域として設定した地理条件に含まれる地域の一定期間における、降水量の時系列データの平均値を示す値である。地理情報受付モジュール2034が各ユーザから受け付けた気象情報から、または各ユーザから受け付けた地理条件の情報から取得した気象情報から取得される値である。
【0087】
項目「気温」は、シミュレーションシステム1にてオフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域として設定した地理条件に含まれる地域の一定期間における、気温の時系列データの平均値を示す値である。地理情報受付モジュール2034が各ユーザから受け付けた気象情報から、または各ユーザから受け付けた地理条件の情報から取得した気象情報から取得される値である。
【0088】
図6に示すように、電力条件データベース2023のレコードのそれぞれは、項目「電気機器ID」と、項目「機器名」と、項目「発電・蓄電量」と、項目「消費量」等を含む。
【0089】
項目「電気機器ID」は、シミュレーションシステム1にて、オフグリッド型宿泊モジュール内に配置する発電装置、蓄電装置、電力消費装置として選択可能な機器の種類それぞれを識別する情報である。
【0090】
項目「機器名」は、オフグリッド型宿泊モジュール内に配置可能な発電装置、蓄電装置、電力消費装置を示す名称であり、例えば、「照明」、「テレビ」、「太陽光パネル」等が格納されている。
【0091】
項目「発電・蓄電量」は、当該機器が発電装置の場合における、当該発電装置の発電量を示す値、または当該機器が蓄電装置の場合における、当該蓄電装置の蓄電量を示す値が格納されている。この値は、例えば太陽光パネルの場合における公称最大出力(一定条件における発電能力)であり、需給予測モジュール2035による電力の供給量の変化を算出する際に使用される。
【0092】
項目「消費量」は、当該機器が電力消費装置の場合における、当該電力消費装置の電力消費量を示す値が格納されている。この値は、需給予測モジュール2035による電力の消費量の変化を算出する際に使用される。
【0093】
水条件データベース2024のレコードのそれぞれは、項目「水機器ID」と、項目「機器名」と、項目「貯水・処理量」と、項目「使用量」等を含む。
【0094】
項目「水機器ID」は、シミュレーションシステム1にて、オフグリッド型宿泊モジュール内に配置する貯水装置、水浄化装置、水使用装置として選択可能な機器の種類それぞれを識別する情報である。
【0095】
項目「機器名」は、オフグリッド型宿泊モジュール内に配置可能な貯水装置、水浄化装置、水使用装置を示す名称であり、例えば、「シャワー」、「トイレ」、「雨水貯水槽」等が格納されている。
【0096】
項目「貯水・処理量」は、当該機器が貯水装置の場合における、当該貯水装置の貯水量を示す値、または当該機器が水浄化装置の場合における、当該水浄化装置の一定時間当たりの浄化処理量を示す値が格納されている。この値は、需給予測モジュール2035による水の供給量の変化を算出する際に使用される。
【0097】
項目「使用量」は、当該機器が水使用装置の場合における、当該水使用装置の水使用量を示す値が格納されている。この値は、需給予測モジュール2035による水の使用量の変化を算出する際に使用される。
【0098】
建物条件データベース2025のレコードのそれぞれは、項目「建物材質ID」と、項目「材質」と、項目「厚さ」と、項目「U値」等を含む。
【0099】
項目「建物材質ID」は、シミュレーションシステム1にて、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報として選択可能な、オフグリッド型宿泊モジュールの部材の材質の種類それぞれを識別する情報である。
【0100】
項目「材質」は、オフグリッド型宿泊モジュールの部材の材質を示す名称であり、例えば、断熱材の1種を示す「断熱材A」、「断熱材B」や、窓の1種を示す「窓(シングル)」等が格納されている。材質を示す名称は、所定の規格等により指定された呼称や記号でもよく、メーカにより指定された型番等でもよい。
【0101】
項目「厚さ」は、オフグリッド型宿泊モジュールの部材(外壁等)の厚さを示す値であり、例えば、オフグリッド型宿泊モジュールの部材として適用可能な厚さの値がmm単位で格納されている。厚さは、所定の規格等により指定された呼称や記号でもよく、メーカにより指定された型番等でもよい。
【0102】
項目「U値」は、当該材質の熱貫流率を示す値である。熱貫流率とは、熱の伝えやすさを示す値である。この値(U値)は、外壁や断熱材等の性能を示す値となっており、値が小さいほど断熱性能が高いことを示している。U値は、需給予測モジュール2035によるオフグリッド型宿泊モジュール内の室温の変化を算出する際に使用される。
【0103】
<3 動作>
以下、図7及び図8を参照しながら、第1の実施の形態におけるシミュレーションシステム1によるシミュレーション処理及び構成変更受付処理について説明する。
【0104】
図7は、実施の形態1のシミュレーションシステム1によるシミュレーション処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【0105】
ステップS111において、端末装置10の入力操作受付部171は、シミュレーション処理を行うユーザからの操作により、シミュレーションシステム1にあらかじめ登録しておいた、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を取得する操作指示を受け付ける。送受信部172は、受け付けた操作指示をサーバ20へ送信する。その後、送受信部172は、サーバ20から送信されたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0106】
ステップS121において、サーバ20の登録情報取得モジュール2033は、端末装置10から送信されたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を取得する操作指示を、通信部201を介して受け付ける。登録情報取得モジュール2033は、モジュール構成データベース2021を読み取り、該当するオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を取得し、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0107】
ステップS112において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付ける。送受信部172は、受け付けた地理条件に関する情報を、サーバ20へ送信する。その後、送受信部172は、サーバ20から送信された地理条件に関する情報及び地理条件の環境に関する条件の情報の表示情報を受け付ける。通知制御部174は、受け付けた地理条件に関する情報及び地理条件の環境に関する条件の情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0108】
ステップS122において、サーバ20の地理情報受付モジュール2034は、端末装置10から送信された地理条件に関する情報を、通信部201を介して受け付ける。地理情報受付モジュール2034は、受け付けた地理条件に関する情報から、地理条件の環境に関する条件の情報、例えば当該地域の気象情報を取得する。地理情報受付モジュール2034は、地理条件に関する情報、及び取得した地理条件の環境に関する条件の情報を、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0109】
ステップS123において、サーバ20の需給予測モジュール2035は、ステップS121で取得オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、及びステップS122で受け付けた地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行う。
【0110】
ステップS124において、サーバ20の滞在可能期間算出モジュール2036は、ステップS123で予測した予測結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出する。
【0111】
ステップS125において、サーバ20のコスト算出モジュール2037は、ステップS121で取得オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、及びステップS122で受け付けた地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストのいずれかまたは両方を算出する。
【0112】
ステップS126において、サーバ20の結果出力モジュール2039は、ステップS123で予測した予測結果、ステップS124で算出したオフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間、ステップS125で算出したオフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを、通信部201を介して端末装置10へ送信する。
【0113】
ステップS116において、送受信部172は、サーバ20から送信された予測結果、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを受け付ける。通知制御部174は、受け付けた各情報を、ディスプレイ150に表示させる。
【0114】
以上のように、シミュレーションシステム1では、あらかじめ登録されているオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、受け付けた地理条件に関する情報から、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給の予測を行い、人が滞在可能な期間を算出する。さらに、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを算出する。これにより、オフグリッド型宿泊モジュールの設置可能性、事業性についての適切な情報を得ることができるので、適切な判断が可能になる。
【0115】
図8は、実施の形態1のシミュレーションシステム1による構成変更受付処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートにおける構成変更受付処理は、図7に示すフローチャートにおけるシミュレーション処理の後続処理に相当するが、図8に示すステップS213、及びステップS223の後続処理として、図7に示すステップS116、及びステップS123と同様の処理が行われる。これらの重複する処理については、繰り返して説明しない。また、図8に示すフローチャートでは、ステップS123~S125の図示を省略する。
【0116】
ステップS211において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、オフグリッド型宿泊モジュールの物理的な構成情報、具体的にはオフグリッド型宿泊モジュールの物理的な大きさ、部材の材質、部材の厚さ等の情報を変更する入力操作を受け付ける。送受信部172は、受け付けたオフグリッド型宿泊モジュールの物理的な構成情報の変更入力情報をサーバ20へ送信する。
【0117】
ステップS221において、サーバ20の構成変更受付モジュール2038は、端末装置10から送信されたオフグリッド型宿泊モジュールの物理的な構成情報の変更情報を、通信部201を介して受け付ける。
【0118】
ステップS212において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する電気機器(発電装置、蓄電装置、電力消費装置)、水機器(貯水装置、水浄化装置、水使用装置)の情報を変更する入力操作を受け付ける。送受信部172は、受け付けたオフグリッド型宿泊モジュールの電気機器、水機器の変更入力情報をサーバ20へ送信する。
【0119】
ステップS222において、サーバ20の構成変更受付モジュール2038は、端末装置10から送信されたオフグリッド型宿泊モジュールの電気機器、水機器の変更入力情報を、通信部201を介して受け付ける。
【0120】
ステップS213において、端末装置10の入力操作受付部171は、ユーザからの操作により、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の情報を変更する入力操作を受け付ける。送受信部172は、受け付けたオフグリッド型宿泊モジュールの地理条件の変更入力情報をサーバ20へ送信する。
【0121】
ステップS223において、サーバ20の構成変更受付モジュール2038は、端末装置10から送信されたオフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の変更入力情報を、通信部201を介して受け付ける。
【0122】
後続のステップS123以降において、サーバ20の需給予測モジュール2035、滞在可能期間算出モジュール2036、及びコスト算出モジュール2037は、ステップS221~~S223で受け付けた変更入力情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給の予測処理、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間の算出処理、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストの算出処理を実行し、結果を出力する。
【0123】
以上のように、シミュレーションシステム1では、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、地理条件の情報について、変更入力を受け付けると、変更された情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給の予測を再度行い、人が滞在可能な期間を再度算出し、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを再度算出する。これにより、オフグリッド型宿泊モジュールの設置可能性、事業性について条件を変更して適切な情報を得ることができるので、適切な判断が可能になる。
【0124】
<4 画面例>
以下、図9ないし図13を参照しながら、シミュレーションシステム1による、構成変更情報を受け付ける画面例、及びシミュレーション処理の結果を表示する画面例について説明する。
【0125】
図9は、構成変更受付処理における端末装置10の建物構成入力の画面例を示す図である。図9の画面例は、オフグリッド型宿泊モジュールの物理的な構成情報、具体的にはオフグリッド型宿泊モジュールの物理的な大きさ、部材の材質、部材の厚さ等の情報の変更情報を入力するための画面例を示す。図8のステップS211に相当する。
【0126】
図9に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、オフグリッド型宿泊モジュールの物理的な構成情報の入力欄が表示されている。このオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報入力画面には、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報を入力する欄として、建物サイズ入力欄1031aと、建物材質入力欄1031bと、断熱材入力欄1031cと、外壁厚さ入力欄1031dと、窓面積比率入力欄1031eとが設けられている。
【0127】
建物サイズ入力欄1031aは、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報であるオフグリッド型宿泊モジュールの物理的な大きさを入力する欄であり、オフグリッド型宿泊モジュールの幅、奥行き、高さのサイズを示す数値(例えば、mm単位)を入力可能である。建物材質入力欄1031bは、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報である部材の材質を入力する欄である。断熱材入力欄1031cは、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報である、部材に使用される断熱材の材質を入力する欄である。建物材質入力欄1031b及び断熱材入力欄1031cは、例えば、建物条件データベース2025の項目「材質」に格納されている部材の名称を選択可能に構成される。外壁厚さ入力欄1031dは、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報である部材の厚さを入力する欄であり、厚さを示す数値(例えば、mm単位)が入力可能である。窓面積比率入力欄1031eは、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報である外壁における窓の面積比を入力する欄であり、面積比を示す数値(例えば、%)を入力可能である。
【0128】
図9に示す画面において、オフグリッド型宿泊モジュールの物理的な構成情報の変更情報を入力するユーザは、建物サイズ入力欄1031a、建物材質入力欄1031b、断熱材入力欄1031c、外壁厚さ入力欄1031d、及び窓面積比率入力欄1031eに変更情報を入力することにより、構成情報の変更情報が登録される。
【0129】
図10は、構成変更受付処理における端末装置10の電気機器入力の画面例を示す図である。図10の画面例は、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する電気機器の情報を変更する情報を入力するための画面例を示す。図8のステップS212に相当する。
【0130】
図10に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する電気機器情報の入力欄が表示されている。このオフグリッド型宿泊モジュールの電気機器情報入力画面には、電気機器等の入力欄として、電気機器等選択欄1032a~1032gが設けられている。図10に示す画面例では、電気機器等選択欄1032a~1032gがチェックボックスで選択可能に設けられているが、このような入力方式に限られず、例えばプルダウンメニューやラジオボタンにより選択可能に設けてもよい。
【0131】
電気機器等選択欄1032a~1032gは、それぞれ、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する電気機器の例として、照明機器、テレビ、電気ポット、エアコン、水処理装置、太陽光パネル、蓄電池を選択する欄であり、クリック等して選択するとチェック印が表示されたり色彩が変更されたりする等により、チェックされたことを示すように構成されている。電気機器等選択欄1032a~1032gに隣接して、電力条件データベース2023の項目「機器名」に格納されている電気機器等の名称が表示され、電気機器等選択欄1032a~1032gの中から電気機器等を選択して入力するように構成されている。これらの選択欄への選択入力後、例えば決定ボタン(図示は省略)を押下(例えば画面上でクリック)することにより、オフグリッド型宿泊モジュールの電気機器の入力が行われる。
【0132】
図10に示す画面において、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する電気機器の変更情報を入力するユーザは、電気機器等選択欄1032a~1032gの中から電気機器等を選択して変更情報を入力することにより、構成情報の変更情報が登録される。
【0133】
図11は、構成変更受付処理における端末装置10の水機器入力の画面例を示す図である。図11の画面例は、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する水機器の情報を変更する情報を入力するための画面例を示す。図8のステップS212に相当する。
【0134】
図11に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する水機器情報の入力欄が表示されている。このオフグリッド型宿泊モジュールの水機器情報入力画面には、水機器等の入力欄として、水機器等選択欄1033a~1033dが設けられている。図11に示す画面例では、水機器等選択欄1033a~1033dがチェックボックスで選択可能に設けられているが、このような入力方式に限られず、例えばプルダウンメニューやラジオボタンにより選択可能に設けてもよい。
【0135】
水機器等選択欄1033a~1033dは、それぞれ、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する水を使用する機器の例として、シャワー、トイレ、シンク、水処理装置を選択する欄であり、クリック等して選択するとチェック印が表示されたり色彩が変更されたりする等により、チェックされたことを示すように構成されている。水機器等選択欄1033a~1033dに隣接して、水条件データベース2024の項目「機器名」に格納されている水を使用する機器等の名称が表示され、水機器等選択欄1033a~1033dの中から水を使用する機器等を選択して入力するように構成されている。これらの選択欄への選択入力後、例えば決定ボタン(図示は省略)を押下(例えば画面上でクリック)することにより、オフグリッド型宿泊モジュールの水を使用する機器等に関する仕様情報の入力が行われる。
【0136】
図11に示す画面において、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する水機器の変更情報を入力するユーザは、水機器等選択欄1033a~1033dの中から水機器等を選択して変更情報を入力することにより、構成情報の変更情報が登録される。
【0137】
図12は、構成変更受付処理における端末装置10の地域条件入力の画面例を示す図である。図12の画面例は、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の情報を変更する情報を入力するための画面例を示す。図8のステップS213に相当する。
【0138】
図12に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、地図情報表示欄1034aが表示されている。ユーザは、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域として、地図情報表示欄1034a上の1点をクリック等により選択すると、地域選択マーク1034bが表示される。地域選択マーク1034bが表示された状態で、例えば決定ボタン(図示は省略)を押下(例えば画面上でクリック)すると、地域選択マーク1034bが表示された位置の緯度経度情報がサーバ20へ送信され、地域情報の入力が行われる。
【0139】
図12に示す画面において、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件の情報の変更情報を入力するユーザは、地図情報表示欄1034a上の1点をクリック等により選択して変更情報を入力することにより、構成情報の変更情報が登録される。
【0140】
図13は、シミュレーション処理における端末装置10のシミュレーション結果の表示の画面例を示す図である。図13の画面例は、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給の予測結果、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間の算出結果、及び、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストの算出結果を表示するための画面例を示す。図7のステップS116に相当する。
【0141】
図13に示すように、端末装置10のディスプレイ150には、太陽光パネル等による発電量の変化を示す発電量グラフ1035aと、蓄電池の残蓄電量の変化を示す蓄電量グラフ1035bと、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間の算出結果を表示する滞在可能日数表示欄1035cと、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コストの算出結果を表示する製造コスト表示欄1035dと、オフグリッド型宿泊モジュールの運営コストの算出結果を表示する運営コスト表示欄1035eと、が表示されている。発電量グラフ1035a及び蓄電量グラフ1035bは、シミュレーションが行われたシミュレーション結果である。発電量グラフ1035aは、例えば、所定の気象情報の日射量から想定される太陽光パネルの発電量であり、蓄電量グラフ1035bは、例えば、電力に関する装置情報から想定される電力使用量から推定される、蓄電池の蓄電量である。
【0142】
<小括>
以上のように、本実施形態によると、あらかじめ登録されているオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、受け付けた地理条件に関する情報と、地理条件の環境に関する条件の情報から、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給の予測を行い、人が滞在可能な期間を算出する。さらに、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを算出する。そのため、オフグリッド型宿泊モジュールの設置可能性、事業性についての適切な情報を得ることができるので、適切な判断が可能になる。これにより、宿泊業における新たなビジネスを提供することが可能になる。
【0143】
また、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、地理条件の情報について、変更入力を受け付けると、変更された情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給の予測を再度行い、人が滞在可能な期間を再度算出し、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストを再度算出する。これにより、オフグリッド型宿泊モジュールの設置可能性、事業性について条件を変更して適切な情報を得ることができるので、適切な判断が可能になる。
【0144】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0145】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0146】
(付記1)発電装置と、発電装置が発電した電力を蓄電する蓄電装置と、発電装置が発電した電力、または蓄電装置に蓄電された電力を消費する電力消費装置と、貯水装置と、貯水装置に貯められた水を使用可能に浄化する水浄化装置と、水浄化装置により浄化された水を消費する水使用装置と、が配置され、移動可能であり、電力系統からの電力の供給、及び水供給系統からの水の供給を受けることなく、人が滞在可能である、オフグリッド型宿泊モジュール30。
【0147】
(付記2)オフグリッド型宿泊モジュールを設置するために設定された条件に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールの仕様を変更可能に構成する、(付記1)に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【0148】
(付記3)設定された条件は、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する期間の条件、地理条件、地理条件の環境に関する条件のうちのいずれかまたは複数の条件を含む、(付記2)に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【0149】
(付記4)設定された条件に基づき、発電装置、蓄電装置、電力消費装置、貯水装置、水浄化装置、水使用装置のいずれかまたは複数の仕様を変更可能に構成する、(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【0150】
(付記5)発電装置の配置数または発電量、蓄電装置の配置数または蓄電容量、電力消費装置の配置数または消費電力量、貯水装置の配置数または貯水量、水浄化装置の配置数または所定時間当たりの処理量、水使用装置の配置数または水消費量、のいずれかまたは複数について変更可能に構成する、(付記4)に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【0151】
(付記6)発電装置による発電量、蓄電装置による蓄電容量、電力消費装置による消費電力量、貯水装置による貯水量、水浄化装置による処理量、及び水使用装置による水使用量を時系列でモニタリングするモニタリング装置と、モニタリングの結果を出力する出力装置と、を備える、(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【0152】
(付記7)出力装置は、モニタリングの結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給及び水の需給の予測を行い、予測の結果に基づいてオフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出した結果を参照可能に出力する、(付記6)に記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【0153】
(付記8)貯水装置は、短期間の気象条件に応じて影響を受ける水、長期間の気象条件に応じて影響を受ける水、気象条件に応じて影響を受けない水、のいずれかまたは複数を貯水する、(付記1)から(付記7)のいずれかに記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【0154】
(付記9)貯水装置は、雨水、井戸水、河川の水、または海水を真水化した水、のいずれかまたは複数を貯水する、(付記1)から(付記8)のいずれかに記載のオフグリッド型宿泊モジュール。
【0155】
(付記10)プロセッサ29を備えるコンピュータに実行させ、電力系統からの電力の供給または水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力するためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサ29に、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップ(S122)と、あらかじめ定められたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップ(S123)と、予測の結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップ(S124)と、算出した滞在可能な期間を出力するステップ(S126)と、を実行させる、プログラム。
【0156】
(付記11)プログラムは、さらに、オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する期間の条件、地理条件、地理条件の環境に関する条件のいずれか1つまたは複数の変更入力を受け付けるステップ(S221~S223)を実行させ、予測を行うステップにおいて、変更後のオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報、期間の条件、地理条件、地理条件の環境に関する条件のいずれか1つまたは複数に基づき予測を行い、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップにおいて、変更後のオフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出する、(付記10)に記載のプログラム。
【0157】
(付記12)オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報の変更入力を受け付けるステップにおいて、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する発電装置、電力を蓄電する蓄電装置、電力を消費する電力消費装置、貯水装置、水を使用可能に浄化する水浄化装置、水を消費する水使用装置のいずれかまたは複数の仕様変更入力を受け付ける、(付記11)に記載のプログラム。
【0158】
(付記13)オフグリッド型宿泊モジュールの構成情報の変更入力を受け付けるステップにおいて、オフグリッド型宿泊モジュールの間取り、オフグリッド型宿泊モジュールを構成する構造物のいずれかまたは両方の変更入力を受け付ける、(付記11)または(付記12)に記載のプログラム。
【0159】
(付記14)プログラムは、さらに、地理条件の環境に関する条件の情報として、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地域の気象情報を取得するステップを実行させる、(付記10)から(付記13)のいずれかに記載のプログラム。
【0160】
(付記15)電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップにおいて、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する発電装置の発電量と、電力を蓄電する蓄電装置の蓄電量と、電力を消費する電力消費装置における電力使用量との予測を行う、(付記10)から(付記14)のいずれかに記載のプログラム。
【0161】
(付記16)電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップにおいて、オフグリッド型宿泊モジュールに配置する貯水装置の貯水量と、水を消費する水使用装置における水使用量との予測を行う、(付記10)から(付記15)のいずれかに記載のプログラム。
【0162】
(付記17)電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップにおいて、地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、貯水装置の貯水量の予測を行う、(付記16)に記載のプログラム。
【0163】
(付記18)プログラムは、さらに、あらかじめ定められたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールの製造コスト、運営コストのいずれかまたは両方を算出するステップ(S125)と、算出した製造コスト、運営コストのいずれかまたは両方を出力するステップ(S126)と、を実行させる、(付記10)から(付記17)のいずれかに記載のプログラム。
【0164】
(付記14)制御部203を備え、電力系統からの電力の供給及び水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力する情報処理装置であって、制御部203は、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップ(S122)と、あらかじめ定められたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップ(S123)と、予測の結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップ(S124)と、算出した滞在可能な期間を出力するステップ(S126)と、を実行する、情報処理装置。
【0165】
(付記15)プロセッサ29を備えるコンピュータにより実行され、電力系統からの電力の供給及び水供給系統からの水の供給を受けずに人が滞在可能なオフグリッド型宿泊モジュールに、人が滞在可能な期間を出力するための方法であって、方法は、プロセッサ29が、オフグリッド型宿泊モジュールを設置する地理条件に関する情報の入力を受け付けるステップ(S122)と、あらかじめ定められたオフグリッド型宿泊モジュールの構成情報と、地理条件の環境に関する条件の情報に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールにおける電気の需給、水の需給のいずれか一方または両方の予測を行うステップ(S123)と、予測の結果に基づき、オフグリッド型宿泊モジュールに人が滞在可能な期間を算出するステップ(S124)と、算出した滞在可能な期間を出力するステップ(S126)と、を実行する、方法。
【符号の説明】
【0166】
10 端末装置、20 サーバ、80 ネットワーク、130 操作受付部、161 ユーザ情報、22 通信IF、23 入出力IF、25 メモリ、26 ストレージ、29 プロセッサ、201 通信部、202 記憶部、2021 モジュール構成データベース、2022 地理条件データベース、2023 電力条件データベース、2024 水条件データベース、2025 建物条件データベース、203 制御部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13