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特開2023-149826スクリーン印刷法による回路基板の製造方法
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  • 特開-スクリーン印刷法による回路基板の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149826
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】スクリーン印刷法による回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/12 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H05K3/12 610B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058602
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】望月 規之
(72)【発明者】
【氏名】大村 皇治
【テーマコード(参考)】
5E343
【Fターム(参考)】
5E343AA02
5E343AA16
5E343AA18
5E343BB22
5E343BB72
5E343DD04
5E343DD52
5E343FF02
5E343FF04
5E343GG08
(57)【要約】
【課題】厚膜化した絶縁層又は導電層の端部に導電パターン層を積層する場合に、導電パターン層を厚膜化することなく、その断線の防止を可能にする。
【解決手段】基材10上に絶縁層11をスクリーン印刷法により形成する。絶縁層11は主部11a及び突出部11bを備えている。突出部11bの突出方向の側面には傾斜部11cが形成されており、突出部11bの上面には傾斜部11dが形成されている。図1Cに示されている突出部11bは、図1Bに示されている突出部11bと比べると、細く、高さが低く、傾斜部11cの傾斜が緩くなっている。絶縁層11に導電パターン層を積層したとき、図1Bに示されている突出部11b上で断線しても、図1Cに示されている突出部11b上では断線しない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に絶縁層又は導体層からなる第1の層をスクリーン印刷法により形成する第1の工程と、前記第1の層の端部に導電パターン層をスクリーン印刷法により積層する第2の工程と、を有する回路基板の製造方法であって、
前記第1の工程は、前記第1の層の端部の一部を細い突出部として形成する、回路基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された回路基板の製造方法において、
前記突出部の少なくとも一部は突出方向の先端に近い程細い、回路基板の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載された回路基板の製造方法において、
前記突出部の少なくとも一部はリニアに細くなる、回路基板の製造方法。
【請求項4】
請求項2に記載された回路基板の製造方法において、
前記突出部の少なくとも一部はノンリニアに細くなる、回路基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載された回路基板の製造方法において、
前記突出部は上面及び側面に傾斜を有する、回路基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載された回路基板の製造方法において、
前記側面の傾斜は突出部が細い程緩い、回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクリーン印刷法による回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷法により回路基板を製造する技術がある(特許文献1)。スクリーン印刷法による回路基板の製造方法では、メッシュ状のスクリーンに対して、印刷用ペーストが通る部分(以下、開口部)と、通らない部分(以下、非開口部)とを形成したスクリーン印刷用マスクを作成し、このスクリーン印刷用マスクに印刷用ペーストを乗せ、スキージを用いて、印刷用ペーストを開口部から押し出し、基材上に印刷層を形成する。
【0003】
スクリーン印刷法による回路基板の製造方法の長所は、スクリーンを厚くすることで印刷層として形成される絶縁層や導電パターン層を厚膜化できることである。導電パターン層を厚くすることで、電子回路においてロスの発生源になってしまうパターン抵抗を小さくすることができる。また、積層基板においては、層間絶縁層を厚膜化することで、製造上の問題による上下導電パターン層間の短絡を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-7747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、厚膜化した絶縁層の端部に導電パターンを積層する場合、導電パターン層が断線するという問題がある。図8を参照して説明する。なお、以下の説明における方位(上下左右)は図面上の方位である。
【0006】
図8は、スクリーン印刷法により回路基板を製造する工程について説明するための図である。ここで、図8Aは基材100上に絶縁層101を形成した状態の平面図であり、図8B図8AにおけるA-A断面図である。また、図8Cは絶縁層101上に導電パターン層102を形成した状態の平面図であり、図8D図8CにおけるA-A断面図である。ここで、絶縁層101及び導電パターン層102の形成はスクリーン印刷法により行う。
【0007】
まず図8A及び図8Bに示されているように、回路基板の基材100の上面に絶縁層101が形成され、次に図8C及び図8Dに示されているように、絶縁層101の左右方向の中央部から右端部101aを越えて基材100の上面に至る導電パターン層102が形成されている。
【0008】
ただし、図8Dに示されているように、導電パターン層102は、絶縁層101の右端部101aと基材100の上面との間に形成された段差の部分に導電パターン層が形成されず、絶縁層101上に形成された部分と、基材101上に形成された部分とに分離し、断線している。なお、図8Cでは、便宜上、導電パターン層102の断線を省略した。
【0009】
導電パターン層102を絶縁層101と同様に厚膜化すれば断線を防止できるが、使用する材料によっては厚膜化できない。また、以上の説明した断線は、厚膜化した導電層の端部に導電パターン層を積層する場合にも発生する。すなわち、例えば図8Dにおいて、絶縁層101を導電層とした場合、導電パターン層102が焼成時に縮むことによって、基材100上の導電パターン層102の左端部が図示の位置から右にずれた場合、導電パターン層102は、導電層上の部分と、基材100上の部分とが電気的に接続されなくなる。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、厚膜化した絶縁層又は導電層の端部に導電パターン層を積層する場合に、導電パターン層を厚膜化することなく、その断線の防止を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基材上に絶縁層又は導体層からなる第1の層をスクリーン印刷法により形成する第1の工程と、前記第1の層の端部に導電パターン層をスクリーン印刷法により積層する第2の工程と、を有する回路基板の製造方法であって、前記第1の工程は、前記第1の層の端部の一部を細い突出部として形成する、回路基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、厚膜化した絶縁層又は導電層の端部に導電パターン層を積層する場合に、導電パターン層を厚膜化することなく、その断線を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る回路基板の製造方法における絶縁層形成工程について説明するための図である。
図2】本発明の実施形態に係る回路基板の製造方法における導電パターン層形成工程について説明するための図である。
図3】本発明の実施形態に係る回路基板の製造方法に使用するスクリーン印刷用マスクを示す図である。
図4】スクリーン印刷用マスクのライン幅の変化と印刷膜厚の変化との関係を示す図である。
図5】スクリーン印刷用マスクのライン幅の変化とライン幅に対する印刷膜厚の変化との関係を示す図である。
図6】スクリーン印刷用マスクのライン幅の変化に対する印刷膜の厚みと傾斜の変化について説明するための図である。
図7】スクリーン印刷用マスクのライン幅が狭い場合に印刷膜厚が薄くなり、かつ傾斜が緩くなる理由について説明するための図である。
図8】スクリーン印刷法により回路基板を製造する工程について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈回路基板の製造方法〉
図1は、本発明の実施形態に係る回路基板の製造方法における絶縁層形成工程について説明するための図である。ここで、図1Aは絶縁層形成工程を終了した段階の回路基板の平面図であり、図1B図1C図1Dは、それぞれ図1AにおけるB-B断面図、C-C断面図、A-A断面図である。
【0015】
また、図2は、本発明の実施形態に係る回路基板の製造方法における導電パターン層形成工程を説明するための図である。ここで、図2Aは導電パターン層形成工程を終了した段階の回路基板の平面図であり、図2B図2C図2Dは、それぞれ図2AにおけるB-B断面図、C-C断面図、A-A断面図である。
【0016】
また、図3は、本発明の実施形態に係る回路基板の製造方法に使用するスクリーン印刷用マスクを示す図である。ここで、図3Aは絶縁層形成工程で使用する絶縁層スクリーン印刷用マスク20の平面図であり、図3Bは導電パターン層形成工程で使用する導電パターン層スクリーン印刷用マスク30の平面図である。これらの図を参照して本発明の実施形態に係る回路基板の製造方法について説明する。
【0017】
《絶縁層形成工程》
この工程では、図1A図1Dに示されているように、基材10上に絶縁層11を形成する。基材10はPET(ポリエチレン・テレフタレート)、PI(ポリイミド)などの樹脂フィルムからなる。
【0018】
絶縁層11の形成は、図3Aに示されている絶縁層スクリーン印刷用マスク20を使用するスクリーン印刷法により実行する。絶縁層スクリーン印刷用マスク20は、図における縦方向×横方向のサイズが例えば100mm×100mmであり、印刷用ペーストである絶縁性ペースト(例えば藤倉化成XB-3136)を通す開口部21と、絶縁性ペーストを通さない非開口部22を備えている。また、開口部21は、平面視矩形の主部21a、及び主部21aから突出した突出部21bからなる。突出部21bは、平面視が突出方向の先端に近い程ライン幅が狭く(図の上下方向長が短く)なっている。突出部21bが突出方向の先端に近い程細くなっているということもできる。
【0019】
基材10上に絶縁層11を形成する際、基材10の表面(図1B図1C図1Dにおける上面)に対し、所定の位置関係(クリアランス)で絶縁層スクリーン印刷用マスク20を配置し、その表面上に絶縁性ペーストを乗せ、図示されていないスキージを絶縁層スクリーン印刷用マスク20の表面上を移動させて絶縁性ペーストを開口部21から押し出し、基材10上に印刷する。そして、絶縁性ペーストが印刷された基材10を加熱・焼成することで硬化させる。
【0020】
この絶縁層形成工程により基材10上に形成される絶縁層11は、図1Aに示されているように、平面視が絶縁層スクリーン印刷用マスク20の開口部21の形状に対応する主部11a及び突出部11bを備えている。
【0021】
また、図1B及び図1Cに示されているように、突出部11bの突出方向の側面には傾斜部11cが形成されており、図1Dに示されているように、突出部11bの上面には傾斜部11dが形成されている。ここで、図1Cに示されている突出部11bは、図1Bに示されている突出部11bと比べると、絶縁層スクリーン印刷用マスク20の突出部21bが突出方向の先端に近い程ライン幅が狭くなっていることに対応して幅(図の横方向長)が狭くなっていることに加えて、高さが低く、傾斜部11cの傾斜が緩くなっている。その理由と効果については後述する。
【0022】
《導電パターン形成工程》
この工程では、図2C図2Dに示されているように、絶縁層形成工程で形成された絶縁層11上に導電パターン層12を形成する。
【0023】
導電パターン層12の形成は、図3Bに示されている導電パターン層スクリーン印刷用マスク30を使用するスクリーン印刷法により実行する。導電パターン層スクリーン印刷用マスク30は、その縦方向、横方向のサイズが絶縁層スクリーン印刷用マスク20と同じであり、印刷用ペーストである導電性ペースト(例えば藤倉化成FA-353N)を通す平面視矩形の開口部31と、導電性ペーストを通さない非開口部32を備えている。開口部31のライン幅(図の上下方向長)は、絶縁層スクリーン印刷用マスク20の主部21aより狭く、突出部21bの基端側より広い。
【0024】
絶縁層11上に導電パターン層12を形成する際、絶縁層11が形成された基材10の表面に対し、所定の位置関係(クリアランス)で導電パターン層スクリーン印刷用マスク30を配置し、その表面上に導電性ペーストを乗せ、図示されていないスキージを導電パターン層スクリーン印刷用マスク30の表面上を移動させて導電性ペーストを開口部31から押し出し、絶縁層11上に印刷する。そして、導電性ペーストが印刷された基材10を加熱・焼成することで硬化させる。
【0025】
この導電パターン層形成工程により絶縁層11上に形成される導電パターン層12は、図2Aに示されているように、平面視が導電パターン層スクリーン印刷用マスク30の開口部21の形状に対応する矩形になっている。また、図2Dに示されているように、絶縁層11の突出部11bの傾斜部11dに沿う傾斜部12aを備えている。
【0026】
また、図2Bに示されているように、図1Bに示されている絶縁層11の突出部11bに積層された導電パターン層12は突出部11bの側面の傾斜部で分離し、断線しているのに対し、図2Cに示されているように、図1Bに示されている絶縁層11の突出部11bより細く、低く、傾斜の緩い図1Cに示されている突出部11bに積層された導電パターン層12は断線していない。つまり、絶縁層11の主部11aは厚膜化されているものの、突出部11bの膜厚が薄いこと、及び傾斜が緩いことにより、導電性ペーストの密着性が向上し、断線が防止される。
【0027】
次に図1B図1C、及び図1Dに示されている突出部11bが形成される理由を説明する。
〈スクリーン印刷用マスクのライン幅の変化と印刷膜厚の変化との関係〉
図4はスクリーン印刷用マスクのライン幅の変化と印刷膜厚の変化との関係を示す図である。この図は、アサダメッシュ株式会社の「スクリーン印刷の原理原則と標準技術、高品質スクリーン印刷用、2014技術情報、No.0005」からの引用である。ここで、BS-400/23における400はライン数、23は線径、55及び40はメッシュ厚である。また、CLはカレンダー(圧延)加工を表す。
【0028】
図示のように、ライン幅が狭くなるにしたがって印刷膜厚が薄くなる。また、ファインライン(ライン幅120μm以下)では、メッシュ厚が異なっていてもライン幅の変化に応じて、印刷膜厚もほぼ同じ数値で変化する。
【0029】
そして、図3Aを参照して説明したように、絶縁層スクリーン印刷用マスク20の開口部21の突出部21bのライン幅は、突出方向の先端に近い程狭くなっているから、この突出部21bを通って基材10上に印刷された絶縁層11の突出部11bの膜厚は突出方向の先端に近い程薄くなる。この結果、図1B図1C図1Dに示されているような膜厚の突出部11bが形成される。
【0030】
〈スクリーン印刷用マスクのライン幅の変化とライン幅に対する印刷膜厚の変化との関係〉
図5は、スクリーン印刷用マスクのライン幅の変化とライン幅に対する印刷膜厚の変化との関係を示す図である。この図のグラフは、図4に示されているグラフの一方のスクリーン印刷用マスク(「BS-400/23-40CL」)のライン幅の変化と印刷膜厚の変化との関係に基づき算出した値を図示したものであるが、他方のスクリーン印刷用マスク(「BS-400/23-55」)のライン幅の変化と印刷膜厚の変化との関係に基づき算出しても同様のグラフとなる。また、図6は、スクリーン印刷用マスクのライン幅の変化に対する印刷膜の厚みと傾斜の変化について説明するための図、すなわち図5について説明するための図である。
【0031】
図5より、ライン幅が狭くなると、ライン幅に対する印刷膜厚(印刷膜厚/ライン幅。以下、アスペクト比という。)の値が小さくなることが分かる。すなわち、例えば図6Aに示されているように、ライン幅W1で絶縁層11を形成した場合に印刷膜厚D1の突出部11bが形成されたものとする。次に図6Bに示されているように、ライン幅W2(W2<W1)にして絶縁層11を形成した場合に印刷膜厚D2の突出部11bが形成されたものとする。
【0032】
この場合、図5より、(D2/W2)<(D1/W1)となる。つまり、図6Bに示されている突出部11bは、図6Aに示されている突出部11bよりもライン幅に対する高さが低く(アスペクト比が小さく)なっている。図6Bにおける点線11b’は、ライン幅W2でかつ図6Aに示されている突出部11bと同じアスペクト比の突出部を表している。つまり、(D2’/W2)=(D1/W1)である。また、6Bに示されている突出部11bは、図6Aに示されている突出部11bと比べて、傾斜部11bの傾斜が緩くなっている。その理由については図7を参照して後述する。
【0033】
ここで、図6Aに示されている突出部11b、図6Bに示されている突出部11bは、それぞれ図1Bに示されている突出部11b、図1Cに示されている突出部11bに対応するから、図1B図1Cに示されているような膜厚と傾斜部を有する突出部11bが形成されることになる。
【0034】
次に、図7を参照して、スクリーン印刷用マスクのライン幅が狭い場合に印刷膜厚が薄くなり、かつ傾斜が緩くなる理由ついて説明する。図7には、スクリーン印刷用マスクのライン幅の変化と印刷膜厚の変化との関係を示すグラフ、そのグラフでライン幅が細線の場合の版離れの様子、及びそのグラフでライン幅が中間の場合の版離れの様子が示されている。
【0035】
スクリーン印刷用マスクにペーストを乗せ、スキージを用いて、ペーストを開口部から押し出し、基材上に印刷層を形成した後、スクリーン印刷用マスクを基材から離す版離れの瞬間、ペーストは基材と接触した面積に比例する密着力で保持され、メッシュ部と乳剤壁面とに密着したペーストとの中間で分離する。
【0036】
ライン幅が狭い細線の場合、ペーストと基材との密着力が非常に小さいため、殆どのペーストが乳剤壁やメッシュに密着したまま版離れすることになり、印刷膜厚が薄くなり、傾斜部の傾斜が緩やかになる。一方、ライン幅がスクリーン印刷用マスクの総厚の2倍以上という比較的広い場合(図における「中間」)は、版離れの際にメッシュの開口部の大部分のペーストが基材に転写されるので、印刷膜厚が厚くなり、傾斜部の傾斜がきつくなる。当然のことながら、図における「細線」の場合、図における「細線」と「中間」との間のライン幅の場合と比べても、印刷膜厚は薄くなり、傾斜部の傾斜は緩やかになる。
【0037】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る回路基板の製造方法によれば、厚膜化した絶縁層の端部に導電パターンを積層する場合に、導電パターンを厚膜化することなく、その断線を防止することができる。
【0038】
なお、以上説明した実施形態は、厚膜化した絶縁層の端部に導電パターンを積層する場合に関するものであるが、本発明は厚膜化した導電層の端部に導電パターンを積層する場合にも同様に、積層する導電パターンを厚膜化することなく、その断線を防止することができる。
【0039】
また、以上説明した実施形態では、絶縁層スクリーン印刷用マスク20の突出部21bを平面視三角形とすることで、その幅が先端に近い程リニアに狭くなるものとしたが、その幅が先端に近い程ノンリニアに狭くなるように構成してもよい。また、例えば平面視瓢箪形のように、その幅が先端に近い程ノンリニアに狭くなる部分を有するように構成してもよい。要するに、突出部の少なくとも一部(一部又は全部)の幅が先端に近い程狭くなるように構成すればよい。
【符号の説明】
【0040】
10…基材、11…絶縁層、11a…主部、11b…突出部、12…導電パターン層、20…絶縁層スクリーン印刷用マスク、21…開口部、21a…主部、21b…突出部、22…非開口部、30…導電パターン層スクリーン印刷用マスク、31…開口部、32…非開口部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8