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特開2023-149900画像形成装置の制御方法、画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149900
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置の制御方法、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231005BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G21/00 312
G03G15/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058699
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】中江 貞敬
(72)【発明者】
【氏名】若狹 洋平
【テーマコード(参考)】
2H134
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H134GA01
2H134GA06
2H134GB02
2H134HA12
2H134HA16
2H134HA17
2H134JA04
2H134JA14
2H134KB03
2H134KB04
2H134KB05
2H134KD04
2H200FA08
2H200FA18
2H200GA23
2H200GA34
2H200GA44
2H200GA50
2H200HB12
2H200JA29
2H200JC04
2H200LB03
2H200LB15
2H200LB18
2H200LB35
2H200LB39
2H200MA02
2H200MA08
2H200PA03
2H200PA05
2H270KA32
2H270KA38
2H270LA01
2H270LA80
2H270LB08
2H270LD05
2H270MA24
2H270MA28
2H270MB25
2H270MB27
2H270MC34
2H270MC39
2H270MC48
2H270MC53
2H270MC70
2H270MH12
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】トナー放出処理が実行される場合における二次転写体へのトナーの付着量を低減すること。
【解決手段】プロセッサー81は、回収部材におけるトナー蓄積量の指標値に応じた放出時間を設定し、複数の第1クリーニング部45に前記放出時間だけトナー放出処理を実行させる(S3)。前記プロセッサー81は、前記指標値が基準範囲内である場合に、複数の放出トナー部が中間転写体441の表面で重ならないタイミングで前記複数の第1クリーニング部45に前記トナー放出処理を実行させる。前記プロセッサー81は、前記指標値が前記基準範囲から外れる場合に、前記複数の放出トナー部が前記中間転写体441の表面で一部ずつ重なるタイミングで前記複数の第1クリーニング部45に前記トナー放出処理を実行させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の制御方法であって、
前記画像形成装置は、
それぞれ回転する複数の像担持体を含み、前記複数の像担持体の表面にトナー像を形成可能な画像形成部と、
前記複数の像担持体に接触しつつ回転する中間転写体と、
前記中間転写体に沿う複数の一次転写位置において、それぞれ前記複数の像担持体の表面上のトナーを前記中間転写体の表面へ転写する一次転写処理を実行可能な複数の一次転写部と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナーをシートへ転写する二次転写処理を実行可能な二次転写部と、
前記複数の像担持体各々の表面における前記複数の一次転写部各々を通過した部分において、前記複数の像担持体各々の表面上の前記トナーを回収するトナー回収処理および前記複数の像担持体の表面へ前記トナーを放出するトナー放出処理を実行可能な複数の第1クリーニング部と、
前記中間転写体の表面における前記二次転写部を通過した部分から前記トナーを除去する第2クリーニング部と、を備え、
前記複数の第1クリーニング部各々は、
前記複数の像担持体各々の表面に接触しつつ回転し、前記トナーを保持可能な回収部材と、
前記トナー回収処理において前記回収部材に前記トナーの帯電極性と異なる極性の回収バイアス電圧を印加し、前記トナー放出処理において前記回収部材に前記トナーの帯電極性と同じ極性の放出バイアス電圧を印加する回収電圧出力部と、を備え、
前記二次転写部は、
前記中間転写体の表面に接触しつつ回転する二次転写体と、
前記二次転写体にバイアス電圧を印加可能な二次電圧出力部と、を備え、
前記制御方法は、
プロセッサーが、前記複数の第1クリーニング部の前記回収部材におけるトナー蓄積量の指標値を取得することと、
前記プロセッサーが、前記指標値に応じた放出時間を設定し、前記複数の第1クリーニング部に前記放出時間だけ前記トナー放出処理を実行させることと、
前記プロセッサーが、前記トナー放出処理により前記複数の像担持体の表面に形成される複数の放出トナー部についての前記一次転写処理を前記複数の一次転写部に実行させることと、
前記プロセッサーが、前記中間転写体の表面に転写された前記複数の放出トナー部各々が前記二次転写体の位置を通過しているときに、前記トナーの帯電極性と同じ極性の逆転写バイアス電圧を前記二次電圧出力部に出力させることと、を含み、
前記プロセッサーは、前記指標値が基準範囲内である場合に、予め定められた区間移動時間または前記区間移動時間以下の時間を前記放出時間として設定し、前記指標値が前記基準範囲から外れる場合に、前記区間移動時間よりも長い時間を前記放出時間として設定し、
前記区間移動時間は、前記中間転写体の表面に転写された前記複数の放出トナー部が前記複数の一次転写位置の間隔である区間距離を移動するのに要する時間であり、
前記プロセッサーは、前記指標値が前記基準範囲内である場合に、前記複数の放出トナー部が前記中間転写体の表面で重ならないタイミングで前記複数の第1クリーニング部に前記トナー放出処理を実行させ、
前記プロセッサーは、前記指標値が前記基準範囲から外れる場合に、前記複数の放出トナー部が前記中間転写体の表面で一部ずつ重なるタイミングで前記複数の第1クリーニング部に前記トナー放出処理を実行させる、画像形成装置の制御方法。
【請求項2】
前記プロセッサーは、前記指標値が前記基準範囲から外れる場合に、前記区間移動時間の整数倍の時間を前記放出時間として設定する、請求項1に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項3】
前記プロセッサーは、前記画像形成部によって前記複数の像担持体各々の表面に形成される前記トナー像における描画画素の数の積算値を前記指標値として取得する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項4】
前記画像形成装置が、前記複数の第1クリーニング部各々の前記回収部材に流れる電流を計測する複数の電流計測部を備える場合に、
前記プロセッサーは、前記複数の電流計測部各々の計測電流値を前記指標値として取得する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項5】
前記プロセッサーは、前記指標値が前記基準範囲から外れる場合に、前記複数の第1クリーニング部各々に対し、前記トナー放出処理において前記区間移動時間が経過するごとに前記放出バイアス電圧のレベルを上げる処理を実行させる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項6】
前記プロセッサーが、前記中間転写体の表面における前記複数の放出トナー部のいずれも転写されていない非転写領域が前記二次転写体の位置を通過しているときに、前記トナーの帯電極性と異なる極性の順転写バイアス電圧を前記二次電圧出力部に出力させること、をさらに含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項7】
前記画像形成部が、
それぞれ前記複数の像担持体の外周の現像位置において前記複数の像担持体に前記トナーを供給する複数の現像ローラーと、
前記複数の現像ローラーを、前記現像位置と前記現像位置よりも前記複数の像担持体から離れた退避位置との間で移動させるローラー移動機構と、を備える場合に、
前記プロセッサーが、前記複数の像担持体の表面に形成された前記複数の放出トナー部が前記現像位置を通過するときに、前記ローラー移動機構に前記複数の現像ローラーを前記退避位置に保持させること、をさらに含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
それぞれ回転する複数の像担持体を含み、前記複数の像担持体の表面にトナー像を形成可能な画像形成部と、
前記複数の像担持体に接触しつつ回転する中間転写体と、
それぞれ前記複数の像担持体の表面上のトナーを前記中間転写体の表面へ転写する一次転写処理を実行可能な複数の一次転写部と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナーをシートへ転写する二次転写処理を実行可能な二次転写部と、
前記複数の像担持体各々の表面における前記複数の一次転写部各々を通過した部分において、前記複数の像担持体各々の表面上の前記トナーを回収するトナー回収処理および前記複数の像担持体各々の表面へ前記トナーを放出するトナー放出処理を実行可能な複数の第1クリーニング部と、
前記中間転写体の表面における前記二次転写部を通過した部分から前記トナーを除去する第2クリーニング部と、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置の制御方法を実現するプロセッサーと、を備え、
前記複数の第1クリーニング部各々は、
前記複数の像担持体各々の表面に接触しつつ回転し、前記トナーを保持可能な回収部材と、
前記トナー回収処理において前記回収部材に前記トナーの帯電極性と異なる極性の回収バイアス電圧を印加し、前記トナー放出処理において前記回収部材に前記トナーの帯電極性と同じ極性の放出バイアス電圧を印加する回収電圧出力部と、を備え、
前記二次転写部は、
前記中間転写体の表面に接触しつつ回転する二次転写体と、
前記二次転写体にバイアス電圧を印加可能な二次電圧出力部と、を備える、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体からのトナー回収および像担持体へのトナー放出を実行可能な画像形成装置の制御方法および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、カラー画像を形成可能なタンデム式のプリント装置を備える場合がある。前記プリント装置は、画像形成部と一次転写装置と二次転写装置とを備える。
【0003】
前記画像形成部は、複数の像担持体の表面にトナー像を形成する。前記一次転写装置は、前記複数の像担持体の表面の前記トナー像を中間転写体へ転写する。前記二次転写装置は、前記中間転写体の表面の前記トナー像をシートへ転写する。
【0004】
前記画像形成装置は、複数の第1クリーニング装置および第2クリーニング装置をさらに備える。前記複数の第1クリーニング装置各々は、トナー回収処理を実行する。前記トナー回収処理は、前記複数の像担持体各々の表面からトナーを回収する処理である。第2クリーニング装置は、前記中間転写体の表面からトナーを除去する。
【0005】
前記複数の第1クリーニング装置各々は、トナー放出処理も実行可能である(例えば、特許文献1参照)。前記トナー放出処理は、回収されたトナーを前記複数の像担持体各々へ放出する処理である。
【0006】
前記複数の第1クリーニング装置各々は、回収部材と回収電圧出力部とを備える。前記回収部材は、前記像担持体の表面に接触して配置され、トナーを保持可能である。例えば、前記回収部材は、スポンジなどの多孔性部材である。
【0007】
前記回収電圧出力部は、前記回収部材に回収バイアス電圧または放出バイアス電圧を印加することが可能である。前記回収バイアス電圧は、前記トナーの帯電極性と異なる極性のバイアス電圧である。前記放出バイアス電圧は、前記トナーの帯電極性と同じ極性のバイアス電圧である。
【0008】
前記回収バイアス電圧が前記回収部材に印加されることにより、前記像担持体の表面に残るトナーが電気的に前記回収部材へ引き付けられる。引き付けられたトナーは、前記回収部材に保持される。
【0009】
トナーが前記回収部材に蓄積されることにより、前記回収部材のトナー回収の性能が低下する。
【0010】
一方、前記放出バイアス電圧が前記回収部材に印加されることにより、前記回収部材に保持されたトナーが前記回収部材へ放出される。これにより、前記回収部材のトナー回収の性能が改善する。
【0011】
前記トナー放出処理が実行されることにより、複数の放出トナー部が前記複数の像担持体の表面に形成される。前記複数の放出トナー部は、前記複数の像担持体から前記中間転写体へ転写される。さらに前記複数の放出トナー部は、前記第2クリーニング装置によって前記中間転写体から除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2015-87416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、前記中間転写体の表面上の前記複数の放出トナー部は、前記二次転写装置を経由して前記第2クリーニング装置へ到達する。前記二次転写装置において、二次転写体が前記複数の放出トナー部と接触する。
【0014】
前記複数の放出トナー部が前記二次転写体と接触するときに、前記二次転写装置は、前記二次転写体に逆転写バイアス電圧を印加する。前記逆転写バイアス電圧は、前記トナーの帯電極性と同じ極性のバイアス電圧である。
【0015】
前記逆転写バイアス電圧を前記二次転写体に印加する処理は、前記二次転写体への前記トナーの付着量を低減するための処理である。
【0016】
前記トナー放出処理が実行されたときに、厚みの大きなトナー層が前記中間転写体に形成される場合がある。この場合、前記逆転写バイアス電圧が前記二次転写体に印加されても、前記二次転写体への前記トナーの付着量が増えるおそれがある。
【0017】
本発明の目的は、トナー放出処理が実行される場合における二次転写体へのトナーの付着量を低減できる画像形成装置の制御方法および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一の局面に係る方法は、画像形成装置の制御方法である。前記画像形成装置は、画像形成部と、中間転写体と、複数の一次転写部と、二次転写部と、複数の第1クリーニング部と、第2クリーニング部と、を備える。前記画像形成部は、それぞれ回転する複数の像担持体を含み、前記複数の像担持体の表面にトナー像を形成可能である。前記中間転写体は、前記複数の像担持体に接触しつつ回転する。前記複数の一次転写部は、前記中間転写体に沿う複数の一次転写位置において、それぞれ前記複数の像担持体の表面上のトナーを前記中間転写体の表面へ転写する一次転写処理を実行可能である。前記二次転写部は、前記中間転写体の表面に転写された前記トナーをシートへ転写する二次転写処理を実行可能である。前記複数の第1クリーニング部は、前記複数の像担持体各々の表面における前記複数の一次転写部各々を通過した部分において、前記複数の像担持体各々の表面上の前記トナーを回収するトナー回収処理および前記複数の像担持体各々の表面へ前記トナーを放出するトナー放出処理を実行可能である。前記第2クリーニング部は、前記中間転写体の表面における前記二次転写部を通過した部分から前記トナーを除去する。前記複数の第1クリーニング部各々は、回収部材と、回収電圧出力部と、を備える。前記回収部材は、前記複数の像担持体各々の表面に接触しつつ回転し、前記トナーを保持可能である。前記回収電圧出力部は、前記トナー回収処理において前記回収部材に前記トナーの帯電極性と異なる極性の回収バイアス電圧を印加し、前記トナー放出処理において前記回収部材に前記トナーの帯電極性と同じ極性の放出バイアス電圧を印加する。前記二次転写部は、二次転写体と、二次電圧出力部と、を備える。前記二次転写体は、前記中間転写体の表面に接触しつつ回転する。前記二次電圧出力部は、前記二次転写体にバイアス電圧を印加可能である。前記制御方法は、プロセッサーが、前記複数の第1クリーニング部の前記回収部材におけるトナー蓄積量の指標値を取得することを含む。さらに前記制御方法は、前記プロセッサーが、前記指標値に応じた放出時間を設定し、前記複数の第1クリーニング部に前記放出時間だけ前記トナー放出処理を実行させることを含む。さらに前記制御方法は、前記プロセッサーが、前記トナー放出処理により前記複数の像担持体の表面に形成される複数の放出トナー部についての前記一次転写処理を前記複数の一次転写部に実行させることを含む。さらに前記制御方法は、前記プロセッサーが、前記中間転写体の表面に転写された前記複数の放出トナー部各々が前記二次転写体の位置を通過しているときに、前記トナーの帯電極性と同じ極性の逆転写バイアス電圧を前記二次電圧出力部に出力させることを含む。前記プロセッサーは、前記指標値が基準範囲内である場合に、予め定められた区間移動時間または前記区間移動時間以下の時間を前記放出時間として設定し、前記指標値が前記基準範囲から外れる場合に、前記区間移動時間よりも長い時間を前記放出時間として設定する。前記区間移動時間は、前記中間転写体の表面に転写された前記複数の放出トナー部が前記複数の一次転写位置の間隔である区間距離を移動するのに要する時間である。前記プロセッサーは、前記指標値が前記基準範囲内である場合に、前記複数の放出トナー部が前記中間転写体の表面で重ならないタイミングで前記複数の第1クリーニング部に前記トナー放出処理を実行させる。前記プロセッサーは、前記指標値が前記基準範囲から外れる場合に、前記複数の放出トナー部が前記中間転写体の表面で一部ずつ重なるタイミングで前記複数の第1クリーニング部に前記トナー放出処理を実行させる。
【0019】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記画像形成部と、前記中間転写体と、前記複数の一次転写部と、前記二次転写部と、前記複数の第1クリーニング部と、前記第2クリーニング部と、前記制御方法を実現する前記プロセッサーと、を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、トナー放出処理が実行される場合における二次転写体へのトナーの付着量を低減できる画像形成装置の制御方法および画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図2図2は、第1実施形態に係る画像形成装置における制御装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る画像形成装置における再生制御の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルト上の複数の放出トナー部の第1例を示す模式図である。
図5図5は、第1実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルト上の複数の放出トナー部の第2例を示す模式図である。
図6図6は、第1実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルト上の複数の放出トナー部の第3例を示す模式図である。
図7図7は、第1実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルト上の複数の放出トナー部の第4例を示す模式図である。
図8図8は、第2実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0023】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る画像形成装置10は、電子写真方式でプリント処理を実行する装置である。前記プリント処理は、シート9に画像を形成する処理である。シート9は、用紙またはシート状の樹脂部材などの画像形成媒体である。
【0024】
[画像形成装置10の構成]
図1に示されるように、画像形成装置10は、シート収容部2と、シート搬送路30と、シート搬送装置3と、プリント装置4とを備える。さらに、画像形成装置10は、操作装置801、表示装置802および制御装置8も備える。
【0025】
シート搬送路30、シート搬送装置3、プリント装置4および制御装置8は、筐体1内に収容されている。
【0026】
シート収容部2は、シート9を収容する。シート搬送装置3は、シート9をシート収容部2からシート搬送路30へ送り出し、さらにシート9をシート搬送路30に沿って搬送する。
【0027】
シート搬送装置3は、シート給送機構31および複数組の搬送ローラー対32を備える。
【0028】
シート給送機構31は、シート収容部2内のシート9をシート搬送路30へ送り出す。複数組の搬送ローラー対32は、シート9をシート搬送路30に沿って搬送する。さらに、複数組の搬送ローラー対32のうちの1組は、シート9をシート搬送路30から排出トレイ101上へ排出する。
【0029】
プリント装置4は、シート搬送路30に沿って搬送されるシート9に対して前記プリント処理を実行する。本実施形態において、プリント装置4は、タンデム式のカラープリント装置である。
【0030】
プリント装置4は、前記プリント処理において、シート9にトナー像を形成する。前記トナー像は、トナーを現像剤とする画像である。前記トナーは粒状の前記現像剤の一例である。
【0031】
プリント装置4は、複数の単色画像形成部4xと、光走査装置40と、転写装置44と、定着装置46とを備える。本実施形態において、プリント装置4は、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの4色に対応した4つの単色画像形成部4xを備える。
【0032】
なお、プリント装置4における単色画像形成部4xの数は、使用される前記トナーの色の数である。
【0033】
単色画像形成部4x各々は、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43および第1クリーニング装置45などを含む。即ち、プリント装置4は、4つの感光体41と、4つの帯電装置42と、4つの現像装置43と、4つの第1クリーニング装置45とを含む。
【0034】
単色画像形成部4x各々において、感光体41が回転し、帯電装置42が帯電処理を実行する。前記帯電処理は、感光体41の表面を帯電させる処理である。さらに、光走査装置40が、レーザー光を走査することによって、感光体41の帯電した表面に静電潜像を形成する。
【0035】
光走査装置40は、帯電した感光体41の表面に前記静電潜像を形成する潜像形成部の一例である。
【0036】
さらに、現像装置43が、感光体41の表面に前記トナーを供給することにより、前記静電潜像を前記トナー像へ現像する。現像装置43は、感光体41の外周の現像位置において、感光体41へ前記トナーを供給する。現像装置43は現像部の一例である。
【0037】
帯電装置42は、帯電部材421および帯電電圧出力装置422を備える。帯電部材421は、感光体41の外周の帯電位置において、感光体41に対向して配置されている。帯電電圧出力装置422は、帯電部材421に対して帯電バイアス電圧を印加する。前記帯電バイアス電圧は、前記帯電処理において適用されるバイアス電圧である。
【0038】
前記帯電バイアス電圧は、帯電電圧出力装置422から帯電部材421を通じて感光体41に印加される。これにより、感光体41の表面が帯電する。帯電装置42は、帯電部の一例である。
【0039】
現像装置43は、現像ローラー431および現像電圧出力装置432を備える。現像ローラー431は、前記現像位置において感光体41に対向して配置されている。現像ローラー431は、トナーを担持して回転する。
【0040】
現像電圧出力装置432は、現像ローラー431に現像バイアス電圧を印加する。本実施形態において、前記現像バイアス電圧は、直流電圧に交流電圧が重畳された電圧である。
【0041】
現像ローラー431は、トナーを担持して回転し、前記現像位置において前記トナーを感光体41の表面に供給する。現像ローラー431は、現像体の一例である。現像電圧出力装置432は、現像電圧出力部の一例である。
【0042】
現像ローラー431に担持されたトナーは、現像ローラー431と感光体41との間に生じる電界により、感光体41の表面における前記静電潜像の部分へ移行する。
【0043】
前記現像位置において、前記トナーが現像ローラー431から感光体41の表面における前記静電潜像の部分へ移行する。これにより、前記静電潜像が前記トナー像へ現像される。4つの感光体41は、それぞれ前記トナー像を担持する複数の像担持体の一例である。
【0044】
以上に示されるように、光走査装置40および4つの単色画像形成部4x各々は、感光体41の表面に前記トナー像を形成することが可能である。光走査装置40および4つの単色画像形成部4xは、画像形成部の一例である。
【0045】
本実施形態において、現像装置43は、二成分現像方式で現像を行う。即ち、現像装置43は、前記トナーおよび磁性キャリアを含む二成分現像剤を撹拌することによって前記トナーを帯電させる。さらに、現像装置43は、帯電した前記トナーを感光体41に供給する。
【0046】
前記磁性キャリアは、磁性を有する粒状物である。例えば、前記磁性キャリアは、表面がコーティングされた粒状の磁性体である。前記コーティングは、例えばエポキシ樹脂などの合成樹脂で構成されている。
【0047】
本実施形態において、プリント装置4は、ローラー移動機構433をさらに備える。ローラー移動機構433は、制御装置8による制御に従って、4つの現像装置43の現像ローラー431を前記現像位置と退避位置との間で移動させる機構である(図1参照)。
【0048】
前記現像位置は、現像ローラー431から感光体41へのトナー供給が可能な位置である。前記退避位置は、前記現像位置よりも感光体41から離れた位置である。現像ローラー431が前記退避位置に存在するときに、感光体41と現像ローラー431との間でのトナーの移動は発生しない。
【0049】
例えば、ローラー移動機構433は、モーターと、前記モーターにより駆動されるカム機構とを含む。前記カム機構は、前記モーターによって駆動されることにより、4つの現像ローラー431各々を前記現像位置および前記退避位置の一方から他方へ移動させる。
【0050】
前記トナー像の現像が行われるときに、ローラー移動機構433は、4つの現像ローラー431を前記現像位置に保持する。
【0051】
転写装置44は、中間転写ベルト441と、4つの単色画像形成部4xに対応する4つの一次転写装置442と、二次転写装置443と、第2クリーニング装置444とを備える。
【0052】
中間転写ベルト441は、複数の支持ローラー440によって支持されている。複数の支持ローラー440の1つは、不図示のモーターから受ける動力により回転する。これにより、中間転写ベルト441は、4つの感光体41の表面に接触しつつ回転する。
【0053】
感光体41各々は、中間転写ベルト441の表面に沿う4つの一次転写位置P1各々において、中間転写ベルト441と接している。
【0054】
一次転写装置442各々は、一次転写位置P1各々において一次転写処理を実行可能である。前記一次転写処理は、感光体41の表面上の前記トナー像を中間転写ベルト441の表面へ転写する処理である。
【0055】
4つの一次転写装置442が前記一次転写処理を実行することにより、4色の前記トナー像が中間転写ベルト441の表面に形成される。
【0056】
一次転写装置442各々は、一次転写体4421および一次電圧出力装置4422を備える。一次転写体4421は、中間転写ベルト441を介して感光体41に対向して配置されている。
【0057】
一次電圧出力装置4422は、一次転写体4421に一次転写バイアス電圧を印加する。感光体41の表面に形成された前記トナー像は、感光体41と一次転写体4421との間に生じる電界により、中間転写ベルト441の表面へ転写される。前記一次転写バイアス電圧の極性は、前記トナーの帯電極性の逆の極性である。
【0058】
例えば、一次転写装置442各々において、一次転写体4421は、中間転写ベルト441の内側面に接触しつつ回転するローラーである。4つの一次転写装置442は、複数の一次転写部の一例である。一次電圧出力装置4422は一次電圧出力部の一例である。
【0059】
二次転写装置443は、二次転写処理を実行可能である。前記二次転写処理は、シート搬送路30の二次転写位置において、中間転写ベルト441に形成された前記トナー像をシート9に転写する処理である。
【0060】
二次転写装置443は、二次転写体4431および二次電圧出力装置4432を備える。二次転写体4431は、中間転写ベルト441に接触しつつ回転するローラーである。二次転写装置443は、二次転写部の一例である。
【0061】
二次転写体4431は、前記二次転写位置において中間転写ベルト441と接している。シート9は、中間転写ベルト441と二次転写体4431との間を通過する。なお、前記二次転写位置は、二次転写体4431の位置である。
【0062】
二次電圧出力装置4432は、二次転写体4431に二次転写バイアス電圧を印加する。前記二次転写バイアス電圧の極性は、前記トナーの帯電極性の逆の極性である。中間転写ベルト441の表面に形成された前記トナー像は、中間転写ベルト441と二次転写体4431との間に生じる電界によってシート9へ転写される。
【0063】
なお、中間転写ベルト441は、中間転写体の一例である。転写装置44は、前記一次転写処理および前記二次転写処理を実行可能な転写部の一例である。
【0064】
第1クリーニング装置45各々は、トナー回収処理を実行する。前記トナー回収処理は、感光体41各々の表面における一次転写位置P1各々を通過した部分に存在するトナーを回収する処理である。
【0065】
さらに第1クリーニング装置45各々は、トナー放出処理を実行することも可能である。前記トナー放出処理は、感光体41各々の表面から回収したトナーを感光体41各々の表面へ放出する処理である。
【0066】
4つの第1クリーニング装置45は、複数の第1クリーニング部の一例である。
【0067】
第1クリーニング装置45各々は、回収部材451および回収電圧出力装置452を備える。回収部材451各々は、前記トナーを保持可能な部材である。例えば、回収部材451各々は、スポンジなどの多孔性部材である。
【0068】
回収部材451各々は、感光体41各々の表面に接触しつつ回転する。回収部材451各々は、感光体41各々の外周の回収位置において感光体41各々の表面に接している。前記回収位置は、感光体41各々の外周における一次転写位置P1各々と前記帯電位置との間の位置である。
【0069】
回収電圧出力装置452は、回収部材451に回収バイアス電圧または放出バイアス電圧を印加することが可能である。回収電圧出力装置452は、回収電圧出力部の一例である。
【0070】
前記回収バイアス電圧は、前記トナーの帯電極性と異なる極性の電圧である。前記放出バイアス電圧は、前記トナーの帯電極性と同じ極性の電圧である。
【0071】
回収電圧出力装置452は、前記トナー回収処理において前記回収バイアス電圧を回収部材451に印加する。これにより、感光体41の表面のトナーは、電気的に回収部材451に引き付けられ、回収部材451に保持される。回収部材451に回収されたトナーは、回収部材451の表面に形成された複数の孔の中に蓄積される。
【0072】
一方、回収電圧出力装置452は、前記トナー放出処理において前記放出バイアス電圧を回収部材451に印加する。これにより、回収部材451に保持されたトナーは、電気的に感光体41の表面に引き付けられ、回収部材451から感光体41の表面に放出される。
【0073】
前記プリント処理が実行されるときに、前記トナー回収処理が実行される。前記トナー回収処理が実行されることにより、一次転写位置P1各々で中間転写ベルト441に転写されなかったトナーが、回収部材451各々に回収される。
【0074】
しかしながら、トナーが回収部材451に蓄積されることにより、回収部材451のトナー回収の性能が低下する。
【0075】
一方、前記プリント処理が実行されていない状況下で予め定められた再生条件が成立したときに、前記トナー放出処理が実行される。前記トナー放出処理が実行されることにより、回収部材451のトナー回収の性能が改善する。
【0076】
前記トナー放出処理が実行されることにより、4つの放出トナー部G1が4つの感光体41の表面に形成される(図4,5参照)。4つの放出トナー部G1は、4つの感光体41から中間転写ベルト441へ転写される。
【0077】
第2クリーニング装置444は、中間転写ベルト441における前記二次転写位置を通過した部分からトナーを除去する。例えば、第2クリーニング装置444は、クリーニングブレードによって中間転写ベルト441の表面のトナーを擦り取る。第2クリーニング装置444は、第2クリーニング部の一例である。
【0078】
前記トナー放出処理が実行されたときに、4つの放出トナー部G1は、第2クリーニング装置444によって中間転写ベルト441から除去される。
【0079】
定着装置46は、シート9上の前記トナー像を加熱しつつ加圧する。これにより、定着装置46は、前記トナー像をシート9に定着させる。
【0080】
操作装置801は、人の操作を受け付ける装置である。例えば、操作装置801は、操作ボタンおよびタッチパネルを含む。
【0081】
表示装置802は、情報を表示する装置である。例えば、表示装置802は、液晶表示ユニットなどのパネル表示装置を含む。
【0082】
画像形成装置10は、濃度センサー5をさらに備える(図1参照)。濃度センサー5は、中間転写ベルト441の表面における前記二次転写位置を通過した部分のトナー像の濃度を検出する。
【0083】
濃度センサー5は、中間転写ベルト441の外周における前記二次転写位置と第2クリーニング装置444の位置との間の位置で前記トナー像の濃度を検出する。
【0084】
例えば、濃度センサー5はCIS(Contact Image Sensor)である。濃度センサー5は、前記中間転写体上の前記トナー像の濃度を検出する濃度検出部の一例である。
【0085】
[制御装置8の構成]
図2に示されるように、制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、二次記憶装置83、信号インターフェイス84および通信装置85などを備える。
【0086】
二次記憶装置83は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置83は、コンピュータープログラムおよび各種のデータの記憶および更新が可能である。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置83として採用される。
【0087】
信号インターフェイス84は、各種のセンサーが出力する信号をデジタルデータへ変換し、変換後のデジタルデータをCPU81へ伝送する。さらに、信号インターフェイス84は、CPU81が出力する制御指令を制御信号へ変換し、前記制御信号を制御対象の機器へ伝送する。
【0088】
通信装置85は、不図示のホスト装置などの他装置との通信を実行する。CPU81は、通信装置85を通じて前記他装置と通信する。
【0089】
CPU81は、前記コンピュータープログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーである。CPU81を含む制御装置8は、シート搬送装置3、プリント装置4、表示装置802および通信装置85などを制御する。
【0090】
RAM82は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM82は、CPU81が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU81が各種の処理を実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
【0091】
CPU81は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主処理部8a、ジョブ制御部8bおよび調整制御部8cなどを含む。
【0092】
主処理部8aは、操作装置801に対する操作に応じて各種の処理を開始させる処理、および、表示装置802の制御などを実行する。
【0093】
ジョブ制御部8bは、シート搬送装置3を制御する。これにより、ジョブ制御部8bは、シート収容部2からのシート9の送り出し、および、シート搬送路30におけるシート9の搬送を制御する。
【0094】
さらに、ジョブ制御部8bは、プリント装置4を制御する。ジョブ制御部8bは、シート搬送装置3によるシート9の搬送に同期して、プリント装置4に前記プリント処理を実行させる。
【0095】
調整制御部8cは、前記プリント処理が実行されていない状況下で前記再生条件の成立有無を判定する。例えば、前記再生条件は、プリント回数条件および残トナー条件の一方または両方を含む。
【0096】
前記プリント回数条件は、画像形成装置10の利用開始時点または前回の前記トナー放出処理が実行された時点を基準にして、ページプリントの回数が予め定められた回数に達したという条件である。前記ページプリントは、シート9の1ページへの前記プリント処理である。
【0097】
前記残トナー条件は、前記プリント処理が実行されたときの濃度センサー5の検出濃度が許容濃度を超えたという条件である。
【0098】
ところで、中間転写ベルト441の表面上の4つの放出トナー部G1は、二次転写装置443を経由して第2クリーニング装置444へ到達する。二次転写装置443において、二次転写体4431が4つの放出トナー部G1と接触する。
【0099】
4つの放出トナー部G1が二次転写体4431と接触するときに、二次電圧出力装置4432は、二次転写体4431に逆転写バイアス電圧を印加する。前記逆転写バイアス電圧は、前記トナーの帯電極性と同じ極性のバイアス電圧である。
【0100】
前記逆転写バイアス電圧を二次転写体4431に印加する処理は、二次転写体4431への前記トナーの付着量を低減するための処理である。二次電圧出力装置4432は、二次電圧出力部の一例である。
【0101】
前記トナー放出処理が実行されたときに、厚みの大きなトナー層が中間転写ベルト441に形成される場合がある。この場合、前記逆転写バイアス電圧が二次転写体4431に印加されても、二次転写体4431への前記トナーの付着量が増えるおそれがある。
【0102】
本実施形態において、調整制御部8cは、前記再生条件が成立するときに再生制御を実行する(図3参照)。調整制御部8cは、前記再生制御において、第1クリーニング装置45に前記トナー放出処理を実行させる。
【0103】
[再生制御]
調整制御部8cは、前記プリント処理が実行されていない状況下で前記再生条件が成立したときに、前記再生制御を実行する。
【0104】
調整制御部8cは、前記プリント処理が実行されていない状況下で前記再生条件の成立有無を判定する。例えば、前記再生条件は、プリント回数条件および残トナー条件の一方または両方を含む。
【0105】
前記プリント回数条件は、画像形成装置10の利用開始時点または前回の前記トナー放出処理が実行された時点を基準にして、前記ページプリントの回数が予め定められた回数に達したという条件である。
【0106】
前記残トナー条件は、前記プリント処理が実行されたときの濃度センサー5の検出濃度が許容濃度を超えたという条件である。
【0107】
以下、図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記再生制御の手順の一例について説明する。
【0108】
なお、前記再生制御は、画像形成装置10の制御方法を実現する処理の一例である。CPU81は、画像形成装置10の制御方法を実現するプロセッサーの一例である。
【0109】
以下の説明において、S1,S2,…は、前記再生制御における複数の工程の識別符号を表す。前記再生制御において、まず、工程S1の処理が実行される。
【0110】
<工程S1>
工程S1において、調整制御部8cは、二次記憶装置83から4つの単色画像形成部4xに対応する4つの画素数積算値を取得する。
【0111】
前記画素数積算値各々は、前記画像形成部によって4つの感光体41各々の表面に形成される前記トナー像における描画画素の数の積算値である。前述したように、前記画像形成部は、4つの単色画像形成部4xおよび光走査装置40を含む。
【0112】
本実施形態において、ジョブ制御部8bは、プリント装置4に前記ページプリントを実行させるごとに、4つの前記画素数積算値を算出し、二次記憶装置83に記録する。調整制御部8cは、前記再生制御を実行するときに、前記画素数積算値を初期化する。
【0113】
前記画素数積算値各々は、第1クリーニング装置45各々の回収部材451におけるトナー蓄積量の指標値の一例である。前記画素数積算値が大きいことは、前記トナー蓄積量が多いことを示す。
【0114】
調整制御部8cは、工程S1の処理を実行した後、処理を工程S2へ移行させる。
【0115】
<工程S2>
工程S2において、調整制御部8cは、4つの前記画素数積算値に応じた放出時間を設定する。前記放出時間は、前記複数の第1クリーニング部による前記トナー放出処理の時間である。
【0116】
本実施形態において、4つの一次転写位置P1は等間隔である。図4~7において、区間距離D1は、4つの一次転写位置P1の間隔である。以下の説明において、中間転写ベルト441の表面に転写された4つの放出トナー部G1が区間距離D1を移動するのに要する時間のことを区間移動時間と称する。
【0117】
また、4つの前記画素数積算値の代表値のことを画素数代表値と称する。例えば、前記画素数代表値は、4つの前記画素数積算値の最大値、加重平均値または平均値である。
【0118】
調整制御部8cは、前記画素数代表値が予め定められた基準範囲内である場合に、前記区間移動時間または前記区間移動時間以下の時間を前記放出時間として設定する。
【0119】
例えば、調整制御部8cは、前記画素数代表値が前記基準範囲内である場合に、前記区間移動時間を前記放出時間として設定する。
【0120】
また、調整制御部8cは、前記画素数代表値が前記基準範囲内である場合に、前記画素数代表値と前記基準範囲の最大値との比に応じて、前記区間移動時間以下の時間を前記放出時間として設定してもよい。
【0121】
一方、調整制御部8cは、前記画素数代表値が前記基準範囲を超える場合に、前記区間移動時間よりも長い時間を前記放出時間として設定する。
【0122】
例えば、調整制御部8cは、前記画素数代表値が前記基準範囲を超える場合に、前記区間移動時間の整数倍の時間を前記放出時間として設定する。
【0123】
より具体的には、前記基準範囲を超える値の複数の区分範囲が、予め設定されている。前記複数の区分範囲は、それぞれ2以上の整数に対応して設定されている。
【0124】
調整制御部8cは、前記複数の区分範囲のうち前記画素数代表値が属する対象範囲を特定する。さらに調整制御部8cは、前記区間移動時間と前記対象範囲に対応する整数とを乗算して得られる時間を前記放出時間として設定する。
【0125】
調整制御部8cは、工程S2の処理を実行した後に、処理を工程S3へ移行させる。
【0126】
<工程S3>
工程S3において、調整制御部8cは、4つの第1クリーニング装置45それぞれに工程S2で設定された前記放出時間だけ前記トナー放出処理を実行させる。
【0127】
工程S3において、4つの第1クリーニング装置45は、前記放出バイアス電圧を回収電圧出力装置452から回収部材451へ印加することにより、前記トナー放出処理を実行する。
【0128】
前記トナー放出処理が実行されることにより、4つの放出トナー部G1が4つの感光体41の表面に形成される。また、後述する工程S4,S5の処理が実行されることにより、4つの放出トナー部G1は、中間転写ベルト441の表面に転写される(図4~7参照)。
【0129】
調整制御部8cは、前記画素数代表値が前記基準範囲内である場合に、4つの放出トナー部G1が中間転写ベルト441の表面で重ならないタイミングで4つの第1クリーニング装置45に前記トナー放出処理を実行させる。
【0130】
一方、調整制御部8cは、前記画素数代表値が前記基準範囲を超える場合に、4つの放出トナー部G1が中間転写ベルト441の表面で一部ずつ重なるタイミングで4つの第1クリーニング装置45に前記トナー放出処理を実行させる。
【0131】
図4は、工程S3の処理の第1例において、中間転写ベルト441の表面に転写された4つの放出トナー部G1を示す。図4は、中間転写ベルト441の上方から見た4つの放出トナー部G1を示す。
【0132】
図4~7において、進行方向DR1は、中間転写ベルト441における複数の一次転写位置P1に沿う部分の移動方向である。
【0133】
前記第1例において、調整制御部8cは、4つの第1クリーニング装置45に同時に前記トナー放出処理を開始させる。さらに調整制御部8cは、4つの第1クリーニング装置45が前記トナー放出処理を開始した時点から前記放出時間が経過したときに4つの第1クリーニング装置45に前記トナー放出処理を終了させる。
【0134】
前記第1例において、前記設定放出時間は前記区間移動時間である。前記第1例において、放出トナー部G1各々の長さL1は、区間距離D1と等しい。そのため、4つの放出トナー部G1は、中間転写ベルト441の表面において重ならずに連なる。
【0135】
図5は、工程S3の処理の第2例において、中間転写ベルト441の表面に転写された4つの放出トナー部G1を示す。図5は、中間転写ベルト441の上方から見た4つの放出トナー部G1を示す。
【0136】
前記第2例において、調整制御部8cは、設定シフト時間ずつずらしたタイミングで4つの第1クリーニング装置45に既定順序で前記トナー放出処理を開始させる。前記既定順序は、配置位置が進行方向DR1の上流側であることが優先される順序である(図5参照)。進行方向DR1は、中間転写ベルト441における複数の一次転写位置P1に沿う部分の移動方向である。
【0137】
前記第2例において、調整制御部8cは、4つの第1クリーニング装置45が前記トナー放出処理を順次開始した時点から前記設定放出時間が経過したときに4つの第1クリーニング装置45の前記トナー放出処理を順次終了させる。
【0138】
前記第2例において、前記設定放出時間は、前記区間移動時間よりも短い。そのため、放出トナー部G1各々の長さL1は、区間距離D1よりも短い。また、前記設定シフト時間および前記設定放出時間の合計は、前記区間移動時間である。これにより、4つの放出トナー部G1は、中間転写ベルト441の表面において重ならずに連なる。
【0139】
4つの放出トナー部G1が中間転写ベルト441の表面において連なることにより、4つの放出トナー部G1が第2クリーニング装置444によって除去されるのに要する時間が短縮される。
【0140】
図6は、工程S3の処理の第3例において、中間転写ベルト441の表面に転写された4つの放出トナー部G1を示す。図6は、中間転写ベルト441の側方から見た4つの放出トナー部G1を示す。
【0141】
以下の説明において、4つの放出トナー部G1のうち、隣り合う2つの感光体41から中間転写ベルト441へ転写される2つのことを、2つの連続放出トナー部と称する。
【0142】
前記第3例において、調整制御部8cは、4つの第1クリーニング装置45に同時に前記トナー放出処理を開始させる。さらに調整制御部8cは、4つの第1クリーニング装置45が前記トナー放出処理を開始した時点から前記放出時間が経過したときに4つの第1クリーニング装置45に前記トナー放出処理を終了させる。
【0143】
前記第3例において、前記設定放出時間は前記区間移動時間の2倍の時間である。前記第3例において、放出トナー部G1各々の長さL1は、区間距離D1の2倍の長さである。そのため、前記2つの連続トナー部は、中間転写ベルト441の表面において区間距離D1と等しい長さだけ重なって形成される。
【0144】
図7は、工程S3の処理の第4例において、中間転写ベルト441の表面に転写された4つの放出トナー部G1を示す。図7は、中間転写ベルト441の側方から見た4つの放出トナー部G1を示す。
【0145】
前記第4例において、調整制御部8cは、4つの第1クリーニング装置45に同時に前記トナー放出処理を開始させる。さらに調整制御部8cは、4つの第1クリーニング装置45が前記トナー放出処理を開始した時点から前記放出時間が経過したときに4つの第1クリーニング装置45に前記トナー放出処理を終了させる。
【0146】
前記第4例において、前記設定放出時間は前記区間移動時間の3倍の時間である。前記第4例において、放出トナー部G1各々の長さL1は、区間距離D1の3倍の長さである。そのため、前記2つの連続トナー部は、中間転写ベルト441の表面において区間距離D1の2倍の長さだけ重なって形成される。
【0147】
なお、前記第3例および前記第4例は、4つの放出トナー部G1が中間転写ベルト441の表面で一部ずつ重なる事例である。
【0148】
調整制御部8cは、工程S3の処理を実行した後に、処理を工程S4へ移行させる。
【0149】
<工程S4>
工程S4において、調整制御部8cは、4つの放出トナー部G1各々が単色画像形成部4x各々の前記現像位置を通過するときにローラー退避制御を実行する。
【0150】
前記ローラー退避制御は、4つの現像装置43の現像ローラー431を前記現像位置から前記退避位置へ移動させる動作をローラー移動機構433に実行させる制御である。前記ローラー退避制御が実行されることにより、4つの現像装置43の現像ローラー431が前記退避位置に保持される。
【0151】
工程S4の処理は、ローラー移動機構433に4つの現像装置43の現像ローラー431を前記退避位置に保持させる処理である。調整制御部8cは、工程S4の処理を実行した後、処理を工程S5へ移行させる。
【0152】
<工程S5>
工程S5において、調整制御部8cは、4つの放出トナー部G1についての前記一次転写処理を4つの一次転写装置442に実行させる。
【0153】
4つの放出トナー部G1についての前記一次転写処理は、前記トナー放出処理により4つの感光体41の表面に形成される4つの放出トナー部G1を中間転写ベルト441に転写する処理である。
【0154】
調整制御部8cは、工程S5の処理を実行した後、処理を工程S6へ移行させる。
【0155】
<工程S6>
工程S6において、調整制御部8cは、4つの放出トナー部G1が二次位置通過状態であるか二次位置非通過状態であるかを判定する。
【0156】
前記二次位置通過状態は、4つの放出トナー部G1のいずれかが前記二次転写位置を通過している状態である。前記二次位置非通過状態は、中間転写ベルト441の表面における非転写領域が前記二次転写位置を通過している状態である。前記非転写領域は、複数の放出トナー部G1のいずれも転写されていない領域である。
【0157】
調整制御部8cは、4つの放出トナー部G1が前記二次位置通過状態であると判定する場合に処理を工程S7へ移行させる。一方、調整制御部8cは、4つの放出トナー部G1が前記二次位置非通過状態であると判定する場合に処理を工程S8へ移行させる。
【0158】
<工程S7>
工程S7において、調整制御部8cは、二次電圧出力装置4432に前記逆転写バイアス電圧を出力する処理を実行させる。これにより、前記逆転写バイアス電圧が二次転写体4431に印加される。
【0159】
調整制御部8cは、工程S7の処理を実行した後、処理を工程S6へ移行させる。
【0160】
<工程S8>
工程S8において、調整制御部8cは、二次電圧出力装置4432に前記二次転写バイアス電圧を出力する処理を実行させる。これにより、前記二次転写バイアス電圧が二次転写体4431に印加される。
【0161】
前記二次転写バイアス電圧は、前記トナーの帯電極性と異なる極性の順転写バイアス電圧の一例である。
【0162】
放出トナー部G1各々は、前記トナーの帯電極性とは逆の極性に帯電した逆帯電トナーを含む場合がある。前記逆帯電トナーは、工程S7の処理によって二次転写体4431に付着しやすい。
【0163】
工程S8の処理は、前記逆帯電トナーを二次転写体4431から中間転写ベルト441へ戻すための処理である。調整制御部8cは、工程S8の処理を実行した後、処理を工程S9へ移行させる。
【0164】
<工程S9>
工程S9において、調整制御部8cは、前記再生制御の終了条件が成立するか成立しないかを判定する。
【0165】
例えば、前記終了条件は、4つの放出トナー部G1の全てが前記二次転写位置を通過した後、中間転写ベルト441が少なくとも1回転したという条件である。
【0166】
調整制御部8cは、前記終了条件が成立しないと判定する場合に処理を工程S6へ移行させる。一方、調整制御部8cは、前記終了条件が成立すると判定する場合に前記再生制御を終了させる。
【0167】
調整制御部8cは、前記再生制御において、工程S1~S8の処理を複数回実行してもよい。この場合、前記終了条件は、工程S1~S8の処理が予め定められた回数実行されたという条件も含む。
【0168】
本実施形態において、回収部材451における前記トナー蓄積量が多くない場合、4つの放出トナー部G1が中間転写ベルト441の表面において重ならない。そのため、厚みの大きなトナー層が中間転写ベルト441の表面に形成されることが回避される。その結果、二次転写体4431への前記トナーの付着量が低減される。
【0169】
また、工程S3において、前記設定放出時間が前記区間移動時間と等しい場合、4つの放出トナー部G1は、中間転写ベルト441の表面において重ならずに連なる(図4参照)。これにより、回収部材451各々の前記トナーの放出量を減らすことなく、4つの放出トナー部G1各々の厚みを低減することができる。
【0170】
一方、本実施形態において、回収部材451における前記トナー蓄積量が多い場合、中間転写ベルト441の表面において、積層トナー部が形成される。前記積層トナー部は、4つの放出トナー部G1の一部または全部が重なった部分である。
【0171】
しかしながら、4つの放出トナー部G1は、中間転写ベルト441の表面において一部ずつ重なる。これにより、前記積層トナー部の厚みが極力低減される。
【0172】
即ち、中間転写ベルト441の表面における4つの放出トナー部G1各々の厚み、または、前記積層トナー部の厚みが低減される。これにより、二次転写体4431へのトナーの付着量が低減される。
【0173】
本実施形態において、前記再生条件が、4つの前記画素数積算値に関する第1トナー量条件を含んでもよい。例えば、前記第1トナー量条件は、4つの前記画素数積算値の少なくとも1つが予め定められた基準値を超えるという条件である。
【0174】
[第2実施形態]
次に、図8を参照しつつ、第2実施形態に係る画像形成装置10Aについて説明する。
【0175】
画像形成装置10Aは、画像形成装置10に複数の電流計測部453が追加された構成を備える。本実施形態において、画像形成装置10Aは、4つの第1クリーニング装置45に対応する4つの電流計測部453を備える。
【0176】
電流計測部453各々は、4つの第1クリーニング装置45各々の回収部材451に流れる電流を計測する回路である。
【0177】
第1クリーニング装置45各々において、回収部材451における前記トナーの蓄積量が増えると、前記トナー回収処理が実行されるときに回収部材451に流れる電流が減少する。
【0178】
即ち、4つの電流計測部453各々の計測電流は、第1クリーニング装置45各々の回収部材451に蓄積された前記トナーの量の指標値の一例である。
【0179】
例えば、ジョブ制御部8bは、前記トナー回収処理が実行されるごとに最新の4つの電流計測部453各々の計測電流値を二次記憶装置83に記録する。
【0180】
本実施形態の調整制御部8cは、前記再生制御の工程S1において、二次記憶装置83から4つの前記計測電流値を取得する。以下、4つの前記計測電流値の代表値を代表計測電流値と称する。例えば、前記代表値は、最小値、加重平均値または平均値である。
【0181】
さらに、本実施形態の調整制御部8cは、前記再生制御の工程S2において、4つの前記代表計測電流値に応じた前記放出時間を設定する。例えば、調整制御部8cは、前記代表計測電流値に応じた前記放出時間を設定する。
【0182】
調整制御部8cは、前記代表計測電流値が予め定められた基準範囲内である場合に、前記区間移動時間または前記区間移動時間以下の時間を前記放出時間として設定する。
【0183】
一方、調整制御部8cは、前記代表計測電流値が前記基準範囲を下回る場合に、前記区間移動時間よりも長い時間を前記放出時間として設定する。例えば、調整制御部8cは、第1実施形態の場合と同様に前記放出時間を設定する。
【0184】
例えば、調整制御部8cは、前記代表計測電流値が前記基準範囲を下回る場合に、前記区間移動時間の整数倍の時間を前記放出時間として設定する。例えば、調整制御部8cは、第1実施形態の場合と同様に前記放出時間を設定する。
【0185】
本実施形態において、前記再生条件が、4つの電流計測部453各々の計測電流に関する第2トナー量条件を含んでもよい。例えば、前記第2トナー量条件は、直近に前記トナー回収処理が実行されたときの4つの電流計測部453各々の計測電流の少なくとも1つが予め定められた基準値を下回るという条件である。
【0186】
画像形成装置10Aが採用される場合も、画像形成装置10が採用される場合と同様の効果が得られる。
【0187】
[第1応用例]
次に、画像形成装置10,10Aの第1応用例について説明する。
【0188】
調整制御部8cは、前記再生制御の工程S3において、前記画素数代表値が前記基準範囲を超える場合に、4つ第1クリーニング装置45各々に対し第1バイアスアップ処理を実行させる。
【0189】
前記第1バイアスアップ処理は、前記トナー放出処理において前記区間移動時間が経過するごとに、前記放出バイアス電圧のレベルを上げる処理である。
【0190】
また、調整制御部8cは、前記再生制御の工程S3において、前記代表計測電流値が前記基準範囲を下回る場合に、4つ第1クリーニング装置45各々に対し前記第1バイアスアップ処理を実行させてもよい。
【0191】
一定の前記放出バイアス電圧が回収部材451に印加された状況下では、回収部材451における前記トナー蓄積量が減少するに従って、回収部材451における単位時間当たりのトナー放出量が減少する。
【0192】
一方、前記放出バイアス電圧のレベルが上がることにより、回収部材451から感光体41へのトナー放出の効率が向上する。前記第1バイアスアップ処理が実行されることにより、4つの放出トナー部G1各々の厚みのばらつきが低減される。
【0193】
[第2応用例]
次に、画像形成装置10,10Aの第2応用例について説明する。
【0194】
調整制御部8cは、前記再生制御の工程S3において、4つ第1クリーニング装置45各々に対し第2バイアスアップ処理を実行させる。前記第2バイアスアップ処理は、前記トナー放出処理において経過時間に応じて前記放出バイアス電圧のレベルを上げる処理である。
【0195】
例えば、前記第2バイアスアップ処理は、前記トナー放出処理において単位時間ごとに前記放出バイアス電圧のレベルを単位量ずつ上げる処理である。前記単位時間は、前記区間移動時間よりも短い。
【0196】
前記第2バイアスアップ処理が実行されることにより、前記第1バイアスアップ処理が実行される場合と同様に、4つの放出トナー部G1各々の厚みのばらつきが低減される。
【0197】
[第3応用例]
次に、画像形成装置10,10Aの第3応用例について説明する。
【0198】
本応用例において、現像装置43は、インタラクティブタッチダウン現像方式またはジャンピング現像方式の装置である。
【0199】
本応用例において、現像装置43は、ローラー移動機構433を備えない。調整制御部8cは、前記再生制御の工程S4において、4つの単色画像形成部4xの現像電圧出力装置432に電圧を出力させない。これにより、放出トナー部G1各々を構成する前記トナーが現像装置43各々へ移行することが回避される。
【符号の説明】
【0200】
4 :プリント装置
5 :濃度センサー
10,10A:画像形成装置
40 :光走査装置
41 :感光体(像担持体)
42 :帯電装置
43 :現像装置
44 :転写装置
45 :第1クリーニング装置
421 :帯電部材
422 :帯電電圧出力装置
431 :現像ローラー
432 :現像電圧出力装置
433 :ローラー移動機構
441 :中間転写ベルト
442 :一次転写装置
443 :二次転写装置
444 :第2クリーニング装置
451 :回収部材
452 :回収電圧出力装置
453 :電流計測部
4421 :一次転写体
4422 :一次電圧出力装置
4431 :二次転写体
4432 :二次電圧出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8