(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149913
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】オーブン釜
(51)【国際特許分類】
A47J 37/07 20060101AFI20231005BHJP
F24C 15/12 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A47J37/07
F24C15/12 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058724
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】521419514
【氏名又は名称】株式会社MMフード
(74)【代理人】
【識別番号】100187791
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晃志郎
(72)【発明者】
【氏名】安達 紘治
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AC02
4B040AC03
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040CB22
4B040CB30
4B040GD02
(57)【要約】
【課題】開口部において手間無く食材の出し入れ可能な開閉扉を備えるオーブン釜を提供すること。
【解決手段】オーブン釜1は、上下方向に立設される複数の側壁20によって形成される外周壁2と、上側に取り付けられる天板3を備える。側壁20のうちの前面壁20aに連結され、前面壁20aに形成される開口部6に対して開閉可能な開閉扉5を備える。開閉扉5は、第一プレート12が第一連結部7にて前面壁20aに回動可能に連結され、第一プレート12と第二プレート13とが第二連結部8にて互いに回動可能に連結される。開閉扉5が開かれるとき、第一プレート12は前面壁20aに沿う状態になり、第二プレート13は天板3に載置される。開閉扉5が閉じられるとき、第一プレート12及び第二プレート13は前面壁20aに沿って延びた状態となり開口部6を覆う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーベキューグリルに配置可能なオーブン釜であって、
上下方向に立設される複数の側壁によって形成される外周壁と、
前記外周壁の上側に取り付けられる天板と、
前記側壁のうちの前面壁に連結され、該前面壁に形成される開口部に対して開閉可能な開閉扉を備え、
前記開閉扉は、第一プレートと第二プレートを備え、
前記第一プレートは、第一連結部にて前記前面壁に回動可能に連結され、
前記第一プレートと前記第二プレートとは、第二連結部にて互いに回動可能に連結され、
前記開閉扉が開かれるとき、
前記第一プレートは、前記第一連結部にて回動して、前記前面壁に沿う状態になり、
前記第二プレートは、前記第二連結部にて回動して、前記天板に載置され、
前記開閉扉が閉じられるとき、
前記第一プレート及び前記第二プレートは前記前面壁に沿って延びた状態となり、前記開口部を覆うオーブン釜。
【請求項2】
前記天板は係止部を備え、
前記第二プレートは、把手を備え、
前記開閉扉が開かれた状態で、前記把手が前記係止部に係止可能である請求項1に記載のオーブン釜。
【請求項3】
前記第二プレートは、把手を備え、
前記前面壁は、上下方向の上側にいくに従って内側に傾斜し、
前記開閉扉が開かれるとき、前記第一プレートは前記第一連結部にて山折りされ、前記第二プレートは前記第二連結部にて谷折りされ、
前記第一プレート及び前記第二プレートは、前記前面壁に沿って保持され、
前記把手が前記第二プレートから前側へ突出する状態である請求項1に記載のオーブン釜。
【請求項4】
前記外周壁の内部に懸架される懸架部材を備え、
前記懸架部材は、前記前面壁に隣接する二つの前記側壁の間で懸架され、
前記外周壁によって囲われる内部空間は、前記懸架部材によって上下方向に複数の空間領域に仕切られ、
前記開閉扉が開かれて前記開口部が開放されると、前記前面壁の側から複数の前記空間領域が臨まれる請求項1から3のいずれかに記載のオーブン釜。
【請求項5】
前記開閉扉が開かれて前記開口部が開放されると、前記前面壁の側から三つ以上の前記空間領域が臨まれる請求項4に記載のオーブン釜。
【請求項6】
前記第二連結部にて前記第二プレートが回動して前記開口部の一部が開放されると、
前記空間領域の少なくとも一つが前記前面壁から臨まれる請求項4に記載のオーブン釜。
【請求項7】
前記側壁のうち、前記前面壁に連結される左側壁と右側壁は、それぞれ二枚のプレートが回動可能に連結され、
前記左側壁及び前記右側壁は、それぞれ谷折りすることで前記外周壁を折り畳み可能であり、
前記左側壁及び前記右側壁は、それぞれに少なくとも二つの穴が形成され、
前記穴に着脱可能な持ち手を備える請求項1から3のいずれかに記載のオーブン釜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーベキューグリルに配置可能なオーブン釜に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バーベキューグリル用の調理カバー(釜)が提案されている。従来技術の例として、特許文献1には次のように記載されている。特許文献1に記載の調理カバーは、フレームと、天板と、懸架部材とを備えている。フレームは、バーベキューグリル上に配置可能な筒状である。フレームの対向する部分の一方に第1貫通孔が設けられ、他方に第2貫通孔が設けられている。天板は、フレームの上側開口を塞ぐように設けられている。天板には、鍋が部分的に挿入可能な開口が設けられている。懸架部材は、天板の開口の下側で第1、第2貫通孔に挿入され、フレームに懸架されている。懸架部材は開口から挿入された鍋を支持可能である。
【0003】
このような態様の調理カバーは、鍋を用いた調理を行うことが可能になる。フレームをバーベキューグリル上に配置する。天板の開口から鍋を挿入し、懸架部材に支持させる。これにより、バーベキューグリルの熱源で、鍋を加熱できるからである。また、天板の開口に鍋が挿入される。天板、鍋及びフレームによって調理空間が区画される。又は、天板の開口が蓋で閉塞可能である。天板、蓋及びフレームによって調理空間が区画される。これらの調理空間内でオーブン調理を行うことができる。さらに、懸架部材に食材を吊るしたり、載置したりして調理空間内で蒸し調理や燻製調理を行うことも可能である。
【0004】
フレームは、食材が出し入れ可能な開口を有する構成とすることが可能である。このような態様の調理カバーは、当該調理カバーに対する食材の出し入れが容易になる。また、第1貫通孔及び第2貫通孔の高さ位置は、少なくともフレームの開口の下端部よりも上に位置していても良い。この場合、懸架部材は、少なくともフレームの開口の下端部よりも上側で第1、第2貫通孔に挿入され、フレームに懸架される構成とすることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の調理カバーは、食材が出し入れ可能な開口を有するものの、開口を塞ぐ構成の記載が無い。調理カバーは、開口を閉じた状態で調理することが想定されるため、蓋等が必要となる。仮に、調理カバーに部品として蓋が用意されるとしても、フレームに着脱する手間が発生する。特に、開口から食材を挿入した直後に蓋を取りつける必要が生じる場合があり、着脱の操作が煩わしい。また、外した蓋を保管する等の手間が発生する。以上、従来の調理カバーは、開口を閉じるための構成に課題があるため、食材の出し入れに手間がかかるという課題がある。
【0007】
本発明の目的は、従来の課題を解決するものであり、開口部において手間無く食材の出し入れ可能な開閉扉を備えるオーブン釜を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様に係るオーブン釜は、バーベキューグリルに配置可能あって、上下方向に立設される複数の側壁によって形成される外周壁と、前記外周壁の上側に取り付けられる天板と、前記側壁のうちの前面壁に連結され、該前面壁に形成される開口部に対して開閉可能な開閉扉を備え、前記開閉扉は、第一プレートと第二プレートを備え、前記第一プレートは、第一連結部にて前記前面壁に回動可能に連結され、前記第一プレートと前記第二プレートとは、第二連結部にて互いに回動可能に連結され、前記開閉扉が開かれるとき、前記第一プレートは、前記第一連結部にて回動して、前記前面壁に沿う状態になり、前記第二プレートは、前記第二連結部にて回動して、前記天板に載置され、前記開閉扉が閉じられるとき、前記第一プレート及び前記第二プレートは前記前面壁に沿って延びた状態となり、前記開口部を覆う。
【0009】
これによれば、開閉扉が開かれるとき、開閉扉のうちの第一プレートは、第一連結部にて回動して前面壁に沿う状態になり、第二プレートは、第二連結部にて回動して天板に載置される。開閉扉は前面壁から取り外すことなく、開口部が開放された状態を保持することができる。また、開閉扉が閉じられるとき、第一プレート及び第二プレートは前面壁に沿って延びた状態となって開口部を覆う。よって、開閉扉の構成は、開口部に対して手間無く食材を出し入れできる。
【0010】
また、前記オーブン釜は、前記天板が係止部を備え、前記第二プレートは、把手を備え、前記開閉扉が開かれた状態で、前記把手が前記係止部に係止可能でもよい。
【0011】
この場合、開閉扉は、開かれた状態で把手が係止部に係止可能なので、開かれた状態が保持される。よって、開口部に対して手間無く食材を出し入れできる。
【0012】
また、前記オーブン釜は、第二プレートが把手を備え、前記前面壁は、上下方向の上側にいくに従って内側に傾斜し、前記開閉扉が開かれるとき、前記第一プレートは前記第一連結部にて山折りされ、前記第二プレートは前記第二連結部にて谷折りされ、前記第一プレート及び前記第二プレートは、前記前面壁に沿って保持され、前記把手が前記第二プレートから前側へ突出する状態でもよい。
【0013】
この場合、第一プレートと第二プレートは共に前面壁に沿って保持されるので、開閉扉は開かれた状態が保持される。また、把手は第二プレートから前側へ突出する状態なので、開閉扉を容易に閉じることができる。
【0014】
また、前記オーブン釜は、前記外周壁の内部に懸架される懸架部材を備え、前記懸架部材が前記前面壁に隣接する二つの前記側壁の間で懸架され、前記外周壁によって囲われる内部空間は、前記懸架部材によって上下方向において複数の空間領域に仕切られ、前記開閉扉が開かれて前記開口部が開放されると、前記前面壁の側から複数の前記空間領域が臨まれてもよい。
【0015】
この場合、開閉扉が開かれて開口部が開放されると、前面壁の側から複数の空間領域が臨まれる。よって、開口部が開放された状態が保持され、複数の食材を手間無く出し入れできるので、同時に複数の食材を調理することができる。
【0016】
また、前記オーブン釜は、前記開閉扉が開かれて前記開口部が開放されると、前記前面壁の側から三つ以上の前記空間領域が臨まれてもよい。この場合、開口部から三つ以上の空間領域に対して手間無く食材を出し入れすることができる。
【0017】
また、前記オーブン釜は、前記第二連結部にて前記第二プレートが回動して前記開口部の一部が開放されると、前記空間領域の少なくとも一つが前記前面壁から臨まれてもよい。
【0018】
この場合、前面壁から空間領域の少なくとも一つが臨まれるので、調理中の食材の状態を確認することができる。さらに、食材が調理中であっても、調理時間が短い一部の食材を手間無く出し入れすることができる。
【0019】
また、前記オーブン釜は、前記側壁のうち、前記前面壁に連結される左側壁と右側壁は、それぞれ二枚のプレートが回動可能に連結され、前記左側壁及び前記右側壁は、それぞれ谷折りすることで前記外周壁を折り畳み可能であり、前記左側壁及び前記右側壁は、それぞれに少なくとも二つの穴が形成され、前記穴に着脱可能な持ち手を備えてもよい。
【0020】
この場合、オーブン釜の持ち手は着脱可能なので、持ち手を取り外すことで、外周壁を折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】オーブン釜1とバーベキューグリル30との関係を示した斜視図である。
【
図3】オーブン釜1の組み立て工程の一部を示した斜視図である。
【
図5】オーブン釜1の右側面図であり、かつ部分断面図である。
【
図6】オーブン釜1の開閉扉5を開けた状態で、食材の出し入れを行う様子を示した斜視図である。
【
図7】オーブン釜1の開閉扉5を開けた状態の正面図である。
【
図8】オーブン釜1の開閉扉5を開けた状態の右側面である。
【
図10】オーブン釜1の第二プレート13のみを開けた状態で、食材の出し入れを行う様子を示した斜視図である。
【
図11】オーブン釜1の第二プレート13のみを開けた状態を示した正面図である。
【
図12】オーブン釜1の第二プレート13のみを開けた状態を示した右側面図である。
【
図13】オーブン釜1の開閉扉5を開いた状態を示した斜視図であり、第二連結部8において、第二プレート13が山折りされた状態を示す斜視図である。
【
図14】オーブン釜1において、着脱式の持ち手33を説明した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明を具現化したオーブン釜1を説明する。なお、発明を実施するための形態、及び参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。本発明はこれらに限定されるものではない。図面に記載されている構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0023】
<オーブン釜1の外観構成の概要>
図面を参照して、本発明の態様に係るオーブン釜1の外観構成の概要を説明する。
図1に示すように、オーブン釜1は四角錐台状の外形を有する。オーブン釜1を水平面に置いたとき、
図1に示すように天板3の側を上側とする上下方向と、水平方向のうち前面壁20aの側を前側とする前後方向と、前面壁20aを正面として左側と右側を定義する。
図2に示すように、オーブン釜1は下側をバーベキューグリル30に載置可能であり、バーベキューグリル30に配置された燃料31から発生する熱によって、外周壁2の内部空間18に挿入された食材21等を調理する。
【0024】
図1及び
図3を例に示すように、オーブン釜1は、上下方向に立設される複数の側壁20によって形成される外周壁2と、外周壁2の上側に取り付けられる天板3を備える。さらに、側壁20のうちの前面壁20aに連結され、前面壁20aに形成される開口部6に対して開閉可能な開閉扉5を備える。開閉扉5は、第一プレート12と第二プレート13を備え、第一プレート12は、第一連結部7にて前面壁20aに回動可能に連結される。第一プレート12と第二プレート13とは、第二連結部8にて互いに回動可能に連結される。
【0025】
図6から
図8までに示すように、開閉扉5が開かれるとき、第一プレート12は、第一連結部7にて回動して、前面壁20aに沿う状態になる。第二プレート13は、第二連結部8にて回動して、天板3に載置される。開閉扉5が閉じられるとき、第一プレート12及び第二プレート13は前面壁20aに沿って延びた状態となり、開口部6を覆う。
【0026】
<オーブン釜1の外観構成の詳細な説明>
次に、
図3を参照して、オーブン釜1の外観構成を詳細に説明する。外周壁2は、複数の側壁20が連結されて形成される。側壁20は金属製の板状部材である。側壁20は、それぞれ水平方向に隣接する側壁20同士が回動可能に連結される。具体的には、前面壁20aは、左側壁20bと右側壁20cとの間で蝶番16によって連結される。後面壁20dは、左側壁20bと右側壁20cとの間で蝶番16によって連結される。左側壁20bと右側壁20cは、それぞれ二枚のプレートが蝶番17によって連結され、谷折り可能な構造である。外周壁2は、左側壁20bと右側壁20cとをそれぞれ谷折りすることで、折り畳むことができる。
【0027】
図3に示すように、左側壁20bと右側壁20cにはそれぞれ複数の懸架部材穴15が形成され、棒状の懸架部材4が通されて左側壁20bと右側壁20cとに懸架される。懸架部材穴15は、上下方向に複数個並んで形成され、前後方向においても上下方向に同一の高さ位置に形成される。左側壁20bと右側壁20cにはそれぞれ二箇所以上に懸架部材穴15が形成され、二個以上の懸架部材4が懸架される。
【0028】
図3等に示す例では、懸架部材4は金属製の棒状部材であるが、これに限定されない。例えば、懸架部材4は平面状の網でもよいし、金属製の棒状部材が格子状に接続されて平面状に形成された部材でもよい。なお、懸架部材4を側壁20に支持するために、懸架部材穴15を形成する代わりに、側壁20の内側に棚を設けてもよい。天板3は金属製であり、外周壁2の上側から嵌め込むように取り付けられる。
【0029】
図4に示すように、懸架部材4は、左側壁20bと右側壁20cとの間で、前後方向に平行に並べて懸架される。天板3の中央部には温度計14が取り付けられる。
図5に示すように、天板3には温度計穴3aが形成され、温度計14の検出部14aが外周壁2の内部空間18に挿入される。把手10は、第二プレート13に取り付けられ、把手10の内側は空洞で開閉扉5を開閉するときに手を挿入して操作することができる。後述する係止部9は、左右方向の中心であって、前後方向の前側寄りに形成される。
【0030】
図5は、オーブン釜1の右側面図であって、一部断面図である。オーブン釜1は左右対称の形状である。
図4に加え、
図5に示すように、懸架部材4は、前後方向と上下方向とにそれぞれ平行に懸架される。
図6に示すように、食材21等を置いた食材受け32は、懸架部材4の上に置く。オーブン釜1は、上下方向の下側が開放されている。食材21等は、懸架部材4の上に載置し、バーベキューグリル30の燃料31から発生する熱が上昇することで調理される。懸架部材4は上下方向に三段で懸架されるので、オーブン釜1の内部空間18に三段で食材21等を載置可能である。すなわち、オーブン釜1は、三段に載置される食材21等を同時に調理することができる。なお、食材受け32は種々の形状のものを使用することができる。
図6に示す例では、食材受け32は、長方形状であるが、
図10に示すようにピザ24を焼くときは円形でもよい。
【0031】
<開閉扉5の構成>
次に、
図1等を参照して、開閉扉5の構成を説明する。開閉扉5は、少なくとも二つの金属製のプレートである第一プレート12と第二プレート13を備える。開口部6は、前面壁20aの上下方向において1/2以上の高さに形成され、第一連結部7は開口部6の直上に形成される。第一プレート12と第二プレート13との前面壁20aに沿う上下方向の長さは等しくてもよいし、いずれか一方が長くてもよい。なお、以上の説明では、側壁20、開閉扉5はいずれも金属製と説明したが、金属以外の耐火材で形成されてもよい。また、第一連結部7及び第二連結部8は、例として蝶番が使用されるが、回動可能であれば他の構成でもよい。さらに、開閉扉5は、第一プレート12と第二プレート13の二枚構成について説明したが、三枚以上の構成であってもよい。
【0032】
次に、
図6から
図8までを参照して、開閉扉5が開いた状態を説明する。天板3は係止部9を備え、第二プレート13は把手10を備える。開閉扉5が開かれた状態で、把手10が係止部9に係止可能である。詳細に説明すると、開閉扉5が開いた状態では、第一プレート12が、第一連結部7にて回動して前面壁20aに接触した状態となり、さらに、第二プレート13が第二連結部8にて回動して把手10が天板3に接触する。このとき、
図8及び
図9に示すように、係止部9に対して把手10が接触し、第二プレート13が前側へ移動することが阻止される。
【0033】
図9を参照して、開閉扉5が開いたときに、第二プレート13が天板3上に保持されるために必要な各要素の寸法関係を説明する。上下方向において、第一連結部7と天板3の上端部との距離をL1とし、第一プレート12における上下方向の長さをL2とする。長さL2は、第一連結部7と第二連結部8との間の上下寸法でもある。天板3において、天板3の上端部のうち前側の端部と係止部9における後側の端部との間の水平方向の距離をL3とする。第二プレート13において、第二連結部8と把手10の前側の端部との間の距離をL4とする。このとき、L2≧L1であり、かつL4≧L3の関係を満たす必要がある。
【0034】
図6等に示す例の係止部9は、左側又は右側から見ると逆L字型形状である。なお、係止部9は
図6等に示す形状に限定されない。例えば、係止部9は単に天板3から上側に突出する突起でもよい。或いは、係止部9は天板3からの突出部は無く、天板3が磁性体を有する金属であり、把手10の一部に磁石が取り付けられてもよい。或いは、逆に天板3に磁石が取り付けられ、把手10が磁性体を有する金属でもよい。
【0035】
また、開閉扉5は、
図13に示すように、
図6から
図9までとは異なる開き方をしてもよい。オーブン釜1は、第二プレート13が把手10を備え、前面壁20aは、上下方向の上側にいくに従って内側に傾斜する。開閉扉5が開かれるとき、第一プレート12は第一連結部7にて山折りされ、第二プレート13は第二連結部8にて谷折りされてもよい。このとき、第一プレート12及び第二プレート13は、前面壁20aの傾斜に沿って保持され、把手10が第二プレート13から前側へ突出する状態でもよい。
【0036】
また、すでに説明したように、側壁20のうち、前面壁20aに連結される左側壁20bと右側壁20cは、それぞれ二枚のプレートが回動可能に連結され、左側壁20b及び右側壁20cは、それぞれ谷折りすることで外周壁2を折り畳み可能である。
図14に示すように、左側壁20b及び右側壁20cは、それぞれに少なくとも二つの穴である懸架部材穴15が形成され、懸架部材穴15に着脱可能な持ち手33を備えてもよい。持ち手33は二つ備えられ、左側壁20bと右側壁20cとに取り付けることによって、オーブン釜1を持ち運ぶことができる。持ち手33は種々の形態を採用することができる。例として、
図14に示すように持ち手33は手に触れる部分を金属の線材を螺旋状に巻いたものを取り付けるか、或いは筒状の木材を取り付けて、手に熱が伝わることを防止してもよい。
【0037】
図14に示す例の持ち手33は、先端部がU字状になっている。左側壁20b及び右側壁20cに取付るときは、持ち手33を上側に傾けてU字状部を懸架部材穴15に挿入し、その後下側に回転させてU字状部によって左側壁20b、或いは右側壁20cを挟み込む。持ち手33を取り外すときは、この動作の逆を行う。
【0038】
<オーブン釜1の外観構成及び開閉扉5の構成による効果>
以上説明したオーブン釜1全体の外観構成及び開閉扉5によれば、以下の効果を奏する。オーブン釜1は、開閉扉5が開かれるとき、開閉扉5のうちの第一プレート12は、第一連結部7にて回動して前面壁20aに沿う状態になる。第二プレート13は、第二連結部8にて回動して天板3に載置される。開閉扉5は、前面壁20aから取り外すことなく、開口部6が開放された状態を保持することができる。また、開閉扉5が閉じられるとき、第一プレート12及び第二プレート13は、前面壁20aに沿って延びた状態となって開口部6を覆う。よって、オーブン釜1の構成によれば、開閉扉5は開口部6に対して容易に開閉でき、食材21等を手間無く出し入れできる。
【0039】
また、開閉扉5は、開かれた状態で把手10が係止部9に係止可能である。係止部9が、把手10を係止することにより、第二プレート13は前側への移動が阻止されるので、開閉扉5は開かれた状態が保持される。よって、オーブン釜1は、開閉扉5を容易に開放状態とし、開口部6に対して手間無く食材21等を出し入れできる。
【0040】
また、
図13に示すように、開閉扉5は
図6から
図9までとは異なる開き方をすると以下の効果を奏する。第一プレート12と第二プレート13は、共に前面壁20aに沿って保持されるので、開閉扉5は開かれた状態が保持される。また、把手10は第二プレート13から前側へ突出する状態なので、開閉扉5を容易に閉じることができる。よって、開口部6に対して手間無く食材21等を出し入れできる。
【0041】
また、
図14に示すように、懸架部材穴15に着脱可能な持ち手33を備えてもよい。この場合、オーブン釜1は持ち運び可能であり、持ち手33を取り外すことで、外周壁2を折り畳むことができる。
【0042】
<オーブン釜1の内部構成と開閉扉5との関係、及び効果>
次に、本発明のオーブン釜1の内部構成と開閉扉5との関係を説明する。すでに説明したように、オーブン釜1は、外周壁2の内部に懸架される懸架部材4を備える。
図7等に示すように、オーブン釜1は、懸架部材4が前面壁20aに隣接する二つの側壁20である左側壁20bと右側壁20cとの間で懸架される。
図3及び
図7に示すように、外周壁2によって囲われる内部空間18は、懸架部材4によって上下方向に複数の空間領域19に仕切られる。開閉扉5が開かれて開口部6が開放されると、前面壁20aの側から複数の空間領域19が臨まれる。
【0043】
オーブン釜1は、開閉扉5が開かれて開口部6が開放されると、前面壁20aの側から三つ以上の空間領域19が臨まれてもよい。
図7等に示す例では、空間領域19は、第一空間領域19a、第二空間領域19b、及び第三空間領域19cの三つに仕切られる。なお、懸架部材4の数によって、内部空間18の数を増減することができる。
図7に示す例では、開閉扉5が開かれて開口部6が開放されると、前面壁20aの側から三つの空間領域19が臨まれる。
【0044】
以上説明したオーブン釜1の内部構成と開閉扉5との関係によれば、以下の効果を奏する。
図7等に示すように、開閉扉5が開かれて開口部6が開放されると、前面壁20aの側から複数の空間領域19が臨まれる。オーブン釜1は、開口部6が開放された状態で保持され、複数の食材21等を手間無く出し入れでき、しかも同時に複数の食材21等を調理することができる。
【0045】
また、開閉扉5が開かれて開口部6が開放されると、前面壁20aの側から三つ以上の空間領域19が臨まれてもよい。
図6に示すように、オーブン釜1は開閉扉5を開いて開口部6を開放すると、前面壁20aの側から開口部6に対して、上下方向に三段で食材21、食材22、及び食材23を出し入れすることができる。すでに説明したように、開閉扉5が開かれるとその状態が保持されるので、空間領域19の数に応じて複数の食材21等を手間無く出し入れできる。よって、オーブン釜1は、同時に複数の食材21等を調理することができる。なお、
図6等に示す例では、空間領域19は三つに仕切られるが、空間領域19は四つ以上に仕切られてもよく、その場合はより多くの食材21等を同時に調理できる。
【0046】
また、
図10から
図12までに示すように、オーブン釜1は、第二連結部8にて第二プレート13が回動して開口部6の一部が開放されると、前面壁20aの側から空間領域19の少なくとも一つが臨まれる。
図11に示す例では、第一空間領域19aが臨まれる。
【0047】
この構成によれば、オーブン釜1は以下の効果を奏する。オーブン釜1は、前面壁20aから空間領域19の少なくとも一つである第一空間領域19aが臨まれるので、調理中の食材21の状態を確認することができる。さらに、他の食材22、食材23が調理中であっても、調理時間が短い一部の食材21を手間無く出し入れすることができる。よって、オーブン釜1は、調理時間が異なる複数の食材21等を同時に調理することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 オーブン釜
2 外周壁
3 天板
4 懸架部材
5 開閉扉
6 開口部
7 第一連結部
8 第二連結部
9 係止部
10 把手
12 第一プレート
13 第二プレート
18 内部空間
19 空間領域
20 側壁
20a 前面壁
30 バーベキューグリル
33 持ち手