(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014993
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】深く空乏したチャネルを有する半導体デバイスおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20230124BHJP
【FI】
H01L29/78 301X
H01L29/78 301V
H01L29/78 301S
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022109757
(22)【出願日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】17/379,962
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】315002243
【氏名又は名称】ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100210480
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 学
(72)【発明者】
【氏名】大野 文隆
(72)【発明者】
【氏名】安田 真
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA24
5F140AC36
5F140BA01
5F140BA02
5F140BA05
5F140BA16
5F140BB13
5F140BC11
5F140BC12
5F140BC15
5F140BD09
5F140BD11
5F140BE07
5F140BE09
5F140BF04
5F140BF05
5F140BF18
5F140BF43
5F140BG08
5F140BJ08
5F140BK13
5F140BK34
5F140CB04
5F140CB08
5F140CD02
5F140CE05
(57)【要約】
【課題】深く空乏したチャネルを有する改善した半導体デバイス、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体デバイスは、基板、ゲート構造、ソース領域、ドレイン領域、ドープ領域およびチャネル領域を含む。ゲート構造は基板の中に配設され、ソース領域およびドレイン領域は、ゲート構造の2つの側にそれぞれ配設される第1の導電型である。第1の導電型と異なる第2の導電型であるドープ領域は、ゲート構造、ソース領域およびドレイン領域の下に配設され、ゲート構造、ソース領域およびドレイン領域から離間される。チャネル領域は、ドープ領域とゲート構造との間に配設され、ドープ領域と接触し、チャネル領域のドーパント濃度は、ドープ領域のドーパント濃度より低い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配設されるゲート構造と、
前記ゲート構造の2つの側にそれぞれ配設されるソース領域およびドレイン領域であって、第1の導電型である、ソース領域およびドレイン領域と、
前記ゲート構造、前記ソース領域および前記ドレイン領域の下に配設され、前記ゲート構造、前記ソース領域および前記ドレイン領域から離間されるドープ領域であって、前記第1の導電型と異なる第2の導電型である、ドープ領域と、
前記ドープ領域と前記ゲート構造との間に配設されて、前記ドープ領域と接触するチャネル領域であって、前記チャネル領域のドーパント濃度が、前記ドープ領域のドーパント濃度より低い、チャネル領域とを備える、半導体デバイス。
【請求項2】
前記チャネル領域によって囲まれるトレンチをさらに備え、前記ゲート構造が前記トレンチの中に配設される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記チャネル領域の一部が前記トレンチの表面と共形となる、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ゲート構造の上面が前記ソース領域および前記ドレイン領域の上面より高い、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ソース領域および前記ドレイン領域が前記ゲート構造から離間される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ソース領域および前記ドレイン領域上に配設される第1のシリサイド領域と、
前記ゲート構造上に配設される第2のシリサイド領域とをさらに備え、前記第1のシリサイド領域の各々が前記第2のシリサイド領域から横方向に離間される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記チャネル領域の一部が前記ドープ領域の中に埋め込まれる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記チャネル領域が、前記ドープ領域と前記ソース/ドレイン領域との間にさらに配設される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記ドープ領域が、第1の深さにおいて、5×1018atoms/cm3に等しい、5×1018atoms/cm3より高く1×1020atoms/cm3より低い、または1×1020atoms/cm3に等しいドーパント濃度を有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記ドープ領域が、深さ方向に沿った第1の深さにおいて、前記ドーパント濃度の最大値を有し、前記ゲート構造の下の前記チャネル領域の底面が前記第1の深さより浅い、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
5×1018atoms/cm3に等しい、5×1018atoms/cm3より高く1×1020atoms/cm3より低い、または1×1020atoms/cm3に等しいドーパント濃度を有する前記ドープ領域が、前記ソース領域および前記ドレイン領域の下に配設される、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
基板を用意するステップと、
前記基板上にドープ領域を形成するステップと、
前記ドープ領域上にチャネル層を形成するステップと、
前記チャネル層中にトレンチを形成するステップと、
前記トレンチにゲート構造を形成するステップであって、前記ゲートが前記ドープ領域の上に配設され、前記ドープ領域から離間される、ステップと、
前記ゲート構造の2つの側にソース領域およびドレイン領域を形成するステップであって、前記ソース領域および前記ドレイン領域が前記ドープ領域の上に配設され、前記ドープ領域から離間される、ステップとを含み、
前記チャネル層のドーパント濃度が前記ドープ領域のドーパント濃度より低い、半導体デバイスを製造するための方法。
【請求項13】
前記トレンチを前記チャネル層中に形成するとき、前記ドープ領域が前記トレンチから露出される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記トレンチが前記ドープ領域の中に延びる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲート構造を前記トレンチに形成する前に、前記トレンチにさらなるチャネル層を形成するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記さらなるチャネル層が前記トレンチの表面に対して共形である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ドープ領域が、前記ゲート構造、前記ソース領域およびドレイン領域の下に配設され、前記ゲート構造、前記ソース領域およびドレイン領域から離間される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記ソース領域および前記ドレイン領域が前記ゲート構造から離間される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記ソース領域および前記ドレイン領域上にそれぞれ配設される第1のシリサイド領域を形成するステップと、
前記ゲート構造上に配設される第2のシリサイド領域を形成するステップとをさらに備え、
前記第1のシリサイド領域の各々が前記第2のシリサイド領域から横方向に離間される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記ソース領域および前記ドレイン領域が第1の導電型であり、前記ドープ領域が前記第1の導電型と異なる第2の導電型である、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記ドープ領域が、第1の深さにおいて、5×1018atoms/cm3に等しい、5×1018atoms/cm3より高く1×1020atoms/cm3より低い、または1×1020atoms/cm3に等しいドーパント濃度を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記ドープ領域が、深さ方向に沿った第1の深さにおいて、ドーパント濃度の最大値を有し、前記ゲート構造の下の前記チャネル領域の底面が前記第1の深さより浅い、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
5×1018atoms/cm3に等しい、5×1018atoms/cm3より高く1×1020atoms/cm3より低い、または1×1020atoms/cm3に等しいドーパント濃度を有する前記ドープ領域が、前記ソース領域および前記ドレイン領域の下に配設される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に半導体デバイスに関し、より詳細には、深く空乏したチャネルを有する半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、深く空乏したチャネルを有する半導体デバイスは、バルクシリコン基板上に製造されるデバイスである。そのようなデバイスの動作では、所定の距離でゲート構造の下に空乏領域を生成することができ、これは、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板の埋込酸化物によって示されるものと同様の電気特性を示す。バルクシリコン基板がSOI基板より安価であるので、深く空乏したチャネルを有する半導体デバイスは、低電力消費の必要があるIoTデバイス用途などの特定の用途でますます一般的になっている。
【0003】
深く空乏したチャネルを有する半導体デバイスは通常、平面ゲート構造および高度ドープ領域(スクリーン領域、SCR領域とも呼ばれる)を含む。SCR領域は、所定の距離で平面ゲート構造の下に配設される。しかし、各ソース/ドレイン領域とSCR領域との間に発生する電流漏れが存在することが多く、このことが、半導体デバイスの電気性能に悪影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-184655号公報
【特許文献2】特開昭63-114174号公報
【特許文献3】特開平1-204472号公報
【特許文献4】特開平2-112284号公報
【特許文献5】特開平4-68540号公報
【特許文献6】特開2006-253706号公報
【特許文献7】特開2013-206945号公報
【特許文献8】特開2006-190821号公報
【特許文献9】特開2001-250950号公報
【特許文献10】特開2009-194392号公報
【特許文献11】特開2010-177318号公報
【特許文献12】特開2020-77712号公報
【特許文献13】特開2003-179223公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この観点から、深く空乏したチャネルを有する改善した半導体デバイス、およびその製造方法を提供する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、半導体デバイスが提供され、半導体デバイスは、基板、ゲート構造、ソース領域、ドレイン領域、ドープ領域およびチャネル領域を含む。ゲート構造が基板の中に配設され、ソース領域およびドレイン領域は、ゲート構造の2つの側にそれぞれ配設される第1の導電型である。第1の導電型と異なる第2の導電型であるドープ領域は、ゲート構造、ソース領域およびドレイン領域の下に配設され、ゲート構造、ソース領域およびドレイン領域から離間される。チャネル領域は、ドープ領域とゲート構造との間に配設されて、ドープ領域と接触し、チャネル領域のドーパント濃度は、ドープ領域のドーパント濃度より低い。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、半導体デバイスを製造するための方法が提供され、以下が含まれる。基板が用意され、ドープ領域が基板上に形成される。次いで、チャネル層がドープ領域上に形成され、トレンチがチャネル層中に形成される。その後、ゲート構造がトレンチに形成され、ここで、ゲートは、ドープ領域上に配設され、ドープ領域から離間される。次いで、ソース領域およびドレイン領域がゲート構造の2つの側に形成され、ここで、ソース領域およびドレイン領域は、ドープ領域上に配設され、ドープ領域から離間される。チャネル層のドーパント濃度は、ドープ領域のドーパント濃度より低い。
【0008】
本発明のこれらおよび他の目的は、様々な図および図面に図示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、疑いなく当業者に明らかになるであろう。
【0009】
本開示の態様は、添付図面と共に読むと、以下の詳細な説明から、最も良好に理解される。当業界の標準的な慣例に従って、様々な特徴が原寸に比例しないことに留意されたい。実際に、様々な特徴の寸法は、議論を明瞭にするために、任意で増減される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイスを図示する概略断面図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による
図1の領域Aにおける濃度プロファイルを図示する概略拡大断面図である。
【
図3】本開示のいくつかの代替実施形態による半導体デバイスを図示する概略断面図である。
【
図4】本開示のいくつかの代替実施形態による半導体デバイスを図示する概略断面図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイスを図示する概略上面図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイスを製造するための方法のプロセスを図示する概略断面図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイスを製造するための方法のプロセスを図示する概略断面図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイスを製造するための方法のプロセスを図示する概略断面図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイスを製造するための方法のプロセスを図示する概略断面図である。
【
図10】本開示のいくつかの代替実施形態による半導体デバイスを製造するための方法のプロセスを図示する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本技術は、添付図面を参照して記載され、添付図面では、同様または均等な要素を示すために同様の参照数字が図面を通して使用される。図面は、原寸に比例せず、本技術を説明するだけのために提供される。本技術のいくつかの態様は、説明のために例示的な用途を参照して、以下に記載される。本技術の完全な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細、関係性および方法が記載されることが理解されるべきである。しかし、当業者なら、具体的な詳細のうちの1つまたは複数なしで、または他の方法で本技術を実行できることを容易に認識するであろう。他の例では、本技術を不明瞭にするのを回避するために、よく知られている構造または動作は詳細には示されない。いくつかの行為は異なる順番で起こってもよく、および/または、他の行為もしくは事象と同時に起こってもよいので、本技術は、行為または事象の図示された順番によって制限されない。さらに、本技術に従った方法論を実施するために、すべての図示された行為または事象が必要であるということではない。
【0012】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイス100-1を図示する概略断面図である。
図1を参照して、半導体デバイス100-1は、深く空乏したチャネルを有するトランジスタであってよく、半導体デバイス100-1は、少なくとも基板102、ドープ領域104、チャネル領域110、ゲート構造116、ソース領域122およびドレイン領域124を含むことができる。
【0013】
基板102は、n型またはp型などの必要な導電型の半導体基板であってよい。本開示では、基板102は、数例を挙げると、単結晶基板、セミコンダクターオンインシュレータ(SOI)基板、および半導体上エピタキシャル膜(EPI)基板を含む、その上に半導体デバイスを形成するために使用される任意のタイプの基板であってもよい。さらに、様々な実施形態が、シリコンベースの半導体材料(たとえば、シリコンならびにシリコンとゲルマニウムおよび/またはカーボンとの合金)に適合する材料およびプロセスに関して主に記載されることになるが、本技術は、この点に関して制限されない。むしろ、任意のタイプの半導体材料を使用して、様々な実施形態を実施することができる。
【0014】
ドープ領域104は基板102上に配設することができ、ドープ領域104は、ゲート構造116の下に配設することができ、ゲート構造116と離間することができる。ドープ領域104は、そのドーパント濃度がドープ領域104の底部からドープ領域104の頂部に隣接する所定の領域へと徐々に増加し、次いで、ドーパント濃度が所定の領域からドープ領域104の頂部へと徐々に減少するように濃度プロファイルを有することができる。濃度プロファイルを有するドープ領域104では、濃度プロファイルのピーク濃度は、5×1018atoms/cm3に等しい、5×1018atoms/cm3より高く1×1020atoms/cm3より低い、または1×1020atoms/cm3に等しいなどの、5×1018から1×1020atoms/cm3であってよい。ドープ領域104のピーク濃度は、ソース領域122、ドレイン領域124およびゲート構造116の下の水平領域に、横方向にわたることができる。シリコンベースNMOSなどのn型の半導体デバイスでは、ドープ領域104は、ボロン(B)またはインジウム(I)などのp型のドーパントを含むことができる。対照的に、シリコンベースのPMOSなどのp型の半導体デバイスでは、ドープ領域104は、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)またはリン(P)などのn型のドーパントを含むことができる。ドープ領域104が基板102上で注入プロセスを実施することによって形成される場合、ドープ領域104は、基板102の上部に配設されたドープ領域と考えることができることに留意されたい。対照的に、ドープ領域104が基板102上でエピタキシャル成長プロセスを実施することによって形成される場合、ドープ領域104は、基板102の上面に配設されたドープ領域と考えることができる。
【0015】
ソース領域122およびドレイン領域124をチャネル領域110によってドープ領域104から離間することができるような方法で、チャネル領域110は、ドープ領域104上に配設される。その上、チャネル領域110の部分は、ドープ領域104とゲート構造116との間に配設することができる。したがって、ゲート構造116はまた、チャネル領域110によってドープ領域104から離間される。チャネル領域110は、チャネル領域110の平均ドーパント濃度がドープ領域104の平均ドーパント濃度より低いように、非ドープシリコンまたはわずかにドープしたシリコンなどの、非ドープ領域またはわずかにドープした領域であってよい。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、チャネル領域110は、単一層構造または二重層構造であってよい。二重層チャネル領域110では、チャネル領域110は、第1のチャネル層106、および下にあるドープ領域104と接触する第2のチャネル層108を含むことができる。第1のチャネル層106は、ドープ領域104上に横方向に延びる、非ドープ層またはわずかにドープした層であってよい。トレンチ140は、第1のチャネル層106の中に形成され、ドープ領域の上部まで延びることができる。その上、第2のチャネル層108は、トレンチ140の表面と共形となる、非ドープ層またはわずかにドープした層であってよい。第2のチャネル層108がトレンチ140に配設されるので、第2のチャネル層108の部分は、ドープ領域104の中に埋め込まれる、またはドープ領域104によって囲まれると考えることができる。異なる要件によれば、トレンチ140は、曲面を含む、または平坦な底部と傾いた側壁を含む表面を含むように設計することができる。何れの場合においても、第2のチャネル層108は、トレンチ140の表面に対して共形であってよい。本開示のいくつかの実施形態によれば、第1のチャネル層106の厚さは、第2のチャネル層108の厚さより厚くてよい。たとえば、第1のチャネル層106は、厚さがおよそ100~150nmであってよく、第2のチャネル層108は、厚さがおよそ10~40nmであってよい。
【0017】
図1が、第1のチャネル層106と第2のチャネル層108との間の湾曲した界面を図示するが、第1のチャネル層106と第2のチャネル層108の両方が非ドープシリコンなどの同じ材料でできていると、界面を検出または観測するのは困難な場合があることに留意されたい。
【0018】
ゲート構造116は、ゲート誘電体112およびゲート電極114を含むトレンチゲートであってよく、ゲート構造116は、第2のチャネル層108の内面によって画定されるゲートトレンチ150の中に配設することができる。第2のチャネル層108が存在するために、ゲート構造116は、第1のチャネル層106および下にあるドープ領域104から離間することができる。異なる要件によれば、ゲート電極116は、ポリシリコンゲートまたは金属ゲートであってよいが、それらに限定されない。
【0019】
ソース領域122およびドレイン領域124はそれぞれ、ゲート構造116の2つの側に配設することができる。具体的には、ソース領域122及びドレイン領域124の各々の導電型は、ドープ領域104の導電型と異なる。たとえば、ソース領域122およびドレイン領域124がn型領域(またはp型領域)であると、ドープ領域104はp型領域(またはn型領域)である。
【0020】
その上、接触抵抗をさらに減らすために、シリサイドまたは他の導電性材料でできている導電領域は、ゲート電極114、ソース領域122およびドレイン領域124それぞれの上部に、または上部上に形成することができる。たとえば、シリサイド領域132、134はそれぞれ、ソース領域122およびドレイン領域124の上に配設することができ、電気的に結合することができる。シリサイド領域136は、ゲート構造116のゲート電極114上に配設されて電気的に結合するように、ゲート構造116上に配設することができる。ゲート構造116上のシリサイド領域136は、ソース領域122およびドレイン領域124上にそれぞれ配設されるシリサイド領域132、134から横方向に(すなわちx方向に沿って)離間することができる。このように、電流が2つの隣接するシリサイド領域間を直接伝達することはなく、それによって、半導体デバイス100-1で起こり得る漏れ電流を防止する。
【0021】
さらに、電流(漏れなど)が隣接デバイス間を流れるのを防ぐために、シャロートレンチ分離(STI)などの分離構造130を使用して、半導体デバイス100-1の活性領域を囲むことができる。
【0022】
半導体デバイス100-1の動作中に、ソース領域122とドレイン領域124との間をゲート誘電体112の底面に沿ってキャリア(たとえば、正孔または電子)が伝達することができるように、ゲート電極114に正または負のバイアスをかけることができる。空乏領域は、ゲート電極114からの電圧バイアスによって誘起され、ドープ領域104およびチャネル領域110の界面近くに生成することができる。その上、ソース領域122とドレイン領域124の両方がドープ領域104の上に配設され、ドープ領域104から離間されるので、ソース領域122およびドレイン領域124は、下にあるドープ領域104と直接接触しない。したがって、ソース領域122/ドレイン領域124と下にあるドープ領域104との間の電流漏れを減らすことができ、または効果的に回避することができる。その上、ゲート構造116の下を伝達するキャリアが第2のチャネル層108内を主に流れるので、半導体デバイス100-1の電気性能は、第2のチャネル層108の厚さを所定の値に調整することによって、良好に制御することができる。
【0023】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による
図1の領域Aにおける濃度プロファイルを図示する概略拡大断面図である。
図2を参照して、ドープ領域104は、ドープ領域104の底部からドープ領域104の所定の深さまで、ドーパント濃度を徐々に変化させることができる。その上、ドープ領域104のドーパント濃度は、深さのレベル毎に横方向に沿って実質的に同じのままであってよい。
図2の右手側の図(a)および図(b)に図示されるように、ドープ領域104のドーパントの濃度プロファイルは、少なくとも1つのピークを有することができる。ピークは、所定の深さで最大濃度を有することができ(図(a)に図示されるように)、または、深さの方向に沿った範囲に分布した最大濃度を有することができる(図(b)に図示されるように)。本開示のいくつかの実施形態によれば、ドープ領域104のドーパントの濃度プロファイルを制御するために、異なる注入エネルギーおよびドーズ量で1回または複数回のイオン注入プロセスを実施することによって、ドーパントをドープ領域104の中に注入することができる。好ましくは、ドープ領域104のドーパント濃度は、最大濃度を含む、平坦な濃度プロファイルとして深さ方向に沿った平均の+/-30%の範囲に実質的にあってよい。より好ましくは、ドープ領域104のドーパント濃度は、最大濃度を含む、平坦な濃度プロファイルとして深さ方向に沿った平均の+/-20%の範囲にあってよい。さらにより好ましくは、ドープ領域104のドーパント濃度は、最大濃度を含む、平坦な濃度プロファイルとして深さ方向に沿った平均の+/-10%の範囲にあってよい。実質的に、平坦な濃度プロファイルは、そのような範囲の選択した精度に従って、イオン注入を別々に数回実施する、好適な条件で得ることができる。第2のチャネル層108の最低点よりも低い深さのドープ領域104のドーパント濃度が、最大ドーパント濃度を有することができることに留意されたい。言い換えると、ゲート構造116の下の第2のチャネル層108の底面は、最大ドーパント濃度の深さよりも浅くてよい。
【0024】
図3は、本開示のいくつかの代替実施形態による半導体デバイスを図示する概略断面図である。
図3を参照して、
図3に図示される半導体デバイス100-2は、
図1に図示される半導体デバイス100-1と同様であり、主な差異は、チャネル領域110が二重層構造ではなく単層構造であるという点である。したがって、チャネル領域110の中に形成されるトレンチ150は、非ドープシリコンなどの半導体の薄い層で覆うことができない。その上、トレンチ150は、ゲート構造116を収容するために使用されるゲートトレンチ150と考えることができる。
図3に図示される半導体デバイス100-2によれば、ドープ領域104はまた、ゲート構造116、ソース領域122およびドレイン領域124から離間される。ソース領域122とドレイン領域124の両方がドープ領域104の上に配設され、ドープ領域104から離間されるので、ソース領域122およびドレイン領域124は、下にあるドープ領域104と直接接触しない。したがって、ソース領域122/ドレイン領域124と下にあるドープ領域104との間の電流漏れを減らすことができ、または効果的に回避することができる。
【0025】
図4は、本開示のいくつかの代替実施形態による半導体デバイスを図示する概略断面図である。
図4を参照して、
図4に図示される半導体デバイス100-3は、
図1に図示される半導体デバイス100-1と同様であり、主な差異は、ゲート電極の上面がソース領域122およびドレイン領域134の上面より高いように、20~200nmなどの幅を有するゲート電極114の部分がゲートトレンチ150から突出するという点である。その上、10~50nmなどの幅を有するスペーサ118は、ゲート構造116の2つの側にそれぞれ配設することができる。したがって、ゲート構造116は、スペーサ118によってソース領域122およびドレイン領域124から横方向に離間することができる。ゲート構造116上に配設されたシリサイド領域136は、ソース領域122およびドレイン領域124上にそれぞれ配設されるシリサイド領域132、134から横方向に(すなわち、x方向に沿って)および垂直方向に(すなわち、z方向に沿って)離間することができる。このように、電流が2つの隣接するシリサイド領域間を直接伝達することはなく、それによって、
図1に図示される半導体デバイス100-1よりも半導体デバイス100-3で起こり得る漏れ電流をさらに防止する。その上、ゲート電極114の2つの側壁上にそれぞれ配設されるスペーサ118が存在するために、スペーサを持たない
図1に図示される半導体デバイス100-1と比較して、シリサイド領域132、134はそれぞれ、ゲート電極114の側壁からさらに離れて配設することができる。
【0026】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイス100-4を図示する概略上面図である。
図5を参照して、
図1、
図3、
図4にそれぞれ図示される断面図は、
図5の線A-A’に沿って取られたと考えることができる。少なくともソース領域122およびドレイン領域124を含む活性領域(図示せず)は、分離構造130によって囲むことができる。ソース領域122およびドレイン領域124は、x方向などの第1の方向に沿って延びることができ、ゲート構造116は、y方向などの第2の方向に沿って延びることができる。ソース領域122およびドレイン領域124が延びる方向は、ゲート構造116が延びる方向に対して垂直であることに限定されないことに留意されたい。
【0027】
当業者が本開示を実施するのを可能にするため、本開示の半導体デバイスを製造する方法がさらに下に記載される。
【0028】
図6から
図9は、本開示のいくつかの実施形態による半導体デバイスを製造するための方法のプロセスを図示する概略断面図である。
図6を参照して、半導体基板などの基板102が準備される。ある種の導電型のドープしたウェル(図示せず)は、基板102の中に形成することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、ドープしたウェルは、少なくとも1度のイオン注入プロセスを実施することによって形成することができる。たとえば、p型のドープしたウェルでは、ボロンなどのp型ドーパントを、1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量で、100~300keVのエネルギーで基板102に注入することができるが、これらに限定されない。あるいは、n型のドープしたウェルでは、リンなどのn型ドーパントを、1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量で、200~400keVのエネルギーで基板102に注入することができるが、これらに限定されない。ドープ領域104は、イオン注入プロセスまたはエピタキシャル成長プロセスによって基板102上に形成することができる。ドープ領域104のドーパントの導電型は、ドープしたウェルのドーパントの導電型と同じである。本開示のいくつかの実施形態によれば、ドープ領域104は、ボロンまたはインジウムなどのp型ドーパントを含むp型領域であってよい。本開示のいくつかの代替実施形態によれば、ドープ領域104は、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)またはリン(P)などのn型ドーパントを含むn型領域であってよい。ドーパントの濃度プロファイルを制御するために、1つまたは複数のイオン注入プロセス中で、様々な種類のドーパントを異なるエネルギーおよびドーズ量で注入することができる。その上、ドープ領域104は、p型ドーパントまたはn型ドーパントの濃度プロファイルを調整するために使用できるカーボン、ゲルマニウムまたはボロンフッ化物などの他のドーパントを含むこともできる。本開示のいくつかの実施形態によれば、ドープ領域104がp型である場合、p型ドープ領域104は、p型ドープしたウェルの中にゲルマニウムを1×10
13~1×10
15cm
-2のドーズ量で10~50keVのエネルギーで注入する、p型ドープしたウェルの中にカーボンを1×10
13~1×10
15cm
-2のドーズ量で2~10keVのエネルギーで注入する、p型ドープしたウェルの中にボロンを1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量で10~30keVのエネルギーで注入する、p型ドープしたウェルの中にボロンフッ化物を1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量で200~400keVのエネルギーで注入するなどの、数回のイオン注入プロセスを順に実施することによって形成することができる。本開示のいくつかの代替実施形態によれば、ドープ領域104がn型である場合、n型ドープ領域104は、n型ドープしたウェルの中にアンチモンを1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量で50~200keVのエネルギーで注入する、n型ドープしたウェルの中にアンチモンを1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量で10~30keVのエネルギーで注入するなどの、数回のイオン注入プロセスを順に実施することによって形成することもできる。ドープ領域104を形成するためのプロセスの後に、ドープ領域104のドーパントは、500~700℃の範囲などの好適な温度で熱処理を実施することによって活性化することができる。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ドープ領域104を形成するためのイオン注入の条件および/または回数は、
図2に示される濃度プロファイルなどの必要な濃度プロファイルを得るように調整することができる。
図2(b)に示される濃度プロファイルを得るために、ある導電性を有するドーパントを、単一のイオン注入プロセスを実施するのではなく数回のイオン注入プロセスを実施することによって基板102の中に注入することができる。たとえば、p型ドープ領域104では、ボロンフッ化物(BF
2)などのp型ドーパントは、5~15keVのエネルギーで1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量を有する第1の注入プロセス、7~17keVのエネルギーで1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量を有する第2の注入プロセス、10~20keVのエネルギーで1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量を有する第3の注入プロセス、および15~25keVのエネルギーで1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量を有する第4の注入プロセスなどの、4回のイオン注入プロセスを順に実施することによって基板102の中に注入することができるが、それに限定されない。同様に、n型ドープ領域104では、アンチモン(Sb)などのn型ドーパントは、10~30keVのエネルギーで1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量を有する第1の注入プロセス、15~35keVのエネルギーで1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量を有する第2の注入プロセス、20~40keVのエネルギーで1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量を有する第3の注入プロセス、および25~45keVのエネルギーで1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量を有する第4の注入プロセスなどの、4回のイオン注入プロセスを順に実施することによって基板102の中に注入することができるが、それに限定されない。平坦な濃度プロファイルとして、深さ方向に沿ったドーパント濃度の正確な範囲(すなわち、より小さい変動)を得るために、所望の正確な濃度範囲を得るための代替イオン注入を数回実施することができるが、それに限定されない。また、平坦な濃度プロファイルとして、深さ方向に沿ったドーパント濃度の正確な範囲を得るのが十分である場合、より少ない回数のイオン注入を採用することができるが、それに限定されない。
【0030】
依然として
図6を参照して、300~500nmの厚さを有する第1のチャネル層106は、エピタキシャル成長プロセスによってドープ領域104上に形成することができる。第1のチャネル層106は、非ドープ層またはわずかにドープした層であってよく、第1のチャネル層106のドーパント濃度は、ドープ領域104のドーパント濃度より少なくとも1/10倍から1/10
3倍ほど低い。
【0031】
図7を参照して、分離構造130は所定の領域に形成することができ、次いで、50~150nmの幅(x方向に沿う)および250~550nmの深さ(z方向に沿う)を有するトレンチ140は、第1のチャネル層106の中で、ドープ領域104の上部へと下に向かって形成することができる。このようにして、ドープ領域104の一部は、トレンチ140の底面から露出することができる。本開示のいくつかの代替実施形態によれば、ドープ領域104がまったくトレンチ140の底面から露出することができないように、トレンチ140がドープ領域104に届かない場合があることに留意されたい。さらに、トレンチ140を形成するための主たるプロセスの後に、ドープ領域104がまったくトレンチ140の底面から露出されない場合でさえ、ドープ領域104がトレンチ140の底面から露出されるまで、湿式エッチングプロセスなどの追加の後処理をトレンチ140の底面上で実施することができる。その上、分離構造130およびトレンチ140を形成するプロセスの間に、第1のチャネル層106の上面が損傷することから保護するために、第1のチャネル層106の上面をSiO
2などの薄い保護層で覆うことができる。
【0032】
図8を参照して、10~40nmの厚さを有する第2のチャネル層108は、トレンチ140の面上に形成して、ゲートトレンチ150を画定することができる。しかし、第1のチャネル層106がトレンチ140の底面に残る場合、
図3に図示される構造などの、本開示のいくつかの代替実施形態に従って、第2のチャネル層108が省略され、したがって、トレンチ140に形成しない場合がある。第2のチャネル層108の下部は、ドープ領域104と直接接触してよい。その上、第2のチャネル層108は、非ドープ層またはわずかにドープした層であってよく、第2のチャネル層108のドーパント濃度は、ドープ領域104のドーパント濃度より少なくとも1/10倍から1/10
3倍ほど低い。次いで、ゲート誘電体層142は、第1のチャネル層106および第2のチャネル層108の露出面上に共形に形成することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、1~3nmの厚さを有するゲート誘電体層142は、800~1000℃の処理温度で、熱酸化によって形成することができる。本開示のいくつかの代替実施形態によれば、シリコン酸窒化物、ハフニウム酸化物などでできているゲート誘電体層142は、堆積プロセスによって形成することができる。その後、ポリシリコンまたは金属であってよいゲート電極層144が、ゲート誘電体層142上に形成され、ゲートトレンチ150を満たす。トレンチ150を完全に充填するために、ゲート電極層144の厚さは、500~700nmの範囲であってよい。
【0033】
図9を参照して、ゲート電極層144を平坦化して、ゲート誘電体層142上で停止させて、ゲートトレンチ150にゲート電極114を形成することができる。その後、第1のチャネル層106および第2のチャネル層108の中にドーパントを注入することによって、ゲート電極114の側にソース領域122およびドレイン領域124を形成することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、ソース領域122およびドレイン領域124が両方ともn型である場合、ソース領域122およびドレイン領域124は、1×10
15~1×10
17cm
-2のドーズ量で5~15keVのエネルギーでリンを注入することなどの、少なくとも1回のイオン注入プロセスを実施することによって形成することもできる。本開示のいくつかの代替実施形態によれば、ソース領域122およびドレイン領域124が両方ともp型である場合、ソース領域122およびドレイン領域124は、1×10
12~1×10
14cm
-2のドーズ量で5~15keVのエネルギーでボロンを注入すること、1×10
14~1×10
16cm
-2のドーズ量で10~30keVのエネルギーでゲルマニウムを注入すること、1×10
14~1×10
16cm
-2のドーズ量で3~10keVのエネルギーでボロンを注入することなどの、数回のイオン注入プロセスを順に実施することによって形成することもできる。ソース領域122およびドレイン領域124を形成するためのプロセスの後、ソース領域122およびドレイン領域124のドーパントは、1000~1100℃の範囲などの好適な温度でスパイクアニールなどの熱処理を実施することによって活性化することができる。その後、ソース領域122、ドレイン領域124およびゲート電極114にそれぞれ金属シリサイドを形成するために、シリサイド化プロセスを実行することができる。
図1に図示したような構造を得るように、その後、他のプロセスを実施することができる。
【0034】
図10は、本開示のいくつかの代替実施形態による半導体デバイスを製造するための方法のプロセスを図示する概略断面図である。
図10を参照して、
図10に図示されるプロセスは、
図8に続く代替プロセスである。本開示のいくつかの代替実施形態によれば、
図8のステップに続けて、
図4に図示されるようなゲート構造116を製造するために、ゲート電極層144をフォトリソグラフィプロセスによってパターン形成して、
図10に図示されるゲート電極114を形成することができる。対向して突出するゲート電極114の2つの側壁118(図示せず)は、ゲート電極114を形成した後、
図4に図示されるように、50~150nmの(x方向に沿った)幅でさらに形成することができ、ソース領域122およびドレイン領域124(図示せず)は、対向して突出する2つの側壁118を形成した後、
図4に図示されるように、さらに形成することができ、シリサイド領域132、134、136(図示せず)は、ソース領域122およびドレイン領域124を形成した後、
図4に図示されるように、さらに形成することができる。このようにして、パターン形成したゲート電極114と対向する2つの側壁118の両方は、スペーサ118でより離間するために、ゲート構造116上に配設されるシリサイド領域136と、ソース領域122およびドレイン領域124上にそれぞれ配設されるシリサイド領域132、134との間で横方向(すなわち、x方向に沿って)に離間されてもよく、垂直方向(すなわち、z方向に沿って)に離間されることもでき、
図1に図示したような半導体デバイス100-1よりも
図4に図示したような半導体デバイス100-3(
図10に図示せず)で起こり得る漏れ電流をさらに防止することができる。その上、ゲート電極114の厚さおよび幅は、様々な要件に従って調整することができ、制限する意味で解釈すべきでないことに留意されたい。
【0035】
その後、第1のチャネル層106および第2のチャネル層108の中にドーパントを注入することによって、ゲート電極114の側にソース領域122およびドレイン領域124を形成することができる。したがって、ゲート電極114の上面がソース領域122およびドレイン領域124の上面より高くなってよい。その後、シリサイド化プロセスを実行して、ソース領域122、ドレイン領域124およびゲート電極114それぞれに金属シリサイドを形成することができる。
図4に図示したような構造を得るように、その後、他のプロセスを実施することができる。
図10を参照して、ゲート電極114の突出部の各側壁が第2のチャネル層108の外縁部に実質的に位置合わせされるが、ゲート電極114の突出部の側壁は、第2のチャネル層108の外縁部と横方向に位置ずれする可能性があることに留意されたい。本開示のいくつかの実施形態によれば、ゲート電極114が第1のチャネル層106の部分を覆うことができ、これによって、ドープ領域(すなわち、S/D領域)がゲート電極114によって覆われる第1のチャネル層106の部分に形成されることを防止するように、ゲート電極114の突出部の側壁は、第2のチャネル層108の外縁部を越えて外に延びることができる。本開示のいくつかの代替実施形態によれば、ドープ領域(すなわち、S/D領域)の部分をゲート電極114によって覆われない第2のチャネル層108の部分に形成することができるように、ゲート電極114の突出部の側壁は、第2のチャネル層108の外縁部に対して内向きに切り取ることができる。
【0036】
本技術の様々な実施形態が上で記載されている一方で、それらが例としてのみ提示され、制限でないことを理解されたい。本技術の精神または範囲から逸脱することなく、本明細書の開示に従って、開示された実施形態に多くの変更を行うことができる。したがって、本技術の広さと範囲は、上で記載した実施形態のいずれかに限定されるべきでない。むしろ、本技術の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物に従って規定されるべきである。
【0037】
本技術が、1つまたは複数の実装形態に関して図示され、記載されているが、本明細書および添付図面を読んで理解すると、等価な代替形態および変更形態が当業者には想起されるであろう。加えて、本技術の特定の特徴が、いくつかの実装形態のうちのただ1つに関して開示されている場合がある一方で、そのような特徴は、任意の所与のまたは特定の用途で求められ、有利である場合があるため、他の実装形態の1つまたは複数の他の特徴と組み合わせることができる。
【0038】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載するためだけであって、本技術の限定を意図していない。本明細書で使用する、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈に指示がない限り、複数形を同様に含むことが意図される。さらに、「含んでいる」、「含む」、「有している」、「有する」、「備える」またはそれらの変形体が詳細な説明および/もしくは特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、それらの用語は、「備えている」という用語と同様な様式で包含的であることが意図される。
【0039】
別段の指定がない限り、本明細書で使用される(技術および科学用語を含む)すべての用語は、本技術が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。また、述べられる値または特性に関して本明細書で使用する「約」、「実質的に」、および「およそ」といった用語は、別段に規定されない限り、述べられる値または特性の20%以内であることを示すことが意図される。一般的に使用される辞書で規定されるものなどの用語は、関連する分野の文脈におけるそれらの意味と合致する意味を有すると解釈すべきであり、本明細書で明示的に規定されない限り、理想的な意味または過度に型どおりの意味で解釈されないことをさらに理解されよう。
【0040】
本発明の教示を保持したまま本デバイスおよび方法の多くの変形形態および代替形態を作ることができることが、当業者なら容易に気づくであろう。したがって、上の開示は、添付した特許請求の範囲の境界及び範囲によってのみ限定されると考えるべきである。
【符号の説明】
【0041】
100-1 半導体デバイス
100-2 半導体デバイス
100-3 半導体デバイス
100-4 半導体デバイス
102 基板
104 ドープ領域
106 第1のチャネル層
108 第2のチャネル層
110 チャネル領域
112 ゲート誘電体
114 ゲート電極
116 ゲート構造
118 スペーサ、側壁
122 ソース領域
124 ドレイン領域
130 分離構造
132 シリサイド領域
134 シリサイド領域
136 シリサイド領域
140 トレンチ
142 ゲート誘電体層
144 ゲート電極層
150 トレンチ、ゲートトレンチ
【外国語明細書】