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特開2023-149948機器登録方法、機器登録システム及び機器登録プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149948
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】機器登録方法、機器登録システム及び機器登録プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20231005BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231005BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231005BHJP
【FI】
H04L12/28 500A
H04M11/00 302
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058783
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】山出 欽也
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201CB10
5K201EB07
5K201ED04
5K201ED08
5L049AA22
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】通信端末による操作を行うことによって、意図しない無線通信機器を通信端末に登録することを防止可能な機器登録方法、機器登録システム及び機器登録プログラムを提供する。
【解決手段】在庫管理システム10の機器登録方法は、第1送信ステップと読取ステップと第2送信ステップと比較ステップと登録ステップを有する。第1送信ステップでは、在庫管理機11の情報を在庫管理機11からクラウドサーバー40に送信する。読取ステップでは、QRコード80を通信端末60にて読み取る。第2送信ステップでは、QRコード80からの在庫管理機11の情報を通信端末60からクラウドサーバー40に送信する。比較ステップでは、第1送信ステップでの在庫管理機11の情報と第2送信ステップでの在庫管理機11の情報とを比較する。登録ステップは、比較ステップの結果にて在庫管理機11を通信端末60に登録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバー装置と、
前記サーバー装置と通信可能に接続され、取得した情報を前記サーバー装置に送信する無線通信機器と、
前記サーバー装置と通信可能に接続される通信端末と、
を含む機器登録システムにおける機器登録方法であって、
前記無線通信機器の情報を前記無線通信機器から前記サーバー装置に送信する第1送信ステップと、
前記無線通信機器の情報を含み前記無線通信機器に付随する識別子を、前記通信端末によって読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにおいて前記識別子から読み取られた前記無線通信機器の情報を前記通信端末から前記サーバー装置に送信する第2送信ステップと、
前記第1送信ステップにおいて送信される前記無線通信機器の情報と、前記第2送信ステップにおいて送信される前記無線通信機器の情報と、を比較する比較ステップと、
前記比較ステップの比較結果に応じて、前記無線通信機器を前記通信端末に登録する登録ステップと、を包含する機器登録方法。
【請求項2】
前記登録ステップは、前記第1送信ステップにおいて送信される前記無線通信機器の情報と、前記第2送信ステップにおいて送信される前記無線通信機器の情報とが、前記比較ステップにおいて、所定時間内に合致した場合に、前記無線通信機器を前記通信端末に登録することを含む、請求項1に記載の機器登録方法。
【請求項3】
前記第1送信ステップは、前記無線通信機器の電源投入時に前記無線通信機器の情報を前記無線通信機器から前記サーバー装置に送信することを含む、請求項1又は請求項2に記載の機器登録方法。
【請求項4】
前記機器登録システムは、前記無線通信機器及び前記サーバー装置と通信可能に接続される電気機器を含み、
前記第1送信ステップは、前記無線通信機器の情報を前記無線通信機器から前記電気機器を介して前記サーバー装置に送信することを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の機器登録方法。
【請求項5】
前記電気機器の情報が予め前記サーバー装置に登録されている、請求項4に記載の機器登録方法。
【請求項6】
前記機器登録システムは、前記無線通信機器及び前記サーバー装置と通信可能に接続されるゲートウェイ装置を含み、
前記第1送信ステップは、前記無線通信機器の情報を前記無線通信機器から前記ゲートウェイ装置を介して前記サーバー装置に送信することを含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の機器登録方法。
【請求項7】
前記ゲートウェイ装置の情報が予め前記サーバー装置に登録されている、請求項6に記載の機器登録方法。
【請求項8】
サーバー装置と、
前記サーバー装置と通信可能に接続され、取得した情報を前記サーバー装置に送信する無線通信機器と、
前記サーバー装置と通信可能に接続される通信端末と、
を含む機器登録システムであって、
前記無線通信機器には、前記無線通信機器の情報を包含する識別子が付随され、
前記通信端末は、前記識別子を読み取る読取部を含み、
前記サーバー装置は、
前記無線通信機器から送信される前記無線通信機器の情報と、前記読取部よって前記識別子から読み取られて前記通信端末から送信される前記無線通信機器の情報と、を比較する比較部と、
前記比較部による比較結果に応じて前記無線通信機器を前記通信端末に登録する登録部と、を包含する、機器登録システム。
【請求項9】
前記無線通信機器は、冷蔵庫に保管されている材料の在庫に関する情報を前記冷蔵庫に送信する在庫管理機である、請求項8に記載の機器登録システム。
【請求項10】
サーバー装置と、
前記サーバー装置と通信可能に接続され、取得した情報を前記サーバー装置に送信する無線通信機器と、
前記サーバー装置と通信可能に接続される通信端末と、
を含む機器登録システムにおいて、前記通信端末に実行させる機器登録プログラムであって、
前記無線通信機器の情報を含み前記無線通信機器に付随する識別子を読み取る読取ステップと、
前記読取ステップにおいて前記識別子から読み取った前記無線通信機器の情報を前記サーバー装置に送信する送信ステップと、
前記無線通信機器から送信される前記無線通信機器の情報と、前記送信ステップにおいて前記通信端末から送信される前記無線通信機器の情報と、を前記サーバー装置によって比較した比較結果に応じて前記無線通信機器が登録された結果を受信する登録結果受信ステップと、
を前記通信端末に実行させる、機器登録プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器登録方法、機器登録システム及び機器登録プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、電気機器と通信端末とを備えるネットワークシステムが開示されている。特許文献1のネットワークシステムでは、BLE(Bluetooth Low Energy、「Bluetooth」は登録商標。以下では登録商標の記載を省略する。)に準拠した通信方式を利用して電気機器(無線通信機器)と通信端末とのペアリングを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-167448号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すようなネットワークシステムでは、無線通信機器の所定のボタンを「長押し」することによって無線通信機器と通信端末とのペアリングを行うため、無線通信機器にペアリング用のボタンやLED(Light Emitting Diode)を設ける必要がある。また、ボタンを長押ししてペアリングを行うため、操作が煩雑である。さらに、同時に同類の無線通信機器を登録モードに入れてしまった場合には、誤った無線通信機器を通信端末に登録する可能性がある。さらに、通信端末は無線通信機器からの情報を一方的に受信するために1対1通信を行う必要があるため、通信端末側のソフトが複雑になるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、通信端末による操作を行うことによって、意図しない無線通信機器を通信端末に登録することを防止可能な機器登録方法、機器登録システム及び機器登録プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、サーバー装置と、無線通信機器と、通信端末と、を含む機器登録システムにおける機器登録方法が、第1送信ステップと、読取ステップと、第2送信ステップと、比較ステップと、登録ステップと、包含する。第1送信ステップでは、無線通信機器の情報を無線通信機器からサーバー装置に送信する。読取ステップでは、無線通信機器の情報を含み無線通信機器に付随する識別子を、通信端末によって読み取る。第2送信ステップでは、読取ステップにおいて識別子から読み取られた無線通信機器の情報を通信端末からサーバー装置に送信する。比較ステップでは、第1送信ステップにおいて送信される無線通信機器の情報と、第2送信ステップにおいて送信される無線通信機器の情報と、を比較する。登録ステップは、比較ステップの比較結果に応じて、無線通信機器を通信端末に登録する。無線通信機器は、サーバー装置と通信可能に接続され、取得した情報をサーバー装置に送信する。通信端末は、サーバー装置と通信可能に接続される。
【0007】
また、本発明では、機器登録システムは、サーバー装置と、無線通信機器と、通信端末と、を含む。無線通信機器は、サーバー装置と通信可能に接続され、取得した情報をサーバー装置に送信する。無線通信機器には、無線通信機器の情報を包含する識別子が付随される。通信端末は、サーバー装置と通信可能に接続される。通信端末は、識別子を読み取る読取部を含む。サーバー装置は、比較部と、登録部と、を包含する、比較部は、無線通信機器から送信される無線通信機器の情報と、読取部よって識別子から読み取られて通信端末から送信される無線通信機器の情報と、を比較する。登録部は、比較部による比較結果に応じて無線通信機器を通信端末に登録する。
【0008】
さらに、本発明では、機器登録プログラムは、サーバー装置と、無線通信機器と、通信端末と、を含む機器登録システムにおいて、通信端末に実行させる。機器登録プログラムは、読取ステップと、送信ステップと、登録結果受信ステップとを、通信端末に実行させる。読取ステップでは、無線通信機器の情報を含み無線通信機器に付随する識別子を読み取る。送信ステップでは、読取ステップにおいて識別子から読み取った無線通信機器の情報をサーバー装置に送信する。登録結果受信ステップでは、無線通信機器から送信される無線通信機器の情報と、送信ステップにおいて通信端末から送信される無線通信機器の情報と、をサーバー装置によって比較した比較結果に応じて無線通信機器が登録された結果を受信する。無線通信機器は、サーバー装置と通信可能に接続され、取得した情報をサーバー装置に送信する。通信端末は、サーバー装置と通信可能に接続される。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明によると、通信端末が意図しない無線通信機器を登録することを防止できる。また、複製や改ざんされた識別子によって無線通信機器を通信端末に登録することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態における在庫管理システムの一例を示す概要図である。
図2】実施形態における在庫管理システムの一例を示すブロック図である。
図3】実施形態における在庫管理システムの在庫管理コースターの表面側を示す斜視図である。
図4】実施形態における在庫管理システムの在庫管理コースターの裏面側を示す斜視図である。
図5】実施形態における在庫管理システムのたまごホルダーを含む在庫管理トレーの分解斜視図である。
図6】実施形態における在庫管理システムの六画ホルダーを含む在庫管理トレーの分解斜視図である。
図7】実施形態における在庫管理システムの在庫管理トレーを構成するトレーの裏面側を示す斜視図である。
図8】実施形態における在庫管理システムの通信端末における機器登録の流れを示すフローチャートである。
図9】実施形態における在庫管理システムの機器登録時に通信端末の表示部に表示される画面を示す概要図である。
図10】実施形態における在庫管理システムのクラウドサーバーにおける機器登録の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態における機器登録システムについて、図面を参照して説明する。
【0012】
まず、本発明の実施形態における機器登録システムの一例である在庫管理システム10について説明する。図1は、実施形態における在庫管理システム10の一例を示す概要図である。図2は、実施形態における在庫管理システム10の一例を示すブロック図である。図3は、実施形態における在庫管理システム10の在庫管理コースター12の表面14a側を示す斜視図である。図4は、実施形態における在庫管理システム10の在庫管理コースター12の裏面14c側を示す斜視図である。図5は、実施形態における在庫管理システム10のたまごホルダー17Aを含む在庫管理トレー13の分解斜視図である。図6は、実施形態における在庫管理システム10の六画ホルダー17Bを含む在庫管理トレー13の分解斜視図である。図7は、実施形態における在庫管理システム10の在庫管理トレー13を構成するトレー16の裏面16c側を示す斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、在庫管理システム10は、冷蔵庫20(「電気機器」の一例)と、クラウドサーバー40(「サーバー装置」の一例)と、無線LAN(Local Area Network)ルーター50(「ゲートウェイ装置」の一例)と、通信端末60とを含む。
【0014】
冷蔵庫20は、クラウドサーバー40と通信可能に接続されている。より具体的には、冷蔵庫20と、クラウドサーバー40と、は、無線LANルーター50を介して通信可能に接続されている。通信端末60は、クラウドサーバー40と通信可能に接続されている。
【0015】
図2に示すように、冷蔵庫20は、本体制御部21と、本体記憶部22と、無線通信部23とを含む。
【0016】
本体制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-processing Unit)等であって、本体記憶部22に格納されるプログラムに従って、冷蔵庫20における各種の情報処理を実行する。
【0017】
本体記憶部22は、フラッシュメモリ、又はRAM(Random Access Memory)等であって、本体制御部21によって実行されるプログラム、及び本体制御部21によるプログラムの実行によって生成されるデーター等を記憶する。
【0018】
無線通信部23は、インターフェース等であって、無線LANルーター50を介してクラウドサーバー40と通信を行う。なお、無線通信部23は、冷蔵庫20の本体に内蔵されていても良く、また、冷蔵庫20の本体に外付けされる通信アダプタに設けられていても良い。
【0019】
冷蔵庫20には、保管庫に保管されている材料95の在庫を管理するための在庫管理機11(「無線通信機器」の一例)が配置されている。すなわち、冷蔵庫20は、材料95の入出庫判定機能及び在庫管理機能を担い、これを実行する。
【0020】
図1及び図2に示すように、在庫管理機11は、クラウドサーバー40と通信可能に接続され、取得した情報をクラウドサーバー40に送信する。より具体的には、在庫管理機11は、冷蔵庫20と通信可能に接続され、取得した情報(冷蔵庫20に保管されている材料95の在庫に関する情報)を冷蔵庫20に送信することで、取得した情報をクラウドサーバー40に送信する。在庫管理機11は、在庫管理コースター12と、在庫管理トレー13とを含む。
【0021】
在庫管理コースター12は、材料95の重量を検知する。在庫管理システム10では、在庫管理コースター12からの検知信号に基づいて、材料95の有無、材料95の残量を検知する。在庫管理コースター12は、例えば、牛乳、ヨーグルト等の材料95の重量を検知する。図1から図4に示すように、在庫管理コースター12は、コースター14と、コースター制御部15Aと、コースター記憶部15Bと、コースターBluetooth通信部15Cと、重量センサー15Dと、近接センサー15Eと、コースター電源部15F等を含む。
【0022】
コースター14は、検知する材料95を表面14aにおいて載置可能に保持する。コースター14は、平面視略矩形に形成されている。コースター14の表面14aには、近接センサー15Eの検知窓14bが設けられている。コースター14の裏面14cには電池カバー14dが設けられている。電池カバー14dを取り外すことで、コースター電源部15Fである乾電池や充電可能な2次電池等をコースター14内に取り付けることができる。
【0023】
また、コースター14の裏面14cには、QRコード80(「QRコード」は登録商標。以下では登録商標の記載を省略する。)(「識別子」の一例)が表示されている。QRコード80は、在庫管理コースター12の情報を含み、在庫管理コースター12に付随される。具体的には、QRコード80は、在庫管理コースター12の種類(製品の種類)、在庫管理コースター12を特定するためのBluetoothアドレス等の機器ID(Identificatiоn)、在庫管理コースター12の製造番号等の情報を含む。QRコード80に含まれる情報は暗号化されている。
【0024】
コースター制御部15Aは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-processing Unit)等であって、コースター記憶部15Bに格納されるプログラムに従って、在庫管理コースター12における各種の情報処理を実行する。
【0025】
コースター記憶部15Bは、フラッシュメモリ、又はRAM(Random Access Memory)等であって、コースター制御部15Aによって実行されるプログラム、及びコースター制御部15Aによるプログラムの実行によって生成されるデーター等を記憶する。
【0026】
コースターBluetooth通信部15Cは、インターフェース等であって、Bluetoothを利用して冷蔵庫20の無線通信部23と通信を行うBLE(Bluetooth Low Energy)無線機である。コースターBluetooth通信部15Cは、例えばブロードキャスト方式で通信を行う機能を有する。コースターBluetooth通信部15Cは、ビーコン信号を発する。コースターBluetooth通信部15Cは、コースター14に内蔵されていても良く、また、コースター14に外付けされる通信アダプタに設けられていても良い。コースターBluetooth通信部15Cは、冷蔵庫20の無線通信部23に対して所定の情報を送信可能に構成され、情報を常時または間欠的に送信する。なお、通信インターフェースはBluetoothに限らず、WiFi等の既知の無線通信や有線通信インターフェースが利用可能である。
【0027】
コースター電源部15Fは、在庫管理コースター12の各部に電力を供給する。コースター電源部15Fとしては、例えば、乾電池や充電可能な2次電池等が挙げられる。コースター電源部15Fは、冷蔵庫20の電源部とは異なる。すなわち、在庫管理コースター12と冷蔵庫20とは別電源であり、互いに有線接続されていない。
【0028】
重量センサー15Dは、コースター14に材料95が載置されることで、載置された材料95の重量を検知する。重量センサー15Dは、コースター14の内部に設けられている。
【0029】
近接センサー15Eは、材料95に向けて光を投じてそれの反射量によって材料95の有無又は材料95の表面状態を検出するものである。近接センサー15Eは、コースター14の内部に設けられている。なお、トレー16に取り付けられるセンサーは近接センサー15Eに限定されるものではなく、例えば、距離センサーであっても構わない。
【0030】
在庫管理トレー13は、材料95の有無を検知する。在庫管理システム10では、在庫管理トレー13からの検知信号に基づいて、材料95の個数(在庫数)、材料95を保管し始めてからの日数を検知する。在庫管理トレー13は、例えば、たまご、飲料水等の材料95の有無を検知する。図1図2図5及び図6に示すように、在庫管理トレー13は、トレー16と、ホルダー17と、トレー制御部18Aと、トレー記憶部18Bと、トレーBluetooth通信部18Cと、近接センサー18Dと、トレー電源部18E等を含む。なお、トレー制御部18A、トレー記憶部18B、トレーBluetooth通信部18C及び近接センサー18Dの主な構成は、コースター制御部15A、コースター記憶部15B、コースターBluetooth通信部15C及び近接センサー15Eと同様のため説明を省略する。
【0031】
トレー電源部18Eは、在庫管理トレー13の各部に電力を供給する。トレー電源部18Eとしては、例えば、乾電池や充電可能な2次電池等が挙げられる。トレー電源部18Eは、冷蔵庫20の電源部とは異なる。すなわち、在庫管理トレー13と冷蔵庫20とは別電源であり、互いに有線接続されていない。
【0032】
トレー16は、検知する材料95が載置可能な平板状の部材である。トレー16の内部には、材料95の有無を検知する近接センサー18Dが複数取り付けられている。トレー16の表面16aには、複数の近接センサー18Dに対応した検知窓16bが複数設けられている。
【0033】
図7に示すように、トレー16の裏面16cには電池カバー16dが設けられている。電池カバー16dを取り外すことで、トレー電源部18Eである乾電池や充電可能な2次電池等をトレー16内に取り付けることができる。また、トレー16の裏面16cには、QRコード80が表示されている。QRコード80は、在庫管理トレー13の情報を含み、在庫管理トレー13に付随される。具体的には、QRコード80は、在庫管理トレー13の種類(製品の種類)、在庫管理トレー13を特定するためのBluetoothアドレス等の機器ID(Identificatiоn)、在庫管理トレー13の製造番号等の情報を含む。QRコード80に含まれる情報は暗号化されている。
【0034】
図1図5及び図6に示すように、ホルダー17は、検知する材料95を保持する。ホルダー17は、トレー16に取り付け可能に構成される。ホルダー17は、検知する材料95に応じて交換可能な異なる形状の部材によって構成されている。より具体的には、ホルダー17は、たまごホルダー17Aと、六画ホルダー17Bと、フリーホルダー17Cとを含む。
【0035】
たまごホルダー17Aは、検知する材料95がたまごの場合に使用するホルダーである。六画ホルダー17Bは、検知する材料95の保管位置を6区画に分割する場合に使用するホルダーである。フリーホルダー17Cは、検知する材料95の保管位置を特に分割しない場合に使用するホルダーである。在庫管理トレー13は、トレー16と、検知する材料95に応じて形状の異なるホルダー17(たまごホルダー17A、六画ホルダー17B、フリーホルダー17C)とを組み合わせることによって材料95の有無を検知する。
【0036】
在庫管理システム10においては、トレー16にセットされたホルダー17の種類(たまごホルダー17A、六画ホルダー17B、フリーホルダー17C)によって、通信端末60に表示される材料95の種類や配置が切り替えられる。トレー16にセットされたホルダー17の種類を自動的に判定してもよい。具体的には、トレー16に取り付けられている複数の近接センサー18Dの検知状況によってホルダー17の種類が判定される。
【0037】
図1及び図2に示すように、クラウドサーバー40は、冷蔵庫20が材料95の入出庫判定機能及び在庫管理機能を実行する上で必要な情報を適宜冷蔵庫20に提供する。また、クラウドサーバー40は、必要に応じて、冷蔵庫20の情報(材料95の在庫の情報等)を収集し、冷蔵庫20の使用者90の通信端末60に対して収集した情報を配信する。クラウドサーバー40は、冷蔵庫20の使用者90毎に、冷蔵庫20及び通信端末60を個々に登録して管理している。そのため、クラウドサーバー40は、データーの受信時には、どの冷蔵庫20又は通信端末60から送信されたデーターであるのかを把握できる。さらに、クラウドサーバー40は、データーの送信時には、どの冷蔵庫20又は通信端末60宛てであるかを指定してデーターを送信できる。
【0038】
クラウドサーバー40は、サーバー制御部41と、サーバー記憶部42と、サーバー通信部43等を含む。なお、サーバー制御部41と、サーバー記憶部42と、サーバー通信部43の主な構成は、コースター制御部15A、コースター記憶部15Bと同様のため説明を省略する。
【0039】
サーバー通信部43は、ネットワークに接続されて冷蔵庫20及び通信端末60との間でデーターの送受信を行う。具体的には、サーバー通信部43は、無線LANルーター50及び通信端末60の通信部46との間でデーターの送受信を行う。
【0040】
サーバー制御部41は、比較部44と、登録部45と、を含む。比較部44は、在庫管理機11から冷蔵庫20を介して送信される在庫管理機11の情報と、通信端末60の読取部66よって、QRコード80から読み取られた在庫管理機11の情報と、を比較する。登録部45は、比較部44による比較結果に応じて在庫管理機11を通信端末60に登録する。
【0041】
サーバー記憶部42は、冷蔵庫20の情報と、無線LANルーター50の情報と、を記憶する。すなわち、クラウドサーバー40には、冷蔵庫20の情報及び無線LANルーター50の情報が予め登録されている。ここで、冷蔵庫20の情報とは、冷蔵庫20の型式、冷蔵庫20の製造番号等が挙げられる。また、無線LANルーター50の情報とは、無線LANルーター50の型式、無線LANルーター50の製造番号等が挙げられる。
【0042】
無線LANルーター50は、在庫管理機11及びクラウドサーバー40と通信可能に接続される。無線LANルーター50は、クラウドサーバー40が対応する通信方式と、冷蔵庫20が対応する通信方式との間での通信方式(プロトコル)の変換を行う。無線LANルーター50は、冷蔵庫20からデーターを受信し、受信したデーターをクラウドサーバー40へ送信する。一方で、無線LANルーター50は、クラウドサーバー40からデーターを受信し、受信したデーターを冷蔵庫20へ送信する。
【0043】
通信端末60は、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末等のクラウドサーバー40と通信可能な端末である。なお、通信端末60は、クラウドサーバー40とともに、冷蔵庫20と通信可能に構成しても構わない。通信端末60は、使用者90に紐付けされるIDによって識別される。すなわち、使用者90は、個別のIDを予め取得している。そして、通信端末60は、1つの端末に対して1つのIDが予め紐付けられている。通信端末60には、冷蔵庫20からの情報を受信して表示等させるためのアプリケーションソフトウェアが記憶されている。通信端末60は、制御部61と、記憶部62と、通信部63と、表示部64と、操作部65と、読取部66等を含む。なお、制御部61及び記憶部62の主な構成は、冷蔵庫20の本体制御部21及び本体記憶部22と同様のため説明を省略する。
【0044】
通信部63は、インターフェース等であって、クラウドサーバー40と通信を行う。表示部64は、各種表示を行う。操作部65は、タッチパネル等であって、冷蔵庫20の使用者90からの各種操作を受け付ける。読取部66は、QRコードリーダー、カメラ等であって、QRコード80を読み取る。
【0045】
次に、在庫管理システム10における在庫管理機11の通信端末60への登録方法について説明する。図8は、実施形態における在庫管理システム10の通信端末60における機器登録の流れを示すフローチャートである。図9は、実施形態における在庫管理システム10の機器登録時に通信端末60の表示部64に表示される画面を示す概要図である。図10は、実施形態における在庫管理システム10のクラウドサーバー40における機器登録の流れを示すフローチャートである。
【0046】
在庫管理システム10においては、在庫管理機11の初期設定を行う際に、在庫管理機111を通信端末60に登録する。在庫管理機11を通信端末60に登録することで、在庫管理機11と紐付けられた冷蔵庫20における材料95の在庫管理を通信端末60上で行うことができる。
【0047】
図8に示すように、在庫管理機11を通信端末60に登録するに際しては、使用者90は、通信端末60内の機器登録プログラムを立ち上げる。機器登録プログラムが立ち上がることで、通信端末60は、在庫管理機11と接続させる接続機器を選択する旨の指示を行う(S1)。すなわち、通信端末60は、在庫管理機11におけるアクセスポイントを選択する旨の指示を行う。通信端末60がこのような指示を行うことで、どの接続機器から在庫管理機11の情報を受信するかを選択することができる。
【0048】
具体的には、図9の第1画面70に示すような冷蔵庫20のアイコン71及び無線LANルーター50のアイコン72が通信端末60の表示部64に表示される。ここで、在庫管理機11と接続させる接続機器は、冷蔵庫20(無線通信部23)または無線LANルーター50である。冷蔵庫20及び無線LANルーター50が在庫管理機11との接続機器であることは、予めクラウドサーバー40に登録されている。すなわち、冷蔵庫20及び無線LANルーター50の情報が予めクラウドサーバー40に登録されている。そのため、通信端末60が接続機器の選択指示を行う際には、通信端末60の表示部64上に、接続機器である冷蔵庫20及び無線LANルーター50が表示される。すなわち、予め特定された接続機器(冷蔵庫20及び無線LANルーター50)に対してのみ在庫管理機11を接続させることができ、在庫管理機11の情報を、特定のルート(冷蔵庫20及び無線LANルーター50)からクラウドサーバー40に送信することができる。それゆえに、クラウドサーバー40に対する通信負荷を軽減することができる。使用者90は、通信端末60の表示部64に表示されるいずれかのアイコン71、72を選択する。以下、使用者90が接続機器として冷蔵庫20を選択する場合について説明する。
【0049】
使用者90が接続機器として冷蔵庫20を選択すると、通信端末60は、読取部66を起動する(S2)。そして、通信端末60は、在庫管理機11に表示されるQRコード80の読み取り指示を行う(S3)。具体的には、通信端末60は、図9の第2画面73に示すようなQRコード80を読み取る旨の指示画面を表示部64に表示させる。使用者90は、在庫管理機11に表示されているQRコード80を通信端末60の読取部66によって読み取る。以下、在庫管理コースター12のQRコード80を読み取った場合について説明する。
【0050】
使用者90が通信端末60の読取部66によって在庫管理コースター12のQRコード80の読み取りを開始すると、通信端末60は、在庫管理コースター12のQRコード80の認識を行う(S4)。すなわち、在庫管理コースター12の情報を含み在庫管理コースター12に付随するQRコード80を、通信端末60によって読み取る読取ステップを行う。通信端末60は、在庫管理コースター12のQRコード80を認識できない場合(S4-No)、図9の第3画面74に示すようなQRコード80を認識不可である旨の表示を表示部64に表示する(S5)。
【0051】
一方で、通信端末60は、在庫管理コースター12のQRコード80を認識した場合(S4-Yes)、在庫管理コースター12(在庫管理機11)の電源を投入する旨の指示を行う(S6)。具体的には、通信端末60は、図9の第4画面75に示すように、在庫管理コースター12に乾電池や充電可能な2次電池等を入れる旨の指示を表示部64に表示する。さらに、通信端末60は、QRコード80に含まれる在庫管理コースター12の情報をクラウドサーバー40に送信する(S7)。すなわち、読取ステップにおいてQRコード80から読み取られた在庫管理コースター12の情報を通信端末60からクラウドサーバー40に送信するステップ(第2送信ステップ)を行う。
【0052】
使用者90が在庫管理コースター12のコースター14の電池カバー14dを開けて乾電池や充電可能な2次電池等を入れると、在庫管理コースター12は、在庫管理コースター12の情報を冷蔵庫20に送信する。すなわち、在庫管理コースター12は、電源投入時に、在庫管理コースター12の情報をクラウドサーバー40に送信する。これによって、在庫管理コースター12は、起動を開始した旨等の電源投入時のみに送信される在庫管理コースター12の情報をクラウドサーバー40に対して送信することができる。冷蔵庫20は、在庫管理コースター12の情報を無線LANルーター50を介してクラウドサーバー40に送信する。すなわち、在庫管理コースター12の情報を在庫管理コースター12から冷蔵庫20を介してクラウドサーバー40に送信するステップ、つまりは、在庫管理コースター12の情報を在庫管理コースター12からクラウドサーバー40に送信するステップ(第1送信ステップ)を行う。
【0053】
図10に示すように、クラウドサーバー40は、通信端末60からの送信によって、QRコード80に含まれる在庫管理コースター12の情報を通信端末60から受信する。また一方で、クラウドサーバー40は、冷蔵庫20からの送信によって、在庫管理コースター12の情報を在庫管理コースター12から受信する。
【0054】
クラウドサーバー40は、通信端末60及び在庫管理コースター12(冷蔵庫20)から在庫管理コースター12の情報を受信すると(S21、S22)、通信端末60から送信された在庫管理コースター12の情報と、在庫管理コースター12(冷蔵庫20)から送信された在庫管理コースター12の情報と、を比較し、両者から送信された在庫管理コースター12の情報が合致するか否かを判断する(S23)。すなわち、第1送信ステップにおいて送信される在庫管理コースター12の情報と、第2送信ステップにおいて送信される在庫管理コースター12の情報と、を比較する比較ステップを行う。より具体的には、在庫管理コースター12の電源投入時に在庫管理コースター12からクラウドサーバー40に送信される在庫管理コースター12の情報と、第2送信ステップにおいて送信される在庫管理コースター12と、を比較する比較ステップを行う。クラウドサーバー40は、両者から送信された在庫管理コースター12の情報が合致すると判断すると(S23-Yes)、通信端末60に対して在庫管理コースター12を登録可能である旨の指示を送信する(S24)。クラウドサーバー40は、両者から送信された在庫管理コースター12の情報が合致しないと判断すると(S23-No)、通信端末60に対して在庫管理コースター12の登録が不可である旨の指示を送信する(S25)。このように、クラウドサーバー40は、比較ステップの比較結果に応じて、在庫管理コースター12を通信端末60に登録する登録ステップを行う。すなわち、クラウドサーバー40は、在庫管理コースター12から冷蔵庫20を介して送信される在庫管理コースター12の情報と、通信端末60の読取部66が読み取った在庫管理コースター12の情報と、が合致することによって、在庫管理コースター12を通信端末60に登録する。つまり、在庫管理システム10では、クラウドサーバー40に送信される在庫管理コースター12の情報と、在庫管理コースター12に表示されるQRコード80から物理的に読み取った在庫管理コースター12の情報と、が合致することで、在庫管理コースター12が通信端末60に登録される。
【0055】
このような方法で在庫管理コースター12を通信端末60に登録することで、冷蔵庫20に紐付けられた在庫管理コースター12を安全に通信端末60に登録することができる。すなわち、在庫管理コースター12は冷蔵庫20に対して一方的に情報を送信するため、クラウドサーバー40は、通信端末60を介して得られる在庫管理コースター12の情報を取得して比較することで、在庫管理コースター12を安全に通信端末60に登録することができ、意図しない在庫管理コースター12を通信端末60に登録することを防止できる。さらに、実際に冷蔵庫20と送受信可能な(冷蔵庫20と送受信可能な範囲に位置する)在庫管理コースター12を確実に通信端末60に登録することができる。また、情報をクラウドサーバー40に送信した在庫管理コースター12に表示されるQRコード80から読み取った在庫管理コースター12の情報に基づいて登録を行うことから、複製や改ざんされたQRコード80によって在庫管理コースター12を通信端末60に登録することを防止できる。
【0056】
また、在庫管理コースター12の電源投入時に在庫管理コースター12からクラウドサーバー40に送信される在庫管理コースター12の情報と、第2送信ステップにおいて送信される在庫管理コースター12の情報と、を比較するため、在庫管理コースター12の電源投入時のみに送信される在庫管理コースター12の情報を活用して在庫管理コースター12を確実に通信端末60に登録することができる。
【0057】
一方で、通信端末60は、QRコード80に含まれる在庫管理コースター12の情報をクラウドサーバー40に送信すると(S7)、QRコード80を読み取った在庫管理コースター12の登録が可能であるか否かを、クラウドサーバー40から送信される指示によって判断する(S8)。具体的には、通信端末60は、図9の第5画面76に示すように、クラウドサーバー40に接続され、クラウドサーバー40からの指示情報を受信する。通信端末60は、クラウドサーバー40から在庫管理コースター12を登録可能である旨の指示(S24)を受信して、QRコード80を読み取った在庫管理コースター12の登録が可能であると判断すると(S8-Yes)、在庫管理コースター12の登録が可能である旨を表示する(S9)。具体的には、通信端末60は、図9の第6画面77に示すように、登録が可能な在庫管理コースター12の情報を表示する。
【0058】
一方で、通信端末60は、クラウドサーバー40から在庫管理コースター12を登録不可ある旨の指示(S25)を受信して、QRコード80を読み取った在庫管理コースター12の登録が不可あると判断すると(S8-No)、在庫管理コースター12の登録が不可ある旨を表示する(S10)。具体的には、通信端末60は、図9の第7画面78に示すように、登録が可能な在庫管理コースター12を特定できない旨、及び特定できない理由等を表示する。このように、通信端末60内の機器登録プログラムでは、在庫管理コースター12から送信される在庫管理コースター12の情報と、送信ステップにおいて通信端末60から送信される在庫管理コースター12の情報と、をクラウドサーバー40によって比較した比較結果に応じて、在庫管理コースター12を登録する登録ステップを行う。
【0059】
次に、使用者90が接続機器として無線LANルーター50を選択する場合について説明する。図8に示すように、使用者90が接続機器として無線LANルーター50を選択すると、通信端末60は、読取部66を起動する(S2)。そして、通信端末60は、在庫管理機11に表示されるQRコード80の読み取り指示を行う(S3)。
【0060】
使用者90が通信端末60の読取部66によって在庫管理コースター12のQRコード80の読み取りを開始すると、通信端末60は、在庫管理コースター12のQRコード80の認識を行う(S4)。通信端末60は、在庫管理コースター12のQRコード80を認識した場合(S4-Yes)、在庫管理コースター12の電源を投入する旨の指示を行う(S6)。
【0061】
使用者90が在庫管理コースター12のコースター14の電池カバー14dを開けて乾電池や充電可能な2次電池等を入れると、在庫管理コースター12は、在庫管理コースター12の情報を無線LANルーター50に送信する。さらに、無線LANルーター50は、在庫管理コースター12の情報をクラウドサーバー40に送信する。すなわち、在庫管理コースター12の情報を在庫管理コースター12から無線LANルーター50を介してクラウドサーバー40に送信するステップを行う。
【0062】
図10に示すように、クラウドサーバー40は、通信端末60からの送信によって、QRコード80に含まれる在庫管理コースター12の情報を通信端末60から受信する(S21)。また一方で、クラウドサーバー40は、無線LANルーター50からの送信によって、在庫管理コースター12の情報を在庫管理コースター12から受信する(S22)。
【0063】
クラウドサーバー40は、通信端末60及び在庫管理コースター12から在庫管理コースター12の情報を受信すると(S21、S22)、通信端末60から送信された在庫管理コースター12の情報と、在庫管理コースター12から送信された在庫管理コースター12の情報と、を比較し、両者から送信された在庫管理コースター12の情報が合致するか否かを判断する(S23)。クラウドサーバー40は、両者から送信された在庫管理コースター12の情報が合致すると判断すると(S23-Yes)、通信端末60に対して在庫管理コースター12を登録可能である旨の指示を送信する(S24)。
【0064】
このような方法で在庫管理コースター12を通信端末60に登録することで、無線LANルーター50に紐付けられた在庫管理コースター12を安全に通信端末60に登録することができる。さらに、実際に無線LANルーター50と送受信可能な(無線LANルーター50と送受信可能な範囲に位置する)在庫管理コースター12を確実に通信端末60に登録することができる。
【0065】
以上のように、本発明の実施形態によると、通信端末60が意図しない在庫管理機11を登録することを防止できる。例えば、クラウドサーバー40と通信可能な在庫管理機11が同一圏内に複数台ある場合(例えば、第1の在庫管理機11、第2の在庫管理機11がある場合)に、通信端末60がQRコード80を読み取った在庫管理機11(例えば、第1の在庫管理機11)のみを通信端末60に登録することができるため、通信端末60が意図しない在庫管理機11(例えば、第2の在庫管理機11)を登録することを防止できる。
【0066】
また、複製や改ざんされたQRコード80によって在庫管理機11を通信端末60に登録することを防止できる。
【0067】
さらに、在庫管理機11のQRコード80を通信端末60によって読み取ることで、在庫管理機11を通信端末60に登録できるため、在庫管理機11にペアリング用のボタンやLEDを設ける必要がない。また、ボタンを長押ししてペアリングを行う必要がないため操作が容易である。
【0068】
さらにまた、クラウドサーバー40が、在庫管理機11(冷蔵庫20、無線LANルーター50)から送信される在庫管理機11の情報と、通信端末60から送信される在庫管理機11の情報と、を比較することによって在庫管理機11を通信端末60に登録することから、在庫管理機11が冷蔵庫20及び無線LANルーター50に対して一方的に情報(ビーコン)を送信する状況(在庫管理機11が通信端末60に対して情報(ビーコン)を送信しない状況)においても、クラウドサーバー40が、在庫管理機11、冷蔵庫20、無線LANルーター50、及び通信端末60の全てを管理した状況で在庫管理機11を通信端末60に登録することができる。
【0069】
なお、本発明の実施形態では、在庫管理機11(冷蔵庫20、無線LANルーター50)からクラウドサーバー40に送信される在庫管理機11の情報と、通信端末60からクラウドサーバー40に送信される在庫管理機11の情報と、が比較ステップにおいて、単に合致した場合に在庫管理機11を通信端末60に登録しているが、両者から送信される在庫管理機11の情報が、比較ステップにおいて所定時間内に合致する場合に限り、在庫管理機11を通信端末60に登録するように制御しても構わない。すなわち、第1送信ステップにおいて送信される在庫管理機11の情報と、第2送信ステップにおいて送信される在庫管理機11の情報とが、比較ステップにおいて、所定時間内に合致した場合に、在庫管理機11を通信端末60に登録するステップ(登録ステップ)を行っても構わない。具体的には、通信端末60が在庫管理機11のQRコード80を認識してから(図8のS4-Yes)から所定時間内に、通信端末60からクラウドサーバー40に送信される在庫管理機11の情報(QRコード80から読み取られた在庫管理機11の情報)に合致する在庫管理機11の情報(ビーコン)を、クラウドサーバー40が在庫管理機11から受信した場合に、在庫管理機11を通信端末60に登録しても構わない。
【0070】
このような機器登録方法によって、在庫管理機11を通信端末60に登録することで、在庫管理機11が、冷蔵庫20或いは無線LANルーター50と通信可能な所定の圏内(例えば、冷蔵庫20或いは無線LANルーター50が設置されている家と同一の家)にあるか否かを容易に判断することができる。例えば、在庫管理機11が、冷蔵庫20或いは無線LANルーター50が設置されている家と異なる家にある場合(在庫管理機11が冷蔵庫20或いは無線LANルーター50から離れた位置にある場合)には、通信端末60が在庫管理機11のQRコード80を認識してから、クラウドサーバー40が在庫管理機11からの情報(ビーコン)を受信するまでの間に時間を要する(所定時間より時間が掛かる)。このような場合には、通信端末60への在庫管理機11の登録が不可となるため、在庫管理機11が、冷蔵庫20或いは無線LANルーター50と通信可能な所定の圏内に無いことを容易に判断することができる。
【0071】
また、本発明の実施形態では、識別子をQRコード80としているが、これに限定されるものではなく、バーコード等の識別子であっても構わない。さらに、本発明の実施形態では、識別子であるQRコード80が、在庫管理機11(在庫管理コースター12、在庫管理トレー13)自体に表示されていますが、これに限定されるものではなく、QRコード80が在庫管理機11の情報を含み在庫管理機11に付随するものであれば、例えば、在庫管理機11を収納するための箱、或いは在庫管理機11の説明書に、QRコード80を表示させても構わない。
【0072】
さらに、本発明の実施形態では、電気機器を冷蔵庫20としているが、これに限定されるものではなく、在庫管理機11(在庫管理コースター12、在庫管理トレー13)及びクラウドサーバー40と通信可能に接続できる電気機器であれば、例えば、電子レンジ、エアコン等であっても構わない。
【0073】
さらに、本発明の実施形態では、在庫管理機11(在庫管理コースター12、在庫管理トレー13)は、冷蔵庫20または無線LANルーター50を介してクラウドサーバー40と通信したが、在庫管理機11は、クラウドサーバー40と直接的に通信してもよい。また、冷蔵庫20は、無線LANルーター50を介してクラウドサーバー40と通信したが、冷蔵庫20は、クラウドサーバー40と直接的に通信してもよい。
【0074】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によると、通信端末が意図しない無線通信機器を登録することを防止できる。よって、本発明の産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0076】
10 在庫管理システム(機器登録システム)
11 在庫管理機(無線通信機器)
12 在庫管理コースター(無線通信機器)
13 在庫管理トレー(無線通信機器)
40 クラウドサーバー(サーバー装置)
60 通信端末
80 QRコード(識別子)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10