(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023149950
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】在庫管理機器
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B65G1/137 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058785
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 太洋
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA10
3F522BB16
3F522CC09
3F522FF02
3F522FF23
3F522GG03
3F522HH40
3F522LL36
(57)【要約】
【課題】長期間にわたって動作する在庫管理機器を提供する。
【解決手段】在庫管理機器1は、検知部11と、通信部12と、供給部13と、供給制御部14とを備える。検知部11は、載置台10に載置された材料3を検知する。通信部12は、通信装置23と通信する。供給部13は、検知部11と通信部12とに電力を供給する。供給制御部14は、供給部13を制御する。供給制御部14は、通信部14が通信装置23と通信する場合、検知部11への電力の供給を停止するように、供給部13を制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台に載置された材料を検知する検知部と、
通信装置と通信する通信部と、
前記検知部と前記通信部とに電力を供給する供給部と、
前記供給部を制御する供給制御部と
を備え、
前記供給制御部は、前記通信部が前記通信装置と通信する場合、前記検知部への電力の供給を停止するように、前記供給部を制御する、在庫管理機器。
【請求項2】
前記検知部を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記検知部が前記材料の検知を実行した後に、前記検知部の状態を検知状態から待機状態に切り替えるように前記検知部を制御し、
前記検知状態は、前記検知部が前記材料の検知を実行する状態を示し、
前記待機状態は、前記検知部が前記材料の検知を実行しない状態を示す、請求項1に記載の在庫管理機器。
【請求項3】
前記検知部は、複数あり、
前記制御部は、前記複数の検知部のうち一の検知部が検知状態の場合、前記複数の検知部のうち他の検知部が前記待機状態となるように、前記複数の検知部のそれぞれの状態を切り替える制御を前記複数の検知部に対して行う、請求項2に記載の在庫管理機器。
【請求項4】
時間を計時する計時部を更に備え、
前記制御部は、
前記通信部、および、前記供給制御部を更に制御し、
第1所定時間を前記計時部が計時した場合、前記供給部が前記検知部へ電力を供給するように前記供給制御部を制御し、
前記検知部が前記材料の検知を実行した後、前記供給部による前記検知部への電力の供給を停止するように前記供給制御部を制御し、
前記供給部が前記検知部へ電力の供給を停止した場合に、前記検知部の検知結果を前記通信部が前記通信装置に送信するように前記通信部を制御し、
前記第1所定時間は、前記供給部による前記検知部への電力の供給を停止した時点から前記供給部による前記検知部への電力の供給を再開するまでの時間を示す、請求項3に記載の在庫管理機器。
【請求項5】
前記供給部は、前記制御部に電力を供給し、
前記制御部は、前記供給部から供給される電力量に応じて停止または起動し、
前記制御部が停止して起動した場合に、前記供給部に残存する電力量を示す情報を前記通信装置に送信するように、前記制御部は前記通信部を制御する、請求項4に記載の在庫管理機器。
【請求項6】
前記制御部が停止して起動した時点から前記供給部の電力量が第1所定電力量になるまでの第2所定時間を前記計時部が計時した場合、前記制御部は前記供給部に残存する電力量を示す情報を前記通信装置に送信するように前記通信部を制御し、
前記第1所定電力量は、前記通信部が前記通信装置と通信可能な電力量を示す、請求項5に記載の在庫管理機器。
【請求項7】
停止して起動した前記制御部が再び停止して起動した場合、前記供給部に残存する電力量を示す情報を送信するときの第1送信出力よりも小さい第2送信出力で前記供給部に残存する電力量を示す情報を前記通信装置に送信するように、前記制御部は前記通信部を制御する、請求項5または請求項6に記載の在庫管理機器。
【請求項8】
前記制御部が再び停止して起動した時点から前記供給部の電力量が第2所定電力量になるまでの第3所定時間を前記計時部が計時した場合、前記制御部は前記供給部に残存する電力量を示す情報を前記第2送信出力で前記通信装置に送信するように前記通信部を制御し、
前記第2所定電力量は、前記通信部が前記通信装置と前記第2送信出力で通信可能な電力量を示す、請求項7に記載の在庫管理機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の在庫管理装置は、食品がトレーに収納されているか否かをセンサーにより検知する。センサーの検知結果は、在庫管理装置の操作者(ユーザー)に報知される。したがって、ユーザーは、食品の在庫状況を把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1には、電池の電力により動作する在庫管理装置が開示されている。特許文献1に示す在庫管理装置を動作させると、電池は消耗する。電池は、電池の消耗が進むことによって、在庫管理装置を動作させるのに十分な電力を出力できなくなる。電池が十分な電力を出力できなくなった場合、在庫管理装置の動作は停止する。
【0005】
在庫管理装置が動作できる期間は、電池の消耗の速さに依存する。電池の消耗の速さは、電池が在庫管理装置に瞬間的に出力する電力量の最大値、および、電池が在庫管理装置に平均的に出力する電力量という2つの要素によって定まる。電池が在庫管理装置に瞬間的に出力する電力量の最大、および、電池が在庫管理装置に平均的に出力する電力量という2つの要素の少なくとも一方を大きな値に設定することで、電池の消耗の速さが大きくなり、在庫管理装置が長期間にわたって動作できないという問題が生じる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、長期間にわたって動作する在庫管理機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、在庫管理機器は、検知部と、通信部と、供給部と、供給制御部とを備える。検知部は、載置台に載置された材料を検知する。通信部は、通信装置と通信する。供給部は、検知部と通信部とに電力を供給する。供給制御部は、供給部を制御する。供給制御部は、通信部が通信装置と通信する場合、検知部への電力の供給を停止するように、供給部を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の在庫管理機器によれば、検知部および通信部が同時に動作することがなく、検知部および通信部が同時に動作する場合よりも、供給部が瞬間的に出力する電力量の最大値が小さい。したがって、本発明の在庫管理機器は、検知部および通信部が同時に動作する在庫管理機器よりも長期間にわたって動作する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る在庫管理システムの一例を示す概略図である。
【
図2】実施形態に係る在庫管理システムの一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る在庫管理機器の断面図である。
【
図4A】実施形態に係る在庫管理機器の制御部が第1の検知部を制御するのを概略的に示すブロック図である。
【
図4B】実施形態に係る在庫管理機器の制御部が第2の検知部を制御するのを概略的に示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係る在庫管理機器の処理の前段を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る在庫管理機器の処理の後段を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
まず、実施形態における在庫管理システム100について、
図1および
図2を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る在庫管理システム100の一例を示す概略図である。
図2は、実施形態に係る在庫管理システム100の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1および
図2に示すように、在庫管理システム100は、在庫管理機器1と、保管庫2と、通信端末4と、クラウドサーバー50とを含む。保管庫2は、在庫管理機器1を収納する。通信端末4と、クラウドサーバー50とは、保管庫2の外部に配置される。
【0013】
在庫管理機器1は、在庫管理機能を備える。在庫管理機能は、在庫管理対象の材料3の有無を検知して、材料3の有無についての検知結果を在庫管理機器1のユーザー9に報知する機能である。
【0014】
在庫管理対象の材料3は、在庫管理機器1の上に載置することができる物品である。具体的には、例えば、在庫管理対象の材料3は、卵などの食材、または、内部に飲料が収められた飲料容器などの容器を含む。
図1では、材料3として飲料容器を例示している。
【0015】
保管庫2は、例えば、食品を冷蔵する冷蔵庫を含む。保管庫2は、無線LAN(Local Area Network)ルーター51を介して、クラウドサーバー50と通信可能に接続されている。クラウドサーバー50は、通信端末4と通信可能に接続されている。通信端末4は、各種の情報をユーザー9に報知する。
【0016】
図2に示すように、保管庫2は、本体制御部21と、本体記憶部22と、無線通信部23とを有する。
【0017】
本体制御部21は、MPU(Micro Processing Unit)、および、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーと、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)のようなメモリーとを含む。本体制御部21は、ROMに記憶された制御プログラムをプロセッサーが実行することにより、各種の情報処理を実行する。
【0018】
本体記憶部22は、例えば、RAM、または、フラッシュメモリーなどの記憶装置を含む。本体記憶部22は、本体制御部21による制御プログラムの実行によって生成されるデーターなどを記憶する。
【0019】
無線通信部23は、無線通信を行う通信機である。無線通信部23は、例えば、近距離無線通信を実行する。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、または、Bluetooth Low Energy、または、ZigBee(登録商標)、または、Wi-Fi(登録商標)による通信規格に準じた通信である。
【0020】
無線通信部23は、在庫管理機器1と通信を行う。また、無線通信部23は、無線LANルーター51を介してクラウドサーバー50と通信を行う。なお、無線通信部23は、保管庫2の本体に内蔵されていても良く、また、保管庫2の本体に外付けされる通信アダプタに設けられていても良い。無線通信部23は、本発明の「通信装置」の一例に相当する。
【0021】
クラウドサーバー50は、各種情報処理および各種情報通信を行うサーバー装置である。クラウドサーバー50は、通信端末4と通信を行う。
【0022】
通信端末4は、例えば、スマートフォンその他の携帯情報通信端末を含む。通信端末4は、端末制御部41と、端末記憶部42と、端末表示部43と、端末通信部44とを含む。なお、端末制御部41と、端末記憶部42と、端末通信部44との主な構成は、保管庫2の本体制御部21と、本体記憶部22、無線通信部23と同様のため説明を省略する。
【0023】
通信端末4は、クラウドサーバー50が送信した信号を端末通信部44で受信する。端末通信部44で受信した信号に含まれる情報は、端末表示部43に表示される。端末表示部43は、画像を表示する画面である。端末表示部43は、端末通信部44で受信した信号に含まれる情報の画像を表示することで、受信した情報をユーザー9に報知する。なお、端末表示部43は、端末通信部44で受信した情報をユーザー9に報知することができれば、どのような構成であっても良い。例えば、端末表示部43は、音で情報をユーザー9に報知するスピーカーなどであってもよい。
【0024】
図3から
図4Bを参照して、実施形態に係る在庫管理機器1を説明する。
図3は、実施形態に係る在庫管理機器1の断面図である。
図4Aは、実施形態に係る在庫管理機器1の制御部16が第1の検知部111を制御するのを概略的に示すブロック図である。
図4Bは、実施形態に係る在庫管理機器1の制御部16が第2の検知部112を制御するのを概略的に示すブロック図である。
【0025】
図3に示す在庫管理機器1は、在庫管理対象の材料3の有無を検知する。在庫管理機器1は、材料3が載置された場合、材料3が有ることを検知する。一方で、在庫管理対象の材料3が在庫管理機器1に載置されていない場合、在庫管理機器1は、材料3を検知しない。
【0026】
図3に示すように、在庫管理機器1は、トレー10と、検知部11と、通信部12と、供給部13と、供給制御部14と、記憶部15と、制御部16と、計時部17とを備える。トレー10は、空間を内部10Aに有する箱である。トレー10の内部10Aには、検知部11と、通信部12と、供給部13と、供給制御部14と、記憶部15と、制御部16と、計時部17とが収容される。供給部13は、供給制御部14を介して、検知部11に電力を供給する。また、供給部13は、通信部12と、制御部16とに電力を供給する。供給制御部14は、供給部13を制御する。制御部16は、検知部11と、通信部12と、供給制御部14と、記憶部15とを制御する。通信部12は、記憶部15の記憶している情報を無線通信部23に無線で送信する。計時部17は、時間の経過を制御部16に出力する。
【0027】
トレー10は、天壁101を有する。天壁101には、トレー10の内部10Aと外部とを連通する貫通孔10Bが設けられている。天壁101は、外部と接する天面102を有する。天面102には、貫通孔10Bを外部から塞ぐように材料3が載置される。トレー10は、本発明の「載置台」の一例に相当する。
【0028】
検知部11は、トレー10の天面102に材料3が載置されているか否かを検知するセンサーである。検知部11は、近接センサー、または、測距センサーを含む。
図1に示す検知部11は、光学式の測距センサーを例示している。検知部11は、光を発する発光部11Aと、光を受ける受光部11Bとを有する。発光部11Aが発した光は、トレー10の貫通孔10Bを通過して、トレー10の外部に出る。天面102に材料3が載置されている場合、貫通孔10Bを通過した光は、材料3に当たって反射する。材料3に反射された光は、再び貫通孔10Bを通過して、受光部11Bに達する。検知部11は、受光部11Bが発光部11Aの発した光を受けることによって材料3が有ることを検知する。なお、近接センサーおよび測距センサーは光学式に限らない。
【0029】
また、検知部11は、トレー10の天面102に材料3が載置されているか否かを検知することができれば、どのような物理量を検知するセンサーを使用しても構わない。例えば、材料3は重量を有するため、重量を検知する重量センサー、または、圧力を検知する感圧センサーを検知部11として用いてもよい。そして、例えば、材料3は、材料3の種類によって異なる色を有するため、色を識別する光学センサーを検知部11として用いてもよい。
【0030】
更に、材料3が貫通孔10Bを覆うように天面102に載置されることによって、トレー10の内部10Aが暗くなる。したがって、トレー10の内部10A環境の明暗を検知する照度センサーを検知部11として用いてもよい。また、検知部11として照度センサーを用いた場合、在庫管理機器1が例えば冷蔵庫の中などの暗い環境で使用される場合に材料3の検知以外の用途にも使用できるという利点がある。具体的には、扉が閉まっている冷蔵庫の中の環境は暗いが、ユーザー9が冷蔵庫を開けて冷蔵庫の中の環境が明るくなったことを検知することによって、検知部11に材料3の検知を実行させるためのトリガーとしても使用できる。
【0031】
検知部11は、電力が供給されることで起動する。起動した検知部11は、待機状態となる。待機状態は、検知部11が材料3の検知を実行しない状態を示す。待機状態の検知部11は、制御部16が材料3の検知を実行するように検知部11を制御した場合、待機状態から検知状態に切り替わる。検知状態は、検知部11が材料3の検知を実行する状態を示す。検知状態の検知部11は、材料3の検知を実行するため、待機状態の場合と比較して大きな電力量を消費する。したがって、検知部11が検知状態となっている時間を短くすることで、検知部11が消費する電力量は、検知部11が検知状態である時間を短くした分だけ小さくなる。
【0032】
通信部12は、無線通信部23と通信する。通信部12は、検知部11の検知結果および供給部13に残存する電力量を示す情報の少なくとも一方を含む信号を無線通信部23に送信する。供給部13に残存する電力量については後述する。通信部12の主な構成は、無線通信部23と同様のため説明を省略する。
【0033】
無線通信部23は、通信部12から受信した信号を、
図1および
図2に示す無線LANルーター51およびクラウドサーバー50を介して通信端末4に送信する。通信端末4の端末表示部43は、通信部12が送信した信号を受信することによって、検知部11の結果および供給部13に残存する電力量を示す情報を表示できる。結果として、検知部11の検知結果および供給部13に残存する電力量を示す情報が、ユーザー9に報知される。したがって、ユーザー9は、検知部11の検知結果を参照することで、材料3の補充要否を判断できる。また、ユーザー9は、供給部13に残存する電力量を示す情報を参照することで、供給部13の交換要否を判断できる。
【0034】
供給部13は、電力を出力する。供給部13は、例えば、電池である。検知部11と、通信部12と、制御部16とは、供給部13が出力した電力を供給されることによって起動する。
【0035】
一方で、供給部13は、電力を出力することによって消耗する。消耗した供給部13は、供給部13の出力する電力量が電力を出力する前よりも小さくなる。供給部13の出力する電力量が小さくなることによって、供給部13の出力できる電力量が、検知部11と、通信部12と、制御部16とを動作させる上で必要な電力量よりも小さくなる。検知部11と、通信部12と、制御部16とを起動させる上で必要な電力量よりも供給部13の供給する電力量が小さい場合、制御部16は停止し、検知部11は起動できなくなり、通信部12は無線通信部23と通信できなくなる。したがって、ユーザー9は、供給部13の交換などの処置を供給部13が十分な電力量を出力できなくなる前に行う必要がある。
【0036】
供給部13に対して交換などの処置を行うか否かの判断は、供給部13に残存する電力量を監視することによって行うことができる。供給部13に残存する電力量は、供給部13の供給する電力量が制御部16を起動する上で必要な電力量よりも小さい場合に、制御部16が停止した回数を目安に推定することができる。
【0037】
供給部13に残存する電力量は、例えば、第1推定値であると推定することができる。第1推定値は、新品の供給部13を使用していて、制御部16が初めて停止した場合に、供給部13に残存すると推定される電力量である。供給部13の電力量は、制御部16が停止した状態で、時間が経過することによって回復する。したがって、制御部16が停止した後に一定時間経過し、供給部13の制御部16に供給する電力量が、制御部16を起動する上で必要な電力量よりも大きな場合に、制御部16は起動する。
【0038】
制御部16が停止して起動した後に、供給部13が制御部16に供給する電力量が、制御部16が起動する上で必要な電力量よりも小さい場合、制御部16は再び停止する。制御部16が再び停止した場合、供給部13に残存する電力量は、第1推定値よりも小さい第2推定値であると推定することができる。第2推定値は、停止して起動した制御部16が再び停止した場合に、供給部13に残存すると推定される電力量である。なお、第1推定値および第2推定値は、数値ではなく、それぞれ「残存電力量低」および「残存電力量無」と表現してもよい。
【0039】
停止して起動した制御部16が再び停止した場合においても、供給部13の電力量は、制御部16が停止した状態で、時間が経過することによって回復する。したがって、停止して起動した制御部16が再び停止した後に一定時間経過し、供給部13の制御部16に供給する電力量が、制御部16を起動する上で必要な電力量よりも大きな場合に、制御部16は起動する。
【0040】
供給部13に残存する電力量を導くには、制御部16が停止した回数を目安に導く場合も含めて、供給部13の出力する電力を一定量使用する必要がある。そして、供給部13に残存する電力量は、一般的には、供給部13の出力する電力の電圧を測定することによって導かれる。しかしながら、制御部16の停止有無から供給部13に残存する電力を導く方が、使用する電力量が少ない。
【0041】
供給部13に残存する電力量の導出について具体的に説明する。一般的には、供給部13に残存する電力量は、供給部13の出力する電力をアナログ-デジタル変換回路などを使用することによって導かれる。アナログ-デジタル変換回路は、供給部13の出力する電力をアナログ情報からデジタル情報から変換する。そして、供給部13の出力する電力のデジタル情報に基づいて、供給部13の出力する電力の電圧が測定される。供給部13に残存する電力量は、電圧の測定値に基づいて導かれる。したがって、供給部13に残存する電力量は、制御部16の停止有無から導く方が、アナログ-デジタル変換回路などを使用することがないため、供給部13の出力する電力から導く場合よりも少ない電力量で導くことができる。結果として、供給部13に残存する電力量は、制御部16の停止有無から導くことで、供給部13の消耗を抑制できる。なお、在庫管理機器1は、アナログ-デジタル変換回路などの供給部13に残存する電力量を測定するための部位を備えていてもよい。
【0042】
供給制御部14は、供給部13を制御する。供給制御部14は、供給部13による検知部11への電力の供給および停止を切り替えるスイッチング機能を発揮する。供給制御部14は、スイッチング機能を発揮するリレーを含む。リレーには、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのトランジスタを含む。供給制御部14は、制御部16の指示に基づいて、スイッチング機能を発揮する。例えば、供給制御部14がMOSFETであった場合、供給制御部14は、供給部13により検知部11へ電力の供給をする指示を制御部16から受け付けることによって、供給部13に検知部11へ電力を供給させる。一方で、供給制御部14は、制御部16から指示がない場合、供給部13が検知部11へ電力を供給するのを停止させる。
【0043】
記憶部15は、検知部11の検知結果と、供給部13に残存する電力量を示す情報と、制御部16が通信部12を制御した履歴とを記憶する。ここで、制御部16が通信部12を制御した履歴は、例えば、制御部16が通信部12を制御した回数、制御部16が通信部12に送信させようとした情報、または、それらの組み合わせなどの情報を含む。そして、供給部13に残存する電力量は、第1推定値および第2推定値を含む。なお、説明の便宜上、以降の説明では、制御部16が通信部12を制御した履歴を「通信履歴」と称する。また、記憶部15の主な構成は、本体記憶部22と同様のため説明を省略する。
【0044】
制御部16は、検知部11と、通信部12と、供給制御部14とを制御する。制御部16の主な構成は、本体制御部21と同様のため説明を省略する。制御部16が起動することによって、在庫管理機器1は、在庫管理機能を発揮する。
【0045】
制御部16は、在庫管理機器1が在庫管理機能を発揮するために、まず、供給部13が検知部11に電力を供給するように、供給制御部14を制御する。電力を供給された検知部11は、待機状態となる。待機状態となった検知部11は、検知状態となることができる。検知部11が材料3の検知を実行した後、検知部11は、材料3の検知結果を制御部16に出力する。材料3の検知結果を入力された制御部16は、制御部16に入力された材料3の検知結果を記憶するように、記憶部15を制御する。
【0046】
検知部11の検知結果を記憶部15が記憶した後、制御部16は、検知部11の検知結果を含む情報を無線通信部23に送信するように、記憶部15および通信部12を制御する。制御部16は、通信部12を制御するときに、通信履歴を記憶するように記憶部15を制御する。また、制御部16は、通信部12が無線通信部23と通信する場合、検知部11への電力の供給を停止するように、供給制御部14を制御する。これにより、供給制御部14は、通信部12が無線通信部23と通信する場合、検知部11への電力の供給を停止するように、供給部13を制御する。したがって、供給部13が瞬間的に出力する電力量の最大値が、検知部11の検知および通信部12の通信が同時に行われる場合よりも小さい。結果として、在庫管理機器1は、検知部11の検知および通信部12の通信が同時に行われる場合よりも長期間にわたって動作することができる。
【0047】
制御部16は、検知部11の状態を切り替える。制御部16は、検知部11の状態を待機状態から検知状態に切り替えるように検知部11を制御する。制御部16は、検知部11が材料3の検知を実行した後に、検知状態から待機状態に検知部11の状態を切り替えるように検知部11を制御する。したがって、検知部11が検知状態となっている時間は、制御部16によって制御される。結果として、制御部16が検知部11の検知状態となっている時間を制御できない場合と比較して、検知部11が検知状態となっている時間を短くすることができる。よって、検知部11が平均的に消費する電力量は、検知部11が検知状態である時間を短くした分だけ小さくなる。
【0048】
好ましくは、
図4Aおよび
図4Bに示すように、在庫管理機器1における検知部11は、複数の検知部からなる。
図4Aおよび
図4Bは、供給部13が複数の検知部に一括して電力を供給するのを模式的に示している。制御部16は、在庫管理機器1が複数の検知部を備える場合、複数の検知部の一の検知部が検知状態となり、複数の検知部のうち他の検知部が待機状態となるように、複数の検知部のそれぞれの状態を切り替える制御を複数の検知部に対して行う。
【0049】
在庫管理機器1における検知部11が複数の検知部を備える場合について具体的に説明する。以下、説明の便宜上、1つの検知部11を「第1の検知部111」と記載し、別の検知部11を「第Nの検知部11N(Nは、2以上の整数)」と記載し、複数の検知部をまとめて検知部11と記載する場合がある。
【0050】
まず、
図4Aに示すように、制御部16は、検知部11のうち第1の検知部111の状態を待機状態から検知状態に切り替えるように、第1の検知部111を制御する。第1の検知部111が検知状態の場合、他の第Nの検知部11Nは待機状態である。第1の検知部111が材料3の検知を実行した後、制御部16は、第1の検知部111が検知状態から待機状態に切り替わるように、第1の検知部111を制御する。
【0051】
次に、
図4Bに示すように、制御部16は、検知部11のうち第2の検知部112の状態を待機状態から検知状態に切り替えるように、第2の検知部112を制御する。第2の検知部112が材料3の検知を実行した後、制御部16は、第2の検知部112が検知状態から待機状態に切り替わるように、第2の検知部112を制御する。更に、図示しないが、以降同様に、制御部16は、第1の検知部111または第Nの検知部11Nの状態を待機状態から検知状態に切り替える制御を行う。このとき、第Nの検知部11Nが検知状態の場合、制御部16は、検知状態にある第Nの検知部11N以外を待機状態とする。したがって、供給部13が瞬間的に出力する電力量の最大値、および、供給部13が平均的に出力する電力量は、制御部16が第1の検知部111および第Nの検知部11Nのうち二以上を同時に検知状態とするように検知部11を制御する場合と比較して、小さくなる。結果として、制御部16が検知部11を構成する検知部の状態を一ずつ切り替える方が、検知部11を構成する検知部の状態を複数同時に検知状態とする場合と比較して、供給部13の消耗を低減できる。
【0052】
図3に示すように、制御部16は、検知結果を含む情報を通信部12が送信した後に、通信履歴を削除するように記憶部15制御する。つまり、通信部12が情報の送信を完了する前に制御部16が停止した場合、通信履歴は記憶部15から削除されない。したがって、制御部16の停止有無の判定、および、制御部16が停止した回数の判定に使用することができる。なお、制御部16の停止有無、および、制御部16の停止回数の判定をできれば、制御部16は、通信履歴の記憶、および、通信履歴の削除をするように、記憶部15を制御しなくてもよい。例えば、制御部16は、制御部16が停止した場合、制御部16が停止した履歴を記憶部15が記憶するように、記憶部15を制御してもよい。このような場合、制御部16は、制御部16の一部であるメモリーに、制御部16が停止した履歴を記憶しても構わない。
【0053】
制御部16が停止して起動した場合、制御部16は、検知部11の検知結果、および、供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23に送信するように、通信部12を制御する。通信部12が送信する検知部11の検知結果は、記憶部15が記憶している検知部11の検知結果の内、最も新しい検知結果である。また、通信部12が送信する供給部13に残存する電力量を示す情報は、第1推定値である。
【0054】
制御部16が停止して起動した場合、制御部16は、記憶部15および通信部12以外を起動させることなく、検知部11の検知結果および供給部13に残存する電力量を示す情報を、無線通信部23に送信する。したがって、在庫管理機器1は、制御部16が停止して起動した場合、検知部11、および、供給部13に残存する電力量を測定するための部位を起動させることがない。結果として、通信部12が供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23に送信することが完了する前に、検知部11、および、供給部13に残存する電力量を測定させるための部位を起動させるために供給部13の電力を消費することによって、制御部16が停止することを回避できる。よって、供給部13に残存する電力量を示す情報がユーザー9に報知される。結果として、ユーザー9は、供給部13の交換の要否などを判断できる。ユーザー9が供給部13の交換を判断した場合、在庫管理機器1は、更に長い期間にわたって動作できる。
【0055】
停止して起動した制御部16が再び停止して起動した場合、制御部16は、検知部11の検知結果および供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23に送信するように、記憶部15および通信部12を制御する。停止して起動した制御部16が再び停止して起動した場合、通信部12が送信する検知部11の検知結果は、記憶部15が記憶している検知部11の検知結果の内、最も新しい検知結果である。また、通信部12が送信する供給部13に残存する電力量を示す情報は、第2推定値である。
【0056】
停止して起動した制御部16が再び停止して起動した場合、制御部16は、供給部13に残存する電力量を示す情報を送信するときの出力である第1送信出力よりも小さい第2送信出力で供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23に送信するように通信部12を制御する。したがって、通信部12は、第1送信出力で送信する場合よりも小さい電力量で、供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23に送信する。結果として、停止して起動した制御部16が再び停止する程度に供給部13に残存する電力量が少ない場合においても、通信部12が供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23が送信するのを完了する前に、制御部16が停止することを回避できる。よって、供給部13に残存する電力量を示す情報がユーザー9に報知される。結果として、ユーザー9は、供給部13の交換の要否などを判断できる。ユーザー9が供給部13の交換を判断した場合、在庫管理機器1は、更に長い期間にわたって動作できる。
【0057】
計時部17は、時間を計時する。
【0058】
制御部16は、計時部17が第1所定時間を計時した場合、供給部13が検知部11へ電力を供給するように供給制御部14を制御する。第1所定時間は、供給部13による検知部11への電力の供給を停止した時点から、供給部13による検知部11への電力の供給を再開するまでの時間である。したがって、第1所定時間が長いほど、供給部13が検知部11に電力を供給するのを停止する時間が長くなり、供給部13が供給する電力量を小さくできる。
【0059】
次に、制御部16は、供給部13より電力を供給された検知部11が材料3の検知を実行した後、供給部13による検知部11への電力の供給を停止するように供給制御部14を制御する。更に、制御部16は、供給部13が検知部11への電力の供給を停止した場合に、検知部11の検知結果を通信部12が無線通信部23に送信するように通信部12を制御する。
【0060】
制御部16が、計時部17の計時する第1所定時間に基づいて供給制御部14を制御することで、第1所定時間が経過するまで、供給部13が検知部11へ電力を供給することを停止する。結果として、供給部13が検知部11に継続して電力を供給している場合と比較して、供給部13が平均的に出力する電力量は小さくなる。
【0061】
第1所定時間としては、具体的に15分が設定される。したがって、検知部11は15分ごとに材料3の有無の検知を実行する。結果として、在庫管理機器1は、15分ごとに在庫管理機能を発揮する。第1所定時間は、材料3の有無の変化頻度に合わせて設定される。なお、第1所定時間は供給部13による検知部11への電力の供給を停止した時点から計時する説明した。しかし、第1所定時間は、供給部13による検知部11への電力の供給を停止した時点を厳密に計時の開始時点とする必要はなく、供給部13による検知部11への電力の供給を停止した時点を単に第1所定時間の計時を開始する目安としてもよい。
【0062】
制御部16は、第2所定時間を計時部17が計時した場合、供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23に送信するように通信部12を制御する。ここで、第2所定時間は、制御部16が停止して起動した時点から供給部13の電力量が第1所定電力量になるまでの時間である。第1所定電力量は、通信部12が無線通信部23と通信可能な電力量を示す。したがって、供給部13が通信部12に供給できる電力量が低下した場合でも、供給部13に残存する電力量を示す情報をユーザー9に報知することができる。結果として、ユーザー9は、供給部13に残存する電力量が小さいことを認識して、供給部13の交換要否を判断できる。ユーザー9が供給部13を交換した場合、更に長い期間にわたって在庫管理機器1は動作できる。
【0063】
第2所定時間としては、具体的には30分が設定される。したがって、通信部12は、制御部16が停止して起動した時点から30分後に、供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23に送信する。第2所定時間は、供給部13の回復する速さの性能に合わせて設定される。なお、第2所定時間は制御部16が停止して起動した時点から計時すると説明した。しかし、第2所定時間は、制御部16が停止して起動した時点を厳密に計時の開始時点とする必要はなく、制御部16が停止して起動した時点を単に第2所定時間の計時を開始する目安としてもよい。
【0064】
停止して起動した制御部16が再び停止して起動した後、制御部16は、第3所定時間を計時部17が計時した場合、供給部13に残存する電力量を示す情報を第2送信出力で無線通信部23に送信するように通信部12を制御する。ここで、第3所定時間は、停止して起動した制御部16が再び停止して起動した時点から供給部13の電力量が第2所定電力量になるまでの時間である。第2所定電力量は、通信部12が無線通信部23と第2送信出力で通信可能な電力量を示す。したがって、供給部13の出力できる電力量が再度低下した場合でも、ユーザー9に供給部13に残存する電力量を示す情報を報知できる。結果として、通信部12が無線通信部23に情報を送信するのに十分な電力量が供給部13にあるうちに、ユーザー9は、供給部13に残存する電力量を示す情報を認識することができる。
【0065】
第3所定時間としては、具体的には60分が設定される。したがって、通信部12は、停止して起動した制御部16が再び停止して起動した時点から60分後に、供給部13に残存する電力量を示す情報を無線通信部23に送信する。第3所定時間も、供給部13の回復する速さの性能に合わせて設定される。なお、第3所定時間は、停止して起動した制御部16が再び停止して起動した時点から計時すると説明した。しかし、第3所定時間は、停止して起動した制御部16が再び停止して起動した時点を厳密に計時の開始時点とする必要はなく、停止して起動した制御部16が再び停止して起動した時点を単に第3所定時間の計時を開始する目安としてもよい。
【0066】
次に、
図3、
図5および
図6を参照して、在庫管理機器1の処理を説明する。
図5は、実施形態に係る在庫管理機器1の処理の前段を示すフローチャートである。
図6は、実施形態に係る在庫管理機器1の処理の後段を示すフローチャートである。在庫管理機器1の処理は、ステップS1からステップS19を含む。なお、本フローチャートでは、簡略化のため検知部11が1つの検知部からなる場合としている。検知部11が複数の検知部を有する場合は、各検知部に対してステップS5からステップS7を順次実行すればよい。
【0067】
図5に示すように、ステップS1において、供給部13は、制御部16に電力を供給する。電力を供給された制御部16は、起動する。起動した制御部16は、供給部13が検知部11への電力の供給を停止するように、供給制御部14を制御する。
【0068】
次に、ステップS2において、制御部16は、制御部16が停止したか否かを判定する。制御部16は、記憶部15が通信履歴を記憶していなければ、制御部16が停止していないと判定する。ステップS2で否定判定(No)された場合は、すなわち、記憶部15が通信履歴を記憶していない場合、処理はステップS3に進む。
【0069】
次に、ステップS3において、計時部17は、供給部13による検知部11への電力の供給を停止した時点から計時を開始する。計時部17は、第1所定時間が経過した後に、第1所定時間が経過したことを制御部16に出力する。
【0070】
次に、ステップS4において、制御部16は、供給部13により検知部11への電力を供給するように供給制御部14を制御する。電力が供給された検知部11は、待機状態となる。
【0071】
次に、ステップS5において、制御部16は、検知部11が待機状態から検知状態に切り替わるように、検知部11を制御する。検知状態となった検知部11は材料3の検知を実行する。材料3の検知を実行した検知部11は、検知結果を制御部16に出力する。
【0072】
次に、
図6に示すように、ステップS6において、制御部16は、
図5に示すステップS5において検知部11から入力された検知結果を記憶するように、記憶部15を制御する。
【0073】
次に、ステップS7において、制御部16は、検知部11が検知状態から待機状態に切り替わるように、検知部11を制御する。
【0074】
次に、ステップS8において、制御部16は、供給部13による検知部11への電力の供給を停止するように、供給制御部14を制御する。
【0075】
次に、ステップS9において、制御部16は、通信履歴を記憶する。
【0076】
次に、ステップS10において、制御部16は、記憶部15に記憶している検知部11の検知結果を無線通信部23に送信するように、記憶部15および通信部12を制御する。通信部12は、第1送信出力で検知部11の検知結果を無線通信部23に送信する。なお、記憶部15が供給部13に残存する電力量を示す情報を記憶している場合、制御部16は、供給部13に残存する電力量を示す情報も送信するように、記憶部15および通信部12を制御してもよい。供給部13に残存する電力量を示す情報は、あらかじめ記憶部15に記憶させてもよい。また、在庫管理機器1がアナログ-デジタル変換回路などを備えている場合、供給部13の出力する電力の電圧の測定値に基づいて導いた電力量を、供給部13に残存する電力量を示す情報として、あらかじめ記憶部15に記憶させていてもよい。
【0077】
ステップS11以降の処理は、通信部12が情報の送信を完了したか否かによって変わる。ステップS11において、通信部12は情報の送信を完了させた場合、すなわち、肯定判定(Yes)された場合、処理は、ステップS12に進む。
【0078】
次に、ステップS12において、制御部16は、通信履歴を削除するように、記憶部15を制御する。そして、処理は、ステップS3に戻る。
【0079】
一方で、ステップS11において、ステップS11よりも前のステップで、制御部16が停止した場合、すなわち否定判定(No)された場合、処理は終了する。
【0080】
図5に示すステップS2において、制御部16が肯定判定(Yes)した場合の処理について説明する。ステップS2において、制御部16が肯定判定(Yes)した場合、処理はステップS13に進む。
【0081】
ステップS13において、制御部16は、通信履歴を記憶部15から参照して、制御部16が停止した回数が1回か否かを判定する。例えば、通信履歴が、制御部16の通信部12を制御した回数がであった場合、制御部16は、当該回数を制御部16が停止した回数とみなす。ステップS13において、肯定判定(Yes)された場合、処理は、ステップS14に進む。
【0082】
次に、ステップS14において、計時部17は、制御部16が停止して起動した時点から計時を開始する。計時部17は、第2所定時間が経過した後に、第2所定時間が経過したことを制御部16に出力する。
【0083】
次に、ステップS15において、制御部16は、通信履歴を記憶するように記憶部15を制御する。例えば、通信履歴が、制御部16の通信部12を制御した回数であった場合、ステップS15以前のステップS9において、記憶部15に通信履歴を1回記憶しているので、通信履歴を2回とするように記憶部15を制御する。
【0084】
次に、
図6に示すステップS16において、制御部16は、記憶部15に記憶している検知部11の最も新しい検知結果、および、第1推定値を無線通信部23に送信するように、記憶部15および通信部12を制御する。通信部12は、第1送信出力で、検知部11の最も新しい検知結果、および、第1推定値を無線通信部23に送信する。この後、処理は、ステップS11に進む。
【0085】
図5に示すステップS13において、制御部16が否定判定(No)した場合の処理について説明する。ステップS13において、制御部16が否定判定(No)した場合、処理はステップS17に進む。
【0086】
ステップS17において、計時部17は、停止して起動した制御部16が再び停止して起動した時点から計時を開始する。計時部17は、第3所定時間が経過した後に、第3所定時間が経過したことを制御部16に出力する。
【0087】
次に、ステップS18において、制御部16は、通信履歴を記憶するように記憶部15を制御する。例えば、通信履歴が、制御部16の通信部12を制御した回数であった場合、ステップS18以前のステップS9およびステップS15において、通信履歴がそれぞれ1回ずつ記憶されており、記憶部15には、通信履歴が2回記憶されている。したがって、制御部16は、通信履歴を3回とするように記憶部15を制御する。
【0088】
次に、ステップS19において、制御部16は、記憶部15に記憶している検知部11の最も新しい検知結果、および、第2推定値を無線通信部23に送信するように、記憶部15および通信部12を制御する。通信部12は、第2送信出力で、検知部11の最も新しい検知結果、および、第2推定値を無線通信部23に送信する。この後、処理は、ステップS11に進む。
【0089】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の構成から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、在庫管理機器を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0091】
1 :在庫管理機器
2 :保管庫
3 :材料
4 :通信端末
10 :トレー
11 :検知部
12 :通信部
13 :供給部
14 :供給制御部
16 :制御部
17 :計時部
23 :無線通信部
100 :在庫管理システム