(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150063
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】光コネクタ及び該コネクタを利用した光検出方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G02B6/36
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058956
(22)【出願日】2022-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】391005581
【氏名又は名称】三和テクノロジーズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391025730
【氏名又は名称】岡野電線株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000231925
【氏名又は名称】日本コムシス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069213
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 功
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 達人
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 誠人
【テーマコード(参考)】
2H036
【Fターム(参考)】
2H036QA03
2H036QA11
2H036QA43
2H036QA44
2H036QA47
2H036QA57
(57)【要約】
【課題】大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合でも、挿抜が必要な光ケーブルの目視による確認が容易に行い得、作業効率が良く、誤挿抜することもなく、正確な挿抜が行えるようにする。
【解決手段】アダプタ1と、該アダプタ1両端から挿入される一対のプラグ10と、該プラグ10末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタ及び該光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ1及びプラグ10は光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料あるいは透明材料にて形成され、前記アダプタ1内中央部において、両プラグ10中心に各配置されたフェルール13内における光ファイバのコアP端面を互いに偏心しないように調芯してスリーブホルダ2、3内で両フェルール13端面同士を当接保持して形成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面が互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及びプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料、一方前記プラグは透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタ。
【請求項3】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは透明材料、一方前記プラグは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタ。
【請求項4】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及びプラグ全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタ。
【請求項5】
前記光拡散材料の素材は、光透過率が60%以上のポリカーボネート樹脂からなることが好適であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の光コネクタ。
【請求項6】
光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタを利用した光検出方法。
【請求項7】
光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタを利用した光検出方法。
【請求項8】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタを利用した光検出方法。
【請求項9】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタを利用した光検出方法。
【請求項10】
前記光拡散材料の素材は、光透過率が60%以上のポリカーボネート樹脂からなることが好適であることを特徴とする請求項6乃至8に記載の光コネクタを利用した光検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目視によって光ケーブルを識別するための光コネクタ及び該コネクタを利用した光検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルの撤去や増設工事を行う際に、前記光コネクタを光透過性の無い合成樹脂や金属で成形されている場合には、光ファイバ内を伝送する通信光が光コネクタ外部から見えないため、目視によって確認することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合には、挿抜が必要な光ケーブルの確認に手間と時間がかかり、作業効率が悪い上に、誤挿抜するおそれもあった。
【0005】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合でも、挿抜を必要とする光ケーブルの識別が容易に行い得、作業効率が良く、誤挿抜することもなく、確実に挿抜が行えるものとした光コネクタ及び該コネクタを利用した光検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明に係る光コネクタにあっては、アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面が互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料からなるアダプタ及びプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0007】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料、一方前記プラグは透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは透明材料、一方前記プラグは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0009】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及びプラグ全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
前記光拡散材料の素材は、光透過率が60%以上のポリカーボネート樹脂からなることが好適であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る光コネクタを利用した光検出方法にあっては、光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0012】
光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0015】
前記光拡散材料の素材は、光透過率が60%以上のポリカーボネート樹脂からなることが好適であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合でも、挿抜を必要とする光ケーブルの識別が容易に行い得、作業効率が良く、誤挿抜することもなく、確実に挿抜が行えるものである。
【0017】
すなわち、本発明は、アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面が互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料からなるアダプタ及びプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合でも、光拡散性能を有するアダプタとプラグとにより、光コネクタ全体に拡散され外部に発光されるため、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実に行い得、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0018】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料、一方前記プラグは透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、光拡散材料にて形成されたアダプタと、透明材料にて形成されたプラグとにより、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実に行い得、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0019】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは透明材料、一方前記プラグは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、透明材料にて形成されたアダプタと、光拡散材料にて形成されたプラグとにより、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実に行い得、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0020】
前記アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及びプラグ全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、透明材料にて形成されたアダプタとプラグとにより、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実に行い得、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0021】
前記光拡散材料の素材は、光透過率が60%以上のポリカーボネート樹脂からなるので、光コネクタのフェルール内部のコア接続部からピンポイントで漏れた光であっても光アダプタやプラグ全体に拡散され、これによって光コネクタ全体を強く発光させることができ、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実なものとなる。
【0022】
一方、光コネクタを利用した光検出方法にあっては、光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、不使用の光ケーブルを備えたプラグを撤去するとき、あるいは撤去後に光ケーブルを備えたプラグを挿入するとき、光コネクタ外部から挿抜する光ケーブルの目視による確実な識別が可能となるので、アダプタに対するプラグの誤挿抜を確実に防止することができ、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0023】
光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、不使用の光ケーブルを備えたプラグを撤去するとき、あるいは撤去後に光ケーブルを備えたプラグを挿入するとき、光コネクタ外部から挿抜する光ケーブルの目視による確実な識別が可能となるので、アダプタに対するプラグの誤挿抜を確実に防止することができ、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0024】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、不使用の光ケーブルを備えたプラグを撤去するとき、あるいは撤去後に光ケーブルを備えたプラグを挿入するとき、透明材料により形成されたアダプタと、光拡散材料にて形成されたプラグとにより、光コネクタ外部から挿抜する光ケーブルの目視による確実な識別が可能となるので、アダプタに対するプラグの誤挿抜を確実に防止することができ、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0025】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、不使用の光ケーブルを備えたプラグを撤去するとき、あるいは撤去後に光ケーブルを備えたプラグを挿入するとき、透明材料にて形成されたアダプタとプラグとにより、光コネクタ外部から挿抜する光ケーブルの目視による確実な識別が可能となるので、アダプタに対するプラグの誤挿抜を確実に防止することができ、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0026】
前記光拡散材料の素材は、光透過率が60%以上のポリカーボネート樹脂からなるので、光コネクタのフェルール内部のコアの接続部からピンポイントで漏れた光であっても光アダプタやプラグの内部全体に拡散され、これによって光コネクタ全体を強力に発光させることができ、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明を実施するための一形態を示す分解斜視図である。
【
図2】プラグの一例を示し、(a)は平面図、(b)は側断面図、(c)は正面図である。
【
図3】アダプタの一例を示し、(a)は平面図、(b)は平断面図である。
【
図5】本発明の使用例を示すもので、アダプタ内で一対のフェルール端面を当接するプラグ接続時に、光ファイバのコア同士を互いに偏心させないように調芯した状態を示す断面図である。
【
図6】大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備の参考例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明に係る光コネクタの実施の一形態を詳細に説明する。
なお、以下において、SC型の光コネクタについて説明するが、これに限らず、MPO型、LC型などの光コネクタのいずれかであっても、本発明は適用できる。また、光拡散材料のアダプタ1と、光拡散材料の一対のプラグ10との組み合わせとしたり、光拡散材料によるアダプタ1と、透明なプラグ10との組み合わせとしたり、透明のアダプタ1と、光拡散材料の一対のプラグ10との組み合わせとしたり、透明のアダプタ1と、透明な一対のプラグ10との組み合わせとしたりすることができる。
【0029】
<光拡散材料によるアダプタとプラグの組み合せ>
本発明に係る光コネクタは、光拡散材料にて形成された前記アダプタ1と、該アダプタ1両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグ10と、該プラグ10末端に装着された光ケーブルKと、を備えている。
【0030】
前記アダプタ1は、
図3及び
図5に示したように、中央部から二分割された二個一対のスリーブホルダ2、3と、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4と、ハウジング5と、係止片6、先端に係止部7aが内設された係止アーム7との各部品で構成され、全て光拡散材料からなる。
【0031】
一方、前記プラグ10は、
図1、
図2、
図4及び
図5に示すように、ツマミ11と、ツマミ11内に収容されるプラグフレーム12と、プラグフレーム12内の中央部に収容されるフェルール13と、フェルール13を軸方向に付勢するための弾性部材であるスプリング14と、プラグフレーム12内に収容され、フェルール13の軸方向の移動、即ち、抜けを阻止するストッパ15、16と、カシメリング16a、と、ゴムブーツ17と、前記アダプタ1のハウジング5に形成したガイド凹部8に係合するガイド凸部19とを備えている。そして、これら各部品の内、フェルール13、スプリング14、カシメリング16a及びゴムブーツ17以外は全て光拡散材料にて形成されている。
【0032】
前記アダプタ1及びプラグ10の光拡散性材料は、熱可塑性樹脂に分類されるポリカーボネート樹脂が好適である。このポリカーボネート樹脂は、熱可塑性プラスチックの一種で、モノマー単位同士の接合部は、全てカーボネート基(-O-(C=O)-O-)で構成され、色は光透過率60%以上の樹脂で、この優れた光拡散性の他に、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、寸法安定性などにおいて、高い物性を示す。
【0033】
そこで、
図1、
図4及び
図5に示すように、前記プラグ10をアダプタ1のハウジング5内に挿入すると、プラグフレーム12内に収容されるフェルール13がスプリング14の軸方向に付勢移動しながら、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4に挿入され、プラグフレーム12外壁の被係止部18が、スリーブホルダ2、3の外側に対向して配置された各係止アーム7先端に内設された係止部7aに係止される。このとき、両フェルール13の端面同士がスリーブホルダ2、3に内挿された割りスリーブ4内中央部で当接保持される。
【0034】
こうして、
図5に示すように、前記両プラグ10中心に各配置されたフェルール13内における光ファイバのコアP端面が、光拡散材料からなるアダプタ1のスリーブホルダ2、3の割りスリーブ4内で互いに偏心しないように調芯された状態で両フェルール13の端面同士が当接保持された構造となる。
【0035】
次に、以上のように構成された形態についての光検出方法の一例について説明する。
【0036】
図1~
図5はSC型コネクタであるが、MPO型コネクタの場合について
図6を用いて説明すると、光拡散材料からなるアダプタ1に対してそれぞれ光拡散材料からなるプラグ10が密になって配置されるデータセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルKの撤去や増設工事を行う際に、挿抜する光ケーブルKの識別作業を行う場合、予め光ファイバのコアP端面が偏心しないように調芯して一対のプラグ10のフェルール13端面同士を当接保持しておき、その後当該光ケーブルKに赤色光を入射する。
【0037】
このようにして光ケーブルKから入射した赤色光は、スリーブホルダ3に内挿された割りスリーブ4内においてコアP端面の当接保持部でピンポイントで漏れるに過ぎないが、光拡散材料のアダプタ1と拡散材料のプラグ10として光透過率が高く優れた光拡散性能を有するポリカーボネート樹脂などからなる光拡散材料を使用しているため、前記当接保持部から漏れた赤色光は光アダプタ1及びプラグ10全体に拡散されて光コネクタの外部に発光される。
【0038】
これによって光コネクタ全体が強力に赤色発光されるため、大型の光通信関連設備で接続されている沢山の光ケーブル全体から例え挿脱が必要な一本の光ケーブルKであっても目視により確実に識別することができる。
【0039】
<光拡散材料によるアダプタと透明なプラグの組み合せ>
次に、本発明に係る光コネクタは、
図1に示すように、光拡散材料にて形成されたアダプタ1と、該アダプタ1両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグ10と、該プラグ10末端に装着された光ケーブルKと、を備えている。
【0040】
前記アダプタ1は、
図3及び
図5に示したように、中央部から二分割された二個一対のスリーブホルダ2、3と、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4と、ハウジング5と、係止片6、先端に係止部7aが内設された係止アーム7との各部品で構成され、各部品全てが光拡散材料からなる。
【0041】
一方、前記プラグ10は、
図1、
図2、
図4及び
図5に示すように、ツマミ11と、ツマミ11内に収容されるプラグフレーム12と、プラグフレーム12内の中央部に収容されるフェルール13と、フェルール13を軸方向に付勢するための弾性部材であるスプリング14と、プラグフレーム12内に収容され、フェルール13の軸方向の移動、即ち、抜けを阻止するストッパ15、16と、カシメリング16a、と、ゴムブーツ17と、前記透明材料にて形成されたアダプタ1のハウジング5に形成したガイド凹部8に係合するガイド凸部19とを備えている。そして、これら各部品の内、フェルール13、スプリング14、カシメリング16a及びゴムブーツ17以外は全て透明材料にて形成されている。
【0042】
そこで、
図1、
図4及び
図5に示すように、前記透明材料にて形成されたプラグ10を光拡散材料にて形成されたアダプタ1のハウジング5内に挿入すると、プラグフレーム12内に収容されるフェルール13がスプリング14の軸方向に付勢移動しながら、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4に挿入され、プラグフレーム12外壁の被係止部18が、スリーブホルダ2、3の外側に対向して配置された各係止アーム7先端に内設された係止部7aに係止される。このとき、両フェルール13の端面同士がスリーブホルダ2、3に内挿された割りスリーブ4内中央部で当接保持される。
【0043】
こうして、
図5に示すように、前記両プラグ10中心に各配置されたフェルール13内における光ファイバのコアP端面が、光拡散材料にて形成されたアダプタ1のスリーブホルダ2、3の割りスリーブ4内で互いに偏心しないように調芯された状態で両フェルール13の端面同士が当接保持された構造となる。
【0044】
次に、以上のように構成された形態についての光検出方法の一例について説明する。
【0045】
図1~
図5はSC型コネクタであるが、MPO型コネクタの場合について
図6を用いて説明すると、光拡散材料にて形成されたアダプタ1に対してそれぞれ透明材料にて形成されたプラグ10が密になって配置されるデータセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルKの撤去や増設工事を行う際に、挿抜する光ケーブルKの識別作業を行う場合、予め光ファイバのコアP端面が偏心しないように調芯して一対のプラグ10のフェルール13端面同士を当接保持しておき、その後当該光ケーブルKに赤色光を入射する。
【0046】
前記アダプタ1として光透過率が高く優れた光拡散性能を有するポリカーボネート樹脂などからなる光拡散材料を、前記プラグ10として透明材料を使用しているため、スリーブホルダ3に内挿された割りスリーブ4内においてコアP端面の当接保持部でピンポイントで漏れた赤色光は透明な光アダプタ1及びプラグ10の全体に拡散される。
【0047】
これによって光ケーブルKに入射した赤色光は光コネクタ全体から外部に発光されるため、大型の光通信関連設備で接続されている沢山の光ケーブル全体から例え挿脱が必要な一本の光ケーブルKであっても目視により確実に識別することができる。
【0048】
<透明なアダプタと光拡散材料のプラグの組み合せ>
次に、本発明に係る光コネクタは、
図1に示すように、透明材料にて形成されたアダプタ1と、該アダプタ1両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグ10と、該プラグ10末端に装着された光ケーブルKと、を備えている。
【0049】
前記アダプタ1は、
図3及び
図5に示したように、中央部から二分割された二個一対のスリーブホルダ2、3と、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4と、ハウジング5と、係止片6、先端に係止部7aが内設された係止アーム7との各部品で構成され、各部品全てが透明材料からなる。
【0050】
一方、前記プラグ10は、
図1、
図2、
図4及び
図5に示すように、ツマミ11と、ツマミ11内に収容されるプラグフレーム12と、プラグフレーム12内の中央部に収容されるフェルール13と、このフェルール13を軸方向に付勢するための弾性部材であるスプリング14と、プラグフレーム12内に収容され、フェルール13の軸方向の移動、即ち、抜けを阻止するストッパ15、16と、カシメリング16a、と、ゴムブーツ17と、前記透明なアダプタ1のハウジング5に形成したガイド凹部8に係合するガイド凸部19とを備えている。そして、これら各部品の内、フェルール13、スプリング14、カシメリング16a及びゴムブーツ17以外は全て光拡散材料にて形成されている。
【0051】
そこで、
図1、
図4及び
図5に示すように、前記光拡散材料からなるプラグ10を透明材料からなるアダプタ1のハウジング5内に挿入すると、プラグフレーム12内に収容されるフェルール13がスプリング14の軸方向に付勢移動しながら、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4に挿入され、プラグフレーム12外壁の被係止部18が、スリーブホルダ2、3の外側に対向して配置された各係止アーム7先端に内設された係止部7aに係止される。このとき、両フェルール13の端面同士がスリーブホルダ2、3に内挿された割りスリーブ4内中央部で当接保持される。
【0052】
こうして、
図5に示すように、前記両プラグ10中心に各配置されたフェルール13内における光ファイバのコアP端面が、透明材料からなるアダプタ1のスリーブホルダ2、3の割りスリーブ4内で互いに偏心しないように調芯された状態で両フェルール13の端面同士が当接保持された構造となる。
【0053】
次に、以上のように構成された形態についての光検出方法の一例について説明する。
【0054】
図1~
図5はSC型コネクタであるが、MPO型コネクタの場合について
図6を用いて説明すると、透明材料からなるアダプタ1に対してそれぞれ光拡散材料からなるプラグ10が密になって配置されるデータセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルKの撤去や増設工事を行う際に、挿抜する光ケーブルKの識別作業を行う場合、予め光ファイバのコアP端面が偏心しないように調芯して一対のプラグ10のフェルール13端面同士を当接保持しておき、その後当該光ケーブルKに赤色光を入射する。
【0055】
前記プラグ10として光透過率が高く優れた光拡散性能を有するポリカーボネート樹脂などからなる光拡散材料を、前記アダプタ1として透明材料を使用しているため、スリーブホルダ3に内挿された割りスリーブ4内においてコアP端面の当接保持部でピンポイントで漏れた赤色光は透明な光アダプタ1及びプラグ10の全体に拡散される。
【0056】
これによって光ケーブルKに入射した赤色光は光コネクタ全体から外部に発光されるため、大型の光通信関連設備で接続されている沢山の光ケーブル全体から例え挿脱が必要な一本の光ケーブルKであっても目視により確実に識別することができる。
【0057】
<透明なアダプタと、透明なプラグの組み合せ>
次に、本発明に係る光コネクタは、
図1に示すように、透明材料にて形成されたアダプタ1と、該アダプタ1両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグ10と、該プラグ10末端に装着された光ケーブルKと、を備えている。
【0058】
また、前記アダプタ1は、
図3及び
図5に示したように、中央部から二分割された二個一対のスリーブホルダ2、3と、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4と、ハウジング5と、係止片6、先端に係止部7aが内設された係止アーム7との各部品で構成され、各部品全体が透明材料からなる。
【0059】
一方、前記プラグ10は、
図1、
図2、
図4及び
図5に示すように、ツマミ11と、ツマミ11内に収容されるプラグフレーム12と、プラグフレーム12内の中央部に収容されるフェルール13と、このフェルール13を軸方向に付勢するための弾性部材であるスプリング14と、プラグフレーム12内に収容され、フェルール13の軸方向の移動、即ち、抜けを阻止するストッパ15、16と、カシメリング16a、と、ゴムブーツ17と、前記透明なアダプタ1のハウジング5に形成したガイド凹部8に係合するガイド凸部19とを備えている。そして、これら各部品の内、フェルール13、スプリング14、カシメリング16a及びゴムブーツ17以外の全てが透明材料にて形成されている。
【0060】
そこで、
図1、
図4及び
図5に示すように、前記透明材料からなるプラグ10を透明材料からなるアダプタ1のハウジング5内に挿入すると、プラグフレーム12内に収容されるフェルール13がスプリング14の軸方向に付勢移動しながら、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4に挿入され、プラグフレーム12外壁の被係止部18が、スリーブホルダ2、3の外側に対向して配置された各係止アーム7先端に内設された係止部7aに係止される。このとき、両フェルール13の端面同士がスリーブホルダ2、3に内挿された割りスリーブ4内中央部で当接保持される。
【0061】
こうして、
図5に示すように、前記両プラグ10中心に各配置されたフェルール13内における光ファイバのコアP端面が、透明材料からなるアダプタ1のスリーブホルダ2、3の割りスリーブ4内で互いに偏心しないように調芯された状態で両フェルール13の端面同士が当接保持された構造となる。
【0062】
尚、前記透明材料を使用したアダプタ1及びプラグ10は、例えば透明アクリル樹脂等が採用される。
【0063】
次に、以上のように構成された形態についての光検出方法の一例について説明する。
【0064】
図1~
図5はSC型コネクタであるが、MPO型コネクタの場合について
図6を用いて説明すると、透明材料からなるアダプタ1に対してそれぞれ透明材料からなるプラグ10が密になって配置されるデータセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルKの撤去や増設工事を行う際に、挿抜する光ケーブルKの識別作業を行う場合、予め光ファイバのコアP端面が偏心しないように調芯して一対のプラグ10のフェルール13端面同士を当接保持しておき、その後当該光ケーブルKに赤色光を入射する。
【0065】
このようにして光ケーブルKから入射した赤色光は、スリーブホルダ3に内挿された割りスリーブ4内においてコアP端面の当接保持部からピンポイントで漏れ、透明な光アダプタ1及びプラグ10全体に透過されて光コネクタ外部に発光される。
【0066】
これによって大型の光通信関連設備で接続されている沢山の光ケーブル全体から例え挿脱が必要な一本の光ケーブルKであっても目視により確実に識別することができる。
【符号の説明】
【0067】
K 光ケーブル
P コア
S 矢印
1 アダプタ
2、3 スリーブホルダ
4 割りスリーブ
5 ハウジング
6 係止片
7 係止アーム
7a 係止部
8 ガイド凹部
10 プラグ
11 ツマミ
12 プラグフレーム
13 フェルール
14 スプリング
15、16 ストッパ
16a カシメリング
17 ゴムブーツ
18 被係止部
19 ガイド凸部
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面が互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及びプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料、一方前記プラグは透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタ。
【請求項3】
アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは透明材料、一方前記プラグは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタ。
【請求項4】
光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタを利用した光検出方法。
【請求項5】
光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタを利用した光検出方法。
【請求項6】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする光コネクタを利用した光検出方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目視によって光ケーブルを識別するための光コネクタ及び該コネクタを利用した光検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルの撤去や増設工事を行う際に、前記光コネクタを光透過性の無い合成樹脂や金属で成形されている場合には、光ファイバ内を伝送する通信光が光コネクタ外部から見えないため、目視によって確認することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合には、挿抜が必要な光ケーブルの確認に手間と時間がかかり、作業効率が悪い上に、誤挿抜するおそれもあった。
【0005】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合でも、挿抜を必要とする光ケーブルの識別が容易に行い得、作業効率が良く、誤挿抜することもなく、確実に挿抜が行えるものとした光コネクタ及び該コネクタを利用した光検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明に係る光コネクタにあっては、アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面が互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料からなるアダプタ及びプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0007】
アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料、一方前記プラグは透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは透明材料、一方前記プラグは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光コネクタを利用した光検出方法にあっては、光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0010】
光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【0011】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合でも、挿抜を必要とする光ケーブルの識別が容易に行い得、作業効率が良く、誤挿抜することもなく、確実に挿抜が行えるものである。
【0013】
すなわち、本発明は、アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタ及びプラグ双方を光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面が互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料からなるアダプタ及びプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、大型の光通信関連設備で接続されている光ケーブル全体の総量(本数)が多い場合でも、光拡散性能を有するアダプタとプラグとにより、光コネクタ全体に拡散され外部に発光されるため、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実に行い得、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0014】
アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料、一方前記プラグは透明材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、光拡散材料にて形成されたアダプタと、透明材料にて形成されたプラグとにより、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実に行い得、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0015】
アダプタと、該アダプタ両端から挿入される一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタであって、前記アダプタは透明材料、一方前記プラグは光透過率が高く優れた光拡散性能を有する光拡散材料にて形成するとともに、前記アダプタ内の中央部において、前記プラグをその中心部に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯しつつ両フェルールの端面同士を当接保持して形成されてなり、以って前記光ケーブル内に入射した赤色可視光は、その一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグ全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、透明材料にて形成されたアダプタと、光拡散材料にて形成されたプラグとにより、挿抜が必要な光ケーブルの目視による識別が確実に行い得、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0016】
一方、光コネクタを利用した光検出方法にあっては、光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及びプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、不使用の光ケーブルを備えたプラグを撤去するとき、あるいは撤去後に光ケーブルを備えたプラグを挿入するとき、光コネクタ外部から挿抜する光ケーブルの目視による確実な識別が可能となるので、アダプタに対するプラグの誤挿抜を確実に防止することができ、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0017】
光拡散材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記光拡散材料にて形成されたアダプタ及び透明材料にて形成されたプラグの全体に拡散されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、不使用の光ケーブルを備えたプラグを撤去するとき、あるいは撤去後に光ケーブルを備えたプラグを挿入するとき、光コネクタ外部から挿抜する光ケーブルの目視による確実な識別が可能となるので、アダプタに対するプラグの誤挿抜を確実に防止することができ、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【0018】
透明材料にて形成されたアダプタと、該アダプタ両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグと、該プラグ末端に装着された光ケーブルと、を備えた光コネクタを利用した光検出方法であって、前記アダプタ内中央部において、両プラグ中心に各配置されたフェルール内の光ファイバのコア端面を互いに偏心しないように調芯して両フェルール端面同士を当接保持した後、前記光ケーブル内に赤色可視光を入射すると、該可視光の一部が前記光ファイバのコア端面の当接保持部から漏れて前記透明材料にて形成されたアダプタ及び光拡散材料にて形成されたプラグの全体に透過されて発光し、前記光コネクタ全体を外部から目視できるようにしたので、不使用の光ケーブルを備えたプラグを撤去するとき、あるいは撤去後に光ケーブルを備えたプラグを挿入するとき、透明材料により形成されたアダプタと、光拡散材料にて形成されたプラグとにより、光コネクタ外部から挿抜する光ケーブルの目視による確実な識別が可能となるので、アダプタに対するプラグの誤挿抜を確実に防止することができ、作業にかかる稼働が激減するとともに、作業場所が別のフロア間や異なる建物間等、離れている場合は特に作業効率が向上するメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明を実施するための一形態を示す分解斜視図である。
【
図2】プラグの一例を示し、(a)は平面図、(b)は側断面図、(c)は正面図である。
【
図3】アダプタの一例を示し、(a)は平面図、(b)は平断面図である。
【
図5】本発明の使用例を示すもので、アダプタ内で一対のフェルール端面を当接するプラグ接続時に、光ファイバのコア同士を互いに偏心させないように調芯した状態を示す断面図である。
【
図6】大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備の参考例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明に係る光コネクタの実施の一形態を詳細に説明する。
なお、以下において、SC型の光コネクタについて説明するが、これに限らず、MPO型、LC型などの光コネクタのいずれかであっても、本発明は適用できる。また、光拡散材料のアダプタ1と、光拡散材料の一対のプラグ10との組み合わせとしたり、光拡散材料によるアダプタ1と、透明なプラグ10との組み合わせとしたり、透明のアダプタ1と、光拡散材料の一対のプラグ10との組み合わせとしたりすることができる。
【0021】
<光拡散材料によるアダプタとプラグの組み合せ>
本発明に係る光コネクタは、光拡散材料にて形成された前記アダプタ1と、該アダプタ1両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグ10と、該プラグ10末端に装着された光ケーブルKと、を備えている。
【0022】
前記アダプタ1は、
図3及び
図5に示したように、中央部から二分割された二個一対のスリーブホルダ2、3と、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4と、ハウジング5と、係止片6、先端に係止部7aが内設された係止アーム7との各部品で構成され、全て光拡散材料からなる。
【0023】
一方、前記プラグ10は、
図1、
図2、
図4及び
図5に示すように、ツマミ11と、ツマミ11内に収容されるプラグフレーム12と、プラグフレーム12内の中央部に収容されるフェルール13と、フェルール13を軸方向に付勢するための弾性部材であるスプリング14と、プラグフレーム12内に収容され、フェルール13の軸方向の移動、即ち、抜けを阻止するストッパ15、16と、カシメリング16a、と、ゴムブーツ17と、前記アダプタ1のハウジング5に形成したガイド凹部8に係合するガイド凸部19とを備えている。そして、これら各部品の内、フェルール13、スプリング14、カシメリング16a及びゴムブーツ17以外は全て光拡散材料にて形成されている。
【0024】
前記アダプタ1及びプラグ10の光拡散性材料は、熱可塑性樹脂に分類されるポリカーボネート樹脂が好適である。このポリカーボネート樹脂は、熱可塑性プラスチックの一種で、モノマー単位同士の接合部は、全てカーボネート基(-O-(C=O)-O-)で構成され、色は光透過率60%以上の樹脂で、この優れた光拡散性の他に、耐衝撃性、耐熱性、難燃性、寸法安定性などにおいて、高い物性を示す。
【0025】
そこで、
図1、
図4及び
図5に示すように、前記プラグ10をアダプタ1のハウジング5内に挿入すると、プラグフレーム12内に収容されるフェルール13がスプリング14の軸方向に付勢移動しながら、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4に挿入され、プラグフレーム12外壁の被係止部18が、スリーブホルダ2、3の外側に対向して配置された各係止アーム7先端に内設された係止部7aに係止される。このとき、両フェルール13の端面同士がスリーブホルダ2、3に内挿された割りスリーブ4内中央部で当接保持される。
【0026】
こうして、
図5に示すように、前記両プラグ10中心に各配置されたフェルール13内における光ファイバのコアP端面が、光拡散材料からなるアダプタ1のスリーブホルダ2、3の割りスリーブ4内で互いに偏心しないように調芯された状態で両フェルール13の端面同士が当接保持された構造となる。
【0027】
次に、以上のように構成された形態についての光検出方法の一例について説明する。
【0028】
図1~
図5はSC型コネクタであるが、MPO型コネクタの場合について
図6を用いて説明すると、光拡散材料からなるアダプタ1に対してそれぞれ光拡散材料からなるプラグ10が密になって配置されるデータセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルKの撤去や増設工事を行う際に、挿抜する光ケーブルKの識別作業を行う場合、予め光ファイバのコアP端面が偏心しないように調芯して一対のプラグ10のフェルール13端面同士を当接保持しておき、その後当該光ケーブルKに赤色光を入射する。
【0029】
このようにして光ケーブルKから入射した赤色光は、スリーブホルダ3に内挿された割りスリーブ4内においてコアP端面の当接保持部でピンポイントで漏れるに過ぎないが、光拡散材料のアダプタ1と拡散材料のプラグ10として光透過率が高く優れた光拡散性能を有するポリカーボネート樹脂などからなる光拡散材料を使用しているため、前記当接保持部から漏れた赤色光は光アダプタ1及びプラグ10全体に拡散されて光コネクタの外部に発光される。
【0030】
これによって光コネクタ全体が強力に赤色発光されるため、大型の光通信関連設備で接続されている沢山の光ケーブル全体から例え挿脱が必要な一本の光ケーブルKであっても目視により確実に識別することができる。
【0031】
<光拡散材料によるアダプタと透明なプラグの組み合せ>
次に、本発明に係る光コネクタは、
図1に示すように、光拡散材料にて形成されたアダプタ1と、該アダプタ1両端から挿入される透明材料にて形成された一対のプラグ10と、該プラグ10末端に装着された光ケーブルKと、を備えている。
【0032】
前記アダプタ1は、
図3及び
図5に示したように、中央部から二分割された二個一対のスリーブホルダ2、3と、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4と、ハウジング5と、係止片6、先端に係止部7aが内設された係止アーム7との各部品で構成され、各部品全てが光拡散材料からなる。
【0033】
一方、前記プラグ10は、
図1、
図2、
図4及び
図5に示すように、ツマミ11と、ツマミ11内に収容されるプラグフレーム12と、プラグフレーム12内の中央部に収容されるフェルール13と、フェルール13を軸方向に付勢するための弾性部材であるスプリング14と、プラグフレーム12内に収容され、フェルール13の軸方向の移動、即ち、抜けを阻止するストッパ15、16と、カシメリング16a、と、ゴムブーツ17と、前記透明材料にて形成されたアダプタ1のハウジング5に形成したガイド凹部8に係合するガイド凸部19とを備えている。そして、これら各部品の内、フェルール13、スプリング14、カシメリング16a及びゴムブーツ17以外は全て透明材料にて形成されている。
【0034】
そこで、
図1、
図4及び
図5に示すように、前記透明材料にて形成されたプラグ10を光拡散材料にて形成されたアダプタ1のハウジング5内に挿入すると、プラグフレーム12内に収容されるフェルール13がスプリング14の軸方向に付勢移動しながら、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4に挿入され、プラグフレーム12外壁の被係止部18が、スリーブホルダ2、3の外側に対向して配置された各係止アーム7先端に内設された係止部7aに係止される。このとき、両フェルール13の端面同士がスリーブホルダ2、3に内挿された割りスリーブ4内中央部で当接保持される。
【0035】
こうして、
図5に示すように、前記両プラグ10中心に各配置されたフェルール13内における光ファイバのコアP端面が、光拡散材料にて形成されたアダプタ1のスリーブホルダ2、3の割りスリーブ4内で互いに偏心しないように調芯された状態で両フェルール13の端面同士が当接保持された構造となる。
【0036】
次に、以上のように構成された形態についての光検出方法の一例について説明する。
【0037】
図1~
図5はSC型コネクタであるが、MPO型コネクタの場合について
図6を用いて説明すると、光拡散材料にて形成されたアダプタ1に対してそれぞれ透明材料にて形成されたプラグ10が密になって配置されるデータセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルKの撤去や増設工事を行う際に、挿抜する光ケーブルKの識別作業を行う場合、予め光ファイバのコアP端面が偏心しないように調芯して一対のプラグ10のフェルール13端面同士を当接保持しておき、その後当該光ケーブルKに赤色光を入射する。
【0038】
前記アダプタ1として光透過率が高く優れた光拡散性能を有するポリカーボネート樹脂などからなる光拡散材料を、前記プラグ10として透明材料を使用しているため、スリーブホルダ3に内挿された割りスリーブ4内においてコアP端面の当接保持部でピンポイントで漏れた赤色光は透明な光アダプタ1及びプラグ10の全体に拡散される。
【0039】
これによって光ケーブルKに入射した赤色光は光コネクタ全体から外部に発光されるため、大型の光通信関連設備で接続されている沢山の光ケーブル全体から例え挿脱が必要な一本の光ケーブルKであっても目視により確実に識別することができる。
【0040】
<透明なアダプタと光拡散材料のプラグの組み合せ>
次に、本発明に係る光コネクタは、
図1に示すように、透明材料にて形成されたアダプタ1と、該アダプタ1両端から挿入される光拡散材料にて形成された一対のプラグ10と、該プラグ10末端に装着された光ケーブルKと、を備えている。
【0041】
前記アダプタ1は、
図3及び
図5に示したように、中央部から二分割された二個一対のスリーブホルダ2、3と、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4と、ハウジング5と、係止片6、先端に係止部7aが内設された係止アーム7との各部品で構成され、各部品全てが透明材料からなる。
【0042】
一方、前記プラグ10は、
図1、
図2、
図4及び
図5に示すように、ツマミ11と、ツマミ11内に収容されるプラグフレーム12と、プラグフレーム12内の中央部に収容されるフェルール13と、このフェルール13を軸方向に付勢するための弾性部材であるスプリング14と、プラグフレーム12内に収容され、フェルール13の軸方向の移動、即ち、抜けを阻止するストッパ15、16と、カシメリング16a、と、ゴムブーツ17と、前記透明なアダプタ1のハウジング5に形成したガイド凹部8に係合するガイド凸部19とを備えている。そして、これら各部品の内、フェルール13、スプリング14、カシメリング16a及びゴムブーツ17以外は全て光拡散材料にて形成されている。
【0043】
そこで、
図1、
図4及び
図5に示すように、前記光拡散材料からなるプラグ10を透明材料からなるアダプタ1のハウジング5内に挿入すると、プラグフレーム12内に収容されるフェルール13がスプリング14の軸方向に付勢移動しながら、スリーブホルダ2、3内の割りスリーブ4に挿入され、プラグフレーム12外壁の被係止部18が、スリーブホルダ2、3の外側に対向して配置された各係止アーム7先端に内設された係止部7aに係止される。このとき、両フェルール13の端面同士がスリーブホルダ2、3に内挿された割りスリーブ4内中央部で当接保持される。
【0044】
こうして、
図5に示すように、前記両プラグ10中心に各配置されたフェルール13内における光ファイバのコアP端面が、透明材料からなるアダプタ1のスリーブホルダ2、3の割りスリーブ4内で互いに偏心しないように調芯された状態で両フェルール13の端面同士が当接保持された構造となる。
【0045】
次に、以上のように構成された形態についての光検出方法の一例について説明する。
【0046】
図1~
図5はSC型コネクタであるが、MPO型コネクタの場合について
図6を用いて説明すると、透明材料からなるアダプタ1に対してそれぞれ光拡散材料からなるプラグ10が密になって配置されるデータセンターや局舎などの大量の光コネクタファイバを結線する光通信関連設備で、光ケーブルKの撤去や増設工事を行う際に、挿抜する光ケーブルKの識別作業を行う場合、予め光ファイバのコアP端面が偏心しないように調芯して一対のプラグ10のフェルール13端面同士を当接保持しておき、その後当該光ケーブルKに赤色光を入射する。
【0047】
前記プラグ10として光透過率が高く優れた光拡散性能を有するポリカーボネート樹脂などからなる光拡散材料を、前記アダプタ1として透明材料を使用しているため、スリーブホルダ3に内挿された割りスリーブ4内においてコアP端面の当接保持部でピンポイントで漏れた赤色光は透明な光アダプタ1及びプラグ10の全体に拡散される。
【0048】
これによって光ケーブルKに入射した赤色光は光コネクタ全体から外部に発光されるため、大型の光通信関連設備で接続されている沢山の光ケーブル全体から例え挿脱が必要な一本の光ケーブルKであっても目視により確実に識別することができる。
【符号の説明】
【0049】
K 光ケーブル
P コア
S 矢印
1 アダプタ
2、3 スリーブホルダ
4 割りスリーブ
5 ハウジング
6 係止片
7 係止アーム
7a 係止部
8 ガイド凹部
10 プラグ
11 ツマミ
12 プラグフレーム
13 フェルール
14 スプリング
15、16 ストッパ
16a カシメリング
17 ゴムブーツ
18 被係止部
19 ガイド凸部