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特開2023-150077コンポーネント、および、人力駆動車用の制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150077
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】コンポーネント、および、人力駆動車用の制御システム
(51)【国際特許分類】
   B62J 50/21 20200101AFI20231005BHJP
   B62J 3/10 20200101ALI20231005BHJP
   B62J 6/24 20200101ALI20231005BHJP
   B62J 43/30 20200101ALI20231005BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20231005BHJP
   B62J 45/20 20200101ALI20231005BHJP
   B62M 25/08 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B62J50/21
B62J3/10
B62J6/24
B62J43/30
B62J45/00
B62J45/20
B62M25/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022058978
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】大石 利成
(72)【発明者】
【氏名】黒飛 忠治
(72)【発明者】
【氏名】西野 高史
(57)【要約】
【課題】ユーザが第1バッテリの残量を容易に確認できるコンポーネントを提供する。
【解決手段】報知部を有する電子デバイスと無線通信するように構成される無線通信部と、第1バッテリを保持するように構成されるバッテリ保持部と、前記無線通信部を制御するように構成される制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1バッテリの残量に応じて、前記第1バッテリの前記残量に関する無線信号を、前記無線通信部に自動的に出力させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のコンポーネントであって、
報知部を有する電子デバイスと無線通信するように構成される無線通信部と、
第1バッテリを保持するように構成されるバッテリ保持部と、
前記無線通信部を制御するように構成される制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1バッテリの残量に応じて、前記第1バッテリの前記残量に関する無線信号を、前記無線通信部に自動的に出力させる、コンポーネント。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1バッテリから供給される電力によってオペレートされる、請求項1に記載のコンポーネント。
【請求項3】
前記無線信号は、前記報知部に報知を開始させるための第1指令を含む、請求項1、または、2に記載のコンポーネント。
【請求項4】
前記無線信号は、前記報知部の報知状態を変更させるための第2指令を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1バッテリの前記残量が第1閾値未満の場合、前記無線信号を前記無線通信部に出力させる、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1バッテリの前記残量が第2閾値以上から第2閾値未満に減少する場合、前記無線信号を前記無線通信部に出力させる、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項7】
操作装置、電動変速機、電動シートポスト、電動サスペンション、ドライブユニット、空気圧検出装置、パワーメータ、ランプ、ディスプレイ、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを構成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項8】
前記人力駆動車に搭載される他のコンポーネントを操作するための操作部をさらに備え、
前記制御部は前記操作部の操作に応じて、前記無線通信部に操作信号を出力させる、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンポーネント。
【請求項9】
前記操作信号は、変速信号を含む、請求項8に記載のコンポーネント。
【請求項10】
前記電子デバイスと、
請求項1から9のいずれか一項に記載のコンポーネントと、を備える、人力駆動車用の制御システム。
【請求項11】
前記電子デバイスは、携帯型通信装置、ディスプレイ、サイクルコンピュータ、振動発生装置、光発生装置、および、音発生装置の少なくとも1つを含む、請求項10に記載の人力駆動車用の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンポーネント、および、人力駆動車用の制御システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンポーネント、および、人力駆動車用の制御システムが知られている。例えば、特許文献1には、電動変速機を含むコンポーネントを備える制御システムの技術が開示されている。電動変速機には、操作部の操作に応じた信号が無線通信によって入力される。電動変速機は、操作部からの信号に応じて変速比を変更する。操作部は、電源から電力が供給されることによって無線通信できるように構成される。電源は、例えば電池等を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-95181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコンポーネント、および、制御システムにおいて、バッテリの残量が自動的に報知されず、ユーザは残量を確認し難い。
【0005】
本開示の目的は、ユーザがバッテリの残量を容易に確認できるコンポーネント、および、人力駆動車用の制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従うコンポーネントは、人力駆動車用のコンポーネントであって、報知部を有する電子デバイスと無線通信するように構成される無線通信部と、第1バッテリを保持するように構成されるバッテリ保持部と、無線通信部を制御するように構成される制御部と、を備え、制御部は、第1バッテリの残量に応じて、第1バッテリの残量に関する無線信号を、無線通信部に自動的に出力させる。
第1側面のコンポーネントによれば、バッテリの残量を報知させるための操作をユーザがしなくても、第1バッテリの残量に応じて電子デバイスに第1バッテリの残量に関する無線信号が自動的に送信されるので、電子デバイスを介してユーザが残量を容易に確認できる。
【0007】
第1側面に従う第2側面のコンポーネントにおいて、制御部は、第1バッテリから供給される電力によってオペレートされる。
第2側面のコンポーネントによれば、制御部に電力を供給する第1バッテリの残量をユーザが容易に確認できる。
【0008】
第1側面、または、第2側面に従う第3側面のコンポーネントにおいて、無線信号は、報知部に報知を開始させるための第1指令を含む。
第3側面のコンポーネントによれば、第1バッテリの残量に応じて、電子デバイスから残量の報知を開始できる。
【0009】
第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面のコンポーネントにおいて、無線信号は、報知部の報知状態を変更させるための第2指令を含む。
第4側面のコンポーネントによれば、報知状態の変更によって、第1バッテリの残量をユーザが容易に確認できる。
【0010】
第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面のコンポーネントにおいて、制御部は、第1バッテリの残量が第1閾値未満の場合、無線信号を無線通信部に出力させる。
第5側面のコンポーネントによれば、第1バッテリの残量が第1閾値よりも少ないことをユーザが容易に確認できる。
【0011】
第1から第5側面のいずれか1つに従う第6側面のコンポーネントにおいて、制御部は、第1バッテリの残量が第2閾値以上から第2閾値未満に減少する場合、無線信号を無線通信部に出力させる。
第6側面のコンポーネントによれば、第1バッテリの残量が第2閾値よりも減少することをユーザが容易に確認できる。
【0012】
第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のコンポーネントにおいて、操作装置、電動変速機、電動シートポスト、電動サスペンション、ドライブユニット、空気圧検出装置、パワーメータ、ランプ、ディスプレイ、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを構成する。
第7側面のコンポーネントによれば、操作装置、電動変速機、電動シートポスト、電動サスペンション、ドライブユニット、空気圧検出装置、パワーメータ、ランプ、ディスプレイ、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つの無線通信部から出力される無線信号によって、ユーザが第1バッテリの残量を確認できる。
【0013】
第1から第7側面のいずれか1つに従う第8側面のコンポーネントにおいて、人力駆動車に搭載される他のコンポーネントを操作するための操作部をさらに備え、制御部は操作部の操作に応じて、無線通信部に操作信号を出力させる。
第8側面のコンポーネントによれば、第1バッテリの残量の報知に関する制御、および、他のコンポーネントの操作に関する制御を、制御部によって行える。
【0014】
第8側面に従う第9側面のコンポーネントにおいて、操作信号は、変速信号を含む。
第8側面のコンポーネントによれば、第1バッテリの残量の報知に関する制御、および、変速操作に関する制御を、制御部によって行える。
【0015】
本開示の第10側面に従う人力駆動車用の制御システムは、電子デバイスと、第1から第9側面のいずれか1つに従うコンポーネントと、を備える。
第10側面の人力駆動車用の制御システムによれば、バッテリの残量を報知させるための操作をユーザがしなくても、第1バッテリの残量に応じて電子デバイスに第1バッテリの残量に関する無線信号が自動的に送信されるので、電子デバイスを介してユーザが残量を容易に確認できる。
【0016】
第10側面に従う第11側面の人力駆動車用の制御システムにおいて、電子デバイスは、携帯型通信装置、ディスプレイ、サイクルコンピュータ、振動発生装置、光発生装置、および、音発生装置の少なくとも1つを含む。
第10側面の人力駆動車用の制御システムによれば、携帯型通信装置、ディスプレイ、サイクルコンピュータ、振動発生装置、光発生装置、および、音発生装置の少なくとも1つからの報知によって、ユーザが第1バッテリの残量を確認できる。
【発明の効果】
【0017】
本開示のコンポーネント、および、制御システムによれば、ユーザが第1バッテリの残量を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係るコンポーネントを含む人力駆動車を示す側面図。
図2】コンポーネント、および、電子デバイスの一例を示すブロック図。
図3】コンポーネント、および、電子デバイスの関係を示す図。
図4】第1実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図5】第2実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図6】第3実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図7】第4実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図8】第5実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図9】第6実施形態に係るコンポーネント、および、電子デバイスの一例を示すブロック図。
図10】第7実施形態に係るコンポーネントの一例を示すブロック図。
図11】第8実施形態に係る制御システムの一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
図1から図4を用いて第1実施形態に係るコンポーネント90を含む人力駆動車1が説明される。人力駆動車1は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車1は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車1が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車1は、例えば1輪車、および、2輪以上の車輪を有する乗り物を含む。人力駆動車1は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車1は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車1は自転車として説明される。
【0020】
人力駆動車1は、クランク10、フレーム20、シート30、ハンドルバー40、フォーク50、フロントホイール60、リアホイール70、第1バッテリ80、および、コンポーネント90を備える。
【0021】
図1に示されるクランク10は、フレーム20に対して回転可能なクランク軸11、クランク軸11の軸方向の両端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム12を含む。一対のクランクアーム12には夫々ペダル13が連結される。
【0022】
フレーム20には、シートポスト31を介してシート30が設けられる。シートポスト31は、電動シートポストを含む。フレーム20は、ハンドルバー40、および、フォーク50を回転可能に支持する。ハンドルバー40は、ユーザが把持できるように構成される。ハンドルバー40がフレーム20に対して回転することによってフォーク50が回転し、人力駆動車1の進行方向が変化する。ハンドルバー40には、サイクルコンピュータ41等が設けられる。
【0023】
フロントホイール60は、フォーク50に回転可能に取り付けられる。フロントホイール60は、タイヤが取り付けられるリム61、複数のスポーク62、および、ディスクロータ63を含む。フロントホイール60のタイヤのバルブには、タイヤの気圧に関する情報を検出する空気圧検出装置64が設けられる。リアホイール70は、フレーム20に対して回転するように構成される。リアホイール70は、タイヤが取り付けられるリム71、複数のスポーク72、および、ディスクロータ73を含む。リアホイール70のタイヤのバルブには、空気圧検出装置74が設けられる。
【0024】
図1から図3に示される第1バッテリ80は、機器に電力を供給する。機器は、人力駆動車1に搭載されるコンポーネント、および、人力駆動車1の周辺機器を含む。本実施形態では、第1バッテリ80は、コンポーネント90に電力を供給する。第1バッテリ80は、例えば充電できない電池、および、充電池の少なくとも1つを含む。充電池は、外部電源からの電力によって充電される。第1バッテリ80は、複数の機器に電力を供給する場合、複数の機器にそれぞれ電力を供給する複数のバッテリを含んでよい。第1バッテリ80は、複数の機器に電力を供給する1つのバッテリを含んでよい。
【0025】
コンポーネント90は、人力駆動車用のコンポーネント90であって、報知部202を有する電子デバイス200と無線通信するように構成される無線通信部95と、第1バッテリ80を保持するように構成されるバッテリ保持部92と、無線通信部95を制御するように構成される制御部96bと、を備える。図1から図3には、コンポーネント90の一例が示される。図1から図3に示されるコンポーネント90は、人力駆動車1の変速比を変更する変速操作を行うためのシフターを構成する。変速比は、クランク軸11の回転速度に対するリアホイール70の回転速度の比率を示す。変速比は、チェーンが係合するフロントスプロケットの歯数を、チェーンが係合するリアスプロケットの歯数で割ることによって算出される。図2、および、図3に示されるように、コンポーネント90は、ベース部91、バッテリ保持部92、操作部93、残量検出部94、無線通信部95、および、制御装置96を備える。
【0026】
図3に示されるベース部91は、ハンドルバー40に着脱可能に取り付けられる。バッテリ保持部92は、ベース部91の内部に設けられる。操作部93は、ベース部91に対して揺動するように構成されるレバーを含む。ユーザは、操作部93を予め定める方向に揺動させることによって、変速操作を行える。変速操作に伴って、人力駆動車1に設けられる電動変速機100が動作する。
【0027】
図1に示される電動変速機100は、人力駆動車1の変速比を変更する。電動変速機100は、外装変速機を含む。外装変速機は、フロントディレイラ、および、リアディレイラの少なくとも一方を含む。本実施形態では、電動変速機100は、フロントディレイラ、および、リアディレイラを含む。フロントディレイラは、変速操作に伴って電気モータを駆動させ、チェーンを複数のフロントスプロケットの間において掛け替えられるように構成される。リアディレイラは、変速操作に伴って電気モータの駆動を駆動させ、チェーンを複数のリアスプロケットの間において掛け替えられるように構成される。
【0028】
図2に示される残量検出部94は、第1バッテリ80の残量を検出するように構成される。残量検出部94は、有線、または、無線によって制御部96bと通信できるように構成される。残量検出部94は、第1バッテリ80の残量に応じた信号を制御部96bに出力する。残量検出部94から出力される信号には、第1バッテリ80の残量そのものを示す第1残量情報が含まれていてもよく、第1残量情報とは異なる第2残量情報が含まれていてもよい。第2残量情報は、例えば、制御部96bが第1バッテリ80の残量の状態の検出、および、算出の少なくとも一方を行うために用いる情報等を含む。例えば、残量検出部94から出力される信号に第1バッテリ80の電圧値を示す第2残量情報が含まれる場合、制御部96bは、電圧値に基づいて第1バッテリ80の残量を算出できる。残量検出部94は、コンポーネント90とは別に配置されてもよい。
【0029】
無線通信部95は、無線通信によって電子デバイス200と接続される。無線通信部95は、電子デバイス200に無線信号を出力できる。無線通信部95は、Bluetooth(登録商標)、および、ANT+(登録商標)等の既存の通信規格によって通信するように構成されてもよく、独自の通信規格によって通信するように構成されてもよい。
【0030】
制御装置96は、記憶部96a、および、制御部96bを含む。記憶部96aは、各種の制御プログラム、および、各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部96aは、例えば不揮発性メモリ、および、揮発性メモリを含む。
【0031】
制御部96bは、コンポーネント90に関する制御を実行するように構成される。制御部96bは、予め定められた制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部96bは、1、または、複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0032】
制御部96bは、第1バッテリ80から供給される電力によってオペレートされる。制御部96bは、有線、または、無線によって無線通信部95と通信できるように構成される。制御部96bは、無線通信部95に信号を出力することによって無線通信部95を制御する。制御部96bは、例えば、無線通信部95を制御することによって、第1バッテリ80の残量に関する無線信号を、無線通信部95から電子デバイス200に出力させる。
【0033】
図2、および、図3に示される電子デバイス200は、各種情報を報知できるように構成される。電子デバイス200は、人力駆動車1に搭載されるコンポーネント、および、人力駆動車1の周辺機器の少なくとも1つを含む。本実施形態では、電子デバイス200は、人力駆動車1の周辺機器を含む。電子デバイス200は、スマートフォンを含む。電子デバイス200には、第1バッテリ80とは異なる第2バッテリ280から電力が供給される。本実施形態では、第2バッテリ280は、電子デバイス200に内蔵される。電子デバイス200は、無線通信部201、および、報知部202を含む。
【0034】
無線通信部201は、コンポーネント90の無線通信部95と同様に構成される。報知部202は、各種情報を報知するように構成される。報知部202は、振動発生部202a、光発生部202b、および、音発生部202cの少なくとも1つを含む。本実施形態では、報知部202は、振動発生部202a、光発生部202b、および、音発生部202cを含む。
【0035】
振動発生部202aは、振動を発生する。振動発生部202aは、例えば、偏心錘を備える電気モータを含む。光発生部202bは、光を発生する。光発生部202bは、例えば、情報を表示する表示部、および、照明を照射する照射部等を含む。光発生部202bは、例えば、液晶パネル、有機ELパネル、および、発光ダイオードの少なくとも1つを含む。音発生部202cは、音を発生する。音発生部202cは、例えば、ブザー、および、スピーカの少なくとも1つを含む。
【0036】
本実施形態において、制御部96bは、第1バッテリ80の残量に応じて、第1バッテリ80の残量に関する無線信号を、無線通信部95に自動的に出力させる。制御部96bが実行する制御の一例が説明される。制御部96bが実行する制御の一例の説明には、図4が用いられる。制御部96bは、図4に示されるフローチャートに従った第1制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。例えば、コンポーネント90の無線通信部95、および、電子デバイス200の無線通信部201の一方が常時予め定める無線信号を出力する場合において、コンポーネント90の無線通信部95、および、電子デバイス200の無線通信部201の他方が予め定める無線信号を受信すると、制御部96bは、第1制御フローを開始する。制御部96bは、予め定める条件が満たされるまで、第1制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。例えば、制御部96bは、コンポーネント90と電子デバイス200とが離れること等によって、コンポーネント90、および、電子デバイス200の一方の要求に対して、コンポーネント90、および、電子デバイス200の他方が応答しなくなるまで、第1制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。
【0037】
ステップS1において、制御部96bは、残量検出部94からの信号に基づいて、第1バッテリ80の残量を取得する。制御部96bは、ステップS1の処理を行った後、ステップS2に移行する。
【0038】
ステップS2において、制御部96bは、ステップS1において取得した第1バッテリ80の残量に応じて無線通信部95を制御する。制御部96bは、例えば、残量が予め定める条件を満たす場合に、ステップS1において取得した残量に関する無線信号を、無線通信部95に出力させる。制御部96bは、ステップS2の処理を行った後、第1制御フローを終了する。
【0039】
ステップS2において無線通信部95から出力される無線信号は、電子デバイス200に入力される。電子デバイス200の報知部202は、無線通信部95からの無線信号に応じて動作することによって、残量に関する情報を報知する報知動作を行う。報知部202の振動発生部202aは、残量に関する情報を報知する場合に、例えば、ステップS1において制御部96bが取得した第1バッテリ80の残量に応じたパターンの振動を発生する。光発生部202bは、例えば、残量を示す数字等の情報を表示する。光発生部202bは、残量に応じた色やパターンの光を出射してもよい。光発生部202bは、例えば、残量が10%以上の場合に青色の光を出射し、10%未満の場合に赤色の光を出射してもよい。光発生部202bは、残量が10%以上の場合に照明を点灯し、残量が10%未満の場合に照明を点滅してもよい。音発生部202cは、例えば、残量を示すメッセージを含む音を発生する。音発生部202cは、残量に応じて異なる種類のブザー音を発生してもよい。
【0040】
第1制御フローを制御部96bが実行することによって、第1バッテリ80の残量に応じて、残量に関する情報が報知部202から自動的に報知される。報知部202からの報知によって、ユーザは、第1バッテリ80の残量を容易に確認できる。ユーザは、確認した残量に応じて第1バッテリ80の充電、または、交換を行うことによって、第1バッテリ80の消耗に起因する不具合を抑制できる。ユーザは、例えば、電池切れを起こして人力駆動車1の変速比を変更できなくなる前に、第1バッテリ80を交換できる。
【0041】
(第2実施形態)
第2実施形態のコンポーネント90が説明される。第2実施形態のコンポーネント90の説明には、図5が用いられる。第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0042】
本実施形態では、無線通信部95が出力する無線信号は、報知部202に報知を開始させるための第1指令を含む。報知部202は、第1指令を含む無線信号に基づいて、報知動作を開始できるように構成される。
【0043】
制御部96bが実行する制御の一例が説明される。制御部96bが実行する制御の一例の説明には、図5が用いられる。制御部96bは、図5に示されるフローチャートに従った第2制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。制御部96bは、予め定める条件が満たされるまで第2制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。第2制御フローを開始する条件、および、繰り返し実行する条件は、第1実施形態と同様である。
【0044】
ステップS11において、制御部96bは、残量検出部94からの信号に基づいて、第1バッテリ80の残量を取得する。制御部96bは、ステップS11の処理を行った後、ステップS12に移行する。
【0045】
ステップS12において、制御部96bは、ステップS11において取得した第1バッテリ80の残量に応じて無線通信部95を制御する。制御部96bは、例えば、残量が予め定める条件を満たす場合に、第1指令を含む無線信号を無線通信部95に出力させる。制御部96bは、ステップS12の処理を行った後、第2制御フローを終了する。
【0046】
第2制御フローを制御部96bが実行することによって、第1バッテリ80の残量に応じて報知動作が開始される。報知動作の開始によって、ユーザは、第1バッテリ80の残量を容易に確認できる。
【0047】
(第3実施形態)
第3実施形態のコンポーネント90が説明される。第3実施形態のコンポーネント90の説明には、図6が用いられる。第1実施形態、および、第2実施形態と共通する構成については、第1実施形態、および、第2実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0048】
本実施形態では、無線通信部95が出力する無線信号は、報知部202の報知状態を変更させるための第2指令を含む。報知状態の変更は、例えば、第1バッテリ80の残量を報知する回数の変更、残量を表示する色の変更、音量の変更、および、残量を報知する機器の変更の少なくとも1つを含む。報知部202は、報知状態を変更する場合に、第2指令を含む無線信号を無線通信部95から出力させる。電子デバイス200は、無線信号が入力されると、無線信号の入力後における報知状態を、無線信号の入力前における報知状態とは異なる状態に変更する。
【0049】
例えば、振動発生部202aは、第1バッテリ80の残量に応じたパターンの振動を繰り返し発生する回数等を変更することによって、残量を報知する回数を変更する。光発生部202bは、残量を示す数字等の情報を表示する場合において、数字の色、および、背景の色の少なくとも一方を変更することによって、残量を表示する色を変更する。光発生部202bは、残量に応じたパターンの照明を照射する場合において、照射の色を変更することによって、残量を表示する色を変更する。音発生部202cは、例えば、音を発生する回数を変更することによって、残量を報知する回数を変更する。音発生部202cは、音量を変更してもよい。
【0050】
報知部202は、振動発生部202a、光発生部202b、および、音発生部202cのうち、少なくとも2つを含む場合、残量を報知する機器を切り替えることによって、報知状態を変更してもよい。例えば、報知部202は、振動発生部202aからの音によって残量を報知する状態から、振動発生部202aからの振動によって残量を報知する状態に切り替えてもよい。
【0051】
電子デバイス200が複数のデバイスを含む場合、報知部202は、残量を報知するデバイスを変更することによって、報知状態を変更してもよい。例えば、電子デバイス200がスマートフォン、および、サイクルコンピュータ41を含む場合、報知部202は、スマートフォン、および、サイクルコンピュータ41の一方が残量を報知する状態から、スマートフォン、および、サイクルコンピュータ41の他方が残量を報知する状態に切り替えてもよい。
【0052】
制御部96bが実行する制御の一例が説明される。制御部96bが実行する制御の一例の説明には、図6が用いられる。制御部96bは、図6に示されるフローチャートに従った第3制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。制御部96bは、予め定める条件が満たされるまで第3制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。第3制御フローを開始する条件、および、繰り返し実行する条件は、第1実施形態と同様である。
【0053】
ステップS21において、制御部96bは、残量検出部94からの信号に基づいて、第1バッテリ80の残量を取得する。制御部96bは、ステップS21の処理を行った後、ステップS22に移行する。
【0054】
ステップS22において、制御部96bは、ステップS21において取得した第1バッテリ80の残量に応じて無線通信部95を制御する。制御部96bは、例えば、残量が予め定める条件を満たす場合に、第2指令を含む無線信号を無線通信部95に出力させる。制御部96bは、ステップS22の処理を行った後、第3制御フローを終了する。
【0055】
第3制御フローを制御部96bが実行することによって、第1バッテリ80の残量に応じて報知部202の報知状態が変更される。例えば、第1バッテリ80の残量が10%未満の場合に1回、5%未満の場合に2回、3%未満の場合に3回、報知部202から音が出力される。報知状態が変更されることによって、ユーザは、残量を容易に確認できる。
【0056】
(第4実施形態)
第4実施形態のコンポーネント90が説明される。第4実施形態のコンポーネント90の説明には、図7が用いられる。第1実施形態から第3実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第3実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0057】
本実施形態において、制御部96bは、第1バッテリ80の残量が第1閾値未満の場合、無線信号を無線通信部95に出力させる。制御部96bが実行する制御の一例が説明される。制御部96bが実行する制御の一例の説明には、図7が用いられる。制御部96bは、図7に示されるフローチャートに従った第4制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。制御部96bは、予め定める条件が満たされるまで第4制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。第4制御フローを開始する条件、および、繰り返し実行する条件は、第1実施形態と同様である。
【0058】
ステップS31において、制御部96bは、残量検出部94からの信号に基づいて、第1バッテリ80の残量を取得する。制御部96bは、ステップS31の処理を行った後、ステップS32に移行する。
【0059】
ステップS32において、制御部96bは、記憶部96aに記憶される情報を読み込むことによって、予め定める第1閾値を取得する。制御部96bは、ステップS31において取得した残量が第1閾値未満である場合、ステップS33に移行する。制御部96bは、残量が第1閾値以上である場合、第4制御フローを終了する。
【0060】
ステップS33において、制御部96bは、ステップS31において取得した残量に関する無線信号を無線通信部95から出力させる。制御部96bは、ステップS33の処理を行った後、第4制御フローを終了する。
【0061】
第4制御フローを制御部96bが実行することによって、第1バッテリ80の残量が第1閾値未満である場合に、残量に関する情報が報知部202から自動的に報知される。報知部202からの報知によって、ユーザは、第1バッテリ80の残量が第1閾値未満であることを容易に確認できる。
【0062】
(第5実施形態)
第5実施形態のコンポーネント90が説明される。第5実施形態のコンポーネント90の説明には、図8が用いられる。第1実施形態から第4実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第4実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0063】
本実施形態において、制御部96bは、第1バッテリ80の残量が第2閾値以上から第2閾値未満に減少する場合、無線信号を無線通信部95に出力させる。制御部96bが実行する制御の一例が説明される。制御部96bが実行する制御の一例の説明には、図8が用いられる。制御部96bは、図8に示されるフローチャートに従った第5制御フローを、予め定める条件が満たされた場合に開始する。制御部96bは、予め定める条件が満たされるまで第5制御フローを予め定める時間ごとに繰り返し実行する。第5制御フローを開始する条件、および、繰り返し実行する条件は、第1実施形態と同様である。
【0064】
ステップS41において、制御部96bは、残量検出部94からの信号に基づいて、第1バッテリ80の残量を取得する。制御部96bは、取得した残量を記憶部96aに記憶させる。制御部96bは、ステップS41の処理を行った後、ステップS42に移行する。
【0065】
ステップS42において、制御部96bは、記憶部96aに記憶される情報を読み込むことによって、前回の第5制御フローの実行時に記憶部96aに記憶させた第1バッテリ80の残量、および、予め定める第2閾値を取得する。制御部96bは、ステップS41・S42において取得した第1バッテリ80の残量、および、ステップS42において取得した第2閾値を比較する。制御部96bは、残量が第2閾値以上から第2閾値未満に減少する場合、ステップS43に移行する。制御部96bは、残量が第2閾値以上から第2閾値未満に減少しない場合、第5制御フローを終了する。
【0066】
ステップS43において、制御部96bは、ステップS41において取得した残量に関する無線信号を無線通信部95から出力させる。制御部96bは、ステップS43の処理を行った後、第5制御フローを終了する。
【0067】
第5制御フローを制御部96bが実行することによって、第1バッテリ80の残量が第2閾値未満に減少すると、残量に関する情報が報知部202から自動的に報知される。報知部202からの報知によって、ユーザは、第1バッテリ80の残量が第2閾値未満に減少することを容易に確認できる。
【0068】
(第6実施形態)
第6実施形態のコンポーネント300が説明される。第6実施形態のコンポーネント300の説明には、図1図4から図9が用いられる。第1実施形態から第5実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第5実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0069】
本実施形態では、コンポーネント300は、人力駆動車1に搭載されるコンポーネントを構成する。図9に示されるように、コンポーネント300は、操作装置311、電動変速機100、電動シートポスト312、電動サスペンション313、ドライブユニット314、空気圧検出装置64,74、パワーメータ315、ランプ316、ディスプレイ317、および、サイクルコンピュータ41の少なくとも1つを構成する。
【0070】
操作装置311は、ユーザからの入力を受け付けるように構成される。操作装置311は、例えば、変速用の操作装置、シートポスト用の操作装置、サスペンション用の操作装置、アシスト用の操作装置等を含む。操作装置311は、フレーム20、および、ハンドルバー40等に設けられる。操作装置311は、ユーザが手、または、指によって操作するように構成される操作部を含む。操作部は、レバー、および、ボタンの少なくとも1つを含む。レバーは、予め定める部材に対して揺動するレバー、および、予め定める回転軸線まわりに回転するレバーの少なくとも1つを含む。ボタンは、押しボタン、および、タッチパネルに表示されるボタンの少なくとも1つを含む。操作装置311は、第1バッテリ80から電力が供給されることによって、ユーザの操作に応じた操作信号を他のコンポーネントに出力できる。
【0071】
操作信号は、例えば、人力駆動車1の変速比に関する変速信号、ブレーキに関するブレーキ信号、シート30の高さに関する操作信号、動作パラメータに関する操作信号、および、アシストモードに関する操作信号等を含む。
【0072】
変速信号が電動変速機100に出力されることによって、電動変速機100が動作される。ブレーキ信号がブレーキ装置に出力されることによって、ブレーキ装置が動作される。シート30の高さに関する操作信号が電動シートポスト312に出力されることによって、電動シートポスト312が動作される。動作パラメータに関する操作信号が電動サスペンション313に出力されることによって、電動サスペンション313の動作パラメータが変更される。アシストモードに関する操作信号がドライブユニット314に出力されることによって、ドライブユニット314の動作モードが変更される。
【0073】
電動シートポスト312は、シート30の高さを変更するように構成される。電動シートポスト312は、電動アクチュエータを含む。電動アクチュエータは、電気モータ、および、ソレノイド等を含む。電動シートポスト312は、電動アクチュエータの駆動によってシートポスト31を伸縮できるように構成される。シートポスト31の伸縮に伴って、フレーム20に対するシート30の高さが変更される。
【0074】
電動サスペンション313は、人力駆動車1に加わる衝撃を吸収するように構成される。電動サスペンション313は、電動アクチュエータを含む。電動サスペンション313は、電動アクチュエータの駆動によって動作パラメータを変更できるように構成される。動作パラメータは、減衰率、ストローク量、および、ロックアウト状態を含む。電動サスペンション313は、フロントホイール60、および、リアホイール70の少なくとも一方に設けられる。
【0075】
ドライブユニット314は、人力駆動車1に推進力を付与するように構成される。ドライブユニット314は、人力駆動車1に入力される人力駆動力に応じて、人力駆動車1に推進力を付与するように構成される。ドライブユニット314は、例えば、人力駆動車1のボトムブラケット付近に配置される。ドライブユニット314は、フロントホイール60、および、リアホイール70付近に配置されてもよい。ドライブユニット314は、電気モータを含む。電気モータは、ペダル13からリアホイール70までの人力駆動力の動力伝達経路に、または、フロントホイール60に回転を伝達するように設けられる。ドライブユニット314は、電気モータに加えて、電気モータとクランク10とを連結する減速機を備えてもよい。
【0076】
図1、および、図9に示される空気圧検出装置64,74は、フロントホイール60のタイヤのバルブ、および、リアホイール70のタイヤのバルブに設けられる。空気圧検出装置64,74は、無線通信によって、タイヤの気圧に応じた信号を他の機器に出力する。空気圧検出装置64,74には、それぞれ第1バッテリ80が搭載される。例えば、空気圧検出装置64,74には、それぞれ電池が内蔵される。
【0077】
図9に示されるパワーメータ315は、人力駆動車1に入力される仕事量を検出するように構成される。パワーメータ315は、クランク軸11、クランクアーム12、ペダル13、および、リアホイール70の少なくとも1つに取り付けられる。パワーメータ315は、例えば、パワーメータ315が取り付けられる部品の歪を測定することによって、仕事量を検出する。パワーメータ315は、無線通信によって、仕事量に応じた信号を他の機器に出力する。パワーメータ315には、第1バッテリ80が搭載される。例えば、パワーメータ315には、電池が内蔵される。
【0078】
ランプ316は、照明を照射するように構成される。ランプ316は、フレーム20、および、ハンドルバー40の少なくとも一方に取り付けられる。ランプ316は、人力駆動車1の前方に照明を照射する前ランプ、および、人力駆動車1の後方に照明を照射する後ランプの少なくとも一方を含む。ランプ316には、第1バッテリ80が搭載される。例えば、ランプ316には、電池が内蔵される。
【0079】
ディスプレイ317は、各種情報を表示するように構成される。ディスプレイ317は、ハンドルバー40等に取り付けられる。ディスプレイ317は、例えば、液晶ディスプレイ、および、有機ELディスプレイ等を含む。
【0080】
図1、および、図9に示されるサイクルコンピュータ41は、各種情報の表示、および、各種情報に関する音の出力の少なくとも一方を行うように構成される。サイクルコンピュータ41には、第1バッテリ80が搭載される。例えば、サイクルコンピュータ41には、電池が内蔵される。
【0081】
図9に示される電子デバイス400は、人力駆動車1に搭載されるコンポーネント、および、人力駆動車1の周辺機器の少なくとも一方を構成する。電子デバイス400は、携帯型通信装置411、電動変速機100、電動シートポスト312、電動サスペンション313、ドライブユニット314、空気圧検出装置64,74、パワーメータ315、ランプ316、ディスプレイ317、および、サイクルコンピュータ41のうち、少なくとも1つのデバイスを構成する。本実施形態では、電子デバイス400が構成するデバイスは、コンポーネント300とは異なる。
【0082】
携帯型通信装置411は、他の機器と通信できるように構成される。携帯型通信装置411は、表示部によるメッセージの表示、バイブ機能による振動の発生、ランプによる光の出力、および、スピーカによる音声の出力の少なくとも1つによって、演算処理の結果等を出力できる。携帯型通信装置411は、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1のユーザが所持してもよい。携帯型通信装置411は、例えば、スマートフォン、および、タブレット端末等を含む。
【0083】
本実施形態において、制御部96bは、図4から図8に示される第1制御フローから第5制御フローの少なくとも1つの制御フローを実行する。制御部96bは、制御フローを実行することによって、コンポーネント300に電力を供給する第1バッテリ80の残量の報知を、コンポーネント300とは異なる電子デバイス400において行わせる。
【0084】
本実施形態においては、残量を確認しにくい場所に設けられる第1バッテリ80の残量をユーザが容易に確認できる。例えば、図1に示される空気圧検出装置64,74に内蔵される第1バッテリ80の残量を、ハンドルバー40に設けられるサイクルコンピュータ41において容易に確認できる。
【0085】
(第7実施形態)
第7実施形態のコンポーネント500が説明される。第7実施形態のコンポーネント500の説明には、図3、および、図10が用いられる。第1実施形態から第6実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第6実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0086】
コンポーネント500は、人力駆動車1に搭載される他のコンポーネントCを操作するための操作部507をさらに備える。本実施形態では、他のコンポーネントCは、電動変速機100、電動シートポスト312、電動サスペンション313、および、ドライブユニット314の少なくとも1つを含む。本実施形態では、他のコンポーネントCは、少なくとも電動変速機100を含む。
【0087】
図10には、コンポーネント500の一例が示される。図10に示されるコンポーネント500は、バッテリ保持部92、残量検出部94、制御装置96、操作部507、操作状態検出部508、および、無線通信部509を備える。
【0088】
操作部507は、レバー、および、ボタンの少なくとも一方を含む。操作部507は、電動変速機100を操作するための変速用の操作部、電動シートポスト312を操作するためのシートポスト用の操作部、電動サスペンション313を操作するためのサスペンション用の操作部、ドライブユニット314を操作するためのアシスト用の操作部の少なくとも1つを含む。本実施形態では、操作部507は、少なくとも変速用の操作部を含む。変速用の操作部は、図3に示されるシフターの操作部93を含む。
【0089】
図10に示される操作状態検出部508は、操作部507の操作を検出するように構成される。操作部507の操作は、レバーの操作、および、ボタンの操作の少なくとも一方を含む。本実施形態では、操作部507の操作は、少なくともレバーの操作を含む。レバーの操作は、レバーが待機位置から操作位置に移動される操作を含む。操作状態検出部508は、レバーの移動量、および、移動加速度等に基づいてレバーの操作を検出する。ボタンの操作は、ボタンがオン状態にされる操作を含む。操作状態検出部508は、ボタンがオン状態にされた場合に出力される信号等に基づいてボタンの操作を検出する。
【0090】
操作状態検出部508は、有線、または、無線によって制御部96bと通信できるように構成される。操作状態検出部508は、操作部507の操作に応じた信号を制御部96bに出力する。操作状態検出部508から出力される信号には、操作部507が操作されたことを直接的に示す第1操作情報が含まれていてもよく、第1操作情報とは異なる第2操作情報が含まれていてもよい。第2操作情報は、制御部96bが操作部507の操作を検出、および、算出の少なくとも一方を行うために用いる情報等を含む。例えば、操作状態検出部508から出力される信号にレバーの移動量を示す第2操作情報が含まれる場合、制御部96bは、移動量に基づいて操作部507の操作を検出できる。
【0091】
無線通信部509は、無線通信によって他のコンポーネントCと接続される。無線通信部509は、他のコンポーネントCに操作信号を出力できるように構成される。本実施形態では、操作信号は、変速信号を含む。無線通信部509は、電動変速機100に変速信号を出力できる。
【0092】
本実施形態では、制御部96bは操作部507の操作に応じて、無線通信部95に操作信号を出力させる。例えば、制御部96bは、操作状態検出部508からの信号に基づいて操作部507の操作を検出する。制御部96bは、操作部507の操作を検出する場合に、無線通信部95に操作信号を出力させる。例えば、制御部96bは、シフターの操作部93の操作を検出する場合、無線通信部95に変速信号を出力させる。操作信号は、他のコンポーネントCに入力される。他のコンポーネントCは、操作信号に応じて動作する。例えば、電動変速機100は、変速信号に応じて人力駆動車1の変速比を変更する。
【0093】
制御部96bは、他のコンポーネントCが電動シートポスト312を含む場合、シートポスト用の操作部の操作を検出する間、シート30の高さに関する操作信号を継続して無線通信部95に出力させてもよい。電動シートポスト312は、無線通信部509からの操作信号に応じて動作することによって、シート30の高さを変更する。
【0094】
他のコンポーネントCが電動サスペンション313を含む場合、制御部96bは、サスペンション用の操作部の操作を検出する場合に、動作パラメータに関する操作信号を無線通信部509に出力させてもよい。電動サスペンション313は、無線通信部509からの操作信号に応じて動作することによって、動作パラメータを変更する。
【0095】
他のコンポーネントCがドライブユニット314を含む場合、制御部96bは、アシスト用の操作部の操作を検出する場合に、アシストモードに関する操作信号を無線通信部509に出力させてもよい。ドライブユニット314は、無線通信部509からの操作信号に応じてアシストモードを切り替える。
【0096】
制御部96bが無線通信部95に操作信号を出力させることによって、他のコンポーネントCの操作に関する制御、および、第1バッテリ80の残量の報知に関する制御を制御部96bにおいて一括して行える。
【0097】
(第8実施形態)
第8実施形態の制御システム600が説明される。第8実施形態の制御システム600の説明には、図4から図11が用いられる。制御システム600は、第1実施形態と同様の構成を含む人力駆動車1に適用される。第1実施形態から第7実施形態と共通する構成については、第1実施形態から第7実施形態と同一の符号が付され、重複する説明が省略される。
【0098】
図11に示されるように、制御システム600は、電子デバイス610と、コンポーネント90と、を備える。制御システム600は、コンポーネント90ではなく、図9に示されるコンポーネント300、および、図10に示されるコンポーネント500の一方を備えてもよい。
【0099】
図11に示される電子デバイス610は、人力駆動車1に設けられる。例えば、電子デバイス610は、ハンドルバー40に設けられる。電子デバイス610は、携帯型通信装置411、ディスプレイ317、サイクルコンピュータ41、振動発生装置611、光発生装置612、および、音発生装置613の少なくとも1つを含む。
【0100】
振動発生装置611は、振動を発生する。振動発生装置611は、無線通信部201、および、偏心錘を備える電気モータ等を含む。光発生装置612は、光を発生する。光発生装置612は、無線通信部201、および、情報を表示する表示部を含む。光発生装置612は、表示部にかえて、照明を照射する照射部を含んでもよい。音発生装置613は、音を発生する。音発生装置613は、無線通信部201、および、ブザーを含む。音発生装置613は、ブザーにかえて、スピーカを含んでもよい。
【0101】
制御部96bは、図4から図8に示される第1制御フローから第5制御フローの少なくとも1つの制御フローを実行する。制御部96bが制御フローを実行することによって、シート30に着座するユーザの顔に比較的近いハンドルバー40において、電子デバイス610から残量に関する情報が報知される。ユーザは、第1バッテリ80の残量を容易に確認できる。
【0102】
(変形例)
各実施形態に関する説明は、本発明が取り得る形態の例示であり、本発明を制限することを意図していない。本発明は、例えば以下に示す各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わされた形態を取り得る。
【0103】
例えば、各実施形態における人力駆動車1の構成は一例であり、人力駆動車1は、各実施形態において示されない各種装置を含んでいてもよく、各実施形態において示す各種装置のうち一部を含まない構成としてもよい。例えば、人力駆動車1は、空気圧検出装置64,74を含まない構成としてもよい。
【0104】
各実施形態において例示される制御において用いられる各種の閾値は限定されず、任意に設定されてもよい。各種の閾値は、予め定める操作装置の操作等によって任意に変更されてもよい。
【0105】
各実施形態において例示される構成は、相互に矛盾しない範囲において互いに組み合わせられてもよい。例えば、各実施形態において例示されるフローチャートの処理内容、および、処理順序は一例であり、本発明の範囲内において適宜処理内容、および、処理順序を変更できる。
【0106】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0107】
1…人力駆動車、41…サイクルコンピュータ、64…空気圧検出装置、74…空気圧検出装置、80…第1バッテリ、90…コンポーネント、92…バッテリ保持部、93…操作部、95…無線通信部、96b…制御部、100…電動変速機、200…電子デバイス、202…報知部、311…操作装置、312…電動シートポスト、313…電動サスペンション、314…ドライブユニット、315…パワーメータ、316…ランプ、317…ディスプレイ、411…携帯型通信装置、600…制御システム、611…振動発生装置、612…光発生装置、613…音発生装置、C…他のコンポーネント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11