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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150151
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20231005BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231005BHJP
   B65H 3/44 20060101ALI20231005BHJP
   B65H 1/26 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G03G21/16 109
G03G15/00 407
B65H3/44
B65H1/26 310G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059100
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】若山 圭
【テーマコード(参考)】
2H072
2H171
3F343
【Fターム(参考)】
2H072BA06
2H072BA12
2H072CA01
2H072CB03
2H072CB09
2H072JA02
2H072JA04
2H171FA02
2H171FA22
2H171FA28
2H171GA03
2H171JA19
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA28
2H171JA29
2H171JA30
2H171JA31
2H171KA02
2H171KA05
2H171KA26
2H171LA03
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QA25
2H171QB02
2H171QB03
2H171QB04
2H171QB15
2H171QB16
2H171QB32
2H171QB52
2H171QC03
2H171QC09
2H171QC22
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA20
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171WA03
2H171WA21
3F343FA02
3F343FB02
3F343FB03
3F343FB04
3F343FC03
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA07
3F343HB02
3F343HB03
3F343KB02
3F343LD10
(57)【要約】
【課題】カセットと画像形成部との間のデッドスペースをなくすことにより、小型化を実現した画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、第1シートカセット60と、第1搬送路70と、画像形成部8と、第2搬送路とを備える。第1シートカセット60は、シートSを収納する。第1搬送路70は、第1シートカセット60からシートSが搬送される。画像形成部8は、画像データに基づいて作成した画像を第1搬送路70に搬送されるシートSに形成する。第2搬送路30は、画像形成装置1の外部と導通し、ユーザーにより挿入されたシートSを画像形成部8へ搬送する。第2搬送路30は、画像形成部8と第1シートカセット60との間を通らないように形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを収納する第1シートカセットと、
前記第1シートカセットからシートが搬送される第1搬送路と、
画像データに基づいて作成した画像を前記第1搬送路に搬送されるシートに形成する画像形成部と、
画像形成装置の外部と導通し、ユーザーにより挿入されたシートを前記画像形成部へ搬送する第2搬送路と
を備え、
前記第2搬送路は、前記画像形成部と前記第1シートカセットとの間を通らないように形成される、画像形成装置。
【請求項2】
前記第2搬送路は、前記第1シートカセットに対して前記画像形成部と反対側に配置される、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2搬送路は、前記画像形成装置の最下層に形成される、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部は、画像を前記第1搬送路に搬送されるシートに転写する転写装置を有し、
前記転写装置は、
画像を担持する転写ベルトと、
前記転写ベルトをシートへの転写位置で回動させる転写ローラーと
を有し、
前記転写ローラーは、前記画像形成部に回動可能に軸支され、
前記転写ベルトは、前記第1シートカセットに近づく方向に、前記転写ローラーを中心に回動可能である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2搬送路は、前記第1搬送路に合流する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成部のシート搬送方向下流側で前記第1搬送路から分岐し、前記画像形成部のシート搬送方向上流側で前記第1搬送路に合流するように形成され、前記画像形成部で画像が形成されたシートを再度前記画像形成部に搬送する両面搬送路をさらに備え、
前記第2搬送路が前記第1シートカセットに対して前記画像形成部と反対側に配置されるときの前記両面搬送路の曲率半径は、前記第2搬送路が前記第1シートカセットと前記画像形成部との間に配置されるときの前記両面搬送路の曲率半径よりも大きい、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2搬送路が前記第1シートカセットに対して前記画像形成部と反対側に配置されるときの前記第2搬送路の曲率半径は、前記第2搬送路が前記第1シートカセットと前記画像形成部との間に配置されるときの前記第2搬送路の曲率半径よりも大きい、請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1シートカセットと、前記第1搬送路と、前記画像形成部とを内部に配置する本体装置と、
前記第2搬送路を有する第2搬送装置と
をさらに備え、
前記第2搬送装置は、前記本体装置に着脱可能である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
シートを収納する第2シートカセットと、
前記第2搬送路を有する第2搬送装置と
をさらに備え、
前記第2シートカセットは、前記第1シートカセットに対して前記画像形成部と反対側に配置され、
前記第2搬送装置は、前記第2シートカセットに対して前記第1シートカセットと反対側に配置される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2搬送装置は、スライド搬送部と、固定搬送部とを有し、
前記スライド搬送部は、前記固定搬送部に対してスライド可能であり、前記第1シートカセットと一体または接続可能に形成される、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第2搬送装置は、スライド搬送部と、固定搬送部とを有し、
前記スライド搬送部は、前記固定搬送部に対してスライド可能であり、前記第2シートカセットと一体または接続可能に形成される、請求項9に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、シートが積載されるカセットと、画像形成部との間に手差し搬送路を配置した画像形成装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-203479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、手差し搬送路を配置しない画像形成装置を設計したい場合があり、特許文献1の構成では、カセットと画像形成部との間の手差し搬送路が配置されていたスペースがデッドスペースになっていた。
【0005】
本発明は、カセットと画像形成部との間のデッドスペースをなくすことにより、小型化を実現した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、第1シートカセットと、第1搬送路と、画像形成部と、第2搬送路とを備える。前記第1シートカセットは、シートを収納する。前記第1搬送路は、前記第1シートカセットからシートが搬送される。前記画像形成部は、画像データに基づいて作成した画像を前記第1搬送路に搬送されるシートに形成する。前記第2搬送路は、画像形成装置の外部と導通し、ユーザーにより挿入されたシートを前記画像形成部へ搬送する。前記第2搬送路は、前記画像形成部と前記第1シートカセットとの間を通らないように形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像形成装置によれば、カセットと画像形成部との間のデッドスペースをなくすことができ、画像形成装置の小型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る画像形成装置を示す図である。
図2】一般的な画像形成装置を示す図である。
図3】一般的な画像形成装置を示す図である。
図4】本発明の実施形態1に係る画像形成装置において、第2搬送装置を外した実施形態を示す図である。
図5】本発明の実施形態2に係る画像形成装置を示す図である。
図6】本発明の実施形態3に係る画像形成装置を示す図である。
図7】本発明の実施形態3に係る画像形成装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本実施形態では、図中に、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を示す。Z軸は鉛直面に平行であり、X軸およびY軸は水平面に平行である。
【0010】
(実施形態1)
図1図4を参照して、本発明の実施形態1に係る画像形成装置1について説明する。図1は、実施形態1に係る画像形成装置1を示す図である。図2および図3は、実施形態1に係る画像形成装置1と比較するための一般的な画像形成装置を示す図である。図4は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置1において、第2搬送装置3を外した実施形態を示す図である。
【0011】
図1に示すように、画像形成装置1の一例は、複写機、プリンター、コピー機である。画像形成装置1は、例えば、スキャナー、複写機、プリンター、コピー機、ファクシミリその他の機能を組み合わせた複合機(MFP:Multi Function Printer)であってもよい。複合機は、例えば、複写機、ファクシミリ、またはこれらの機能を兼ね備える。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置1は、本体装置2と、第2搬送装置3と、両面搬送装置4とを備える。画像形成装置1は、第2シート給送装置5をさらに備えてもよい。第2シート給送装置5については、実施形態2で詳述する。
【0013】
画像形成装置1が複合機である場合、画像形成装置1は、図示しない原稿読取装置を備えてもよい。原稿読取装置は、例えば、原稿給送装置と、画像読取装置とを有する。原稿給送装置は、例えば、原稿トレイ、原稿給送部、原稿センサー、原稿排出部を有する。原稿給送装置の一例は、ADF(Auto Document Feeder)である。
【0014】
画像読取装置は、光学系を有する。光学系は、例えば、発光部、レンズ、反射鏡、受光部を有する。
【0015】
画像読取装置は、原稿給送装置によって搬送される原稿から画像を読み取る。画像読取装置は、読み取った画像から画像データを生成する。画像読取装置の一例は、CIS(Contact Image Sensor)方式またはCCD(Charge Coupled Devices)方式のスキャナーである。
【0016】
次に、画像形成装置1は、例えば、電子写真方式の場合、第1シート給送装置6と、第1搬送装置7と、画像形成部8と、定着装置9と、シート排出装置10とを有する。
【0017】
画像形成装置1が、例えば、インクジェットプリンターである場合、画像形成部8は、少なくとも、図示しないインクタンクと、インクカートリッジと、インクヘッドとを有する。
【0018】
画像形成装置1が、例えば、インクジェットプリンターである場合、定着装置9はなくてもよい。
【0019】
以下、本体装置2、第2搬送装置3、および両面搬送装置4の詳細な構成を説明する。
【0020】
(本体装置2)
本体装置2は、いわゆる画像形成装置1の筐体である。
【0021】
本体装置2は、第1シートカセット60と、第1搬送路70と、画像形成部8とを内部に配置する。
【0022】
本体装置2は、第1シート給送装置6と、第1搬送装置7と、画像形成部8と、定着装置9と、シート排出装置10とを備える。
【0023】
第1シート給送装置6は、シートSを給送する。
【0024】
第1シート給送装置6は、第1シートカセット60と、第1ピックアップローラー61とを有する。
【0025】
第1シートカセット60は、シートSを収納する。第1シートカセット60は、画像形成装置1の常設のカセットであり、例えば、A4サイズなどの定型のシートSを収納する。第1ピックアップローラー61は、第1シートカセット60に収納されたシートSを上から1枚ずつピックアップして給送する。
【0026】
第1搬送装置7は、第1搬送路70と、第1搬送ローラー71と、両面搬送路72とを有する。
【0027】
第1搬送路70には、第1シートカセット60からシートSが搬送される。すなわち、第1ピックアップローラー61が第1シートカセット60からピックアップしたシートSは、第1搬送路70に給送される。
【0028】
第1搬送ローラー71は、原則として2つの搬送ローラーが対になって構成され、ニップを形成しながら、第1搬送路70に搬送されるシートSを画像形成部8に搬送する。第1搬送ローラー71は、第1搬送路70に複数セット配置されてもよい。
【0029】
図示しない搬送モーターは、第1搬送ローラー71を回転駆動する。
【0030】
次に、図1に示すように、画像形成部8は、電子写真方式の場合、画像データに基づいて作成した画像を第1搬送路70に搬送されるシートSに形成する。画像形成部8は、インクジェットプリンターである場合、文書画像データに基づいて、シートSに図示しないインク像を形成する。
【0031】
本実施形態では、インクジェットプリンターとして特に説明を要する場合を除き、原則として、電子写真方式の画像形成部8を説明する。
【0032】
画像形成部8は、例えば、画像データ取得部80と、感光体81と、帯電部82と、露光部83と、現像部84と、転写装置85と、クリーニング部86とを有する。
【0033】
画像データ取得部80は、前述した原稿読取装置から画像データを取得する。画像データ取得部80は、外部のクラウド、サーバー、パーソナルコンピューター、画像形成装置などから画像データを取得してもよい。
【0034】
画像データ取得部80は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で実現され得る。
【0035】
感光体81は、表面に感光層を有する。感光体81の一例は、OPC(Organic Photoconductor)である。
【0036】
帯電部82は、感光体81の感光層を所定の電位に帯電する。帯電部82の方式の一例として、非接触型放電方式のコロトロン型およびスコロトロン型がある。また、接触方式の帯電ローラーや帯電ブラシが用いられてもよい。
【0037】
露光部83は、感光体81の感光層にレーザー光を照射して露光する。露光部83は、画像データ取得部80が取得した画像データに基づいて感光体81を露光する。この結果、感光体81に静電潜像が形成される。露光部83は、LED(Light Emitting Diode)、または、グラスファイバーアレイの集合体であってもよい。
【0038】
現像部84は、一例として、トナーカートリッジである。トナーカートリッジは、一例として、図1に示すように、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)のトナーカートリッジが配置される。それぞれのトナーカートリッジは、トナータンクと、搬送ローラーとを有する。
【0039】
また、感光体81、帯電部82、露光部83、現像部84、クリーニング部86は、各色で配置されているが、図1では、視認性を高めるためBk(ブラック)のみに示している。
【0040】
現像部84は、トナーを感光体81に供給し、感光体81の静電潜像をトナーで現像する。
【0041】
トナーは帯電性を持ったプラスチック粒子に炭素等の色粒子を付着させたマイナスかプラスの電気性質を持つ微粒子である。トナーのみで使用する場合と、キャリア(搬送体)と混合して使用する場合とがある。
【0042】
キャリアは、磁性体をエポキシ樹脂等でコーティングした微粒子で、トナーと混合され使用される。トナーとキャリアとが撹拌されることにより、トナーが電荷を有し、静電効果を利用して感光体81にトナーが付着される。
【0043】
次に、図1に示すように、転写装置85は、画像を第1搬送路70に搬送されるシートSに転写する。
【0044】
転写装置85の転写方式は、大別して、直接転写方式と間接転写方式がある。直接転写方式の場合、感光体81に形成された画像が図示しない搬送ベルトに搬送されるシートSに直接転写される。
【0045】
間接転写方式の場合、図1に示すように、転写装置85は、転写ベルト850と、転写部851と、駆動ローラー852と、転写ローラー853と、押圧ローラー854とを有する。
【0046】
転写ベルト850は、画像を担持する。転写ベルト850は、駆動ローラー852と、転写ローラー853とに架け渡される。転写ベルト850の一例は、中間転写ベルトである。中間転写ベルトは、一例として、基層、弾性層、および離型層からなる。駆動ローラー852は、図示しないモーターなどの駆動系に接続され、転写ベルト850を回動させる。
【0047】
転写ローラー853は、駆動ローラー852の回転に従って回転する。転写ローラー853は、転写ベルト850をシートSへの転写位置で回動させる。
【0048】
転写ローラー853は、第1搬送路70に対向して配置される押圧ローラー854に押圧され、転写ベルト850と押圧ローラー854との間にニップを形成する。転写ベルト850と押圧ローラー854とで形成されたニップは、転写部851を構成する。
【0049】
さらに、転写ローラー853は、本体装置2、画像形成部8、または、転写装置85に回動可能に軸支されてもよい。
【0050】
転写ベルト850は、第1シートカセット60に近づく方向に、転写ローラー853を中心に回動可能であってもよい。
【0051】
転写工程は、一般に第1転写と、第2転写とを有する。第1転写では、感光体81が保持するトナー像が転写ベルト850に転写される。
【0052】
第2転写では、転写部851のニップを通過するシートSにトナー像が転写される。
【0053】
本実施形態によれば、転写ベルト850が、第1シートカセット60に近づく方向に、転写ローラー853を中心に回動可能に構成されることにより、転写ベルト850と第1シートカセット60との間に生じるデッドスペースを解消できる。
【0054】
クリーニング部86は、感光体81、転写ベルト850に残留する残トナーを除去する。クリーニング部86の一例は、クリーニングブレードである。
【0055】
次に、定着装置9は、シートSに現像されたトナー像を加熱および加圧して、シートSにトナー像を定着させる。定着装置9は、例えば、ヒートローラーと、プレスローラーと、ヒーターとを有する。
【0056】
ヒートローラーは、中空円筒状のローラーである。プレスローラーは、ヒートローラーに圧着され、ヒートローラーとニップ部を形成する。プレスローラーは、図示しない駆動部により回転駆動され、ヒートローラーとニップ部を形成することにより、ヒートローラーを回転させる。
【0057】
ヒーターは、図示しない電源から電力を供給されてヒートローラーを加熱する。ヒーターは、ヒートローラーの内周面に近接して配置される。第1搬送装置7に搬送されたシートSは、ニップ部を通過することにより、ヒーターに加熱され、トナー像が定着される。
【0058】
シート排出装置10は、画像形成装置1の本体装置2の外部にシートSを排出する。シート排出装置10は、排出ローラーと、シートトレイとを有してもよい。排出ローラーは、定着装置9から第1搬送装置7で搬送されたシートSをシートトレイに排出する。シートトレイは、排出されたシートSを収納する。
【0059】
(第2搬送装置3)
次に、引き続き、図1を参照して、第2搬送装置3を説明する。第2搬送装置3は、いわゆる手差し給送装置、手差し搬送装置である。第2搬送装置3は、MPF(Multi Purpose Feeder)と称することがある。
【0060】
第2搬送装置3は、第2搬送路30と、第2搬送ローラー31と、スライド搬送部32と、固定搬送部33とを有する。スライド搬送部32、固定搬送部33については、実施形態3で詳述する。
【0061】
第2搬送路30は、画像形成装置1の外部と導通し、ユーザーにより挿入されたシートSを画像形成部8へ搬送する。すなわち、第2搬送路30は、ユーザーによって手差しされたシートSが搬送される。第2搬送路30は、画像形成部8まで延びて形成される。
【0062】
第2搬送ローラー31は、第2搬送路30において、第2搬送路30を挟むように一対で構成される。一対の第2搬送ローラー31は、第2搬送路30において複数対配置されてもよい。
【0063】
一対の第2搬送ローラー31の一方は、図示しない駆動系に接続される。駆動系に接続された第2搬送ローラー31は、駆動系から駆動力を与えられ、他方の第2搬送ローラー31を回動させる。
【0064】
第2搬送路30は、画像形成部8と第1シートカセット60との間を通らないように形成される。
【0065】
第2搬送路30は、第1シートカセット60に対して画像形成部8と反対側に配置されてもよい。
【0066】
図2および第3は、本実施形態に係る画像形成装置1と対比するために参照する一般的なプリンターである。
【0067】
図2に示すように、一般的なプリンターは、画像形成部および転写装置と、用紙カセットとの間に、いわゆる手差し搬送路であるMPF搬送路が形成されている。
【0068】
そのため、図3に示すように、MPF搬送路を配置しないプリンターを設定すると、画像形成部および転写装置と、用紙カセットとの間に、デッドスペースが生じる。デッドスペースをなくすことは、プリンターの小型化を進める上で解決しなければならない課題である。
【0069】
本実施形態によれば、図1に示すように、第2搬送路30を、画像形成部8と第1シートカセット60との間を通らないように形成することにより、画像形成部8および転写装置85と、第1搬送装置7との間のデッドスペースをなくすことができ、画像形成装置1全体の小型化を達成することができる。
【0070】
また、第2搬送路30を、第1シートカセット60に対して画像形成部8と反対側に配置することにより、同様に、画像形成部8および転写装置85と、第1搬送装置7との間のデッドスペースをなくすことができ、画像形成装置1全体の小型化を達成することができる。
【0071】
第2搬送路30は、画像形成装置1の最下層に形成されてもよい。
【0072】
さらに、図4に示すように、第2搬送装置3は、本体装置2と着脱可能であってもよい。
【0073】
本実施形態によれば、図1に示すように、第2搬送路30を、画像形成装置1の最下層に形成することにより、画像形成部8および転写装置85と、第1搬送装置7との間のデッドスペースをなくすことができ、画像形成装置1全体の小型化を達成することができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、第2搬送装置3が、画像形成装置1の最下層に形成され、さらに、本体装置2と着脱可能に形成されることにより、図4に示すように、第2搬送装置3を本体装置2に取り付け可能なオプションとすることができる。
【0075】
本実施形態によれば、第2搬送装置3を本体装置2に取り付けないことにより、さらに画像形成装置1の小型化を達成でき、ユーザーのニーズや使用目的に応じて、画像形成装置1の選択肢を拡げることができる。
【0076】
次に、図1に示すように、第2搬送路30は、第1搬送路70に合流するように形成されてもよい。
【0077】
本実施形態によれば、第2搬送路30を、第1搬送路70に合流するように形成することにより、第1搬送路70を形成するスペースと、第2搬送路30を形成するスペースとをまとめることができ、画像形成装置1の小型化を達成できる。
【0078】
第2搬送装置3が第1シートカセット60に対して画像形成部8と反対側に配置されるときの第2搬送路30の曲率半径は、第2搬送装置3が第1シートカセット60と画像形成部8との間に配置されるときの第2搬送路30の曲率半径よりも大きくてもよい。
【0079】
本実施形態によれば、シートSが第2搬送路30においてジャムを起こすことを抑制できる。
【0080】
次に、図1に示すように、両面搬送路72は、シートSの両面に印刷または印字する際に使用される。
【0081】
両面搬送路72は、画像形成部8のシート搬送方向下流側で第1搬送路70から分岐し、画像形成部8のシート搬送方向上流側で第1搬送路70に合流するように形成され、画像形成部8で画像が形成されたシートSを、再度、画像形成部8に搬送する。
【0082】
第2搬送装置3が第1シートカセット60に対して画像形成部8と反対側に配置されるときの両面搬送路72の曲率半径は、第2搬送装置3が第1シートカセット60と画像形成部8との間に配置されるときの両面搬送路72の曲率半径よりも大きくてもよい。
【0083】
すなわち、図2および図3の比較例に示すプリンターのように、MPF搬送路が転写装置と用紙カセットとの間に配置されている場合に比べて、図1に示すように、第2搬送装置3を配置することにより、両面搬送路72を配置するスペースが大きくなる。
【0084】
そのため、両面搬送路72のカーブ部分の曲率半径を、図2および図3の比較例に示すプリンターの場合よりも大きくすることができる。
【0085】
本実施形態によれば、両面搬送路72のカーブ部分の曲率半径が大きくなることにより、両面印字されるシートSが両面搬送路72を搬送される際に両面搬送装置4から受ける抵抗を小さくすることができ、両面搬送路72におけるシートSのジャムを抑えることができる。
【0086】
(実施形態2)
次に、図5を参照して、実施形態2に係る画像形成装置1を説明する。図5は、実施形態2に係る画像形成装置1を示す図である。
【0087】
図5に示すように、実施形態2に係る画像形成装置1は、図1に示す実施形態1に係る画像形成装置1に比べて、第2シート給送装置5が増設されている。
【0088】
第2シート給送装置5は、第1シート給送装置6と同じサイズのシートSを給送してもよい。第2シート給送装置5は、第1シート給送装置6と異なるサイズのシートSを給送してもよい。
【0089】
第2シート給送装置5は、第2シートカセット50と、第2ピックアップローラー51とを有する。
【0090】
第2シートカセット50は、シートSを収納する。第2シートカセット50は、画像形成装置1に増設されたカセットである。第1シートカセット60に、例えば、A4サイズなどの定型のシートSを収納している場合、第2シートカセット50に、例えば、B4サイズなどのシートSを収納してもよい。
【0091】
第2ピックアップローラー51は、第2シートカセット50に収納されたシートSを上から1枚ずつピックアップして給送する。
【0092】
その他の構成は、第1シートカセット60と同じであってもよい。
【0093】
第2搬送装置3は、第2シートカセット50に対して第1シートカセット60と反対側に配置されてもよい。
【0094】
第2搬送装置3の第2搬送路30は、第2シートカセット50に対して第1シートカセット60と反対側に配置されてもよい。
【0095】
本実施形態によれば、第2搬送路30が第1シートカセット60と第2シートカセット50の間に配置される場合に比べて、さらに、第2搬送路30のカーブを緩やかに設定することができ、第2搬送路30におけるシートSのジャムを抑制できる。
【0096】
(実施形態3)
次に、図5に加え、さらに図6および図7を参照して、実施形態3に係る画像形成装置1を説明する。図6および図7は、実施形態3に係る画像形成装置1を示す図である。
【0097】
図6に示すように、実施形態3に係る画像形成装置1の第2搬送装置3は、第1シート給送装置6に接続可能であってもよい。第1シート給送装置6に接続された第2搬送装置3は、第1シート給送装置6から離接可能であってもよい。
【0098】
第2搬送装置3は、スライド搬送部32と、固定搬送部33とを有してもよい。
【0099】
第2搬送装置3は、スライド搬送部32と、固定搬送部33との間に第2搬送路30を形成してもよい。
【0100】
スライド搬送部32は、第3搬送ローラー320を有する。固定搬送部33は、第4搬送ローラー330を有する。
【0101】
図6に示すように、スライド搬送部32が第2搬送装置3に収納されているとき、スライド搬送部32の第3搬送ローラー320と、固定搬送部33の第4搬送ローラー330とは、対向して一対に配置されてもよい。
【0102】
一対の第3搬送ローラー320と第4搬送ローラー330は、第2搬送路30に複数対配置されてもよい。
【0103】
第3搬送ローラー320または第4搬送ローラー330の一方は、図示しない駆動系に接続されている。駆動系は第3搬送ローラー320または第4搬送ローラー330の一方を回転駆動し、他方は一方の回転に伴って連れ回りする。
【0104】
図6に示すように、スライド搬送部32は、固定搬送部33に対してスライド可能であり、第1シートカセット60と一体または接続可能に形成されてもよい。
【0105】
また、図5に示すように、スライド搬送部32は、固定搬送部33に対してスライド可能であり、第2シートカセット50と一体または接続可能に形成されてもよい。
【0106】
図7に示すように、スライド搬送部32が固定搬送部33に対してスライド可能であることから、ユーザーは、スライド搬送部32を画像形成装置1から引き出すことができる。
【0107】
ユーザーがスライド搬送部32を画像形成装置1から引き出すと、第2搬送路30を表出させることができる。
【0108】
本実施形態によれば、スライド搬送部32を画像形成装置1から引き出し可能に構成することにより、第2搬送路30上のシートSを容易に取り出すことができ、第2搬送路30で発生したジャムを容易に処理できる。
【0109】
また、固定搬送部33は本体装置2に対して着脱可能に固定されていてもよい。固定搬送部33を本体装置2から取り外して、第1シートカセット60および第2シートカセット50よりも多い枚数のシートSを収納できるように構成された、シートカセットが装着できるようにしてもよい。
【0110】
シートSを多い枚数できるシートカセットを装着することにより、用紙補給の回数を低減することができる。
【0111】
また、スライド搬送部32と固定搬送部33を連結状態と解除状態に切り替え可能なロック手段を設けて、固定搬送部33をスライド搬送部32に連結した状態で一体に引き出すことが可能な構成としてもよい。固定搬送部33とスライド搬送部32を一体で引き出した状態でロック解除して、固定搬送部33とスライド搬送部32を相対的にスライドさせれば、第2搬送路30で発生したジャムを本体装置2の外側で容易に処理できる。
【0112】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 画像形成装置
2 本体装置
3 第2搬送装置(MPF)
4 両面搬送装置
5 第2シート給送装置
6 第1シート給送装置
7 第1搬送装置
8 画像形成部
30 第2搬送路
31 第2搬送ローラー
32 スライド搬送部
33 固定搬送部
60 第1シートカセット
61 第1ピックアップローラー
70 第1搬送路
71 第1搬送ローラー
85 転写装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7