(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150152
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】情報編集プログラム、情報編集方法、情報編集システム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/08 20220101AFI20231005BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20231005BHJP
G06F 3/04883 20220101ALI20231005BHJP
G06F 40/166 20200101ALI20231005BHJP
【FI】
H04L51/08
G06F3/04842
G06F3/04883
G06F40/166
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059102
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(72)【発明者】
【氏名】安井 良
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛恭
(72)【発明者】
【氏名】上田 雄磨
(72)【発明者】
【氏名】山本 亮
【テーマコード(参考)】
5B109
5E555
【Fターム(参考)】
5B109VC03
5E555AA22
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC18
5E555BD01
5E555CB10
5E555CB12
5E555CB74
5E555CC11
5E555DB43
5E555DB53
5E555DC31
5E555EA22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】情報に対する編集箇所をメッセージに添付して通知できる情報編集プログラム、情報編集方法、情報編集システムを提供する。
【解決手段】クライアント装置3Aでドキュメントを編集した場合、クライアント装置3Bに送信される通知メール70には、編集前のドキュメント全体のスクリーンショット71、強調表示72Aがなされた編集後のドキュメント全体のスクリーンショット72、削除を報せる記述73、手書き入力を報せる記述82とそのスクリーンショット77、OCR処理で読み取ったテキスト76、テキスト入力を報せる記述81とそのテキスト74、テキスト74のスクリーンショット75、画像または動画を報せる記述83とその画像78または動画、図形等その他の編集データの編集を報せる記述84とそのスクリーンショット79が記載される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末において情報を共有し、且つ前記端末のそれぞれにおいて情報を編集可能な情報編集プログラムであって、
前記複数の端末のうちのひとつである一端末において入力または編集された情報の状態を第1状態として記憶する記憶処理と、
前記記憶処理によって前記第1状態の情報が記憶された後、前記一端末において情報が編集された場合に、編集後の情報の状態を第2状態として取得する取得処理と、
前記取得処理によって取得された前記第2状態の情報と、前記記憶処理によって記憶された前記第1状態の情報とを比較して、情報に対する編集が行われた部分に対応し、情報が変化した部分を示す変化データを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理によって抽出された前記変化データをメッセージに添付し、前記一端末とは異なる他端末に通知する通知処理と
をコンピュータに実行させるための情報編集プログラム。
【請求項2】
前記抽出処理は、
前記第1状態の情報の全体を前記端末にて表示する場合の表示状態を表す画像である第1全体画像と、
前記第2状態の情報の全体を前記端末にて表示する場合の表示状態を表す画像である第2全体画像と
を生成する表示画像生成処理を含み、
前記通知処理は、
前記表示画像生成処理において生成された前記第1全体画像と前記第2全体画像とを前記変化データとして前記メッセージに添付し、前記他端末に通知すること
を特徴とする請求項1に記載の情報編集プログラム。
【請求項3】
前記抽出処理は、
前記第1状態の情報に対して前記第2状態の情報が変化した部分を前記第2全体画像において特定し、特定箇所を強調表示する強調表示処理を含むこと
を特徴とする請求項2に記載の情報編集プログラム。
【請求項4】
前記抽出処理は、
前記第1状態の情報に対して前記第2状態の情報が変化した部分を特定部位として特定し、前記特定部位を含み、前記特定部位に対して予め決められた大きさの範囲となる領域を前記端末にて表示する場合の表示状態を表す画像である部分画像を生成する部分画像生成処理を含み、
前記通知処理は、
前記部分画像生成処理において生成された前記部分画像を前記変化データとして前記メッセージに添付し、前記他端末に通知すること
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報編集プログラム。
【請求項5】
前記端末は、ストロークの描画による情報の入力が可能であり、
前記抽出処理は、
前記第1状態の情報に対して前記第2状態の情報が変化した部分が、ストロークの描画による入力がなされたストローク入力部位である場合、前記ストローク入力部位を光学文字認識によって文字コードとして読み取る読取処理を含み、
前記通知処理は、
前記読取処理によって読み取った文字コードに基づく文字列を前記変化データとして前記メッセージに添付し、前記他端末に通知すること
を特徴とする請求項4に記載の情報編集プログラム。
【請求項6】
前記抽出処理は、
前記第1状態の情報に対して前記第2状態の情報が変化した部分が、消去による情報の部分的な変更を示す消去部位である場合、情報の全体を前記端末にて表示する場合の表示状態を表す画像において前記消去部位を示した消去部位画像を生成する消去部位画像生成処理を含み、
前記通知処理は、
前記消去部位画像生成処理において生成された前記消去部位画像と、消去による情報の部分的な変更がなされた旨を報せる消去報告とを前記変化データとして前記メッセージに添付し、前記他端末に通知すること
を特徴とする請求項5に記載の情報編集プログラム。
【請求項7】
前記抽出処理は、
前記第1状態の情報に対して前記第2状態の情報が変化した部分が、画像または動画である場合、前記画像または前記動画に対応するデータを取得するデータ取得処理を含み、
前記通知処理は、
前記データ取得処理において取得された前記画像または前記動画に対応するデータを前記変化データとして前記メッセージに添付し、前記他端末に通知すること
を特徴とする請求項5に記載の情報編集プログラム。
【請求項8】
複数の端末において情報を共有し、且つ前記端末のそれぞれにおいて情報を編集可能な情報編集プログラムに従ってコンピュータが実行可能な方法であって、
前記複数の端末のうちのひとつである一端末において入力または編集された情報の状態を第1状態として記憶する記憶処理と、
前記記憶処理によって前記第1状態の情報が記憶された後、前記一端末において情報が編集された場合に、編集後の情報の状態を第2状態として取得する取得処理と、
前記取得処理によって取得された前記第2状態の情報と、前記記憶処理によって記憶された前記第1状態の情報とを比較して、情報に対する編集が行われた部分に対応し、情報が変化した部分を示す変化データを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理によって抽出された前記変化データをメッセージに添付し、前記一端末とは異なる他端末に通知する通知処理と
を含むことを特徴とする情報編集方法。
【請求項9】
サーバと、前記サーバを介して接続される複数の端末とを含み、
前記複数の端末において情報を共有し、且つ前記端末のそれぞれにおいて情報を編集可能な情報編集システムであって、
前記サーバは、
前記複数の端末のうちのひとつである一端末において入力または編集された情報を取得し、取得した情報の状態を第1状態として記憶する記憶部と、
前記記憶部に前記第1状態の情報を記憶した後、前記一端末において情報が編集された場合に、編集後の情報の状態を第2状態として取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第2状態の情報と、前記記憶部に記憶した前記第1状態の情報とを比較して、情報に対する編集が行われた部分に対応し、情報が変化した部分を示す変化データを抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した前記変化データをメッセージに添付し、前記一端末とは異なる他端末に通知する通知部と
を備えたことを特徴とする情報編集システム。
【請求項10】
複数の端末を含み、
前記複数の端末において情報を共有し、且つ前記端末のそれぞれにおいて情報を編集可能な情報編集システムであって、
前記複数の端末のうちのひとつである一端末は、
前記一端末の入力部を介して入力または編集された情報を取得し、取得した情報の状態を第1状態として記憶する記憶部と、
前記記憶部に前記第1状態の情報を記憶した後、前記入力部を介して情報が編集された場合に、編集後の情報の状態を第2状態として取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第2状態の情報と、前記記憶部に記憶した前記の情報とを比較して、情報に対する編集が行われた部分に対応し、情報が変化した部分を示す変化データを抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した前記変化データをメッセージに添付し、前記一端末とは異なる他端末に通知する通知部と
を備えたことを特徴とする情報編集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の端末で共有する情報をそれぞれで編集可能な情報編集プログラム、情報編集方法、情報編集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の端末で情報を共有し、それぞれで情報の編集が可能な技術が開示されている。例えば特許文献1では、複数の拠点に電子黒板装置が配置され、一の拠点において電子黒板装置に描画されたオブジェクトを編集する操作がなされた場合、他の拠点に対し操作内容が通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一の拠点のユーザによるオブジェクト編集が行われる場合、編集前のオブジェクトは編集後のオブジェクトに更新されるため、編集前のオブジェクトと編集後のオブジェクトを比較することはできない。このため他の拠点のユーザは、一の拠点のユーザの編集時に操作内容が通知されても、編集前のオブジェクトを覚えていない限り、具体的にどこが編集されたのかを認知するのが困難であった。
【0005】
本発明は、情報に対する編集箇所をメッセージに添付して通知できる情報編集プログラム、情報編集方法、情報編集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様によれば、複数の端末において情報を共有し、且つ前記端末のそれぞれにおいて情報を編集可能な情報編集プログラムであって、前記複数の端末のうちのひとつである一端末において入力または編集された情報の状態を第1状態として記憶する記憶処理と、前記記憶処理によって前記第1状態の情報が記憶された後、前記一端末において情報が編集された場合に、編集後の情報の状態を第2状態として取得する取得処理と、前記取得処理によって取得された前記第2状態の情報と、前記記憶処理によって記憶された前記第1状態の情報とを比較して、情報に対する編集が行われた部分に対応し、情報が変化した部分を示す変化データを抽出する抽出処理と、前記抽出処理によって抽出された前記変化データをメッセージに添付し、前記一端末とは異なる他端末に通知する通知処理とをコンピュータに実行させるための情報編集プログラムが提供される。第1態様によれば、情報編集プログラムを実行するコンピュータは、一端末のユーザが情報を編集した場合に、情報の編集箇所を示す変化データをメッセージに添付して、他端末に通知することができる。故に他端末のユーザは、情報の編集箇所を容易に認知できる。
【0007】
本発明の第2態様によれば、複数の端末において情報を共有し、且つ前記端末のそれぞれにおいて情報を編集可能な情報編集プログラムに従ってコンピュータが実行可能な方法であって、前記複数の端末のうちのひとつである一端末において入力または編集された情報の状態を第1状態として記憶する記憶処理と、前記記憶処理によって前記第1状態の情報が記憶された後、前記一端末において情報が編集された場合に、編集後の情報の状態を第2状態として取得する取得処理と、前記取得処理によって取得された前記第2状態の情報と、前記記憶処理によって記憶された前記第1状態の情報とを比較して、情報に対する編集が行われた部分に対応し、情報が変化した部分を示す変化データを抽出する抽出処理と、前記抽出処理によって抽出された前記変化データをメッセージに添付し、前記一端末とは異なる他端末に通知する通知処理とを含むことを特徴とする情報編集方法が提供される。第2態様によれば、第1態様と同様の効果を奏する。
【0008】
本発明の第3態様によれば、サーバと、前記サーバを介して接続される複数の端末とを含み、前記複数の端末において情報を共有し、且つ前記端末のそれぞれにおいて情報を編集可能な情報編集システムであって、前記サーバは、前記複数の端末のうちのひとつである一端末において入力または編集された情報を取得し、取得した情報の状態を第1状態として記憶する記憶部と、前記記憶部に前記第1状態の情報を記憶した後、前記一端末において情報が編集された場合に、編集後の情報の状態を第2状態として取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第2状態の情報と、前記記憶部に記憶した前記第1状態の情報とを比較して、情報に対する編集が行われた部分に対応し、情報が変化した部分を示す変化データを抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した前記変化データをメッセージに添付し、前記一端末とは異なる他端末に通知する通知部とを備えたことを特徴とする情報編集システムが提供される。第3態様によれば、第1態様と同様の効果を奏する。
【0009】
本発明の第4態様によれば、複数の端末を含み、前記複数の端末において情報を共有し、且つ前記端末のそれぞれにおいて情報を編集可能な情報編集システムであって、前記複数の端末のうちのひとつである一端末は、前記一端末の入力部を介して入力または編集された情報を取得し、取得した情報の状態を第1状態として記憶する記憶部と、前記記憶部に前記第1状態の情報を記憶した後、前記入力部を介して情報が編集された場合に、編集後の情報の状態を第2状態として取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第2状態の情報と、前記記憶部に記憶した前記第1状態の情報とを比較して、情報に対する編集が行われた部分に対応し、情報が変化した部分を示す変化データを抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した前記変化データをメッセージに添付し、前記一端末とは異なる他端末に通知する通知部とを備えたことを特徴とする情報編集システムが提供される。第4態様によれば、第1態様と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図4】新規にドキュメントを作成する場合の動作を説明するための図である。
【
図6】編集処理のフローチャートであり、
図5の続きである。
【
図7】編集処理のフローチャートであり、
図6の続きである。
【
図8】編集処理のフローチャートであり、
図7の続きである。
【
図9】ドキュメントを編集する場合の動作を説明するための図である。
【
図10】サーバ装置2で実行される編集処理の変形例のフローチャートである。
【
図11】変更点として消去データがある場合の編集処理の変形例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0012】
図1を参照し、情報編集システム1の概要について説明する。情報編集システム1は、サーバ装置2およびクライアント装置3A、3B、3C(総称して「クライアント装置3」ともいう。)を有する。サーバ装置2は、ネットワーク回線5を介してアクセスポイント4A,4B,4C(総称して「アクセスポイント4」ともいう。)と通信可能に接続する。クライアント装置3A,3B,3Cは、それぞれアクセスポイント4A,4B,4Cと無線により通信可能に接続する。このため、サーバ装置2およびクライアント装置3A,3B,3Cのそれぞれは、ネットワーク回線5およびアクセスポイント4を介して相互に通信可能である。クライアント装置3は、周知のタブレット端末である。
【0013】
サーバ装置2は、CPU21、記憶部22、および通信インターフェース(I/F)23を有する。CPU21は、サーバ装置2の制御全般を司る。記憶部22には、CPU21が実行するためのサーバプログラム、ドキュメント等が記憶される。ドキュメントは複数の編集データを含み、クライアント装置3の表示部33に表示可能、且つ入力部34を介して編集データの追加、削除、変更等の編集が可能なデータである。編集データの一例として、ストロークデータ、キャラクタデータ、消去データ、画像データ、動画データ等が挙げられる。ストロークデータはストローク(筆跡)を示すデータであり、ストロークを構成する複数の線分の各々のドキュメント内における位置を規定する座標データ、複数の線分をグループ毎に区分するためのグループデータ等を含む。キャラクタデータは、文字、記号等の文字コードを示すデータであり、ドキュメント内における表示位置を規定する座標データ、複数の文字、記号等をグループ毎の区分するためのグループデータ等を含む。消去データは、編集データの一部に対して行われた消去の処理を示すデータであり、消去対象の編集データを示す対象データ、対象データにおける消去位置を示す位置データ、消去形状を示す形状データ等を含む。なお、本実施形態において、編集データに対する「消去」の処理という場合は、対象の編集データの一部を消去する処理をいい、編集データに対する「削除」の処理という場合は、対象の編集データの全てを消去する処理をいう。消去対象の編集データは、消去データと重なる部位が消去され、編集データに対する変更の処理がなされたものとして、変更前の編集データに置き換えられる。画像データは、表示部33に表示可能な画像のデータであり、ドキュメント内における表示位置を示す座標データを含む。動画データは、表示部33に表示可能な動画のデータであり、ドキュメント内における表示位置を示す座標データを含む。ドキュメントは、複数のクライアント装置3において共有して表示可能であり、且つ互いに編集可能である。
【0014】
CPU21は、クライアント装置3において編集されたドキュメントを受信して記憶部22に記憶する。また、CPU21は、ネットワーク回線5を通じてクライアント装置3がドキュメントをダウンロード可能にするため、記憶部22におけるドキュメントの記憶領域をクライアント装置3に対してネットワーク上で共有する。CPU21は、記憶領域におけるドキュメントの位置を特定するURLを生成することができる。通信I/F23は、ネットワーク回線5およびアクセスポイント4を介してクライアント装置3と通信を行うための通信モジュールである。
【0015】
クライアント装置3は、CPU31、記憶部32、表示部33、入力部34、および通信I/F35を有する。CPU31は、クライアント装置3の制御全般を司る。記憶部32には、CPU31が実行するための情報編集プログラム、ドキュメント、公知の光学文字認識(OCR)処理のプログラム等が記憶される。CPU31は、サーバ装置2からドキュメントを受信して記憶部32に記憶する。CPU31は、記憶部32に記憶されたドキュメントに対し、編集データの追加、削除、変更等の編集処理を行うことが可能である。表示部33は液晶ディスプレイである。入力部34は、表示部33の表面に設けられたタッチパネルである。通信I/F35は、ネットワーク回線5およびアクセスポイント4を介してサーバ装置2と通信を行うための通信モジュールである。
【0016】
情報編集システム1におけるドキュメントの新規作成および編集が行われる場合の動作について説明する。情報編集システム1では、クライアント装置3においてドキュメントを共有するアプリケーション(以下「共有アプリ」という。)が起動中である場合において、ドキュメントに対して行われた編集によって生成される編集データは、リアルタイムにサーバ装置2にアップロードされる。他のクライアント装置3において起動中の共有アプリから同一のドキュメントに対して行われた編集の編集データがサーバ装置2にアップロードされると、編集データは直ちにダウンロードされ、編集内容がドキュメントに即座に反映される。例えばクライアント装置3Aにおいてドキュメントが新規作成、あるいはドキュメントに対する編集が行われた場合に、他のクライアント装置3B,3Cがドキュメントを開いていない場合がある。この場合、情報編集システム1では、クライアント装置3Aからクライアント装置3B,3Cに対し、ドキュメントの新規作成を報せるメール、あるいはドキュメントに対する編集の履歴を報せるメールが送信される。
【0017】
図2、
図4(A)を参照し、ドキュメントが新規に作成される場合に実行される新規作成処理を説明する。例えばクライアント装置3Aにおいて共有アプリが起動されており、図示しないメイン処理において、ドキュメントを新規に作成する操作が行われた場合、CPU31は、新規作成処理を記憶部32から読み出して実行し、白紙(未記入)のドキュメントを新規に作成して表示部33に表示する(S1)。CPU31は、ユーザの操作に応じてドキュメントを編集する。ユーザの操作に応じて生成された編集データはドキュメントに追加され、且つサーバ装置2にアップロードされる。
【0018】
ユーザがドキュメントの作成を終了する操作を行った場合(S3:YES)、CPU31は新規作成されたドキュメントを記憶部32に保存し(S25)、新規作成処理を終了して共有アプリのメイン処理に戻る。
【0019】
ドキュメントの編集画面には、「メールで共有」ボタンが配置されている。ユーザがドキュメントの作成を終了せず(S3:NO)、「メールで共有」ボタンを操作しなければ(S5:NO)、CPU31は処理をS1に戻し、ドキュメントの作成を継続する。ユーザがドキュメントの作成を終え、「メールで共有」ボタンを操作した場合(S5:YES)、CPU31は、「メールで共有」ダイアログ50を表示部33に表示する(S7)。
図4(A)に示すように、「メールで共有」ダイアログ50には、「送信」ボタン51、「キャンセル」ボタン52、宛先追加欄53、メッセージ記入欄54が設けられている。
【0020】
図2に示すように、CPU31は、表示部33に表示するドキュメント全体のスクリーンショットを取得し、「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S9)。CPU31は、ドキュメントのURLをサーバ装置2から取得し、「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S11)。なお、「メールで共有」ダイアログ50にデータ等の添付や記載の追加がなされた後の状態の図示は省略する。
【0021】
CPU31は、「メールで共有」ダイアログ50において、宛先追加欄53およびメッセージ記入欄54への入力を受付ける(S13)。
図4(A)に示すように、ユーザは、図示しないユーザ一覧表示ボックスから、ドキュメントを共有する対象であるクライアント装置3B,3Cのユーザを選択することができる。CPU31は、選択されたユーザを、宛先追加欄53に追加して表示する。CPU31は、選択されたユーザのメールアドレスを図示しないユーザデータから取得し、「メールで共有」ダイアログ50に添付する。また、CPU31は、ユーザによってメッセージ記入欄54に入力されたメッセージを「メールで共有」ダイアログ50に添付する。
【0022】
図2に示すように、「キャンセル」ボタン52が操作された場合(S15:YES)、CPU31は「メールで共有」ダイアログ50を閉じて入力内容を破棄する。CPU31は、処理をS1に戻し、ドキュメントの作成を継続する。「キャンセル」ボタン52が操作されず(S15:NO)、「送信」ボタン51も操作されない場合(S17:NO)、CPU31は処理をS13に戻し、「メールで共有」ダイアログ50への入力の受付けを継続する。
【0023】
「送信」ボタン51が操作された場合(S17:YES)、CPU31は、宛先追加欄53に追加された送信対象のユーザがクライアント装置3で共有アプリを起動中のオンライン状態であるか否かをサーバ装置2に問い合わせる。送信対象のユーザがオフライン状態の場合(S19:NO)、CPU31は表示部33に、送信対象のユーザがオフラインである旨を表示する(S23)。CPU31は、新規作成されたドキュメントを記憶部32に保存し(S25)、新規作成処理を終了して共有アプリのメイン処理に戻る。
【0024】
送信対象のユーザがオンライン状態の場合(S19:YES)、CPU31は、「メールで共有」ダイアログ50に入力および添付された内容を通知メール60に変換する。
図4(A)に示すように、通知メール60には、宛先追加欄53に追加された送信対象のユーザのメールアドレス61、ドキュメントの新規作成を報せる件名62、入力されたメッセージ63、「ページへのURL」と記載されたドキュメントのURLへのリンク64、ドキュメント全体のスクリーンショット65が添付または記載される。
図2に示すように、CPU31は、通知メール60を送信対象のユーザのクライアント装置3B,3Cに送信する(S21)。また、CPU31は、送信対象のユーザのクライアント装置3B,3Cに対し、メールの送信を報せる通知を発信する。CPU31は、新規作成されたドキュメントを記憶部32に保存し(S25)、新規作成処理を終了して共有アプリのメイン処理に戻る。
【0025】
図3、
図4(B)を参照し、通知メール60を受信した場合に実行されるメール受信処理を説明する。例えばクライアント装置3Bにおいて共有アプリが起動されており、図示しないメイン処理において、通知メール60の送信を報せる通知を受信した場合、CPU31は、ユーザの操作に従い、通知メール60を表示部33に表示する(S31)。通知メール60を見たユーザがそのまま通知メール60を閉じる操作を行った場合(S33:YES)、CPU31は通知メール60を非表示にし(S39)、メール受信処理を終了して共有アプリのメイン処理に戻る。ユーザが通知メール60を閉じる操作を行わず(S33:NO)、通知メール60中のドキュメントのURLへのリンク64をクリックしなければ(S35:NO)、CPU31は処理をS31に戻し、通知メール60の表示を継続する。
【0026】
ユーザが通知メール60中のドキュメントのURLへのリンク64をクリックした場合(S35:YES)、CPU31は、URLに従い、サーバ装置2からドキュメントをダウンロードして、表示部33に表示する(S37)。表示部33には、クライアント装置3Aのユーザが新規作成したドキュメントが表示される。CPU31は、メール通知処理を終了して共有アプリのメイン処理に戻る。
【0027】
図5~
図9を参照し、作成済みのドキュメントが編集される場合に実行される編集処理を説明する。例えばクライアント装置3Aにおいて共有アプリが起動されており、図示しないメイン処理において、ドキュメントを編集する操作が行われた場合、CPU31は、編集処理を記憶部32から読み出して実行する。ユーザは、図示しない選択ボックスにおいて編集対象とするドキュメントを選択する。
図5に示すように、CPU31は、記憶部32に前回保存したドキュメントが指定された場合は、記憶部32に記憶するドキュメントを読込んで、表示部33に表示する(S41)。また、サーバ装置2に記憶されたドキュメントが指定された場合は、編集対象のドキュメントをサーバ装置2からダウンロードし、表示部33に表示する。CPU31は、編集対象のドキュメントを編集前のドキュメントとして記憶部32に保存する(S43)。
【0028】
CPU31は、ユーザの操作に応じてドキュメントを編集する(S45)。ユーザの操作に応じて生成された編集データはドキュメントに追加され、且つサーバ装置2にアップロードされる。ユーザがドキュメントの編集を終了する操作を行った場合(S47:YES)、CPU31は編集されたドキュメントを記憶部32に保存し(S137)、新規作成処理を終了して共有アプリのメイン処理に戻る。
【0029】
ユーザがドキュメントの編集を終了せず(S47:NO)、編集画面の「メールで共有」ボタンを操作しなければ(S49:NO)、CPU31は処理をS45に戻し、ドキュメントの編集を継続する。ユーザがドキュメントの編集を終え、「メールで共有」ボタンを操作した場合(S49:YES)、CPU31は、「メールで共有」ダイアログ50を表示部33に表示する(S51)。CPU31は、S43の処理で記憶部32に保存した編集前のドキュメントを、比較のため、記憶部32の図示しないワーキングエリアに読み込む(S52)。CPU31は編集前のドキュメント全体のスクリーンショット71(
図9参照)を取得し、「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S53)。
【0030】
CPU31は、編集後のドキュメントを、比較のため、記憶部32のワーキングエリアに読み込む(S54)。CPU31は、ワーキングエリアに読み込んだ編集前のドキュメントと、編集後のドキュメントを比較する。CPU31は、ドキュメントに含まれる編集データに差分があれば、その編集データを変更点として抽出する(S55)。編集後のドキュメントに編集前のドキュメントに対する変更点がない場合(S57:NO)、CPU31は処理をS121に進める。なお、ドキュメントが編集されなかった場合には、新規作成時と同様の通知メール60が作成され、(
図4(A)参照)、送信対象のユーザのクライアント装置3に送信される。
【0031】
編集前のドキュメントに対する編集後のドキュメントの変更点がある場合(S57:YES)、
図6に示すように、CPU31は、編集後のドキュメント全体のスクリーンショット72を取得し、「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S59)。CPU31は、S55の処理で抽出した変更点の位置を、編集後のドキュメント全体のスクリーンショット72において、強調表示72Aを行う(S61)。
図9に示すように、強調表示72Aは、スクリーンショット72において、変更点のある領域を取り囲む線分で表示してもよい。また、強調表示72Aは、更点のある領域のコントラストを高めた表示としてもよい。
図6に示すように、CPU31は、スクリーンショット72に重ねて表示する強調表示72Aを、「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S61)。
【0032】
変更点として編集データの削除が行われていなければ(S71:NO)、CPU31は処理をS75に進める。変更点として編集データの削除が行われた場合(S71:YES)、CPU31は、削除の操作があった旨の記述73(
図9参照)を「メールで共有」ダイアログ50に記載する(S73)。
【0033】
変更点としてストロークデータの追加または変更があれば、(S75:YES)、CPU31は、手書き入力があった旨の記述82(
図9参照)を「メールで共有」ダイアログ50に記載する(S77)。CPU31は、編集後のドキュメントから、変更点のあるストロークデータとその周囲の所定範囲の領域を含むスクリーンショット77(
図9参照)を取得する。CPU31は、スクリーンショット77を「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S79)。
【0034】
次いでCPU31は、スクリーンショット77に対し、OCR処理を行う。CPU31はOCR処理のプログラムを記憶部32から読み出して実行し、スクリーンショット77からOCR処理で読み取った文字画像を解析して得られる文字コードを取得する。CPU31は、文字コードが示す文字、記号等の文字列であるテキスト76を取得する(S81)。CPU31は、取得したテキスト76を「メールで共有」ダイアログ50に記載し(S83)、処理をS111に進める。
【0035】
図7に示すように、未処理の変更点があれば(S111:YES)、CPU31は処理をS75に戻す。
図6に示すように、変更点としてキャラクタデータの追加または変更があれば、(S75:NO、S91:YES)、CPU31は、文字、記号等の文字列(テキスト)の入力があった旨の記述81(
図9参照)を「メールで共有」ダイアログ50に記載する(S93)。CPU31は、編集後のドキュメントから、変更点のあるキャラクタデータが示すテキスト74を表示したスクリーンショット75(
図9参照)を取得する。CPU31は、スクリーンショット75を「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S95)。また、CPU31は、取得したテキスト74を、「メールで共有」ダイアログ50に記載し(S97)、処理をS111に進める。
【0036】
図7に示すように、変更点として画像データまたは動画データの追加または変更があれば、(S75:NO、S91:NO、S101:YES)、CPU31は、画像または動画の追加等があった旨の記述83(
図9参照)を「メールで共有」ダイアログ50に記載する(S103)。CPU31は、編集後のドキュメントから、変更点のある画像データが示す画像78(
図9参照)、または変更点のある動画データが示す動画を取得し、「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S105)。CPU31は処理をS111に進める。
【0037】
変更点としてその他の編集データの追加または変更の操作があれば、(S75:NO、S91:NO、S101:NO)、CPU31は、編集データの追加等があった旨の記述84(
図9参照)を「メールで共有」ダイアログ50に記載する(S107)。CPU31は、編集後のドキュメントから、変更点のある編集データが示す図形等を表示したスクリーンショット79(
図9参照)を取得し、「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S109)。CPU31は処理をS111に進める。
【0038】
全ての変更点に対する処理を終え、未処理の変更点がなくなった場合(S111:NO)、CPU31は、ドキュメントのURLをサーバ装置2から取得し、「メールで共有」ダイアログ50に添付する(S121)。CPU31は、「メールで共有」ダイアログ50において、宛先追加欄53およびメッセージ記入欄54への入力を受付ける(S123)。CPU31は、ユーザによって選択されたドキュメント共有対象のユーザのメールアドレスを、「メールで共有」ダイアログ50に添付する。また、CPU31は、ユーザによってメッセージ記入欄54に入力されたメッセージを「メールで共有」ダイアログ50に添付する。
【0039】
「キャンセル」ボタン52が操作された場合(S125:YES)、CPU31は「メールで共有」ダイアログ50を閉じて入力内容を破棄する。CPU31は、処理をS45に戻し、ドキュメントの編集を継続する。「キャンセル」ボタン52が操作されず(S125:NO)、「送信」ボタン51も操作されない場合(S127:NO)、CPU31は処理をS123に戻し、「メールで共有」ダイアログ50への入力の受付けを継続する。
【0040】
「送信」ボタン51が操作された場合(S127:YES)、
図8に示すように、CPU31は、宛先追加欄53に追加された送信対象のユーザがクライアント装置3で共有アプリを起動中のオンライン状態であるか否かをサーバ装置2に問い合わせる。送信対象のユーザがオフライン状態の場合(S131:NO)、CPU31は表示部33に、送信対象のユーザがオフラインである旨を表示する(S135)。CPU31は、編集されたドキュメントを記憶部32に保存し(S137)、編集処理を終了して共有アプリのメイン処理に戻る。
【0041】
送信対象のユーザがオンライン状態の場合(S131:YES)、CPU31は、「メールで共有」ダイアログ50に入力および添付された内容を通知メール70に変換する。
図9に示すように、通知メール70には、送信対象のユーザのメールアドレス85、ドキュメントの編集を報せる件名86、入力されたメッセージ87、ドキュメントのURLへのリンク88が記載される。また、通知メール70には、編集前のドキュメント全体のスクリーンショット71、強調表示72Aがなされた編集後のドキュメント全体のスクリーンショット72、削除を報せる記述73、手書き入力を報せる記述82とそのスクリーンショット77、OCR処理で読み取ったテキスト76が添付または記載される。更に、通知メール70には、テキスト入力を報せる記述81とそのテキスト74、テキスト74のスクリーンショット75、画像または動画を報せる記述83とその画像78または動画、図形等その他の編集データの編集を報せる記述84とそのスクリーンショット79が添付または記載される。
【0042】
図8に示すように、CPU31は、通知メール70を送信対象のユーザのクライアント装置3B,3Cに送信する(S133)。また、CPU31は、送信対象のユーザのクライアント装置3B,3Cに対し、メールの送信を報せる通知を発信する。CPU31は、編集されたドキュメントを記憶部32に保存し(S137)、編集処理を終了して共有アプリのメイン処理に戻る。
【0043】
以上説明したように、情報編集プログラムを実行するクライアント装置3のCPU31は、ユーザがドキュメントを編集した場合に、ドキュメントの編集箇所を示す編集データを通知メール70に添付して、他のクライアント装置3に通知することができる。他のクライアント装置3のユーザは、ドキュメントの編集箇所を容易に認知できる。
【0044】
情報編集プログラムを実行するCPU31は、編集前のドキュメント全体の表示状態を示すスクリーンショット71と、編集後のドキュメント全体の表示状態を示すスクリーンショット72とを通知メール70に添付して、他のクライアント装置3に通知することができる。故に他のクライアント装置3のユーザは、スクリーンショット71とスクリーンショット72とを比較して見ることで、ドキュメントの変更箇所を容易に認知できる。
【0045】
情報編集プログラムを実行するCPU31は、編集後のドキュメント全体のスクリーンショット72における編集箇所を強調表示72Aにより示した上で、通知メール70に添付して、他のクライアント装置3に通知することができる。故に他のクライアント装置3のユーザは、スクリーンショット72において強調表示72Aがなされた部分を見ることで、ドキュメントの変更箇所を容易に認知できる。
【0046】
情報編集プログラムを実行するCPU31は、特定部位、即ち変更点のある編集データを含む部分の画像、即ち変更箇所を切り抜いた形態の画像である部分画像、即ちスクリーンショット75,77,79をメッセージに添付して、他端末に通知することができる。故に他端末のユーザは、スクリーンショット75,77,79を見ることで、情報の変更箇所を容易に認知できる。
【0047】
情報編集プログラムを実行するCPU31は、ストロークデータのスクリーンショット77をOCR処理によって読み取ったテキスト76を通知メール70に添付して、他のクライアント装置3に通知することができる。故に他のクライアント装置3のユーザは、ストロークとして入力、即ち手書き入力されたテキスト76を見ることで、情報の変更箇所を容易に認知できる。
【0048】
情報編集プログラムを実行するコンピュータは、ドキュメントに画像データまたは動画データが貼り付けられた場合、画像データが示す画像または動画データが示す動画を通知メール70に添付して、他のクライアント装置3に通知することができる。故に他のクライアント装置3のユーザは、変更箇所が画像または動画であることを容易に認知できる。
【0049】
上記実施形態において、クライアント装置3,3A,3B,3Cは、本発明の「端末」に相当する。ドキュメントは、本発明の「情報」に相当する。ドキュメントの編集前の状態は、本発明の「第1状態」に相当する。S43の処理を実行するCPU31は、本発明の「記憶処理」に相当する。ドキュメントの編集後の状態は、本発明の「第2状態」に相当する。S54の処理を実行するCPU31は、本発明の「取得処理」に相当する。編集データは、本発明の「変化データ」に相当する。S55の処理を実行するCPU31は、本発明の「抽出処理」に相当する。通知メール70は、本発明の「メッセージ」に相当する。S133の処理を実行するCPU31は、本発明の「通知処理」に相当する。スクリーンショット71は、本発明の「第1全体画像」に相当する。スクリーンショット72は、本発明の「第2全体画像」に相当する。S53,S59の処理を実行するCPU31は、本発明の「表示画像生成処理」に相当する。S61の処理を実行するCPU31は、本発明の「強調表示処理」に相当する。変更点のある編集データは、本発明の「特定部位」に相当する。スクリーンショット77は、本発明の「部分画像」に相当する。S79の処理を実行するCPU31は、本発明の「部分画像生成処理」に相当する。S81の処理を実行するCPU31は、本発明の「読取処理」に相当する。テキスト76は、本発明の「文字列」に相当する。S105の処理を実行するCPU31は、本発明の「データ取得処理」に相当する。
【0050】
本発明は上記実施形態から種々変更できる。以下説明する各種変形例は、矛盾が生じない限り、それぞれ組み合わせ可能である。例えば、情報編集プログラムはクライアント装置3のCPU31が実行したが、
図5~
図8に示す編集処理に相当する処理を、サーバ装置2のCPU21が実行してもよい。例えば、
図10に示す、サーバ装置2で行う編集処理のように、クライアント装置3においてドキュメントを編集するための読み込み(ダウンロード)が行われた場合(S151)、CPU21は、編集対象のドキュメントを記憶部22に保存する(153)。次に、クライアント装置3において、ドキュメントの編集が終わり、「メールで共有」ボタンの操作が行われた場合(S155)、CPU21は、記憶部22に保存した編集対象のドキュメントをワーキングエリアに読み込んで取得する(S157)。CPU21は、編集対象のドキュメント全体のスクリーンショットを取得し、ワーキングエリアに記憶する(S159)。ドキュメントの編集データは、クライアント装置3からリアルタイムにアップロードされるので、CPU21は、編集データが最新に更新された、編集後のドキュメントをワーキングエリアに読み込んで取得する(S161)。
【0051】
CPU21は、クライアント装置3の編集処理のS55~S121と同様の処理を行い、通知メール70に添付および記載する内容を作成する。なお、通知メール70に添付および記載する内容は、クライアント装置3における「メールで共有」ダイアログ50に添付および記載する代わりに、サーバ装置2では、ワーキングエリアに添付および記載する。次に、クライアント装置3において通知メール70の「メールで共有」ダイアログ50に対する入力が終わり、「送信」ボタン51が操作された場合(S171)、CPU21は、編集後のドキュメントのURLを取得する(S173)。CPU21は、クライアント装置3から、「メールで共有」ダイアログ50に入力された宛先とメッセージの内容を取得する(S175)。CPU21は、ワーキングエリアに記憶する編集前のスクリーンショット71、編集後のスクリーンショット72、通知メール70に添付および記載する内容、クライアント装置3から取得した宛先とメッセージの内容を添付および記載した通知メール70を生成する。CPU31は、生成した通知メール70と、メールの送信を報せる通知を、送信対象のユーザのクライアント装置3に送信する(S177)。このように、通知メール70を生成する処理をサーバ装置2において行うことで、クライアント装置3は、通知メール70を生成にかかる負荷を軽減することができる。
【0052】
また、情報編集システム1は、サーバ装置2がなく、ネットワーク回線5を介してクライアント装置3が相互に接続する構成であってもよい。この場合、クライアント装置3のうちの1つが、ドキュメントを共有してURLを生成するサーバ装置2としての機能を提供してもよい。サーバ装置2としての機能は、特定のクライアント装置3が提供してもよいし、ドキュメントごとに、異なるクライアント装置3が提供してもよい。例えば、ドキュメントを最初に作成したクライアント装置3が、そのドキュメントにおけるサーバ装置2としての機能を提供してもよい。
【0053】
S71、S73では、編集データが削除された場合に、その旨を報せる記述73が通知メール70に記載されたが、編集データが消去データによって部分消去され、新たな編集データとして生成された場合に、編集データが部分消去されたことを報せる記述が通知メール70に記載されてもよい。例えば
図11に示すように、S73とS75の処理の間に、S151~S157の処理を追加してもよい。CPU31は、変更点として消去データがなければ(S151:NO)、処理をS75に進める。変更点として消去データがある場合(S151:YES)、CPU31は、編集データに対する部分的な消去があった旨の記述(図示略)を「メールで共有」ダイアログ50に記載する(S153)。CPU31は、消去データと、消去対象の編集データである対象データとを重ね、両者が重なる部分を対象データから消去する。CPU31は、消去後の対象データを、新たな編集データとして生成する(S155)。CPU31は、編集後のドキュメントから、部分消去によって新たに生成した編集データと、その周囲の所定範囲の領域を含むスクリーンショットを取得する。CPU31は、スクリーンショットを「メールで共有」ダイアログ50に添付し(S157)、処理をS75に進める。このように、情報編集プログラムを実行するCPU31は、部分消去によって新たに生成した編集データのスクリーンショットと、消去があった旨の記述とを通知メール70に添付して、他のクライアント装置3に通知することができる。故に他のクライアント装置3のユーザは、消去による部分的な変更がなされた部位を容易に認知できる。本変形例において、消去データは、本発明の「消去部位」に相当する。S155の処理を実行するCPU31は、本発明の「消去部位画像生成処理」に相当する。部分消去を報告する記述は、本発明の「消去報告」に相当する。
【0054】
CPU31は、S79で、変更点のあるストロークデータとその周囲の所定範囲の領域を含むスクリーンショット77を生成したが、周囲の所定範囲の領域を含めず、変更点のあるストロークデータのみのスクリーンショットを生成してもよい。CPU31は、S81で、ストロークデータのスクリーンショット77からOCR処理によって取得したテキスト76を通知メール70に記載したが、OCR処理は行わず、スクリーンショット77のみを通知メール70に添付してもよい。あるいは、CPU31は、通知メール70にストロークデータのスクリーンショット77を添付せず、OCR処理によって取得したテキスト76を記載してもよい。
【0055】
CPU31は、S95で、変更点のあるキャラクタデータのスクリーンショット75を生成して通知メール70に添付したが、通知メール70にはテキスト74のみを記載し、スクリーンショット75は添付しなくてもよい。CPU31は、通知メール70において、編集前のドキュメントに対する編集後のドキュメントの変更点を示す強調表示72Aを編集後のドキュメントのスクリーンショット72に重ねて表示したが、強調表示72Aはなくてもよい。
【0056】
CPU31は、S105で、変更点のある画像データが示す画像78または変更点のある動画データが示す動画を通知メール70に添付した。これにより、通知メール70を受信したクライアント装置3のユーザは、通知メール70を開くだけで、変更点のある画像78または動画の全内容を見ることができる。これに限らず、CPU31は、変更点のある画像データまたは変更点のある動画データを記憶する記憶領域のURLをサーバ装置2から取得して、取得したURLを通知メール70に添付してもよい。また、CPU31は、変更点のある動画データから、その動画の1画面の画像であるサムネイル画像、またはその動画の1シーンの動画であるサムネイル動画を取得または生成して、取得または生成したサムネイル画像またはサムネイル動画を通知メール70に添付してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 情報編集システム
2 サーバ装置
3,3A,3B,3C クライアント装置
21,31 CPU
22,32 記憶部
70 通知メール
71,72 スクリーンショット
72A 強調表示
73,81,82,83,84 記述
74,76 テキスト
75,77,79 スクリーンショット
78 画像