(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015019
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】ズボン掛け機能のあるハンガー
(51)【国際特許分類】
A47G 25/18 20060101AFI20230124BHJP
【FI】
A47G25/18
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114613
(22)【出願日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0094212
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0070905
(32)【優先日】2022-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519258828
【氏名又は名称】キム,ダン ハ
【住所又は居所原語表記】#207-402, 5-37 Jeolgol-gil 11beon-gil, Gwangju-si, Gyeonggi-do 12775, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】522285842
【氏名又は名称】キム,ドゥ ジン
【氏名又は名称原語表記】KIM, Doo Jin
【住所又は居所原語表記】#207-402, 5-37 Jeolgol-gil 11beon-gil, Gwangju-si, Gyeonggi-do 12775, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】キム,ダン ハ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドゥ ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン ジュ
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA02
3K099AA04
3K099AA05
3K099BA03
3K099BA04
3K099BA13
3K099BA16
3K099CA08
3K099CA21
3K099CB04
3K099CB06
3K099CB08
3K099CB19
3K099CB50
3K099DA13
3K099DA15
3K099DA30
(57)【要約】
【課題】ズボンを掛けて保管する場合、保管前に比べて保管後のズボンの変形が最小限に抑えられ、収納スペースも減少するズボン掛け機能を備えたハンガーを提供すること。
【解決手段】ハンガー100が提示される。ハンガー100は、上衣掛け部110、及び前記上衣掛け部110に含まれる締結部115に着脱可能に結合し、前記締結部115を軸として回転可能な下衣掛け部120を含む。下衣掛け部120が回転可能であるため、ズボン、スカート、タオルなどの衣類を下衣掛け部120にくるくる巻いて保管することで体積を減らし、衣類の変形を減らす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンガーであって、
上衣掛け部と、
前記上衣掛け部に含まれる締結部に着脱可能に結合し、前記締結部を軸として回転可能な下衣掛け部と、
を含むハンガー。
【請求項2】
前記下衣掛け部は、前記締結部を軸として時計回り及び反時計回りに360度以上回転しながら衣類を巻いて保管する、請求項1に記載のハンガー。
【請求項3】
前記上衣掛け部の前記締結部は、前記下衣掛け部の回転中心に位置する穴と雄雌結合する、請求項1に記載のハンガー。
【請求項4】
前記締結部は、湾曲する複数の翼を有し、前記複数の翼は離隔して配置され、前記締結部が前記穴に入って雄雌結合する場合、前記複数の翼が湾曲して前記離隔した程度が減少することで前記雄雌結合され、
前記複数の翼が湾曲してから復元しようとする復元力により、前記締結部が前記穴から抜けないように支持する摩擦力と、前記下衣掛け部が外力なしで自由回転しないようにする回転摩擦力が発生する、請求項3に記載のハンガー。
【請求項5】
前記下衣掛け部は、前記締結部と同軸をなす回転中心軸と、前記回転中心軸を基準にして両側に対称配置される1組のバーとを含み、リール構造を有する、請求項1に記載のハンガー。
【請求項6】
前記上衣掛け部は、左右の中心軸の上端に配置されるフックと、前記フックの下部に突出配置されて他のハンガーが掛けられるようにするカスケードコネクタと、を含む請求項1に記載のハンガー。
【請求項7】
前記上衣掛け部は、左右両側に締結される1組のスライド部を含み、前記スライド部は、前記上衣掛け部の左右両側にそれぞれ形成されるレールに締結され、スライドして展開することにより前記上衣掛け部の幅が可変する、請求項1に記載のハンガー。
【請求項8】
前記スライド部は、弾性力を有するトンネル構造であり、前記トンネル構造の直径よりも大きい前記レールに嵌めて締結され、前記スライド時に摩擦力が発生する、請求項7に記載のハンガー。
【請求項9】
前記スライド部は、トンネル構造であり、前記トンネル構造の内側と前記レールは互いに異なる素材で構成される、請求項7に記載のハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハンガーに関し、より詳しくは、ズボン掛け機能のあるハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活においてハンガーは多く利用されている。ハンガーは、通常、上衣(トップス)を掛けることを主な用途とし、ズボン掛けハンガーは、下段のバー(bar)の形で備えられたり、クリップ形状のズボン掛けハンガーが別の製品として存在したりする。バー形状からなるズボン掛けハンガーは、ズボンの重さによってバーの部分がズボンに押され、ズボンの折り目跡がひどく出ることがあり、クリップ形状のズボン掛けハンガーも、クリップの跡が残る不便さがある。
【0003】
ズボン掛けハンガーの形態のうち、2つ以上のバーを通してズボンの折れた跡を少なくする場合もあるが、大部分はズボンを半分に折る形態で保管され、クローゼット内での保管する体積が大きい。このような不便を解消するために、ズボン掛けハンガーの部分が収納スペースを節約し、ズボンのシワや折り畳み跡を少なくする改善が求められている。
【0004】
特許文献1(公開日:2010年01月21日)は、ズボンのシワを防止するハンガーを提示している。
特許文献2(公告日:2007年11月30日)は、幅の調節可能な上衣ハンガーと多段の下衣ハンガーを提示している。
【0005】
特許文献3(公開日:2019年07月05日)は、下部フレームが回転するズボン掛け機能のハンガーを提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2010-0006728号公報
【特許文献2】韓国登録実用新案第20-0437403号公報
【特許文献3】韓国公開特許第10-2019-0079163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ズボンを掛けて保管する場合、保管前に比べて保管後のズボンの変形が最小限に抑えられ、収納スペースも減少するズボン掛け機能を備えたハンガーが提供される。ズボン掛け部分を上衣掛け部分と着脱式に結合することで活用度を高める。数個のハンガーをカスケード(cascade)結合して活用度を高める。また、クローゼット、キャリアバック、又は服を保管する箱の様々な幅と高さに対応するように肩空間の幅が可変する。また、ハンガーの上端のフック(hook)も折り畳んだり取り外したりできるため、多様な活用度が付与される。その他にも、本発明は様々な解決課題に対応し、詳細な内容については後述する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ハンガーが提示される。一実施形態によれば、ハンガーは、上衣(トップス)掛け部と、前記上衣掛け部に含まれる締結部に着脱可能に結合し、前記締結部を軸として回転(rotate)可能な下衣(ボトムス)掛け部とを含む。下衣掛け部が回転可能なことは、トイレットペーパーや凧糸を巻くリール(reel or bobbin)のように、ズボン、スカート、タオルなどの衣類をくるくる巻いて体積を減らし、衣類の変形を減らすことに寄与する構造である。
【0009】
一実施形態によれば、前記下衣掛け部は、前記締結部を軸として時計回り(clockwise)及び反時計回り(count-clockwise)に360度以上、好ましくは、無限に回転可能であり、上記のように、衣類をくるくる巻いて保管できるようにする。
【0010】
一実施形態によれば、前記上衣掛け部と下衣掛け部とが結合する方式は、雄雌結合の方式である。例えば、前記上衣掛け部の締結部は雄(male)加工された突出部の形態であり、下衣掛け部には前記突出部が嵌め込まれて回るように雌(female)加工された穴(hole)の形態であってもよい。但し、雄雌加工は、逆に設けることも可能である。
【0011】
一実施形態によれば、前記雄加工された上衣掛け部の突出部は、複数の翼であり得る。このような翼部は湾曲する弾性を有してもよい。そして、複数の翼は離隔して配置することができるが、この複数の翼が湾曲しながら翼の外側の間隔が最初に離隔した程度よりも減少することにより、前記穴に前記翼が嵌る形態で締結部(複数の翼)が穴に雄雌結合することによって、下衣掛け部が上衣掛け部に固定される。そして、固定後には、下衣掛け部が上述したように、リール(reel or bobbin)のように、前記締結部を回転軸として時計回り又は反時計回りに回ることができる。
【0012】
一実施形態によれば、下衣掛け部が外力なしで自由回転しないように適切な回転摩擦力を発生する。上述したように、前記複数の翼は湾曲しながら前記穴に嵌り、この翼が再び広がって元の形状に復元しようとする復元力がこのような摩擦力を提供する。また、この復元力は、前記締結部が前記穴から抜けないように支持する摩擦力も発生させる。従って、このような締結構造によって、下衣掛け部が上衣掛け部の締結部から容易に離脱(脱去)したり、外力なしで空回りしたりする自由回転が防止される。もちろん、ユーザが意図して回転方向に力を加えると、適切な角度に回り、下衣掛け部に掛けられている衣類を巻き取ることができ、ユーザが意図して下衣掛け部を上衣掛け部と分離させるために力を加えると、上衣掛け部の両側が広がりながら、前記締結部が穴から抜けて、下衣掛け部を外すことができる。
【0013】
下衣掛け部を分離できることの利点は様々である。下衣掛け部が上衣掛け部から分離されている状態では、衣類を下衣掛け部に巻き取りやすい。例えば、ズボンの裾を挟んで下衣掛け部を手で握って回しながら巻き取れば、動きの自由度が高いために動作が簡便である。また、衣類を巻き取った状態の下衣掛け部だけを集めて旅行用キャリアに入れたり、季節の過ぎた服を保管する箱に畳んで入れて保管したりする際に、体積が減少するために収納が容易である。また、製造時に、下衣掛け部は別途成形されるため、製造工程上の長所もあり、製品(ハンガー)の包装及び販売時にも別個の包装及び別個の販売が可能であり、様々な長利点を有する。その他にも、下衣掛け部が別々に分離され、必要に応じて上衣掛け部と着脱可能なことには様々な利点がある。
【0014】
一方、下衣掛け部の形状は、様々に実現することができる。一実施形態によれば、前記下衣掛け部は、前記締結部と同軸をなして回転中心軸となるバーと、前記回転中心軸を基準にして両側に対称配置される1組のバーとを含み、前述したリール(reel)構造を有する。一実施形態によれば、このような3段のバー形態も可能であるが、他の実施形態においては、回転中心軸のバー又は両側対称構造のバーのうちの少なくとも1つは部分的に分離され、2つの部分(two parts)の構造になってもよい。下衣掛け部においてもプラスチックなどの高分子樹脂からなり、湾曲が生じ得るため、このような分離形態はくるくる巻いて収納する衣類の安定的な支持には不利な場合もあるが、衣類を巻き取る前に最初の位置を決めるためには便利な利点もあり、このような変形された実施形態が適用され得る。
【0015】
一方、一実施形態によれば、前記上衣掛け部は、通常のハンガーのように左右の中心軸の上端に配置されるフック(hook)を有する。一実施形態によれば、フックは、既存のハンガーと同様に360度回転可能であり、ヒンジ構造によって下方向に(180度近く)折り畳めてもよい。また、一実施形態によれば、フックは、折り畳まれたものから、さらに上衣掛け部から取り外すことができてもよい。このようにフックを折り畳んだり取り外せることは、キャリアバックに移し入れたり、季節が合わない服を掛けたままで保管箱に入れるときに有利な使用感を提供する。
【0016】
一実施形態によれば、前記上衣掛け部は、左右両側に締結される1組のスライド部を含む。例示的に、しかし限定されることなく、前記スライド部は、前記上衣掛け部の左右両側にそれぞれ形成されたレールに締結され、スライド式に展開したり、再び元の位置に戻したりすることによって、前記上衣掛け部の左右幅を可変できる。このような幅の可変性は、肩幅が多様な上衣をサイズに合わせて上衣を掛けることができる利点の他にも、キャリアバックや箱に入れる際に体積を調節できる利点、ハンガー自体の流通時の包装上の利点などを提供する。
【0017】
一実施形態によれば、このようなスライド部が緩んで滑り落ち、意図せずに展開したり、元の位置に戻ったりするのを防止するための特徴が提供される。このような特徴は、構造に起因するものであってもよく、及び/又は素材に起因するものであってもよい。
【0018】
一実施形態によれば、前記スライド部は、弾性力を有するトンネル構造であり、前記トンネル構造の直径よりも少し大きい前記レールに嵌められることにより、前記スライド時に摩擦力が発生し得る。この摩擦力により、肩部の幅を調節するスライド部が、意図せずに滑り動く状況が最小化され、ユーザの意図に合わせて調整及び固定される。
【0019】
他の一実施形態によれば、素材的なアプローチがこのような構造的なアプローチに追加又は代替し得るが、その場合、前記スライド部はトンネル構造であり、前記トンネル構造の内面と前記レールの表面は互いに異なる素材で構成されてもよい。例えば、トンネル構造の内側に摩擦力の大きいゴムやシリコンがコーティングされる方式などである。
【発明の効果】
【0020】
実施形態によれば、長いズボン、スカートなどのシワがよくできる衣類も、くるくる巻いて保管されるため、変形(例えば、折り畳まれた跡や挟まれた跡)が最小化される。また、このように、くるくる巻いて保管されるために衣類が保管中に滑り落ちることがなく、さらに収納スペースも最小化される。下衣部が上衣部と締結される結合部の構造も、着脱を助けながら回転方向に大き過ぎず小さ過ぎない固定力を有するよう設計されており、意図しない下衣部の回転を防止することができる。
【0021】
一方、実施形態によれば、下衣掛け部分が上衣掛け部分と着脱式に結合されるため、使用していないハンガーは保管が容易であり、また、衣類の形態によっては下衣部をくるくる巻き取った後に、上衣掛けと結合することも可能であるため、使用の便宜性が高まる。
【0022】
また、実施形態によれば、ハンガーを掛けるスペース(例えば、壁に打ち込まれている釘)がハンガーの数よりも不足する場合、又はクローゼット内の棒のスペースが足らない場合においても、すでに掛けられているハンガーのコネクタに他のハンガーをカスケード結合できるようにすることで活用度を高める。
【0023】
さらに、ハンガーの肩部分は、スライド形式に可変されるため、空のハンガー又は服が掛けられているハンガーであっても様々なサイズのクローゼット、キャリアバック、又は保管箱に対応して幅と高さが可変することで活用度が高まる。このようなスライド部は、スライドする部分の構造的及び/又は素材的な構造によって摩擦力が適切に保持されるため、意図しない展開が防止され、服の滑り落ちも防止できる。以上で説明した効果は例示的なものであり、本発明の効果は上述した説明に限定されない。様々な内容については後述する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】一実施形態によりフックが折り畳まれたハンガーを示す。
【
図3】一実施形態によりフックが取り外されたハンガーを示す。
【
図4】一実施形態によりスライド部が収納された形状を示す。
【
図5】一実施形態によりスライド部が展開された形状を示す。
【
図6】一実施形態によりズボン掛け部が回転する形状を説明するための図である。
【
図7】一実施形態によりズボン掛け部にズボンを掛けて回転させ、体積を減らして保管する過程を説明するための図である。
【
図8】一実施形態に係るハンガーの側面図であり、カスケードコネクタを説明するための図である。
【
図9】一実施形態によりカスケードコネクタを介して複数のハンガーが連結収納される形状を示す。
【
図10】一実施形態により上衣掛け部から下衣掛け部が取り外された形状と締結部の構造を示す。
【
図11】一実施形態に係るハンガーの様々な活用を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下にて、実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、権利範囲がこのような実施形態によって制限又は限定されることはない。各図面に提示された同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0026】
以下の説明で使用される用語は、関連する技術分野で一般的かつ普遍的なものとして選択されたが、技術の発達及び/又は変化、慣例、技術者の選好などにより他の用語が存在し得る。従って、以下の説明で使用される用語は、技術的な思想を限定するものと理解されてはならず、実施形態を説明するための例示的な用語として理解しなければならない。
【0027】
また、特定の場合に出願人が任意に選定した用語もあり、その場合に該当する説明部分において詳細なその意味を記載する。したがって、以下の説明で使用される用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と明細書の全般にわたる内容に基づいて理解しなければならない。
【0028】
図1は、一実施形態に係るハンガー100を示す。
一実施形態によれば、ハンガーは上衣掛け部110、及び前記上衣掛け部に含まれる締結部115に着脱可能に結合し、締結部115を軸として回転可能な下衣掛け部120を含む。上述したように、下衣掛け部120が回転可能なことは、トイレットペーパーや凧糸を巻くリールのように、ズボン、スカート、タオルなどの衣類をくるくる巻いて体積を減らし、衣類の変形を減少させるために寄与する構造であり、このような使用は、
図7を参照してより詳細に後述する。
【0029】
一実施形態によれば、下衣掛け部120は、締結部115を軸として時計回り(clockwise)及び反時計回り(count-clockwise)に360度以上、好ましくは、無限に回転可能であり、上記のように、衣類をくるくる巻いて保管できるようにする。下衣掛け部120の回転については
図6を参照して説明する。
【0030】
一実施形態によれば、上衣掛け部110と下衣掛け部120とが結合する方式は雄雌結合の方式である。例えば、上衣掛け部110の締結部115は雄加工された突出部の形態であり、下衣掛け部120には、前記突出部形態の締結部115が嵌め込まれて回るように雌加工された穴が設けられる。このような上衣掛け部110と下衣掛け部120との結合及び取り外し、そして、締結部115と穴の構造については、
図10を参照して説明する。
【0031】
一方、下衣掛け部120の形状は、
図1の実施形態で説明したもの以外に、様々に実現することができる。一実施形態によれば、下衣掛け部は、
図1に示したハンガー100の実施形態のように、締結部115と同軸(co-axial)をなして回転中心軸となるバーと、前記回転中心軸を基準にして両側に対称配置される1組のバーとを含み、前述したリール構造を有する。図示した実施形態によれば、このような3段のバーは、あたかも漢字の「日」の形をしているが、他の実施形態では、回転中心軸のバー又は両側の対称構造のバーのうちの少なくとも1つが部分的に分離され、2つの部分(two parts)からなってもよい。ハンガー100の全体の材質もそうであるが、下衣掛け部120もまたプラスチックなどの高分子樹脂からなり、湾曲(bending)が生じ得るため、このような分離形態(two parts form)はくるくる巻いて収納する衣類の安定的な支持には不利な場合もあるが、衣類を巻き取る前に最初の位置を決めるためには便利な利点もあり、このような変形実施形態が適用され得る。
【0032】
図1を参照すると、ハンガー100の上衣掛け部110は、通常のハンガーのように左右の中心軸の上端に配置されるフック101を有する。一実施形態によれば、フック101は、既存のハンガーと同様に、横方向に360度以上回転可能であり、ヒンジ構造102によって下方向に180度近く折り畳むことができる。フック101の動作については、
図2及び
図3を参考にして詳細に説明する。
【0033】
一実施形態によれば、上衣掛け部110は、左右両側の肩(shoulder)部分に締結される1組のスライド部111を含む。例示的に、しかし限定されることなく、前記スライド部は、前記上衣掛け部の左右両側にそれぞれ形成されているレールに締結され、スライド式に展開したり、再び元の位置に戻したりすることによって、前記上衣掛け部の左右の幅を可変できる。スライド部111の構造と動作及び効果については、
図4及び
図5を参照してより詳細に後述する。
【0034】
一方、一実施形態によれば、ハンガー100はフック101の下部に突出配置され、他のハンガーのフックが掛けられるようにするカスケードコネクタ103を含む。このようなカスケードコネクタ103が設けられることで、ハンガーを掛けるスペース(例えば、壁に打ち込まれている釘)がハンガーの数よりも不足する場合、又はクローゼット内の棒のスペースが足らない場合においても、すでに掛けられているハンガーのコネクタに他のハンガーをカスケード結合できるようにすることで、その活用度を高める。このような内容については、
図9を参照して後述する。
【0035】
図2は、一実施形態によりフック101が折り畳まれたハンガーの形状200を示す。
一実施形態によれば、フック101は、既存のハンガーと同様に、横方向に360度以上回転可能であり、ヒンジ構造102によって下方向に180度近く折り畳むことができる。このようにフックを折り畳めることによって、ハンガー100自体又は服を掛けている状態のハンガー100をキャリアバックに移し入れたり、季節の合わない服を保管箱に数枚重ねたりするときに有利な使用感を提供する。
【0036】
図3は、一実施形態によりフック101が取り外された状態のハンガー100の形状300を示す。
フック101を上衣掛け部110から取り外すことができるため、上述したように、ハンガー100自体又は服を掛けた状態のハンガー100をキャリアバックに移し入れたり、季節の合わない服を箱に数枚入れたりするときに便利である。
【0037】
図4は、一実施形態によりスライド部111が収納された形状400を示す。
図5は、スライド部111が展開された形状500を示す。
図4及び
図5を共に参照して説明する。
【0038】
図示した実施形態によれば、上衣掛け部110は、左右両側の肩部分に締結される1組のスライド部111を含む。例示的に、しかし限定されることなく、前記スライド部は、前記上衣掛け部の左右両側にそれぞれ形成されたレール112に締結され、スライド式に展開されるか(
図5参照)、又は再び元の位置に戻る(
図4参照)ことによって、上衣掛け部110の肩の左右幅が可変し得る。このような幅の可変性は、肩幅が多様な上衣をそのサイズに合わせて上衣を掛けることができる利点の他にも、キャリアバックや箱に入れる際に体積を調節できる利点、ハンガー自体の流通時の包装上の利点などを提供する。また、ユーザの立場から、様々な組み合わせ、部分パーツの購買などの利点も有する。
【0039】
一実施形態によれば、このようなスライド部が緩んで滑り落ち、意図せずに展開したり、元の位置に戻ったりするのを防止するための特徴が提供される。このような特徴は、構造的なものであってもよく、素材に起因するものであってもよい。
【0040】
一実施形態によれば、スライド部111は、弾性力を有するトンネル構造、凸(convex)形態、又は凹(concave)形態であってもよく、このような構造の断面の直径よりも少し大きい外周直径を有するレール112に嵌めて締結されることで、前記スライド時に摩擦力が発生し得る。この摩擦力により、肩部の幅を調節するスライド部が、意図せずに滑り動く状況が最小化され、ユーザの意図に合わせて調整及び固定される。
【0041】
上記の構造的なアプローチと共に、又はその代わりに、素材的なアプローチが上述した摩擦力を提供することも可能である。例えば、スライド部111のトンネル構造の内面とレール112の表面は、同じ素材又は互いに異なる素材であってもよく、異なる素材は、摩擦力の大きいゴムやシリコンがプラスチック上にコーティングされる方式などが挙げられる。
【0042】
図6は、一実施形態により下衣掛け部120が締結部115を軸として回転する形状を説明するための図であり、
図7は、実際の使用において、下衣掛け部120にズボンを掛けて回転させることで体積を減らして保管する過程を説明するための図である。
図6及び
図7を共に参照する。
【0043】
一実施形態によれば、ハンガー100の上衣掛け部110に形成されて含まれた締結部115に着脱可能に結合されている下衣掛け部120は、
図6において矢印に表示する方向に回転する。上述したように、下衣掛け部120が締結部115を軸として回転可能なことは、トイレットペーパーのように巻いたり、リール(reel or bobbin)に凧糸(string)を巻いたりするように、ズボン、スカート、タオルなどの衣類をこの下衣掛け部120にくるくる巻いて保管することのできる機能性を付与する。これにより、下衣掛け部120に巻き取られて保管される服の体積は減少し、保管前後の衣類の変形が大きく減少する。一般的に、ハンガーの下衣掛けバーに下衣を掛ける場合、バーに接触する部分に下衣の重さが集中して生地に無理がかかるが、図示した例のように、下衣掛け部120にくるくる巻き取られた下衣は、衣類の重さが様々な箇所に分散されるため、生地の変形や損傷が大きく減少する。
【0044】
このように下衣掛け部120に衣類、例えば、下衣を掛ける形状は、ステップ710~ステップ730の順に可能である。まず、ステップ710で、ズボンの裾を下衣掛け部の一部に入れて掛けた後、時計回り(clockwise)又は反時計回り(count-clockwise)に回し始めると、ステップ720のように下衣が巻き取られる。そして、同じ方向に回転を続けると、ステップ730のように、下衣がさらに短く巻き取られるようになる。どこまで短く巻き取るかは、生地に応じて、また収納スペースに応じてユーザが状況に合わせて調節することができる。
【0045】
図7では、下衣掛け部120が上衣掛け部110に締結されている状態で、衣類を下衣掛け部120に巻き上げる様子が示されているが、他の例では、下衣掛け部120を取り外した後に、ズボンの一方(例えば、裾)に下衣掛け部120を入れて(のり巻きを巻くように)自由にズボンを巻いた状態を作ることも可能である。これにより、下衣掛け部120に巻き取られた状態だけで保管や収納/移動が可能になる。そして、その状態でズボンが巻き取られた下衣掛け部120を上衣掛け部110に嵌めて締結すると、
図7に示すステップ730の状態になる。
【0046】
図8は、一実施形態に係るハンガー100の側面図であって、カスケードコネクタ103を説明するための図であり、
図9は、がカスケードコネクタ103を介して複数のハンガーが連結して掛けられる様子を示す。
【0047】
図示した実施形態のように、ハンガー100は、フック101の下部に突出配置され、他のハンガーのフックを掛けるカスケードコネクタ103を有する。
図9に示す形態のように、数個のハンガー100がカスケードコネクタ103-フック101-カスケードコネクタ103-フック101のように連鎖的に掛けられることで、ハンガー100を掛ける対象位置(例えば、壁に打ち込まれている釘)がハンガーの数よりも不足する場合、又はクローゼット内の棒のスペースが足らない場合においても、すでに掛けられているハンガーのコネクタに他のハンガーをカスケード結合することができる。従って、スペース活用度が高い。
【0048】
図10は、一実施形態により上衣掛け部110から下衣掛け部120が取り外された形状と締結部115の構造を示す。
図示するように、上衣掛け部110の締結部115は、雄加工された複数の翼(翼の形態を意味するのではなく、上衣掛け部110から突出した突起という内容で理解すべきである)から構成される。このような翼は、湾曲する弾性を有してもよい。そして、複数の翼は離隔して配置することができるが、この複数の翼が湾曲しながら翼の外側の間隔が最初に離隔した程度よりも減少することによって、下衣掛け部120に雌加工された穴116に嵌る形で結合することができる。すると、下衣掛け部120が上衣掛け部110に締結される。そして、締結後には、下衣掛け部が上述したように、リールのように前記締結部を回転軸として時計又は反時計回りに回転することができる。
【0049】
一実施形態によれば、下衣掛け部120が外力なしで自由回転しないよう適切な回転摩擦力を発生する。上述したように、締結部115をなす複数の翼は湾曲して穴116に嵌り、この翼が再び広がって元の形状に復元しようとする復元力がこのような摩擦力を提供する。また、この復元力は、締結部115が穴116から抜けないようにする摩擦力も発生させる。従って、このような締結構造により、下衣掛け部120が上衣掛け部110の締結部115から容易に離脱(脱去)したり、外力なしで空回りしたりする状況を防止できる。もちろん、ユーザが意図して回転方向に力を加えれば、適切な角度に回り、下衣掛け部に掛けられている衣類を巻き取ることができ、ユーザが意図して下衣掛け部を上衣掛け部から分離させるために力を加えると、上衣掛け部の両側が広がりながら、前記締結部が穴から抜けて、下衣掛け部が外れる。
【0050】
図10に示すように、下衣掛け部120を分離できることの利点は様々である。下衣掛け部が上衣掛け部110から分離されている状態では、衣類を下衣掛け部に巻き取りやすい。例えば、ズボンの裾を挟んで下衣掛け部を手で握って回しながら巻き取れば、動きの自由度が高いために動作が簡便である。また、衣類を巻き取った状態の下衣掛け部だけを集めて旅行用キャリアに入れたり、季節の過ぎた服を保管する箱に畳んで入れて保管したりする際に、体積が減少するために収納が容易である。また、製造時に、下衣掛け部は別途成形されるため、製造工程上の長所もあり、製品(ハンガー)の包装及び販売時にも別個の包装及び別個の販売が可能であり、様々な利点を有する。その他にも、下衣掛け部が別々に分離され、必要に応じて上衣掛け部と着脱可能なことには様々な利点がある。
【0051】
図11は、一実施形態に係るハンガーの様々な活用を説明するための図である。
正面
図1110及び側面
図1120を共に参考すると、タオルやスカーフなどの衣類1101が巻き取られていることが見られる。ズボンやスカートの他にタオル、スカーフ、マフラー、ネクタイなど、巻いて保管することが便利な任意の衣類は、
図11に示すように保管してもよい。従って、旅行に行った際に宿舎内にタオル掛けがない場合、このような活用としてタオル掛けを作ることも可能である。
【0052】
上述した実施形態によれば、長いズボン、スカートなどのシワができやすい衣類も、くるくる巻いて保管されるため、変形や損傷を最小化できる。また、このようにくるくる巻いて保管されることで、衣類が保管中に滑り落ちることなく、また収納スペースも最小化される。
【0053】
記載された実施形態に係るハンガーは様々な用途に使用することができる。従って、図面に例示して説明した用途以外に、他の用途はいくらでも可能である。また、限定された実施形態と図面によって説明されたが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、これらの実施形態から様々な修正及び変形が可能である。従って、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されてはならず、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものによって定められるものである。
【符号の説明】
【0054】
100:ハンガー
110:上衣掛け部
120:下衣掛け部
101:フック
101:フック連結部
103:カスケードコネクタ
111:スライド部
115:締結部