(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150231
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/04 20060101AFI20231005BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20231005BHJP
【FI】
H01M4/04 A
H01M4/139
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059226
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】519100310
【氏名又は名称】APB株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀江 英明
(72)【発明者】
【氏名】榎 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 勇輔
(72)【発明者】
【氏名】那須 浩太郎
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA19
5H050BA17
5H050CA07
5H050CB07
5H050CB11
5H050GA28
5H050GA29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】正極側の仕掛品と負極側の仕掛品とを重ね合わせ製造される電池用電極の製造効率を向上させる。
【解決手段】電池用電極製造装置は、帯状の正極集電体の端部をつなぎ合わせた正極集電体シートを搬送する第1搬送部110と、正極集電体シートにおけるつなぎ目を避けて、正極集電体シート上に正極活物質22pを供給する第1供給部120と、帯状の負極集電体の端部をつなぎ合わせた負極集電体シートを搬送する第2搬送部210と、負極集電体シートにおけるつなぎ目を避けて、負極集電体シート上に負極活物質を供給する第2供給部220と、正極及び負極集電体シートのつなぎ目を検知する検知部と、正極側と負極側とを重ね合わせる組立部400と、を備え、正極又は負極集電体シートにつなぎ目が検知された場合、該集電体シートの搬送速度を変化させることにより、組立部の前に、一方の集電体シートに対する他方の集電体シートの搬送ずれを補正する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の正極集電体の端部をつなぎ合わせた正極集電体シートを搬送する第1搬送部と、
前記正極集電体シートにおけるつなぎ目を避けて、正極集電体シート上に正極活物質を供給する第1供給部と、
帯状の負極集電体の端部をつなぎ合わせた負極集電体シートを搬送する第2搬送部と、
前記負極集電体シートにおけるつなぎ目を避けて、負極集電体シート上に負極活物質を供給する第2供給部と、
前記正極集電体シート及び前記負極集電体シートのつなぎ目を検知する検知部と、
前記正極集電体シートを含む正極側と、前記負極集電体シートを含む負極側と、を重ね合わせる組立部と、を備え、
前記正極集電体シート又は前記負極集電体シートにつなぎ目が検知された場合、前記正極集電体シート又は前記負極集電体シートの搬送速度を変化させることにより、前記組立部の前に、一方の集電体シートに対する他方の集電体シートの搬送ずれを補正する、電池用電極製造装置。
【請求項2】
前記正極集電体シート又は前記負極集電体シートにつなぎ目が検知された場合、つなぎ目が検知されていない集電体シートの搬送速度を低下させる、請求項1に記載の電池用電極製造装置。
【請求項3】
前記組立部は、前記正極側と前記負極側とをセパレータを挟んで重ね合わせる、請求項1又は2に記載の電池用電極製造装置。
【請求項4】
帯状の正極集電体の端部をつなぎ合わせた正極集電体シートを搬送し、
前記正極集電体シートにおけるつなぎ目を避けて正極集電体シート上に正極活物質を供給し、
帯状の負極集電体の端部をつなぎ合わせた負極集電体シートを搬送し、
前記負極集電体シートにおけるつなぎ目を避けて負極集電体シート上に負極活物質を供給し、
前記正極集電体シート及び前記負極集電体シートのつなぎ目を検知し、
前記正極集電体シート又は前記負極集電体シートにつなぎ目が検知された場合、前記正極集電体シート又は前記負極集電体シートの搬送速度を変化させることにより、一方の集電体シートに対する他方の集電体シートの搬送ずれを補正し、
前記正極集電体シートを含む正極側と、前記負極集電体シートを含む負極側と、を重ね合わせる
ことを含む、電池用電極製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は高容量の二次電池であり、近年様々な用途で使用されている。リチウムイオン電池の電極は、活物質層、集電体層、セパレータ、及び、活物質層を封入する枠体等によって構成される。例えば、活物質層や集電体層、枠体等を含む仕掛品を正極及び負極のそれぞれについて製造し、正極側の仕掛品と負極側の仕掛品とを重ね合わせることで、電極の製造を行なうことができる。
【0003】
製造効率の観点から、仕掛品の製造や重ね合わせについては連続的に行なうことが好ましい。具体的には、帯状の集電体を搬送しつつ集電体上に活物質を供給することで、仕掛品を連続的に製造することができる(例えば、特許文献1、2参照)。また、正極集電体と負極集電体とを略平行に搬送しつつ各仕掛品の連続的な製造を行なうことにより、仕掛品の製造と連続した工程として、正極側の仕掛品と負極側の仕掛品との重ね合わせを行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-44152号公報
【特許文献2】特開2020-61282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、帯状の集電体の長さは有限である。電極の製造を連続的に行なうためには、有限の長さを有する帯状の集電体の端部同士をつなぎ合わせ、長さを延長した集電体シートの状態で活物質の供給やロールプレスを実行することが考えられる。しかしながら、このような集電体のつなぎ目が電極に含まれる場合、つなぎ目の部分における電子伝導性が一部異なることにより、電池性能が低下してしまうおそれがある。
【0006】
集電体のつなぎ目を避けて活物質の供給を行なうことが考えられる。例えば、集電体のつなぎ目を検知し、つなぎ目を避けるようにして活物質の供給を行なうことができる。
【0007】
しかしながら、集電体のつなぎ目は必ずしも一定間隔ではなく、つなぎ目を避けて活物質の供給を行なう場合、集電体シート上に供給される活物質の間隔も一定ではなくなる。このことは、略平行に搬送される正極側の仕掛品と負極側の仕掛品との間に搬送方向の位置ズレを生じる。位置がズレた状態で重ね合わせを行なうことはできず、或いは電池性能の低下の原因となる。集電体のつなぎ目に起因する搬送方向の位置ズレに対処するため、仕掛品を一時的にストックしてから重ね合わせを行なうことが考えられるが、仕掛品をストックするための場所が必要となるとともに工程が複雑化するため、製造効率の観点からは好ましくない。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、正極側の仕掛品と負極側の仕掛品とを重ね合わせ製造される電池用電極の製造効率を向上させることができる電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る電池用電極製造装置は、電池用電極製造装置は、帯状の正極集電体の端部をつなぎ合わせた正極集電体シートを搬送する第1搬送部と、前記正極集電体シートにおけるつなぎ目を避けて、正極集電体シート上に正極活物質を供給する第1供給部と、帯状の負極集電体の端部をつなぎ合わせた負極集電体シートを搬送する第2搬送部と、前記負極集電体シートにおけるつなぎ目を避けて、負極集電体シート上に負極活物質を供給する第2供給部と、前記正極集電体シート及び前記負極集電体シートのつなぎ目を検知する検知部と、前記正極集電体シートを含む正極側と、前記負極集電体シートを含む負極側と、を重ね合わせる組立部と、を備え、前記正極集電体シート又は前記負極集電体シートにつなぎ目が検知された場合、前記正極集電体シート又は前記負極集電体シートの搬送速度を変化させることにより、前記組立部の前に、一方の集電体シートに対する他方の集電体シートの搬送ずれを補正する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法によれば、正極側の仕掛品と負極側の仕掛品とを重ね合わせ製造される電池用電極の製造効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態の電池用電極製造装置を用いて製造される電池の単セルの断面模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態の電池用電極製造装置の概略図である。
【
図3A】
図3Aは、実施形態の集電体シートにおけるつなぎ目の一例を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、実施形態の集電体シートにおけるつなぎ目の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態の仕掛品の重ね合わせについて説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施形態の仕掛品の重ね合わせについて説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施形態の搬送速度の制御について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
以下、図面を参照して、本発明を適用した実施形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、同様の目的で、一部を省略して図示している場合がある。
【0013】
<組電池(二次電池)>
実施形態の電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法は、例えば、リチウムイオン電池の製造に適用される。リチウムイオン電池は、複数のリチウムイオン単電池(単セル又は電池セルとも記載する)を組み合わせてモジュール化した組電池、或いは、このような組電池を複数組み合わせて電圧及び容量を調整した電池パックの形態で使用される。
【0014】
<単セル(電池セル)>
図1は、単セル10の断面模式図である。単セル10を複数組み合わせることで上記の組電池を作製することが可能である。例えば、単セル10は、2つの電極20(電池用電極)としての正極20a及び負極20bと、セパレータ30とを有する。
【0015】
セパレータ30は、正極20aと負極20bとの間に配置される。組電池において、複数の単セル10は、正極20aと負極20bとを同方向に向けて積層される。
【0016】
セパレータ30には、電解質が保持される。これにより、セパレータ30は、電解質層として機能する。セパレータ30は、正極20a及び負極20bの電極活物質層22の間に配置され、これらが互いに接触することを抑制する。これにより、セパレータ30は、正極20aと負極20bとの間の隔壁として機能する。
【0017】
セパレータ30に保持される電解質としては、例えば、電解液またはゲルポリマー電解質等が挙げられる。これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保される。セパレータの形態としては、例えば、上記電解質を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を挙げることができる。
【0018】
正極20a及び負極20bは、それぞれ、集電体21と、電極活物質層22と、枠体35とを有する。電極活物質層22と集電体21とは、セパレータ30側からこの順に並ぶ。枠体35は、額縁状(環状)である。枠体35は、電極活物質層22の周囲を囲む。正極20aの枠体35と負極20bの枠体35とは、互いに溶着され一体化されている。以下の説明において、正極20a及び負極20bの電極活物質層22を互いに区別する場合、これらをそれぞれ正極活物質層22a、負極活物質層22bと呼ぶ。
【0019】
<正極集電体の具体例>
正極集電体層21aを構成する正極集電体としては、公知のリチウムイオン単電池に用いられる集電体を用いることができ、例えば、公知の金属集電体及び導電材料と樹脂とから構成されてなる樹脂集電体(特開2012-150905号公報及び国際公開第2015/005116号等に記載の樹脂集電体等)を用いることができる。正極集電体層21aを構成する正極集電体は、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。
【0020】
金属集電体としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン及びこれらの金属を1種以上含む合金、並びに、ステンレス合金からなる群から選択される一種以上の金属材料が挙げられる。これらの金属材料は、薄板や金属箔等の形態で用いてもよい。また、上記金属材料以外で構成される基材表面にスパッタリング、電着、塗布等の方法により上記金属材料を形成したものを金属集電体として用いてもよい。
【0021】
樹脂集電体としては、導電性フィラーとマトリックス樹脂とを含むことが好ましい。マトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)等が挙げられるが、特に限定されない。また、導電性フィラーは、導電性を有する材料から選択されれば特に限定されない。導電性フィラーは、その形状が繊維状である導電性繊維であってもよい。
【0022】
樹脂集電体は、マトリックス樹脂及び導電性フィラーのほかに、その他の成分(分散剤、架橋促進剤、架橋剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤等)を含んでいてもよい。また、複数の樹脂集電体を積層して用いてもよく、樹脂集電体と金属箔とを積層して用いても良い。
【0023】
正極集電体層21aの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。複数の樹脂集電体を積層して正極集電体層21aとして用いる場合には、積層後の全体の厚さが5~150μmであることが好ましい。正極集電体層21aは、例えば、マトリックス樹脂、導電性フィラー及び必要により用いるフィラー用分散剤を溶融混練して得られる導電性樹脂組成物を公知の方法でフィルム状に成形することにより得ることができる。
【0024】
<正極活物質の具体例>
正極活物質層22aは、正極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。ここで、非結着体とは、正極活物質層中において正極活物質の位置が固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とが不可逆的に固定されていないことを意味する。正極活物質層22aが非結着体である場合、正極活物質同士は不可逆的に固定されていないため、正極活物質同士の界面を機械的に破壊することなく分離することができ、正極活物質層22aに応力がかかった場合でも正極活物質が移動することで正極活物質層22aの破壊を防止することができ好ましい。非結着体である正極活物質層22aは、正極活物質層22aを、正極活物質と電解液とを含みかつ結着剤を含まない正極活物質層22aにする等の方法で得ることができる。なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。これらの結着剤は、溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで表面が粘着性を示すことなく固体化するので正極活物質同士及び正極活物質と集電体とを可逆的に固定することができない。
【0025】
正極活物質としては、例えば、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属元素が2種である複合酸化物、金属元素が3種類以上である複合酸化物等が挙げられるが、特に限定されない。
【0026】
正極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆正極活物質であってもよい。正極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、正極の体積変化が緩和され、正極の膨張を抑制することができる。
【0027】
被覆材を構成する高分子化合物としては、特開2017-054703号公報及び国際公開第2015/005117号等に活物質被覆用樹脂として記載されたものを好適に用いることができる。
【0028】
被覆材には、導電剤が含まれていてもよい。導電剤としては、正極集電体層21aに含まれる導電性フィラーと同様のものを好適に用いることができる。
【0029】
正極活物質層22aには、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、例えば、特開2017-054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調節したもの、及び、特開平10-255805号公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性(水、溶剤、熱等を使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、結着剤として用いられる溶液乾燥型の電極用バインダーは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。したがって、上述した結着剤(溶液乾燥型の電極バインダー)と粘着性樹脂とは、異なる材料である。
【0030】
正極活物質層22aには、電解質と非水溶媒を含む電解液が含まれていてもよい。電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用できる。非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの(例えば、リン酸エステル、ニトリル化合物等及びこれらの混合物等)等が使用できる。例えば、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液、又は、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合液を用いることができる。
【0031】
正極活物質層22aには、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極集電体層21aに含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
【0032】
正極活物質層22aの厚さは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
【0033】
実施形態において、正極活物質層22aを形成するために供給される正極組成物は、正極活物質と非水電解液を含んでなる湿潤粉体であってもよい。また、湿潤粉体はペンデュラー状態又はファニキュラー状態であることがより好ましい。
【0034】
湿潤粉体における非水電解液の割合は、特に限定されないが、ペンデュラー状態又はファニキュラー状態とするためには、正極の場合には非水電解液の割合を湿潤粉体全体の0.5~15重量%とすることが望ましい。
【0035】
<負極集電体の具体例>
負極集電体層21bを構成する負極集電体としては、正極集電体で記載した構成と同様のものを適宜選択して用いることができ、同様の方法により得ることができる。負極集電体層21bは、電池特性等の観点から、樹脂集電体であることが好ましい。負極集電体層21bの厚さは、特に限定されないが、5~150μmであることが好ましい。
【0036】
<負極活物質の具体例>
負極活物質層22bは、負極活物質を含む混合物の非結着体であることが好ましい。負極活物質層が非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である負極活物質層22bを得る方法等は、正極活物質層22aが非結着体であることが好ましい理由、及び非結着体である正極活物質層22aを得る方法と同様である。
【0037】
負極活物質としては、例えば、炭素系材料、珪素系材料及びこれらの混合物等を用いることができるが、特に限定されない。
【0038】
負極活物質は、その表面の少なくとも一部が高分子化合物を含む被覆材により被覆された被覆負極活物質であってもよい。負極活物質の周囲が被覆材で被覆されていると、負極の体積変化が緩和され、負極の膨張を抑制することができる。
【0039】
被覆材としては、被覆正極活物質を構成する被覆材と同様のものを好適に用いることができる。
【0040】
負極活物質層22bは、電解質と非水溶媒を含む電解液を含有する。電解液の組成は、正極活物質層22aに含まれる電解液と同様の電解液を好適に用いることができる。
【0041】
負極活物質層22bには、導電助剤が含まれていてもよい。導電助剤としては、正極活物質層22aに含まれる導電性フィラーと同様の導電性材料を好適に用いることができる。
【0042】
負極活物質層22bには、粘着性樹脂が含まれていてもよい。粘着性樹脂としては、正極活物質層22aの任意成分である粘着性樹脂と同様のものを好適に用いることができる。
【0043】
負極活物質層22bの厚さは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150~600μmであることが好ましく、200~450μmであることがより好ましい。
【0044】
実施形態において、負極活物質層22bを形成するために供給される負極組成物は、負極活物質と非水電解液を含んでなる湿潤粉体であってもよい。また、湿潤粉体はペンデュラー状態又はファニキュラー状態であることがより好ましい。
【0045】
湿潤粉体における非水電解液の割合は、特に限定されないが、ペンデュラー状態又はファニキュラー状態とするためには、負極の場合には非水電解液の割合を湿潤粉体全体の0.5~25重量%とすることが望ましい。
【0046】
<セパレータの具体例>
セパレータ30に保持される電解質としては、例えば、電解液又はゲルポリマー電解質等が挙げられる。セパレータ30は、これらの電解質を用いることで、高いリチウムイオン伝導性が確保される。セパレータ30の形態としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム等が挙げられるが、特に限定されない。
【0047】
<枠体の具体例>
枠体35としては、電解液に対して耐久性のある材料であれば特に限定されないが、例えば、高分子材料が好ましく、熱硬化性高分子材料がより好ましい。枠体35を構成する材料としては、絶縁性、シール性(液密性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよく、樹脂材料が好適に採用される。より具体的には、枠体35としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリフッ化ビニリデン樹脂等が挙げられ、耐久性が高く取り扱いが容易であることからエポキシ系樹脂が好ましい。
【0048】
<電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法>
次に、本実施形態の電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法(以下、製造方法と略して呼ぶ)について説明する。例えば、電池用電極製造装置及び電池用電極製造方法では、まず正極20a及び負極20bが製造される。正極20aの製造方法と負極20bの製造方法とは、主に電極活物質層22に含まれる電極活物質が異なる。
【0049】
図2は、電池用電極製造装置1000の概略図である。例えば、電池用電極製造装置1000は、正極20aを連続的に製造する正極製造装置100と、負極20bを連続的に製造する負極製造装置200と、セパレータ供給装置300と、組立装置400とを備える。
【0050】
図2に示す正極集電体21pは、一定の寸法を有する帯状の正極集電体を複数つなぎ合わせたものである。即ち、正極集電体21pは、帯状の正極集電体の端部同士をつなぎ合わせた正極集電体シートの一例である。正極集電体21pを所定の形状に加工することで、
図1に示した正極集電体層21aを形成することができる。負極集電体21nも同様、帯状の負極集電体の端部同士をつなぎ合わせた負極集電体シートの一例である。負極集電体21nを所定の形状に加工することで、
図1に示した負極集電体層21bを形成することができる。
【0051】
帯状の集電体の端部同士をつなぎ合わせる具体的な方法については特に限定されるものではない。一例を挙げると、
図3Aに示すように、集電体c1、集電体c2及び集電体c3の端部同士を互いに重ね合わせ、溶着或いは接着させることで、正極集電体21p及び負極集電体21nを形成することができる。別の例を挙げると、
図3Bに示すように、集電体c4、集電体c5及び集電体c6をテープ等のジョイント部材を用いて結合することで、正極集電体21p及び負極集電体21nを形成することができる。このようなつなぎ目については、スプライス部とも記載する。
【0052】
図2に示す通り、正極製造装置100は、搬送装置110、活物質供給装置120、枠体供給装置130、プレス装置140及び検知装置150を備える。
【0053】
搬送装置110は、正極集電体21pを搬送方向Daの下流側Da1に搬送する。例えば、搬送装置110は、2つのローラで正極集電体21pを挟み込みつつ当該ローラを回転させることで、正極集電体21pを下流側Da1に搬送する。また、例えば、搬送装置110は、正極集電体21pを下側から支持するベルトコンベアにより、正極集電体21pを下流側Da1に搬送する。搬送装置110は、正極集電体シートを搬送する第1搬送部の一例である。
【0054】
活物質供給装置120は、搬送装置110により搬送される正極集電体21p上に正極活物質22pを供給する。ここで、正極活物質22pは、正極活物質層22aを形成するために供給される正極組成物であり、電解液や導電助剤を含んでいてもよい。例えば、活物質供給装置120は、ホッパ及びシャッタから構成される。即ち、活物質供給装置120は、ホッパの内部に正極活物質22pを保持するとともに、ホッパの開口をシャッタで開閉することにより、正極集電体21p上の所望の位置に正極活物質22pを塗設することを可能とする。活物質供給装置120は、正極集電体シート上に正極活物質を供給する第1供給部の一例である。
【0055】
ここで、上述した通り、正極集電体21pにはつなぎ目が含まれる。活物質供給装置120は、正極集電体21pにおけるつなぎ目を避けて、正極集電体21p上に正極活物質22pを供給する。このため、正極集電体21p上の正極活物質22pが供給される間隔は、必ずしも一定にはならない。例えば、活物質供給装置120は、後述する検知装置150による検知結果に基づいて、つなぎ目を避けて正極活物質22pを供給する。
【0056】
枠体供給装置130は、搬送される正極集電体21pに対して正極側の枠体35pを供給する。例えば、枠体供給装置130は、ロボットアームを有し、事前に製造された枠体35pを、搬送される正極集電体21p上の所定の位置に配置する。或いは、枠体供給装置130は、正極集電体21pの上で枠体35pを製造してもよい。一例を挙げると、正極集電体21pを基材とし、ディスペンサーやコーター等によって正極集電体21p上に所定の材料を所定の形状に吐出又は塗布することで、正極集電体21p上に枠体35pを形成することができる。
【0057】
プレス装置140は、正極集電体21pに供給された正極活物質22pを圧縮する。例えば、プレス装置140は、上部ローラ141及び下部ローラ142を有する。プレス装置140は、上部ローラ141及び下部ローラ142により、正極集電体21pに供給された正極活物質22pを挟み込んで圧縮する。即ち、プレス装置140は、正極活物質22pに対するロールプレスを実行する。
【0058】
検知装置150は、正極集電体21pにおけるつなぎ目を検知する。検知装置150は、例えばカメラであり、正極集電体21pを撮影した撮影画像について画像認識を行なうことにより、正極集電体21pにおけるつなぎ目を検知する。検知装置150は、検知部の一例である。
【0059】
なお、検知装置150はカメラに限定されるものではなく、正極集電体21pにおけるつなぎ目を検知することが可能であれば任意の変形が可能である。例えば、検知装置150は、深度センサであってもよい。この場合、検知装置150は、正極集電体21pの表面形状を解析してつなぎ目を検知する。また、例えば、検知装置150は光源を含み、正極集電体21pを透過した光の強度からつなぎ目を検知してもよい。即ち、つなぎ目は他の部分より厚く、光の減衰が大きいことから、正極集電体21pを透過した光の強度によってつなぎ目を検知することができる。
【0060】
上述の活物質供給装置120は、検知装置150による検知結果に基づいて、つなぎ目を避けて正極活物質22pを供給する。例えば、検知装置150から活物質供給装置120までの距離、及び、搬送装置110による正極集電体21pの搬送速度に基づいて、検知装置150の位置でつなぎ目が検知されてから、活物質供給装置120の位置につなぎ目が移動するまでの所要時間を算出することができる。即ち、検知装置150は、任意の時点について、活物質供給装置120の位置につなぎ目が位置しているか否かを判定することができる。同様に、検知装置150は、任意の時点、正極集電体21p上の任意の位置について、つなぎ目が位置しているか否かを判定することができる。
【0061】
以上、正極製造装置100の構成例について説明した。かかる構成により、正極製造装置100は、正極側の仕掛品pを製造することができる。仕掛品pには、単セル10のうちの正極集電体層21a、正極活物質層22a、正極側の枠体35pが含まれる。仕掛品pは、正極活物質が供給された正極集電体シートの一例である。
【0062】
次に、負極製造装置200について説明する。負極製造装置200は、搬送装置210、活物質供給装置220、枠体供給装置230、プレス装置240及び検知装置250を備える。
【0063】
搬送装置210は、搬送装置110による正極集電体21pの搬送と同様、負極集電体21nを搬送方向Daの下流側Da1に搬送する。即ち、搬送装置210は、搬送装置110により搬送される正極集電体21pと略平行に、負極集電体21nを搬送する。搬送装置210は、負極集電体シートを搬送する第2搬送部の一例である。
【0064】
活物質供給装置220は、活物質供給装置120による正極活物質22pの供給と同様、搬送装置210により搬送される負極集電体21n上に負極活物質22nを供給する。負極活物質22nは、負極活物質層22bを形成するために供給される負極組成物であり、電解液や導電助剤を含んでいてもよい。活物質供給装置220は、負極集電体シート上に負極活物質を供給する第2供給部の一例である。枠体供給装置230は、枠体供給装置130による枠体35pの供給と同様、搬送される負極集電体21nに対して負極側の枠体35nを供給する。プレス装置240は、例えば上部ローラ241及び下部ローラ242を有し、プレス装置140による正極活物質22pの圧縮と同様、負極集電体21nに供給された負極活物質22nを圧縮する。
【0065】
検知装置250は、検知装置150と同様、負極集電体21nにおけるつなぎ目を検知する。検知装置250は、検知部の一例である。活物質供給装置220は、検知装置250による検知結果に基づいて、つなぎ目を避けて負極活物質22nを供給することができる。
【0066】
以上、負極製造装置200の構成例について説明した。かかる構成により、負極製造装置200は、負極側の仕掛品nを製造することができる。負極側の仕掛品nには、単セル10のうちの負極集電体層21b、負極活物質層22b、負極側の枠体35nが含まれる。仕掛品nは、負極活物質が供給された負極集電体シートの一例である。
【0067】
そして、組立装置400は、正極側の仕掛品pと負極側の仕掛品nとを重ね合わせる。即ち、組立装置400は、正極集電体シートを含む正極側と、負極集電体シートを含む負極側とを重ね合わせる。より具体的には、
図2に示す通り、セパレータ供給装置300は、負極側の仕掛品nに対してセパレータ30を供給する。そして、組立装置400は、正極側の仕掛品pと負極側の仕掛品nとをセパレータ30を挟んで重ね合わせることにより、単セル10を製造する。なお、負極側の仕掛品nに対してセパレータ30を供給する例について説明するが、正極側の仕掛品pに対してセパレータ30を供給してもよい。組立装置400は、組立部の一例である。
【0068】
正極側の仕掛品pと負極側の仕掛品nとの重ね合わせについて
図4を用いて説明する。
図4は、正極集電体21p及び負極集電体21nのいずれにもつなぎ目が含まれないケースを示す。
図4においては、正極側の仕掛品pとして、仕掛品p11、仕掛品p12及び仕掛品p13を図示する。また、負極側の仕掛品nとして、仕掛品n11、仕掛品n12及び仕掛品n13を図示する。なお、
図4においては、枠体35やセパレータ30については図示を省略している。
【0069】
図4に示す通り、仕掛品p11、仕掛品p12及び仕掛品p13の寸法と、仕掛品n11、仕掛品n12及び仕掛品n13の寸法とは一致している。また、搬送方向Daにおける仕掛品p11及び仕掛品n11の位置は一致している。組立装置400は、仕掛品p11と仕掛品n11とを重ね合わせて、単セル10を製造することができる。
【0070】
更に、
図4においては、搬送方向Daにおける仕掛品p12及び仕掛品n12の位置、仕掛品p13及び仕掛品n13の位置も一致している。これにより、組立装置400は、仕掛品を一時的にストックすることなく、正負仕掛品の重ね合わせを連続的に行なって、単セル10を効率的に製造することができる。
【0071】
一方で、
図5は、負極集電体21nにはつなぎ目が含まれないものの、正極集電体21pにつなぎ目が含まれるケースを示す。この場合、正極製造装置100における活物質供給装置120は、上述した通り、正極集電体21pにおけるつなぎ目を避けて正極活物質22pを供給する。例えば、活物質供給装置120は、検知装置150による検知結果に基づいて、つなぎ目を避けて正極活物質22pを供給することができる。
【0072】
また、
図5においては、正極側の仕掛品pとして、仕掛品p21、仕掛品p22及び仕掛品p23を図示する。また、負極側の仕掛品nとして、仕掛品n21、仕掛品n22及び仕掛品n23を図示する。なお、
図5においては、枠体35やセパレータ30については図示を省略している。
【0073】
図5に示す通り、仕掛品p21、仕掛品p22及び仕掛品p23の寸法と、仕掛品n21、仕掛品n22及び仕掛品n23の寸法とは一致している。また、搬送方向Daにおける仕掛品p21及び仕掛品n21の位置は一致している。組立装置400は、仕掛品p21と仕掛品n21とを重ね合わせて、単セル10を製造することができる。
【0074】
しかしながら、正極集電体21pにおけるつなぎ目を避けて正極活物質22pを供給した結果、搬送方向Daにおける仕掛品p22及び仕掛品n22の位置にはズレが生じている。同様に、仕掛品p23及び仕掛品n23の位置にもズレが生じている。
【0075】
仕掛品p22と仕掛品n22とを重ね合わせるためには、例えば、先に到着する仕掛品n22を一時的にストックしておいて、仕掛品p22が到着し次第、重ね合わせを行なうことが考えられる。しかしながら、このような手法では、仕掛品をストックするための場所が必要となるとともに工程が複雑化するため、製造効率の観点から好ましくない。
【0076】
そこで、実施形態の電池用電極製造装置1000は、つなぎ目の検知結果に応じて、正極集電体21p及び負極集電体21nの搬送速度を制御することによって、仕掛品をストックすることなく重ね合わせを行なうことを可能とし、もって電池用電極の製造効率を向上させる。具体的には、電池用電極製造装置1000は、正極集電体21p及び負極集電体21nの一方においてつなぎ目が検知された場合、つなぎ目が検知されていない集電体シートの搬送速度を低下させる。以下、集電体シートの搬送速度の制御について、
図6を用いて説明する。
【0077】
図6は、負極集電体21nにはつなぎ目が含まれないものの、正極集電体21pにつなぎ目が含まれるケースを示す。この場合、正極製造装置100における活物質供給装置120は、正極集電体21pにおけるつなぎ目を避けて正極活物質22pを供給する。
【0078】
図6においては、正極側の仕掛品pとして、仕掛品p31、仕掛品p32及び仕掛品p33を図示する。また、負極側の仕掛品nとして、仕掛品n31、仕掛品n32及び仕掛品n33を図示する。なお、
図6においては、負極側の仕掛品nに対して、セパレータs31、セパレータs32及びセパレータs33がそれぞれ供給されている。
【0079】
図6において、搬送方向Daにおける仕掛品p31及び仕掛品n31の位置は一致している。組立装置400は、仕掛品p31及び仕掛品n31を、アーム410及びアーム420により略同時に把持して、一方を180°回転させて重ね合わせる。これにより、単セル10を製造することができる。仕掛品p32及び仕掛品n32の搬送方向Daの位置も一致しており、組立装置400は、仕掛品p32及び仕掛品n32の重ね合わせについても同様にして行なうことができる。
【0080】
ここで、正極集電体21pにおけるつなぎ目を避けて正極活物質22pを供給した結果、搬送方向Daにおける仕掛品p33及び仕掛品n33の位置にはズレが生じている。ここで、搬送装置210は、検知装置150による正極集電体21pのつなぎ目の検知結果に基づき、負極集電体21nの搬送速度を低下させる。即ち、実施形態の電池用電極製造装置1000は、正極集電体シート及び負極集電体シートの一方においてつなぎ目が検知された場合、つなぎ目が検知されていない集電体シートの搬送速度を低下させる。
【0081】
より具体的には、搬送装置210は、アーム410及びアーム420により仕掛品p32及び仕掛品n32が把持された後、負極集電体21nの搬送速度を低下させる。そして、搬送装置210は、負極集電体21nの搬送速度を低下させることにより、正極集電体21pに対する負極集電体21nの搬送ずれを補正する。これによって、アーム410及びアーム420により把持される位置に仕掛品p33及び仕掛品n33が略同時に到着することとなり、仕掛品を一時的にストックしたりすることなく、重ね合わせを行なうことができる。なお、アーム410及びアーム420により仕掛品p33及び仕掛品n33が把持された後、搬送装置210は、搬送速度を元の速度に戻すことが好ましい。
【0082】
上述した実施形態では、検知装置150及び検知装置250による検知結果に基づいて、つなぎ目を避けて活物質の供給を行なうとともに、搬送速度の制御を行なうものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、検知装置150及び検知装置250とは異なる検知装置を組立装置400の近傍に設け、当該検知装置によるつなぎ目の検知結果に応じて、搬送速度の制御を行なうこととしてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、つなぎ目が検知された場合、つなぎ目が検知されていない集電体シートの搬送速度を低下させる例について説明した。しかしながら実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、つなぎ目が検知された場合、つなぎ目が検知された集電体シートの搬送速度を増加させるように制御を行なってもよい。
【0084】
また、
図2においては、活物質の供給後に枠体の供給が行なわれる例を説明したが、枠体を先に供給し、枠体の内部の位置に対して活物質を供給するように構成しても構わない。また、上述した電池用電極製造装置1000の構成の一部又は全部を、内部を減圧した減圧チャンバ内に配置することとしてもよい。
【0085】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。更に、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0086】
10:単セル
20:電極
20a:正極
20b:負極
21,21p,21n,c1,c2,c3,c4,c5,c6:集電体
21a:正極集電体層
21b:負極集電体層
21p:正極集電体
21n:負極集電体
21R:集電体ロール
22:電極活物質層
22a:正極活物質層
22b:負極活物質層
22p:正極活物質
22n:負極活物質
30,s31,s32,s33:セパレータ
35,35p,35n:枠体
100:正極製造装置
110,210:搬送装置
120,220:活物質供給装置
130,230:枠体供給装置
140,240:プレス装置
141,241:上部ローラ
142,242:下部ローラ
150,250:検知装置
200:負極製造装置
300:セパレータ供給装置
400:組立装置
410:アーム
420:アーム
1000:電池用電極製造装置
p,p11,p12,p13,p21,p22,p23,p31,p32,p33:正極側の仕掛品
n,n11,n12,n13,n21,n22,n23,n31,n32,n33:負極側の仕掛品
Da:搬送方向
Da1:下流側
Da2:上流側