(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023015028
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】微小物体を撮像する装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 21/06 20060101AFI20230124BHJP
G02B 21/36 20060101ALI20230124BHJP
G02B 21/34 20060101ALI20230124BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20230124BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20230124BHJP
C12M 1/34 20060101ALI20230124BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G02B21/06
G02B21/36
G02B21/34
G02B21/00
G01N21/64 E
C12M1/34 B
G01N37/00 101
【審査請求】有
【請求項の数】32
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022158090
(22)【出願日】2022-09-30
(62)【分割の表示】P 2019528821の分割
【原出願日】2017-12-01
(31)【優先権主張番号】62/429,066
(32)【優先日】2016-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514304762
【氏名又は名称】バークレー ライツ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ランドクイスト,ポール エム.
(72)【発明者】
【氏名】ルベル,ポール エム.
(72)【発明者】
【氏名】ジェス,フィリップ ロナルド,トーマス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の顕微鏡は、マイクロ流体デバイス、特に光作動式マイクロ流体デバイスにおける微小物体を見るように設計されていない。
【解決手段】光学装置は、構造化光変調器、第1及び第2のチューブレンズ、対物レンズ、ダイクロイックビームスプリッタ、及び画像センサを含むことができる。構造化光変調器は、非構造化光線を受け取り、マイクロ流体デバイスの囲い内に配置された微小物体の照明及び/又はマイクロ流体デバイスの複数のDEP電極の1つ又は複数の選択的活性化を行う構造化光線を透過するように構成することができる。第1のチューブレンズは、構造化光変調器により透過された構造化光線を捕捉するように構成することができる。第2のチューブレンズは、ダイクロイックビームスプリッタからの画像光線を画像センサに透過するように構成することができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体デバイスの囲い内の微小物体を撮像する光学装置であって、
非構造化光線を第1の光源から受け取り、前記マイクロ流体デバイスの囲いに配置された微小物体の照明に適した構造化光線を反射又は透過するように構成された構造化光変調器と、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズと、
前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの少なくとも一部を含む視野からの画像光線を捕捉し透過するように構成された対物レンズと、
前記第1のチューブレンズから前記構造化光線を受け取り、反射又は透過するように構成され、前記対物レンズからの前記画像光線を受け取り、透過又は反射するように更に構成された第1のダイクロイックビームスプリッタと、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタからの前記画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズと、
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて前記視野の画像を形成する画像センサと、
を備える、光学装置。
【請求項2】
前記構造化光変調器が、少なくとも15mmの活性エリアを含む、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記第1のチューブレンズが、少なくとも45mmのクリアアパーチャを有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記第1のチューブレンズが、前記構造化光変調器からの略全ての光線を捕捉するように構成されたクリアアパーチャを有する、請求項3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記第1のチューブレンズが、約162mm以下の有効焦点距離を有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記第1のチューブレンズが、約155mmの有効焦点距離を有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項7】
前記第1のチューブレンズが、約0.071から約0.085の開口数を有する、請求項6に記載の光学装置。
【請求項8】
前記第2のチューブレンズが、約180mm以上の有効焦点距離を有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記第2のチューブレンズが、約200mmの有効焦点距離を有する、請求項8に記載の光学装置。
【請求項10】
前記第2のチューブレンズが、約0.063から約0.077の開口数を有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項11】
前記画像センサが、少なくとも18.0mmの活性エリアを含む、請求項1に記載の光学装置。
【請求項12】
前記装置が、前記対物レンズの背後におけるアパーチャストップを特徴とし、前記アパーチャストップが少なくとも25mmである、請求項1に記載の光学装置。
【請求項13】
前記第1のダイクロイックビームスプリッタが、(i)前記第1のチューブレンズからの光線を前記対物レンズに反射し、(ii)前記対物レンズからの光線を前記第2のチューブレンズに透過するように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項14】
前記第1のダイクロイックビームスプリッタが、(i)前記第1のチューブレンズからの光線を前記対物レンズに透過し、(ii)前記対物レンズからの光線を前記第2のチューブレンズに反射するように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項15】
前記対物レンズが、前記画像センサによって形成される前記視野の前記画像の収差を最小に抑えるように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項16】
前記第2のチューブレンズが、前記対物レンズの残存収差を補正するように構成される、請求項15に記載の光学装置。
【請求項17】
前記対物レンズの残存収差を補正するように構成された補正レンズを更に備える、請求項15に記載の光学装置。
【請求項18】
前記構造化光変調器が、前記画像センサの共役面に配置される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項19】
前記装置が、共焦点撮像を実行するように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項20】
前記構造化光変調器と前記第1のチューブレンズとの間に摺動可能に位置決めされるスライドレンズを更に備え、前記スライドレンズが、タイコグラフィ顕微鏡法をサポートするように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項21】
第1の光源を更に備える、請求項1に記載の光学装置。
【請求項22】
前記第1の光源が、少なくとも10ワットの電力を有する、請求項21に記載の光学装置。
【請求項23】
前記構造化光変調により反射又は透過された前記構造化光線が、前記マイクロ流体デバイスの基板の表面上にあるか、又は前記表面により構成される複数の誘電泳動(DEP)電極の1つ又は複数を選択的に活性化するのに適する、請求項21に記載の光学装置。
【請求項24】
第2の光源を更に備える、請求項21に記載の光学装置。
【請求項25】
前記第2の光源が、非構造化明視野照明を提供するように構成される、請求項24に記載の光学装置。
【請求項26】
前記第2の光源がレーザを備える、請求項24に記載の光学装置。
【請求項27】
第2のダイクロイックビームスプリッタを更に備える、請求項1に記載の光学装置。
【請求項28】
第3の光源を更に備える、請求項24に記載の光学装置。
【請求項29】
前記第3の光源がレーザを備え、前記第3の光源の前記レーザが、前記マイクロ流体デ
バイスの内面及び/又は前記マイクロ流体デバイスの前記囲い内に配置される液体媒体を加熱するように構成される、請求項28に記載の光学装置。
【請求項30】
ネストを更に備え、前記ネストが前記マイクロ流体デバイスを保持するように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項31】
前記ネストが、前記マイクロ流体デバイスへの少なくとも1つの電気接続を提供するように更に構成される、請求項30に記載の光学装置。
【請求項32】
前記ネストが、前記マイクロ流体デバイスへの流体接続を提供するように更に構成される、請求項30に記載の光学装置。
【請求項33】
前記マイクロ流体デバイスが、ガラスを含むカバーを含み、前記カバーが約600μm以上の厚さを有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項34】
命令を前記構造化光変調器に提供する制御ユニットを更に備え、前記命令が、前記構造化光変調器に1つ又は複数の照明パターンを生成させる、請求項1に記載の光学装置。
【請求項35】
前記照明パターンが経時変化する、請求項34に記載の光学装置。
【請求項36】
微小物体を撮像するシステムであって、
囲いを含むマイクロ流体デバイスであって、前記囲いが、基板の表面上に配置されるか、又は前記基板の表面により構成される複数の誘電泳動(DEP)電極を有する基板を含む、マイクロ流体デバイスと、
前記マイクロ流体デバイスの前記囲い内の微小物体を撮像するように構成された光学装置であって、
非構造化光線を第1の光源から受け取り、前記マイクロ流体デバイスの前記囲いに配置された微小物体の照明に適した構造化光線を反射又は透過するように構成された構造化光変調器と、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズと、
前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの少なくとも一部を含む視野からの画像光線を捕捉し透過するように構成された対物レンズと、
前記第1のチューブレンズから前記構造化光線を受け取り、反射又は透過するように構成され、前記対物レンズからの前記画像光線を受け取り、透過又は反射するように更に構成された第1のダイクロイックビームスプリッタと、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタからの前記画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズと、
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記画像センサは、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて前記視野の画像を形成する、画像センサと、
を備える光学装置と、
前記マイクロ流体デバイスが前記光学装置により撮像することができる位置に前記マイクロ流体デバイスを保持するネストと、
を備える、システム。
【請求項37】
前記光学装置が請求項2~29のいずれか一項に従って構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記ネストが、前記マイクロ流体デバイスへの少なくとも1つの電気接続を提供する、
請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記ネクストが、前記マイクロ流体デバイスへの流体接続を提供する、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
命令を前記構造化光変調器に提供する制御ユニットを更に備え、前記命令が、前記構造化変調器に1つ又は複数の照明パターンを生成させる、請求項37に記載のシステム。
【請求項41】
前記照明パターンが経時変化する、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
試料の1つ又は複数の微小物体を操作する方法であって、
基板を含む囲いを有するマイクロ流体デバイスに、前記1つ又は複数の微小物体を含む前記試料を装填することであって、前記基板が、前記基板の表面上に配置されるか、又は前記表面により構成される複数の光作動式誘電泳動(DEP)電極を備える、装填することと、
電圧電位を前記マイクロ流体デバイスにわたり印加することと、
光学装置を使用して、構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の前記第1の位置に投影することにより、前記マイクロ流体デバイス内に配置された少なくとも1つの微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化することであって、前記第1の位置が、複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含み、前記基板の前記表面の第2の位置に隣接して配置され、前記第2の位置が前記少なくとも1つの微小物体の下に配置され、前記光学装置が、
第1の光源、
非構造化光線を前記第1の光源から受け取り、前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の前記第1の位置における前記1つ又は複数のDEP電極を選択的に活性化するのに適した構造化光線を透過するように構成された構造化光変調器、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズ、
前記第1のチューブレンズから透過された前記構造化光線を捕捉し、前記構造化光線を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の前記第1の位置に投影するように構成された対物レンズであって、前記対物レンズは、前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの少なくとも一部を含む視野から反射又は発せられた画像光線を捕捉し透過するように更に構成され、前記視野は、前記基板の前記表面の前記第1の位置及び前記第2の位置を包含する、対物レンズ、
前記第1のチューブレンズから受け取った前記構造化光線を前記対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、前記対物レンズから受け取った画像光線を透過又は反射するように更に構成される第1のダイクロイックビームスプリッタ、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタから前記画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズ、及び
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて前記視野の画像を記録する画像センサ
を備える、DEP力を選択的に活性化することと、
前記光学装置を使用して、前記投影された構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の前記第1の位置から前記基板の前記表面の第3の位置に移すことにより、前記生成されるDEP力の前記位置を少なくとも1つの微小物体に隣接するようにシフトさせることであり、前記第3の位置も、複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含む、シフトさせることと、
を含む、方法。
【請求項43】
前記第3の位置が前記視野に包含される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第3の位置が、前記第2の位置に重複し、又は前記第2の位置を包含する、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記画像センサを用いて前記視野の画像を記録することを更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記マイクロ流体デバイスの前記囲いが、少なくとも1つの隔離ペンが流体的に接続されるフロー領域を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記視野が、前記少なくとも1つの隔離ペンの隔離ペン及び前記フロー領域の少なくとも一部を包含する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記光学装置が、非構造化光を生成する第2の光源を含み、前記方法が、
前記光学装置を使用して、前記第2の光源からの前記非構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記囲いに投影し、それにより、前記囲い内に明視野照明を提供すること
を更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記光学装置がレーザ光源を含み、前記方法が、
前記光学装置を使用して、前記レーザ光源からのレーザ光を前記マイクロ流体デバイスの前記囲い内の表面に投影すること
を更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項50】
前記光学装置が、前記構造化光変調器と前記第1のチューブレンズとの間に位置決めされた第2のダイクロイックビームスプリッタを更に備え、前記構造化光変調器により透過された前記構造化光線が、前記第2のダイクロイックビームスプリッタにより前記第1のチューブレンズ内に反射される、請求項42に記載の方法。
【請求項51】
前記第2の光源により生成された前記非構造化光が、前記第2のダイクロイックビームスプリッタを透過して前記第1のチューブレンズに達する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記レーザ光源により生成された前記レーザ光が、前記第2のダイクロイックビームスプリッタを透過して前記第1のチューブレンズに達する、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記基板面の前記第1の位置に投影された前記構造化光が、複数の照明スポットを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項54】
前記基板面の前記第1の位置が、前記マイクロ流体デバイスの前記フロー領域に配置され、前記基板面の前記第3の位置が、前記複数の隔離ペンの隔離ペンの1つ内に配置される、請求項46に記載の方法。
【請求項55】
前記基板面の前記第1の位置に投影された前記構造化光が、線分又は脱字符号のような形状を含む、請求項42に記載の方法。
【請求項56】
前記基板面の前記第1の位置に投影された前記構造化光が、多角形の輪郭のような形状を有する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記光学装置を使用して、構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の複数の第1の位置に投影することにより、前記マイクロ流体デバイス内に配置された複
数の微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化することであって、前記複数の第1の位置のそれぞれが、前記複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含み、前記基板の前記表面の対応する第2の位置に隣接して配置され、前記対応する第2の位置が、前記複数の対応する微小物体の下に配置される、DEP力を選択的に活性化することと、
前記光学装置を使用して、前記投影された構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記基板面の前記複数の第1の位置から前記基板面の複数の対応する第3の位置に移すことにより、前記生成されるDEP力の前記位置を前記複数の微小物体に隣接するようにシフトさせることと、
を更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項58】
前記視野の画像を記録することが、前記フロー領域の内部エリア及び前記視野内に配置された各隔離ペンのみを撮像することを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項59】
前記記録された画像を分析して、フィードバック及び前記第1の位置の調整を提供することを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項60】
試料の1つ又は複数の微小物体を撮像する方法であって、
前記1つ又は複数の微小物体を含む前記試料をマイクロ流体デバイスの囲いに装填することと、
視野に投影される複数の対応する照明パターンを使用して、前記1つ又は複数の微小物体を含む前記囲いの少なくとも一部を包含する前記視野の複数の画像を捕捉することであって、前記複数の各照明パターンは、構造化光を使用して生成され、前記複数の他の照明パターンと異なり、前記複数の画像は、光学装置を使用して捕捉され、前記光学装置が、
第1の光源、
非構造化光線を前記第1の光源から受け取り、前記複数の照明パターンのいずれかに対応する構造化光線を透過するように構成された構造化光変調器、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズ、
前記第1のチューブレンズから透過された前記構造化光線を捕捉し、前記構造化光線を前記視野により包含される前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの前記少なくとも一部に投影するように構成された対物レンズであって、前記視野内から反射又は放射された画像光線を受け取るように更に構成される対物レンズ、
前記第1のチューブレンズから受け取った前記構造化光線を前記対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、前記対物レンズから受け取った画像光線を透過又は反射するように更に構成される第1のダイクロイックビームスプリッタ、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタから前記画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズ、及び
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記画像センサは、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて前記視野の画像を記録する、画像センサ
を備える、捕捉することと、
前記複数のデジタル画像を結合することであって、それにより、前記視野に配置された前記1つ又は複数の微小物体の共焦点画像を生成し、前記結合するステップが、前記複数の画像のそれぞれを処理して、焦点ボケ背景光を除去することを含む、結合することと、
を含む、方法。
【請求項61】
前記マイクロ流体装置がフロー領域を含み、前記1つ又は複数の微小物体は前記フロー領域に配置される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記マイクロ流体装置が、フロー領域及び複数の隔離ペンを含み、前記複数の各隔離ペ
ンが前記フロー領域に流体的に接続され、前記1つ又は複数の微小物体が、前記複数の隔離ペンの1つ又は複数及び/又は前記フロー領域に配置される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記視野に投影される複数の対応する照明パターン及び前記画像センサにおいて捕捉される対応する画像が、同時にピントが合う、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記複数の対応する照明パターンが、前記視野を通してスキャンするように構成される、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
マイクロ流体デバイスにおいて微小物体を撮像する光学装置のチューブレンズであって、
凸形及び第1の曲率半径を有する第1の表面と、
第2の曲率半径を有する第2の表面と、
凹形及び第3の曲率半径を有する第3の表面と、
凹形及び第4の曲率半径を有する第4の表面と、
少なくとも45mmの直径を有するクリアアパーチャと、
を含み、
前記第1の曲率半径は正であり、前記第3の曲率半径は負であり、前記第4の曲率半径は負であり、
前記チューブレンズの前焦点及び後焦点は、前記チューブレンズの中間点から等しく離間されず、及び/又は対称に配置されない、チューブレンズ。
【請求項66】
前記チューブレンズの後方焦点距離(BFL)が最小化される、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項67】
前記チューブレンズが、有効焦点距離(EFL)約155mm(例えば、155mm+/-1mm)及び後方焦点距離(BFL)約135mm(例えば、135mm+/-1mm)を有する、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項68】
前記チューブレンズが、有効焦点距離(EFL)約162mm(例えば、162mm+/-1mm)及び後方焦点距離(BFL)約146mm(例えば、146mm+/-1mm)を有する、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項69】
前記チューブレンズが、有効焦点距離(EFL)約180mm(例えば、180mm+/-1mm)及び後方焦点距離(BFL)約164mm(例えば、164mm+/-1mm)を有する、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項70】
前記チューブレンズが、有効焦点距離(EFL)約200mm(例えば、200mm+/-1mm)及び後方焦点距離(BFL)約191mm(例えば、191mm+/-1mm)を有する、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項71】
前記チューブレンズが、有効焦点距離(EFL)約155mm(例えば、155mm+/-0.78mm)を有し、前記第1の曲率半径が約91mm(例えば、91mm+/-0.45mm)であり、前記第2の曲率半径が約42mm(例えば、42mm+/-0.21mm)であり、前記第3の曲率半径が約-62mm(例えば、-62mm+/-0.31mm)であり、前記第4の曲率半径が約-116mm(例えば、-116mm+/-0.58mm)である、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項72】
前記チューブレンズが、有効焦点距離(EFL)約162mm(例えば、162mm+
/-0.81mm)を有し、前記第1の曲率半径が約95mm(例えば、95mm+/-0.48mm)であり、前記第2の曲率半径が約54mm(例えば、54mm+/-0.27mm)であり、前記第3の曲率半径が約-56mm(例えば、-56mm+/-0.28mm)であり、前記第4の曲率半径が約-105mm(例えば、-105mm+/-0.53mm)である、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項73】
前記チューブレンズが、有効焦点距離(EFL)約180mm(例えば、180mm+/-0.9mm)を有し、前記第1の曲率半径が約95mm(例えば、95mm+/-0.48mm)であり、前記第2の曲率半径が約64mm(例えば、64mm+/-32mm)であり、前記第3の曲率半径が約-60mm(例えば、-60mm+/-0.30mm)であり、前記第4の曲率半径が約-126mm(例えば、-126mm+/-0.63mm)である、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項74】
前記チューブレンズが、有効焦点距離(EFL)約200mm(例えば、200mm+/-1.0mm)を有し、前記第1の曲率半径が約160mm(例えば、160mm+/-0.80mm)であり、前記第2の曲率半径が約-62mm(例えば、-62mm+/-0.31mm)であり、前記第3の曲率半径が約-80mm(例えば、-80mm+/-0.40mm)であり、前記第4の曲率半径が約-109mm(例えば、-109mm+/-0.55mm)である、請求項65に記載のチューブレンズ。
【請求項75】
試料の1つ又は複数の微小物体を撮像する方法であって、
前記1つ又は複数の微小物体を含む前記試料をマイクロ流体デバイスの囲いに装填することと、
視野に投影される対応する複数の光照明角度を使用して、前記1つ又は複数の微小物体を含む前記囲いの少なくとも一部を包含する前記視野の複数の画像を捕捉することであって、前記複数の画像は、光学装置を使用して捕捉され、前記光学装置が、
第1の光源、
非構造化光線を前記第1の光源から受け取り、複数の照明パターンのいずれかに対応する構造化光線を透過するように構成された構造化光変調器、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズ、
前記第1のチューブレンズから透過された前記構造化光線を捕捉し、前記構造化光線を前記視野により包含される前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの前記少なくとも一部に投影するように構成された対物レンズであって、前記視野内から反射又は放射された画像光線を受け取るように更に構成される対物レンズ、
前記第1のチューブレンズから受け取った前記構造化光線を前記対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、前記対物レンズから受け取った画像光線を透過又は反射するように更に構成される第1のダイクロイックビームスプリッタ、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタから前記画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズ、
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサ、及び
前記構造化光変調器と前記第1のチューブレンズとの間に位置決めされるスライドレンズであって、前記スライドレンズはタイコグラフィ顕微鏡法をサポートするように構成される、スライドレンズ
を備える、捕捉することと、
前記複数の捕捉された画像を繰り返し結合して、前記捕捉された画像のいずれかよりも高い分解能を有する合成画像を生成することと、
を含む、方法。
【請求項76】
前記マイクロ流体装置がフロー領域を含み、前記1つ又は複数の微小物体は前記フロー領域に配置される、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記マイクロ流体装置が、フロー領域及び複数の隔離ペンを含み、前記複数の各隔離ペンが前記フロー領域に流体的に接続され、前記1つ又は複数の微小物体が、前記複数の隔離ペンの1つ又は複数及び/又は前記フロー領域に配置される、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記複数の捕捉された画像が、少なくとも8つの画像を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
前記複数の光照明角度が、前記構造化光変調器の対応する複数の異なる部分からの構造化光により生成される、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記構造化光変調器の前記異なる部分が、重複しない、請求項79に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張及び参照による援用
[0001] 本願は、米国特許法第119条(e)の下、2016年12月1日に出願された米国仮特許出願第62/429,066号の利益を主張する非仮出願であり、米国仮特許出願第62/429,066号の開示は全体的に、参照により本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本明細書において言及される全ての公開物及び特許出願は全体的に、個々の公開物又は特許出願のそれぞれが特に且つ個々に参照により援用されると示されているかのような程度と同程度、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] マイクロ流体の分野が発達し続けるにつれ、マイクロ流体デバイスは、生体細胞等の微小物体を処理し操作する好都合なプラットフォームになった。例えば、光作動式マイクロ流体デバイスは、個々の微小物体を選択し操作することが可能なことを含め、幾つかの望ましい機能を提供する。一般に、光作動式マイクロ流体デバイス(例えば、光電子ツイーザ(OET)デバイス)は、光学的に誘導される誘電泳動(DEP)を利用して、微小物体を操作する。例えば、微小物体は、マイクロ流体デバイス内を動き回り、統合することができる。単細胞等の微小物体の同時操作、分析、及び選択は、生物学の発見及び発展並びに単細胞アノテーション及びゲノミクスにおいて有価値であることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] しかしながら、従来の顕微鏡は、マイクロ流体デバイス、特に光作動式マイクロ流体デバイスにおける微小物体を見るように設計されていない。したがって、従来の顕微鏡を使用することによって得られた微小物体の画像は、大きな収差を有し得、これは、画質を低下させる。加えて、従来の顕微鏡での光学装置設計は、画像に幾らかの量の焦点ボケ光を有し得、これは、画像において高レベルのノイズになる恐れがあり、画像のコントラスト及び分解能を低下させる恐れがある。さらに、多くの場合、マイクロ流体デバイス用の光学装置に利用可能なスペースが制限され狭いことにより、光学装置には機械的な制約がある。したがって、微小物体を撮像し操作して、上述した問題及び難問を解消する装置、システム、及び関連する方法を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の概要
[0005] 本開示は、微小物体を撮像し操作する光学装置、システム、及び方法に関する。特に、本開示は、光作動式マイクロ流体デバイスにおいて微小物体を撮像し操作する光学装置、関連するシステム、及び関連する方法に関する。
【0006】
[0006] 本明細書に開示されるのは、光作動式マイクロ流体(LAMF)デバイス等のマイクロ流体デバイスにおいて微小物体を撮像し、及び/又は操作する光学装置である。本光学装置は、第1の光源、構造化光変調器、第1のチューブレンズ、対物レンズ、ダイクロイックビームスプリッタ、第2のチューブレンズ、及び画像センサを含むことができる。構造化光変調器は、第1の光源から非構造化光線を受け取り、構造化光線を第1のチューブレンズに透過するように構成することができる。構造化光線は、LAMFデバイスの基板の表面上の複数の誘電泳動(DEP)電極の1つ又は複数を選択的に活性化するのに適することができる。第1のチューブレンズは、構造化光変調器から構造化光線を捕捉
するように構成することができる。対物レンズは、視野内のマイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部を撮像するように構成することができる。囲いは、フロー領域及び/又は複数の隔離ペンを含むことができ、複数の各隔離ペンはフロー領域に流体的に接続される。ダイクロイックビームスプリッタは、第1のチューブレンズからの構造化光線を対物レンズに反射(又は透過)し、対物レンズから受け取った画像光線を第2のチューブレンズに透過(又は反射)するように構成することができる。第2のチューブレンズは、ダイクロイックビームスプリッタから画像光線を受け取り、光線を画像センサに透過するように構成することができる。画像センサは、第2のチューブレンズから画像光線を受け取り、画像光線からマイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部の画像を生成するように構成することができる。光学装置は、マイクロ流体デバイスの囲い内の1つ又は複数の微小物体の撮像、分析、及び操作を実行するように構成することができる。
【0007】
[0007] 幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズは、45mmよりも大きいクリアアパーチャを有し、構造化光変調器からの全ての光線を捕捉するように構成される。幾つかの実施形態では、構造化光変調器は、少なくとも15mm(例えば、少なくとも15.5mm、16.0mm、16.5mm、17.0mm、又は17.0mm超)の活性エリアを含む。幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズは、有効焦点距離約162mm以下(例えば、約161mm、約160mm、約159mm、約158mm、約157mm、約156mm、約155mm、又は約155mm未満)を有する。幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズは、有効焦点距離約155mmを有する。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態では、光学装置は、非構造化明視野照明を提供するように構成された第2の光源を更に含むことができる。幾つかの実施形態では、光学装置は第3の光源を更に含むことができる。第2(又は第3)の光源は、例えば、LED又はレーザ光源であることができる。レーザ光源は、マイクロ流体デバイスの囲い内の表面及び/又は囲い内に配置された流体媒体を加熱するように構成することができる。表面又は媒体の加熱は、ガス(例えば、気泡)を生成させることができる。
【0009】
[0009] 幾つかの実施形態では、光学装置は、撮像中、マイクロ流体デバイスを固定するように構成されたネストを更に含むことができる。ネストは、マイクロ流体デバイス及び/又は流体接続への少なくとも1つの電気接続を提供するように更に構成することができる。
【0010】
[0010] 幾つかの実施形態では、構造化光変調器は、複数の照明光線を透過する。幾つかの実施形態では、光学装置は、複数の照明スポットで複数の隔離ペンを照明するように構成される。例えば、複数の各隔離ペンは、1つの照明スポットで照明することができ、各照明スポットは、照明している隔離ペンの全て又は一部を照明するようなサイズであることができる。幾つかの実施形態では、複数の照明スポットのそれぞれは、約60μm×約120μmのサイズを有する。幾つかの実施形態では、複数の照明スポットのそれぞれは、約7000平方μmから約20000平方μm(例えば、約7000平方μmから約10,000平方μm、約10,000平方μmから約15,000平方μm、約15,000平方μmから約20,000平方μm、上記端点の2つにより定義される任意の範囲の)の面積を有する。
【0011】
[0011] 幾つかの実施形態では、光学装置は、視野内の囲いの部分が、画像センサ及び構造化光変調器で同時にピントが合うように更に構成される。幾つかの実施形態では、光学装置は、全体ノイズを低減して、高画質を達成するために、囲いの一部のみ(例えば、フロー領域の内部エリア及び/又は複数の隔離ペンのそれぞれ)が画像センサに撮像されるように更に構成される。幾つかの実施形態では、構造化光変調器は、画像センサの共役面に配置される。幾つかの実施形態では、光学装置は、共焦点撮像を実行するように更に
構成される。他の実施形態では、光学装置は、構造化光変調器と第1のチューブレンズとの間に摺動可能に位置決めされるスライドレンズを含み、スライドレンズは、タイコグラフィ顕微鏡法をサポートするように構成される。
【0012】
[0012] 幾つかの実施形態では、対物レンズは、複数の隔離ペンの少なくとも部分の画像における収差を最小に抑えるように構成される。幾つかの実施形態では、第2のチューブレンズは、対物レンズの残存収差を補正するように構成される。幾つかの実施形態では、光学装置は、対物レンズの残存収差を補正するように構成された補正レンズを更に含むことができる。補正レンズは、対物レンズの前(すなわち、対物レンズとマイクロ流体デバイスとの間)に配置してもよく、又は対物レンズの背後(すなわち、対物レンズとダイクロイックビームスプリッタとの間)に配置してもよい。
【0013】
[0013] 幾つかの実施形態では、光学装置は、複数のDEP電極の1つ又は複数を選択的に活性化するように構造化光変調器の照明パターンを調整し、複数の隔離ペン内部の1つ又は複数の微小物体を移動させるDEP力を生成するように構成された制御ユニットを更に含むことができる。幾つかの実施形態では、光学装置は、マイクロ流体装置内の選択された領域(例えば、フロー領域の一部及び/又は1つ又は複数の隔離ペンの一部)及び任意選択的に、選択された領域内に配置された1つ又は複数の微小物体を照明するように構造化光変調器の照明パターンを調整するように構成された制御ユニットを更に含むことができる。
【0014】
[0014] 本明細書に開示されるのは、微小物体を撮像し操作するシステムである。本システムは、光作動式マイクロ流体(LAMF)デバイス等のマイクロ流体デバイス、光学装置、及びネストを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、囲いと、表面及び表面上の複数の誘電泳動(DEP)電極を含む基板とを含むことができる。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスの囲いは、フロー領域及び任意選択的に複数の隔離ペンを含み、複数の各隔離ペンは、フロー領域に流体的に接続される。フロー領域及び複数の隔離ペンは、基板表面に配置し得る。光学装置は、本明細書に記載される任意の光学装置であり得、囲い内の1つ又は複数の微小物体の撮像、分析、及び/又は操作を実行するように構成することができる。
【0015】
[0015] 幾つかの実施形態では、本システムは、マイクロ流体デバイスの基板の複数のDEP電極の1つ又は複数を選択的に活性化させ、それにより、囲い内部で1つ又は複数の細胞を移動させるのに十分なDEP力を生成するように、構造化光変調器の照明パターンを調整するように構成された制御ユニットを更に含む。幾つかの実施形態では、本システムは、マイクロ流体装置内の選択された領域(例えば、フロー領域の一部及び/又は1つ又は複数の隔離ペンの一部)及び任意選択的に、選択された領域内に配置された1つ又は複数の微小物体を照明するように構造化光変調器の照明パターンを調整するように構成された制御ユニットを更に含むことができる。
【0016】
[0016] 幾つかの実施形態では、本システムは、複数の照明スポットを用いて、視野内に配置されたフロー領域の任意の部分及び/又は複数の隔離ペンを含む囲いの少なくとも一部を照明するように構成される。例えば、視野内の各隔離ペンは、1つ又は複数の照明スポットを用いて照明することができ、各照明スポットは、照明している隔離ペンの全て又は一部を照明するようなサイズであることができる。幾つかの実施形態では、複数の照明スポットのそれぞれは、約60μm×約120μmのサイズを有する。幾つかの実施形態では、複数の照明スポットのそれぞれは、約7000平方μmから約20000平方μm(例えば、約7000平方μmから約10,000平方μm、約10,000平方μmから約15,000平方μm、約15,000平方μmから約20,000平方μm、上記端点の2つにより定義される任意の範囲の)の面積を有する。
【0017】
[0017] 本明細書に開示されるのは、試料の1つ又は複数の微小物体を操作する方法である。本方法は、光作動式マイクロ流体(LAMF)デバイス等のマイクロ流体デバイスに1つ又は複数の微小物体を含む試料を装填するステップを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、表面と、表面上の複数の誘電泳動(DEP)電極とを有する基板を含む囲いを有することができる。マイクロ流体デバイスは、フロー領域及び任意選択的に、複数の隔離ペンを更に含むことができ、複数の各隔離ペンはフロー領域に流体的に接続される。本方法は、電圧電位をマイクロ流体デバイスにわたり印加するステップを含むことができる。
【0018】
[0018] 本方法は、光学装置を使用して、構造化光をマイクロ流体デバイスの基板の表面の第1の位置に投影することにより、マイクロ流体デバイス内に配置された少なくとも1つの微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化するステップであって、第1の位置は、基板の表面の第2の位置に隣接して配置され、第2の位置は少なくとも1つの微小物体の下に配置される、選択的に活性化するステップを更に含むことができる。光学装置は、本明細書に記載される任意の光学装置であることができる。
【0019】
[0019] 本方法は、光学装置を使用して、構造化光をマイクロ流体デバイスの基板の表面の第1の位置から基板の表面の第3の位置に移すことにより、生成されるDEP力の位置を少なくとも1つの微小物体に隣接するようにシフトさせるステップを更に含むことができる。
【0020】
[0020] 幾つかの実施形態では、本方法は、画像センサを用いて、マイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部の画像を捕捉するステップを更に含むことができる。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスの囲いの撮像される部分は、フロー領域及び/又は少なくとも1つの隔離ペン及び少なくとも1つの微小物体を含む。
【0021】
[0021] 幾つかの実施形態では、基板面の第1の位置に投影される構造化光は、複数の照明スポットを含む。幾つかの実施形態では、基板面の第1の位置は、マイクロ流体デバイスのフロー領域に配置され、基板面の第3の位置は、複数の隔離ペンの隔離ペンの1つ内に配置される。幾つかの実施形態では、基板面の第1の位置に投影される構造化光は、線分又は脱字符号のような形状を含む。幾つかの実施形態では、基板面の第1の位置に投影される構造化光は、多角形(例えば、正方形、矩形、菱形、五角形等)、円等の輪郭のような形状を有する。
【0022】
[0022] 幾つかの実施形態では、本方法は、光学装置を使用して、構造化光をマイクロ流体デバイスの基板の表面の複数の第1の位置に投影することにより、マイクロ流体デバイス内に配置された複数の微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化するステップであって、複数の第1の位置のそれぞれは、基板の表面の対応する第2の位置に隣接して配置され、対応する第2の位置は、複数の対応する微小物体の下に配置される、DEP力を選択的に活性化するステップを更に含むことができる。
【0023】
[0023] 幾つかの実施形態では、本方法は、光学装置を使用して、撮像される構造化光を基板面の複数の第1の位置から基板面の複数の対応する第3の位置に移すことにより、生成されるDEP力の位置を複数の微小物体に隣接するようにシフトさせるステップを更に含むことができる。
【0024】
[0024] 幾つかの実施形態では、本方法は、囲いの少なくとも一部の画像を捕捉するステップを更に含むことができ、フロー領域の内部エリア及び/又は撮像中の囲いの部分に配置された各隔離ペンのみを撮像することを含み、それにより、全体ノイズを低減し、高
画質を達成する。幾つかの実施形態では、本方法は、画像を分析して、フィードバック及び第1の位置の調整を提供するステップを更に含むことができる。
【0025】
[0025] 本明細書に開示されるのは、試料の1つ又は複数の微小物体を撮像する方法である。本方法は、フロー領域を含む囲いを有するマイクロ流体装置に、1つ又は複数の微小物体を含む試料を装填することと、囲いの少なくとも一部に投影された複数の対応する照明パターンを使用して、1つ又は複数の微小物体を含む囲いの少なくとも一部の複数の画像を捕捉することと、複数の画像を結合して、囲いの一部に配置された1つ又は複数の微小物体の1つの画像を生成することとを含むことができる。特定の実施形態では、複数の各照明パターンは、構造化光を使用して生成され、複数の他の照明パターンと異なる。特定の実施形態では、複数の画像は、本明細書に開示される任意の光学システムであることができる光学システムを使用して捕捉される。特定の実施形態では、複数の画像を結合することは、複数の画像のそれぞれを処理して、焦点ボケ背景光を除去することを含む。
【0026】
[0026] 幾つかの実施形態では、囲いの少なくとも一部に投影される照明パターン及び画像センサにおいて捕捉される対応する画像は、同時にピントが合う。幾つかの実施形態では、複数の対応する照明パターンは、囲い内の視野(例えば、視野全体)をスキャンするように構成される。
【0027】
[0027] 本明細書に開示されるのは、光作動式マイクロ流体(LAMF)デバイス等のマイクロ流体デバイスの光学装置のチューブレンズである。本チューブレンズは、凸形及び第1の正の曲率半径を有する第1の表面と、第2の曲率半径を有する第2の表面と、凹形及び第3の負の曲率半径を有する第3の表面と、凹形及び第4の負の曲率半径を有する第4の表面と、少なくとも45mm超の直径を有するクリアアパーチャとを含み、本チューブレンズの前焦点及び後焦点は、中間点から等しく離間されず、対称に配置されない。
【0028】
[0028] 幾つかの実施形態では、後方焦点距離(BFL)は最小化される。幾つかの実施形態では、本チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約155mm及び後方焦点距離(BFL)約135mmを有する。幾つかの実施形態では、本チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約162mm及び後方焦点距離(BFL)約146mmを有する。幾つかの実施形態では、本チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約180mm及び後方焦点距離(BFL)約164mmを有する。
【0029】
[0029] 幾つかの実施形態では、本チューブレンズは有効焦点距離(EFL)約155mmを有し、第1の正の曲率半径は約91mmであり、第2の曲率半径は約42mmであり、第3の負の曲率半径は約-62mmであり、第4の負の曲率半径は約-116mmである。
【0030】
[0030] 幾つかの実施形態では、本チューブレンズは有効焦点距離(EFL)約162mmを有し、第1の正の曲率半径は約95mmであり、第2の曲率半径は約54mmであり、第3の負の曲率半径は約-56mmであり、第4の負の曲率半径は約-105mmである。
【0031】
[0031] 幾つかの実施形態では、本チューブレンズは有効焦点距離(EFL)約180mmを有し、第1の正の曲率半径は約95mmであり、第2の曲率半径は約64mmであり、第3の負の曲率半径は約-60mmであり、第4の負の曲率半径は約-126mmである。
【0032】
[0032] 幾つかの実施形態では、本チューブレンズは有効焦点距離(EFL)約200mmを有し、第1の正の曲率半径は約160mmであり、第2の曲率半径は約-62mm
であり、第3の負の曲率半径は約-80mmであり、第4の負の曲率半径は約-109mmである。
【0033】
図面の簡単な説明
[0033] 本発明の新規の特徴は、特に以下の特許請求の範囲に記載される。本開示の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明及び添付図面を参照することにより、本開示の特徴及び利点のよりよい理解が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A】[0034]本開示の幾つかの実施形態による、関連付けられた制御機器を含む、マイクロ流体デバイス及びマイクロ流体デバイスと併用されるシステムの一例を示す。
【
図1B】[0035]本開示の幾つかの実施形態によるマイクロ流体デバイスの垂直断面図を示す。
【
図1C】[0035]本開示の幾つかの実施形態によるマイクロ流体デバイスの水平断面図を示す。
【
図2A】[0036]本開示の幾つかの実施形態による分離ペンを有するマイクロ流体デバイスの垂直断面図を示す。
【
図2B】[0036]本開示の幾つかの実施形態による分離ペンを有するマイクロ流体デバイスの水平断面図を示す。
【
図2C】[0037]本開示の幾つかの実施形態による隔離ペンの詳細な水平断面図を示す。
【
図2D】[0038]本開示の幾つかの実施形態による分離ペンを有するマイクロ流体デバイスの部分水平断面図を示す。
【
図2E】[0039]本開示の幾つかの実施形態による隔離ペンの詳細な水平断面図を示す。
【
図2F】[0039]本開示の幾つかの実施形態による隔離ペンの詳細な水平断面図を示す。
【
図2G】[0040]本開示の幾つかの実施形態による分離ペンを有するマイクロ流体デバイスを示す。
【
図2H】[0041]本開示の幾つかの実施形態によるマイクロ流体デバイスを示す。
【
図3A】[0042]本開示の幾つかの実施形態によるマイクロ流体デバイスの操作及び観測に使用することができるシステムを示す。
【
図3B】[0043]本開示の幾つかの実施形態によるマイクロ流体デバイスの光学装置を示す。
【
図4A】[0044]本開示の幾つかの実施形態による光学装置及びマイクロ流体デバイスを含むシステムの概略図である。
【
図4B】[0045]
図4Aのマイクロ流体デバイス内の複数の隔離ペンの一例を示す。
【
図4C】[0046]光学装置の第1のチューブレンズを示し、
図4Aの構造化光変調器からの全ての光線を捕捉するように構成される。
【
図5A】[0047]本開示の幾つかの他の実施形態による光学装置の複数の光源及びマイクロ流体デバイスの概略図である。
【
図5B】[0048]
図5Aの光学装置の複数の光源の一例のダイクロイックビームスプリッタを示す。
【
図5C】[0049]光学装置及びマイクロ流体デバイスを含むシステムの別の実施形態の概略図である。
【
図6A】[0050]本開示の幾つかの他の実施形態による励起フィルタ及び放射フィルタを有する光学装置を含むシステムの概略図である。
【
図6B】[0051]本開示の幾つかの他の実施形態による、ビームスプリッタが第1の光源からの光線を反射するように構成された光学装置を含むシステムの概略図である。
【
図6C】[0052]本開示の更に幾つかの他の実施形態による、収差を補正する補正レンズを有する光学装置を含むシステムの概略図である。
【
図7A】[0053]マイクロ流体デバイスの光学装置の一例のチューブレンズの光学概略図である。
【
図7B】[0054]マイクロ流体デバイスの光学装置の別の例のチューブレンズの光学概略図である。
【
図7C】[0055]マイクロ流体デバイスの光学装置の更に別の例のチューブレンズの光学概略図である。
【
図7D】[0056]マイクロ流体デバイスの光学装置の別の例のチューブレンズの光学概略図である。
【
図8A】[0057]光学システムにより使用することができる光学構成の実施形態を示す。
【
図8B】[0057]光学システムにより使用することができる光学構成の実施形態を示す。
【
図8C】[0057]光学システムにより使用することができる光学構成の実施形態を示す。
【
図8D】[0057]光学システムにより使用することができる光学構成の実施形態を示す。
【
図9A】[0058]幾つかの実施形態による光学縦列の簡易化部分の概略図を示す。
【
図9B】[0059]幾つかの実施形態によるタイコグラフィ顕微鏡法用のスライドレンズを含むように変更された光学縦列の簡易化部分の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
詳細な説明
[0060] 本明細書は、本発明の例示的な実施形態及び用途を記載する。しかし、本発明は、これらの例示的な実施形態及び用途又は例示的な実施形態及び用途が動作する様式若しくは本明細書に記載される様式に限定されない。さらに、図は簡易化された図又は部分図を示し得、図中の要素の寸法は、強調されることもあれば、又は他の方法で一定の比率ではないことがある。加えて、「上」、「に付着」、「に接続」、「に結合」、又は同様の言葉が本明細書において使用される場合、ある要素(例えば、材料、層、基板等)は、ある要素が他の要素の直接上にある、直接付着する、直接接続される、又は直接結合されるか否かに関係なく、又はある要素と他の要素との間に1つ若しくは複数の介在要素があるか否かに関係なく、別の要素の「上」にあり、別の要素「に付着」し、「に接続」され、又は「に結合」することができる。また、文脈により別のことが示される場合を除き、方向(例えば、上方、下方、上部、下部、横、上、下、の下、の上、上部の、下部の、横、縦、「x」、「y」、「z」等)は、提供される場合、相対的なものであり、単に例として、例示及び考察を容易にするために提供され、限定として提供されるものではない。加えて、要素のリスト(例えば、要素a、b、c)が言及される場合、そのような言及は、リスト自体に列挙された要素のいずれか1つ、列挙された要素の全て未満の任意の組合せ、及び/又は列挙された全ての要素の組合せを包含することが意図される。本明細書でのセクション分割は、検討を容易にすることのみを目的とし、考察されるいかなる要素の組合せも限定しない。
【0036】
[0061] 本明細書で使用される場合、「実質的に」は、意図された目的で機能するのに十分であることを意味する。そのため、「実質的に」という用語は、当業者によって予想されるような、ただし全体性能にそれほど影響を及ぼさない、絶対的又は完全な状態、寸法、測定、結果等からのわずかな有意でない変動を許容する。数値又は数値として表現され得るパラメータ若しくは特性に対して用いられる場合、「実質的に」は、10パーセント以内を意味する。
【0037】
[0062] 本明細書で使用される場合、「ones」という用語は、2つ以上を意味する。
【0038】
[0063] 本明細書で使用される場合、「複数」という用語は、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれを超え得る。
【0039】
[0064] 本明細書で使用される場合、「配置される」という用語は、その意味内において「位置する」を包含する。
【0040】
[0065] 本明細書で使用される場合、「マイクロ流体デバイス」又は「マイクロ流体装置」とは、流体を保持するように構成された1つ又は複数の別個のマイクロ流体回路であって、各マイクロ流体回路は、領域、流路、チャネル、チャンバ、及び/又はペンを含むがこれに限定されない流体的に相互接続された回路要素で構成される、1つ又は複数の別個のマイクロ流体回路と、流体(及び任意選択的に流体中に懸濁した微小物体)をマイクロ流体デバイス内及び/又は外に流すように構成される少なくとも1つのポートとを含むデバイスである。通常、マイクロ流体デバイスのマイクロ流体回路は、マイクロ流体チャネルを含み得るフロー領域及び少なくとも1つのチャンバを含み、約1mL未満、例えば、約750μL未満、約500μL未満、約250μL未満、約200μL未満、約150μL未満、約100μL未満、約75μL未満、約50μL未満、約25μL未満、約20μL未満、約15μL未満、約10μL未満、約9μL未満、約8μL未満、約7μL未満、約6μL未満、約5μL未満、約4μL未満、約3μL未満、又は約2μL未満の容量の流体を保持する。特定の実施形態では、マイクロ流体回路は、約1μL~約2μL、約1μL~約3μL、約1μL~約4μL、約1μL~約5μL、約2μL~約5μL、約2μL~約8μL、約2μL~約10μL、約2μL~約12μL、約2μL~約15μL、約2μL~約20μL、約5μL~約20μL、約5μL~約30μL、約5μL~約40μL、約5μL~約50μL、約10μL~約50μL、約10μL~約75μL、約10μL~約100μL、約20μL~約100μL、約20μL~約150μL、約20μL~約200μL、約50μL~約200μL、約50μL~約250μL、又は約50μL~約300μLを保持する。マイクロ流体回路は、マイクロ流体デバイスの第1のポート(例えば、流入口)と流体的に接続される第1の端部と、マイクロ流体デバイスの第2のポート(例えば、流出口)と流体的に接続される第2の端部とを有するように構成し得る。
【0041】
[0066] 本明細書で使用される場合、「ナノ流体デバイス」又は「ナノ流体装置」は、約1μL未満、例えば約750nL未満、約500nL未満、約250nL未満、約200nL未満、約150nL未満、約100nL未満、約75nL未満、約50nL未満、約25nL未満、約20nL未満、約15nL未満、約10nL未満、約9nL未満、約8nL未満、約7nL未満、約6nL未満、約5nL未満、約4nL未満、約3nL未満、約2nL未満、約1nL以下の体積の流体を保持するように構成された少なくとも1つの回路要素を含有するマイクロ流体回路を有するタイプのマイクロ流体デバイスである。ナノ流体デバイスは、複数の回路要素(例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、6000、7000、8000、9000、10,000個又はそれを超える)を含み得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの回路要素の1つ以上(例えば、全て)は、約100pLから1nL、約100pLから2nL、約100pLから5nL、約250pLから2nL、約250pLから5nL、約250pLから10nL、約500pLから5nL、約500pLから10nL、約500pLから15nL、約750pLから10nL、約750pLから15nL、約750pLから20nL、約1から10nL、約1から15nL、約1から20nL、約1から25nL又は約1から50nLの体積の流体を保持するように構成される。他の実施形態では、少なくとも1つの回路要素の1つ以上(例えば、全て)は、
約20から200nL、約100から200nL、約100から300nL、約100から400nL、約100から500nL、約200から300nL、約200から400nL、約200から500nL、約200から600nL、約200から700nL、約250から400nL、約250から500nL、約250から600nL又は約250から750nLの体積の流体を保持するように構成される。
【0042】
[0067] 本明細書で使用される「マイクロ流体チャネル」又は「フローチャネル」とは、水平寸法及び垂直寸法の両寸法よりも有意に長い長さを有するマイクロ流体デバイスのフロー領域を意味する。例えば、フローチャネルは、水平寸法又は垂直寸法のいずれかの長さの少なくとも5倍、例えばその長さの少なくとも10倍、その長さの少なくとも25倍、その長さの少なくとも100倍、その長さの少なくとも200倍、その長さの少なくとも500倍、その長さの少なくとも1,000倍、その長さの少なくとも5,000倍又はそれを超え得る。幾つかの実施形態では、フローチャネルの長さは、介在する任意の範囲を含めて約50,000ミクロンから約500,000ミクロンの範囲内である。幾つかの実施形態では、水平寸法は、約100ミクロンから約1000ミクロン(例えば、約150から約500ミクロン)の範囲内であり、且つ垂直寸法は、約25ミクロンから約200ミクロン、例えば約40から約150ミクロンの範囲内である。フローチャネルは、マイクロ流体デバイス内で多様な空間構成を有し得るため、完全に線状の要素に限定されないことに留意されたい。例えば、フローチャネルは、次の任意の構成、即ちカーブ、ベンド、スパイラル、傾斜、下降、フォーク(例えば、複数の異なる流路)及びそれらの任意の組合せを有する1つ以上のセクションを含み得る。加えて、フローチャネルは、その中に所望の流体フローを提供するように、その通路に沿って異なる断面積、拡幅及び狭窄を有し得る。
【0043】
[0068] 本明細書で使用される場合、「障害物」という用語は、一般に、マイクロ流体デバイスの2つの異なる領域間又は回路要素間の標的微小物体の移動を部分的に(完全にではなく)妨げるのに十分な大きさのバンプ又は類似のタイプの構造物を意味する。2つの異なる領域/回路要素は、例えば、マイクロ流体隔離ペン及びマイクロ流体チャネル又はマイクロ流体隔離ペンの接続領域及び分離領域であり得る。
【0044】
[0069] 本明細書で使用される場合、「狭窄」という用語は、一般に、マイクロ流体デバイスの回路要素(又は2つの回路要素間のインターフェース)の幅の狭小化を意味する。狭窄は、例えば、マイクロ流体隔離ペンとマイクロ流体チャネルとの間のインターフェース又はマイクロ流体隔離ペンの分離領域と接続領域との間のインターフェースに位置決めし得る。
【0045】
[0070] 本明細書で使用される場合、「透明」という用語は、透過時に光を実質的に変化させることなく可視光を透過させる材料を意味する。
【0046】
[0071] 本明細書で使用される場合、「微小物体」という用語は一般に、本発明により分離及び/又は操作し得る任意の顕微鏡的物体を指す。微小物体の非限定的な例としては、微粒子;微小ビーズ(例えば、ポリスチレンビーズ、Luminex(商標)ビーズ等);磁
性ビーズ;微小ロッド;微小ワイヤ;量子ドット等の無生物微小物体、細胞;生物学的細胞小器官;ベシクル若しくは複合体;合成ベシクル;リポソーム(例えば、合成又は膜標本由来);脂質ナノラフト等の生物学的微小物体、又は無生物微小物体と生物学的微小物体との組合せ(例えば、細胞に付着した微小ビーズ、リポソームコーティング微小ビーズ、リポソームコーティング磁性ビーズ等)が挙げられる。ビーズは、蛍光標識、タンパク質、炭水化物、抗原、小分子シグナリング部分、又はアッセイで使用可能な他の化学/生物種等の共有結合又は非共有結合した部分/分子を含み得る。脂質ナノラフトは、例えば、Ritchie et al.(2009)“Reconstitution of Membrane Proteins in Phospholipid Bila
yer Nanodiscs,”Methods Enzymol.,464:211-231において説明されている。
【0047】
[0072] 本明細書で使用される場合、「細胞」という用語は、用語「生体細胞」と同義で使用される。生体細胞の非限定的な例としては、真核細胞、植物細胞、哺乳類細胞、爬虫類細胞、鳥類細胞、魚類細胞等の動物細胞、原核細胞、細菌細胞、真菌細胞、原生細胞等、筋肉、軟骨組織、脂肪、皮膚、肝臓、肺、神経組織等の組織から解離された細胞、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ等の免疫細胞、胚(例えば、接合子)、卵母細胞、卵子、精子細胞、ハイブリドーマ、培養細胞、細胞株からの細胞、がん細胞、感染細胞、トランスフェクト細胞及び/又は形質転換細胞、レポーター細胞等が挙げられる。哺乳類細胞は、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、霊長類等からの細胞であることができる。
【0048】
[0073] 生体細胞のコロニーは、生殖可能なコロニー内の生細胞の全てが、単一の親細胞由来の娘細胞である場合、「クローン」である。特定の実施形態では、クローンコロニー内の全ての娘細胞は、10以下の細胞分裂での単一の親細胞からのものである。他の実施形態では、クローンコロニー内の全ての娘細胞は、14以下の細胞分裂での単一の親細胞からのものである。他の実施形態では、クローンコロニー内の全ての娘細胞は、17以下の細胞分裂での単一の親細胞からのものである。他の実施形態では、クローンコロニー内の全ての娘細胞は、20以下の細胞分裂での単一の親細胞からのものである。「クローン細胞」という用語は、同じクローンコロニーの細胞を指す。
【0049】
[0074] 本明細書で使用される場合、生体細胞の「コロニー」は、2つ以上の細胞(例えば、約2個から約20個、約4個から約40個、約6個から約60個、約8個から約80個、約10個から約100個、約20個から約200個、約40個から約400個、約60個から約600個、約80個から約800個、約100個から約1000個、又は約1000個を超える細胞)を指す。
【0050】
[0075] 本明細書で使用される場合、「細胞を維持する」という用語は、細胞の生存及び/又は増殖を続けるのに必要な条件を提供する、流体及び気体の両方の成分と任意選択的に表面とを含む環境を提供することを意味する。
【0051】
[0076] 流体培地の「成分」は、溶媒分子、イオン、低分子、抗生物質、ヌクレオチド及びヌクレオシド、核酸、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、糖、炭水化物、脂質、脂肪酸、コレステロール、代謝物等をはじめとする培地中に存在する任意の化学分子又は生化学分子である。
【0052】
[0077] 流体培地を参照して本明細書で使用される場合、「拡散する」又は「拡散」は、流体培地の成分が濃度勾配の下方に熱力学的に移動することを意味する。
【0053】
[0078] 「培地のフロー」という語句は、拡散以外の任意の機構に主に起因する流体培地のバルク移動を意味する。例えば、培地のフローは、点間の圧力差に起因する一方の点から他方の点への流体培地の移動を含み得る。かかるフローは、液体の連続フロー、パルスフロー、周期フロー、ランダムフロー、間欠フロー若しくは往復フロー又はそれらの任意の組合せを含み得る。一方の流体培地が他方の流体培地に流入する場合、培地の乱流及び混合を生じ得る。
【0054】
[0079] 「実質的にフローなし」という語句は、時間平均で流体培地中への又は流体培地中での材料の成分(例えば、対象のアナライト)の拡散速度未満の流体培地の流速を意味する。かかる材料の成分の拡散速度は、例えば、温度、成分のサイズ及び成分と流体培地との間の相互作用の強度に依存し得る。
【0055】
[0080] マイクロ流体デバイス内の異なる領域を参照して本明細書で使用される場合、「流体接続される」という語句は、異なる領域が流体培地等の流体で実質的に充填されたときに各領域内の流体が単一体の流体を形成するように接続されることを意味する。これは、異なる領域内の流体(又は流体培地)が必ずしも同一の組成であることを意味するものではない。より正確には、マイクロ流体デバイスの異なる流体接続領域内の流体は、溶質がそのそれぞれの濃度勾配の下方に移動するとき及び/又はマイクロ流体デバイスを貫流するときに流束内で異なる組成(例えば、タンパク質、炭水化物、イオン、他の分子等の溶質の濃度が異なる)を有し得る。
【0056】
[0081] マイクロ流体(又はナノ流体)デバイスは、「掃引」領域と「非掃引」領域とを含み得る。本明細書で使用される場合、「掃引」領域は、流体がマイクロ流体回路を貫流するときに培地のフローにそれぞれ遭遇するマイクロ流体回路の1つ以上の流体相互接続回路要素を含む。掃引領域の回路要素は、例えば、領域、チャネル及びチャンバの全部又は一部を含み得る。本明細書で使用される場合、「非掃引」領域は、流体がマイクロ流体回路を貫流するときに実質的に流体のフラックスなしにそれぞれ遭遇するマイクロ流体回路の1つ以上の流体相互接続回路要素を含む。拡散を可能とするが、掃引領域と非掃引領域との間で培地が実質的にフローなしとなるように流体接続が構造化される限り、非掃引領域は、掃引領域に流体接続され得る。そのため、マイクロ流体デバイスは、掃引領域と非掃引領域との間で実質的に拡散流体連通のみを可能にしつつ、掃引領域内の培地のフローから非掃引領域を実質的に分離するように構造化され得る。例えば、マイクロ流体デバイスのフローチャネルは、掃引領域の例であり、一方、マイクロ流体デバイスの分離領域(以下にさらに詳細に記載される)は、非掃引領域の例である。
【0057】
[0082] 本明細書で使用される場合、「流路」とは、培地のフローのトラジェクトリーを画定し、且つその対象となる1つ以上の流体接続回路要素(例えば、チャネル、領域、チャンバ等)を意味する。そのため、流路は、マイクロ流体デバイスの掃引領域の例である。他の回路要素(例えば、非掃引領域)は、流路の培地のフローの対象とならない流路を含む回路要素に流体接続し得る。
【0058】
[0083] 本明細書で使用される場合、レンズ(又はレンズ組立体)の「クリアアパーチャ」とは、意図される目的で使用することができるレンズ(又はレンズ組立体)の部分の直径又はサイズである。製造制約に起因して、レンズ(又はレンズ組立体)の実際の物理的直径に等しいクリアアパーチャを製造することは略不可能である。
【0059】
[0084] 本明細書で使用される場合、「活性エリア」という用語は、撮像又は特定の光学装置における視野への構造化光の提供にそれぞれ使用することができる画像センサ又は構造化光変調器の部分を指す。活性エリアは、光学装置内の光路のアパーチャストップ等の光学装置の制約を受ける。活性エリアは二次元表面に対応するが、活性エリアの測定は通常、同じ面積を有する正方形の対抗する隅を通る対角線の長さに対応する。
【0060】
[0085] 本明細書で使用される場合、「画像光線」とは、光学装置により見られているデバイス表面、微小物体、又は流体媒体から反射又は放射される電磁波である。デバイスは、光作動式マイクロ流体(LAMF)デバイス等のマイクロ流体デバイスであることができる。微小物体及び流体媒体は、そのようなマイクロ流体デバイス内に配置することができる。
【0061】
[0086] 本明細書で使用される場合、μmはマイクロメートルを意味し、μm3は立方マイクロメートルを意味し、pLはピコリットルを意味し、nLはナノリットルを意味し、μL(又はuL)はマイクロリットルを意味する。
【0062】
装填方法
[0087] 生物学的微小物体又は限定ではなくビーズ等の微小物体の装填は、本明細書に記載される流体フロー、重力、抗体生成細胞(DEP)力、エレクトロウェッティング、磁力、又はそれらの任意の組合せの使用を含むことができる。DEP力は、光電子ツイーザ(OET)構成による等、光学的に及び/又は時間/空間パターンでの複数の電極/1つの電極の領域の活性化による等、電気的に作動させることができる。同様に、エレクトロウェッティング力も、オプトエレクトロウェッティング(OEW)構成による等、光学的に及び/又は時空間パターンでの複数の電極/1つの電極の領域の活性化による等、電気的に作動させ得る。
【0063】
[0088] 本開示は、微小物体を閲覧し操作する光学装置、システム、及び方法に関する。特に、本開示は、光作動式マイクロ流体デバイス等のマイクロ流体デバイスにおいて微小物体を閲覧し操作する光学装置、関連するシステム、及び関連する情報に関する。
【0064】
[0089] 本明細書に開示されるのは、マイクロ流体デバイスにおいて微小物体を閲覧及び/又は操作する光学装置である。光学装置は、マイクロ流体デバイスの囲い内の1つ又は複数の微小物体の撮像、分析、及び操作を実行するように構成される。光学装置は、第1の光源、構造化光変調器、第1のチューブレンズ、対物レンズ、ダイクロイックビームスプリッタ、第2のチューブレンズ、及び画像センサを含むことができる。構造化光変調器は、第1の光源から非構造化光線を受け取り、撮像し、及び/又は本明細書において考察される任意の光作動式マイクロ流体デバイスを含め、マイクロ流体デバイスの基板の表面の複数の誘電泳動(DEP)電極の1つ又は複数を選択的に活性化する構造化光線を透過するように構成される。第1のチューブレンズは、構造化光変調器から構造化光線を捕捉するように構成される。対物レンズは、マイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部を含む視野を撮像するように構成される。ダイクロイックビームスプリッタは、第1のチューブレンズからの光線を対物レンズに反射(又は透過)し、対物レンズから受け取った画像光線を第2のチューブレンズに透過(又は反射)するように構成される。第2のチューブレンズは、ダイクロイックビームスプリッタから画像光線を受け取り、画像光線を画像センサに透過するように構成される。画像センサは、第2のチューブレンズから画像光線を受け取り、画像光線から視野の画像を生成するように構成される。
【0065】
[0090] 本明細書に開示されるのは、微小物体を観測し操作するシステムである。システムは、マイクロ流体デバイスと、マイクロ流体デバイスにおける微小物体を撮像及び/又は操作する光学装置とを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、基板を有する囲いを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、フロー領域及び複数の隔離ペンを更に含むことができ、各隔離ペンはフロー領域に流体的に接続される。基板は、表面と、表面上にあるか、又は表面により構成される複数の誘電泳動(DEP)電極とを含むことができる。マイクロ流体デバイスはカバーを更に含むことができ、カバーは、可視光を透過する接地電極を含み得る。そのようなマイクロ流体装置の詳細は、本明細書及び当技術分野において他の箇所に説明されている。例えば、2015年12月9日に出願された国際特許出願公開第2016/094507号、2013年10月10日に出願された米国特許第9,403,172号、及び2013年10月30日に出願された国際特許出願公開第2014/074367号を参照のこと。光学装置は、囲い内の1つ又は複数の微小物体の撮像、分析、及び操作を実行するように構成することができる。光学装置は、第1の光源、構造化光変調器、第1のチューブレンズ及び第2のチューブレンズ、対物レンズ、ダイクロイックビームスプリッタ、並びに画像センサを含むことができる。構造化光変調器は、第1の光源から光を受け取り、選択的に撮像及び/又はマイクロ流体デバイスの基板の表面の複数のDEP電極の1つ又は複数を選択的に活性化する構造化光線を透過するように構成することができる。第1のチューブレンズは、構造化光変調器からの光を捕捉す
るように構成することができる。対物レンズは、フロー領域の少なくとも一部及び/又はマイクロ流体デバイス内の複数の隔離ペンの一部を含む視野を撮像するように構成することができる。ダイクロイックビームスプリッタは、第1のチューブレンズからの構造化光線を対物レンズに反射又は透過し、対物レンズから受け取った画像光線を第2のチューブレンズに透過又は反射するように構成することができる。第2のチューブレンズは、ダイクロイックビームスプリッタから画像光線を受け取り、画像光線を画像センサに透過するように構成される。画像センサは、画像光線を受け取り、画像光線から視野の画像を生成するように構成される。
【0066】
[0091] 本明細書に開示されるのは、マイクロ流体デバイス及びそのようなデバイスを操作し観測するシステムである。
図1Aは、対象となる抗原に結合(例えば、特異的に結合)する抗体を分泌する抗体生成細胞のスクリーニング及び検出に使用することができるマイクロ流体デバイス100及びシステム150の一例を示す。マイクロ流体デバイス100への部分図を提供するために、カバー110が部分的に切り欠かれたマイクロ流体デバイス100の斜視図を示す。マイクロ流体デバイス100は一般に、流路106を含むマイクロ流体回路120を含み、流体媒体180は流路を通って流れることができ、流体媒体180は、任意選択的に1つ又は複数の微小物体(図示せず)をマイクロ流体回路120内に及び/又はマイクロ流体回路120を通して運ぶ。1つのマイクロ流体回路120が
図1Aに示されているが、適するマイクロ流体デバイスは、複数(例えば、2つ又は3つ)のそのようなマイクロ流体回路を含むことができる。それにかかわらず、マイクロ流体デバイス100は、ナノ流体デバイスであるように構成することができる。
図1Aに示される実施形態では、マイクロ流体回路120は、複数のマイクロ流体隔離ペン124、126、128、及び130を含み、各隔離ペンは、流路106と流通する開口部(例えば、1つの開口部)を有する。更に後述するように、マイクロ流体隔離ペンは、媒体180が流路106を通って流れているときであっても、マイクロ流体デバイス100等のマイクロ流体デバイスに微小物体を保持するのに最適化された様々な特徴及び構造物を含む。しかしながら、上記を参照する前に、マイクロ流体デバイス100及びシステム150の概説を提供する。
【0067】
[0092]
図1Aに概して示されるように、マイクロ流体回路120は囲い102により画定される。囲い102は異なる構成で物理的に構造化することができるが、
図1Aに示される例では、囲い102は、支持構造体104(例えば、基部)、マイクロ流体回路構造108、及びカバー110を含むものとして示されている。支持構造体104、マイクロ流体回路構造108、及びカバー110は、互いに取り付けることができる。例えば、マイクロ流体回路構造108は、支持構造体104の内面109に配置することができ、カバー110は、マイクロ流体回路構造108を覆って配置することができる。支持構造体104及びカバー110と一緒に、マイクロ流体回路構造108は、マイクロ流体回路120の要素を画定することができる。
【0068】
[0093]
図1Aに示されるように、支持構造体104は、マイクロ流体回路120の下部にあり得、カバー110はマイクロ流体回路120の上部にあり得る。代替的に、支持構造体104及びカバー110は、他の向きで構成され得る。例えば、支持構造体104は、マイクロ流体回路120の上部にあり得、カバー110はマイクロ流体回路120の下部にあり得る。それに関係なく、それぞれが囲い102内又は外への通路を含む1つ又は複数のポート107があり得る。通路の例としては、弁、ゲート、貫通孔等が挙げられる。示されるように、ポート107は、マイクロ流体回路構造108のギャップにより作られる貫通孔である。しかし、ポート107は、カバー110等の囲い102の他の構成要素に配置することができる。1つのみのポート107が
図1Aに示されているが、マイクロ流体回路120は2つ以上のポート107を有することができる。例えば、流体がマイクロ流体回路120に入るための流入口として機能する第1のポート107があり得、
流体がマイクロ流体回路120を出るための流出口として機能する第2のポート107があり得る。ポート107が流入口として機能するか、それとも流出口として機能するかは、流体が流路106を通って流れる方向に依存し得る。
【0069】
[0094] 支持構造体104は、1つ以上の電極(図示せず)と基板又は複数の相互接続基板とを含み得る。例えば、支持構造体104は、電極にそれぞれ電気接続された1つ以上の半導体基板を含み得る(例えば、半導体基板の全部又は一部は、単一電極に電気接続され得る)。支持構造体104は、プリント回路基板アセンブリ(「PCBA」)を更に含み得る。例えば、半導体基板は、PCBA上に実装され得る。
【0070】
[0095] マイクロ流体回路構造体108は、マイクロ流体回路120の回路要素を画定することができる。かかる回路要素は、マイクロ流体回路120に流体が充填されたときに流体相互接続が可能な空間又は領域、例えば(フローチャネルを含み得るか、1又は複数のフローチャネルであり得る)フロー領域、チャンバ、ペン、トラップ等を含み得る。
図1Aに例示されるマイクロ流体回路120では、マイクロ流体回路構造体108は、フレーム114及びマイクロ流体回路材料116を含む。フレーム114は、マイクロ流体回路材料116を部分的に又は完全に包囲することができる。フレーム114は、例えば、マイクロ流体回路材料116を実質的に取り囲む比較的剛性の構造体であり得る。例えば、フレーム114は、金属材料を含み得る。
【0071】
[0096] マイクロ流体回路材料116は、マイクロ流体回路120の回路要素及び相互接続部を画定するようにキャビティ等によってパターニングされ得る。マイクロ流体回路材料116は、ガス透過性であり得る可撓性ポリマー(例えば、ゴム、プラスチック、エラストマー、シリコーン、ポリジメチルシロキサン(「PDMS」)等)等の可撓性材料を含み得る。マイクロ流体回路材料116を構成することができる材料の他の例としては、成形ガラス、エッチング可能な材料、例えばシリコーン(例えば、光パターニング可能なシリコーン又は「PPS」)、フォトレジスト(例えば、SU8)等が挙げられる。幾つかの実施形態では、かかる材料、即ちマイクロ流体回路材料116は、剛性及び/又はガスに対して実質的に不透過性であり得る。それとは関係なく、マイクロ流体回路材料116は、支持構造体104上及びフレーム114内に配置され得る。
【0072】
[0097] カバー110は、枠114及び/又はマイクロ流体回路材料116の一体部分であり得る。代替的に、カバー110は、
図1Aに示されるように、構造的に別個の要素であり得る。カバー110は、枠114及び/又はマイクロ流体回路材料116と同じ又は異なる材料を含むことができる。同様に、支持構造体104は、示されるように枠114若しくはマイクロ流体回路材料116とは別個の構造であってもよく、又は枠114若しくはマイクロ流体回路材料116の一体部分であってもよい。同様に、枠114及びマイクロ流体回路材料116は、
図1Aに示されるように別個の構造であってもよく、又は同じ構造の一体部分であってもよい。
【0073】
[0098] 幾つかの実施形態では、カバー110は剛性材料を含むことができる。剛性材料は、ガラス又は同様との特性を有する材料であり得る。幾つかの実施形態では、カバー110は変形可能材料を含むことができる。変形可能材料は、PDMS等のポリマーであり得る。幾つかの実施形態では、カバー110は、剛性材料及び変形可能材料の両方を含むことができる。例えば、カバー110の1つ又は複数の部分(例えば、隔離ペン124、126、128、130上に位置する1つ又は複数の部分)は、カバー110の剛性材料と界面を接する変形可能材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、カバー110は1つ又は複数の電極をさらに含むことができる。1つ又は複数の電極は、ガラス又は同様の絶縁材料でコーティングし得る、インジウム-錫-酸化物(ITO)等の導電性酸化物を含むことができる。代替的に、1つ又は複数の電極は、ポリマー(例えば、PDM
S)等の変形可能ポリマーに埋め込まれた単層ナノチューブ、多層ナノチューブ、ナノワイヤ、導電性ナノ粒子のクラスタ、又はそれらの組合せ等の可撓性電極であり得る。マイクロ流体デバイスで使用することができる可撓性電極は、例えば、米国特許出願公開第2012/0325665号(Chiouら)に記載されており、この内容は参照により本明細
書に援用される。幾つかの実施形態では、カバー110は、細胞の接着、生存、及び/又は成長を支持するように変更することができる(例えば、マイクロ流体回路120に向かって内側に面する表面の全て又は部分を調整することにより)。変更は、合成ポリマー又は天然ポリマーのコーティングを含み得る。幾つかの実施形態では、カバー110及び/又は支持構造体104は、光を透過することができる。カバー110は、ガス透過可能な少なくとも1つの材料(例えば、PDMS又はPPS)を含むこともできる。
【0074】
[0099]
図1Aは、マイクロ流体デバイス100等のマイクロ流体デバイスを操作し制御するシステム150も示す。システム150は、電源192、撮像デバイス194(撮像モジュール164内に組み込まれ、ここで、デバイス194はそれ自体、
図1Aに示されていない)、及び傾斜デバイス190(傾斜モジュール166内に組み込まれ、ここで、デバイス190はそれ自体、
図1に示されていない)を含む。
【0075】
[0100] 電源192は、電力をマイクロ流体デバイス100及び/又は傾斜デバイス190に提供し、バイアス電圧又は電流を必要に応じて提供することができる。電源192は、例えば、1つ又は複数の交流(AC)及び/又は直流(DC)電圧源又は電流源を含むことができる。撮像デバイス194は、マイクロ流体回路120内部の画像を捕捉する、デジタルカメラ等のデバイスを含むことができる。幾つかの場合、(後述するように、撮像モジュール164の一部である)撮像デバイス194は、高速フレームレート及び/又は高感度(例えば、低光用途用)を有する検出器をさらに含む。撮像デバイス194は、刺激放射線及び/又は光線をマイクロ流体回路120内に向け、マイクロ流体回路120(又はマイクロ流体回路120内に含まれる微小物体)から反射されるか、又は発せられる放射線及び/又は光線を収集する機構を含むこともできる。発せられる光線は可視スペクトル内であり得、例えば、蛍光放射を含み得る。反射光線は、LED又は水銀灯(例えば、高圧水銀灯)若しくはキセノンアーク灯等の広域スペクトル灯から発せられた反射放射を含み得る。
図3Bに関して考察するように、撮像デバイス194は顕微鏡(又は光学機器)をさらに含み得、これは接眼レンズを含んでもよく、又は含まなくてもよい。
【0076】
[0101] システム150は、1つ又は複数の回転軸の周りでマイクロ流体デバイス100を回転させるように構成される(後述するように、傾斜モジュール166の一部である)傾斜デバイス190をさらに含む。幾つかの実施形態では、傾斜デバイス190は、マイクロ流体デバイス100(したがって、マイクロ流体回路120)を水平向き(すなわち、x軸及びy軸に相対して0°)、垂直向き(すなわち、x軸及び/又はy軸に相対して90°)、又はそれらの間の任意の向きで保持することができるように、少なくとも1つの軸の周りでマイクロ流体回路120を含む囲い102を支持及び/又は保持するように構成される。軸に相対するマイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)の向きは、本明細書では、マイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)の「傾斜」と呼ばれる。例えば、傾斜デバイス190は、x軸に相対して0.1°、0.2°、0.3°、0.4°、0.5°、0.6°、0.7°、0.8°、0.9°、1°、2°、3°、4°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、90°、又はそれらの間の任意の度数でマイクロ流体デバイス100を傾斜させることができる。水平向き(したがって、x軸及びy軸)は、重力により定義される垂直軸に垂直なものとして定義される。傾斜デバイスは、マイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)をx軸及び/又はy軸に相対して90°よりも大きい任意の角度に傾斜させるか、又はマイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)をx軸若しくはy軸に相
対して180°に傾斜させて、マイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)を真逆にすることもできる。同様に、幾つかの実施形態では、傾斜デバイス190は、流路106又はマイクロ流体回路120の何らかの他の部分により定義される回転軸の周りでマイクロ流体デバイス100(及びマイクロ流体回路120)を傾斜させる。
【0077】
[0102] 幾つかの場合、マイクロ流体デバイス100は、流路106が1つ又は複数の隔離ペンの上方又は下方に位置するように、垂直向きに傾斜する。「上方」という用語は、本明細書で使用される場合、流路106が、重力により定義される垂直軸上で1つ又は複数の隔離ペンよりも高く位置する(すなわち、流路106の上方の隔離ペン内の物体が流路内の物体よりも高い重力位置エネルギーを有する)ことを示す。「下方」という用語は、本明細書で使用される場合、流路106が、重力により定義される垂直軸上で1つ又は複数の隔離ペンよりも下に位置する(すなわち、流路106の下方の隔離ペン内の物体が流路内の物体よりも低い重力位置エネルギーを有する)ことを示す。
【0078】
[0103] 幾つかの場合、傾斜デバイス190は、流路106と平行な軸の周りでマイクロ流体デバイス100を傾斜させる。さらに、マイクロ流体デバイス100は、流路106が、隔離ペンの真上又は真下に配置されずに、1つ又は複数の隔離ペンの上方又は下方に配置されるように、90°未満の角度に傾斜することができる。他の場合、傾斜デバイス190は、流路106に直交する軸の周りでマイクロ流体デバイス100を傾斜させる。さらに他の場合、傾斜デバイス190は、流路106に平行でもなく直交もしない軸の周りでマイクロ流体デバイス100を傾斜させる。
【0079】
[0104] システム150は培地源178をさらに含むことができる。培地源178(例えば、容器、リザーバ等)は、それぞれが異なる流体培地180を保持する複数のセクション又は容器を含むことができる。したがって、培地源178は、
図1Aに示されるように、マイクロ流体デバイス100の外部にある、マイクロ流体デバイス100とは別個のデバイスであり得る。代替的に、培地源178は、全体的又は部分的に、マイクロ流体デバイス100の囲い102内部に配置することができる。例えば、培地源178は、マイクロ流体デバイス100の部分であるリザーバを含むことができる。
【0080】
[0105]
図1Aは、システム150の一部を構成し、マイクロ流体デバイス100と併せて利用することができる制御及び監視機器152の例の簡易ブロック図表現も示す。示されるように、そのような制御及び監視機器152の例は、培地源178を制御する培地モジュール160と、マイクロ流体回路120での微小物体(図示せず)及び/又は培地(例えば、培地の液滴)の移動及び/又は選択を制御する原動モジュール162と、画像(例えば、デジタル画像)を捕捉する撮像デバイス194(例えば、カメラ、顕微鏡、光源、又はそれらの任意の組合せ)を制御する撮像モジュール164と、傾斜デバイス190を制御する傾斜モジュール166のような、他の制御又は監視装置を制御できる、マスタコントローラ154を含む。制御機器152は、マイクロ流体デバイス100に関する他の機能を制御、監視、又は実行する他のモジュール168を含むこともできる。示されるように、機器152は、表示デバイス170及び入/出力デバイス172をさらに含むことができる。
【0081】
[0106] マスタコントローラ154は、制御モジュール156及びデジタルメモリ158を含むことができる。制御モジュール156は、例えば、メモリ158内に非一時的データ又は信号として記憶される機械実行可能命令(例えば、ソフトウェア、ファームウェア、ソースコード等)に従って動作するように構成されるデジタルプロセッサを含むことができる。代替的に又は追加として、制御モジュール156は、ハードワイヤードデジタル回路及び/又はアナログ回路を含むことができる。培地モジュール160、原動モジュール162、撮像モジュール164、傾斜モジュール166、及び/又は他のモジュール
168は、同様に構成され得る。したがって、マイクロ流体デバイス100又は任意の他のマイクロ流体装置に関して実行されるものとして本明細書で考察される機能、プロセス、行動、動作、又はプロセスのステップは、上述したように構成されるマスタコントローラ154、培地モジュール160、原動モジュール162、撮像モジュール164、傾斜モジュール166、及び/又は他のモジュール168の任意の1つ又は複数により実行され得る。同様に、マスタコントローラ154、培地モジュール160、原動モジュール162、撮像モジュール164、傾斜モジュール166、及び/又は他のモジュール168は、通信可能に結合されて、本明細書において考察される任意の機能、プロセス、行動、動作、又はステップで使用されるデータを送受信し得る。
【0082】
[0107] 培地モジュール160は培地源178を制御する。例えば、培地モジュール160は、培地源178を制御して、選択された流体培地180を囲い102に入れる(例えば、流入口107を介して)ことができる。培地モジュール160は、囲い102からの培地の取り出し(例えば、流出口(図示せず)を通して)を制御することもできる。したがって、1つ又は複数の培地を選択的にマイクロ流体回路120に入れ、マイクロ流体回路120から搬出することができる。培地モジュール160は、マイクロ流体回路120内部の流路106での流体培地180のフローを制御することもできる。例えば、幾つかの実施形態では、培地モジュール160は、傾斜モジュール166が傾斜デバイス190に所望の傾斜角までマイクロ流体デバイス100を傾斜させる前に、流路106内及び囲い102を通る培地180のフローを停止させる。
【0083】
[0108] 原動モジュール162は、マイクロ流体回路120での微小物体(図示せず)の選択、捕捉、及び移動を制御するように構成され得る。
図1B及び
図1Cに関して後述するように、囲い102は、誘電泳動(DEP)構成、光電子ピンセット(OET)構成、及び/又は光電子ウェッティング(OEW)構成(
図1Aに示されず)を含むことができ、原動モジュール162は、電極及び/又はトランジスタ(例えば、フォトトランジスタ)のアクティブ化を制御して、流路106及び/又は隔離ペン124、126、128、130で微小物体(図示せず)及び/又は培地の液滴(図示せず)を選択し移動させることができる。
【0084】
[0109] 撮像モジュール164は撮像デバイス194を制御することができる。例えば、撮像モジュール164は、撮像デバイス194から画像データを受信し、処理することができる。撮像デバイス194からの画像データは、撮像デバイス194により捕捉された任意のタイプの情報を含むことができる(例えば、微小物体、培地の液滴、蛍光標識等の標識の蓄積の有無等)。撮像デバイス194により捕捉された情報を使用して、撮像モジュール164は、物体(例えば、微小物体、培地の液滴)の位置及び/又はマイクロ流体デバイス100内のそのような物体の移動速度をさらに計算することができる。
【0085】
[0110] 傾斜モジュール166は、傾斜デバイス190の傾斜移動を制御することができる。代替的に又は追加として、傾斜モジュール166は、重力を介して1つ又は複数の隔離ペンへの微小物体の移送を最適化するように、傾斜率及びタイミングを制御することができる。傾斜モジュール166は、撮像モジュール164と通信可能に結合されて、マイクロ流体回路120での微小物体及び/又は培地の液滴の移動を記述するデータを受信する。このデータを使用して、傾斜モジュール166は、マイクロ流体回路120の傾斜を調整して、マイクロ流体回路120内で微小物体及び/又は培地の液滴が移動する率を調整し得る。傾斜モジュール166は、このデータを使用して、マイクロ流体回路120内での微小物体及び/又は培地の液滴の位置を繰り返し調整することもできる。
【0086】
[0111]
図1Aに示される例では、マイクロ流体回路120は、マイクロ流体チャネル122及び隔離ペン124、126、128、130を含むものとして示されている。各
ペンは、チャネル122への1つの開口部を含むが、他の箇所では、ペンが微小物体を流体媒体180及び/又はチャネル122の流路106若しくは他のペン内の微小物体からペン内部に実質的に分離することができるように囲まれる。隔離ペンの壁は、ベースの内面109からカバー110の内面まで延び、囲いを提供する。チャネル122へのペンの開口部は、フロー106がペン内に向けられないように、流体媒体180のフロー106に対して傾斜して向けられる。フローは、ペンの開口部の平面の接線方向にあり得、又はペンの開口部の平面に直交し得る。幾つかの場合、ペン124、126、128、130は、マイクロ流体回路120内に1つ又は複数の微小物体を物理的に捕らえるように構成される。本発明による隔離ペンは、以下に詳細に考察し示すように、DEP、OET、流体フロー、及び/又は重力との併用に最適化された様々な形状、表面、及び特徴を含むことができる。
【0087】
[0112] マイクロ流体回路120は、任意の数のマイクロ流体隔離ペンを含み得る。5つの隔離ペンが示されているが、マイクロ流体回路120は、より少数又はより多数の隔離ペンを有してもよい。示されるように、マイクロ流体回路120のマイクロ流体隔離ペン124、126、128、及び130はそれぞれ、ある抗体生成細胞を別の抗体生成細胞から分離する等、抗体生成細胞のスクリーニングで有用な1つ又は複数の利点を提供し得る異なる特徴及び形状を含む。マイクロ流体隔離ペン124、126、128、及び130は、単一細胞の装填及び/又は抗体生成細胞のコロニー(例えば、クローンコロニー)の成長の促進等の他の利点を提供することもできる。幾つかの実施形態では、マイクロ流体回路120は、複数の同一のマイクロ流体隔離ペンを含む。
【0088】
[0113] 幾つかの実施形態では、マイクロ流体回路120は、複数のマイクロ流体隔離ペンを含み、隔離ペンの2つ以上は、抗体生成細胞のスクリーニングに異なる利点を提供する異なる構造及び/又は特徴を含む。抗体生成細胞のスクリーニングに有用なマイクロ流体デバイスは、任意の隔離ペン124、126、128、及び130又はその変形を含み得、及び/又は後述するように、
図2B、
図2C、
図2D、
図2E、及び
図2Fに示されるように構成されるペンを含み得る。
【0089】
[0114]
図1Aに示される実施形態では、1つのチャネル122及び流路106が示される。しかし、他の実施形態は、それぞれが流路106を含むように構成される複数のチャネル122を含み得る。マイクロ流体回路120は、流路106及び流体培地180と流体連通する流入弁又はポート107をさらに含み、それにより、流体培地180は、流入口107を介してチャネル122にアクセスすることができる。幾つかの場合、流路106は1つの経路を含む。幾つかの場合、1つの経路はジグザグパターンで配置され、それにより、流路106は、交互になった方向で2回以上にわたってマイクロ流体デバイス100にわたり移動する。
【0090】
[0115] 幾つかの場合、マイクロ流体回路120は、複数の平行チャネル122及び流路106を含み、各流路106内の流体培地180は同じ方向に流れる。幾つかの場合、各流路106内の流体培地は、順方向又は逆方向の少なくとも一方で流れる。幾つかの場合、複数の隔離ペンは、隔離ペンが標的微小物体と並列に配置されることができるように構成される(例えば、チャネル122に相対して)。
【0091】
[0116] 幾つかの実施形態では、マイクロ流体回路120は、1つ又は複数の微小物体トラップ132をさらに含む。トラップ132は、一般に、チャネル122の境界を形成する壁に形成され、マイクロ流体隔離ペン124、126、128、130の1つ又は複数の開口部の逆に位置し得る。幾つかの実施形態では、トラップ132は、流路106から1つの微小物体を受け取り、又は捕捉するように構成される。幾つかの実施形態では、トラップ132は、流路106から複数の微小物体を受け取り、又は捕捉するように構成
される。幾つかの場合、トラップ132は、1つの標的微小物体の容積に概ね等しい容積を含む。
【0092】
[0117] トラップ132は、標的微小物体のトラップ132へのフローを支援するように構成される開口部をさらに含み得る。幾つかの場合、トラップ132は、1つの標的微小物体の寸法に概ね等しい高さ及び幅を有する開口部を含み、それにより、より大きい微小物体が微小物体トラップに入らないようにされる。トラップ132は、トラップ132内への標的微小物体の保持を支援するように構成される他の特徴をさらに含み得る。幾つかの場合、トラップ132は、微小流体隔離ペンの開口部と位置合わせされ、微小流体隔離ペンの開口部に関してチャネル122の逆側に配置され、それにより、チャネル122に平行な軸の周りでマイクロ流体デバイス100を傾斜されると、捕捉された微小物体は、微小物体を隔離ペンの開口部に落とす軌道でトラップ132を出る。幾つかの場合、トラップ132は、標的微小物体よりも小さく、トラップ132を通るフローを促進し、それによりトラップ132内への微小物体の捕捉確率を増大させるサイド通路134を含む。
【0093】
[0118] 幾つかの実施形態では、誘電泳動(DEP)力は、1つ又は複数の電極(図示せず)を介して流体培地180にわたり適用されて(例えば、流路及び/又は隔離ペンにおいて)、内部に配置された微小物体の操作、輸送、分離、及びソートを行う。例えば、幾つかの実施形態では、DEP力は、マイクロ流体回路120の1つ又は複数の部分に適用されて、1つの微小物体を流路106から所望のマイクロ流体隔離ペンに輸送する。幾つかの実施形態では、DEP力を使用して、隔離ペン(例えば、隔離ペン124、126、128、又は130)内の微小物体が隔離ペンから変位しないようにする。さらに、幾つかの実施形態では、DEP力を使用して、本発明の教示により、前に収集された微小物体を隔離ペンから選択的に取り出す。幾つかの実施形態では、DEP力は、光電子ピンセット(OET)力を含む。
【0094】
[0119] 他の実施形態では、光電子ウェッティング(OEW)力が、1つ又は複数の電極(図示せず)を介してマイクロ流体デバイス100の支持構造体104(及び/又はカバー110)での1つ又は複数の位置(例えば、流路及び/又は隔離ペンの画定に役立つ位置)に適用されて、マイクロ流体回路120に配置された液滴の操作、輸送、分離、及びソートを行う。例えば、幾つかの実施形態では、OEW力は支持構造体104(及び/又はカバー110)の1つ又は複数の位置に適用されて、1つの液滴を流路106から所望のマイクロ流体隔離ペンに輸送する。幾つかの実施形態では、OEW力を使用して、隔離ペン(例えば、隔離ペン124、126、128、又は130)内の液滴が隔離ペンから変位しないようにする。さらに、幾つかの実施形態では、OEW力を使用して、本発明の教示により、前に収集された液滴を隔離ペンから選択的に取り出す。
【0095】
[0120] 幾つかの実施形態では、DEP力及び/又はOEW力は、フロー及び/又は重力等の他の力と組み合わせられて、マイクロ流体回路120内の微小物体及び/又は液滴の操作、輸送、分離、及びソートを行う。例えば、囲い102は傾斜して(例えば、傾斜デバイス190により)、流路106及び流路106内に配置された微小物体をマイクロ流体隔離ペンの上に位置決めすることができ、重力は、微小物体及び/又は液滴をペン内に輸送することができる。幾つかの実施形態では、DEP力及び/又はOEW力は、他の力の前に適用することができる。他の実施形態では、DEP力及び/又はOEW力は、他の力の後に適用することができる。さらに他の場合、DEP力及び/又はOEW力は、他の力と同時に又は他の力と交互に適用することができる。
【0096】
[0121]
図1B、
図1C、及び
図2A~
図2Hは、本発明の実施に使用することができるマイクロ流体デバイスの様々な実施形態を示す。
図1Bは、マイクロ流体デバイス20
0が光学作動動電デバイスとして構成される一実施形態を示す。光電子ツイーザ(OET)構成を有するデバイス及び光電子ウェッティング(OEW)構成を有するデバイスを含め、様々な光学作動動電デバイスが当技術分野で既知である。適したOET構成の例は、以下の米国特許文献に示されており、各文献は全体的に、参照により本明細書に援用される:米国特許第RE44,711号(Wu et al.)(元々米国特許第7,612,355
号として発行された)、米国特許第7,956,339号(Ohta et al.)、米国特許第
9,403,172号(Wu et al.)、及び米国特許出願公開第20160184821
号(Hobbs et al.)。OEW構成の例は、米国特許第6,958,132号(Chiou et al.)、米国特許出願公開第2012/0024708号(Chiou et al.)、及び米国特許第9,815,056号(Wu et al.)に示されており、これらはそれぞれ全体的に、参
照により本明細書に援用される。光学作動動電デバイスの更に別の例は、OET/OEW結合構成を含み、その例は米国特許公開第20150306598号(Khandros et al.
)及び同第20150306599号(Khandros et al.)並びにそれらに対応するPC
T国際公開第2015/164846号及び国際公開第2015/164847号に示されており、これらは全て全体的に、参照により本明細書に援用される。
【0097】
[0122] 抗体生成細胞を配置し、培養し、監視し、及び/又はスクリーニングすることができるペンを有するマイクロ流体デバイスの例は、例えば、米国特許出願公開第20140116881号(Chapman et al.)、同第20150151298号(Hobbs et al.)、及び同第20150165436号(Chapman et al.)に記載されており、これらはそれぞれ全体的に、参照により本明細書に援用される。上記の各出願には、光電子ツイーザ(OET)等の誘電泳動(DEP)力を生成するように構成されたマイクロ流体デバイス又は光電子ウェッティング(OEW)を提供するように構成されたマイクロ流体デバイスが更に記載されている。例えば、米国特許出願公開第20140116881号(Chapman et al.)の
図2に示されている光電子ツイーザデバイスは、個々の生物学的微小物体又は生物学的微小物体の群を選択し移動させるために本発明の実施形態において利用することができるデバイスの一例である。
【0098】
[00123] マイクロ流体デバイス構成。
上述したように、システムの制御及び監視機器は、マイクロ流体デバイスのマイクロ流体回路において微小物体又は液滴等の物体を選択し移動させる原動モジュールを含むことができる。マイクロ流体デバイスは、移動される物体のタイプ及び他の考慮事項に応じて様々な原動構成を有することができる。例えば、誘電泳動(DEP)構成を利用して、マイクロ流体回路において微小物体を選択し移動させることができる。したがって、マイクロ流体デバイス100の支持構造体104及び/又はカバー110は、マイクロ流体回路120内の流体培地180内の微小物体に対してDEP力を選択的に誘導し、それにより個々の微小物体又は微小物体群の選択、捕捉、及び/又は移動を行うDEP構成を含むことができる。代替的に、マイクロ流体デバイス100の支持構造体104及び/又はカバー110は、マイクロ流体回路120内の流体培地180内の液滴に対して電子ウェッティング(EW)力を選択的に誘導し、それにより個々の液滴又は液滴群の選択、捕捉、及び/又は移動を行う電子ウェッティング(EW)構成を含むことができる。
【0099】
[00124] DEP構成を含むマイクロ流体デバイス200の一例を
図1B及び
図1Cに
示す。簡潔にするために、
図1B及び
図1Cは、開放領域/チャンバ202を有するマイクロ流体デバイス200の囲い102の部分の側面断面図及び上面断面図をそれぞれ示すが、領域/チャンバ202が、成長チャンバ、隔離ペン、流域、又はフローチャネル等のより詳細な構造を有する流体回路要素の部分であり得ることを理解されたい。さらに、マイクロ流体デバイス200は他の流体回路要素を含み得る。例えば、マイクロ流体デバイス200は、マイクロ流体デバイス100に関して本明細書に記載される等の複数の成長チャンバ、或いは隔離ペン及び/又は1つ若しくは複数のフロー領域又はフローチャネル
を含むことができる。DEP構成は、マイクロ流体デバイス200の任意のそのような流体回路要素に組み込み得るか、又はその部分を選択し得る。上記又は下記の任意のマイクロ流体デバイス構成要素及びシステム構成要素がマイクロ流体デバイス200内に組みこまれ得、及び/又はマイクロ流体デバイス200と組み合わせて使用し得ることをさらに理解されたい。例えば、培地モジュール160、原動モジュール162、撮像モジュール164、傾斜モジュール166、及び他のモジュール168の1つ又は複数を含む上述した制御及び監視機器152を含むシステム150は、マイクロ流体デバイス200と併用し得る。
【0100】
[00125]
図1Bにおいて見られるように、マイクロ流体デバイス200は、下部電極
204及び下部電極204に重なる電極活性化基板206を有する支持構造体104と、上部電極210を有するカバー110とを含み、上部電極210は下部電極204から離間される。上部電極210及び電極活性化基板206は、領域/チャンバ202の両面を画定する。したがって、領域/チャンバ202に含まれる培地180は、上部電極210と電極活性化基板206との間に抵抗接続を提供する。下部電極204と上部電極210との間に接続され、領域/チャンバ202でのDEP力の生成のために必要に応じて電極間にバイアス電圧を生成するように構成される電源212も示されている。電源212は、例えば、交流(AC)電源であり得る。
【0101】
[00126] 特定の実施形態では、
図1B及び
図1Cに示されるマイクロ流体デバイス2
00は、光学作動DEP構成を有することができる。したがって、原動モジュール162により制御し得る光源216からの光218の変更パターンは、電極活性化基板206の内面208の領域214においてDEP電極の変更パターンを選択的に活性化又は非活性化することができる。(以下ではDEP構成を有するマイクロ流体デバイスの領域214を「DEP電極領域」と呼ぶ)。
図1Cに示されるように、電極活性化基板206の内面208に向けられる光パターン218は、正方形等のパターンで、選択されたDEP電極領域214a(白色で示される)を照明することができる。照明されないDEP電極領域214(斜線が付される)を以下では「暗」DEP電極領域214と呼ぶ。DEP電極活性化基板206を通る相対電気インピーダンス(すなわち、下部電極204から、流域106において培地180と界面を接する電極活性化基板206の内面208まで)は、各暗DEP電極領域214での領域/チャンバ202において培地180を通る(すなわち、電極活性化基板206の内面208からカバー110の上部電極210まで)相対電気インピーダンスよりも大きい。しかし、照明DEP電極領域214aは、各照明DEP電極領域214aでの領域/チャンバ202での培地180を通る相対インピーダンス未満である電極活性化基板206を通る相対インピーダンスの低減を示す。
【0102】
[00127] 電源212が活性化されている場合、上記のDEP構成は、照明DEP電極
領域214aと隣接する暗DEP電極領域214との間に流体培地180内で電場勾配を生じさせ、次に、電場勾配は、流体培地180内の付近の微小物体(図示せず)を引き寄せるか、又は排斥する局所DEP力を生成する。したがって、流体培地180内の微小物体を引き寄せるか、又は排斥するDEP電極は、光源216からマイクロ流体デバイス200に投射される光パターン218を変更することにより、領域/チャンバ202の内面208での多くの異なるそのようなDEP電極領域214において選択的に活性化及び非活性化することができる。DEP力が付近の微小物体を引き寄せるか、それとも排斥するかは、電源212の周波数並びに培地180及び/又は微小物体(図示せず)の誘電特性等のパラメータに依存し得る。
【0103】
[00128]
図1Cに示される照明DEP電極領域214aの正方形パターン220は単
なる例である。マイクロ流体デバイス200に投射される光パターン218により、任意のパターンのDEP電極領域214を照明する(それにより活性化する)ことができ、照
明/活性化されるDEP電極領域214のパターンは、光パターン218を変更又は移動させることにより繰り返し変更することができる。
【0104】
[00129] 幾つかの実施形態では、電極活性化基板206は、光伝導性材料を含むか、
又は光導電性材料からなることができる。そのような実施形態では、電極活性化基板206の内面208は、特徴を有さないことができる。例えば、電極活性化基板206は、水素化非晶質シリコン(a-Si:H)の層を含むか、又はa-Si:Hの層からなることができる。a-Si:Hは、例えば、約8%~40%の水素を含むことができる(水素原子の数/水素及びケイ素原子の総数に100を掛けたものとして計算)。a-Si:Hの層は厚さ約500nm~約2.0ミクロンを有することができる。そのような実施形態では、DEP電極領域214は、光パターン218により、電極活性化基板206の内面208上の任意の場所に任意のパターンで作成することができる。したがって、DEP電極領域214の数及びパターンは、固定される必要がなく、光パターン218に対応することができる。上述したような光伝導層を含むDEP構成を有するマイクロ流体デバイスの例は、例えば、米国特許第RE44,711号(Wuら)(元々は米国特許第7,612,355号として発行された)に記載されている。
【0105】
[00130] 他の実施形態では、電極活性化基板206は、半導体分野で既知等の半導体
集積回路を形成する複数のドープ層、絶縁層(又は領域)、及び導電層を含む基板を含むことができる。例えば、電極活性化基板206は、例えば、横型バイポーラフォトトランジスタを含む複数のフォトトランジスタを含むことができ、各フォトトランジスタはDEP電極領域214に対応する。代替的に、電極活性化基板206は、フォトトランジスタスイッチにより制御される電極(例えば、導電性金属電極)を含むことができ、そのような各電極はDEP電極領域214に対応する。電極活性化基板206は、パターンになったそのようなフォトトランジスタ又はフォトトランジスタ制御される電極を含むことができる。パターンは、例えば、
図2Bに示される等、行列に配置された実質的に正方形のフォトトランジスタ又はフォトトランジスタ制御される電極のアレイであり得る。代替的に、パターンは、六角形格子を形成する実質的に六角形のフォトトランジスタ又はフォトトランジスタ制御される電極のアレイであり得る。パターンに関係なく、電気回路素子は、電極活性化基板206の内面208におけるDEP電極領域214と下部電極210との間に電気接続を形成することができ、それらの電気接続(すなわち、フォトトランジスタ又は電極)は、光パターン218により選択的に活性化又は非活性化することができる。活性化されない場合、各電気接続は、電極活性化基板206を通る(すなわち、下部電極204から、領域/チャンバ202内の培地180と界面を接する電極活性化電極206の内面208まで)相対インピーダンスが、対応するDEP電極領域214における培地180を通る(すなわち、電極活性化基板206の内面208からカバー110の上部電極210まで)相対インピーダンスよりも大きいような高いインピーダンスを有することができる。しかし、光パターン218内の光により活性化される場合、電極活性化基板206を通る相対インピーダンスは、各照明DEP電極領域214での培地180を通る相対インピーダンス未満であり、それにより、上述したように、対応するDEP電極領域214でのDEP電極を活性化する。したがって、培地180内の微小物体(図示せず)を引き寄せるか、又は排斥するDEP電極は、光パターン218により決まるように、領域/チャンバ202での電極活性化基板206の内面208での多くの異なるDEP電極領域214において選択的に活性化及び非活性化することができる。
【0106】
[00131] フォトトランジスタを含む電極活性化基板を有するマイクロ流体デバイスの
例は、例えば、米国特許第7,956,339号(Ohtaら)(例えば、
図21及び
図22に示されるデバイス300並びにその説明を参照されたい)に記載されており、それぞれの内容全体は参照により本明細書に援用される。フォトトランジスタスイッチにより制御される電極を含む電極活性化基板を有するマイクロ流体デバイスの例は、例えば、米
国特許9,403,172号(Shortら)に記載されている(例えば、図面全体を通して
示されるデバイス200、400、500、600、及び900並びにその説明を参照されたい)。
【0107】
[00132] DEP構成のマイクロ流体デバイスの幾つかの実施形態では、上部電極21
0は囲い102の第1の壁(又はカバー110)の一部であり、電極活性化基板206及び下部電極204は、囲い102の第2の壁(又は支持構造体104)の一部である。領域/チャンバ202は、第1の壁と第2の壁との間にあり得る。他の実施形態では、電極210は第2の壁(又は支持構造体104)の一部であり、電極活性化基板206及び/又は電極210の一方又は両方は、第1の壁(又はカバー110)の一部である。さらに、光源216は代替的に、下から囲い102を照明するのに使用することができる。
【0108】
[00133] DEP構成を有する
図1B及び
図1Cのマイクロ流体デバイス200を用い
て、原動モジュール162は、光パターン218をデバイス200に投射して、微小物体を囲み捕捉するパターン(例えば、正方形パターン220)で電極活性化基板206の内面208のDEP電極領域214aでの第1の組の1つ又は複数のDEP電極を活性化することにより、領域/チャンバ202での培地180内の微小物体(図示せず)を選択することができる。次に、原動モジュール162は、光パターン218をデバイス200に相対して移動させて、DEP電極領域214での第2の組の1つ又は複数のDEP電極を活性化することにより、捕捉された微小物体を移動させることができる。代替的に、デバイス200を光パターンに相対して移動させることができる。
【0109】
[00134] マイクロ流体デバイス200の構成に関係なく、電源212を使用して、マ
イクロ流体デバイス200の電気回路に給電する電位(例えば、AC電源電位)を提供することができる。電源212は、
図1で参照される電源192と同じ又は電源192の構成要素であり得る。電源212は、上部電極210及び下部電極204にAC電圧及び/又は電流を提供するように構成され得る。AC電圧の場合、電源212は、上述したように、領域/チャンバ202内の個々の微小物体(図示せず)を捕捉して移動させ、及び/又はこれらも上述したように、領域/チャンバ202内の支持構造体104の内面208(すなわち、誘電層及び/又は誘電層上の疎水性コーティング)のウェッティング特性を変更するのに十分に強い正味DEP力(又は電子ウェッティング力)を生成するのに十分な周波数範囲及び平均又はピーク電力(例えば、電圧又は電流)を提供することができる。そのような周波数範囲及び平均又はピーク電力範囲は、当技術分野で既知である。例えば、米国特許第6,958,132号(Chiouら)、米国特許第RE44,711号(Wu
ら)(元々は米国特許第7,612,355号として発行された)、並びに米国特許出願公開第2014/0124370号(Shortら)、米国特許出願公開第2016/018
4821(Hobbsら)、米国特許出願公開第2015/0306598号(Khandrosら)、及び米国特許出願公開第2015/0306599号(Khandrosら)を参照されたい。
【0110】
[0135] 隔離ペン。一般的な隔離ペン224、226、及び228の非限定的な例を
図2A~
図2Cに示されるマイクロ流体デバイス230内に示す。各隔離ペン224、226、及び228は、分離領域240を画定する分離構造232と、分離領域240をチャネル122に流体的に接続する接続領域236とを含むことができる。接続領域236は、チャネル122への基端開口部234と、分離領域240への先端開口部238とを含むことができる。接続領域236は、チャネル122から隔離ペン224、226、228に流れている流体媒体(図示せず)のフローの最大貫入深さが分離領域240内に延びないように構成することができる。したがって、接続領域236に起因して、隔離ペン224、226、228の分離領域240内に配置された微小物体(図示せず)又は他の材料(図示せず)はしたがって、チャネル122内の媒体180のフローから分離され、フ
ローから実質的に影響を受けないことができる。
【0111】
[0136]
図2A~
図2Cの隔離ペン224、226、及び228はそれぞれ、チャネル122に直接開く1つの開口部を有する。隔離ペンの開口部は、チャネル122から側方に開く。電極活性化基板206が、チャネル122並びに隔離ペン224、226、及び228の両方の下にある。隔離ペンのフロアを形成する隔離ペンの囲い内の電極活性化基板206の上面は、マイクロ流体デバイスのフローチャネル(又はフロー領域それぞれ)のフロアを形成するチャネル122(又はチャネルが存在しない場合、フロー領域)内の電極活性化基板206の上面と同じ又は略同じ高さに配置される。電極活性化基板206は、特徴を有さなくてもよく、又は最も高い隆起部から最も低い窪みまで、約3μm未満、約2.5μm未満、約2μm未満、約1.5μm未満、約1μm未満、約0.9μm未満、約0.8μm未満、約0.7μm未満、約0.6μm未満、約0.5μm未満、約0.4μm未満、約0.3μm未満、約0.2μm未満、約0.1μm未満変化する不規則若しくはパターン化された表面を有してもよい。チャネル122(又はフロー領域)及び隔離ペンの両方にわたる基板の上面の高さ変動は、隔離ペンの壁又はマイクロ流体デバイスの壁の高さの約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.9%未満、約0.8%未満、約0.5%未満、約0.3%未満、又は約0.1%未満であり得る。マイクロ流体デバイス200について詳細に説明するが、これは、本明細書に記載される任意のマイクロ流体デバイス100、230、250、280、290にも当てはまる。
【0112】
[0137] したがって、チャネル122は掃引領域の一例であることができ、隔離ペン224、226、228の分離領域240は、非掃引領域の例であることができる。上述したように、チャネル122及び隔離ペン224、226、228は、1つ又は複数の流体媒体180を含むように構成することができる。
図2A及び
図2Bに示される例では、ポート222は、チャネル122に接続され、流体媒体180をマイクロ流体デバイス230に導入又はマイクロ流体デバイス230から除去することができる。流体媒体180の導入前、マイクロ流体デバイスは、二酸化炭素ガス等のガスでプライミングし得る。マイクロ流体デバイス230が流体媒体180を含むと、チャネル122内の流体媒体180のフロー242は、選択的に生成及び停止することができる。例えば、示されているように、ポート222は、チャネル122の異なる位置(例えば、両端部)に配置することができ、媒体のフロー242は、流入口として機能する1つのポート222から流出口として機能する別のポート222に生み出すことができる。
【0113】
[0138]
図2Cは、本発明による隔離ペン224の一例の詳細図を示す。微小物体246の例も示されている。
【0114】
[0139] 既知のように、隔離ペン224の基端開口部234を超えたマイクロ流体チャネル122における流体媒体180のフロー242は、隔離ペン224内及び/又は外への媒体180の二次フロー244を生じさせることができる。隔離ペン224の分離領域240内の微小物体246を二次フロー244から分離するために、隔離ペン224の接続領域236の長さLcon(すなわち、基端開口部234から先端開口部238への)は、接続領域236内への二次フロー244の貫入深さDpよりも大きい値であるべきである。二次フロー244の貫入深さDpは、チャネル122内を流れる流体媒体180の速度並びにチャネル122及びチャネル122への接続領域236の基端開口部234の構成に関連する様々なパラメータに依存する。所与のマイクロ流体デバイスでは、チャネル122及び開口部234の構成は一定であるが、チャネル122内の流体媒体180のフロー242の流速は可変である。したがって、隔離ペン224毎に、二次フロー244の貫入深さDpが接続領域236の長さLconを超えないことを保証する、チャネル122内の流体媒体180のフロー242の最大速度Vmaxを識別することができる。チャネル122内の流体媒体180のフロー242の流速が最大速度Vmaxを超えない限
り、その結果生成される二次フロー244は、チャネル122及び接続領域236に制限することができ、分離領域240外に維持することができる。したがって、チャネル122内の媒体180のフロー242は、微小物体246を分離領域240外に引き出さない。むしろ、分離領域240内に配置された微小物体246は、チャネル122内の流体媒体180のフロー242に関係なく、分離領域240内に留まる。
【0115】
[0140] さらに、チャネル122内の媒体180のフロー242の流速がVmaxを超えない限り、チャネル122内の流体媒体180のフロー242は、種々の粒子(例えば、マイクロ粒子及び/又はナノ粒子)をチャネル122から隔離ペン224の分離領域240内に移動させない。したがって、接続領域236の長さLconを二次フロー244の最大貫入深さDpよりも大きくすることにより、チャネル122又は別の隔離ペン(例えば、
図2Dにおける隔離ペン226、228)からの種々の粒子で1つの隔離ペン224が汚染されることを阻止することができる。
【0116】
[0141] チャネル122及び隔離ペン224、226、228の接続領域236は、チャネル122内の媒体180のフロー242による影響を受けることができるため、チャネル122及び接続領域236は、マイクロ流体デバイス230の掃引(又はフロー)領域と見なすことができる。他方、隔離ペン224、226、228の分離領域240は、非掃引(又は非フロー)領域と見なすことができる。例えば、チャネル122内の第1の流体媒体180の成分(図示せず)は、実質的に、チャネル122から接続領域236を通した分離領域240内の第2の流体媒体248内への第1の媒体180の成分の拡散によってのみ、分離領域240内の第2の流体媒体248と混合することができる。同様に、分離領域240内の第2の媒体248の成分(図示せず)は、実質的に、分離領域240から接続領域236を通したチャネル122内の第1の媒体180への第2の媒体248の成分の拡散によってのみ、チャネル122内の第1の媒体180と混合することができる。幾つかの実施形態では、拡散による隔離ペンの分離領域とフロー領域との間の流体媒体交換の程度は、全体流体交換量の約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又はそれを超える割合である。第1の媒体180は、第2の媒体248と同じ媒体又は異なる媒体であることができる。さらに、第1の媒体180及び第2の媒体248は、同じものから始まり、次に、異なることができる(例えば、分離領域240内の1つ又は複数の細胞による第2の媒体248の調整を通して、又はチャネル122を通って流れる媒体180を変更することにより)。
【0117】
[0142] チャネル122内の流体媒体180のフロー242によって生じる二次フロー244の最大貫入深さDpは、上述したように、幾つかのパラメータに依存することができる。そのようなパラメータの例には、チャネル122の形状(例えば、チャネルは、媒体を接続領域236に向け、媒体を接続領域236から逸らし、又はチャネル122への接続領域236の基端開口部234に略直交する方向に媒体を向けることができる)、基端開口部234におけるチャネル122の幅Wch(又は断面積)、及び基端開口部234における接続領域236の幅Wcon(又は断面積)、チャネル122内の流体媒体180のフロー242の速度V、第1の媒体180及び/又は第2の媒体248の粘度等がある。
【0118】
[0143] 幾つかの実施形態では、チャネル122及び隔離ペン224、226、228の寸法は、チャネル122内の流体媒体180のフロー242のベクトルに関して以下のように向けることができる:チャネル幅Wch(又はチャネル122の断面積)は、媒体180のフロー242に略直交することができ、開口部234における接続領域236の幅Wcon(又は断面積)は、チャネル122内の媒体180のフロー242に略平行することができ、及び/又は接続領域の長さLconは、チャネル122内の媒体180の
フロー242に略直交することができる。上記は単なる例であり、チャネル122及び隔離ペン224、226、228の相対位置は、互いに対して他の向きであることもできる。
【0119】
[0144]
図2Cに示されるように、接続領域236の幅Wconは、基端開口部234から先端開口部238まで均一であることができる。したがって、先端開口部238における接続領域236の幅Wconは、基端開口部234における接続領域236の幅Wconに関して本明細書で識別された任意の範囲内であることができる。代替的には、先端開口部238における接続領域236の幅Wconは、基端開口部234における接続領域236の幅Wconよりも大きい値であることができる。
【0120】
[0145]
図2Cに示されるように、先端開口部238における分離領域240の幅Wisoは、基端開口部234における接続領域236の幅Wconと略同じであることができる。したがって、先端開口部238における分離領域240の幅Wisoは、基端開口部234における接続領域236の幅Wconに関して本明細書で識別された任意の範囲内であることができる。代替的には、先端開口部238における分離領域240の幅Wisoは、基端開口部234における接続領域236の幅Wconよりも大きい又は小さい値であることができる。さらに、先端開口部238は基端開口部234よりも小さい開口部であり得、接続領域236の幅Wconは、基端開口部234と先端開口部238との間よりも狭い開口部であり得る。例えば、接続領域236は、多種多様な異なるジオメトリ(例えば接続領域の面取り、接続領域の斜角付け)を使用して、基端開口部と先端開口部との間よりも狭い領域であり得る。さらに、接続領域236の任意の部分又は部分の一部は狭め得る(例えば、基端開口部234に隣接する接続領域の一部)。
【0121】
[0146]
図2D~
図2Fは、マイクロ流体回路262及びフローチャネル264を含むマイクロ流体デバイス250の別の例示的な実施形態を示し、マイクロ流体デバイス250、マイクロ流体回路262、及びフローチャネル264は、
図1のマイクロ流体デバイス100、回路132、及びチャネル134のそれぞれの変形である。マイクロ流体デバイス250は、上述した隔離ペン124、126、128、130、224、226、又は228の追加の変形である複数の隔離ペン266も有する。特に、
図2D~
図2Fに示されているデバイス250の隔離ペン266が、デバイス100、200、230、280、290、又は320における任意の上述した隔離ペン124、126、128、130、224、226、又は228で置換可能なことを理解されたい。同様に、マイクロ流体デバイス250は、マイクロ流体デバイス100の別の変形であり、上述したマイクロ流体デバイス100、200、230、280、290、320及び本明細書に記載される任意の他のマイクロ流体システム構成要素と同じ又は異なるDEP構成を有することもできる。
【0122】
[0147]
図2D~
図2Fのマイクロ流体デバイス250は、支持構造(
図2D~
図2Fでは見えないが、
図1Aに示されるデバイス100の支持構造104と同じであるか、又は略同様であることができる)、マイクロ流体回路構造256、及びカバー(
図2D~
図2Fでは見えないが、
図1Aに示されるデバイス100のカバー122と同じであるか、又は略同様であることができる)を含む。マイクロ流体回路構造256は、フレーム252及びマイクロ流体回路材料260を含み、これらは、
図1Aに示されるデバイス100のフレーム114及びマイクロ流体回路材料116と同じであるか、又は略同様であることができる。
図2Dに示されるように、マイクロ流体回路材料260により画定されるマイクロ流体回路262は、複数の隔離ペン266を流体的に接続することができる複数のチャネル264(2つが示されているが、より多数存在することができる)を含むことができる。
【0123】
[0148] 各隔離ペン266は、分離構造272、分離構造272内の分離領域270、及び接続領域268を含むことができる。チャネル264の基端開口部274から分離構造272における先端開口部276まで、接続領域268はチャネル264を分離領域270に流体的に接続する。一般に、
図2B及び
図2Cの上記考察によれば、チャネル264内の第1の流体媒体254のフロー278は、チャネル264から隔離ペン266の各接続領域268内及び/又は外への第1の媒体254の二次フロー282を生み出すことができる。
【0124】
[0149]
図2Eに示されるように、各隔離ペン266の接続領域268は一般に、チャネル264への基端開口部274と、分離構造272への先端開口部276との間に延びるエリアを含む。接続領域268の長さLconは、二次フロー282の最大貫入深さDpよりも大きい値であることができ、その場合、二次フロー282は、分離領域270に向けてリダイレクトされずに接続領域268内の延びることになる(
図2Dに示されるように)。代替的には、
図2Fに示されるように、接続領域268は、最大貫入深さDp未満の長さLconを有することができ、その場合、二次フロー282は、接続領域268を通って延び、分離領域270に向かってリダイレクトされることになる。この後者の状況では、接続領域268の長さLc1とLc2との和は、最大貫入深さDpよりも大きく、したがって、二次フロー282は分離領域270内に延びない。接続領域268の長さLconが貫入深さDpよりも大きいか否か又は接続領域268の長さLc1とLc2との和が貫入深さDpよりも大きいか否かに関係なく、最大速度Vmaxを超えないチャネル264内の第1の媒体254のフロー278は、貫入深さDpを有する二次フローを生成することになり、隔離ペン266の分離領域270内の微小物体(図示されていないが、
図2Cに示されている微小物体246と同じ又は略同様であることができる)は、チャネル264内の第1の媒体254のフロー278により分離領域270から引き出されない。チャネル264内のフロー278も、種々の材料(図示せず)をチャネル264から隔離ペン266の分離領域270中に引き込まない。したがって、拡散は、チャネル264内の第1の媒体254内の成分をチャネル264から隔離ペン266の分離領域270内の第2の媒体258中に移すことができる唯一のメカニズムである。同様に、拡散は、隔離ペン266の分離領域270内の第2の媒体258中の成分を分離領域270からチャネル264内の第1の媒体254に移すことができる唯一のメカニズムである。第1の媒体254は、第2の媒体258と同じ媒体であることができ、又は第1の媒体254は第2の媒体258と異なる媒体であることができる。代替的には、第1の媒体254及び第2の媒体258は、同じものから始まり、次に、例えば、分離領域270内の1つ又は複数の細胞による第2の媒体の調整を通して又はチャネル264を通って流れる媒体を変更することにより、異なることができる。
【0125】
[0150]
図2Eに示されるように、チャネル264内のチャネル264の幅Wch(すなわち、
図2Dにおける矢印278で示されるチャネルを通る流体媒体フローの方向を横断して測定される)は、基端開口部274の幅W
con1と略直交することができ、したがって、先端開口部276の幅W
con2と略平行することができる。しかし、基端開口部274の幅W
con1及び先端開口部276の幅W
con2は、互いに略直交する必要はない。例えば、基端開口部274の幅W
con1が向けられる軸(図示せず)及び先端開口部276の幅W
con2が向けられる別の軸は、直交以外であることができ、したがって、90°以外であることができる。代替の向きの角度の例には、任意の以下の範囲内の角度がある:約30°から約90°、約45°から約90°、約60°から約90°等。
【0126】
[0151] 隔離ペンの様々な実施形態(例えば、124、126、128、130、224、226、228、又は266)では、分離領域(例えば、240又は270)は、複数の微小物体を含むように構成される。他の実施形態では、分離領域は、1つのみ、2つ
のみ、3つのみ、4つのみ、5つのみ、又は同様の比較的少数の微小物体を含むように構成することができる。したがって、分離領域の容積は、例えば、少なくとも5×105立方μm、少なくとも8×105立方μm、少なくとも1×106立方μm、少なくとも2×106立方μm、少なくとも4×106立方μm、少なくとも6x106、又は6×106超であることができる。
【0127】
[0152] 隔離ペンの様々な実施形態では、基端開口部(例えば、234)におけるチャネル(例えば、122)の幅Wchは、以下の任意の範囲内であることができる:約50μm~約1000μm、約50μm~約500μm、約50μm~約400μm、約50μm~約300μm、約50μm~約250μm、約50μm~約200μm、約50μm~約150μm、約50μm~約100μm、約70μm~約500μm、約70μm~約400μm、約70μm~約300μm、約70μm~約250μm、約70μm~約200μm、約70μm~約150μm、約90μm~約400μm、約90μm~約300μm、約90μm~約250μm、約90μm~約200μm、約90μm~約150μm、約100μm~約300μm、約100μm~約250μm、約100μm~約200μm、約100μm~約150μm、及び約100μm~約120μm。幾つかの他の実施形態では、基端開口部(例えば、234)におけるチャネル(例えば、122)の幅Wchは、約200μm~約800μm、約200μm~約700μm、又は約200μm~約600μmの範囲内であることができる。上記は単なる例であり、チャネル122の幅Wchは、他の範囲(例えば、任意の上記列挙した端点により定義される範囲)内であることもできる。さらに、チャネル122のWchは、隔離ペンの基端開口部以外のチャネルの領域において任意のこれらの範囲内であるように選択することができる。
【0128】
[0153] 幾つかの実施形態では、隔離ペンは、約30μmから約200μm又は約50μmから約150μmの高さを有する。幾つかの実施形態では、隔離ペンは、約1平方μm×104から約3平方μm×106平方μm、約2平方μm×104から約2平方μm×106平方μm、約4平方μm×104から約1平方μm×106平方μm、約2平方μm×104から約5平方μm×105平方μm、約2平方μm×104から約1平方μm×105平方μm、又は約2平方μm×105から約2平方μm×106平方μmの断面積を有する。幾つかの実施形態では、接続領域は、約20μmから約100μm、約30μmから約80μm、又は約40μmから約60μmの断面幅を有する。
【0129】
[0154] 隔離ペンの様々な実施形態では、基端開口部(例えば、234)におけるチャネル(例えば、122)の高さHchは、以下の任意の範囲内であることができる:20μm~100μm、20μm~90μm、20μm~80μm、20μm~70μm、20μm~60μm、20μm~50μm、30μm~100μm、30μm~90μm、30μm~80μm、30μm~70μm、30μm~60μm、30μm~50μm、40μm~100μm、40μm~90μm、40μm~80μm、40μm~70μm、40μm~60μm、又は40μm~50μm。上記は単なる例であり、チャネル(例えば、122)の高さHchは、他の範囲(例えば、任意の上記列挙した端点により定義される範囲)内であることもできる。チャネル122の高さHchは、隔離ペンの基端開口部以外のチャネルの領域において任意のこれらの範囲内であるように選択することができる。
【0130】
[0155] 隔離ペンの様々な実施形態では、基端開口部(例えば、234)におけるチャネル(例えば、122)の断面積は、以下の任意の範囲内であることができる:500平方μm~50,000平方μm、500平方μm~40,000平方μm、500平方μm~30,000平方μm、500平方μm~25,000平方μm、500平方μm~20,000平方μm、500平方μm~15,000平方μm、500平方μm~10,000平方μm、500平方μm~7,500平方μm、500平方μm~5,000
平方μm、1,000平方μm~25,000平方μm、1,000平方μm~20,000平方μm、1,000平方μm~15,000平方μm、1,000平方μm~10,000平方μm、1,000平方μm~7,500平方μm、1,000平方μm~5,000平方μm、2,000平方μm~20,000平方μm、2,000平方μm~15,000平方μm、2,000平方μm~10,000平方μm、2,000平方μm~7,500平方μm、2,000平方μm~6,000平方μm、3,000平方μm~20,000平方μm、3,000平方μm~15,000平方μm、3,000平方μm~10,000平方μm、3,000平方μm~7,500平方μm、又は3,000平方μmから6,000平方μm。上記は単なる例であり、基端開口部(例えば、234)におけるチャネル(例えば、122)の断面積は、他の範囲(例えば、任意の上記列挙した端点により定義される範囲)内であることもできる。
【0131】
[0156] 隔離ペンの様々な実施形態では、接続領域(例えば、236)の長さLconは、以下の任意の範囲内であることができる:約20μmから約300μm、約40μmから約250μm、約60μmから約200μm、約80μmから約150μm、約20μmから約500μm、約40μmから約400μm、約60μmから約300μm、約80μmから約200μm、又は約100μmから約150μm。上記は単なる例であり、接続領域(例えば、236)の長さLconは、上記例と異なる範囲(例えば、任意の上記列挙した端点により定義される範囲)内であることもできる。
【0132】
[0157] 隔離ペンの様々な実施形態では、基端開口部(例えば、234)における接続領域(例えば、236)の幅Wconは、以下の任意の範囲内であることができる:約20μmから約150μm、約20μmから約100μm、約20μmから約80μm、約20μmから約60μm、約30μmから約150μm、約30μmから約100μm、約30μmから約80μm、約30μmから約60μm、約40μmから約150μm、約40μmから約100μm、約40μmから約80μm、約40μmから約60μm、約50μmから約150μm、約50μmから約100μm、約50μmから約80μm、約60μmから約150μm、約60μmから約100μm、約60μmから約80μm、約70μmから約150μm、約70μmから約100μm、約80μmから約150μm、及び約80μmから約100μm。上記は単なる例であり、基端開口部(例えば、234)における接続領域(例えば、236)の幅Wconは、上記例と異なる(例えば、任意の上記列挙した端点により定義される範囲)こともできる。
【0133】
[0158] 隔離ペンの様々な実施形態では、基端開口部(例えば、234)における接続領域(例えば、236)の幅Wconは、隔離ペンが意図される微小物体(例えば、B細胞若しくはT細胞等の免疫細胞又はハイブリドーマ細胞であり得る生体細胞)の最大寸法と少なくとも同じ大きさであることができる。例えば、免疫細胞(例えば、B細胞)が配置されることになる隔離ペンの基端開口部234における接続領域236の幅Wconは、任意の以下であることができる:約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、又は約80μm。上記は単なる例であり、基端開口部(例えば、234)における接続領域(例えば、236)の幅Wconは、上記例と異なる(例えば、任意の上記列挙した端点により定義される範囲)こともできる。
【0134】
[0159] 隔離ペンの様々な実施形態では、接続領域(例えば、236)の長さLconと基端開口部234における接続領域(例えば、236)の幅Wconとの比率は、以下の任意の比率以上であることができる:0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、又は10.0超。上記は単なる例であり、接続領域236の長さLconと基端開口部234における接続領域236の幅Wconとの比率は、上記例と異なることができる。
【0135】
[0160] マイクロ流体デバイス100、200、230、250、280、290、320の様々な実施形態では、Vmaxは、約0.2μL/秒、約0.3μL/秒、約0.4μL/秒、約0.5μL/秒、約0.6μL/秒、約0.7μL/秒、約0.8μL/秒、約0.9μL/秒、約1.0μL/秒、約1.1μL/秒、約1.2μL/秒、約1.3μL/秒、約1.4μL/秒、約1.5μL/秒、約2.0μL/秒、約2.5μL/秒、約3.0μL/秒、約3.5μL/秒、約4.0μL/秒、約4.5μL/秒、又は約5.0μL/秒に設定することができる。
【0136】
[0161] 隔離ペンを有するマイクロ流体デバイスの様々な実施形態では、隔離ペンの分離領域(例えば、240)の容積は、例えば、少なくとも5×105立方μm、少なくとも8×105立方μm、少なくとも1×106立方μm、少なくとも2×106立方μm、少なくとも4×106立方μm、少なくとも6×106立方μm、少なくとも8×106立方μm、少なくとも1×107立方μm、又は少なくとも1×107立方μm超であることができる。隔離ペンを有するマイクロ流体デバイスの様々な実施形態では、隔離ペンの容積は、約5×105立方μm、約6×105立方μm、約8×105立方μm、約1×106立方μm、約2×106立方μm、約4×106立方μm、約8×106立方μm、約1×107立方μm、又は約1×107立方μm超であり得る。幾つかの他の実施形態では、隔離ペンの容積は、約0.5nLから約10nL、約1.0nLから約5.0nL、約1.5nLから約4.0nL、約2.0nLから約3.0nL、約2.5nL、又は上記端点の2つにより定義される任意の範囲であり得る。
【0137】
[0162] 様々な実施形態では、マイクロ流体デバイスは、マイクロ流体デバイスが約5個から約10個の隔離ペン、約10個から約50個の隔離ペン、約100個から約500個の隔離ペン、約200個から約1000個の隔離ペン、約500個から約1500個の隔離ペン、約1000個から約2000個の隔離ペン、又は約1000個から約3500個の隔離ペンを有する本明細書で考察された任意の実施形態におけるように構成された隔離ペンを有する。隔離ペンは全て同じサイズである必要はなく、多種多様な構成、例えば、異なる幅、隔離ペン内の異なる特徴を含み得る。
【0138】
[0163] 幾つかの他の実施形態では、マイクロ流体デバイスは、マイクロ流体デバイスが約1500個から約3000個の隔離ペン、約2000個から約3500個の隔離ペン、約2500個から約4000個の隔離ペン、約3000個から約4500個の隔離ペン、約3500個から約5000個の隔離ペン、約4000個から約5500個の隔離ペン、約4500個から約6000個の隔離ペン、約5000個から約6500個の隔離ペン、約5500個から約7000個の隔離ペン、約6000個から約7500個の隔離ペン、約6500個から約8000個の隔離ペン、約7000個から約8500個の隔離ペン、約7500個から約9000個の隔離ペン、約8000個から約9500個の隔離ペン、約8500個から約10,000個の隔離ペン、約9000個から約10,500個の隔離ペン、約9500個から約11,000個の隔離ペン、約10,000個から約11,500個の隔離ペン、約10,500個から約12,000個の隔離ペン、約11,000個から約12,500個の隔離ペン、約11,500個から約13,000個の隔離ペン、約12,000個から約13,500個の隔離ペン、約12,500個から約14,000個の隔離ペン、約13,000個から約14,500個の隔離ペン、約13,500個から約15,000個の隔離ペン、約14,000個から約15,500個の隔離ペン、約14,500個から約16,000個の隔離ペン、約15,000個から約16,500個の隔離ペン、約15,500個から約17,000個の隔離ペン、約16,000個から約17,500個の隔離ペン、約16,500個から約18,000個の隔離ペン、約17,000個から約18,500個の隔離ペン、約17,500個から約19,000個の隔離ペン、約18,000個から約19,500個の隔離ペン、約18,5
00個から約20,000個の隔離ペン、約19,000個から約20,500個の隔離ペン、約19,500個から約21,000個の隔離ペン、又は約20,000個から約21,500個の隔離ペンを有する本明細書で考察された任意の実施形態におけるように構成された隔離ペンを有する。
【0139】
[00164]
図3Aから
図3Bは、本発明によるマイクロ流体デバイス(例えば、100
、200、230、280、250、290、320)の操作及び観測に使用することができるシステム150の各種実施形態を示す。
図3Aに示されるように、システム150は、マイクロ流体デバイス320又は本明細書に記載の任意の他のマイクロ流体デバイスを保持するように構成される構造体(「ネスト」)300を含み得る。ネスト300は、マイクロ流体デバイス320(例えば、光学作動動電デバイス100)とのインターフェースと、電源192からマイクロ流体デバイス320への電気接続の提供とが可能なソケット302を含み得る。ネスト300は、組み込まれた電気シグナル発生サブシステム304を更に含み得る。電気シグナル発生サブシステム304は、ソケット302にバイアス電圧を供給して、ソケット302によって保持されているときにマイクロ流体デバイス320の電極対の両端にバイアス電圧を印加するように構成され得る。そのため、電気シグナル発生サブシステム304は、電源192の一部であり得る。マイクロ流体デバイス320にバイアス電圧を印加する能力は、マイクロ流体デバイス320がソケット302によって保持されている全ての時間にバイアス電圧が印加されることを意味するものではない。より正確には、ほとんどの場合、バイアス電圧は、間欠的に、例えばマイクロ流体デバイス320で誘電泳動又はエレクトロウェッティング等の動電力の発生を促進する必要があるときのみ、印加されるであろう。
【0140】
[00165]
図3Aに示されるように、ネスト300は、プリント回路基板アセンブリ(
PCBA)322を含み得る。電気シグナル発生サブシステム304は、PCBA322への実装及び電気的組込みが可能である。例示的な支持体は、同様にPCBA322に実装されたソケット302を含む。
【0141】
[00166] 典型的には、電気シグナル発生サブシステム304は、波形発生器(図示せ
ず)を含むであろう。電気シグナル発生サブシステム304は、オシロスコープ(図示せず)及び/又は波形発生器から受け取った波形を増幅するように構成された波形増幅回路(図示せず)を更に含み得る。オシロスコープは、存在する場合、ソケット302によって保持されるマイクロ流体デバイス320に供給された波形を測定するように構成され得る。特定の実施形態では、オシロスコープは、マイクロ流体デバイス320に近接する位置(及び波形発生器の先端)で波形を測定することにより、デバイスに印加される波形の実際の測定でより高い確度を保証する。オシロスコープ測定から得られるデータは、例えば、波形発生器へのフィードバックとして提供され得、且つ波形発生器は、かかるフィードバックに基づいてその出力を調整するように構成され得る。波形発生器とオシロスコープとの好適な組合せの例は、Red Pitaya(商標)である。
【0142】
[00167] 特定の実施形態では、ネスト300は、電気シグナル発生サブシステム30
4の感知及び/又は制御に使用されるマイクロプロセッサ等のコントローラ308を更に含む。好適なマイクロプロセッサの例としては、Arduino Nano(商標)等のArduino(商
標)マイクロプロセッサが挙げられる。コントローラ308は、機能を発揮したり分析を実施したりするために使用され得るか、又は機能を発揮したり分析を実施したりするために外部マスターコントローラ154(
図1Aに示される)と通信し得る。
図3Aに例示される実施形態では、コントローラ308は、インターフェース310(例えば、プラグ又はコネクター)を介してマスターコントローラ154と通信する。
【0143】
[00168] 幾つかの実施形態では、ネスト300は、Red Pitaya(商標)波形発生器/
オシロスコープユニット(「Red Pitayaユニット」)を含む電気シグナル発生サブシステム304と、Red Pitayaユニットによって発生された波形を増幅して増幅電圧をマイクロ流体デバイス100に送る波形増幅回路とを含み得る。幾つかの実施形態では、Red Pitayaユニットは、マイクロ流体デバイス320における測定電圧が所望の値になるように、マイクロ流体デバイス320で増幅電圧を測定してから必要に応じてそれ自体の出力電圧を調整するように構成される。幾つかの実施形態では、波形増幅回路は、PCBA322に実装されたDC-DCコンバーターの対によって発生された+6.5Vから-6.5Vの電源を有することにより、マイクロ流体デバイス100において13Vppまでのシグナルをもたらし得る。
【0144】
[00169]
図3Aに示されるように、支持構造体300は、熱制御サブシステム306
を更に含み得る。熱制御サブシステム306は、支持構造体300によって保持されるマイクロ流体デバイス320の温度を調整するように構成され得る。例えば、熱制御サブシステム306は、ペルティエ熱電デバイス(図示せず)と冷却ユニット(図示せず)とを含み得る。ペルティエ熱電デバイスは、マイクロ流体デバイス320の少なくとも1つの表面とインターフェースするように構成された第1の表面を有し得る。冷却ユニットは、例えば、液冷アルミニウムブロック等の冷却ブロック(図示せず)であり得る。ペルティエ熱電デバイスの第2表面(例えば、第1の表面に対向する表面)は、かかる冷却ブロックの表面とインターフェースするように構成され得る。冷却ブロックは、冷却ブロックを介して冷却流体を循環させるように構成された流体路314に接続され得る。
図3Aに例示される実施形態では、支持構造体300は、外部リザーバー(図示せず)からの冷却流体の受容、冷却ブロックへの冷却流体の導入及び流体路314への貫流、次いで外部リザーバーへの冷却流体の帰還を行うように、流入口316と流出口318とを含む。幾つかの実施形態では、ペルティエ熱電デバイス、冷却ユニット及び/又は流体路314は、支持構造体300のケーシング312に実装され得る。幾つかの実施形態では、熱制御サブシステム306は、マイクロ流体デバイス320の目標温度を達成するようにペルティエ熱電デバイスの温度を調整するように構成される。ペルティエ熱電デバイスの温度調整は、例えば、Pololu(商標)熱電源(Pololu Robotics and Electronics Corp.)等の熱電
源によって達成され得る。熱制御サブシステム306は、アナログ回路によって提供される温度値等のフィードバック回路を含み得る。代替的に、フィードバック回路は、ディジタル回路によって提供され得る。
【0145】
[00170] 幾つかの実施形態では、ネスト300は、レジスタ(例えば、抵抗1kΩ±
0.1%、温度係数±0.02ppm/C0を有する)とNTCサーミスタ(例えば、公称抵抗値1kΩ±0.01%を有する)とを含むアナログ分圧回路(図示せず)であるフィードバック回路を備えた熱制御サブシステム306を含み得る。幾つかの場合、熱制御サブシステム306は、フィードバック回路から電圧を測定し、次いで、計算された温度値をオンボードPID制御ループアルゴリズムへの入力として使用する。PID制御ループアルゴリズムからの出力は、例えば、Pololu(商標)モータドライブ(図示せず)の方向シグナルピン及びパルス幅変調シグナルピンの両方を駆動して熱電源を作動させることにより、ペルティエ熱電デバイスを制御することができる。
【0146】
[00171] ネスト300は、インターフェース310(図示せず)を介してコントロー
ラ308のマイクロプロセッサと外部マスターコントローラ154との通信を可能にするシリアルポート324を含み得る。加えて、コントローラ308のマイクロプロセッサは、電気シグナル発生サブシステム304及び熱制御サブシステム306との通信が可能である(例えば、Plinkツール(図示せず)を介して)。そのため、コントローラ308と
、インターフェース310と、シリアルポート324とを組み合わせることにより、電気シグナル発生サブシステム304及び熱制御サブシステム306は、外部マスターコントローラ154との通信が可能である。このようにして、マスターコントローラ154は、
特に、出力電圧調整のためにスケーリング計算を実施することにより、電気シグナル発生サブシステム304を支援し得る。外部マスターコントローラ154に結合された表示デバイス170を介して提供されるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)(図示せず)は、熱制御サブシステム306及び電気シグナル発生サブシステム304からそれぞれ得られる温度及び波形のデータをプロットするように構成され得る。代替的又は追加的に、GUIは、コントローラ308、熱制御サブシステム306及び電気シグナル発生サブシステム304へのアップデートを可能にし得る。
【0147】
[0172]
図3Bは、マイクロ流体デバイスのシステム150の光学装置350の光学概略図である。幾つかの実施形態では、光学装置350は構造化光変調器330を含むことができる。構造化光変調器330は、デジタルミラーデバイス(DMD)又はマイクロシャッタアレイシステム(MSA)を含むことができ、これらのいずれも、光源332から光を受け取り、受け取った光のサブセットを光学装置350に透過するように構成することができる。代替的には、構造化光変調器330は、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、液晶オンシリコン(LCOS)デバイス、強誘電性液晶オンシリコンデバイス(FLCOS)、又は透過型液晶ディスプレイ(LCD)等のそれ自体の光を生成する(ひいては、光源332の必要性をなくす)デバイスを含むことができる。構造化光変調器330は、例えば、プロジェクタであることができる。したがって、構造化光変調器330は、構造化光及び非構造化光の両方を放射することが可能であることができる。特定の実施形態では、システムの撮像モジュール及び/又は原動モジュールは、構造化光変調器330を制御することができる。
【0148】
[0173] 幾つかの実施形態では、光学装置350は顕微鏡構成を有することができる。そのような実施形態では、ネスト300及び構造化光変調器330は、光学装置350の顕微鏡構成内に統合されるように個々に構成することができる。幾つかの実施形態では、光学装置350は、1つ又は複数の画像センサ又は検出器348を更に含むことができる。幾つかの実施形態では、画像センサ348は撮像モジュールにより制御される。画像センサ348は、接眼レンズ、電荷結合素子(CCD)、カメラ(例えば、デジタルカメラ)、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。少なくとも2つの画像センサ348が存在する場合、一方の画像センサは、例えば、高速フレームレートカメラであることができ、一方、他方の検出器は高感度カメラであることができる。さらに、光学装置350は、マイクロ流体デバイス320から反射された光及び/又は放射された光を受け取り、反射光及び/又は放射光の少なくとも一部を1つ又は複数の画像センサ348上に結像するように構成することができる。
【0149】
[0174] 幾つかの実施形態では、光学装置350は、少なくとも2つの光源を使用するように構成される。例えば、第1の光源332は、構造化光の生成(例えば、光変調サブシステム330を介して)に使用することができ、第2の光源334は、非構造化光の提供に使用することができる。第1の光源332は、光学作動式動電及び/又は蛍光励起のための構造化光を生成することができ、第2の光源334は、明視野照明の提供に使用することができる。これらの実施形態では、原動モジュール164を使用して第1の光源332を制御することができ、撮像モジュール164を使用して、第2の光源334を制御することができる。光学装置350は、デバイスがネスト300によって保持されているとき、構造化光を構造化光変調器330から受け取り、光学作動式動電デバイス等のマイクロ流体デバイス内の少なくとも第1の領域に構造化光を投影し、マイクロ流体デバイスからの反射光及び/又は放射光を受け取り、そのような反射光及び/又は放射光の少なくとも一部を画像センサ348で撮像するように構成することができる。光学装置350は、デバイスがネスト300によって保持されているとき、第2の光源から非構造化光を受け取り、非構造化光をマイクロ流体デバイスの少なくとも第2の領域に投影するように更に構成することができる。特定の実施形態では、マイクロ流体デバイス320の第1及び
第2の領域は、重複する領域であることができる。例えば、第1の領域は第2の領域のサブセットであることができる。
【0150】
[0175]
図3Bでは、第1の光源332は、光を構造化光変調器330に供給して示されており、構造化光変調器330は、構造化光をマイクロ流体デバイス320に提供する。第2の光源334は、ビームスプリッタ336を介して非構造化光を光学縦列に提供して示されている。光変調器330からの構造化光及び第2の光源334からの非構造化光は、ビームスプリッタ336から一緒に第2のビームスプリッタ(又は光変調器330によって提供される光に応じてダイクロイックフィルタ338)に達し、そこで、光は対物レンズ340を通して下方のマイクロ流体デバイス320に反射される。次に、マイクロ流体デバイス320からの反射光及び/又は放射光は、対物レンズ340を通り、ビームスプリッタ及び/又はダイクロイックフィルタ338を通り、ダイクロイックフィルタ346に戻る。ダイクロイックフィルタ346に達した光の一部のみがダイクロイックフィルタ346を透過し、検出器348に達する。
【0151】
[0176] 幾つかの実施形態では、第2の光源334は青色光を発する。適切なダイクロイックフィルタ346を用いて、マイクロ流体デバイス320から反射された青色光は、ダイクロイックフィルタ346を透過し、検出器348に達することが可能である。逆に、光変調器330から来る構造化光は、マイクロ流体デバイス320から反射されるが、ダイクロイックフィルタ346を透過しない。この例では、ダイクロイックフィルタ346は、495nmよりも長い波長を有する可視光を濾波して除外する。光変調器330からの光のそのような濾波による除外は、仮に光変調器から放射された光が495nmよりも短いあらゆる波長を含まない場合のみ、完全である(示されるように)。実際には、光変調器330から来た光が、495nmよりも短い波長(例えば、青色波長)を含む場合、光変調器からの光の幾らかは、フィルタ346を透過して画像センサ348に達する。そのような実施形態では、フィルタ346は、第1の光源332から画像センサ348に達する光の量と、第2の光源334から画像センサ348に達する光の量とのバランスを変更するように機能する。これは、第1の光源332が第2の光源334よりもはるかに強い場合、有益であることができる。他の実施形態では、第2の光源334は赤色光を発することができ、ダイクロイックフィルタ346は、赤色光以外の可視光(例えば、650nmよりも短い波長を有する可視光)を濾波して除外することができる。
【0152】
[0177] 特定の実施形態では、第1の光源332は、広帯域スペクトルの波長(例えば、「白色」光)を発することができる。第1の光源332は、例えば、フルオロフォアの励起に適した少なくとも1つの波長を発することができる。第1の光源332は、光変調器330により発せられた構造化光が、光作動式作動式マイクロ流体デバイス320内の光作動式電極を活性化可能なように十分に強力であることができる。特定の実施形態では、第1の光源332は、金属ハロゲン化物、セラミック放電、ナトリウム、水銀、及び/又はキセノンを含むもの等の高強度放電アーク灯を含むことができる。他の実施形態では、第1の光源332は、1つ又は複数のLED(例えば、4個のLEDの2×2アレイ又は9個のLEDの3×3アレイ等のLEDの軍)を含むことができる。LEDは、広帯域スペクトル「白色」光LED(例えば、PRIZMATIXによるUHP-T-LED-White)又は様々な狭帯域波長LED(例えば、約380nm、約480nm、又は約560nmの波長を発する)を含むことができる。更に他の実施形態では、第1の光源332は、選択可能な波長(例えば、OET及び/又は蛍光に向けて)の光を発するように構成されたレーザを組み込むことができる。
【0153】
[0178] 特定の実施形態では、第2の光源334は明視野照明に適する。したがって、第2の光源334は、1つ又は複数のLED(例えば、4個のLEDの2×2アレイ又は9個のLEDの3×3アレイ等のLEDのアレイ)を含むことができる。LEDは、白色
(すなわち、広帯域スペクトル)光、青色光、赤色光等を発するように構成することができる。幾つかの実施形態では、第2の光源334は、波長495nm以下を有する光を発することができる。例えば、第2の光源622は、実質的に480nm、実質的に450nm、又は実質的に380nmの波長を有する光を発することができる。他の実施形態では、第2の光源334は、650nm以上の波長を有する光を発することができる。例えば、第2の光源334は、実質的に750nmの波長を有する光を発することができる。更に他の実施形態では、第2の光源334は、実質的に560nmの波長を有する光を発することができる。
【0154】
[0179] 特定の実施形態では、光学装置350は、495nmよりも長い波長を有する可視光を少なくとも部分的に濾波して除外するダイクロイックフィルタ346を含む。他の実施形態では、光学装置350は、650nmよりも短い(又は620nmよりも短い)波長を有する可視光を少なくとも部分的に濾波して除外するダイクロイックフィルタ346を含む。より一般的には、光学装置350は、第1の光源332からの構造化光が検出器348に達する量を低減するか、又は実質的になくすように構成されたダイクロイックフィルタ346を含むこともできる。そのようなフィルタ346は、検出器346の近傍に(光学装置に沿って)配置することができる。代替的には、光学装置350は、光変調器330からの構造化光(例えば、可視構造化光)の量と、上記検出器348に達する第2の光源334からの非構造化光(例えば、可視非構造化光)の量とのバランスをとるように構成された1つ又は複数のダイクロイックフィルタ346を含むことができる。そのようなバランスを使用して、構造化光が検出器348(又は検出器348により得られる画像)において非構造化光を圧倒しないことを保証することができる。
【0155】
[0180] 幾つかの実施形態では、光学装置350は、装置350の撮像路において対物レンズ340と画像センサ348との間に配置される少なくとも1つのチューブレンズ381を更に含むことができる。対物レンズ340はもはや、中間画像面に中間画像を直接投影しない。その代わり、対物レンズ340は、対物レンズ340の後部アパーチャからの光が無限遠に合焦するように構成され、チューブレンズ381は、チューブレンズ381の焦点面に画像を形成するように構成される。無限遠合焦対物レンズ340を出た光線は、ビームスプリッタ338、フィルタ346の偏光子、及び平行ビームを必要とする他の構成要素を撮像路に容易に導入することができるように、コリメートされる。これらの補助光学デバイスを透過した後、平行光線は、チューブレンズ381により集束し、マイクロ流体デバイス320の画像を形成するように構成することができる。チューブレンズ381なしでは、撮像路へのビームスプリッタ及び他の構成要素の挿入は、球面収差を導入し、ビームスプリッタを透過する、集束する光線の結果、恐らくは「ゴースト画像」効果を導入する恐れがある。対物レンズ340及びチューブレンズ381は一緒に、画像センサ348において画像を生成することができる。対物レンズ340とチューブレンズ381との間の領域(無限空間)は、球面収差を導入せずに、又は対物レンズ340の作動距離を変更せずに複雑な光学構成要素を配置することができる平行光線経路を提供する。
【0156】
[0181]
図4Aは、微小物体を撮像し操作するシステム1000の光学概略図である。システム1000は、光作動式マイクロ流体(又は「LAMF」)デバイス等のマイクロ流体デバイス1320及び光学装置1350を含むことができる。マイクロ流体デバイス1320は、本明細書に記載されるか、又は当技術分野で既知の任意のマイクロ流体デバイスであることができる。例えば、マイクロ流体デバイスは、流体媒体中に1つ又は複数の微小物体を保持するように構成された囲いと、基板1320cとを含むことができる。
図4Bは、部分の画像(若しくは視野)又は例示的なマイクロ流体デバイス1320を提供する。LAMFデバイスの基板1320cは、表面1120と、表面上の(又は表面により構成されるか、若しくは表面と一体化される)複数の誘電泳動(DEP)電極とを含むことができる。マイクロ流体デバイス1320は、フロー領域1122と、1つ以上(
例えば、複数)の隔離ペン1226とを更に含むことができる。
図4Bに示されるように、各隔離ペン1226は、フロー領域1122に流体的に接続することができる。フロー領域1122及び複数の隔離ペン1226は、マイクロ流体デバイス1320の基板の表面1120に配置することができる。マイクロ流体デバイス1320はカバー1320aを更に含むことができる。カバー1320aは接地電極を含むことができる。
図4Bに示されるように、カバー1320aは可視光を透過することができる。
【0157】
[0182] 光学装置1350は、マイクロ流体デバイス1320の囲い内の1つ又は複数の微小物体の撮像、分析、及び操作を実行するように構成することができる。
図4Aに示されるように、光学装置1350は、構造化光変調器1330、第1のチューブレンズ1381、対物レンズ1340、ダイクロイックビームスプリッタ1338、第2のチューブレンズ1382、及び画像センサ1348を含むことができる。光学装置1350は、第1の光源1332を更に含むことができる。
【0158】
[0183] 一般に、構造化光変調器1330は、第1の光源1332から非構造化光線を受け取り、構造化光線を第1のチューブレンズ1381に透過するように構成することができる。更に詳細に上述したように、構造化光線を使用して、表面1120の複数の誘電泳動(DEP)電極の1つ又は複数を選択的に活性化することができる。第1のチューブレンズ1381は、構造化光変調器1330からの構造化光線を捕捉するように構成される。対物レンズ1340は、視野内のマイクロ流体デバイス1320の複数の隔離ペン1226の少なくとも一部を撮像するように構成される。視野は、例えば、10mm×10mm、11mm×11mm、12mm×12mm、13mm×13mm、14mm×14mm、15mm×15mm等よりも大きい面積であることができる。
【0159】
[0184] ダイクロイックビームスプリッタ1338は、第1のチューブレンズ1381からの光線を対物レンズ1340に反射又は透過し、対物レンズ1340から受け取った光線を第2のチューブレンズ1382に透過又は反射するように構成される。第2のチューブレンズ1382は、ダイクロイックビームスプリッタ1338から光線を受け取り、光線を画像センサ1348に透過するように構成される。画像センサ1348は、第2のチューブレンズから光線を受け取り、光線から視野内の複数の隔離ペン1226の少なくとも一部の画像を生成するように構成される。
【0160】
[0185] 幾つかの実施形態では、構造化光変調器1330は、デジタルミラーデバイス(DMD)又はマイクロシャッタアレイシステム(MSA)を含むことができ、これらのいずれも、光源332から光を受け取り、受け取った光のサブセットを透過するように構成することができる。光学装置1350を含め、本明細書に開示される任意の光学装置に適した1つの例示的なDMDは、DLP-9000(Texas Instruments)である。代替
的には、構造化光変調器1330は、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、液晶オンシリコン(LCOS)デバイス、強誘電性液晶オンシリコンデバイス(FLCOS)、又は透過型液晶ディスプレイ(LCD)等のそれ自体の光を生成する(ひいては、光源1332の必要性をなくす)デバイスを含むことができる。構造化光変調器1330は、例えば、プロジェクタであることができる。したがって、構造化光変調器1330は、構造化光及び非構造化光の両方を放射することが可能であることができる。
【0161】
[0186] 幾つかの実施形態では、構造化光変調器1330は、第1の光源1332から受け取った光線を変調するように構成することができ、構造化光線である複数の照明光線を透過する。構造化光線は複数の照明光線を含むことができる。複数の照明光線は、選択的に活性化されて、複数の照明パターンを生成することができる。幾つかの実施形態では、構造化光変調器1330は、移動及び調整が可能な照明パターンを生成するように構成することができる。光学装置1350は、複数のDEP電極の1つ又は複数を選択的に活
性化し、複数の隔離ペン1226内部の1つ又は複数の微小物体を移動させるDEP力を生成するように照明パターンを調整するように構成された制御ユニット(図示せず)を更に含むことができる。
【0162】
[0187] 例えば、複数の照明パターンは、時間の経過に伴い、制御されて調整され、マイクロ流体デバイス1320内の微小物体を操作することができる。例えば、複数の照明パターンのそれぞれをシフトさせて、生成されるDEP力の位置をシフトさせ、ある位置の構造化光を別の位置に移動させて、マイクロ流体装置1320の囲い内で微小物体を移動させることができる。
【0163】
[0188]
図4Aを参照すると、幾つかの実施形態では、光学装置1350は、視野内の複数の隔離ペン1226のそれぞれが、画像センサ1348及び構造化光変調器1330で同時にピントが合うように構成される。例えば、光学装置1350は、共焦点構成又は共焦点特性を有することができる。光学装置1350は、全体ノイズを低減して、画像のコントラスト及び分解能を上げるために、フロー領域の各内部エリア及び/又は視野内の複数の隔離ペン1226のそれぞれのみが画像センサ1348で撮像されるように更に構成することができる。
【0164】
[0189] 例えば、構造化光変調器1330は、画像センサ1348の共役面に配置することができる。構造化光変調器1330は、第1の光源1332から非構造化光線を受け取り、光線を変調して、構造化光線である複数の照明ビームを生成することができる。構造化光変調器の活性面積は、少なくとも10mm×10mm(例えば、少なくとも10.5mm×10.5mm、少なくとも11mm×11mm、少なくとも11.5mm×11.5mm、少なくとも12mm×12mm、少なくとも12.5mm×12.5mm、少なくとも13mm×13mm、少なくとも13.5mm×13.5mm、少なくとも14mm×14mm、少なくとも14.5mm×14.5mm、少なくとも15mm×15mm、又は少なくとも15mm×15mm超)であることができる。第1のチューブレンズ1381は大きなクリアアパーチャ、例えば、40mm、41mm、42mm、43mm、44mm、45mm、46mm、47mm、48mm、49mm、50mm等よりも大きな直径を有することができる。したがって、第1のチューブレンズ1381は、構造化光変調器からの全て(又は略全て)の光線を捕捉するのに十分に大きいアパーチャを有することができる。
【0165】
[0190]
図4Cは、
図4Aにおける光学装置1350の第1のチューブレンズ1381を示し、構造化光変調器1330からの全ての光線を捕捉するように構成される。構造化光変調器1330は複数のミラーを有することができる。複数のミラーの各ミラーは、5μm×5μm、6μm×6μm、7μm×7μm、8μm×8μm、9μm×9μm、10μm×10μm、又はそれらの間の任意の値のサイズを有することができる。構造化光変調器1330は、2000×1000、2580×1600、3000×2000、又はそれらの間の任意の値であるミラー(又はピクセル)のアレイを含むことができる。ミラーサイズ7.6μm×7.6μmの場合、構造化光変調器1330は、15.2mm×7.6mm、19.6mm×12.2mm、22.8mm×15.2mm、又はそれらの間の任意の値の寸法を有することができる。
図4Cに示されるように、幾つかの実施形態では、構造化光変調器1330の照明エリア1330aの一部のみが使用される。例えば、構造化光変調器1330の照明エリア1330aの50%、60%、80%、又はそれらの間の任意の値が使用される。第1のチューブレンズ1381は、構造化光変調器1330の照明エリア1330aよりも大きい、大きな視野1381aを有するように構成することができる。第1のチューブレンズ1381は、構造化光変調器1330からの全ての光線を捕捉するように構成することができる。
【0166】
[0191]
図4Aを参照すると、幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズ1381は、コリメート光線を生成し、コリメート光線を対物レンズ1340に透過するように構成することができる。対物レンズ1340は、第1のチューブレンズ1381からコリメート光線を受け取り、コリメート光線をフロー領域の各内部エリア及び画像センサ1348又は光学装置1350の視野内の複数の隔離ペン1226のそれぞれに合焦させることができる。幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズ1381は、複数のコリメート光線を生成し、複数のコリメート光線を対物レンズ1340に透過するように構成することができる。対物レンズ1340は、第1のチューブレンズ1381から複数のコリメート光線を受け取り、複数のコリメート光線を画像センサ1348又は光学装置1350の視野内の複数の隔離ペン1226のそれぞれに集束させることができる。
【0167】
[0192] 幾つかの実施形態では、光学装置1350は、複数の照明スポットで隔離ペンの少なくとも一部を照明するように構成することができる。対物レンズ1340は、第1のチューブレンズ1381から複数のコリメート光線を受け取り、複数の照明スポットを視野内の複数の隔離ペン1226のそれぞれに投影することができる。例えば、複数の照明スポットのそれぞれは、約10μm×約30μm、約30μm×約60μm、約60μm×約120μm、約80μm×約100μm、約100μm×約140μm、及びそれらの間の任意の値のサイズを有することができる。例えば、複数の照明スポットのそれぞれは、約4000平方μmから約10000平方μm、約5000平方μmから約15000平方μm、約7000平方μmから約20000平方μm、約8000平方μmから約22000平方μm、約10000平方μmから約25000平方μm、及びそれらの間の任意の値の面積をことができる。
【0168】
[0193] 幾つかの実施形態では、光学装置1350は共焦点撮像を実行するように構成することができる。例えば、構造化光変調器1330は、焦点ボケ光を低減して、全体ノイズを低減するために、視野内の複数の隔離ペン1226をスキャンすることができる薄いストリップを生成するように構成することができる。別の例では、構造化光変調器1330は、回折限界内で複数の照明スポットを生成するように構成することができる。例えば、構造化光変調器1330は、光学装置1350の光軸に沿って移動して、光軸に沿って複数の画像を取得するように構成することができ、光軸に沿った複数の画像を結合して、マイクロ流体装置1320内の複数の隔離ペン1226内の微小物体の三次元画像を再構築することができる。
【0169】
[0194] 第2のチューブレンズ1382は、装置1350の撮像路において対物レンズ1340と画像センサ1348との間に配置される。対物レンズ1340は、対物レンズ1340の後部アパーチャからの光が無限遠に合焦するように構成され、第2のチューブレンズ1382は、チューブレンズ1382の焦点面に、複数の隔離ペン1226内の微小物体の画像を形成するように構成される。無限遠合焦対物レンズ1340から出た光線は、球面収差を導入せずに、又は対物レンズ1340の作動距離を変更せずに、ビームスプリッタ1338及び他の構成要素を光学装置1350の撮像路に容易に導入することができるようコリメートするように構成することができる。
【0170】
[0195] 幾つかの実施形態では、光学装置1350はネスト1300を更に含むことができる。ネスト1300は、マイクロ流体デバイス1320を保持し、囲いへの電気接続を提供するように構成することができる。ネスト1300は、光学装置1350と一体化することができ、装置1350の一部であることができる。ネスト1300は、囲いへの流体接続を提供するように更に構成することができる。ユーザは、マイクロ流体装置1320をネスト1300に装填するだけでよい。幾つかの他の実施形態では、ネスト1300は、光学装置1350から独立した別個の構成要素であることができる。
【0171】
[0196]
図5Aは、複数の光源を示し、幾つかの補顔実施形態では、光学装置5350及び光作動式マイクロ流体装置で使用することができる。上述したように、構造化光をDMDチューブレンズ5460に提供する第1の光源5332として、様々な光源を使用し得る。幾つかの実施形態では、第1の光源5332は発光ダイオード(LED)であり得る。光源5332は、広帯域スペクトルの光波長を有する光505を発し得、光505は、DMD5440に衝突すると、構造化光515をDMD折り返しミラー5336に提供し、DMD折り返しミラー5336はダイクロイック折り返しミラーであり得る。DMD折り返しミラー5336は、構造化光515をDMDチューブレンズ5460にリダイレクトする。幾つかの実施形態では、光学装置は、DMD折り返しミラー5336を通ってDMDチューブレンズ5460に到達する非構造化明視野照明525を提供するように構成された第2の光源5334を更に含むことができる。幾つかの他の実施形態では、光学装置は、光照明535を提供する第3の光源5335、例えば、レーザ光源を更に含むことができ、光照明535は、マイクロ流体装置内の複数の隔離ペンを加熱するように構成し得る。
図5Bは、
図5Aにおける複数の光源用に構成された、ダイクロイック折り返しミラー5336を透過する光の一例を示す。
【0172】
[0197] DMD5440から来た構造化光515は、約400nmから約710nmの波長を有し得、DMDチューブレンズ5460を透過して本明細書に記載される任意のマイクロ流体デバイスに到達した後、マイクロ流体デバイス内のDEP構成又はOEW構成の光活性化に使用し得る。構造化光515は、約400nmから約710nmの波長を有し、代替又は追加として、蛍光励起照明をマイクロ流体デバイスに提供し得る。幾つかの実施形態では、構造化光515は、約400nmから約650nm、約400nmから約600nm、約400nmから約550nm、約400nmから約500nm、約450nmから約710nm、約450から約600nm、又は約450nmから約550nmの波長を有し得る。
【0173】
[0198] 非構造化明視野照明525は、第2の光源5334からDMD折り返しミラー5336に到来し、ミラー衝突前と略(例えば、約10%以内)同じ波長及び/又は略(例えば、約10%以内)同じ強度でミラー5336を透過し得る。代替的には、ミラー5336は、明視野照明525を透過させ、チューブレンズ5460に入れ、更に移動して、本明細書に記載される任意のマイクロ流体デバイスであり得るマイクロ流体デバイスに入れるように折り得る。明視野照明光525は、任意の適する波長を有し得、幾つかの実施形態では、約400nmから約760nmの波長を有し得る。幾つかの実施形態では、明視野照明光525は、約5336nm超且つ約760nm未満、約600nm超且つ約750nm未満、又は約650nm超且つ約750nm未満の波長を有し得る。幾つかの実施形態では、明視野照明光は、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、又は約750nmの波長を有し得る。
【0174】
[0199] 第3の照明光535はDMDミラー5336を透過し得、又はDMDミラー5336は、照明光535を透過させ、チューブレンズ5460に入れ、本明細書に記載される任意のマイクロ流体デバイスであり得るマイクロ流体デバイスに更に移動させるように折り得る。第3の照明光535は、レーザであり得、マイクロ流体デバイス内の1つ又は複数の隔離ペンの部分を加熱するように構成し得る。レーザ照明535は、流体媒体、微小物体、隔離ペンの壁若しくは壁の一部、マイクロ流体チャネル若しくはマイクロ流体チャネルの隔離ペン内に配置される金属標的、又はマイクロ流体デバイス内の光可逆性物理的バリアを加熱するように構成し得る。他の実施形態では、レーザ照明535は、マイクロ流体デバイスの修飾された正面の表面修飾部分の光切断又はマイクロ流体デバイス内の隔離ペン内の微小物体の付着機を提供する部分の光切断を開始するように構成し得る。レーザ照明535は任意の適する波長を有し得る。幾つかの実施形態では、レーザ照明535は、約350nmから約900nm、約370nmから約850nm、約390nm
から約825nm、約400nmから約800nm、約450nmから約750nm、又はそれらの間の任意の値の波長を有し得る。幾つかの実施形態では、レーザ照明535は、約700nm、約710nm、約720nm、約730nm、約740nm、約750nm、約760nm、約770nm、約780nm、約790nm、約800nm、約810nm、又は約810nm超の波長を有し得る。
【0175】
[0200]
図5Cは、第1の光源5335、第2の光源5334、及び第3の光源5332を含む光学装置5350を含むシステム5000の概略図である。第1の光源5335は、光を構造化光変調器5330に透過することができ、構造化光変調器5330は、デジタルミラーデバイス(DMD)又はマイクロシャッタアレイシステム(MSA)を含むことができ、これらのいずれも、第1の光源5335から光を受け取り、受け取った光のサブセットを光学装置5350に選択的に透過するように構成することができる。代替的には、構造化光変調器5330は、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、液晶オンシリコン(LCOS)デバイス、強誘電性液晶オンシリコンデバイス(FLCOS)、又は透過型液晶ディスプレイ(LCD)等のそれ自体の光を生成する(ひいては、光源5335の必要性をなくす)デバイスを含むことができる。構造化光変調器5330は、例えば、プロジェクタであることができる。したがって、構造化光変調器5330は、構造化光及び非構造化光の両方を放射することが可能であることができる。特定の実施形態では、システムの撮像モジュール及び/又は原動モジュールは、構造化光変調器5330を制御することができる。構造化光変調器5330は、光のサブセットを第1のダイクロイックビームスプリッタ5338に透過することができ、第1のダイクロイックビームスプリッタ5338はこの光を第1のチューブレンズ5381に反射することができる。
【0176】
[0201] 第2の光源5334は、光を第2のダイクロイックビームスプリッタ5336に透過することができ、第2のダイクロイックビームスプリッタ5336は第3の光源5332からも光を受け取る。第3の光源5332は、対応する一対のリレーレンズ5001を通してミラー5003に光を透過することができる。加えて、ビームスプリッタ5338は、第3の光源5332及び第2の光源5334から光を受け取り、第1のチューブレンズ5381に透過することができる。第1、第2、及び第3の光源からの光は第1のチューブレンズ5381を透過し、第3のダイクロイックビームスプリッタ5339及びフィルタ変更器5005に送られる。第3のダイクロイックビームスプリッタは、光の一部を反射し、フィルタ変更器5005内の1つ又は複数のフィルタを通して光を対物レンズ5340に透過することができ、対物レンズ5340は、需要に応じて切り替えることができる複数の異なる対物レンズを有する対物レンズ変更器であり得る。光の幾らかは、第3のダイクロイックビームスプリッタ5339を透過し、ビームブロック5007により終了又は吸収され得る。第3のダイクロイックビームスプリッタ5339から反射された光は、対物レンズ5340を透過して試料面5320を照明し、試料面5320は、本明細書に記載される隔離ペン等のマイクロ流体デバイスの一部であることができる。結合光は、試料面5320における試料を照明、加熱、及び/又は励起させるように機能することができる。光は、試料面5320から反射及び/又は放射されて、対物レンズ変更器5340、フィルタ変更器5005、及び第3のダイクロイックビームスプリッタ5339を透過し、第2のチューブレンズ5382に達することができる。光は、第2のチューブレンズ5382(又は撮像チューブレンズ5382)を透過し、ミラー5015から反射して撮像センサ5348に達することができる。迷光バッフル5009、5011、及び5013を第1のチューブレンズ5381と第3のダイクロイックビームスプリッタ5339との間、第3のダイクロイックビームスプリッタ5339と第2のチューブレンズ5382、及び第2のチューブレンズ5382と撮像センサ5348との間に配置することができる。
【0177】
[0202]
図6Aは、本開示の幾つかの他の実施形態による、励起フィルタ2346a及
び放射フィルタ2346bを有する光学装置2350を含むシステム2000の概略図である。励起フィルタ及び放射フィルタは、光学装置2350の光路に挿入することができる。第1のチューブレンズ2381、第2のチューブレンズ2382、及び対物レンズ2340は、球面収差を導入せずにビームスプリッタ2338、励起フィルタ2346a、及び放射フィルタ2346bを光学装置2350の光路に容易に導入することができるような無限遠補正光学構成を形成する。
【0178】
[0203]
図6Bは、本開示の幾つかの他の実施形態により、ビームスプリッタ3338が第1の光源3332からの光線を反射するように構成される光学装置3350を含むシステム3000の概略図である。ビームスプリッタは、
図4A及び
図6Bにそれぞれ示されるように、第1の光源からの光線を透過又は反射し、対物レンズからの光線を反射又は透過するように構成することができる。
【0179】
[0204] 再び
図4Aを参照すると、光学装置は、マイクロ流体デバイス1320における微小物体を見て操作するように特に設計され構成された対物レンズ1340を含むことができる。例えば、従来の顕微鏡対物レンズは、マイクロ流体デバイス1320における微小物体が20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、又はそれらの間の任意の値の深度を有する複数の隔離ペン1226内部にある間、スライド上の又は5mmの水性流体を通して微小物体を見るように設計される。幾つかの実施形態では、透明カバー1320a、例えば、厚さ約750μmを有するガラス又はITOカバーを複数の隔離ペン1226の上部に配置することができる。したがって、従来の顕微鏡対物レンズを使用することにより得られる微小物体の画像は、球面収差及び色収差等の大きな収差を有し得、画質を低下させる恐れがある。光学装置1350の対物レンズ1340は、光学装置1350における球面収差及び色収差を補正するように構成することができる。
【0180】
[0205]
図6Cは、本開示の幾つかの更に他の実施形態による、対物レンズ4340からの収差を補正する補正レンズ4340bを有する光学装置4350を含むシステム4000の概略図である。対物レンズ4340は、従来の顕微鏡対物レンズ、例えば、Olympus又はNikonからの倍率4X、10X、20X等を有する対物レンズであることができる。対物レンズ4340は、光学設計の複雑さにより、顕微鏡対物レンズを再設計することは非常に困難でありコストがかかり得る。幾つかの実施形態では、補正レンズ4340bを使用して、従来の顕微鏡対物レンズ4340を使用することから生じる残存収差を補償、補正し、最小に抑えることができる。例えば、補正レンズ4340bは、対物レンズ4340とビームスプリッタ1338との間に挿入することができる。別の例では、補正レンズは、対物レンズとマイクロ流体デバイスとの間に挿入することができる。幾つかの他の実施形態では、第1のチューブレンズ及び第2のチューブレンズは、従来の顕微鏡対物レンズの残存収差を最小に抑えるように構成することができる。
【0181】
[0206] ここでも、再び
図4Aを参照すると、微小物体を撮像し操作するシステム1000の光学装置1350は多くの場合、利用可能な空間が限られていることにより、機械的な制約を有する。光学装置1350のチューブレンズ1381、1382は、機械的瀬要件及び光学要件を満たすように特に設計され構成する必要がある。幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズは、焦点距離約155mm又は約162mmを有することができ、第2のチューブレンズは焦点距離約180mmを有することができる。幾つかの他の実施形態では、第1のチューブレンズは焦点距離約180mmを有することができ、第2のチューブレンズは焦点距離約200mmを有することができる。
【0182】
[0207] 光学装置1350のチューブレンズ1381、1382の前焦点及び後焦点の共役は、従来のチューブレンズと異なるように配置される。一般に、従来のチューブレン
ズの場合、「後方焦点距離(BFL)」及び「前方焦点距離(FFL)」は概ね等しい。従来のチューブレンズの前焦点及び後焦点の共役は通常、チューブレンズの中間点から等しく離間され、対称である。しかしながら、光学装置1350の場合、対物レンズ1340と第1のチューブレンズ1381との間の「無限空間」は、機械的制約を満たすように構成する必要がある。幾つかの実施形態では、「無限空間」を最大化する必要がある。幾つかの実施形態では、「無限空間」を最小化する必要がある。幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズ1381の前焦点に対応する共役点は、利用可能な機械的空間を有するために、チューブレンズ1381の縁部から可能な限り離れて配置する必要がある。幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズ1381の後焦点に対応する別の共役点は、チューブレンズから構造化光変調器との間の距離を最小にするために、チューブレンズ1381の縁部の可能な限り近傍に配置する必要がある。したがって、チューブレンズ1381のBFLは最小化されるように設計又は構成する必要がある。幾つかの他の実施形態では、チューブレンズ1381のBFLは最大化されるように設計又は構成する必要がある。
【0183】
[0208] 同様に、幾つかの実施形態では、対物レンズ1340と第2のチューブレンズ1382との間の「無限空間」を最大化する必要がある。幾つかの他の実施形態では、対物レンズ1340と第2のチューブレンズ1382との間の「無限空間」を最小化する必要がある。例えば、第2のチューブレンズ1382が有効焦点距離(EFL)180mmを有する場合、従来のチューブレンズ設計では、前焦点及び後焦点である共役は、チューブレンズ1382の中間点から両側で180mmである。光学装置1350では、対物レンズ1340と第2のチューブレンズ1382との間の「無限空間」を最大にするために、チューブレンズ1382のBFLは、可能な限り短く最小化されるように構成又は設計することができる。幾つかの他の実施形態では、チューブレンズ1382のBFLは、可能な限り長く最大化されるように構成又は設計することができる。したがって、光学装置1350のチューブレンズ381、1382の前焦点及び後焦点の共役は、中間点から等しく離間されず、対称ではない。
【0184】
[0209]
図7Aは、EFL155mmを有する光学装置のチューブレンズ7381の光学概略図である。現在、162mmよりも短いEFLを有するチューブレンズは市販されていない。チューブレンズを透過する光線が大きな角度で湾曲し、したがって、大きな収差が生じるため、155mmという短いEFLを有するチューブレンズを設計することは困難である。チューブレンズと対物レンズとの間の「無限」空間を最小化するためには、特別な考慮が必要である。チューブレンズの前焦点及び後焦点は、チューブレンズの中間点から等しく離間されず、対称に配置されない。チューブ長のBFLは最小化される。例えば、チューブ長のBFLは、幾つかの実施形態では、約133mm、約134mm、約135mm、又は約136mmである。
【0185】
[0210] 例えば、EFL155mmを有するチューブレンズは、凸形及び正の曲率半径約91mmを有する第1の表面、凹形及び正の曲率半径約42mmを有する第2の表面、凹形及び負の曲率半径約-62mmを有する第3の表面、並びに凹形及び負の曲率半径約-116mmを有する第4の表面を含むことができる。チューブレンズは、44mm、45mm、46mm、47mm、48mm、49mm、50mmよりも大きな直径を有するクリアアパーチャを有することができる。例えば、チューブレンズは、約48mmの直径を有するクリアアパーチャを有することができる。
【0186】
[0211]
図7Bは、EFL162mmを有する光学装置のチューブレンズ7831’の光学概略図である。チューブレンズは、凸形及び正の曲率半径約95mmを有する第1の表面、凹形及び正の曲率半径約54mmを有する第2の表面、凹形及び負の曲率半径約-56mmを有する第3の表面、並びに凹形及び負の曲率半径約-105mmを有する第4
の表面を含むことができる。チューブレンズは、44mm、45mm、46mm、47mm、48mm、49mm、50mmよりも大きな直径を有するクリアアパーチャを有する。例えば、チューブレンズは、約48mmの直径を有するクリアアパーチャを有することができる。チューブレンズの前焦点及び後焦点は、中間点から等しく離間されず、対称に配置されない。チューブ長のBFLは最小化される。例えば、チューブ長のBFLは、幾つかの実施形態では、約144mm、約145mm、約146mm、又は約147mmである。
【0187】
[0212]
図7Cは、EFL180mmを有する光学装置のチューブレンズ7831’’の光学概略図である。チューブレンズは、凸形及び正の曲率半径約95mmを有する第1の表面、凹形及び正の曲率半径約64mmを有する第2の表面、凹形及び負の曲率半径約-60mmを有する第3の表面、並びに凹形及び負の曲率半径約-126mmを有する第4の表面を含むことができる。チューブレンズは、44mm、45mm、46mm、47mm、48mm、49mm、50mmよりも大きな直径を有するクリアアパーチャを有する。例えば、チューブレンズは、約48mmの直径を有するクリアアパーチャを有することができる。チューブレンズの前焦点及び後焦点は、中間点から等しく離間されず、対称に配置されない。チューブ長のBFLは最小化される。例えば、チューブ長のBFLは、幾つかの実施形態では、約161mm、約162mm、約163mm、約164mm、又は約165mmである。
【0188】
[0213]
図7Dは、EFL200mmを有する光学装置のチューブレンズ7381’’’の光学概略図である。チューブレンズは、凸形及び正の曲率半径約160mmを有する第1の表面、凹形及び負の曲率半径約-62mmを有する第2の表面、凹形及び負の曲率半径約-80mmを有する第3の表面、並びに凹形及び負の曲率半径約-109mmを有する第4の表面を含むことができる。チューブレンズは、44mm、45mm、46mm、47mm、48mm、49mm、50mmよりも大きな直径を有するクリアアパーチャを有する。例えば、チューブレンズは、約48mmの直径を有するクリアアパーチャを有することができる。チューブレンズの前焦点及び後焦点は、中間点から等しく離間されず、対称に配置されない。チューブ長のBFLは最小化される。例えば、チューブ長のBFLは、幾つかの実施形態では、約189mm、約190mm、約191mm、又は192mmである。例えば、チューブ長のBFLは191.08mmであることができる。
【0189】
[0214] 表1は、光学装置のチューブレンズのBFLの例をまとめている。表2は、光学装置のEFL155mmを有するレンズチューブのレンズデータの一例を示す。表3は、光学装置のEFL162mmを有するレンズチューブのレンズデータの一例を示す。表4は、光学装置のEFL180mmを有するレンズチューブのレンズデータの一例を示す。表5は、光学装置のEFL200mmを有するレンズチューブのレンズデータの一例を示す。
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
[0215]
図8Aは、光学システム8000により使用することができる光学構成の別の実施形態を示す。第1の光源8332(すなわち、レーザ)は、光をレンズリレー8001に発することができる。光はレンズリレーを透過して第1のミラー8003に達し、第1のミラー8003は光を反射し、第1のダイクロイックビームスプリッタ8336を透過させることができる。第1のダイクロイックビームスプリッタ8336は、第2の光源8334(すなわち、明視野LED)からも光を受け取り、その光を第1の光源からの光と共に反射し、第2のダイクロイックビームスプリッタ8338を透過させる。第2のダイクロイックビームスプリッタ8338は第3の光源8335から光を受け取ることもでき、第3の光源8335はまず、光を構造化光変調器8330に発することができ、構造化光変調器8330は、光の全て又は一部を第2のダイクロイックビームスプリッタ8338に反射することができる。レンズリレー8001の中間レーザ焦点面8017は、第1のダイクロイックビームスプリッタ8336と第2のダイクロイックビームスプリッタ8338との間に配置することができる。第2のダイクロイックビームスプリッタは、第3の光源8335からの光を反射し、第1の光源8332及び第2の光源8334からの
光を透過して第1のチューブレンズ8381に到達させる。結合光は第1のチューブレンズ8381を透過して第1のフィルタ8346を到達し、次に第3のダイクロイックビームスプリッタ8339に到達し、第3のダイクロイックビームスプリッタ8339は光を対物レンズ8340に反射することができ、対物レンズ8340は光を試料面8320に結像する。試料面8320は、結合光により照明され、加熱され、及び/又は励起し、励起に応答して、対物レンズ8340を透過し、次に第3のダイクロイックビームスプリッタ8339、第2のフィルタ8347、第2のチューブレンズ8382を透過し、そして撮像センサ(すなわち、カメラ)に到達する。
【0196】
[0216]
図8Bは、第1の光源8332(すなわち、レーザ)、第2の光源8334(すなわち、明視野LED)、及び第3の光源8335を有する光学システム8000’により使用することができる光学構成の別の実施形態を示す。第2の光源8334は、光を第1のミラー8003に発することができ、第1のミラー8003は光を第1のダイクロイックビームスプリッタ8336に向けて反射することができ、第1のダイクロイックビームスプリッタ8336は光を透過する。第1のダイクロイックビームスプリッタ8336は、第3の光源8335から光を受け取ることもでき、第3の光源8335はまず、光を構造化光変調器8330に発することができ、構造化光変調器8330は、光の全て又は一部を第1のダイクロイックビームスプリッタ8336に反射することができる。光は、第1のダイクロイックビームスプリッタ8336を通して反射又は透過して第1のフィルタ8346に到達し、そして第2のダイクロイックビームスプリッタ8338に到達し、第2のダイクロイックビームスプリッタ8338は光を対物レンズ8340に反射する。第1の光源8332は、光をコリメートレンズ8019に発することができ、コリメートレンズ8019は光を透過し、光は第3のダイクロイックビームスプリッタに到達し、第3のダイクロイックビームスプリッタは、光を反射し、光は第2のフィルタ、第2のダイクロイックビームスプリッタ8338を透過し、対物レンズ8340に到達する。全ての光源からの結合光は、対物レンズ8340により試料面に結像し、試料面は、励起後、光を発することができ、光は対物レンズ8340、第2のダイクロイックビームスプリッタ8338、第2のフィルタ8347、第3のダイクロイックビームスプリッタ8339、第2のチューブレンズ8382を透過し、撮像センサ8347(すなわち、カメラ)に到達する。
【0197】
[0217]
図8Cは、第1の光源8332(すなわち、レーザ)、第2の光源8334(すなわち、明視野LED)、及び第3の光源8335を有する光学システム8000’’により使用することができる光学構成の別の実施形態を示す。第2の光源8334は、光を第1のミラー8003に発することができ、第1のミラー8003は光を第1のダイクロイックビームスプリッタ8336に向けて反射することができ、第1のダイクロイックビームスプリッタ8336は光を透過する。第1のダイクロイックビームスプリッタ8336は、第3の光源8335から光を受け取ることもでき、第3の光源8335はまず、光を構造化光変調器8330に発することができ、構造化光変調器8330は、光の全て又は一部を第1のダイクロイックビームスプリッタ8336に反射することができる。光は、第1のダイクロイックビームスプリッタ8336、第1のチューブライン8381、及び第2のダイクロイックビームスプリッタ8338を通して反射又は透過する。第2のダイクロイックビームスプリッタ8338は、第1の光源8332から光を受け取ることもでき、第1の光源8332はまず、光をコリメートレンズ8019に発することができ、光はコリメートレンズ8019により透過されてから、第2のダイクロイックビームスプリッタ8338から反射される。第2のダイクロイックビームスプリッタ8338を通して反射され送られた光は、第1のフィルタ8346を透過して、第3のダイクロイックビームスプリッタ8339に到達し、第3のダイクロイックビームスプリッタ8339は光を対物レンズ8340に反射し、対物レンズ8340は光を試料面8320に結像する。試料は、励起からの光を発することができ、また、光を反射することもでき、光は対物
レンズ8340、第3のダイクロイックビームスプリッタ8339、第2のフィルタ8347、第2のチューブレンズ8382を透過し、撮像センサ8348(すなわち、カメラ)に到達する。
【0198】
[0218]
図8Dは、第1の光源8332(すなわち、レーザ)、第2の光源8334(すなわち、明視野LED)、及び第3の光源8335を有する光学システム8000’’’により使用することができる光学構成の更に別の実施形態を示す。第2の光源8334は、光を第1のミラー8003に発することができ、第1のミラー8003は光を第1のダイクロイックビームスプリッタ8336に向けて反射することができ、第1のダイクロイックビームスプリッタ8336は光を透過する。第1のダイクロイックビームスプリッタ8336は、第3の光源8335から光を受け取ることもでき、第3の光源8335はまず、光を構造化光変調器8330に発することができ、構造化光変調器8330は、光の全て又は一部を第1のダイクロイックビームスプリッタ8336に反射することができる。光は、第1のダイクロイックビームスプリッタ8336、第1のチューブライン8381、第1のフィルタ8346を通して反射又は透過し、第2のダイクロイックビームスプリッタ8338に到達し、第2のダイクロイックビームスプリッタ8338は、光を第3のダイクロイックビームスプリッタ8339を通して対物レンズ8340に反射する。第1の光源8332は、コリメートレンズ8019を通して第3のダイクロイックビームスプリッタ8339に光を発することができ、第3のダイクロイックビームスプリッタ8339は光を対物レンズ8240に反射することができる。結合光は、対物レンズにより試料面8320で結像されて、試料を照明、加熱、及び/又は励起させることができる。光は、試料から反射及び放射されて、対物レンズ8340、第3のダイクロイックビームスプリッタ8339、第2のダイクロイックビームスプリッタ8338、第2のチューブレンズ8382を通り、撮像センサ8348(すなわち、カメラ)に到達することができる。
【0199】
[0219]
図9A及び
図9Bは、本明細書に記載される任意の実施形態に組み込むことができる、フーリエタイコグラフィ顕微鏡法(FPM)とも呼ばれる角撮像技法の使用を示す。角撮像技法は、対物レンズの倍率を上げずに画像分解能を上げるのに使用することができる。例えば、これにより、10X対物レンズで20X分解能を達成することができる。FPMは、複数の比較的低分解能の画像を複数の異なる角度から撮影することにより機能する。空間領域とフーリエ領域とを切り替える反復プロセスを使用して、複数の画像からより高分解能の画像が計算的に生成される。
【0200】
[0220] ステップ1において、FPM法は、初期低分解能画像を撮影し、それを初期高分解能画像として割り当て、フーリエ変換を画像に適用して、フーリエ領域において広帯域スペクトルを生成することにより開始される。
【0201】
[0221] ステップ2において、ローパスフィルタを適用することにより、スペクトルの小さなサブ領域が選択され、次に、フーリエ変換が適用されて、空間領域における新しい低分解能標的画像を生成する。ローパスフィルタの形状は、対物レンズのコヒーレント伝達関数に対応する円形瞳である。ローパスフィルタの位置は、処理中の画像の照明の角度に対応して選択される。
【0202】
[0222] ステップ3において、標的画像の振幅成分が、現在の照明角度で得られた低分解能測定値の平方根で置換されて、更新された低分解能標的画像を形成する。フーリエ変換を更新された低分解能標的画像に適用し、これは、初期高分解能フーリエ空間の対応するサブ領域の置換に使用される。
【0203】
[0223] ステップ4において、ステップ2及びステップ3を他のサブ領域に対して繰り
返し、サブ領域が近傍サブ領域と重複することを確認して、収束を保証し、プロセスは全ての画像に対して繰り返される。
【0204】
[0224] ステップ5において、フーリエ空間において自己無撞着解が達成されるまで、ステップ2~4を繰り返す。次に、収束した解にフーリエ変換を適用して、空間領域に戻し、これが最終的な高分解能画像である。
【0205】
[0225]
図9Aは、構造化光変調器9330、チューブレンズ9381、対物レンズ9340、及び試料面9320を含む光学縦列の簡易化部分を示す。
図9Aでは、チューブレンズ9381と対物レンズ9340との間の光はコリメートされ、次に、対物レンズ9340はコリメート光を試料面9320に結像する。
図9Bは、FPMに使用することができる、構造化光変調器9330とチューブレンズ9381との間でのスライドレンズ9001の追加を示す。スライドレンズ9001は摺動可能に挿入することができ、光学縦列から取り外すことができる。幾つかの実施形態では、システムは、摺動可能に挿入及び取り外しのそれぞれを容易に行うことができる1つ又は複数の異なるスライドレンズ9001を有することができる。幾つかの実施形態では、スライドレンズの位置は、異なる角度から異なる画像を生成するように調整することができる。スライドレンズの挿入により、(i)チューブレンズ9381から対物レンズ9340に移動する光は、チューブレンズ9381と対物レンズ9340との間で結像され(コリメートされる代わりに)、(ii)対物レンズ9340から試料面9320に移動する光は、結像するのではなくコリメートされる。構造化光変調器9330の異なるセクションを選択的に照明することにより、試料面9320に衝突した光は異なる角度で到来する。次に、幾つかの角度から来た光で照明された試料面9320の画像を上述したように結合して、より高分解能の画像を生成する。構造化光変調器は、より高い分解能を達成するために、少なくとも8つの異なるセクションに分割することができる(異なる角度で試料面に到来する光を用いた少なくとも8つの画像が生成されるように)。構造化光変調器を12、16、20、24等の異なるセクション等の更に多くのセクションに分割して、異なる角度/画像を生成することで、更に良好な分解能が生成される。
【0206】
[0226] システムは、上述したFPM計算を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを有する計算デバイスを含むことができる。
【0207】
[0227] 試料の1つ又は複数の微小物体を操作する方法の様々な実施形態が本明細書に開示される。方法は、囲いを有するマイクロ流体デバイスに1つ又は複数の微小物体を含む試料を装填するステップを含むことができる。例えば、マイクロ流体デバイスは、表面及び表面上の複数の誘電泳動(DEP)電極を有する基板と、フロー領域と、複数の隔離ペンとを含むことができ、複数の各隔離ペンはフロー領域に流体的に接続される。
【0208】
[0228] 方法は、電圧電位をマイクロ流体デバイスにわたり印加するステップを含むことができる。方法は、光学装置を使用することにより、マイクロ流体デバイス内に配置された少なくとも1つの微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化するステップを含むことができる。
【0209】
[0229] 光学装置を使用して、構造化光をマイクロ流体デバイスの基板の表面の第1の位置に投影することができ、第1の位置は、基板の表面の第2の位置に隣接して配置され、第2の位置は、少なくとも1つの微小物体の下に配置される。
【0210】
[0230] 光学装置は、第1の光源、構造化光変調器、第1及び第2のチューブレンズ、対物レンズ、ダイクロイックビームスプリッタ、並びに画像センサを含むことができる。構造化光変調器は、第1の光源から非構造化光を受け取り、マイクロ流体デバイスの基板
の表面の複数のDEP電極の1つ又は複数の選択的活性化に適した構造化光を透過するように構成される。第1のチューブレンズは、構造化光変調器からの構造化光を捕捉し、構造化光を対物レンズに透過するように構成される。対物レンズは、第1のチューブレンズから送られた構造化光を受け取り、構造化光をマイクロ流体デバイスの囲い内に投影するように構成され、対物レンズは、対物レンズの視野内の囲いの少なくとも一部内から反射又は放射された光を受け取るように更に構成される。ダイクロイックビームスプリッタは、第1のチューブレンズと対物レンズとの間に配置することができ、ダイクロイックビームスプリッタは、第1のチューブレンズから受け取られた構造化項を対物レンズに透過し、対物レンズから受け取った光を第2のチューブレンズに反射するように構成される。第2のチューブレンズは、ダイクロイックビームスプリッタから反射光を受け取り、ハンスンは光を画像センサに透過するように構成される。画像センサは、第2のチューブレンズから反射光を受け取り、対物レンズの視野内の囲いの少なくとも一部の画像を記録するように構成される。
【0211】
[0231] 方法は、光学装置を使用して、構造化光を光作動式マイクロ流体デバイスの基板の表面の第1の位置から基板の表面の第3の位置に移動させることにより、生成されるDEP力の位置を少なくとも1つの微小物体に隣接するようにシフトするステップを含むことができる。
【0212】
[0232] 幾つかの実施形態では、方法は、画像センサを用いて、マイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部の画像を捕捉するステップを更に含むことができる。幾つかの実施形態では、マイクロ流体デバイスの囲いの撮像される部分は、少なくとも1つの隔離ペン及び少なくとも1つの微小物体を含む。
【0213】
[0233] 幾つかの実施形態では、光学装置は、非構造化光を生成する第2の光源を含み、方法は、光学装置を使用して、第2の光源からの非構造化光をマイクロ流体デバイスの囲い内に投影し、それにより、囲い内に明視野照明を提供することを更に含む。
【0214】
[0234] 幾つかの実施形態では、光学装置は、レーザ光源を含み、方法は、光学装置を使用して、レーザ光源からのレーザ光をマイクロ流体デバイスの囲いの基板の表面に投影することを更に含む。
【0215】
[0235] 幾つかの実施形態では、光学装置は、構造化光変調器と第1のチューブレンズとの間に位置決めされた第2のダイクロイックビームスプリッタを更に含み、構造化光変調器により送られた構造化光は、第2のダイクロイックビームスプリッタにより第1のチューブレンズに反射される。
【0216】
[0236] 幾つかの実施形態では、第2の光源により生成された非構造化光は、第2のダイクロイックビームスプリッタを通して第1のチューブレンズに送られる。幾つかの実施形態では、レーザ光源により生成されたレーザ光は、第2のダイクロイックビームスプリッタを通して第1のチューブレンズへの送信機である。
【0217】
[0237] 幾つかの実施形態では、基板面の第1の位置に投影される構造化光は複数の照明スポットを含む。幾つかの実施形態では、基板面の第1の位置は、マイクロ流体デバイスのフロー領域に配置され、基板面の第3の位置は、複数の隔離ペンの隔離ペンの1つ内に配置される。
【0218】
[0238] 幾つかの実施形態では、基板面の第1の位置に投影される構造化光は、線分又は脱字符号のような形状を含む。幾つかの実施形態では、基板面の第1の位置に投影される構造化光は、多角形の輪郭のような形状を有する。
【0219】
[0239] 幾つかの実施形態では、方法は、光学装置を使用して、構造化光をマイクロ流体デバイスの基板の表面の複数の第1の位置に投影することにより、マイクロ流体デバイス内に配置された複数の微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化するステップであって、複数の第1の位置のそれぞれは、基板の表面の対応する第2の位置に隣接して配置され、対応する第2の位置は、複数の対応する微小物体の下に配置される、DEP力を選択的に活性化するステップを更に含むことができる。
【0220】
[0240] 幾つかの実施形態では、方法は、光学装置を使用して、撮像される構造化光を基板面の複数の第1の位置から基板面の複数の対応する第3の位置に移すことにより、生成されるDEP力の位置を複数の微小物体に隣接するようにシフトさせるステップを更に含むことができる。
【0221】
[0241] 幾つかの実施形態では、方法は、囲いの少なくとも一部の画像を捕捉するステップを更に含むことができ、フロー領域の内部エリア及び撮像中の囲いの部分に配置された各隔離ペンのみを撮像することを含み、それにより、全体ノイズを低減し、高画質を達成する。幾つかの実施形態では、方法は、画像を分析して、フィードバック及び第1の位置の調整を提供するステップを更に含むことができる。
【0222】
[0242] 本明細書に開示されるのは、試料の1つ又は複数の微小物体を撮像する方法である。方法は、フロー領域を含む囲いを有するマイクロ流体装置に1つ又は複数の微小物体を含む試料を装填することを含むことができる。
【0223】
[0243] 方法は、囲いの少なくとも一部に投影される複数の対応する照明パターンを使用して、1つ又は複数の微小物体を含む囲いの少なくとも一部の複数の画像を捕捉することを含むことができ、複数の各照明パターンは、構造化光を使用して生成され、複数の他の照明パターンと異なり、複数の画像は光学装置を使用して捕捉される。
【0224】
[0244] 光学装置は、第1の光源、構造化光変調器、第1及び第2のチューブレンズ、対物レンズ、ダイクロイックビームスプリッタ、並びに画像センサを含むことができる。構造化光変調器は、第1の光源から非構造化光を受け取り、複数の照明パターンのいずれかに対応する構造化光を透過するように構成される。第1のチューブレンズは、構造化光変調器からの構造化光を捕捉し、構造化光を対物レンズに透過するように構成される。対物レンズは、第1のチューブレンズから送られた構造化光を受け取り、投影するように構成され、対物レンズは、囲いの少なくとも一部内から反射又は放射された光を受け取るように更に構成される。ダイクロイックビームスプリッタは、第1のチューブレンズと対物レンズとの間に配置され、ダイクロイックビームスプリッタは、第1のチューブレンズから受け取った構造化光を対物レンズに透過し、対物レンズから受け取った光を第2のチューブレンズに反射するように構成される。第2のチューブレンズは、ダイクロイックビームスプリッタからの反射光を受け取り、反射光を画像センサに透過するように構成される。画像センサは、第2のチューブレンズから反射光を受け取り、反射光から画像を記録するように構成される。方法は、複数の画像を結合して、囲いの一部に配置された1つ又は複数の微小物体の1つの画像を生成することを更に含むことができ、結合するステップは、複数の画像のそれぞれを処理して、焦点ボケ背景光を除去することを含む。
【0225】
[0245] 幾つかの実施形態では、マイクロ流体装置はフロー領域を含み、1つ又は複数の微小物体はフロー領域に配置される。幾つかの実施形態では、マイクロ流体装置は、フロー領域及び複数の隔離ペンを含み、複数の各隔離ペンはフロー領域に流体的に接続され、1つ又は複数の微小物体は、複数の隔離ペンの1つ又は複数及び/又はフロー領域に配置される。
【0226】
[0246] 幾つかの実施形態では、囲いの少なくとも一部に投影される複数の対応する照明パターン及び画像センサにおいて捕捉される、対応する画像は、同時にピントが合う。幾つかの実施形態では、複数の対応する照明パターンは、囲い内の視野を通してスキャンするように構成される。
【0227】
[0247] 開示される本発明の特定の実施形態を本明細書に示し説明したが、本発明を限定する意図がないことが当業者には理解され、開示される本発明の範囲から逸脱せずに様々な変更及び変形(例えば、様々な部品の寸法)を行い得、開示される本発明の範囲が以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によってのみ規定されるべきであることが当業者には明らかである。したがって、明細書及び図面は限定ではなく例示の意味で見なされるべきである。
【0228】
[0248] 開示の実施形態の記載
[0249] 1.マイクロ流体デバイスの囲い内の微小物体を撮像する光学装置であって、非構造化光線を第1の光源から受け取り、マイクロ流体デバイスの囲いに配置された微小物体の照明に適した構造化光線を反射又は透過するように構成された構造化光変調器と、
構造化光変調器からの構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズと、
マイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部を含む視野からの画像光線を捕捉し透過するように構成された対物レンズと、
第1のチューブレンズから構造化光線を受け取り、反射又は透過するように構成され、対物レンズからの画像光線を受け取り、透過又は反射するように更に構成された第1のダイクロイックビームスプリッタと、
第1のダイクロイックビームスプリッタからの画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズと、
第2のチューブレンズから画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、画像センサは、第2のチューブレンズから受け取った画像光線に基づいて視野の画像を形成する、画像センサと、
を含む、光学装置。
【0229】
[0250] 2.構造化光変調器は、少なくとも15mmの活性エリアを含む、実施形態1の光学装置。幾つかの実施形態では、構造化光変調器は、少なくとも15.5mm、少なくとも16.0mm、少なくとも16.5mm、少なくとも17.0mm、又は少なくとも17.0mm超の活性エリアを含み得る。
【0230】
[0251] 3.第1のチューブレンズは、少なくとも45mmのクリアアパーチャを有する、実施形態1又は2の光学装置。
【0231】
[0252] 4.第1のチューブレンズは、構造化光変調器からの略全ての光線(例えば、構造化光変調器からの全ての又は略全ての構造化光線)を捕捉するように構成されたクリアアパーチャを有する、実施形態3の光学装置。
【0232】
[0253] 5.第1のチューブレンズは、約162mm(例えば、162mm+/-0.8mm)以下の有効焦点距離を有する、実施形態1~4のいずれか1つの光学装置。
【0233】
[0254] 6.第1のチューブレンズは、約155mm(例えば、155mm+/-0.8mm)の有効焦点距離を有する、実施形態1~4のいずれか1つの光学装置。
【0234】
[0255] 7.第1のチューブレンズは、約0.071から約0.085の開口数を有す
る、実施形態1~5のいずれか1つの光学装置。幾つかの実施形態では、第1のチューブレンズは、約0.074から約0.082、又は約0.076から約0.080の開口数を有し得る。
【0235】
[0256] 8.第2のチューブレンズは、約180mm+/-0.9mm(又はこれを超える)の有効焦点距離を有する、実施形態1~7のいずれか1つの光学装置。
【0236】
[0257] 9.第2のチューブレンズは、約200mm+/-1mmの有効焦点距離を有する、実施形態1~7のいずれか1つの光学装置。
【0237】
[0258] 10.第2のチューブレンズは、約0.063から約0.077の開口数を有する、実施形態1~9のいずれか1つの光学装置。幾つかの実施形態では、第2のチューブレンズは、約0.066から約0.074、又は約0.068から約0.072の開口数を有し得る。
【0238】
[0259] 11.画像センサは、少なくとも16.5mmの活性エリアを含む、実施形態1~10のいずれか1つの光学装置。幾つかの実施形態では、画像センサは、少なくとも17.0mm、少なくとも17.5mm、少なくとも18.0mm、少なくとも18.5mm、少なくとも19.0mm、又は少なくとも19.0mmの活性エリアを含み得る。
【0239】
[0260] 12.装置は、対物レンズの背後におけるアパーチャストップを特徴とし、アパーチャストップは少なくとも25mmである、実施形態1~11のいずれか1つの光学装置。幾つかの実施形態では、アパーチャストップは、少なくとも26mm、少なくとも27mm、少なくとも28mm、少なくとも29mm、少なくとも29mm超、又は24mmから26mmである。
【0240】
[0261] 13.第1のダイクロイックビームスプリッタは、(i)第1のチューブレンズからの光線を対物レンズに反射し、(ii)対物レンズからの光線を第2のチューブレンズに透過するように構成される、実施形態1~12のいずれか1つの光学装置。
【0241】
[0262] 14.第1のダイクロイックビームスプリッタは、(i)第1のチューブレンズからの光線を対物レンズに透過し、(ii)対物レンズからの光線を第2のチューブレンズに反射するように構成される、実施形態1~12のいずれか1つの光学装置。
【0242】
[0263] 15.対物レンズは、画像センサによって形成される視野の画像の収差を最小に抑えるように構成される、実施形態1~14のいずれか1つの光学装置。
【0243】
[0264] 16.第2のチューブレンズは、対物レンズの残存収差を補正するように構成される、実施形態16の光学装置。
【0244】
[0265] 17.対物レンズの残存収差を補正するように構成された補正レンズを更に含む、実施形態15又は16の光学装置。
【0245】
[0266] 18.構造化光変調器は、画像センサの共役面に配置される、実施形態1~17のいずれか1つの光学装置。
【0246】
[0267] 19.装置は、共焦点撮像を実行するように構成される、実施形態1~18のいずれか1つの光学装置。
【0247】
[0268] 20.構造化光変調器と第1のチューブレンズとの間に摺動可能に位置決めさ
れるスライドレンズを更に含み、スライドレンズは、タイコグラフィ顕微鏡法をサポートするように構成される、実施形態1~17のいずれか1つの光学装置。
【0248】
[0269] 21.第1の光源を更に含む、実施形態1~20のいずれか1つの光学装置。
【0249】
[0270] 22.第1の光源は、少なくとも10ワットの電力を有する、実施形態21の光学装置。
【0250】
[0271] 23.構造化光変調により反射又は透過された構造化光線は、マイクロ流体デバイスの基板の表面上にあるか、又は表面により構成される複数の誘電泳動(DEP)電極の1つ又は複数を選択的に活性化するのに適する、実施形態21又は22に記載の光学装置。
【0251】
[0272] 24.第2の光源(例えば、LED又はレーザ)を更に含む、実施形態21又は22の光学装置。
【0252】
[0273] 25.第2の光源は、非構造化明視野照明を提供するように構成される、実施形態24の光学装置。
【0253】
[0274] 26.第2の光源はレーザを含む、実施形態24又は25の光学装置。
【0254】
[0275] 27.第2のダイクロイックビームスプリッタを更に含む(例えば、第2のダイクロイックビームスプリッタは、構造化光変調器からの構造化光線を第1のチューブレンズに反射するように構成し得、任意選択的に、第2のダイクロイックビームスプリッタは、第2の光源からの非構造化光線も第1のチューブレンズに透過することができる)、実施形態1~26のいずれか1つの光学装置。
【0255】
[0276] 28.第3の光源を更に含む、実施形態24~27のいずれか1つの光学装置。
【0256】
[0277] 29.第3の光源はレーザを含み、任意選択的に、第3の光源のレーザは、マイクロ流体デバイスの内面及び/又はマイクロ流体デバイスの囲い内に配置される液体媒体を加熱するように構成される(例えば、レーザは、マイクロ流体デバイスの囲い内に気泡を生成するのに十分な量で加熱するように構成し得る)、実施形態28の光学装置。
【0257】
[0278] 30.ネストを更に含み、ネストはマイクロ流体デバイスを保持するように構成される、実施形態1~29のいずれか1つの光学装置。
【0258】
[0279] 31.ネストは、マイクロ流体デバイスへの少なくとも1つの電気接続を提供するように更に構成される、実施形態30の光学装置。
【0259】
[0280] 32.ネストは、マイクロ流体デバイスへの流体接続を提供するように更に構成される、実施形態30又は31の光学装置。
【0260】
[0281] 33.マイクロ流体デバイスは、ガラスを含むカバーを含み、カバーは約600μm以上の厚さを有する(例えば、カバーは約600μmから約1000μm、約625μmから約850μm、又は約640μmから約700μmの厚さを有し得る)、実施形態1~32のいずれか1つの光学装置。
【0261】
[0282] 34.命令を構造化光変調器に提供する制御ユニットを更に含み、命令は、構
造化光変調器に1つ又は複数の照明パターンを生成させる、実施形態1~33のいずれか1つの光学装置。
【0262】
[0283] 35.照明パターンは経時変化する(例えば、パターンが時間に応じて移動して見えるように、第1のパターンは第2のパターンで置換され、第2のパターンは第3のパターンで置換され、以下同様である)、実施形態34の光学装置。
【0263】
[0284] 36.微小物体を撮像するシステムであって、
囲いを含むマイクロ流体デバイスであって、囲いは、基板の表面上に配置されるか、又は基板の表面により構成される複数の誘電泳動(DEP)電極を有する基板を含む、マイクロ流体デバイスと、
マイクロ流体デバイスの囲い内の微小物体を撮像するように構成された光学装置であって、
非構造化光線を第1の光源から受け取り、マイクロ流体デバイスの囲いに配置された微小物体の照明に適した構造化光線を反射又は透過するように構成された構造化光変調器と、
構造化光変調器からの構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズと、
マイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部を含む視野からの画像光線を捕捉し透過するように構成された対物レンズと、
第1のチューブレンズから構造化光線を受け取り、反射又は透過するように構成され、対物レンズからの画像光線を受け取り、透過又は反射するように更に構成された第1のダイクロイックビームスプリッタと、
第1のダイクロイックビームスプリッタからの画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズと、
第2のチューブレンズから画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、画像センサは、第2のチューブレンズから受け取った画像光線に基づいて視野の画像を形成する、画像センサと、
を含む、光学装置と、
マイクロ流体デバイスが光学装置により撮像することができる位置にマイクロ流体デバイスを保持するネストと、
を含む、システム。
【0264】
[0285] 37.光学装置は実施形態2~29のいずれか1つに従って構成される、実施形態36のシステム。
【0265】
[0286] 38.ネストは、マイクロ流体デバイスへの少なくとも1つの電気接続を提供する、実施形態36又は37のシステム。
【0266】
[0287] 39.ネクストは、マイクロ流体デバイスへの流体接続を提供する、実施形態36~38のいずれか1つのシステム。
【0267】
[0288] 40.命令を構造化光変調器に提供する制御ユニットを更に含み、命令は、構造化変調器に1つ又は複数の照明パターンを生成させる、実施形態36~39のいずれか1つのシステム。
【0268】
[0289] 41.照明パターンは経時変化する、(例えば、パターンが時間に応じて移動して見えるように、第1のパターンは第2のパターンで置換され、第2のパターンは第3のパターンで置換され、以下同様である)、実施形態40のシステム。
【0269】
[0290] 42.試料の1つ又は複数野微小物体を操作する方法であって、
基板を含む囲いを有するマイクロ流体デバイスに、1つ又は複数の微小物体を含む試料を装填することであって、基板は、基板の表面上に配置されるか、又は表面により構成される複数の光作動式誘電泳動(DEP)電極を含む、装填することと、
電圧電位をマイクロ流体デバイスにわたり印加することと、
光学装置を使用して、構造化光をマイクロ流体デバイスの基板の表面の第1の位置に投影することにより、マイクロ流体デバイス内に配置された少なくとも1つの微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化することであって、第1の位置は、複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含み、基板の表面の第2の位置に隣接して配置され、第2の位置は少なくとも1つの微小物体の下に配置され、光学装置は、第1の光源、非構造化光線を第1の光源から受け取り、マイクロ流体デバイスの基板の表面の第1の位置における1つ又は複数のDEP電極を選択的に活性化するのに適した構造化光線を透過するように構成された構造化光変調器、構造化光変調器からの構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズ、第1のチューブレンズから透過された構造化光線を捕捉し、構造化光線をマイクロ流体デバイスの基板の表面の第1の位置に投影するように構成された対物レンズであって、対物レンズは、マイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部を含む視野から反射又は発せられた画像光線を捕捉し透過するように更に構成され、視野は、基板の表面の第1の位置及び第2の位置を包含する、対物レンズ、第1のチューブレンズから受け取った構造化光線を対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、対物レンズから受け取った画像光線を透過又は反射するように更に構成される第1のダイクロイックビームスプリッタ、第1のダイクロイックビームスプリッタから画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズ、及び第2のチューブレンズから画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、画像センサは、第2のチューブレンズから受け取った画像光線に基づいて視野の画像を記録する、画像センサを含む、DEP力を選択的に活性化することと、
光学装置を使用して、投影された構造化光をマイクロ流体デバイスの基板の表面の第1の位置から基板の表面の第3の位置に移すことにより、生成されるDEP力の位置を少なくとも1つの微小物体に隣接するようにシフトさせることであり、第3の位置も、複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含む、シフトさせること、
を含む、方法。
【0270】
[0291] 43.第3の位置は視野に包含される、実施形態42の実施形態の方法。
【0271】
[0292] 44.第3の位置は、第2の位置に重複し、又は第2の位置を包含する、実施形態42又は43の方法。
【0272】
[0293] 45.画像センサを用いて視野の画像を記録することを更に含む、実施形態42~44のいずれか1つの方法。
【0273】
[0294] 46.マイクロ流体デバイスの囲いは、少なくとも1つの隔離ペンが流体的に接続されるフロー領域を含む、実施形態42~45のいずれか1つの方法。
【0274】
[0295] 47.視野は、少なくとも1つの隔離ペンの隔離ペン及びフロー領域の少なくとも一部を包含する、実施形態46の方法。
【0275】
[0296] 48.光学装置は、非構造化光を生成する第2の光源を含み、方法は、光学装置を使用して、第2の光源からの非構造化光をマイクロ流体デバイスの囲いに投影し、それにより、囲い内に明視野照明を提供することを更に含む、実施形態42~47のいずれか1つの方法。
【0276】
[0297] 49.光学装置はレーザ光源を含み、方法は、光学装置を使用して、レーザ光源からのレーザ光をマイクロ流体デバイスの囲い内の表面(例えば、基板の表面の第4の位置)に投影することを更に含む、実施形態42又は48のいずれか1つの方法。
【0277】
[0298] 50.光学装置は、構造化光変調器と第1のチューブレンズとの間に位置決めされた第2のダイクロイックビームスプリッタを更に含み、構造化光変調器により透過された構造化光線は、第2のダイクロイックビームスプリッタにより第1のチューブレンズ内に反射される、実施形態42~49のいずれか1つの方法。
【0278】
[0299] 51.第2の光源により生成された非構造化光は、第2のダイクロイックビームスプリッタを透過して第1のチューブレンズに達する、実施形態50の方法。
【0279】
[0300] 52.レーザ光源により生成されたレーザ光は、第2のダイクロイックビームスプリッタを透過して第1のチューブレンズに達する、実施形態50又は51の方法。
【0280】
[0301] 53.基板面の第1の位置に投影された構造化光は、複数の照明スポットを含む、実施形態42~52のいずれか1つの方法。
【0281】
[0302] 54.基板面の第1の位置は、マイクロ流体デバイスのフロー領域に配置され、基板面の第3の位置は、複数の隔離ペンの隔離ペンの1つ内に配置される、実施形態46の方法。
【0282】
[0303] 55.基板面の第1の位置に投影された構造化光は、線分又は脱字符号のような形状を含む、実施形態42~54のいずれか1つの方法。
【0283】
[0304] 56.基板面の第1の位置に投影された構造化光は、多角形の輪郭のような形状を有する、実施形態55の方法。幾つかの実施形態では、形状は、正方形、矩形、菱形等の四辺多角形又は五角形等の輪郭を有し得る。
【0284】
[0305] 57.光学装置を使用して、構造化光をマイクロ流体デバイスの基板の表面の複数の第1の位置に投影することにより、マイクロ流体デバイス内に配置された複数の微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化することであって、複数の第1の位置のそれぞれは、複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含み、基板の表面の対応する第2の位置に隣接して配置され、対応する第2の位置は、複数の対応する微小物体の下に配置される、DEP力を選択的に活性化することと、
光学装置を使用して、投影された構造化光をマイクロ流体デバイスの基板面の複数の第1の位置から基板面の複数の対応する第3の位置に移すことにより、生成されるDEP力の位置を複数の微小物体に隣接するようにシフトさせることと
を更に含む、実施形態42~56のいずれか1つの方法。
【0285】
[0306] 58.視野の画像を記録することは、フロー領域の内部エリア及び視野内に配置された各隔離ペンのみを撮像する(それにより、全体ノイズを低減し、高画質を達成する)ことを含む、実施形態47の方法。
【0286】
[0307] 59.記録された画像を分析して、フィードバック及び第1の位置の調整を提供することを更に含む、実施形態45の方法。
【0287】
[0308] 60.試料の1つ又は複数の微小物体を撮像する方法であって、
1つ又は複数の微小物体を含む試料をマイクロ流体デバイスの囲いに装填することと、
視野に投影される複数の対応する照明パターンを使用して、1つ又は複数の微小物体を
含む囲いの少なくとも一部を包含する視野の複数の画像を捕捉することであって、複数の各照明パターンは、構造化光を使用して生成され、複数の他の照明パターンと異なり、複数の画像は、光学装置を使用して捕捉され、光学装置は、第1の光源、非構造化光線を第1の光源から受け取り、複数の照明パターンのいずれかに対応する構造化光線を透過するように構成された構造化光変調器、構造化光変調器からの構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズ、第1のチューブレンズから透過された構造化光線を捕捉し、構造化光線を視野により包含されるマイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部に投影するように構成された対物レンズであって、対物レンズは、視野内から反射又は放射された画像光線を受け取るように更に構成される、対物レンズ、第1のチューブレンズから受け取った構造化光線を対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、対物レンズから受け取った画像光線を透過又は反射するように更に構成される第1のダイクロイックビームスプリッタ、第1のダイクロイックビームスプリッタから画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズ、及び第2のチューブレンズから画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、画像センサは、第2のチューブレンズから受け取った画像光線に基づいて視野の画像を記録する、画像センサを含む、捕捉することと、
複数のデジタル画像を結合することであって、それにより、視野に配置された1つ又は複数の微小物体の共焦点画像を生成し、結合するステップは、複数の画像のそれぞれを処理して、焦点ボケ背景光を除去することを含む、結合することと、
を含む、方法。
【0288】
[0309] 61.マイクロ流体装置はフロー領域を含み、1つ又は複数の微小物体はフロー領域に配置される、実施形態60の方法。
【0289】
[0310] 62.マイクロ流体装置は、フロー領域及び複数の隔離ペンを含み、複数の各隔離ペンはフロー領域に流体的に接続され、1つ又は複数の微小物体は、複数の隔離ペンの1つ又は複数及び/又はフロー領域に配置される、実施形態60の方法。
【0290】
[0311] 63.視野に投影される複数の対応する照明パターン及び画像センサにおいて捕捉される対応する画像は、同時にピントが合う、実施形態60~62のいずれか1つの方法。
【0291】
[0312] 64.複数の対応する照明パターンは、視野を通してスキャンするように構成される、実施形態60~63のいずれか1つの方法。
【0292】
[0313] 65.マイクロ流体デバイスにおいて微小物体を撮像する光学装置のチューブレンズであって、
凸形及び第1の曲率半径を有する第1の表面と、
第2の曲率半径を有する第2の表面と、
凹形及び第3の曲率半径を有する第3の表面と、
凹形及び第4の曲率半径を有する第4の表面と、
少なくとも45mmの直径を有するクリアアパーチャと、
を含み、第1の曲率半径は正であり、第3の曲率半径は負であり、第4の曲率半径は負であり、チューブレンズの前焦点及び後焦点は、チューブレンズの中間点から等しく離間されず、及び/又は対称に配置されない、チューブレンズ。
【0293】
[0314] 66.チューブレンズの後方焦点距離(BFL)は最小化される、実施形態65のチューブレンズ。
【0294】
[0315] 67.チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約155mm(例えば、1
55mm+/-1mm)及び後方焦点距離(BFL)約135mm(例えば、135mm+/-1mm)を有する、実施形態65のチューブレンズ。
【0295】
[0316] 68.チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約162mm(例えば、162mm+/-1mm)及び後方焦点距離(BFL)約146mm(例えば、146mm+/-1mm)を有する、実施形態65のチューブレンズ。
【0296】
[0317] 69.チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約180mm(例えば、180mm+/-1mm)及び後方焦点距離(BFL)約164mm(例えば、164mm+/-1mm)を有する、実施形態65のチューブレンズ。
【0297】
[0318] 70.チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約200mm(例えば、200mm+/-1mm)及び後方焦点距離(BFL)約191mm(例えば、191mm+/-1mm)を有する、実施形態65のチューブレンズ。
【0298】
[0319] 71.チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約155mm(例えば、155mm+/-0.78mm)を有し、第1の曲率半径は約91mm(例えば、91mm+/-0.45mm)であり、第2の曲率半径は約42mm(例えば、42mm+/-0.21mm)であり、第3の曲率半径は約-62mm(例えば、-62mm+/-0.31mm)であり、第4の曲率半径は約-116mm(例えば、-116mm+/-0.58mm)である、実施形態65のチューブレンズ。
【0299】
[0320] 72.チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約162mm(例えば、162mm+/-0.81mm)を有し、第1の曲率半径は約95mm(例えば、95mm+/-0.48mm)であり、第2の曲率半径は約54mm(例えば、54mm+/-0.27mm)であり、第3の曲率半径は約-56mm(例えば、-56mm+/-0.28mm)であり、第4の曲率半径は約-105mm(例えば、-105mm+/-0.53mm)である、実施形態65のチューブレンズ。
【0300】
[0321] 73.チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約180mm(例えば、180mm+/-0.90mm)を有し、第1の曲率半径は約95mm(例えば、95mm+/-0.48mm)であり、第2の曲率半径は約64mm(例えば、64mm+/-32mm)であり、第3の曲率半径は約-60mm(例えば、-60mm+/-0.30mm)であり、第4の曲率半径は約-126mm(例えば、-126mm+/-0.63mm)である、実施形態65のチューブレンズ。
【0301】
[0322] 74.チューブレンズは、有効焦点距離(EFL)約200mm(例えば、200mm+/-1.0mm)を有し、第1の曲率半径は約160mm(例えば、160mm+/-0.80mm)であり、第2の曲率半径は約-62mm(例えば、-62mm+/-0.31mm)であり、第3の曲率半径は約-80mm(例えば、-80mm+/-0.40mm)であり、第4の曲率半径は約-109mm(例えば、-109mm+/-0.55mm)である、実施形態65のチューブレンズ。
【0302】
[0323] 75.試料の1つ又は複数の微小物体を撮像する方法であって、
1つ又は複数の微小物体を含む試料をマイクロ流体デバイスの囲いに装填することと、
視野に投影される対応する複数の光照明角度を使用して、1つ又は複数の微小物体を含む囲いの少なくとも一部を包含する視野の複数の画像を捕捉することであって、複数の画像は、光学装置を使用して捕捉され、光学装置は、第1の光源、非構造化光線を第1の光源から受け取り、複数の照明パターンのいずれかに対応する構造化光線を透過するように構成された構造化光変調器、構造化光変調器からの構造化光線を捕捉し透過するように構
成された第1のチューブレンズ、第1のチューブレンズから透過された構造化光線を捕捉し、構造化光線を視野により包含されるマイクロ流体デバイスの囲いの少なくとも一部に投影するように構成された対物レンズであって、対物レンズは、視野内から反射又は放射された画像光線を受け取るように更に構成される、対物レンズ、第1のチューブレンズから受け取った構造化光線を対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、対物レンズから受け取った画像光線を透過又は反射するように更に構成される第1のダイクロイックビームスプリッタ、第1のダイクロイックビームスプリッタから画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズ、第2のチューブレンズから画像光線を受け取るように構成された画像センサ、及び構造化光変調器と第1のチューブレンズとの間に位置決めされるスライドレンズであって、スライドレンズはタイコグラフィ顕微鏡法をサポートするように構成される、スライドレンズを含む、捕捉することと、
複数の捕捉された画像を繰り返し結合して、捕捉された画像のいずれかよりも高い分解能を有する合成画像を生成することと、
を含む、方法。
【0303】
[0324] 76.マイクロ流体装置はフロー領域を含み、1つ又は複数の微小物体はフロー領域に配置される、実施形態75の方法。
【0304】
[0325] 77.マイクロ流体装置は、フロー領域及び複数の隔離ペンを含み、複数の各隔離ペンはフロー領域に流体的に接続され、1つ又は複数の微小物体は、複数の隔離ペンの1つ又は複数及び/又はフロー領域に配置される、実施形態75の方法。
【0305】
[0326] 78.複数の捕捉された画像は、少なくとも8つの画像を含む、実施形態75~77のいずれか1つの方法。幾つかの実施形態では、複数の捕捉画像は少なくとも10、12、16、20、24、又はそれを超える画像を含む。
【0306】
[0327] 79.複数の光照明角度は、構造化光変調器の対応する複数の異なる部分からの構造化光により生成される、実施形態75~78のいずれか1つの方法。
【0307】
[0328] 80.構造化光変調器の異なる部分は、重複しない(又は実質的に重複しない)、実施形態79の方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体デバイスの囲い内の微小物体を撮像する光学装置であって、
非構造化光線を第1の光源から受け取り、前記マイクロ流体デバイスの囲いに配置された微小物体の照明に適した構造化光線を反射又は透過するように構成された構造化光変調器であって、少なくとも15mmの活性エリアを含む、構造化光変調器と、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉しコリメートな構造化光線を生成するように構成された第1のチューブレンズであって、約162mm以下の有効焦点距離(EFL)を有する第1のチューブレンズと、
前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの少なくとも一部を含む視野からの画像光線を捕捉し、コリメートな画像光線を生成するように構成された対物レンズと、
前記第1のチューブレンズから前記コリメートな構造化光線を受け取り、前記対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、前記対物レンズからの前記コリメートな画像光線を受け取り、透過又は反射するように更に構成された第1のダイクロイックビームスプリッタと、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタからの前記コリメートな画像光線を受け取り前記コリメートな画像光線を集束させるように構成された第2のチューブレンズと、
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて前記視野の画像を形成する画像センサと、
を備え、
前記第1のチューブレンズが、前記構造化光線の光路に沿って以下の順で配列された、
凸形及び第1の曲率半径を有する第1の表面と、
第2の曲率半径を有する第2の表面と、
凹形及び第3の曲率半径を有する第3の表面と、
凹形及び第4の曲率半径を有する第4の表面と、
少なくとも45mmの直径を有するクリアアパーチャと、
を備え、
前記第1の曲率半径が正であり、前記第3の曲率半径が負であり、前記第4の曲率半径が負であり、
前記第1のチューブレンズの前焦点及び後焦点が、前記第1のチューブレンズの中間点から等しく離間されておらず、
前記第1のチューブレンズが、3枚のレンズで構成された1枚の接合レンズを備える、
光学装置。
【請求項2】
前記第1のチューブレンズが、155mmから162nmの間の有効焦点距離を有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記第1のチューブレンズが、約0.071から約0.085の開口数を有する、請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記第1のチューブレンズの後方焦点距離(BFL)が最小化される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
前記第1のチューブレンズが、
約155mm(例えば、155mm+/-1mm)のEFL及び約135mm(例えば、135mm+/-1mm)のBFLを有する、又は
約162mm(例えば、162mm+/-1mm)のEFL及び約146mm(例えば、146mm+/-1mm)のBFLを有する、
請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
前記第2のチューブレンズが、約180mm以上のEFL、又は約200mm以上のEFLを有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項7】
前記第2のチューブレンズが、約0.063から約0.077の開口数を有する、請求項1に記載の光学装置。
【請求項8】
前記画像センサが、少なくとも18.0mmの活性エリアを含む、請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記対物レンズの背後におけるアパーチャストップを特徴とし、前記アパーチャストップが少なくとも25mmである、請求項1に記載の光学装置。
【請求項10】
前記対物レンズが、前記画像センサによって形成される前記視野の前記画像の収差を最小に抑えるように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項11】
前記第2のチューブレンズが、前記対物レンズの残存収差を補正するように構成される、請求項10に記載の光学装置。
【請求項12】
前記対物レンズの残存収差を補正するように構成された補正レンズを更に備える、請求項10に記載の光学装置。
【請求項13】
前記構造化光変調器が、前記画像センサの共役面に配置される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項14】
非構造化明視野照明を提供するように構成された、又はレーザ光を提供するよう構成された第2の光源を更に備える、請求項1に記載の光学装置。
【請求項15】
第3の光源を更に備え、前記第3の光源がレーザを備え、前記第3の光源の前記レーザが、前記マイクロ流体デバイスの内面及び/又は前記マイクロ流体デバイスの前記囲い内に配置される液体媒体を加熱するように構成される、請求項1に記載の光学装置。
【請求項16】
ネストを更に備え、前記ネストが前記マイクロ流体デバイスを保持するように構成され、
前記ネストが、前記マイクロ流体デバイスへの少なくとも1つの電気接続を提供するように更に構成されるか、又は前記ネストが、前記マイクロ流体デバイスへの流体接続を提供するように更に構成される、
請求項1に記載の光学装置。
【請求項17】
命令を前記構造化光変調器に提供する制御ユニットを更に備え、前記命令が、前記構造化光変調器に1つ又は複数の照明パターンを生成させる、請求項1に記載の光学装置。
【請求項18】
前記1つ又は複数の照明パターンが、前記マイクロ流体デバイスの複数のDEP電極の1以上を選択的に活性化する、請求項17に記載の光学装置。
【請求項19】
マイクロ流体デバイスの囲い中の微小物体を撮像する光学装置であって、
非構造化光線を第1の光源から受け取り、前記マイクロ流体デバイスの前記囲いに配置された微小物体の照明に適した構造化光線を反射又は透過するように構成された構造化光変調器であって、少なくとも15mmの活性エリアを含む、構造化光変調器と、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉し透過するように構成された第1のチューブレンズであって、約162mm以下又は約155nm以下の有効焦点距離(EFL)を有する第1のチューブレンズと、
前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの少なくとも一部を含む視野からの画像光線を捕捉し透過するように構成された対物レンズと、
前記第1のチューブレンズから前記構造化光線を受け取り、反射又は透過するように構成され、前記対物レンズからの前記画像光線を受け取り、透過又は反射するように更に構成された第1のダイクロイックビームスプリッタと、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタからの前記画像光線を受け取り透過するように構成された第2のチューブレンズと、
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて、前記視野の画像を形成する画像センサと、
を備え、
前記第2のチューブレンズが、前記構造化光線の光路に沿って以下の順で配列された、
凸形及び第1の曲率半径を有する第1の表面と、
第2の曲率半径を有する第2の表面と、
凹形及び第3の曲率半径を有する第3の表面と、
凹形及び第4の曲率半径を有する第4の表面と、
少なくとも45mmの直径を有するクリアアパーチャと、
を含み、
前記第1の曲率半径は正であり、前記第3の曲率半径は負であり、前記第4の曲率半径は負であり、
当該第2のチューブレンズの前焦点及び後焦点が、当該第2のチューブレンズの中間点から等しく離間されていない、
光学装置。
【請求項20】
マイクロ流体デバイス中の微小物体を撮像するシステムであって、
囲いを含むマイクロ流体デバイスであって、前記囲いが、基板の表面上に配置されるか、又は前記基板の表面により構成される複数の誘電泳動(DEP)電極を有する基板を含む、マイクロ流体デバイスと、
前記マイクロ流体デバイスの前記囲い内の微小物体を撮像するように構成された光学装置であって、
非構造化光線を第1の光源から受け取り、前記マイクロ流体デバイスの前記囲いに配置された微小物体の照明に適した構造化光線を反射又は透過するように構成された構造化光変調器であって、少なくとも15mmの活性エリアを含む、構造化光変調器と、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉しコリメートな構造化光線を生成するように構成された第1のチューブレンズであって、約162mm以下又は約155nm以下の有効焦点距離(EFL)を有する第1のチューブレンズと、
前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの少なくとも一部を含む視野からの画像光線を捕捉し、コリメートな画像光線を生成するように構成された対物レンズと、
前記第1のチューブレンズから前記コリメートな構造化光線を受け取り、前記対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、前記対物レンズからの前記コリメートな画像光線を受け取り、透過又は反射するように更に構成された第1のダイクロイックビームスプリッタと、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタからの前記コリメートな画像光線を受け取り前記コリメートな画像光線を集束させるように構成された第2のチューブレンズと、
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記画像センサは、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて前記視野の画像を形成する、画像センサと、
を備える光学装置と、
前記マイクロ流体デバイスが前記光学装置により撮像することができる位置に前記マイクロ流体デバイスを保持するネストと、
命令を前記構造化光変調器に提供する制御ユニットであって、前記命令が、前記構造化光変調器に1つ又は複数の照明パターンを生成させる、制御ユニットと、
を備える、システム。
【請求項21】
前記光学装置が請求項1から18のいずれか一項に従って構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ネストが、
前記マイクロ流体デバイスへの少なくとも1つの電気接続を提供する、又は
前記マイクロ流体デバイスへの流体接続を提供する、
請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記構造化光変調器が、前記マイクロ流体デバイスの複数のDEP電極の1以上を選択的に活性化するよう、前記1つ又は複数の照明パターンを調整するよう構成されている、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
試料の1つ又は複数の微小物体を操作する方法であって、
基板を含む囲いを有するマイクロ流体デバイスに、前記1つ又は複数の微小物体を含む前記試料を装填することであって、前記基板が、前記基板の表面上に配置されるか、又は前記表面により構成される複数の光作動式誘電泳動(DEP)電極を備える、装填することと、
電圧電位を前記マイクロ流体デバイスにわたり印加することと、
光学装置に、構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の第1の位置に投影させることにより、前記マイクロ流体デバイス内に配置された少なくとも1つの微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化することであって、前記第1の位置が、複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含み、前記基板の前記表面の第2の位置に隣接して配置され、前記第2の位置が前記少なくとも1つの微小物体の下に配置され、前記光学装置が、
第1の光源、
非構造化光線を前記第1の光源から受け取り、前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の前記第1の位置における前記1つ又は複数のDEP電極を選択的に活性化するのに適した構造化光線を透過するように構成された構造化光変調器であって、少なくとも15mmの活性エリアを含む、構造化光変調器、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉しコリメートな構造化光線を生成するように構成された第1のチューブレンズであって、約162mm以下又は約155nm以下の有効焦点距離(EFL)を有する第1のチューブレンズ、
前記第1のチューブレンズから透過された前記コリメートな構造化光線を捕捉し、前記構造化光線を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の前記第1の位置に投影するように構成された対物レンズであって、前記対物レンズは、前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの少なくとも一部を含む視野から反射又は発せられた画像光線を捕捉し、コリメートな画像光線を生成するように更に構成され、前記視野は、前記基板の前記表面の前記第1の位置及び前記第2の位置を包含する、対物レンズ、
前記第1のチューブレンズから受け取った前記コリメートな構造化光線を前記対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、前記対物レンズから受け取った前記コリメートな画像光線を透過又は反射するように更に構成される第1のダイクロイックビームスプリッタ、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタから前記コリメートな画像光線を受け取り前記コリメートな画像光線を集束させるように構成された第2のチューブレンズ、及び
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて前記視野の画像を記録する画像センサ
を備える、DEP力を選択的に活性化することと、
前記光学装置に、前記投影された構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の前記第1の位置から前記基板の前記表面の第3の位置に移動させることにより、前記生成される前記DEP力の前記位置を少なくとも1つの微小物体に隣接するようにシフトさせることであり、前記第3の位置も、複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含む、シフトさせることと、
を含む、方法。
【請求項25】
前記光学装置が、請求項1から18のいずれか1項に記載の光学装置を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記マイクロ流体デバイスの前記囲いが、フロー領域と、前記フロー領域に流体的に接続される少なくとも1つの隔離ペンと、を含み、
前記視野が、前記少なくとも1つの隔離ペン及び前記フロー領域の少なくとも一部を包含する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記光学装置が、非構造化光を生成する第2の光源を含み、
当該方法が、前記光学装置を使用して、前記第2の光源からの前記非構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記囲いに投影し、それにより、前記囲い内に明視野照明を提供することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記光学装置がレーザ光源を含み、
当該方法が、前記光学装置を使用して、前記レーザ光源からのレーザ光を前記マイクロ流体デバイスの前記囲い内の表面に投影することを更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記基板の前記表面の前記第1の位置が、前記マイクロ流体デバイスの前記フロー領域に配置され、前記基板の前記表面の前記第3の位置が、前記少なくとも1つの隔離ペンの1つ内に配置される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記光学装置を使用して、構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の複数の第1の位置に投影することにより、前記マイクロ流体デバイス内に配置された複数の微小物体に隣接してDEP力を選択的に活性化することであって、前記複数の第1の位置のそれぞれが、前記複数の光作動式DEP電極の1つ又は複数を含み、前記基板の前記表面の対応する第2の位置に隣接して配置され、前記対応する第2の位置が、前記複数の対応する微小物体の下に配置される、DEP力を選択的に活性化することと、
前記光学装置を使用して、前記投影された構造化光を前記マイクロ流体デバイスの前記基板の前記表面の前記複数の第1の位置から前記基板の前記表面の複数の対応する第3の位置に移すことにより、前記生成されるDEP力の前記位置を前記複数の微小物体に隣接するようにシフトさせることと、
を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
試料の1つ又は複数の微小物体を撮像する方法であって、
前記1つ又は複数の微小物体を含む前記試料をマイクロ流体デバイスの囲いに装填することと、
視野に投影される複数の対応する照明パターンを使用して、前記1つ又は複数の微小物体を含む前記囲いの少なくとも一部を包含する前記視野の複数の画像を捕捉することであって、前記複数の各照明パターンは、構造化光を使用して生成され、前記複数の他の照明パターンと異なり、前記複数の画像は、光学装置を使用して捕捉され、前記光学装置が、
第1の光源、
非構造化光線を前記第1の光源から受け取り、前記複数の照明パターンのいずれかに対応する構造化光線を透過するように構成された構造化光変調器であって、少なくとも15mmの活性エリアを含む、構造化光変調器、
前記構造化光変調器からの前記構造化光線を捕捉しコリメートな構造化光線を生成するように構成された第1のチューブレンズであって、約162mm以下又は約155nm以下の有効焦点距離(EFL)を有する第1のチューブレンズ、
前記第1のチューブレンズから透過された前記コリメートな構造化光線を捕捉し、前記構造化光線を前記視野により包含される前記マイクロ流体デバイスの前記囲いの前記少なくとも一部に投影するように構成された対物レンズであって、前記視野内から反射又は放射された画像光線を受け取り、コリメートな画像光線を生成するように更に構成される対物レンズ、
前記第1のチューブレンズから受け取った前記コリメートな構造化光線を前記対物レンズに向けて反射又は透過するように構成され、前記対物レンズから受け取ったコリメートな画像光線を透過又は反射するように更に構成される第1のダイクロイックビームスプリッタ、
前記第1のダイクロイックビームスプリッタから前記コリメートな画像光線を受け取り前記コリメートな画像光線を集束させるように構成された第2のチューブレンズ、及び
前記第2のチューブレンズから前記画像光線を受け取るように構成された画像センサであって、前記画像センサは、前記第2のチューブレンズから受け取った前記画像光線に基づいて前記視野の画像を記録する、画像センサ
を備える、捕捉することと、
前記複数の画像を結合することであって、それにより、前記視野に配置された前記1つ又は複数の微小物体の共焦点画像を生成し、前記結合するステップが、前記複数の画像のそれぞれを処理して、焦点ボケ背景光を除去することを含む、結合することと、
を含む、方法。
【請求項32】
前記光学装置が、請求項1から18のいずれか1項に記載の光学装置を備える、請求項31に記載の方法。
【外国語明細書】