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特開2023-150343照明器具制御システム、照明器具、及び照明器具制御手段
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150343
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】照明器具制御システム、照明器具、及び照明器具制御手段
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20231005BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20231005BHJP
【FI】
H05B47/165
H05B47/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059411
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和哉
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA27
3K273QA29
3K273RA17
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA28
3K273TA39
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA44
3K273TA52
3K273UA18
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】本発明は、通信容量を削減して照明器具の機能を変更可能であり、機能の変更にかかる時間も抑制可能な照明器具制御システム、照明器具、及び照明制御手段に関する。
【解決手段】実施形態1に係る照明器具制御システム1は、フラグ情報管理部4と、照明制御装置5と、照明器具2と、を備える。照明器具2は、フラグ情報200を書き換えることで制限を解除することができる。フラグ情報管理部4は、フラグ書き換え情報400を照明制御装置5に送信可能である。照明制御装置5は、制御信号60にフラグ書き換え情報400を格納することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に管理されるユーザ情報を参照するフラグ情報管理部と、
前記フラグ情報管理部に従い制御信号を生成する照明制御装置と、
前記制御信号によって制御される照明器具と、を備え、
前記制御信号は、制御信号が周期的に送信される信号であり、
前記照明器具は、前記照明器具の機能にかけられている制限を管理するフラグ情報に基づき機能の一部が制限されており、かつ、前記フラグ情報を書き換えることで前記制限を解除することができ、
前記フラグ情報管理部は、前記ユーザ情報を基に前記フラグ情報を書き換えるための情報であるフラグ書き換え情報を、前記照明制御装置に送信可能であり、
前記照明制御装置は、前記制御信号に前記フラグ書き換え情報を格納することができる、照明器具制御システム。
【請求項2】
前記制御信号は、前記照明器具と対応する照明制御情報チャンネルを有し、
前記照明制御情報チャンネルは、前記照明器具を制御する制御情報と、前記フラグ書き換え情報と、を格納し、
前記照明器具が複数の場合、それぞれの前記照明器具は、受信した前記制御信号が有する複数の前記照明制御情報チャンネルのうち対応する前記照明制御情報チャンネルのみ読み込む、
請求項1に記載の照明器具制御システム。
【請求項3】
前記制御信号は、前記照明器具を制御する制御情報を格納する個別チャンネルと、前記フラグ書き換え情報を格納する共通チャンネルと、を有し、
前記個別チャンネルは、前記照明器具と対応しており、
前記照明器具が複数の場合には、それぞれの前記照明器具は、受信した前記制御信号が有する複数の個別チャンネルのうち対応する前記個別チャンネルと、前記共通チャンネルと、を読み込む、
請求項1に記載の照明器具制御システム。
【請求項4】
前記制御信号は、所定の情報を格納可能な動作モードチャンネルを更に有し、
前記照明器具は、前記所定の情報が予め定められた解除条件に合致する場合にのみ前記フラグ書き換え情報を読み込む、
請求項2又は請求項3に記載の照明器具制御システム。
【請求項5】
前記照明器具は、複数の動作モードで動作し、
前記動作モードは、前記フラグ情報が書き換えられない第一動作モードと、前記フラグ情報が書き換え可能な第二動作モードとを有し、
前記照明器具は、前記動作モードチャンネルに予め定められた鍵情報が格納されていた場合にのみ、前記動作モードを前記第一動作モードから前記第二動作モードに変更し、所定の時間が経過した後に前記動作モードを前記第一動作モードに戻す、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の照明器具制御システム。
【請求項6】
前記フラグ情報管理部は、前記ユーザ情報が有するユーザの課金情報を参照して前記フラグ書き換え情報を生成し、前記照明制御装置に送信する、
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の照明器具制御システム。
【請求項7】
光源と、
周期的に送信される制御信号を受信する受信部と、
受信した前記制御信号を基に照明を制御する制御部と、
フラグ情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記制御信号は、フラグ書き換え情報を格納可能であり、
前記制御部は、機能の一部を制限しており、前記フラグ書き換え情報に基づいてフラグ情報を書き換えることで、前記制限を解除することができる、
照明器具。
【請求項8】
前記制御部は、複数の動作モードで動作し、
前記動作モードは、前記フラグ情報が書き換えられない第一動作モードと、前記フラグ情報が書き換え可能な第二動作モードとを有し、
前記制御信号は、動作モードチャンネルを有し、
前記制御部は、前記動作モードチャンネルに所定の情報が格納されていた場合にのみ、前記動作モードを前記第一動作モードから前記第二動作モードに変更し、所定の時間が経過した後に前記動作モードを前記第一動作モードに戻す、
請求項7に記載の照明器具。
【請求項9】
外部装置に管理されるユーザ情報を参照するフラグ情報管理手段と、
前記フラグ情報管理手段に従い制御信号を生成する照明制御手段と、
前記制御信号によって制御される照明手段と、を備え、
前記制御信号は、周期的に送信される信号であり、
前記照明手段は、前記照明手段の機能にかけられている制限を管理するフラグ情報に基づき機能の一部が制限されており、かつ、前記フラグ情報を書き換えることで前記制限を解除することができ、
前記フラグ情報管理手段は、前記ユーザ情報を基に前記フラグ情報を書き換えるための情報であるフラグ書き換え情報を、前記照明制御手段に送信可能であり、
前記照明制御手段は、前記制御信号に前記フラグ書き換え情報を格納することができる、照明器具制御手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具制御システム、及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ情報に基づき、照明器具の交換をすることなく制御プログラムを修正できる照明制御プログラム更新システムが知られている。例えば特許文献1には、複数の照明器具と、照明器具を制御するためのプログラム等が記録され、操作信号を照明器具に出力可能な無線操作機と、照明器具に制御プログラムの更新プログラムの配信を一括で行う更新機と、を備える照明器具制御システムが開示されている。照明器具は、更新機から更新プログラムを受信することで、新たな機能を追加したり照明器具の制御プログラムを修正したりすることができる。更新機の配信方式としては、ブロードキャスト方式又はマルチキャスト方式を用いることができる。
【0003】
具体的には、照明器具は、照明制御のためのメインプログラムと、メインプログラムのチェックサムやサイズを含む管理コードとを含むプログラムを削除する。そして、照明器具は、更新機が配信するプログラムを、削除されたプログラムに対応するプログラムとして保存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-125536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上記特許文献1では、更新機は、照明制御のためのメインプログラムを配信している。照明器具にプログラムを配信する通信は、通常の照明器具の操作のための通信より通信容量が大きく、プログラムの更新に時間がかかってしまうという課題があった。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、通信容量を削減して照明器具の機能を変更可能であり、機能の変更にかかる時間も抑制可能な照明器具制御システム、及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明器具制御システムは、外部装置に管理されるユーザ情報を参照するフラグ情報管理部と、前記フラグ情報管理部に従い制御信号を生成する照明制御装置と、前記制御信号によって制御される照明器具と、を備え、前記制御信号は、制御信号が周期的に送信される信号であり、前記照明器具は、前記照明器具の機能にかけられている制限を管理するフラグ情報に基づき機能の一部が制限されており、かつ、前記フラグ情報を書き換えることで前記制限を解除することができ、前記フラグ情報管理部は、前記ユーザ情報を基に前記フラグ情報を書き換えるための情報であるフラグ書き換え情報を、前記照明制御装置に送信可能であり、前記照明制御装置は、前記制御信号に前記フラグ書き換え情報を格納することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る照明器具制御システムは、通信容量を削減して照明器具の機能を変更し、機能の変更にかかる時間を抑制することができる。
【0009】
また、本開示の一態様に係る照明器具は、通信容量を削減して照明器具の機能を変更し、機能の変更にかかる時間を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係る照明器具制御システム1の構成を示すブロック図
図2】実施形態1に係る照明器具2の構成を示すブロック図
図3】実施形態1に係る制御信号60を示す概念図
図4】実施形態1に係る照明制御装置5による照明器具2の制御手順を示すシーケンス図
図5】実施形態2に係る制御信号60を示す概念図
図6】その他の実施形態に係る複数の照明器具2が照明器具グループXと照明器具グループYとに分けられる照明器具制御システム1の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る照明器具制御システムを、図面に基づき説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程の順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付しており、重複する説明は、省略又は簡略化することがある。これは、説明が不必要に冗長になるのを避けることで、当業者の理解を容易にするためである。
(実施形態1)
以下では、図1-4を用いて実施形態1に係る照明器具制御システム、及び照明器具について説明する。まずは、実施形態1に係る照明器具制御システム1、及び照明器具2の構成について説明する。
【0013】
照明器具制御システム1は、図1に示すとおり、フラグ情報管理部4と、照明制御装置5と、照明器具2と、を備える。照明器具2は、少なくとも一部の機能に制限がかけられている。ユーザは、例えばサービスに課金することで機能にかけられた制限を解除し、機能を解放することができる。
【0014】
照明器具2は、図2に示すように、記憶部20と、制御部21と、光源22と、接続部23と、を有する。照明器具2は、例えば照明の点灯、消灯、調光、調色といった機能を有する。
【0015】
これらの照明器具2の機能のうち、制限がかけられている機能の例は、異常電源検出機能である。一般的な照明器具では、光源に印加する電源電圧を140V―180Vの範囲で使用し、電源電圧がこの範囲から外れたときは、安全のために照明器具の動作を停止する異常電源検出機能を有する。しかしながら、この電源電圧の範囲は安全マージンを広くとってあるため、ユーザによっては、130V―230Vの範囲など、安全マージンを確保した上でより広い範囲の電源電圧を用いたい場合がある。そこで、照明器具2の電源電圧を140V―180Vの範囲に制限し、機能を解放した場合にのみ電源電圧を130V―230Vの範囲で使用可能にすることが考えられる。
【0016】
また、制限がかけられている機能の異なる例は、調光機能である。調光制御には、調光値が離散的に変化する段調光制御と、目視において調光値が連続的に変化する連続調光制
御と、の2種類の制御がある。そこで、照明器具2では段調光制御のみ可能であり、制限を解除することで連続調光制御も可能にすることが考えられる。
【0017】
記憶部20は、照明を制御する照明制御プログラムを記憶している。また、照明制御プログラムは、フラグ情報200を含み、ユーザが利用可能な機能のフラグ管理を行っている。フラグ情報200は、照明器具2の機能にかけられている制限を管理する情報である。表1の例に示されるように、実施形態1におけるフラグ情報200は、ある機能が制限されている状態を0、制限が解除されている状態を1で表す。
【0018】
【表1】
【0019】
制御部21は、制御信号60から読み込んだ制御情報に従い、照明制御プログラムによって光源22を制御することで照明制御を行う。
【0020】
なお、照明器具2は複数の動作モードを有してもよい。より詳細には、照明器具2は、照明制御プログラムを書き換えられない第一動作モードと、照明制御プログラムを書き換えられる第二動作モードと、を有してもよい。このとき、照明器具2は、第二動作モードで動作しているときにのみフラグ情報200を書き換えることができる。また、照明器具2は、通常は第一動作モードで動作し、第二動作モードへの変更には一定の制限を設けることが好ましい。例えば、照明器具2は、予め定めた情報を鍵情報201として記憶部20に記憶し、制御信号60に鍵情報201が含まれている場合にのみ動作モードを変更してもよい。動作モードの管理と変更は、制御部21が実行してもよい。以降では、特に言及しない限り、照明器具2は第一動作モードで動作する。
【0021】
光源22は、例えばLED(Light Emitting Diode)である。なお光源22は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子などのLED以外の固体光源であってもよい。また、光源22は、複数のLEDで構成されていてもよい。
【0022】
接続部23は、例えばケーブルを接続可能なコネクタである。照明器具2は、接続部23に接続されたケーブルから制御信号60を送受信することができる。なお、実施形態1において、照明器具2は、2つの接続部23を有する。
【0023】
2つの接続部23のうち一方の接続部23には、照明器具2に制御信号60を送信する送信元の機器が接続される。そのため、照明器具2は、送信元の機器から制御信号60を受信することができる。
【0024】
2つの接続部23のうちもう一方の接続部23には、照明器具2から制御信号60を送信する送信先の機器が接続される。そのため、照明器具2は、制御信号60から制御情報を読み込んだ後に、制御信号60を送信先の機器に送信することができる。
【0025】
このとき、照明制御装置5に単一の照明器具2が接続されているときは、送信元の機器と送信先の機器とは同一の照明制御装置5である。また、照明制御装置5に複数の照明器具2が接続されているときは、送信元の機器と送信先の機器とは、例えば、照明制御装置5又は他の照明器具2である。
【0026】
外部装置3は、例えば複数のサーバからなるサーバ群であり、ユーザ情報300を管理している。外部装置3は例えばテーブルによってユーザ情報300を管理している。表2の例では、外部装置3は、ユーザ情報300A,300B,300Cをテーブルによって管理している。
【0027】
【表2】
【0028】
フラグ情報管理部4は、外部装置3と通信可能に構成される。例えばフラグ情報管理部4と外部装置3とは、インターネットと接続可能に構成される。そのため、フラグ情報管理部4は、外部装置3に管理されたユーザ情報300を参照することができる。
【0029】
フラグ情報管理部4は、例えば一定期間ごとに外部装置3に問い合わせを行うことで、照明器具制御システム1を利用するユーザのユーザ情報300を参照する。なお、ユーザ情報300の参照方法はこれに限定されず、例えば外部装置3が一定期間ごとにユーザ情報300をフラグ情報管理部4に送信してもよい。なお、実施形態1において、フラグ情報管理部4は、外部装置3と通信可能なコンピュータ装置である。
【0030】
実施形態1におけるフラグ情報管理部4は、ユーザ情報300を基に、フラグ書き換え情報400を生成して記憶することができる。フラグ書き換え情報400は、フラグ情報200を書き換え、照明器具2の機能にかけられている制限を変更するための情報である。このとき、フラグ書き換え情報400は、照明器具2の機能にかけられるべき制限の状態を、フラグ情報200と同様のロジックで表す。即ち、ある機能が制限されている状態を0、制限が解除されている状態を1で表す。そのため、フラグ情報管理部4は、ユーザ情報300から照明器具2の機能にかけられるべき制限の状態を表す情報を抽出するだけでフラグ書き換え情報400を生成することができる。例えば、表1に記載のユーザ情報300A,300B,300Cは、それぞれ100、111,000というフラグ書き換え情報400に変換される。なお、実施形態1におけるフラグ情報管理部4は、ユーザ情報300のうちユーザの課金情報を参照することが好ましい。具体的には、フラグ情報管理部4は、ユーザ情報がある機能に課金している場合に、その機能の制限は解除されているべきと判断する。また、ユーザ情報がある機能に課金していない場合に、その機能の制限は維持されているべきと判断する。
【0031】
【表3】
【0032】
前述の通り、フラグ書き換え情報400とフラグ情報200とが同様のロジックで表されている。そのため照明器具2は、フラグ情報200をフラグ書き換え情報400によって上書きすることで、照明器具2の機能にかけられている制限を変更することができる。
【0033】
また、フラグ情報管理部4は、照明制御装置5と通信可能に接続されており、フラグ書き換え情報400を照明制御装置5に送信することができる。なお、実施形態1では、フラグ情報管理部4は照明制御装置5と別体の装置であるが、フラグ情報管理部4が照明制御装置5の一部であってもよい。
【0034】
照明制御装置5は、照明器具2と接続されている。ユーザは、照明器具2の制御内容を照明制御装置5に入力することで、照明制御装置5に接続された照明器具2を制御することができる。照明器具2の制御内容は、例えば、点灯、消灯、調光、調色に関する情報である。
【0035】
より詳細には、照明制御装置5は、ユーザの入力に応じた制御信号60を生成し、照明器具2に送信する。そして、照明器具2は、制御信号60に従って照明を制御する。実施形態1において、照明制御装置5は、調光卓である。但し、照明制御装置5による照明器具2の制御内容は、ユーザの入力に寄らなくともよく、例えばプログラムによって予め制御内容が定められていてもよい。このとき、照明制御装置5は、予め定められた制御内容に沿って制御信号60を生成し、照明器具2に送信する。
【0036】
なお、実施形態1において、照明制御装置5には、複数の照明器具2が数珠つなぎに接続されている。数珠つなぎに接続された複数の照明器具2を照明器具グループXとすると、制御信号60は、照明器具グループXの照明器具2全てに送信される。但し、照明制御装置5に単数の照明器具2が接続されていてもよい。
【0037】
制御信号60は照明器具を制御する制御情報を伝達する信号であり、周期的に送信される。実施形態1において、制御信号60は、通信プロトコルであるDMX512-Aに則った通信信号であり、0-255のいずれかの整数を格納可能な512個のチャンネルからなる。
【0038】
また実施形態1において、制御信号60は、照明器具グループXが有する複数の照明器具2を制御する制御情報を伝達する。このとき、制御信号60は、複数のチャンネルからなるチャンネルグループを有する。チャンネルグループには、照明器具2の制御情報やフラグ書き換え情報400などの情報が、それぞれのチャンネルグループに格納される。格納される情報は、チャンネルグループを構成するチャンネルに分割されて格納される。
【0039】
チャンネルグループについて、図3を用いて詳説する。実施形態1において、制御信号60は、動作モードチャンネルグループ601と照明制御情報チャンネルグループ602と、の2種類のチャンネルグループを有する。
【0040】
動作モードチャンネルグループ601は、動作モードチャンネルグループ601を構成するチャンネルが格納可能な任意の情報を格納することができる。特に、照明器具2の動作モードを変更するとき、動作モードチャンネルグループ601は、鍵情報201を格納する。
【0041】
照明制御情報チャンネルグループ602は、照明器具2と対応しており、対応する照明器具2の制御情報とフラグ書き換え情報400とを格納する。それぞれの照明器具2は、複数のチャンネルグループのうち、それぞれの照明を制御する制御情報を有するチャンネルのみを読み込む。
【0042】
実施形態1では、制御信号60は、4台の照明器具2A,2B,2C,2Dのそれぞれに対応した4つの照明制御情報チャンネルグループ602を有する。照明器具2A,2B
,2C,2Dは、4つのうち対応する照明制御情報チャンネルグループ602のみを読み込む。
【0043】
次に、実施形態1に係る照明器具制御システム1、及び照明器具2における制御手順について説明する。
【0044】
図4に、照明制御装置5による照明器具2の制御手順を示す。図4では、照明器具グループXとして2台の照明器具2A,2Bが接続されている例を示す。
【0045】
照明制御装置5は、ユーザの入力を受け付ける。ユーザは、照明器具2の制御内容を入力する。(S100)。
【0046】
照明制御装置5は、フラグ書き換え情報400を生成するために、ユーザ情報300をフラグ情報管理部4に問い合わせる(S101)。
【0047】
フラグ情報管理部4は、記憶しているフラグ書き換え情報400を照明制御装置5に送信する(S102)。
【0048】
照明制御装置5は、ユーザの入力とフラグ情報管理部4から受信したフラグ書き換え情報400と、に応じた制御信号60を生成する(S103)。
【0049】
照明制御装置5は、制御信号60を照明器具2Aに送信する(S104)。
【0050】
照明器具2Aは、受信した制御信号60から対応する制御情報を読み込み、動作モードを判断する。実施形態1では、まず動作モードチャンネルグループ601を読み込み、動作モードを第二動作モードに切り替えるか否かを判断する。例えば、動作モードチャンネルグループ601に格納されていた情報が鍵情報201と一致した場合にのみ、照明器具2Aは、動作モードを第二動作モードに変更する。動作モードを第二動作モードに変更したとき、照明器具2Aは、対応する照明制御情報チャンネルグループ602に格納された情報のうち、フラグ書き換え情報400を読み込む。照明器具2Aは、動作モードが第二動作モードであれば、フラグ書き換え情報400で上書きしてフラグ情報200を更新する。これにより、照明器具2Aは、フラグ情報200を更新することで機能を解放したり制限したりすることができる(S105)。
【0051】
照明器具2Aは、読み込んだ制御情報を基に、照明を制御する(S106)。
【0052】
照明器具2Aは、制御信号60を照明器具2Bに送信する。(S107)。
【0053】
照明器具2Bは、S105における照明器具2Aと同様に、受信した制御信号60から対応する制御情報を読み込み、動作モードを判断する。これにより、照明器具2Bは、照明器具2Aと同様にフラグ情報200を更新することで機能を解放したり制限したりすることができる(S108)。
【0054】
照明器具2Bは、S106における照明器具2Aと同様に、読み込んだ制御情報を基に照明を制御する(S109)。
【0055】
照明器具2Bは、制御信号60を照明制御装置5に送信する。(S110)。
【0056】
但し、照明制御装置5に接続される照明器具2は2台とは限らない。例えば図1のように、照明制御装置5に4台の照明器具2が数珠つなぎに3台以上の照明器具2が接続され
ているとき、照明器具2A,2B,2Cはそれぞれ順にS105からS105までのステップを実行する。照明器具2Dは、ステップS108からS110までのステップを実行する。また、例えば照明制御装置5に1台のみ照明器具2が接続されているとき、照明器具2は、ステップS108からS110までのステップを実行する。
【0057】
また、照明器具2は、S105において動作モードを第二動作モードに変更したとき、所定時間後に動作モードを第一動作モードに戻す。所定時間は0秒より大きく、フラグ情報200を書き換え可能な長さの時間であればよい。従って、照明器具制御システム1、及び照明器具2は、第二動作モードの時のみ照明制御プログラムを書き換え可能にすることで、照明制御の信頼性を上げることができる。
【0058】
前述のとおり、照明制御装置5は、制御信号60を周期的に照明器具2に送信する。即ち、照明制御装置5は、S100からS105を周期的に実行する。但し、照明制御装置5は、制御信号60を送信する度に必ずS100からS104を実行するとは限らない。
【0059】
例えば、照明制御装置5がS105を実行してから、次にS105を実行するタイミングまでにユーザが照明器具2の制御内容を入力しなかった場合、照明制御装置5は、S100―S104を実行せずにS105を実行する。このとき、照明制御装置5は、照明器具2に送信した制御信号60を再度送信する。
【0060】
以上の様に、フラグ情報管理部4は、照明器具2の機能にかけられている制限を変更するための情報として、フラグ書き換え情報400のみを照明器具2に送信するので、照明器具にプログラムを配信する必要がなく、機能の変更に係る通信容量を抑制することができる。また、照明器具2は、フラグ情報200のみをフラグ書き換え情報400によって更新するので、機能の変更にかかる時間も抑制することができる。
【0061】
最後に、照明器具2は、対応する照明制御情報チャンネルグループ602に格納された情報のうち、照明器具2の制御情報を読み込む。照明器具2は、制御信号60から読み込んだ制御情報に従い、照明を制御する。前述のとおり、フラグ情報200は、照明器具2と対応する照明制御情報チャンネルグループ602が有している。従って、照明器具制御システム1は、照明器具2ごとに機能を解放したり制限したりすることができる。
(実施形態2)
以下では、図5を用いて実施形態2に係る照明器具制御システム、及び照明器具について説明する。
【0062】
なお、実施形態2に係る照明器具制御システム1、及び照明器具2は、制御信号60と、制御信号60を受信した照明器具2の動作の一部を除いて、実施形態1に係る照明器具制御システム1、及び照明器具2と同様である。そのため、共通点の説明を省略する。
【0063】
図5に示すように、制御信号60は、動作モードチャンネルグループ601と共通チャンネルグループ603と個別チャンネルグループ604と、を有する。共通チャンネルグループ603は、フラグ書き換え情報400を格納する。個別チャンネルグループ604は、照明器具2と対応しており、対応する照明器具2の制御情報を格納する。
【0064】
ここで、制御信号60を読み込んだときの照明器具2の動作について説明する。
【0065】
照明器具2は、まず実施形態1と同様に動作モードチャンネルグループ601を読み込み、動作モードを第二動作モードに切り替えるか否かを判断する。
【0066】
次に、照明器具2は、共通チャンネルグループ603を読み込む。共通チャンネルグル
ープ603を読み込んだ照明器具2の動作は、実施形態1において、フラグ書き換え情報400を読み込んだときと同様である。
【0067】
最後に、照明器具2は、対応する個別チャンネルグループ604を読み込む。個別チャンネルグループ604を読み込んだ照明器具2の動作は、実施形態1において、照明器具2の制御情報を読み込んだときと同様である。
【0068】
即ち、実施形態2に係る照明器具制御システム1は、照明器具グループXに接続された照明器具2が共通のフラグ書き換え情報400を読み込む。そのため、照明器具制御システム1、及び照明器具2は、複数の照明器具2のフラグ書き換え情報400を共通化し、制御信号60のデータ容量を減らすことができる。
(その他の実施形態)
以上、照明器具制御システム1、及び照明器具2を説明したが、本開示に係る照明器具制御システム1、及び照明器具2は実施形態に限定されない。
【0069】
例えば、記憶部20は、書き換え可能な情報を格納する第一記憶部と、書き換え不可能な情報を記憶する第二記憶部と、を有していてもよい。この構成により、記憶部20は、情報の信頼性を上げることができる。このとき、フラグ情報200は、第一記憶部に記憶される。また、鍵情報201は、第二記憶部に記憶される。
【0070】
また、照明器具2は、動作モードチャンネルグループ601に格納されていた情報が鍵情報201と一致した場合にのみ、フラグ書き換え情報400を読み込むように動作してもよい。
【0071】
また、図6に示すように、複数の照明器具2が照明器具グループXと、照明器具照明器具グループYと、に分けられ、複数の照明器具2が照明器具グループごとに数珠つなぎに接続されていてもよい。また、複数の照明器具2が、3以上の照明器具グループに分けられていてもよい。
【0072】
また、フラグ情報200は、ある機能が制限されているか否かをバイナリ情報で表しているが、3以上の状態を表してもよい。例えば、調光機能に関する機能制限において、2段階調光が可能な状態を0、6段階調光が可能な状態を1、連続調光が可能な状態を2で表してもよい。
(効果)
ここで、改めて、実施形態に係る照明器具制御システム、及び照明器具の要点について説明する。
【0073】
実施形態1に係る照明器具制御システム1は、外部装置3に管理されるユーザ情報300を参照するフラグ情報管理部4と、フラグ情報管理部4に従い制御信号60を生成する照明制御装置5と、制御信号60によって制御される照明器具2と、を備える。制御信号60は、周期的に送信される信号である。照明器具2は、照明器具2の機能にかけられている制限を管理するフラグ情報200に基づき機能の一部が制限されており、かつ、フラグ情報200を書き換えることで制限を解除することができる。フラグ情報管理部4は、ユーザ情報300を基にフラグ情報200を書き換えるための情報であるフラグ書き換え情報400を、照明制御装置5に送信可能である。照明制御装置5は、制御信号60にフラグ書き換え情報400を格納することができる。
【0074】
上述の構成を有する照明器具制御システム1は、大容量通信手段を有していない照明器具2であっても、ユーザ情報300に基づき照明器具2の機能を解放可能にすることができる。
【0075】
また、実施形態1に係る照明器具制御システム1において、制御信号60は、照明器具2と対応する照明制御情報チャンネルグループ602を有する。照明制御情報チャンネルグループ602は、照明器具2を制御する制御情報と、フラグ書き換え情報400と、を格納する。照明器具2が複数の場合、それぞれの照明器具2は、受信した制御信号60が有する複数の照明制御情報チャンネルグループ602のうち対応する照明制御情報チャンネルグループ602のみ読み込む。
【0076】
上述の構成を有する照明器具制御システム1は、大容量通信を想定していない通信手段であっても、照明器具2ごとに機能を解放したり制限したりすることができる。
【0077】
また、実施形態2に係る照明器具制御システム1において、制御信号60は、照明器具2を制御する制御情報を格納する個別チャンネルグループ604と、フラグ書き換え情報400を格納する共通チャンネルグループ603と、を有する。個別チャンネルグループ604は、照明器具2と対応している。照明器具2が複数の場合には、それぞれの照明器具2は、受信した制御信号60が有する複数の個別チャンネルグループ604のうち対応する個別チャンネルグループ604と、共通チャンネルグループ603と、を読み込む。
【0078】
上述の構成を有する照明器具制御システム1は、制御信号60のデータ容量を減らすことができる。
【0079】
また、その他の実施形態に係る照明器具制御システム1において、制御信号60は、所定の情報を格納可能な動作モードチャンネルグループ601を更に有する。照明器具2は、所定の情報が予め定められた解除条件に合致する場合にのみフラグ書き換え情報400を読み込む。
【0080】
上述の構成を有する照明器具制御システム1は、フラグ書き換え情報400を読み込む条件を制限するので、照明制御の信頼性を上げることができる。
【0081】
また、実施形態1に係る照明器具制御システム1において、照明器具2は、複数の動作モードで動作する。動作モードは、フラグ情報200が書き換えられない第一動作モードと、フラグ情報200が書き換え可能な第二動作モードとを有する。照明器具2は、動作モードチャンネルグループ601に予め定められた鍵情報が格納されていた場合にのみ、動作モードを第一動作モードから第二動作モードに変更し、所定の時間が経過した後に動作モードを第一動作モードに戻す。
【0082】
上述の構成を有する照明器具制御システム1は、照明器具2が第二動作モードの時のみ照明制御プログラムを書き換え可能にすることで、照明制御の信頼性を上げることができる。
【0083】
また、実施形態1に係る照明器具制御システム1において、フラグ情報管理部4は、ユーザ情報300が有するユーザの課金情報を参照してフラグ書き換え情報400を生成し、照明制御装置5に送信する。
【0084】
上述の構成を有する照明器具制御システム1は、ユーザの課金情報を参照して照明制御プログラムを書き換え可能にすることで、ユーザに合わせた機能を提供しやすくすることができる。
【0085】
また、実施形態1に係る照明器具2は、光源22と、周期的に送信される制御信号60を受信する受信部と、受信した前記制御信号を基に照明を制御する制御部21と、フラグ
情報を記憶する記憶部20と、を備える。制御信号60は、フラグ書き換え情報400を格納可能である。制御部21は、機能の一部を制限しており、フラグ書き換え情報400に基づいてフラグ情報200を書き換えることで、制限を解除することができる。
【0086】
上述の構成を有する照明器具制御システム1は、大容量通信手段を有すことなく、ユーザ情報300に基づき照明器具2の機能を解放可能にすることができる。
【0087】
また、実施形態1に係る照明器具2は、複数の動作モードで動作する。動作モードは、フラグ情報200が書き換えられない第一動作モードと、フラグ情報200が書き換え可能な第二動作モードとを有する。制御信号60は、動作モードチャンネルグループ601を有する。制御部21は、動作モードチャンネルグループ601に所定の情報が格納されていた場合にのみ、動作モードを第一動作モードから第二動作モードに変更し、所定の時間が経過した後に動作モードを第一動作モードに戻す。
【0088】
上述の構成を有する照明器具2は、第二動作モードの時のみ照明制御プログラムを書き換え可能にすることで、照明制御の信頼性を上げることができる。
【0089】
また、実施形態1に係る照明器具制御手段は、外部装置3に管理されるユーザ情報を参照するフラグ情報管理手段と、フラグ情報管理手段に従い制御信号を生成する照明制御手段と、制御信号60によって制御される照明手段と、を備える。制御信号60は、周期的に送信される信号である。照明手段は、照明手段の機能にかけられている制限を管理するフラグ情報200に基づき機能の一部が制限されており、かつ、フラグ情報200を書き換えることで前記制限を解除することができる。フラグ情報管理手段は、ユーザ情報を基に前記フラグ情報200を書き換えるための情報であるフラグ書き換え情報400を、照明制御手段に送信可能である。照明制御手段は、制御信号60にフラグ書き換え情報400を格納することができる。
【0090】
上述の構成を有する照明器具制御手段は、大容量通信手段を有していない照明手段であっても、ユーザ情報300に基づき照明手段の機能を解放可能にすることができる。
【符号の説明】
【0091】
1 照明器具制御システム
2,2A,2B,2C,2D 照明器具
20 記憶部
200 フラグ情報
201 鍵情報
21 制御部
22 光源
23 接続部
3 外部装置
300 ユーザ情報
300A,300B,300C ユーザ情報
4 フラグ情報管理部
400 フラグ書き換え情報
5 照明制御装置
60 制御信号
601 動作モードチャンネルグループ
602 照明制御情報チャンネルグループ
603 共通チャンネルグループ
604 個別チャンネルグループ
X 照明器具グループ
Y 照明器具グループ

図1
図2
図3
図4
図5
図6