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特開2023-150382生成システム、生成システムの制御プログラム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150382
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】生成システム、生成システムの制御プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20231005BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20231005BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059476
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】石田 哲朗
(57)【要約】
【課題】形勢に影響したオブジェクトを視聴者に理解させる情報を配信する。
【解決手段】生成システム100,200は、各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面DSを生成するとともに、コンピュータ61,31,231を備える生成システム100,200であって、前記コンピュータ61,31,231は、前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得し、前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアAR1と、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように前記配信画面DSを生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面を生成するとともに、コンピュータを備える生成システムであって、
前記コンピュータは、
前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得し、
前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアと、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアとが同一画面上に位置するように前記配信画面を生成する、生成システム。
【請求項2】
前記ゲームをプレイするためのゲーム装置をさらに備え、
前記ゲーム装置は、前記戦局を分析して前記優劣情報と前記特定情報とを作成し、
前記コンピュータは、前記ゲーム装置から前記優劣情報と前記特定情報とを取得する、請求項1に記載の生成システム。
【請求項3】
前記コンピュータは、前記ゲームのゲーム映像を取得するとともに、前記ゲーム映像と、前記優劣表示エリアと、前記オブジェクト表示エリアとが同一画面上に位置するように前記配信画面を生成する、請求項1又は2に記載の生成システム。
【請求項4】
前記優劣情報と前記特定情報とを記憶する記憶装置をさらに備え、
前記コンピュータは、前記記憶装置から前記優劣情報と前記特定情報とを取得する、請求項1から3のいずれか一項に記載の生成システム。
【請求項5】
前記コンピュータは、
前記配信画面が配信される複数の再生端末から、前記対戦者のうち優勢である者を示す優勢情報、又は前記対戦者のうち劣勢である者を示す劣勢情報を取得するとともに、前記優勢情報又は前記劣勢情報を集計した優劣集計結果を前記優劣情報として取得し、
前記複数の再生端末から、前記要因オブジェクトを示す情報を取得するとともに、当該情報を集計したオブジェクト集計結果を前記特定情報として取得する、請求項1に記載の生成システム。
【請求項6】
前記コンピュータは、前記オブジェクト表示エリアとともに、前記要因オブジェクトの説明エリアが同一画面上に位置するように前記配信画面を生成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の生成システム。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記戦局の変化に応じて、前記優劣表示エリア及び前記オブジェクト表示エリアにおける表示内容を変更するとともに、最新の表示内容よりも前に表示されていた過去表示内容を表示する履歴表示エリアを含むように前記配信画面を生成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の生成システム。
【請求項8】
各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面を生成するとともに、コンピュータを備える生成システムの制御プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得させ、
前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアと、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアとが同一画面上に位置するように前記配信画面を生成させる、制御プログラム。
【請求項9】
各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面を生成するとともに、コンピュータを備える生成システムの制御方法であって、
前記コンピュータは、
前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得し、
前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアと、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアとが同一画面上に位置するように前記配信画面を生成する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優劣表示エリアが設けられた配信画面を生成する生成システム、生成システムの制御プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モメンタムパラメータ更新条件判定部と表示制御部を有するゲーム処理部を備えるゲームシステムが開示されている。そして、モメンタムパラメータ更新条件判定部は、モメンタムパラメータの更新条件が満たされたか否かを判定する。また、表示制御部は、各チームのモメンタムパラメータ値の大小関係を視覚的に表すモメンタム表示オブジェクトの表示制御を行う。
【0003】
特許文献2には、動画配信装置から出力された動画を視聴する視聴者端末が開示されている。この視聴者端末の表示には、ゲームの複数の遊戯者の一人の手牌のそれぞれに対する打牌確率と、危険度を表示するエリアが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-204948号公報
【特許文献2】特許第6797986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
対戦型のゲームの視聴映像においては、戦局の優勢又は劣勢を示す情報(例えば、どちらの対戦者が有利になっているかを示す情報)が表示されることがある。これは視聴者にとって形勢が分かりやすい反面、視聴者は、優勢又は劣勢に至った理由を理解できないことがある。例えば、何が形勢に影響したのかを視聴者に理解させるためには、かなりの解説を要する。そのため、用意された実況者又は解説者が、形勢に影響した要素を口頭で説明する。しかし、必ずしも実況者又は解説者を用意できるわけではなく、何が形勢に影響したのかを視聴者に理解させる情報を提示することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係る生成システムは、各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面を生成するとともに、コンピュータを備える生成システムであって、前記コンピュータは、前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得し、前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアと、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアとが同一画面上に位置するように前記配信画面を生成する。
【0007】
また、他の一態様に係る制御プログラムは、各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面を生成するとともに、コンピュータを備える生成システムの制御プログラムであって、前記コンピュータに、前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得させ、前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアと、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアとが同一画面上に位置するように前記配信画面を生成させる。
【0008】
また、他の一態様に係る制御方法は、各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面を生成するとともに、コンピュータを備える生成システムの制御方法であって、前記コンピュータは、前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得し、前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアと、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアとが同一画面上に位置するように前記配信画面を生成する。
【発明の効果】
【0009】
これにより、形勢に影響したオブジェクトを視聴者に理解させる情報を配信できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る生成システムの概略全体図。
図2】第1実施形態に係る配信画面の一例を示す概略図。
図3】第1実施形態に係る生成システムの概略ブロック図。
図4】第1実施形態に係る処理のフローチャート。
図5】第2実施形態に係る生成システムの概略全体図。
図6】第2実施形態に係る配信画面の一例を示す概略図。
図7】第2実施形態に係る生成システムの概略ブロック図。
図8】第2実施形態に係る処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置又は方法の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0012】
[第1実施形態]
図1に示すように、視聴映像の配信画面を生成する生成システム100は、ゲームシステムとしても機能し、視聴映像の一例であるゲーム映像を送信するゲームサーバ60と、ゲームをプレイするためのゲーム装置の一例としてのゲーム端末70とを備えている。例えば、視聴映像は、ゲーム端末70に表示されるゲーム画面の映像であり、配信画面に含まれている。このゲーム端末70は、所定のネットワーク50を介してゲームサーバ60に接続可能である。一例として、ゲームのプレイヤは、自宅、ゲーム大会の会場、又は店舗等の所定の施設においてゲーム端末70を使用する。
【0013】
また、生成システム100は、配信システムとして機能させることもでき、ユーザ端末の一例である再生端末20と、ゲーム映像を含む配信画面を配信する配信サーバ30とをさらに備えている。この再生端末20は、所定のネットワーク50を介して配信サーバ30に接続可能である。一例として、視聴者は、自宅において再生端末20を使用する。
【0014】
配信サーバ30及びゲームサーバ60は、複数のコンピュータとしてのサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによって、配信サーバ30及びゲームサーバ60が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して、配信サーバ30及びゲームサーバ60が論理的に構成されてもよい。なお、配信サーバ30及びゲームサーバ60は、一台のサーバに設けることができる。例えば、ゲームサーバ60は、配信サーバ30としても機能させることができる。さらに、ゲームサーバ60は、配信サーバ30としても機能させることができる。
【0015】
配信サーバ30は、再生端末20又は再生端末20を所有するユーザに対して、配信画面を視聴させる配信サービスを提供する。例えば、配信サーバ30は、ゲームサーバ60から取得したゲーム映像を含む配信画面を再生端末20へ配信する。代替的に、配信サーバ30は、ゲームサーバ60以外の装置から受信したゲーム映像を含む配信画面を配信してもよい。一例として、配信サーバ30は、ゲームのプレイヤ又は他の配信者が作成したゲーム映像を含む配信画面を配信してもよい。この場合、配信サーバ30は、プレイヤ又は他の配信がアップロードしたゲーム映像を含む配信画面を再生端末20へ配信する。
【0016】
また、配信サービスは、ネットワーク50を介して再生端末20のためのプログラム又はデータを配信し、更新するサービスを含んでいる。配信サーバ30は、この配信サービスを通じて、各再生端末20に配信画面の視聴に必要な各種のプログラム又はデータを適宜に配信する。また、ゲーム映像には、ゲーム端末70によってプレイされているゲームのゲーム画面の映像、ゲーム画面等を撮影して作成されたカメラ映像、及びゲームのプレイヤ又はゲームを観戦する観客等を撮影したカメラ映像等のゲームに関連する映像が含まれる。
【0017】
例えば、配信サーバ30は、ネットワーク50を介して再生端末20のユーザにWebサービスを提供する。当該Webサービスにおいては、配信サーバ30が配信サービスを提供する場合に、再生端末20において再生される配信画面が配信される。なお、Webサービスは、ゲーム映像に関する各種の情報を提供する情報提供サービス、ユーザによる情報発信、交換、及び共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザ識別情報を付与するサービス等の他のサービスを含んでいてもよい。
【0018】
ゲームサーバ60は、ゲーム端末70又はゲーム端末70のユーザに対して、ゲーム装置用の各種サービスを提供する。このサービスは、ネットワーク50を介してゲーム端末70のためのプログラム又はデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。ゲームサーバ60は、この配信サービスを通じて、各ゲーム端末70にゲームサービスの提供に必要な各種のプログラム又はデータを適宜に配信する。
【0019】
ゲームサーバ60は、各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームを提供する。ここで、戦局とは、ゲームの勝敗の可能性がいずれの対戦者に傾いているのかを示す状況である。提供されるゲームは、ゲームオブジェクトを使用する対戦型のゲームであればよく、トレーディングカードゲーム、音楽ゲーム、ボードゲーム、麻雀ゲーム、RPGゲーム、格闘ゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、シミュレーションゲーム、及び野球並びにサッカー等のスポーツゲーム等である。例えば、ゲームサーバ60は、スポーツゲームとして、野球選手を育成する育成パートと、育成した野球選手が所属するチームを相手チームと対戦させる対戦パートとを含む野球ゲーム用のサービスを提供してもよい。なお、ゲームオブジェクトの使用には、オブジェクトを所定の位置(例えば所定のマス目)に配置すること、オブジェクトの効果(例えば召喚)を発揮すること、オブジェクトが攻撃又は防御すること、及びオブジェクトを含む所定のオブジェクト群(例えば所定の役)を構成すること等が含まれる。
【0020】
また、ゲームオブジェクトは、ゲームにおいて画面に表示される又はユーザによって使用される仮想的又は物理的なオブジェクトである。一例として、オブジェクトは、ゲームを進行させるためのゲーム処理において使用され、カード、キャラクタ、魔法、罠、モンスター、エフェクト、装備、及びアイテム等が含まれる。なお、以下の説明では、デッキ又はチームと呼ばれるオブジェクト群を使用するトレーディングカードゲームの例について主に説明する。ただし、ゲームにおいて。オブジェクト群は、物又は生物の集団、軍隊、軍団若しくは群れ等と呼ばれてもよい。
【0021】
[ゲームの概要]
プレイヤは、自らが作成したデッキから選択した複数のカードを手札として使用して、対戦相手のプレイヤと対戦する。対戦においては、自らのターンと相手プレイヤのターンとが交互に繰り返される。そして、プレイヤは、自らのターンにおいて、手札から選択したカードによって相手を攻撃し、相手プレイヤのライフポイント(単にLPともいう)を減少させる。その結果、相手プレイヤのライフポイントが無くなった場合、プレイヤは相手プレイヤに勝利する。また、カードは、モンスターカード、魔法カード、及び罠カードを含む。そして、各カードには、カード名、カード種類、属性、レベル、種族、説明、効果、使い方、攻撃力、及び守備力等が設定されている。
【0022】
図2は、ゲーム映像を含む配信画面DSの一例を示している。ゲームは、プレイヤP1及びプレイヤP2がカードを配置すべき場の一例としてのゲームフィールドを利用して進められる。ゲームフィールドには複数のカード置き場CPが設定されている。一例として、各プレイヤに対して十か所のカード置き場CPが設定されている。また、ゲームフィールドには、破壊された又は使用したカードを置く墓地ゾーンGZと、フィールド全体に効果を及ぼすフィールド魔法カードを置くフィールドゾーンFZとが設定されている。
【0023】
また、ゲームフィールドには、特殊な方法で召喚できるカードを置くエクストラデッキゾーンEZと、デッキを置くデッキゾーンDZとが設定されている。さらに、プレイヤP1のゲームフィールドとプレイヤP2のゲームフィールドとの境界に重なるようにエクストラモンスターゾーンEMZが設定されている。プレイヤP1及びプレイヤP2は、二つのエクストラモンスターゾーンEMZのいずれかを選んで、特殊な方法で召喚したカードを置くことができる。
【0024】
各プレイヤは自己が所有する多数のカードからゲームで使用するデッキを構成し、そのデッキに含まれたカードをカード置き場CP又は各ゾーンに適宜に配置しつつゲームを進める。ゲームでは、各プレイヤが一部のカードを手札HCとして保持し、あるいはゲームフィールド外の適宜の位置に置く。例えば、図2では、プレイヤP1が五枚のカードを手札HCとして保持している。また。プレイヤP1は、表側表示カードFCと、裏側表示カードBCとを、カード置き場CPに置いている。表側表示カードFCは、モンスターカードであり、カード画像C1に対応する。また、裏側表示カードBCは、罠カードであり、カード画像C2に対応する。例えば、裏側表示カードBCは、表側表示カードFCに対する攻撃を無効化させる効果を発揮するように、表側表示カードFCと関連して連鎖的に効果を奏する。
【0025】
ゲームは各プレイヤ間で手番を交互に繰り返すいわゆるターン制で進行する。最初に、ゲームの準備として、例えば各プレイヤのデッキをシャッフルした上でデッキゾーンDZに配置し、自分のデッキから所定枚数のカードを引いて手札HCとして保持する。準備が終わると先攻プレイヤのターンからゲームが開始される。一つのターンは複数のフェーズに区分される。フェーズは、一回のターンで行われるべき手順を、その内容や性質に応じて複数段階に区分するための概念である。
【0026】
各プレイヤは、フェーズごとに定められた範囲内で適宜の行動を選択する。一例として、フェーズ1ではデッキからカードが引かれ、フェーズ2では、そのフェーズにて効果処理が行われるべきカードの効果を発動させることができる。フェーズ3では、カードを適宜に用いつつ、戦闘で用いるモンスターといった仮想的なキャラクタ等の呼び出し(又は召喚)、魔法又は罠といった特有の効果を有するカードのセット、あるいはカードの効果の発動といった各種の行動が許容される。フェーズ4ではカードを用いた戦闘が行われる。例えば、攻撃に用いるカードと、攻撃対象となるカードとが選択されることにより戦闘が行われる。カードに代えて、又は加えて相手プレイヤが攻撃対象となってもよい。
【0027】
戦闘の結果はカードの属性、強さといったパラメータに応じて定まる。フェーズ5では、ターンの終了が宣言される。なお、各プレイヤは、フェーズ4の戦闘を自らの選択によって回避できる。その場合、フェーズ4はスキップされる。使用又は配置するカードの選択処理、及び各フェーズの終了又は開始処理は、ゲーム端末70のゲーム操作部73(図3)に対する操作によって行われる。代替的に、音声入力等の方法、又はゲーム端末70による自動的な処理によって、各処理が行われてもよい。そして、ターンが交互に繰り返されていくうちに所定の終了条件が成立するとゲームが終了する。終了条件は例えば各プレイヤに設定されたライフポイント等のパラメータの値が戦闘によって所定値(例えばゼロ)まで減少すると成立する。
【0028】
図1に戻り、ゲームサーバ60が提供するゲーム装置用のサービスは、ゲーム端末70からプレイヤのプレイヤ識別情報をゲームサーバ60が受け取って、プレイヤを認証するサービスを含んでいてもよい。また、ゲーム装置用のサービスは、ゲーム画面の映像、又は認証したプレイヤのプレイ結果を含むプレイデータを、ゲーム端末70からゲームサーバ60が受け取って保存するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム装置用のサービスは、ゲームサーバ60が保存するプレイデータを、ゲーム端末70に提供するサービスを含んでいてもよい。その他に、ゲーム装置用のサービスは、ネットワーク50を介して複数のプレイヤが共通のゲームをプレイする際に、ゲームサーバ60がプレイヤ同士をマッチングするサービスを含んでいてもよい。また、ゲーム装置用のサービスは、ゲームサーバ60がプレイヤから料金を徴収するサービスを含んでいてもよい。
【0029】
ネットワーク50は、配信サーバ30及びゲームサーバ60に、再生端末20とゲーム端末70とをそれぞれ接続できるように構成されている。一例として、ネットワーク50は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されている。具体的には、LAN52が、配信サーバ30及びゲームサーバ60のそれぞれと、インターネット51とを接続している。そして、WANとしてのインターネット51とLAN52とが、ルータ53を介して接続されている。
【0030】
再生端末20及びゲーム端末70も、インターネット51に接続されるように構成されている。また、配信サーバ30及びゲームサーバ60と、再生端末20及びゲーム端末70とは、LAN52に代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。なお、図1においては、細線がインターネット51に対する接続を示し、太線が提供されるサービス及び送信される情報等を示している。太線は、装置同士が直接通信することを示しているわけではないが、装置同士は、直接通信するように構成されていてもよい。
【0031】
再生端末20及びゲーム端末70は、ネットワーク接続が可能なコンピュータ装置である。例えば、再生端末20及びゲーム端末70は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ54、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置55を含む。その他にも、据置型の家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、及び携帯型タブレット端末装置等の各種のコンピュータ装置が、再生端末20及びゲーム端末70に含まれる。再生端末20とゲーム端末70とは、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、配信サーバ30とゲームサーバ60とが提供する種々のサービスをユーザに享受させることができる。具体的に、再生端末20は、映像再生用のソフトウェアを通じて、ゲーム映像を含む配信画面DSの表示端末として機能する。また、ゲーム端末70は、ゲーム装置用のソフトウェアを通じて、ゲーム装置として機能する。なお、再生端末20及びゲーム端末70は、アーケードゲーム機であってもよい。
【0032】
一例として、生成システム100においては、ゲームサーバ60が、ゲーム端末70にゲームサービスを提供する。そして、ゲームサーバ60は、ゲーム端末70によってプレイされているゲームのゲーム映像、又はゲーム画面等を撮影して作成されたゲーム映像を記録する。ゲーム映像は、ゲームのプレイヤ又はゲームを観戦する観客を撮影した映像等の、ゲームに関連する映像であってもよい。さらに、ゲームサーバ60は、ゲーム端末70から受信したキー情報をレンダリングすることによってゲーム映像を再生成してもよい。そして、ゲームサーバ60は、取得又は作成したゲーム映像を配信サーバ30に送信する。そして、配信サーバ30は、受信したゲーム映像を含む配信画面DSを再生端末20に配信する。
【0033】
[生成システム100の制御系]
次に、図3を参照して、生成システム100の制御系について説明する。まず、配信サーバ30は、配信制御部31、配信記憶部32、及び不図示の通信部を備えている。配信制御部31は、ゲームサーバ60から受信したゲーム映像を含む配信画面DSを配信するための各種制御を実行する。また、配信記憶部32は、配信サーバ30の制御プログラムである配信プログラムPG1を記憶している。配信サーバ30による配信は、各再生端末20に一斉に配信する形式であればよく、リアルタイムでの映像配信であるライブ配信の形式であっても、リアルタイムでなく、例えば編集された映像を配信する形式であってもよい。また、一斉に配信する形式に限らず、各ユーザの操作により個別に配信が行われるオンデマンド配信の形式であってもよい。
【0034】
また、配信記憶部32は、ゲームプログラムPG3と協働して生成システム100の制御プログラムとして機能する生成プログラムPG2と、配信画面DSの生成に使用される生成データD1とを記憶している。生成データD1は、優劣表示エリアAR1(図2)とオブジェクト表示エリアAR2(図2)に表示される画像の画像データ、及び画面構成のデータ等を含んでいる。一例として、優劣表示エリアAR1には、優勢であると面積が増える優劣表示バーBARが表示される。また、オブジェクト表示エリアAR2には、要因オブジェクトを示すカード画像C1,C2,C3(例えばカードの表面画像、駒又は牌の画像)、名称、又はID等を示す文字列の画像が表示される。
【0035】
ゲームサーバ60は、サーバ制御部61、サーバ記憶部62、及び不図示の通信部を備えている。サーバ制御部61は、ゲーム端末70にゲームサービスを提供するための各種制御を実行する。さらに、サーバ制御部61は、ゲーム映像を配信サーバ30にアップロードする。また、サーバ記憶部62は、ゲーム端末70にゲームサービスを提供するゲームプログラムPG3を記憶している。
【0036】
さらに、サーバ記憶部62は、不図示のゲームデータを記憶している。一例として、ゲームデータは、画像データ、BGMデータ、及びプレイヤのプレイデータといった各種のゲームの提供に必要なデータを含んでいる。プレイデータは、プレイヤのプレイ履歴(例えば過去の実績)等の各プレイヤに固有の内容を次回以降に引き継ぐためデータである。
【0037】
配信制御部31及びサーバ制御部61は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。一例として、これらのプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro-Processing Unit)であり、所定のプログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。
【0038】
配信記憶部32及びサーバ記憶部62は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体を含んだ記憶装置である。そして、配信記憶部32及びサーバ記憶部62は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM(Random Access Memory)、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を含む。プロセッサは、ROM又はHDDに記憶されたプログラムに従って、種々の演算、制御、及び判断等の処理動作を実行できる。配信プログラムPG1、生成プログラムPG2、及びゲームプログラムPG3は、協働して生成システム100の制御プログラムとして機能してもよい。なお、配信記憶部32及びサーバ記憶部62は、一つの記憶装置に全てのデータを保持してもよいし、複数の記憶装置にデータを分散して記憶してもよい。
【0039】
配信制御部31及びサーバ制御部61には、装置の入力状態、設定状態、計測結果、及び各種情報を表示する表示装置が、有線接続又は無線接続されている。また、配信制御部31及びサーバ制御部61には、所定の指令及びデータを入力するキーボード若しくは各種スイッチを含む操作装置が、有線接続又は無線接続されている。なお、配信制御部31及びサーバ制御部61は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、CF(Compact Flash)カード、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0040】
再生端末20は、再生制御部21、再生記憶部22、操作装置としての操作部23、表示装置としての表示部24、音声出力装置としてのスピーカ25、及び不図示の通信部を備えている。再生記憶部22は、再生端末20の制御プログラムと、アプリケーションプログラムの一例である配信画面DSの再生プログラムとを記憶している。再生制御部21は、再生端末20を制御するとともに、再生プログラムを実行することによって、配信画面DSを表示部24に表示させる。
【0041】
また、操作部23は、コントローラ、又はタッチパネル等の操作装置であり、ユーザによるユーザ操作の入力を受け付ける。また、表示部24は、テレビ、ディスプレイ、又はタッチパネル等の表示装置であり、ユーザが視聴する配信画面DSを表示する。操作部23及び表示部24は、タッチパネル等の表示操作部として一体的に構成されてもよい。スピーカ25は、ゲーム映像の再生に伴い、ゲーム音声などの関連する音声を出力する。なお、操作部23、表示部24、及びスピーカ25は、再生端末20と一体であってもよく、別体であってもよい。
【0042】
ゲーム端末70は、端末制御部71、端末記憶部72、ゲーム操作部73、ゲーム表示部74、及び不図示の通信部を備えている。端末記憶部72は、ゲーム端末70の制御プログラムを記憶している。端末制御部71は、ゲーム端末70を制御するとともに、制御プログラムを実行することによって、プレイヤにゲームをプレイさせる。ゲーム操作部73は、コントローラ、又はタッチパネル等の操作装置であり、プレイヤによるゲーム操作の入力を受け付ける。ゲーム操作部73及びゲーム表示部74は、タッチパネル等の表示操作部として一体的に構成されてもよい。さらにゲーム端末70は、プレイヤ等を撮影するカメラを備えていてもよい。この場合、ゲーム端末70は、ゲーム画面とともに、カメラが撮影したカメラ映像を、ゲームサーバ60へ送信する。代替的に、カメラは、ゲーム端末70とは別に設けられていてもよい。この場合、カメラは、ゲームサーバ60に代えて配信サーバ30へカメラ映像を送信してもよい。
【0043】
ゲーム表示部74は、ディスプレイ、又はタッチパネル等の表示装置であり、プレイヤがプレイするゲームのゲーム画面を表示する。ゲーム操作部73及びゲーム表示部74は、ゲーム端末70と一体であってもよく、別体であってもよい。さらに、ゲーム端末70は、不図示の音声出力装置を備えている。なお、端末制御部71は、制御プログラムを実行することによって、ゲームの進行を制御するが、サーバ制御部61と協働してゲームの進行を制御してもよい。例えば、サーバ制御部61がゲームの少なくとも一部の進行を制御し、端末制御部71は、その結果をゲーム表示部74に表示させてもよい。また、サーバ制御部61は、ゲーム端末70からプレイデータを収集し、収集したプレイデータを管理する。さらに、ゲームサーバ60のサーバ制御部61は、ゲーム端末70から、ゲーム映像を再構成するためのキー情報等を収集する。
【0044】
再生制御部21及び端末制御部71は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。一例として、これらのプロセッサは、CPU、又はMPUであり、所定のプログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。なお、再生制御部21及び端末制御部71は、CD、DVD、CFカード、及びUSBメモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0045】
再生記憶部22及び端末記憶部72は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体を含んだ記憶装置である。そして、再生記憶部22及び端末記憶部72は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM、HDD及びSSD等の記憶装置を含む。プロセッサは、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行できる。なお、再生記憶部22及び端末記憶部72は、一つの記憶装置に全てのデータを保持してもよいし、複数の記憶装置にデータを分散して記憶してもよい。
【0046】
[ゲームサーバ60]
サーバ制御部61は、ゲームの進行を管理するゲーム制御手段の一例であるゲーム制御部61Aを備えている。また、サーバ制御部61は、情報取得手段の一例である情報取得部61Bを備えている。そして、ゲーム制御部61A、及び情報取得部61Bは、サーバ制御部61のハードウェア資源と、ソフトウェア資源との組合せによって実現される論理的装置である。
【0047】
各プレイヤがゲーム端末70にてゲームのアプリケーションプログラムを起動させると、ゲーム端末70は、ゲームサーバ60にアクセスする。そして、ゲーム制御部61Aは、所定のユーザ認証を行うとともに、他のプレイヤとのマッチングを行う。マッチングが完了すると、ゲーム制御部61Aは、先攻プレイヤのターンからゲームを開始する。そして、ゲーム制御部61Aは、所定の手順に従ってゲームを進行させる。その後、ゲーム制御部61Aは、所定の終了条件が満たされるとゲームを終了する。代替的に、ピアツーピア方式によって、ゲーム端末70の端末制御部71がゲームを進行させてもよい。
【0048】
情報取得部61Bは、優劣情報と特定情報とを取得する。優劣情報は、戦局の優勢又は劣勢を示し、一例として、各プレイヤの勝利確率又は敗北確率を示す値である。代替的に、優劣情報は、各プレイヤのライフポイントを示す値であってもよい。また、特定情報は、ゲームオブジェクトのうち戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する情報である。一例として、特定情報は、各オブジェクトを一意に識別するオブジェクト識別情報である。例えば、オブジェクト識別情報は、特定のオブジェクトのカード名又はカードIDである。
【0049】
ゲーム端末70の端末制御部71は、情報生成手段の一例として情報生成部71Aを備えている。そして、情報生成部71Aは、戦局を分析して優劣情報と特定情報とを作成し、ゲームサーバ60に送信する。これにより、自動的に優劣情報と特定情報とを作成でき、優劣と要因オブジェクトとを視聴者へ示すことができる。そして、情報取得部61Bは、受領した優劣情報D2を、各プレイヤを一意に識別するプレイヤ識別情報と、時間帯を示す情報(例えば、ゲーム開始からの経過時間、ターン数、又はフェーズ数)とに関連付けてサーバ記憶部62に記憶させる。さらに、情報取得部61Bは、受領した特定情報に基づくオブジェクトリストD3を、時間帯を示す情報に関連付けてサーバ記憶部62に記憶させる。すなわち、ゲームサーバ60は、優劣情報と特定情報とを記憶する記憶装置の一例として、サーバ記憶部62を備えている。なお、情報取得部61Bは、記憶装置の一例としての端末記憶部72から優劣情報と特定情報とを取得してもよい。なお、各時間帯における特定情報は一枚のカードのみを示してもよく、複数枚のカードを示してもよい。さらに、優劣情報は、値であってもよく、優劣表示バーBAR、又は優劣表示グラフ等の画像であってもよい。
【0050】
例えば、情報生成部71Aは、ターン又はフェーズが変わるタイミングで戦局を分析する。そして、情報生成部71Aは、優劣情報と特定情報とを作成し、ゲームにおける時間帯を示す情報に関連付けてゲームサーバ60に受け渡す。一例として、情報生成部71Aは、予め端末記憶部72が記憶している所定のアルゴリズムを使用して戦局を分析する。また、情報生成部71Aは、各プレイヤが使用した又は使用できるオブジェクト(例えばカード)に基づいて戦局を分析する。例えば、情報生成部71Aは、ゲームフィールドに置かれている各カードが勝利に貢献する程度を評価する。そして、情報生成部71Aは、プレイヤ同士の各カードの優劣を評価して、戦局を予想する。なお、情報生成部71Aは、複数の対戦者のターンをまとめて一セットとして、一セットのターンが変わるタイミングで戦局を分析してもよい。例えば、情報生成部71Aは、一方のプレイヤのターンと他方のプレイヤのターンをまとめた一セットのターンが変わるタイミング、又は他方のプレイヤのターンと一方のプレイヤのターンをまとめた一セットのターンが変わるタイミングで戦局を分析してもよい。また、情報生成部71Aは、プレイヤの過去の対戦情報等(例えば過去の勝率等)を参照して戦局を分析してもよい。ただし、過去の対戦情報を参酌しないことにより、オブジェクトの貢献度と戦局の予測とが一致する可能性が高まる。
【0051】
また、情報生成部71Aは、各プレイヤが使用した又は使用できるオブジェクトの攻撃力及び防御力等のパラメータの期待値に基づいて戦局を分析してもよい。例えば、情報生成部71Aは、あるターンにおいてプレイヤP1が攻撃する確率と、その攻撃によるダメージとを用いた期待値と、次のターンにおいてプレイヤP2が攻撃する確率と、その攻撃によるダメージとを用いた期待値とを比較して戦局を分析してもよい。さらに、情報生成部71Aは、条件達成のための期待値に基づいて戦局を分析してもよい。期待値を使用する場合、各プレイヤの期待値が優劣情報とされてもよい。例えば、あるターンのプレイヤP1の期待値が3000であり、次のターンのプレイヤP2の期待値が1000であれば、プレイヤP1の優劣表示バーBARの長さはプレイヤP2の三倍となる。
【0052】
他の例として、情報生成部71Aは、予め端末記憶部72が記憶している学習済みのモデルを使用して、要因オブジェクトを予測するとともに、手札に含まれるカード及びゲームフィールドに置かれたカードから各プレイヤの勝率を予測してもよい。なお、情報生成部71Aは、ゲームサーバ60のサーバ制御部61に設けられてもよい。さらに、ピアツーピア方式によってゲームが進行する場合、ホスト側のゲーム端末70の情報生成部71Aが優劣情報と特定情報とを作成してもよい。
【0053】
情報取得部61Bは、実況者、解説者又はゲームサーバ60のオペレータによって予めサーバ記憶部62に記憶されている各プレイヤの勝率とその要因となるカードの名称を取得してもよい。これにより、予め記憶させた情報を利用して、優劣表示エリアAR1に優劣を示し、且つオブジェクト表示エリアAR2に要因オブジェクトを示すことができる。この場合、情報取得部61Bは、サーバ記憶部62から、勝率を優劣情報として取得し、カードの名称を特定情報として取得する。代替的に、各プレイヤが自らの勝率とその要因となるカードの名称をゲーム端末70に入力してもよい。この場合、情報取得部61Bは、ゲーム端末70から、入力された勝率を優劣情報として取得し、入力されたカードの名称を特定情報として取得する。
【0054】
[配信サーバ30]
配信制御部31は、配信画面の配信を管理する配信手段の一例である配信部31Aを備えている。また、配信制御部31は、映像取得手段の一例である映像取得部31Bと、画面生成手段の一例である画面生成部31Cとを備えている。そして、配信部31A、映像取得部31B、及び画面生成部31Cは、配信制御部31のハードウェア資源と、ソフトウェア資源との組合せによって実現される論理的装置である。
【0055】
配信部31Aは、画面生成部31Cが生成した配信画面DSを各再生端末20に配信する。そのために、画面生成部31Cは、図2に示すように、優劣表示エリアAR1とオブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように配信画面DSを生成する。このように、優劣表示エリアAR1とオブジェクト表示エリアAR2とが設けられることにより、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示される優劣の理由を容易に認識できる。また、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示されている優劣に影響を与えた要因オブジェクトを認識できる。そのため、ゲームの戦局に対する理解度が高まり、視聴者は、よりゲーム映像を楽しめる。
【0056】
画面生成部31Cは、サーバ制御部61が送信した優劣情報D2を受領する。そして、画面生成部31Cは、優劣情報D2に基づいて、少なくとも一人の対戦者についての戦局の優勢又は劣勢を優劣表示エリアAR1に示す。例えば、画面生成部31Cは、優劣表示エリアAR1に、優劣を示す優劣表示バーBARを表示させる。優劣表示バーBARは、より長い方が優勢な状態であることを示している。図2の例では、プレイヤP1のライフポイントが4000ポイントである一方、プレイヤP2のライフポイントが1000ポイントである。そのため、優劣表示バーBARは、プレイヤP1の勝率が80%であり、プレイヤP2の勝率が20%であることを示している。つまり、画面生成部31Cは、優劣表示エリアAR1に、プレイヤP1の長さがプレイヤP2と比べて四倍となるような優劣表示バーBARを表示させている。
【0057】
なお、画面生成部31Cは、二人の対戦者がいる場合、その両方について優劣表示バーBARを表示させてもよく、又は一方のみについて優劣表示バーBARを表示させてもよい。例えば、画面生成部31Cは、劣勢な対戦者については、優劣表示バーBARを表示させなくともよい。この場合であっても、視聴者は、優勢な対戦者と、優勢な状態の理由とを知ることができる。そのため、少なくとも優勢な対戦者を表示できれば、視聴者の要望をかなえることができる。さらに、三人以上の対戦者がいる場合、画面生成部31Cは、少なくとも一人について優劣表示バーBARを表示させてもよい。代替的に、画面生成部31Cは、三分割された優劣表示バーBARを表示させてもよい。
【0058】
また、画面生成部31Cは、優劣表示バーBARに代えて、100%を基準としての割合によって優劣を示してもよい。さらに、画面生成部31Cは、数字、又は文字(例えば優勢又は劣勢の文字)によって優劣を示してもよい。また、画面生成部31Cは、優勢なプレイヤを劣勢なプレイヤとは異なる態様で示すことによって、優劣を示してもよい。例えば、画面生成部31Cは、優勢なプレイヤの名称又は画像を、劣勢なプレイヤの名称又は画像よりも相対的に強調して表示してもよい。この強調表示は、サイズ、透過度、濃度、色度、彩度、明度、形状、色相、又はこれらの組み合わせを異ならせる表示であってもよい。
【0059】
また、画面生成部31Cは、サーバ制御部61が送信した特定情報としてオブジェクトリストD3を受領する。そして、画面生成部31Cは、オブジェクトリストD3に基づいて、オブジェクト表示エリアAR2に要因オブジェクトを示す。図2の例では、画面生成部31Cは、要因オブジェクトを示すために、カード画像C1,C2,C3を表示している。これにより、画面生成部31Cは、対戦ゲームのゲーム映像の配信に際して、優劣を視聴者へ示すとともに、戦局の変化に大きく貢献した要因オブジェクト(例えばカード)を視聴者へ示すことができる。具体的に、画面生成部31Cは、配信画面DSにおいて、視聴者が分かりやすいようにグラフ形式の優劣表示バーBARを示している。加えて、画面生成部31Cは、優勢の根拠となるカードのカード画像C1,C2,C3を、戦局への影響が高い順に表示している。
【0060】
特定情報は、一例として、オブジェクトリストD3である。例えば、オブジェクトリストD3は、各オブジェクトを一意に識別するオブジェクト識別情報のリストである。また、オブジェクトリストD3に含まれるオブジェクトは、プレイヤが使用したオブジェクトに加えて、使用可能なオブジェクト、例えばプレイヤの手札HCのカード、又はデッキのカードから選ばれてもよい。オブジェクトリストD3においては、各時間帯における貢献度の順に並べ替えられた状態で、プレイヤ識別情報に紐付いたオブジェクト識別情報がリスト化されている。また、オブジェクトリストD3においては、貢献度に紐付いたオブジェクト識別情報がリスト化されていてもよい。なお、ゲームによっては、使用可能なオブジェクトが、他の名称(山札、牌山、又は持ち駒等)で呼ばれるオブジェクト群から選ばれてもよい。
【0061】
また、画面生成部31Cは、オブジェクトの名称、識別番号、又は略称等によって要因オブジェクトを示してもよい。さらに、画面生成部31Cは、オブジェクト表示エリアAR2とともに、要因オブジェクトの説明エリア(不図示)が同一画面上に位置するように配信画面DSを生成してもよい。例えば、画面生成部31Cは、カード画像C1,C2,C3に加えて、要因オブジェクトとして選ばれた理由の説明を示すような文字又は画像がさらに示されるように説明エリアを設ける。例えば、画面生成部31Cは、貢献度を示す数値、又は貢献度が高い理由を示す説明文を、さらに表示させる。これにより、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示される優劣の理由をより詳しく理解できる。
【0062】
さらに、画面生成部31Cは、一つ又は二つ以上の要因オブジェクトをオブジェクト表示エリアAR2に表示させる。また、画面生成部31Cは、貢献度の高い順等に並べた上で、所定の数(例えば三つ)に限定して要因オブジェクトをオブジェクト表示エリアAR2に表示させてもよい。これにより、多数のカード画像が表示されて、要因オブジェクトが分かり難くなることを抑制できる。
【0063】
さらに、画面生成部31Cは、所定の順番で使用される又は使用された一群のオブジェクトを、要因オブジェクトとしてオブジェクト表示エリアAR2に表示させてもよい。例えば、画面生成部31Cは、使用された又は使用される順番に並べた上で、要因オブジェクトをオブジェクト表示エリアAR2に表示させる。ゲームにおいては、直前に使用されたオブジェクトの効果によって、次のオブジェクトを連続的に使用できる場合がある。このように連鎖的に使用されるオブジェクトは、所定の順序で使用されることを条件に、戦局を変化させる一連の変化をもたらす。このときに、一群のオブジェクトを順に並べて表示させると、視聴者は、より戦局の変化に対する理解力を高めることができる。なお、使用された又は使用される順番は、情報取得部61Bがゲーム端末70から取得して、特定情報と関連付けてサーバ記憶部62に記憶させる。
【0064】
さらに、画面生成部31Cは、戦局の変化に応じて、優劣表示エリアAR1及びオブジェクト表示エリアAR2における表示内容を変更する。すなわち、画面生成部31Cは、過去(例えば過去のターン又はフェーズ)における優劣表示バーBARとカード画像C1,C2,C3とを、現在におけるものと置き換える。この場合、画面生成部31Cは、最新の表示内容よりも前に表示されていた過去表示内容を表示する履歴表示エリア(不図示)を含むように配信画面DSを生成してもよい。
【0065】
すなわち、画面生成部31Cは、同一のゲーム映像に関して、過去の優劣と要因オブジェクトとを過去表示内容を示す履歴として表示してもよい。例えば、画面生成部31Cは、優劣表示エリアAR1に並べて履歴表示エリアを設ける。そして、画面生成部31Cは、直前二ターン分の過去のターンにおける優劣表示バーBARとカード画像C1,C2,C3とを、履歴表示エリアに表示させる。これにより、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示される優劣の理由をより詳しく理解できる。なお、画面生成部31Cは、過去のターンの優劣と要因オブジェクトとを、より小さく表示してもよい。
【0066】
また、画面生成部31Cは、貢献度が高いカードを相対的に強調して表示させてもよい。例えば、画面生成部31Cは、最も貢献度が高いカードを最も大きく表示する。これにより、視聴者は、より容易に要因オブジェクトの変化を視覚的に認識できる。さらに、画面生成部31Cは、戦局が変わったとき、例えば優劣が逆転したときに、優劣表示エリアAR1に演出画像を表示させてもよい。これにより、視聴者は、より早く戦局の変化を視覚的に認識できる。また、画面生成部31Cは、過去の優劣及び要因オブジェクトと、現在の優劣及び要因オブジェクトとを比較して、状況の変化を示す情報を優劣表示エリアAR1に表示させてもよい。例えば、画面生成部31Cは、逆転したこと又は優劣の差が広がったことを示す説明文又は演出画像を、配信画面DSに表示させてもよい。
【0067】
また、図2の例では、優勢のプレイヤP1に対してのみオブジェクト表示エリアAR2が設けられている。しかし、優勢のプレイヤP1と劣勢のプレイヤP2のそれぞれについて、オブジェクト表示エリアAR2が設けられてもよい。ただし、少なくとも優勢な対戦者を表示できれば、視聴者の要望をかなえることができる。さらに、三人以上の対戦者がいる場合、画面生成部31Cは、その少なくとも一人について要因オブジェクトを示してもよい。
【0068】
画面生成部31Cは、ゲーム映像の始まりから終わりまでの少なくとも一部の時間帯において、優劣表示エリアAR1とオブジェクト表示エリアAR2を同一画面上に位置させればよい。例えば、ゲーム開始前又はゲーム終了後の時間帯、優劣の判断が付かないゲーム序盤の時間帯、ゲームの結果が視聴者にばれることを隠す必要があるゲーム終盤の時間帯においては、優劣表示エリアAR1とオブジェクト表示エリアAR2の少なくとも一方が、配信画面DSに含まれていなくともよい。
【0069】
また、画面生成部31Cは、ゲーム映像(及びゲーム映像の表示領域)と、優劣表示エリアAR1及びオブジェクト表示エリアAR2とを含むように、配信画面DSを生成する。一例として、画面生成部31Cは、ゲーム映像に優劣表示エリアAR1及びオブジェクト表示エリアAR2が重畳表示されるようにゲーム映像を加工して配信画面DSを生成する。そのために、画面生成部31Cは、配信記憶部32の生成データD1に含まれる画面構成のデータ等を取得して配信画面DSを生成する。配信画面DSは、画像又は映像として生成される。例えば、画面生成部31Cは、MPEG形式等の各種のフォーマットで配信画面DSを生成する。そして、配信部31Aは、ユーザがアクセスするWebページに、配信画面DSを表示する。
【0070】
具体的に、画面生成部31Cは、ゲーム映像の表示領域を含む下レイヤーに、優劣表示エリアAR1及びオブジェクト表示エリアAR2を含む上レイヤーを重ね合わせる。上レイヤーは、ゲーム映像の表示を邪魔しないように透明な画像として構成される。これにより、優劣表示エリアAR1及びオブジェクト表示エリアAR2は、ゲーム映像の一部に重畳するように表示される。代替的に、画面生成部31Cは、ゲーム映像と重ならないように下レイヤーに上レイヤーを重ね合わせてもよい。
【0071】
さらに、図2の例では、優劣表示エリアAR1は、オブジェクト表示エリアAR2と並んで設けられている。しかし、オブジェクト表示エリアAR2と同時に表示されれば、優劣表示エリアAR1は、オブジェクト表示エリアAR2から離れた位置に設けられてもよい。例えば、オブジェクト表示エリアAR2は、各プレイヤを示す画像又はプレイヤ名の近傍に設けられてもよい。この場合、優劣表示エリアAR1は、配信画面DSの上部、下部、右部、又は左部に設けられていてもよい。
【0072】
さらに、優劣表示エリアAR1は、オブジェクト表示エリアAR2の内側に設けられていてもよい。また、オブジェクト表示エリアAR2は、優劣表示エリアAR1の内側に設けられていてもよい。例えば、図2に示す優劣表示バーBARの一部が、要因オブジェクトを示すカード画像C1,C2,C3に重畳していてもよい。
【0073】
代替的に、画面生成部31Cは、ゲームサーバ60のサーバ制御部61に設けられていてもよい。この場合、配信サーバ30の映像取得部31Bは、ゲーム映像とともに、ゲーム映像を含む配信画面DSをゲームサーバ60から取得する。そして、配信部31Aは、取得した配信画面DSを配信する。
【0074】
なお、画面生成部31Cは、所定のタイミングに優劣表示エリアAR1とオブジェクト表示エリアAR2に示す内容を変更又は更新する。例えば、画面生成部31Cは、情報取得部61Bから優劣情報及び特定情報を受領したタイミングで、内容を変更又は更新する。または、画面生成部31Cは、各ターン若しくは各フェーズの終了時に内容を変更又は更新する。
【0075】
映像取得部31Bは、ゲームのゲーム映像を取得する。一例として、映像取得部31Bは、ゲームサーバ60からゲーム映像を取得する。代替的に、映像取得部31Bは、不図示の撮影装置(例えばビデオカメラ)から、撮影されたゲーム映像を取得してもよい。さらに、映像取得部31Bは、ゲーム端末70からゲーム映像を取得してもよい。そして、画面生成部31Cは、映像取得部31Bが取得したゲーム映像と、優劣表示エリアAR1と、オブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように配信画面DSを生成する。
【0076】
なお、映像取得部31Bは、両対戦者の一方のゲーム端末70(例えば、ピアツーピア方式の場合はホスト端末として機能するゲーム端末70)からゲーム映像を取得する。代替的に、映像取得部31Bは、両対戦者のそれぞれのゲーム端末70からゲーム映像を取得してもよい。これにより、通常は相手プレイヤの手札HCがゲーム映像に映らないが、両対戦者の手札HCをゲーム映像に映すことができる。一例として、画面生成部31Cは、両対戦者のそれぞれのゲーム端末70からのゲーム映像が、上下又は左右に並ぶように配信画面DSを生成する。
【0077】
[生成システム100による処理]
続いて、図4のフローチャートを参照して、生成システム100における処理について説明する。まず、ゲーム端末70の情報生成部71Aは、戦局を分析して優劣情報と特定情報とを作成し、ゲームサーバ60に送信する。そして、ゲームサーバ60の情報取得部61Bは、優劣情報と特定情報とを取得する(S101)。さらに、情報取得部61Bは、受領した優劣情報D2をサーバ記憶部62に記憶させるとともに、受領した特定情報をオブジェクトリストD3としてサーバ記憶部62に記憶させる(S102)。
【0078】
そして、サーバ制御部61は、ゲーム映像と、優劣情報D2と、特定情報としてのオブジェクトリストD3を配信サーバ30へ送信する(S103)。続いて、配信サーバ30の映像取得部31Bは、サーバ制御部61が送信したゲーム映像を取得する(S104)。さらに、配信サーバ30の画面生成部31Cは、サーバ制御部61が送信した優劣情報D2とオブジェクトリストD3とを取得する(S104)。
【0079】
そして、画面生成部31Cは、ゲーム映像と、優劣情報D2と、オブジェクトリストD3とに基づいて配信画面DSを生成する(S105)。その後、配信サーバ30の配信部31Aは、画面生成部31Cが生成した配信画面DSを各再生端末20に配信する(S106)。そして、再生端末20は配信画面DSを表示し、配信が終了すれば(S107でYES)、配信サーバ30は処理を終了する。一方、配信が終了していない場合(S107でNO、)、画面生成部31Cは、配信画面DSを生成する(S105)。
【0080】
以上説明した第1実施形態に係る生成システム100によれば、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示される優劣の理由を容易に認識できる。また、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示されている優劣に影響を与えた要因オブジェクトを認識できる。そのため、ゲームの戦局に対する理解度が高まり、視聴者は、よりゲーム映像を楽しめる。
【0081】
[第2実施形態]
図5から図8を参照して第2実施形態について説明する。第2実施形態は、配信サーバ230において優劣情報と特定情報を取得する点において、第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態の説明においては、第1実施形態との相違点について説明し、既に説明した構成要素については同じ参照番号を付し、その説明を省略する。特に説明した場合を除き、同じ参照符号を付した構成要素は略同一の動作及び機能を奏し、その作用効果も略同一である。
【0082】
図5に示すように、視聴映像の配信画面DSを生成する生成システム200は、配信システムとしても機能し、再生端末20と、配信サーバ230と、配信者が映像のアップロードを行う配信端末40とを備えている。この配信端末40は、所定のネットワーク50を介して配信サーバ230に接続可能である。一例として、配信者は、ゲーム大会の会場等において配信端末40を使用する。なお、配信サーバ230と配信端末40は、LAN52に代えて又は加えてインターネット51により、相互に接続されていてもよい。
【0083】
配信サーバ230は、複数のコンピュータとしてのサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。また、配信サーバ230は、視聴者が再生端末20から入力したユーザ操作を受け付ける。例えば、視聴者は、再生端末20を用いて優劣情報及び特定情報を入力できる。さらに、配信サーバ230は、各視聴者を一意に識別する視聴者識別情報(例えば視聴者ID)に紐づけて、各再生端末20を識別する端末識別情報(例えば端末ID)、及び入力された優劣情報及び特定情報を管理する。一例として、再生端末20に表示されたコメントの入力欄において、視聴者は、いずれのプレイヤが優勢又は劣勢であるのかを優劣情報として投稿できる。または、視聴者は、再生端末20に表示された投票アイコンをタッチ操作することによって、いずれのプレイヤが優勢又は劣勢であるのかを入力できる。さらに、視聴者は、コメントの入力欄において、要因オブジェクトを示す特定情報としてカード名等を投稿できる。
【0084】
また、配信サーバ230は、配信画面DSを生成することによって、配信端末40から受信したゲーム映像を含む配信画面DSを配信する。代替的に、配信サーバ230は、配信端末40以外の装置から受信した視聴映像を配信してもよい。例えば、配信サーバ230は、ゲーム機、又はゲーム機にゲームサービスを提供するゲームサーバ60から受信したゲーム映像を含む配信画面DSを配信してもよい。この場合、配信サーバ230は、ゲーム機又はゲームサーバ60からアップロードされたゲーム映像を含む配信画面DSを再生端末20へ配信する。
【0085】
配信端末40は、ネットワーク接続が可能なコンピュータ装置である。例えば、配信端末40は、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ54、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置55を含む。その他にも、据置型の家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、及び携帯型タブレット端末装置等の各種のコンピュータ装置が、配信端末40に含まれる。配信端末40は、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、配信サーバ230が提供する種々のサービスをユーザに享受させることができる。
【0086】
また、配信端末40は、物理的なオブジェクト(例えばカード等のゲーム要素)を使用して対戦しているプレイヤを撮影する撮影装置45から、ゲーム映像としてカメラ映像を取得する。一例として、撮影装置45はビデオカメラであり、ゲーム大会の会場等に設置されている。そして、配信端末40は、取得したカメラ映像を、ゲーム映像として、又はゲーム画面の一部にカメラ映像を重畳させたゲーム映像として、配信サーバ30へ送信する。代替的に、配信サーバ30が、撮影装置45からゲーム映像としてのカメラ映像を直接取得してもよい。
【0087】
[ゲームの概要]
以下の説明では、デッキと呼ばれる物理的なカード群を使用するトレーディングカードゲームの例について主に説明する。プレイヤは、自らが作成したデッキから選択した複数のカードを手札として使用して相手プレイヤと対戦する。対戦においては、自らのターンと相手プレイヤのターンとが交互に繰り返させる。そして、プレイヤは、自らのターンにおいて、手札から選択したカードによって相手プレイヤを攻撃し、相手プレイヤのライフポイントを減少させる。その結果、相手プレイヤのライフポイントが無くなった場合、プレイヤは相手プレイヤに勝利する。
【0088】
図6は、ゲーム映像としてのカメラ映像を含む配信画面DSの一例を示している。物理的なカードを使用したゲームは、プレイヤP1及びプレイヤP2がカードを配置すべき場の一例としてのゲームフィールドを利用して進められる。ゲームフィールドには複数のカード置き場CPが設定されている。一例として、各プレイヤに対して十か所のカード置き場CPが設定されている。また、ゲームフィールドには、破壊された又は使用したカードを置く墓地ゾーンGZと、フィールド全体に効果を及ぼすフィールド魔法カードを置くフィールドゾーンFZとが設定されている。また、ゲームフィールドには、特殊な方法で召喚できるカードを置くエクストラデッキゾーンEZと、デッキを置くデッキゾーンDZとが設定されている。さらに、プレイヤP1のゲームフィールドとプレイヤP2のゲームフィールドとの境界に重なるようにエクストラモンスターゾーンEMZが設定されている。
【0089】
各プレイヤは自己が所有する多数のカードからゲームで使用するデッキを構成し、そのデッキに含まれたカードをカード置き場CP又は各ゾーンに適宜に配置しつつゲームを進める。ゲームでは、各プレイヤが一部のカードを手札HCとして保持し、あるいはゲームフィールド外の適宜の位置に置く。例えば、図6では、プレイヤP2が手札HCをゲームフィールド外に置いている。
【0090】
ゲームは各プレイヤ間で手番を交互に繰り返すいわゆるターン制で進行する。最初に、各プレイヤは、デッキをシャッフルした上でデッキゾーンDZに配置し、自分のデッキから所定枚数のカードを引いて手札HCとして保持する。準備が終わると先攻プレイヤのターンからゲームが開始される。一つのターンは複数のフェーズに区分される。
【0091】
各プレイヤは、フェーズごとに定められた範囲内で適宜の行動を選択する。一例として、フェーズ1ではデッキからカードが引かれ、フェーズ2では、そのフェーズにて効果処理が行われるべきカードの効果を発動させることができる。フェーズ3では、カードを適宜に用いつつ、戦闘で用いるモンスターといった仮想的なキャラクタ等の呼び出し(又は召喚)、魔法又は罠といった特有の効果を有するカードのセット、あるいはカードの効果の発動といった各種の行動が許容される。フェーズ4ではカードを用いた戦闘が行われる。カードに代えて、又は加えて相手プレイヤが攻撃対象となってもよい。
【0092】
戦闘の結果はカードの属性、強さといったパラメータに応じて定まる。フェーズ5では、ターンの終了が宣言される。なお、各プレイヤは、フェーズ4の戦闘を自らの選択によって回避できる。その場合、フェーズ4はスキップされる。フェーズの進行(例えばターンの終了)は、各プレイヤによる発話又はジェスチャによって行われる。そして、ターンが交互に繰り返されていくうちに所定の終了条件が成立するとゲームが終了する。終了条件は例えば各プレイヤに設定されたライフポイント等のパラメータの値が戦闘によって所定値まで減少すると成立する。
【0093】
[生成システム200の制御系]
次に、図7を参照して、生成システム200の制御系について説明する。配信サーバ230は、配信制御部231、配信記憶部232、及び不図示の通信部を備えている。配信制御部231は、配信端末40からアップロードされたゲーム映像を含む配信画面DSを配信するための各種制御を実行する。また、配信記憶部232は、配信サーバ230の制御プログラムである配信プログラムPG1を記憶している。また、配信記憶部232は、生成システム200の制御プログラムとして機能する生成プログラムPG4と、配信画面の生成に使用される生成データD1とを記憶している。生成データD1は、優劣表示エリアAR1とオブジェクト表示エリアAR2に表示される画像の画像データ、及び画面構成のデータ等を含んでいる。
【0094】
配信制御部231は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。そして、配信制御部231は、配信手段の一例である配信部231Aと、情報取得手段及び映像取得手段の一例である取得部231Bと、画面生成手段の一例である画面生成部231Cと、集計手段の一例である集計部231Dを備えている。配信部231A、取得部231B、画面生成部231C、及び集計部231Dは、配信制御部231のハードウェア資源と、ソフトウェア資源との組合せによって実現される論理的装置である。また、配信記憶部232は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体を含んだ記憶装置である。
【0095】
配信部231Aは、画面生成部231Cが生成した配信画面DSを各再生端末20に配信する。そのために、画面生成部231Cは、図6に示すように、優劣表示エリアAR1とオブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように配信画面DSを生成する。すなわち、画面生成部231Cは、ゲーム映像(及びゲーム映像の表示領域)と、優劣表示エリアAR1及びオブジェクト表示エリアAR2とを含むように、配信画面DSを生成する。なお、画面生成部231Cは、取得部231Bが配信記憶部232に記憶させた優劣情報D2を取得する。また、画面生成部31Cは、取得部231Bが配信記憶部232に記憶させたオブジェクトリストD3を特定情報として取得する。さらに、画面生成部231Cは、取得部231Bからゲーム映像を受け入れる。
【0096】
情報取得手段としての取得部231Bは、優劣情報と特定情報とを取得する。例えば、取得部231Bは、配信画面DSが配信される複数の再生端末20から、対戦者のうち優勢である者を示す優勢情報、又は対戦者のうち劣勢である者を示す劣勢情報を取得する。そして、集計部231Dは、優勢情報又は劣勢情報を集計した優劣集計結果を取得部231Bに受け渡す。これにより、取得部231Bは、優劣集計結果を優劣情報D2として取得して、各プレイヤを一意に識別するプレイヤ識別情報と、時間帯を示す情報とに関連付けて配信記憶部232に記憶させる。
【0097】
例えば、集計部231Dは、優勢情報として、優勢であるプレイヤのプレイヤ名又はプレイヤIDの投稿数を集計する。または、集計部231Dは、劣勢情報として、劣勢であるプレイヤのプレイヤ名又はプレイヤIDの投稿数を集計する。一例として、あるターンのプレイヤP1が優勢であることを示す投稿数が3000であり、プレイヤP2が優勢であることを示す投稿数が1000であるとする。この場合、プレイヤP1の勝利可能性はプレイヤP2の三倍となり、プレイヤP1の優劣表示バーBARの長さはプレイヤP2の三倍となる。
【0098】
また、取得部231Bは、複数の再生端末20から、要因オブジェクトを示す情報(例えば、カード名又はカードID)を取得する。そして、集計部231Dは、当該情報を集計したオブジェクト集計結果を取得部231Bに受け渡す。これにより、取得部231Bは、オブジェクト集計結果を特定情報として取得する。そして、取得部231Bは、オブジェクト集計結果に基づくオブジェクトリストD3を、時間帯を示す情報に関連付けて配信記憶部232に記憶させる。例えば、取得部231Bは、各時間帯(例えば各ターン又は各フェーズ)における、所定数(例えば三つ)の要因オブジェクトを特定するリストを、オブジェクトリストD3として記憶させる。なお、集計部231Dは、各再生端末20から取得した要因オブジェクトを示す情報のうち、プレイヤが使用したオブジェクトを示す情報のみを集計してもよい。そして、取得部231Bは、このように集計されたオブジェクト集計結果に基づくオブジェクトリストD3を、各プレイヤを示す情報に関連付けて配信記憶部232に記憶させる。これにより、視聴者が、プレイヤが使用していないオブジェクトを誤って選択した場合であっても、正しく集計することができる。
【0099】
これにより、生成システム200は、戦局を分析する工程を用意せずに、又は戦局を分析する人間を用意せずに、優劣情報及び特定情報を作成できる。さらに、視聴者の見解を優劣情報及び特定情報に反映させることができるので、より視聴者の満足度を高めることができる。
【0100】
代替的に、取得部231Bは、配信記憶部232から、予めオペレータが記憶させた優劣情報D2と特定情報としてのオブジェクトリストD3とを取得してもよい。これにより、予め記憶させた情報を利用して、優劣表示エリアAR1に優劣を示し、且つオブジェクト表示エリアAR2に要因オブジェクトを示すことができる。一例として、配信サーバ230のオペレータが、リアルタイムに又は予め優劣情報D2とオブジェクトリストD3とを配信記憶部232に記憶させる。また、取得部231Bは、ゲーム端末70又は配信端末40から優劣情報と特定情報とを取得してもよい。この場合、配信サーバ230は、優劣情報と特定情報とを記憶する記憶装置の一例として、配信記憶部232を備える。そして、取得部231Bは、配信記憶部232から優劣情報D2とオブジェクトリストD3とを取得する。なお、この場合の優劣情報D2とオブジェクトリストD3は、事前に視聴者から収集した情報に基づく情報であってもよい。
【0101】
また、再生端末20の再生アプリケーショソフト又は配信サーバ230の配信部231Aは、所定のタイミングで視聴者に優劣情報及び特定情報の入力を求めてもよい。一例として、入力を求めるタイミングは、各ターンの終了時若しくは開始時、又は各フェーズの終了時若しくは開始時である。再生端末20は、入力に応じて優劣情報及び特定情報を配信サーバ230に送信する。代替的に、再生端末20は、配信サーバ230からの送信要求に応じて優劣情報及び特定情報を配信サーバ230に送信する。
【0102】
なお、集計部231Dは、所定のタイミング(例えば各ターン又は各フェーズの終了時)に集計を行い、優劣集計結果とオブジェクト集計結果を作成する。また、集計部231Dは、絶対数(例えば投稿数)に代えて、全投稿数に対する各プレイヤに対する投稿数の割合を、優劣集計結果として作成してもよい。
【0103】
また、集計部231Dは、集計時に視聴者が入力したコメントの内容を判断して、コメントの内容に応じたプレイヤ又は要因オブジェクトを特定してもよい。例えば、集計部231Dは、コメントに含まれる文章を解析して、プレイヤ名がコメントに含まれていれば、対戦中のプレイヤ名と一致するか否かを判断する。そして、両者が一致する場合、当該プレイヤ名によって特定されるプレイヤに対する投稿数を加算する。同様に、オブジェクト名がコメントに含まれていれば、当該オブジェクト名によって特定されるオブジェクトに対する投稿数を加算する。
【0104】
映像取得手段としての取得部231Bは、ゲームのゲーム映像を取得する。一例として、取得部231Bは、配信端末40からゲーム映像を取得する。代替的に、取得部231Bは、撮影装置45からゲーム映像としてのカメラ映像を取得してもよい。さらに、取得部231Bは、ゲーム端末70からゲーム映像を取得してもよい。そして、画面生成部231Cは、取得部231Bが取得したゲーム映像と、優劣表示エリアAR1と、オブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように配信画面DSを生成する。代替的に、取得部231Bは、ゲーム端末70又はゲームサーバ60から受信したキー情報をレンダリングすることによってゲーム映像を再生成してもよい。
【0105】
[配信端末40]
配信端末40は、配信端末制御部41、配信端末記憶部42、配信端末操作部43、配信端末表示部44、及び不図示の通信部を備えている。配信端末記憶部42は、配信端末40の制御プログラムを記憶する。配信端末制御部41は、配信端末40を制御するとともに、ゲーム映像等の映像のアップロードを実行する。また、配信端末操作部43は、マウス、キーボード、コントローラ、又はタッチパネル等の操作装置であり、配信者によるアップロード又は配信中のコメントの入力等の操作の入力を受け入れる。配信端末表示部44は、テレビ、ディスプレイ、又はタッチパネル等の表示装置であり、配信者が配信しているゲーム映像等を表示する。配信端末操作部43及び配信端末表示部44は、タッチパネル等の表示操作部として一体的に構成されてもよい。
【0106】
さらに配信端末40は、不図示のスピーカ等の音声出力装置、及びマイク等の音声入力装置を備えている。また、配信端末40は、プレイヤ等を撮影するカメラ等の撮影装置45を備えていてもよい。この場合、配信端末40は、カメラが撮影しているカメラ映像を、配信サーバ230へ随時アップロードする。なお、配信端末40においてゲームをプレイする場合、配信端末制御部41は、配信端末記憶部42に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、ゲームの進行を制御する。
【0107】
配信端末制御部41は、所定のプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサと、プロセッサの動作に必要な内部メモリと、その他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。一例として、これらのプロセッサは、CPU、又はMPUであり、所定のプログラムに基づいて、装置全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。なお、配信端末制御部41は、CD、DVD、CFカード、及びUSBメモリ等の可搬記録媒体、又はインターネット上のサーバ等の外部記憶媒体に記憶されたプログラムに従って制御を行うこともできる。
【0108】
配信端末記憶部42は、コンピュータ読み取り可能な非一時的記憶媒体を含んだ記憶装置である。そして、配信端末記憶部42は、プロセッサが動作するためのシステムワークメモリであるRAM、並びにプログラム及びシステムソフトウェアを格納するROM、HDD及びSSD等の記憶装置を含む。プロセッサは、ROM又はHDDに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行できる。なお、配信端末記憶部42は、一つの記憶装置に全てのデータを保持してもよいし、複数の記憶装置にデータを分散して記憶してもよい。
【0109】
[生成システム200による処理]
続いて、図8のフローチャートを参照して、生成システム200における処理について説明する。まず、映像取得手段としての取得部231Bは、ゲームのゲーム映像を取得する(S201)。例えば、取得部231Bは、配信端末40からライブ配信用のゲーム映像を取得する。そして、画面生成部231Cは、ゲーム映像が含まれる配信画面DSを生成する(S202)。このとき、優劣情報及び特定情報の取得前は、優劣表示エリアAR1とオブジェクト表示エリアAR2は初期状態となっている。例えば、初期状態の優劣表示エリアAR1には、優劣の差が無いような、両対戦者に対して同じ長さとなる優劣表示バーBARが表示される。また、初期状態のオブジェクト表示エリアAR2には、要因オブジェクトを特定する画像又はカード名などが表示されない。
【0110】
そして、配信部231Aは、画面生成部231Cが生成した配信画面DSを各再生端末20に配信する(S203)。その後、所定のタイミングで、情報取得手段としての取得部231Bは、複数の再生端末20から優勢情報又は劣勢情報を取得する(S204)。また、取得部231Bは、複数の再生端末20から要因オブジェクトを示す情報を取得する(S204)。そして、集計部231Dは、優勢情報又は劣勢情報を集計して(S205)、優劣集計結果を取得部231Bに受け渡す。また、集計部231Dは、要因オブジェクトを示す情報を集計して(S205)、オブジェクト集計結果を取得部231Bに受け渡す。
【0111】
これにより、取得部231Bは、優劣集計結果を優劣情報D2として取得するとともに、オブジェクト集計結果を特定情報として取得する(S208)。そして、取得部231Bは、優劣情報D2を配信記憶部232に記憶させるとともに、特定情報をオブジェクトリストD3として配信記憶部232に記憶させる。配信が終了していない場合(S207でNO)、画面生成部231Cは、ゲーム映像と、記憶されている優劣情報D2及びオブジェクトリストD3とに基づいて配信画面DSを生成する(S202)。そして、配信部231Aは、画面生成部231Cが生成した配信画面DSを各再生端末20に配信する(S203)。一方、配信が終了すれば(S207でYES)、配信サーバ230は処理を終了する。
【0112】
以上説明した第2実施形態に係る生成システム200によっても、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示される優劣の理由を容易に認識できる。また、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示されている優劣に影響を与えた要因オブジェクトを認識できる。そのため、ゲームの戦局に対する理解度が高まり、視聴者は、よりゲーム映像を楽しめる。
【0113】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態、並びに各実施形態又は各変形形態に含まれる技術的手段は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0114】
例えば、第1実施形態において、ゲームサーバ60に設けられている情報取得部61B又は情報取得部61Bの一部の機能に対応する機能部が配信サーバ30に設けられてもよい。また、配信サーバ30に設けられている画面生成部31Cがゲームサーバ60に設けられてもよい。また、第2実施形態において、生成システム200は、ゲームサーバ60をさらに備えてもよい。この場合、取得部231B、画面生成部231C、及び集計部231Dの少なくとも一つ、又はこれらの少なくとも一つ機能部の一部の機能に対応する機能部が、ゲームサーバ60に設けられてもよい。
【0115】
以下、上述した各実施形態及び各変形例から導き出される各種の態様を記載する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0116】
生成システム100,200は、各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面DSを生成するとともに、コンピュータ61,31,231を備える生成システム100,200であって、前記コンピュータ61,31,231は、前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得し、前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアAR1と、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように前記配信画面DSを生成する。
【0117】
制御プログラムPG2,PG3は、各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面DSを生成するとともに、コンピュータ61,31,231を備える生成システム100,200の制御プログラムPG2,PG3であって、前記コンピュータ61,31,231に、前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得させ、前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアAR1と、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように前記配信画面DSを生成させる。
【0118】
制御方法は、各対戦者によるゲームオブジェクトの使用に応じて戦局が変化して勝敗が決まる対戦型のゲームの視聴映像の配信画面DSを生成するとともに、コンピュータ61,31,231を備える生成システム100,200の制御方法であって、前記コンピュータ61,31,231は、前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣情報と、前記ゲームオブジェクトのうち前記戦局の要因となった要因オブジェクトを特定する特定情報とを取得し、前記優劣情報に基づいて少なくとも一人の対戦者についての前記戦局の優勢又は劣勢を示す優劣表示エリアAR1と、前記特定情報に基づいて前記要因オブジェクトを示すオブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように前記配信画面DSを生成する。
【0119】
これにより、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示される優劣の理由を容易に認識できる。また、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示されている優劣に影響を与えた要因オブジェクトを認識できる。そのため、ゲームの戦局に対する理解度が高まり、視聴者は、よりゲーム映像を楽しめる。
【0120】
生成システム100,200は、前記ゲームをプレイするためのゲーム装置70をさらに備え、前記ゲーム装置70は、前記戦局を分析して前記優劣情報と前記特定情報とを作成し、前記コンピュータ61,31,231は、前記ゲーム装置70から前記優劣情報と前記特定情報とを取得する。これにより、自動的に優劣情報と特定情報とを作成でき、優劣と要因オブジェクトとを示すことができる。
【0121】
前記コンピュータ61,31,231は、前記ゲームのゲーム映像を取得するとともに、前記ゲーム映像と、前記優劣表示エリアAR1と、前記オブジェクト表示エリアAR2とが同一画面上に位置するように前記配信画面DSを生成する。これにより、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示される優劣の理由を容易に認識できる。
【0122】
生成システム100,200は、前記優劣情報と前記特定情報とを記憶する記憶装置62,232をさらに備え、前記コンピュータ61,31,231は、前記記憶装置62,232から前記優劣情報と前記特定情報とを取得する。これにより、予め記憶させた情報を利用して、優劣表示エリアAR1に優劣を示し、且つオブジェクト表示エリアAR2に要因オブジェクトを示すことができる。
【0123】
前記コンピュータ61,31,231は、前記配信画面DSが配信される複数の再生端末20から、前記対戦者のうち優勢である者を示す優勢情報、又は前記対戦者のうち劣勢である者を示す劣勢情報を取得するとともに、前記優勢情報又は前記劣勢情報を集計した優劣集計結果を前記優劣情報として取得し、前記複数の再生端末20から、前記要因オブジェクトを示す情報を取得するとともに、当該情報を集計したオブジェクト集計結果を前記特定情報として取得する。これにより、生成システム100,200は、戦局を分析する工程を用意せずに、又は戦局を分析する人間を用意せずに、優劣情報及び特定情報を作成できる。さらに、視聴者の見解を優劣情報及び特定情報に反映させることができるので、より視聴者の満足度を高めることができる。
【0124】
前記コンピュータ61,31,231は、前記オブジェクト表示エリアAR2とともに、前記要因オブジェクトの説明エリアが同一画面上に位置するように前記配信画面DSを生成する。また、前記コンピュータ61,31,231は、前記戦局の変化に応じて、前記優劣表示エリアAR1及び前記オブジェクト表示エリアAR2における表示内容を変更するとともに、最新の表示内容よりも前に表示されていた過去表示内容を表示する履歴表示エリアを含むように前記配信画面DSを生成する。これにより、視聴者は、優劣表示エリアAR1に示される優劣の理由をより詳しく理解できる。
【符号の説明】
【0125】
20 :再生端末
31 :コンピュータ(配信制御部)
61 :コンピュータ(サーバ制御部)
62 :記憶装置(配信記憶部)
70 :ゲーム装置(ゲーム端末)
100:生成システム
200:生成システム
231:コンピュータ(配信制御部)
232:記憶装置(サーバ記憶部)
AR1:優劣表示エリア
AR2:オブジェクト表示エリア
DS :配信画面
PG2:制御プログラム(ゲームプログラム)
PG3:制御プログラム(生成プログラム)
PG4:制御プログラム(生成プログラム)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8