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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150383
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】水回収装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 3/347 20060101AFI20231005BHJP
   H05B 6/64 20060101ALI20231005BHJP
   E03B 3/28 20060101ALI20231005BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20231005BHJP
   F26B 9/06 20060101ALI20231005BHJP
   F26B 21/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F26B3/347
H05B6/64 Z
E03B3/28
B01D53/26 220
F26B9/06 A
F26B21/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059477
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 有理
(72)【発明者】
【氏名】奥野 大樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 健二
【テーマコード(参考)】
3K090
3L113
4D052
【Fターム(参考)】
3K090AA02
3K090AB20
3K090BA03
3K090EA04
3K090FA03
3K090PA07
3L113AA06
3L113AB03
3L113AC12
3L113AC32
3L113AC33
3L113AC51
3L113AC68
3L113BA01
3L113DA01
4D052CB01
4D052DA07
4D052HA35
(57)【要約】
【課題】吸着部材から脱離した水蒸気を効率良く凝縮させ、水として回収することができる水回収装置を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る水回収装置は、加熱炉と、吸着部材と、回収部とを備える。加熱炉は、発振器によって内部にマイクロ波が入力される。吸着部材は、加熱炉に形成された開口部を介して加熱炉の内外に移動可能に設けられ、水分子を吸着する。回収部は、加熱炉の内部に接続され、発振器による加熱で気化した水分子を筐体内に回収する。回収部は、加熱炉の内部に対して、吸着部材の上方、または、吸着部材における移動方向の側方から筐体が接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発振器によって内部にマイクロ波が入力される加熱炉と、
前記加熱炉に形成された開口部を介して前記加熱炉の内外に移動可能に設けられ、水分子を吸着する吸着部材と、
前記加熱炉の内部に接続され、前記発振器による加熱で気化した前記水分子を筐体に回収する回収部と
を備え、
前記回収部は、
前記加熱炉の内部に対して、前記吸着部材の上方、または、前記吸着部材における移動方向の側方から前記筐体が接続される
水回収装置。
【請求項2】
前記回収部は、
前記筐体の内部に凝縮器が設けられる
請求項1に記載の水回収装置。
【請求項3】
前記吸着部材は回転軸周りに回転駆動する円板形状であって、
前記加熱炉の内部に対して、前記吸着部材の回転軸の上方、または、前記吸着部材における移動方向の側方から接続される前記筐体は、第1筐体であり、
前記回収部は、
前記吸着部材が前記加熱炉の外部へ移動するために設けられた前記開口部である後段開口部に接続される前記筐体である第2筐体をさらに有する
請求項1または2に記載の水回収装置。
【請求項4】
前記第2筐体は、
内部に凝縮器が設けられる
請求項3に記載の水回収装置。
【請求項5】
前記回収部は、
前記吸着部材が前記加熱炉の内部へ移動するために設けられた前記開口部である前段開口部に接続される前記筐体である第3筐体をさらに有する
請求項3または4に記載の水回収装置。
【請求項6】
前記第3筐体は、
内部に凝縮器が設けられる
請求項5に記載の水回収装置。
【請求項7】
前記回収部は、
前記吸着部材が前記加熱炉の内部へ移動するために設けられた前記開口部である前段開口部とともに前記吸着部材を覆う半密閉構造部を有する
請求項1~6のいずれか1つに記載の水回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水分を吸着したデシカント材を加熱し、加熱時に脱離した水蒸気を凝縮させ、水として回収するデシカント除湿機が知られている。この種において、マイクロ波を利用してデシカント材を加熱する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-236984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、デシカント材の吸着部材から脱離した水蒸気を効率良く凝縮させ、水として回収する点で改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、吸着部材から脱離した水蒸気を効率良く凝縮させ、水として回収する水回収装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の水回収装置は、加熱炉と、吸着部材と、回収部とを備える。前記加熱炉は、発振器によって内部にマイクロ波が入力される。前記吸着部材は、前記加熱炉に形成された開口部を介して前記加熱炉の内外に移動可能に設けられ、水分子を吸着する。前記回収部は、前記加熱炉の内部に接続され、前記発振器による加熱で気化した前記水分子を筐体に回収する。前記回収部は、前記加熱炉の内部に対して、前記吸着部材の上方、または、前記吸着部材における移動方向の側方から前記筐体が接続される。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示する水回収装置の一態様によれば、吸着部材から脱離した水蒸気を効率良く凝縮させ、水として回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施例の水回収装置の斜視図を示す図である。
図2図2は、実施例の水回収装置の断面図である。
図3図3は、変形例に係る水回収装置の断面図である。
図4図4は、水回収装置の断面図である。
図5図5は、水回収装置の断面図である。
図6図6は、加熱炉の開口部側の構造を説明する図である。
図7図7は、加熱炉の開口部側の構造を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願の開示する水回収装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する水回収装置が限定されるものではない。
【0010】
図1は、実施例の水回収装置の斜視図を示す図である。図2は、実施例の水回収装置の断面図である。なお、図1では、水回収装置1全体を覆う筐体については省略している。
【0011】
図1に示す水回収装置1は、空気中の水分子を吸着部材3で吸着し、吸着部材3が吸着した水分子を加熱炉2で加熱することで、水分子を水蒸気として脱離させ、脱離させた水蒸気を凝縮させて水にする。この水回収装置1は、加熱炉2と、吸着部材3と、回収部4と、送風用ファン5とを含む。
【0012】
加熱炉2は、吸着部材3の上半部を囲む金属(非磁性金属)、または少なくとも内面に金属メッキなどにより金属膜が施された非金属の筐体である。加熱炉2は、回転する吸着部材3の一部が通過して出入りすることができる開口部21a,21b(図4参照)が形成されている。また、加熱炉2は、2,4GHzから2.5GHzなどの特定の周波数帯のマイクロ波(電磁波)を出力する発振器6(図2参照)が接続される。加熱炉2の内部には、発振器6が出力するマイクロ波が入力される。
【0013】
発振器6は、マイクロ波の発振方式が例えばシリコン(Si)半導体、窒化ガリウム(GaN)半導体などを用いた半導体方式の発振器であり、ISM(Industrial Scientific and Medical)バンドとして使用が認められている周波数帯のうち、915MHzまたは2450MHzなど特定の周波数のマイクロ波を出力できる。発振器6は、半導体方式の発振器であることから、出力するマイクロ波の周波数の制御が可能である。なお、発振器6は、マグネトロン方式の発振器であってもよい。
【0014】
吸着部材3は、デシカントロータであり、円板形状の中心部に貫通孔が形成された円環形状である。吸着部材3は、板厚方向に複数の通気空洞が設けられたハニカム構造を有している。この吸着部材3は、ハニカム構造部3aが耐熱性を有する紙(ガラスペーパーなど)で形成され、ハニカム構造部3aの表面にデシカント材が付着されている。デシカント材は、多数の細孔を有し、その細孔を空気が通過する際、空気中に含まれる水分子を吸着する。また、吸着部材3は、支持部7によって、吸着部材3の厚み方向に延びる軸の廻りに回転自在に支持されている。吸着部材3は、図示しない駆動手段によって回転駆動される。
【0015】
吸着部材3は、自身の回転により加熱炉2の開口部21a,21bを介して加熱炉2の内部を一部が連続して通過する。すなわち、吸着部材3は、加熱炉2に形成された開口部21a,21bを介して加熱炉2の内外に移動可能に設けられている。
【0016】
また、支持部7は、吸着部材3の板厚方向に空気を通過させるように貫通する貫通孔を有している。従って、支持部7は、吸着部材3に空気を案内する案内部材としても構成されている。なお、支持部7は、図には明示しないが、吸着部材3に向けて空気を通過させる貫通孔にフィルタが設けられ、吸着部材3に向けて案内する空気に含まれる、例えば、PM(Particulate Matter)2.5、砂及び花粉などを捕捉できるように構成されていてもよい。
【0017】
吸着部材3は、発振器6が出力するマイクロ波によって加熱炉2の内部を通過する一部にマイクロ波が照射される。この加熱により、吸着部材3に吸着された水分子や、ハニカム構造部3aに付着した水分子が加熱され蒸発(気化)し、水蒸気として脱離する。
【0018】
送風用ファン5は、支持部7を介して吸着部材3に向けて空気を送る。送風用ファン5によって送られた空気は、吸着部材3のハニカム構造部3aを通過し、その過程で水分子がデシカント材に吸着される。
【0019】
回収部4は、発振器6による加熱で気化した水分子を回収する。回収部4は、第1筐体41と、第2筐体42と、ドレンパン43と、タンク44とを含む。
【0020】
第1筐体41は、加熱炉2の内部と接続される筐体である。具体的には、第1筐体41は、加熱炉2の内部に対して、吸着部材3の上方(図2の上方向)、および、吸着部材3における移動方向の側方(図2の左右方向、吸着部材3の板厚方向)から接続される。図2に示す例では、2つの第1筐体41a,41bが吸着部材3における板厚方向の両側から加熱炉2の内部と接続される。
【0021】
第1筐体41は、例えば、樹脂などで構成される。また、第1筐体41と加熱炉2との境界は、複数の貫通孔2aが設けられたパンチング構造が形成されている。つまり、発振器6の加熱により吸着部材3から蒸発した水蒸気は、貫通孔2aを通過して第1筐体41の内部に回収される。
【0022】
また、第1筐体41の内部には、凝縮器411が設けられる。図2に示す例では、凝縮器411は、水冷式であり、第1筐体41の内部に回収された水蒸気を凝縮(熱交換)して液化する。また、第1筐体41の下方の底部には、ドレンパン43に繋がる貫通孔412が形成されており、液化した水は、貫通孔412を介してドレンパン43に流れる。
【0023】
つまり、第1筐体41は、動力が必要なファン等を使用せず、吸着部材3から蒸発した水蒸気による、自然対流を利用して回収する。これにより、第1筐体41の内部には熱をもった水蒸気が充満することとなり、高温高湿状態(80℃90%RH等)を作り出すことが可能となる。この状態では、加熱炉2から流出した水蒸気と凝縮器411との接触時間を長くできるため、凝縮量を高めることができる。すなわち、水回収装置1によれば、吸着部材から脱離した水蒸気を効率良く凝縮させ、水として回収することができる。
【0024】
なお、水蒸気が水回収装置1の外部へ漏れ出ることを防ぐため、第1筐体41および加熱炉2の接合部はシリコンなどで密閉されることが好ましい。これにより、水分子の回収効率をさらに高めることができる。
【0025】
なお、第1筐体41の内部空間の大きさ(体積)や、凝縮器411の凝縮能力は、加熱炉2に入力するマイクロ波の電力、吸着部材3の比熱・熱伝導率、吸着部材3の回転スピード、加熱炉2の外へ飛び出す水蒸気の絶対湿度量等により適宜選択される。
【0026】
また、図2では、第1筐体41は、吸着部材3の上方、および、吸着部材3における両側方に配置される例を示したが、吸着部材3の上方のみ、または、吸着部材3における両側方のみに配置されてもよい。
【0027】
また、第1筐体41は、吸着部材3の両側方側にそれぞれ配置される場合を示したが、図3に示すように、吸着部材3の片側にのみ配置されてもよい。図3は、変形例に係る水回収装置1の断面図である。
【0028】
図3に示すように、第1筐体41は、吸着部材3の片側(図3の右側)にのみ配置される。また、図3では、凝縮器411が空冷式である場合を示している。例えば、空冷式の凝縮器411の場合、アルミ等の金属で構成される棒状部材の一部を第1筐体41の外部に露出させ、露出させた箇所を冷却用ファン413で冷却する。なお、冷却用ファン413は省略可能である。
【0029】
なお、図3では、吸着部材3の右側に配置される例を示したが、左側に配置されてもよい。また、これまでの実施例を含め、本発明において凝縮器411は省略されてもよい。つまり、第1筐体41の内部に回収した水蒸気を自然凝縮により液化してもよい。
【0030】
次に、図4および図5を用いて、第2筐体42について説明する。図4および図5は、水回収装置1の断面図である。図4および図5では、水回収装置1の構成のうち、加熱炉2、吸着部材3および第2筐体42を吸着部材3の板厚方向から見た断面を示している。また、図4は、凝縮器421が水冷式である場合を示し、図5は、凝縮器421が空冷式である場合を示す。なお、図5において、冷却用ファン423は省略可能である。
【0031】
図4および図5に示すように、加熱炉2は、吸着部材3が移動する入口側および出口側にそれぞれマイクロ波(電磁波)漏れ防止構造22を有する。電磁波漏れ防止構造22は、内部の寸法を発振器6が出力する周波数のマイクロ波(電磁波)が伝搬できない寸法によって規定することで、加熱炉2の内部から外部へマイクロ波(電磁波)が漏れることを防止する。また、それぞれのマイクロ波(電磁波)漏れ防止構造22には、吸着部材3が内部から外部へ移動するための開口部21a,21bが設けられる。
【0032】
具体的には、吸着部材3が加熱炉2の内部に移動する入口側のマイクロ波(電磁波)漏れ防止構造22には、開口部21a(前段開口部)が設けられ、吸着部材3が加熱炉2の外部に移動する出口側のマイクロ波(電磁波)漏れ防止構造22には、開口部21b(後段開口部)が設けられる。
【0033】
第2筐体42は、出口側に設けられたマイクロ波(電磁波)漏れ防止構造22の開口部21bに接続される。つまり、第2筐体42は、吸着部材3が加熱炉2の内部から外部へ移動するために設けられた開口部21bに接続される。
【0034】
また、第2筐体42は、開口部21bの外部側において、吸着部材3の一部を覆うようにして配置される。これにより、加熱炉2の内部から開口部21bを介して流出した水蒸気を第2筐体42で回収することができる。
【0035】
さらに、吸着部材3は、加熱炉2を通過後に熱を持った状態で回転して出てくるため、言い換えれば、加熱炉2から外部に出た後にも吸着部材3に吸着した水分子が脱離するため、開口部21bの外部側において、吸着部材3の一部を覆うようにして第2筐体42を配置することで、加熱炉2の外部で蒸発した水蒸気も回収することができる。すなわち、水蒸気の回収効率をさらに高めることができる。
【0036】
そして、第2筐体42は、回収した水蒸気を凝縮器421で冷却することにより凝縮させて液化する。そして、第2筐体42は、液化した水分子を、底部に設けられた貫通孔422からドレンパン43を介してタンク44へ流す。
【0037】
次に、図6および図7を用いて、加熱炉2の開口部21a側の構造について説明する。図6および図7は、加熱炉2の開口部21a側の構造を説明する図である。なお、図6および図7では、便宜上、開口部21b側に設けられた第2筐体42を省略している。
【0038】
図6に示すように、回収部4は、吸着部材3が加熱炉2の内部へ移動するために設けられた開口部21a側に半密閉構造部45を有する。具体的には、半密閉構造部45は、保湿用筐体45aと、密閉栓45bとを備える。
【0039】
保湿用筐体45aは、開口部21aを介して加熱炉2の内部と接続される。また、保湿用筐体45aは、開口部21aの外部側において、吸着部材3の一部を覆うようにして設けられる。具体的には、保湿用筐体45aは、吸着部材3の形状に沿った形状で吸着部材3の一部を覆う。より具体的には、保湿用筐体45aは、環状の吸着部材3のうち、上側半円の一部と、下側半円の一部とを覆うようにして設けられる。
【0040】
これにより、加熱炉2の内部で充満した水蒸気が開口部21aから漏れ出ても保湿用筐体45aの内部に滞留させることができるため、加熱炉2の内部の保湿効果を高めることができる。より好ましくは、保湿用筐体45aは加熱炉2と熱的に接続され、加熱炉2の熱を利用してデシカントロータの予熱効果を得るために、熱伝導性の良い金属で構成されていることが好ましい。
【0041】
また、密閉栓45bは、開口部21aにおける半密閉構造部45と吸着部材3との隙間を充填する部材である。加熱炉2内は高温となるため、密閉栓45bは、例えば、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)等の高耐熱樹脂で構成されればよい。これにより、加熱炉2の内部で充満した水蒸気が開口部21aから外部へ漏れ出ることを防止できる。すなわち、加熱炉2の内部の保湿効果を高めることができる。
【0042】
次に、図7では、開口部21aに水蒸気を回収する第3筐体46を配置した例を示す。図7に示すように、回収部4は、開口部21aに接続される第3筐体46を有する。つまり、加熱炉2の内部と、第3筐体46の内部とを開口部21aを介して接続する。
【0043】
具体的には、第3筐体46には、開口部21aから、吸着部材3より放出された水蒸気が流入するようになっている。
【0044】
また、第3筐体46の内部には、水冷式の凝縮器461が設けられる。なお、凝縮器461は、図5で示したような第2筐体42の空冷式であってもよく、あるいは、凝縮器461が省略されてもよい。
【0045】
そして、第3筐体46は、回収した水蒸気を凝縮器461との熱交換により凝縮して液化する。そして、第3筐体46は、液化した水分子を、底部に設けられた貫通孔462からドレンパン43を介してタンク44へ流す。
【0046】
(効果)
上述してきたように、実施形態に係る水回収装置1は、加熱炉2と、吸着部材3と、回収部4とを備える。加熱炉2は、発振器6によって内部にマイクロ波が入力される。吸着部材3は、加熱炉2に形成された開口部21a,21bを介して加熱炉2の内外に移動可能に設けられ、水分子を吸着する。回収部4は、加熱炉2の内部に接続され、発振器6による加熱で気化した水分子を筐体(第1筐体41、第2筐体42および第3筐体46)に回収する。回収部4は、加熱炉2の内部に対して、吸着部材3の上方、または、吸着部材3における移動方向の側方から筐体(第1筐体41)が接続される。これにより、吸着部材3から脱離した水蒸気を効率良く凝縮させ、水として回収することができる。
【0047】
また、回収部4は、筐体(第1筐体41)の内部に凝縮器411が設けられる。これにより、回収した水蒸気を熱交換により凝縮して液化する際の効率を高めることができる。
【0048】
また、吸着部材3は回転軸周りに回転駆動する円板形状である。加熱炉2の内部に対して、吸着部材3の回転軸の上方、または、吸着部材3における移動方向の側方から接続される筐体は、第1筐体41である。回収部4は、吸着部材3が加熱炉2の外部へ移動するために設けられた開口部21bである後段開口部に接続される筐体である第2筐体42をさらに有する。これにより、開口部21bから漏れ出る水蒸気を回収できるため、水蒸気の回収効率を高めることができる。
【0049】
また、第2筐体42は、内部に凝縮器421が設けられる。これにより、回収した水蒸気を熱交換により凝縮して液化する際の効率を高めることができる。
【0050】
また、回収部4は、吸着部材3が加熱炉2の内部へ移動するために設けられた開口部21aである前段開口部に接続される筐体である第3筐体46をさらに有する。これにより、開口部21aから漏れ出る水蒸気を回収できるため、水蒸気の回収効率を高めることができる。
【0051】
また、第3筐体46は、内部に凝縮器461が設けられる。これにより、回収した水蒸気を熱交換により凝縮して液化する際の効率を高めることができる。
【0052】
また、回収部4は、吸着部材3が加熱炉2の内部へ移動するために設けられた開口部21aである前段開口部とともに吸着部材3を覆う半密閉構造部45を有する。これにより、開口部21aから水蒸気が漏れ出ることを防止できるため、加熱炉2の内部の保湿効果を高めることができる。
【0053】
本発明の実施形態による回収部4によれば、加熱炉内に送風するための再生ファンが不要となるため、装置の小型化及び可動部削減による信頼性向上が図れる。
【0054】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0055】
1 水回収装置
2 加熱炉
2a 貫通孔
3 吸着部材
3a ハニカム構造部
4 回収部
5 送風用ファン
6 発振器
7 支持部
21a、21b 開口部
41、41a、41b 第1筐体
42 第2筐体
43 ドレンパン
44 タンク
45 半密閉構造部
45a 保湿用筐体
45b 密閉栓
46 第3筐体
411、421、461 凝縮器
413、423 冷却用ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7