(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150466
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】ペット用オムツ
(51)【国際特許分類】
A01K 23/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A01K23/00 S
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059584
(22)【出願日】2022-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】597098257
【氏名又は名称】株式会社コ-チョ-
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 邦彦
(57)【要約】
【課題】装着時や廃棄処分時に使用が容易なペット用オムツを提供する。
【解決手段】ペットの胴体に対して内面が接するように巻かれて使用される本体部3と、本体部3の長手方向L1の両端にそれぞれ設けられた第1端部7と第2端部8との間に設けられ、内面側から侵入する液体を吸収する吸収部材5と、吸収部材5を挟んで長手方向L1に沿ってそれぞれ設けられた長手方向に伸縮するギャザー部13と、第2端部8の内面とは反対側の外面に取り付けられ、第1端部7の内面に対して接合する接合テープ15と、を備えたペット用オムツ1である。ギャザー部13は、本体部3の第1端部7の第1縁部7a側から、第2端部8の第2縁部8aよりも手前の途中位置にわたって設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットの胴体に対して内面が接するように巻かれて使用される本体部と、
前記本体部の長手方向の両端にそれぞれ設けられた第1端部と第2端部との間に設けられ、前記内面側から侵入する液体を吸収する吸収部材と、
前記吸収部材を挟んで前記長手方向に沿ってそれぞれ設けられた該長手方向に伸縮する伸縮部と、
前記第2端部の前記内面とは反対側の外面に取り付けられ、前記第1端部の前記内面に対して接合する接合テープと、
を備え、
前記伸縮部は、前記本体部の前記第1端部の第1縁部側から、前記第2端部の第2縁部よりも手前の途中位置にわたって設けられているペット用オムツ。
【請求項2】
前記長手方向において、前記吸収部材と前記接合テープとは平面視した場合に重なり部を形成している請求項1に記載のペット用オムツ。
【請求項3】
前記吸収部材の幅方向における外側にて前記本体部に固定された固定端部と、該固定端部よりも前記吸収部材側に設けられた自由端部とを有し、前記長手方向にわたって設けられたフラップ部を備え、
前記伸縮部は、前記フラップ部の前記自由端部に設けられている請求項1又は2に記載のペット用オムツ。
【請求項4】
前記伸縮部は、前記本体部の幅方向の両側に1つずつ設けられている請求項1から3のいずれかに記載のペット用オムツ。
【請求項5】
前記吸収部材の前記内面側には、複数の凸形状が形成されている請求項1から4のいずれかに記載のペット用オムツ。
【請求項6】
前記接合テープは、不織布に接合する面ファスナとされ、
前記接合テープが接合する前記第1端部の前記内面は不織布とされている請求項1から5のいずれかに記載のペット用オムツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用オムツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ペット用オムツは、犬や猫などのペットの糞尿を廃棄処理する際に使用される。ペットを室内で飼育するとき、脱臭力、抗菌性に優れ、焼却又はトイレ等に流すといった廃棄処分が可能であることが望まれている。
【0003】
特許文献1には、ペット用オムツの長手方向の両側に非伸縮部を設けることによって、ペット用オムツの装着時に、ペット用オムツの中央部分が自然と凹部となるようにすることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようにペット用オムツの長手方向の両側に非伸縮部を設けると、装着時や廃棄処分時に長手方向における端部を内側に折り曲げる際に、非伸縮部の剛性が足りずに形状が保持できずに折り曲げにくくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装着時や廃棄処分時に使用が容易なペット用オムツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のペット用オムツは、以下の手段を採用する。
【0008】
本発明の一態様に係るペット用オムツは、ペットの胴体に対して内面が接するように巻かれて使用される本体部と、前記本体部の長手方向の両端にそれぞれ設けられた第1端部と第2端部との間に設けられ、前記内面側から侵入する液体を吸収する吸収部材と、前記吸収部材を挟んで前記長手方向に沿ってそれぞれ設けられた該長手方向に伸縮する伸縮部と、前記第2端部の前記内面とは反対側の外面に取り付けられ、前記第1端部の前記内面に対して接合する接合テープと、を備え、前記伸縮部は、前記本体部の前記第1端部の第1縁部側から、前記第2端部の第2縁部よりも手前の途中位置にわたって設けられている。
【0009】
ペット用オムツは、ペットの胴体に巻き付けて接合テープを用いて第1端部と第2端部とを固定することによって装着される。使用後は、ペットの胴体から取り外した後に、再び接合テープを用いて第1端部と第2端部とを固定して折り畳むことによって廃棄形状とすることができる。このとき、第2端部の外側に設けた接合テープは第1端部の内面に接合するように用いられる。
ペット用オムツの本体部の長手方向に伸縮する伸縮部が本体部の第1端部の第1縁部側まで設けられているので、ペット用オムツの第1端部は内面を内側として丸まりやすくなっている。一方、伸縮部は第2端部の第2縁部よりも手前の途中位置で終端しており、第2縁部まで設けられていないので、第1端部のように内面側に丸まりやすくなっていない。したがって、第2端部の外面に設けた接合テープの形状が伸縮部によって丸まってしまうことを抑制できる。
第2端部の外面に接合テープを取り付けて厚くすることによって、第2端部に剛性を付与することとした。また本体部よりも硬い接合テープを用いれば、更に剛性を付与することができる。これにより、接合テープを取り付けた第2端部を曲げた際に第2端部の曲げ形状が維持できるように曲げクセがつけやすくなっている。したがって、装着時や廃棄処分時に先ず第2端部を内側に曲げた際に接合テープの剛性によって曲げ形状を維持させることができ、使用する際の作業性が向上する。そして、第2端部の外側から第1端部の内面が重ね合わせられるように接合される。このときに第1端部は第1縁部側まで設けられた伸縮部によって内面側に丸まりやすくなっているため折り畳みやすくなっており、さらに作業性が向上する。
第2端部の外面に設けた接合テープを第1端部で覆うようにして収納することができるので、装着時や廃棄処分時に接合テープが外観に現れることがなく見た目が良い。
【0010】
本発明の一態様に係るペット用オムツでは、前記長手方向において、前記吸収部材と前記接合テープとは平面視した場合に重なり部を形成している。
【0011】
吸収部材と接合テープとが重なる重なり部を設けることによって、吸収部材から接合テープへと剛性を有する領域が長手方向に連続して形成されることになる。このように、第2端部における剛性を有する領域を長手方向で分断させずに連続して設けることができるので、第2端部の剛性が確保されてさらに作業性が向上する。
【0012】
本発明の一態様に係るペット用オムツでは、前記吸収部材の幅方向における外側にて前記本体部に固定された固定端部と、該固定端部よりも前記吸収部材側に設けられた自由端部とを有し、前記長手方向にわたって設けられたフラップ部を備え、前記伸縮部は、前記フラップ部の前記自由端部に設けられている。
【0013】
吸収部材の幅方向における外側にて本体部に固定された固定端部と、この固定端部よりも吸収部材側に設けられた自由端部とを有し、長手方向にわたって設けられたフラップ部を設けることとした。これにより、フラップ部で吸収部材の幅方向における外側を包囲することができ、吸収部材に流入した液体が外側に漏れることを防ぐことができる。
フラップ部の自由端部に伸縮部を設けることとしたので、フラップ部で吸収部材を包み込む形状が実現され、より確実に吸収部材に流入した液体の漏れを防止できる。
【0014】
本発明の一態様に係るペット用オムツでは、前記伸縮部は、前記本体部の幅方向の両側に1つずつ設けられている。
【0015】
伸縮部を本体部の両側に1つずつ設けることで、伸縮部の数を最小限とすることができる。余分な伸縮部を設けないので、製造工程を簡略化できるとともに、シンプルなデザインが実現できる。
【0016】
本発明の一態様に係るペット用オムツでは、前記吸収部材の前記内面側には、複数の凸形状が形成されている。
【0017】
吸収部材の内面側に複数の凸形状を形成することによって、吸収部材に流れ込んだ液体を凸形状で堰き止めることができる。これにより、液体が漏れることを可及的に防止することができる。凸形状は、凸面が平面とされ、長手方向及びこれに直交する短手方向に等間隔に繰り返して形成されていることが好ましい。より好ましくは、凸形状は、長手方向に等間隔で形成されるとともに短手方向に複数列設けられ、短手方向に凸形状が必ず存在するように各列がオフセットされた千鳥状に配置されている。複数の凸形状は、例えば、エンボス加工によって形成することができる。
【0018】
本発明の一態様に係るペット用オムツでは、前記接合テープは、不織布に接合する面ファスナとされ、前記接合テープが接合する前記第1端部の前記内面は不織布とされている。
【0019】
不織布に接合する面ファスナを接合テープとして用いることした。これにより、第1端部の内面を不織布とすることによって、面ファスナに接合される面ファスナを第1端部に別に設ける必要がない。特に、ペット用オムツの本体部の内面を不織布とすることとすれば、部材点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0020】
伸縮部を第1縁部まで設ける一方で、第2縁部まで設けないこととし、第2端部には接合テープを取り付けて剛性を確保することによって、装着時や廃棄処分時における使用を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るペット用オムツを示した斜視図である。
【
図2】
図1のペット用オムツを犬に装着した状態を示した斜視図である。
【
図3】
図1のペット用オムツの内面を見た平面図である。
【
図4】
図1のペット用オムツの外面を見た裏面図である。
【
図5】一方のフラップ部周りを示した部分横断面図である。
【
図6】接合テープの幅寸法の変形例を示したペット用オムツの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係るペット用オムツの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、ペット用オムツ1が示されている。ペット用オムツ1は、平面状に広げた場合に外形が矩形状とされたシート状の本体部3を備えている。本体部3は、幅方向W1の寸法よりも長手方向L1の寸法が大きい長方形状とされている。本体部3の中央には、吸収部材5が設けられている。吸収部材5は、ペットの糞尿などの液体を吸収して保持する機能を有しており、例えば吸水ポリマーを含んでいる。
【0023】
図2に示すように、吸収部材5の表面側を犬(ペット)10の胴体に面するようにして巻くことによってペット用オムツ1をペットに対して装着する。すなわち、ペット用オムツ1は、いわゆる腹巻形とされている。
【0024】
図3には、ペット用オムツ1を展開した状態の平面図が示されている。同図では、ペット用オムツ1を内面側から見た状態とされている。
本体部3は、不織布によって構成されており、外面側(
図3において裏側)には液不透過性の表面処理などが施されている。
本体部3の中央に設けられた吸収部材5は、平面視して矩形状とされたシート状とされている。本体部3の幅方向W1における吸収部材5の幅寸法は、本体部3の幅寸法よりも小さい。
【0025】
吸収部材5の両側すなわち本体部3の長手方向L1における両端部には、それぞれ、第1端部7と第2端部8とが設けられている。
【0026】
吸収部材5の幅方向W1における両側部には、ギャザー部(伸縮部)13がそれぞれ1つずつ設けられている。すなわち、ギャザー部13よりも幅方向W1における外側には、長手方向L1に伸縮する伸縮部が設けられていない。したがって、本体部3の幅方向W1における両縁部には伸縮部が設けられていない。
【0027】
ギャザー部13は、長手方向L1に伸縮可能とされている。ギャザー部13は、吸収部材5の幅方向W1における側部を上側から覆うよう立体的に設けられている。具体的には、
図5に示すように、ギャザー部13は、フラップ部14の自由端部14aに設けられている。フラップ部14は、本体部3に固定された固定端部14bと、固定端部14bよりも吸収部材5側に位置する自由端部14aとを有している。自由端部14aは、長手方向L1における中央部では、本体部3及び吸収部材5には固定されておらず、これにより、フラップ部14の自由端部14a側が固定端部14bを起点として立ち上がるようになっている。なお、自由端部14aの長手方向における両端側は、後述するように吸収部材5ないし本体部3に対して固定されている。
【0028】
フラップ部14は、
図5に示すように、第1層3a、第2層3b及び第3層3cから構成される本体部3の第3層3cを用いて構成されている。吸収部材5は、第1層3aと第2層3bとに挟まれて配置されている。
なお、本体部3が3つの層3a,3b,3cから構成されることに本発明が限定されるものではない。したがって、フラップ部14は、本体部3に対して固定される固定端部14bを有していれば足り、本体部3の一部として構成されていなくても良い。
【0029】
フラップ部14によって、吸収部材5側に導かれた液体が堰き止められることになる。また、ギャザー部13が吸収部材5よりも表面側(内面側)に設けられていることによって、ギャザー部13の伸縮力でフラップ部14を介して本体部3が内側に丸まるように付勢されるようになっている。
【0030】
図3に示すように、ギャザー部13は、第1端部7側の第1終端部13aから第2端部8側の第2終端部13bにわたって長手方向L1に延在している。ギャザー部13の第1終端部13aは、本体部3の第1端部7側の縁部である第1縁部7a側まで達している。
なお、この第1終端部13aは第1縁部7aと厳密に同一位置とされる必要はなく、ある程度のズレは許容される。すなわち、第1縁部7aまでギャザー部13による伸縮変形が及ぶ程度まで第1終端部13aが設けられていれば足りる。したがって、第1縁部7aから20mm以下(好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下)の範囲に第1終端部13aが設けられていれば良い。
【0031】
ギャザー部13の第2終端部13bは、本体部3の第2端部8の縁部である第2縁部8aよりも手前の途中位置に設けられている。この第2終端部13bは、吸収部材5の第2端部8側の第2縁部5bに到達する前の位置とされている。さらには、第2終端部13bは、接合テープ15が取り付けられた範囲に重ならないように、接合テープ15の手前(第1端部7側)に位置している。
なお、第2終端部13bは、吸収部材5から第2縁部8a側に超えた位置、又は、接合テープ15に重なる位置まで設けても良い。ただし、第2終端部13bは、接合テープ15から第2縁部8a側に超えた位置まで延長して設けない。換言すると、接合テープ15よりも第2縁部8a側にギャザー部13が設けられることはない。
【0032】
フラップ部14の自由端部14aは、吸収部材5の第1縁部5aの近傍の吸収部材5側から本体部3の第1端部7にかけて、及び、吸収部材5の第2縁部5bの近傍の吸収部材5側から本体部3の第2端部8にかけて、吸収部材5ないし本体部3に対して固定されている。これにより、フラップ部14を伝って液体が長手方向L1に漏れることを防止している。
【0033】
接合テープ15は、不織布に対して接合する面ファスナとされている。接合テープ15は、
図4に示すように、本体部3の外面(裏面側)に対して例えば接着によって取り付けられている。接合テープ15の材質は、不織布よりも剛性が高い例えば樹脂系の材料とされ、より具体的にはポリプロピレンとされている。
【0034】
接合テープ15は、矩形状とされ、吸収部材5と同程度の幅寸法とされている。接合テープ15は、
図3のように平面視した場合に、吸収部材5の長手方向L1の一方の端部の一部と重なる重なり部17を形成している。接合テープ15よりも第2縁部8a側は、本体部3を構成する不織布が存在しているだけである。
【0035】
接合時に接合テープ15に接触する第1端部7の内面には、不織布が存在しており接合テープ15と着脱可能に接合できるようになっている。なお、接合テープ15に対して好適に接合するテープが第1端部7の内面に設けられていても良い。
【0036】
図1及び
図3に示すように、吸収部材5の内面側には、凸形状とされた複数の凸部20が形成されている。
【0037】
それぞれの凸部20は、上面が平面とされ、平面視した場合に長円形状とされている。この長円形状の長軸は、長手方向L1に向けられている。凸部20は、長手方向L1及び幅方向W1に等間隔に繰り返して形成されている。より具体的には、凸部20は、長手方向に等間隔で形成されるとともに幅方向W1に複数列設けられ、幅方向W1に凸部20が必ず存在するように各列がオフセットされた千鳥状に配置されている。各凸部20は、例えば、エンボス加工によって形成することができる。
なお、凸部20の形状は、長円形状に代えて他の形状であっても良い。
【0038】
上述したペット用オムツ1は、以下のように使用される。
図2に示したようにペット用オムツ1を犬10に装着するときは、吸収部材5が面するように犬10の胴体に巻き付ける。そして、第1端部7が第2端部8の外側に来るようにし、第1端部7の内面の不織布が接合テープ15に接触するように重ねることによって、第1端部7と第2端部8とを接合させる。
【0039】
使用後の廃棄処分時には、接合テープ15を第1端部7の内面の不織布から引き剥がし、犬10からペット用オムツ1を取り外す。そして、第2端部8が吸収部材5を覆うように折り畳み、次に第1端部7の内側が第2端部8の接合テープ15上に重なるように折り畳む。これにより、ペット用オムツ1の吸収部材5が第2端部8及び第1端部7によって覆われた廃棄形状となり、ゴミ箱などに廃棄する。
【0040】
本実施形態のペット用オムツ1によれば、以下の作用効果を奏する。
ペット用オムツ1の本体部3の長手方向L1に伸縮するギャザー部13が本体部3の第1端部7の第1縁部7a側まで設けられているので、ペット用オムツ1の第1端部7は内面を内側として丸まりやすくなっている。一方、ギャザー部13は第2端部8の第2縁部8aよりも手前の途中位置で終端しており、第2縁部8aまで設けられていないので、第1端部7のように内面側に丸まりやすくなっていない。したがって、第2端部8の外面に設けた接合テープ15の形状がギャザー部13によって丸まってしまうことを抑制できる。
第2端部8の外面に接合テープ15を取り付けて厚くすることによって、第2端部8に剛性を付与することとした。また本体部3よりも硬い接合テープ15を用いたので、更に剛性を付与することができる。これにより、接合テープ15を取り付けた第2端部8を曲げた際に第2端部8の曲げ形状が維持できるように曲げクセがつけやすくなっている。したがって、装着時や廃棄処分時に先ず第2端部8を内側に曲げた際に接合テープ15の剛性によって曲げ形状を維持させることができ、使用する際の作業性が向上する。そして、第2端部8の外側から第1端部7の内面が重ね合わせられるように接合される。このときに第1端部7は第1縁部7a側まで設けられたギャザー部13によって内面側に丸まりやすくなっているため折り畳みやすくなっており、さらに作業性が向上する。
第2端部8の外面に設けた接合テープ15を第1端部7で覆うようにして収納することができるので、装着時や廃棄処分時に接合テープ15が外観に現れることがなく見た目が良い。
【0041】
吸収部材5と接合テープ15とが重なる重なり部17を設けることによって、吸収部材5から接合テープ15へと剛性を有する領域が長手方向L1に連続して形成されることになる。このように、第2端部8における剛性を有する領域を長手方向L1で分断させずに連続して設けることができるので、第2端部8の剛性が確保されてさらに作業性が向上する。
【0042】
吸収部材5の幅方向W1における外側にて本体部3に固定された固定端部14bと、この固定端部14bよりも吸収部材5側に設けられた自由端部14aとを有し、長手方向L1にわたって設けられたフラップ部14を設けることとした。これにより、フラップ部14で吸収部材5の幅方向W1における外側を包囲することができ、吸収部材5に流入した液体が外側に漏れることを防ぐことができる。
フラップ部14の自由端部14aにギャザー部13を設けることとしたので、フラップ部14で吸収部材5を包み込む形状が実現され、より確実に吸収部材5に流入した液体の漏れを防止できる。
【0043】
ギャザー部13を本体部3の両側に1つずつ設けることで、ギャザー部13の数を最小限とすることができる。余分なギャザー部13を設けないので、製造工程を簡略化できるとともに、シンプルなデザインが実現できる。
【0044】
吸収部材5の内面側に複数の凸部20を形成することによって、吸収部材5に流れ込んだ液体を凸部20で堰き止めることができる。これにより、液体が漏れることを可及的に防止することができる。
【0045】
不織布に接合する面ファスナを接合テープ15として用いることした。これにより、第1端部7の内面の素材を不織布とすることによって、面ファスナに接合される面ファスナを第1端部7に別に設ける必要がない。特に、ペット用オムツ1の本体部3の内面を不織布で構成しているので、部材点数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、ペット用オムツ1を犬に適用することを前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、猫等の他のペットに適用しても良い。
【0047】
上述した接合テープ15は、吸収部材5の幅と同程度の幅寸法としたが、
図6に示すように、本体部3の幅方向W1の略全体にわたって設けても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 ペット用オムツ
3 本体部
5 吸収部材
5a 第1縁部
5b 第2縁部
7 第1端部
7a 第1縁部
8 第2端部
8a 第2縁部
10 犬(ペット)
13 ギャザー部(伸縮部)
13a 第1終端部
13b 第2終端部
14 フラップ部
14a 自由端部
14b 固定端部
15 接合テープ
17 重なり部
20 凸部(凸形状)