(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150516
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】赤外域用多層膜光学素子
(51)【国際特許分類】
G02B 1/115 20150101AFI20231005BHJP
【FI】
G02B1/115
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059663
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】瀬田 誠
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 正博
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 旭
【テーマコード(参考)】
2K009
【Fターム(参考)】
2K009AA06
2K009AA08
2K009BB04
2K009CC01
2K009CC03
(57)【要約】
【課題】保護膜効果だけでなく、要求される光学特性を確保し、また、分解して有害な物質を発生せず、硬さや材質の安定性といった耐久性とを両立させた赤外域多層膜を提供する。
【解決手段】 Si、Ge、ZnS、ZnSeまたはカルコゲナイドガラスのいずれかで構成された基板と、Y
2O
3で構成された厚さ80~8000nmの低屈折率層と、SiまたはGeのいずれか一方で構成された厚さ30~3500nmの高屈折率層とを有する赤外域用多層膜光学素子であって、前記各層は、基板+低屈折率層+(高屈折率層+低屈折率層)×m回積層の層構成(mは1以上の自然数)、または、基板+(高屈折率層+低屈折率層)×n回積層の層構成(nは2以上の自然数)であり、最表層の前記低屈折率層は、厚さ500~2000nmであることを特徴とする赤外域用多層膜光学素子。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si、Ge、ZnS、ZnSeまたはカルコゲナイドガラスのいずれかで構成された基板と、Y2O3で構成された厚さ80~8000nmの低屈折率層と、SiまたはGeのいずれか一方で構成された厚さ30~3500nmの高屈折率層とを有する赤外域用多層膜光学素子であって、
前記各層は、基板+低屈折率層+(高屈折率層+低屈折率層)×m回積層の層構成(mは1以上の自然数)、または、基板+(高屈折率層+低屈折率層)×n回積層の層構成(nは2以上の自然数)であり、
最表層の前記低屈折率層は、厚さ500~2000nmであることを特徴とする赤外域用多層膜光学素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線領域の光学部材として用いられる赤外域用多層膜に関し、特に、要求される光学特性と耐久性とを両立させた赤外域多層膜に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外線領域を対象とする数多くの光学素子が開発されており、これに伴い、赤外線を対象とする赤外反射防止膜や、赤外線の特定波長のみを透過させそれ以外の波長をカットする赤外バンドパスフィルタ等が開発されている。
【0003】
一般に、赤外域用多層膜光学素子は、赤外吸収や屈折率等の光学特性の観点から、例えばGeやSi等の単体、CaF2、MgF2、YF3等のフッ化物、Y2O3、TiO2等の酸化物、ZnS等の硫化物等、使用できる基板材料や膜材料が限られている。
【0004】
また、赤外域用多層膜光学素子の中には、例えば航空機の熱源探知等の用途に使用され、大気中の水滴が高速で衝突するなど過酷な環境で使用されるものもある。このような場合、赤外域用多層膜光学素子の最表層の耐久性が特に重要となる。
【0005】
このような場合、YF3やZnS等の柔軟な物質を最表層に使用すると、傷が入りやすいという問題があった。また、MgF2を使用すると、主に3~5μmで使用可能ではあるものの、高温蒸着が必要であり、クラックが発生しやすく、拭くと白く濁るという問題があった。他には、ダイヤモンドライクカーボン(DLCと略称する)は反射防止として最表層に用いられることがあるが、吸収が大きいため、単層では影響が小さいものの、DLC層を用いて多層化させることは困難であるという問題があった。
【0006】
このような問題に対して、耐摩耗性および耐擦傷性に優れたY2O3層を耐摩耗性強化層として最表層に設ける技術(例えば、特許文献1参照)や、化合物系の基板上に被覆層を設け、その上に耐火性酸化物層としてY2O3層を設ける技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6-313802号公報
【特許文献2】特許第3197272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1では、Y2O3層は厚さ300nm以下であり、耐久性は不十分であり、また、この厚さでは干渉膜としての効果が弱く、最表層は、単に耐摩耗性強化層としての機能のみを有しているに過ぎなかった。
【0009】
また、特許文献2では、基板は、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、ガリウムヒ素等の化合物系のみを使用するものであった。しかしながら、化合物系基板においては、材料が入手しづらく、分解して有害な物質を発生し、硬さや材質の安定性も不十分であった。
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、最表層にY2O3層を使用し、保護膜効果だけでなく、λ/4等干渉効果を十分持つ厚さとすることで要求される光学特性を確保し、また、分解して有害な物質を発生せず、硬さや材質の安定性といった耐久性とを両立させた赤外域多層膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するものであり、請求項1に記載の発明は、Si、Ge、ZnS、ZnSeまたはカルコゲナイドガラスのいずれかで構成された基板と、Y2O3で構成された厚さ80~8000nmの低屈折率層と、SiまたはGeのいずれか一方で構成された厚さ30~3500nmの高屈折率層とを有する赤外域用多層膜光学素子であって、前記各層は、基板+(高屈折率層+低屈折率層)×n回積層の層構成(nは2以上の自然数)、または、基板+低屈折率層+(高屈折率層+低屈折率層)×m回積層の層構成(mは1以上の自然数)であり、最表層の前記低屈折率層は、厚さ500~2000nmであることを特徴とする赤外域用多層膜光学素子である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記赤外域用多層膜光学素子では、Si(屈折率3.8)またはGe(屈折率4.0)に対して、Y2O3(屈折率1.8)を組み合わせているので、例えばZnS(屈折率2.2)等との組み合わせよりも屈折率差が大きく、低屈折率層及び高屈折率層との組み合わせとすることができる。また、最表層に同じくY2O3層を用いているので、これを低屈折率層として機能させ、かつ、耐摩耗性強化層としても機能させることができる。また、使用する材料は、分解して有害な物質を発生せず、硬さや材質の安定性といった耐久性とを両立させている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1~6(3層の反射防止膜)を示す模式断面図である。
【
図2】本発明の実施例7、8(5層の反射防止膜)を示す模式断面図である。
【
図3】本発明の実施例9、10(バンドパスフィルタ)を示す模式断面図である。
【
図4】実施例1における反射率と波長の関係を示すグラフである。
【
図5】実施例2における反射率と波長の関係を示すグラフである。
【
図6】実施例3における反射率と波長の関係を示すグラフである。
【
図7】実施例4における反射率と波長の関係を示すグラフである。
【
図8】実施例5における反射率と波長の関係を示すグラフである。
【
図9】実施例6における反射率と波長の関係を示すグラフである。
【
図10】実施例7における反射率と波長の関係を示すグラフである。
【
図11】実施例8における反射率と波長の関係を示すグラフである。
【
図12】実施例9における透過率と波長の関係を示すグラフである。
【
図13】実施例10における透過率と波長の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
本発明における基板は、単体のSi、Geや、ZnS、ZnSe、またはカルコゲナイドガラスのいずれかで構成される。カルコゲナイドガラスとは、周期表のヒ素、硫黄、セレン、テルル、アンチモン等とGe、Siの化合物から成る非晶質体のことをいう。 As2Se3,As2Te3,Te2AsSi 、Ge32As12Se55、Ge28Sb12Se60、など、その組合せと成分比により非常に多くの種類が公知である。この中でも、特に、SiやGeが好ましい。
【0015】
基板としては、平面状、レンズ等の球面状の他、任意の形状の自由曲面のものを採用することができる。その厚さは特に限定されないが、例えば平面状の場合、最低限の強度を確保するため、通常、1.0~100mm程度のものが使用される。
【0016】
本発明で低屈折率層としては、Y2O3を採用している。各低屈折率層かつ最表層としても用いられるY2O3は、紫外~約12μm(赤外)までの透過率が高く、3~5μmおよび8~10μmの光学フィルタの膜材料として使用可能であり、DLCよりも吸収が少ないという特徴を有する。
【0017】
また、Y2O3は、屈折率が約1.8で、従来多用されてきた低屈折率層のZnSの屈折率2.2より低く、低屈折率層として好適にSi(屈折率3.8)やGe(屈折率4.0)の高屈折率層と組み合わせて用いられるだけでなく、ZnS等と比較して非常に硬いため、最表層の保護層かつ低屈折率層としての機能を併せ持つ層として使用可能である。従来赤外域用多層膜光学素子は傷つきやすく取り扱いに注意が必要であるが、Y2O3は非常に硬いため、本発明の赤外域用多層膜光学素子は、拭き作業にも耐え、航空機の熱源探知など過酷な環境での測定にも耐える。
【0018】
後述する第1実施形態の反射防止膜としては、低屈折率層と高屈折率層の積層を単層や複数層のいずれにも設計することができ、また、厚さにより対象波長を3~5μmや8~12μmとしたり、あるいはその両方を対象とした2波長帯域反射防止膜とすることができる。
【0019】
各低屈折率層および各高屈折率層の膜厚は基本的には任意であるが、最表層の低屈折率層は、使用波長において光の干渉効果を引き起こすのに十分な光学厚さであり、例えばλ/4程度の光学膜厚が必要である。
【0020】
本発明において、基板上に積層する各低屈折率層、高屈折率層、低屈折率層(最表層)の形成は、公知の真空蒸着法、イオンプレーティング法、真空薄膜堆積技術が用いられる。
【0021】
<第1実施形態:反射防止膜>
本発明の赤外域用多層膜光学素子は、Si、Ge、ZnS、ZnSeまたはカルコゲナイドガラスのいずれかで構成された基板と、Y2O3で構成された厚さ80~8000nmの低屈折率層と、SiまたはGeのいずれか一方で構成された厚さ30~3500nmの高屈折率層とを有する赤外域用多層膜光学素子であって、前記各層は、基板+低屈折率層+(高屈折率層+低屈折率層)×m回積層の層構成(mは1以上の自然数)、または、基板+(高屈折率層+低屈折率層)×n回積層の層構成(nは2以上の自然数)であり、最表層の前記低屈折率層は、厚さ500~2000nmである。この赤外域用多層膜光学素子は、膜の積層順や各層の厚さや材料等の設計により、様々な性能を有する素子とすることができ、その第1の実施形態は、例えば、赤外域用の反射防止膜であり、その層構成は、「基板+低屈折率層+(高屈折率層+低屈折率層)×m回積層の層構成(mは1以上の自然数)」を取る。
【0022】
具体的には、Si、Ge、ZnS、ZnSeまたはカルコゲナイドガラスのいずれかで構成された基板上に、Y2O3で構成された厚さ80~8000nmの低屈折率層と、SiまたはGeのいずれか一方で構成された厚さ30~3500nmの高屈折率層とが交互に積層される。そして、最後に、Y2O3で構成された厚さ500~2000nmの低屈折率層が最表層として積層される。
【0023】
第1実施形態の多層膜光学素子1の層構成の一例を、
図1に示す。後述の実施例1~6の3~5μm反射防止膜および8~10μm反射防止膜に対応する。使用する基準波長をλ
0とすると、最表層11bはY
2O
3層を0.92λ
0~1.08λ
0の範囲とし、高屈折率層12(SiもしくはGe層)を0.18λ
0~2.66λ
0の範囲で1層以上含むと好ましい。このように最低層数で2層でも可能であるが、実施例1のように平坦な特性が求められる場合は第1層に0.08λ
0~λ
0のY
2O
3層を挿入した3層構造の方が望ましい。
【0024】
第1実施形態の多層膜光学素子2の層構成の一例を、
図2に示す。後述の実施例7、8の3~5μm、8~10μm反射防止膜に対応する。基準波長λ
0=9000nmとした場合、最表層21cはY
2O
3層を0.48λ
0~0.63λ
0の範囲とする、高屈折率層22aおよび22b(SiもしくはGe層)を0.18λ
0~2.66λ
0の範囲で1層以上含む。実施例においては、第1層(Y
2O
3)0.05λ
0~0.10λ
0、第2層(Si)0.2λ
0~0.29λ
0、第3層(Y
2O
3)0.20λ
0~0.31λ
0、第4層(Si)0.13λ
0~0.16λ
0、最表層はY
2O
3層を0.48λ
0~0.63λ
0の範囲とした。
【0025】
<第2実施形態:バンドパスフィルタ>
第2の実施形態は、例えば、赤外域用のバンドパスフィルタであり、その層構成は「基板+(高屈折率層+低屈折率層)×n回積層の層構成(nは2以上の自然数)」を取る。
【0026】
具体的には、Si、Ge、ZnS、ZnSeまたはカルコゲナイドガラスのいずれかで構成された基板上に、SiまたはGeのいずれか一方で構成された厚さ30~3500nmの高屈折率層と、Y2O3で構成された厚さ80~8000nmの低屈折率層とが交互に積層される。最後のY2O3で構成された低屈折率層は、最表層として厚さ500~2000nmの厚さである。
【0027】
第2実施形態の多層膜光学素子3の層構成の一例を、
図3に示す。後述の実施例9、10のバンドパスフィルタに対応する。基準波長λ
0として、0.25λ
0を1単位としてY
2O
3低屈折率層の光学膜厚をL、高屈折率層(SiまたはGe)の光学膜厚をHとした場合、HLもしくはLHを繰り返し単位として、中央に光学膜厚0.5λ
0となる層を含み、それを挟んで対象となるようHLHL…HLHL+2×H+LHLH…LHLH、またはLHLH…LHLH+2×L+HLHL…HLHL、の積層構造を持ち、最終層としてY
2O
3層を0.5λ
0~1.35λ
0成膜する。繰り返し回数は0.5λ
0層を挟んで対称であれば任意の繰り返し回数で良い。透過率向上のために最終層2層の膜厚を調整することで空気界面に対する反射防止設計を付与することも可能である。
【実施例0028】
以下、本発明の赤外域用多層膜光学素子を具体的な実施形態により説明するが、積層数や膜厚等の具体的数値は本発明の例示であり、本発明は、下記実施例のみに限定されない。
【0029】
(実施例1:3~5μm反射防止膜)
図1に実施例1の3~5μm反射防止膜の模式断面図を、表1に各層の膜厚を、
図4にその光学特性を示す。
図1に示すように、基板10上に、低屈折率層11a、高屈折率層12、低屈折率層(最表層)11bを順に形成した。
図4に示すように、3~5μmの波長において、良好な反射率を示した。
【0030】
【0031】
(実施例2:3~5μm反射防止膜)
図1に実施例2の3~5μm反射防止膜の模式断面図を、表2に各層の膜厚を、
図5にその光学特性を示す。
図5に示すように、3~5μmの波長において、良好な反射率を示した。
【0032】
【0033】
(実施例3:3~5μm反射防止膜)
図1に実施例3の3~5μm反射防止膜の模式断面図を、表3に各層の膜厚を、
図6にその光学特性を示す。
図6に示すように、3~5μmの波長において、良好な反射率を示した。
【0034】
【0035】
(実施例4:3~5μm反射防止膜)
図1に実施例3の3~5μm反射防止膜の模式断面図を、表4に各層の膜厚を、
図7にその光学特性を示す。
図7に示すように、3~5μmの波長において、良好な反射率を示した。
【0036】
【0037】
(実施例5:8~10μm反射防止膜)
表5に実施例5の8~10μm反射防止膜の各層の膜厚を、
図8にその光学特性を示す。模式断面図は
図1と共通であり、基板10上に、低屈折率層11a、高屈折率層12、低屈折率層(最表層)11bを順に形成した。
図8に示すように8~10μmの波長において、良好な反射率を示した。
【0038】
【0039】
(実施例6:8~10μm反射防止膜)
図1に実施例6の8~10μm反射防止膜の模式断面図を、表6に各層の膜厚を、
図9にその光学特性を示す。
図9に示すように、3~5μmの波長において、良好な反射率を示した。
【0040】
【0041】
(実施例7:3~5μm、8~10μm反射防止膜)
図2に実施例7の3~5μm、8~10μm反射防止膜の模式断面図を、表7に各層の膜厚を、
図10にその光学特性を示す。
図2に示すように、基板20上に、第1の低屈折率層21a、第1の高屈折率層22a、第2の低屈折率層21b、第2の高屈折率層22b、第3の低屈折率層(最表層)21cを順に形成した。
図10に示すように3~5μmおよび8~10μmの波長において、良好な反射率を示した。
【0042】
【0043】
(実施例8:3~5μm、8~10μm反射防止膜)
図2に実施例8の3~5μm、8~10μm反射防止膜の模式断面図を、表8に各層の膜厚を、
図11にその光学特性を示す。
図11に示すように、3~5μmおよび8~10μmの波長において、良好な反射率を示した。
【0044】
【0045】
(実施例9:9μmバンドパスフィルタ)
図3に実施例9の9μmバンドパスフィルタの模式断面図を、表9に各層の膜厚を、
図12にその光学特性を示す。
図3に示すように、基板30上に、第1の高屈折率層32a、第1の低屈折率層31a、第2の高屈折率層32b、第2の低屈折率層31b、第3の高屈折率層32c、第3の低屈折率層31c、第4の高屈折率層32d、第4の低屈折率層31d、第5の高屈折率層32e、第5の低屈折率層31e、第6の高屈折率層32f、第6の低屈折率層31f、第7の高屈折率層32g、第7の低屈折率層(最表層)31gを順に形成した。
図12に示すように選択的に9μm付近の波長において、良好な透過率を示した。
【0046】
【0047】
(実施例10:9μmバンドパスフィルタ)
表10に実施例10の9μmバンドパスフィルタの各層の膜厚を、
図13にその光学特性を示す。模式断面図は
図3と共通であり、基板30上に、第1の高屈折率層32a、第1の低屈折率層31a、第2の高屈折率層32b、第2の低屈折率層31b、第3の高屈折率層32c、第3の低屈折率層31c、第4の高屈折率層32d、第4の低屈折率層31d、第5の高屈折率層32e、第5の低屈折率層31e、第6の高屈折率層32f、第6の低屈折率層31f、第7の高屈折率層32g、第7の低屈折率層(最表層)31gを順に形成した。
図13に示すように選択的に9μm付近の波長において、良好な透過率を示した。
【0048】