(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150540
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20231005BHJP
H01M 8/04111 20160101ALI20231005BHJP
H01M 8/04014 20160101ALI20231005BHJP
H01M 8/04746 20160101ALI20231005BHJP
H01M 8/0438 20160101ALI20231005BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20231005BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20231005BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/04111
H01M8/04014
H01M8/04746
H01M8/0438
H01M8/04537
H01M8/12 101
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059694
(22)【出願日】2022-03-31
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】荒木 研太
(72)【発明者】
【氏名】河戸 希美
(72)【発明者】
【氏名】三谷 優人
(72)【発明者】
【氏名】大澤 弘行
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AC15
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA28
5H127BA36
5H127BA37
5H127BA57
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB27
5H127BB37
5H127DB69
5H127DB88
5H127DC12
(57)【要約】
【課題】システム全体の熱効率を低下させることなくタービンを安定運転させる。
【解決手段】燃料電池313と、燃料ガスを燃料極109へ供給する第2燃料ガス供給ライン341と、排燃料ガスL3を燃焼させる第1燃焼器322と、第1燃焼器322へ排燃料ガスL3を供給する排燃料ガス供給ライン345と、燃焼ガスが供給されるタービン323と、燃焼ガスを第1燃焼器322からタービン323へ供給する燃焼ガス供給ライン328と、タービン323を通過した燃焼ガスを排出する燃焼排ガスライン329と、排燃料ガス供給ライン345から燃焼排ガスライン329へ排燃料ガスL3を導くバイパスライン391と、バイパスライン391に配置されるバイパス制御弁392と、を備える発電システム310を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気極と燃料極を有する燃料電池と、
燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、
前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、
前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、
前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、
前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、
前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、
前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、を備える燃料電池システム。
【請求項2】
前記燃焼排ガスラインに配置され、前記バイパスラインから供給される前記排燃料ガスを燃焼させる第2燃焼器を備える請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記燃焼排ガスラインの前記第2燃焼器の下流側に配置され、前記第2燃焼器で生成された前記燃焼ガスから熱回収する排熱回収装置を備える請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導く請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の下流側へ前記排燃料ガスを導く請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の上流側へ前記排燃料ガスを導く請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを含むガスを導く請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の下流側へ前記排燃料ガスを含むガスを導く請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の上流側へ前記排燃料ガスを含むガスを導く請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインへ前記排燃料ガスを導く請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインへ前記排燃料ガスを含むガスを導く請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池システムは、
空気極と燃料極を有する燃料電池と、
燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、
前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、
前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、
前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、
前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、
前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、
前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、を備え、
前記タービンが所定の回転数となるように前記バイパス制御弁の開度を制御する制御工程を備える燃料電池システムの制御方法。
【請求項13】
前記制御工程は、前記タービンの回転数と前記燃料電池システムの運転負荷に基づいて設定された前記タービンの目標回転数との差が許容値未満となるように前記バイパス制御弁の開度を制御する請求項12に記載の燃料電池システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスと酸化性ガスとを化学反応させることにより発電する燃料電池は、優れた発電効率及び環境対応等の特性を有している。このうち、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)は、電解質としてジルコニアセラミックスなどのセラミックスが用いられ、水素、アンモニア、天然ガス、石油ガス、及び合成ガスなどを燃料ガスとして供給して、およそ700℃~1000℃の高温雰囲気で反応させて発電を行っている。
【0003】
SOFCを用いたシステムとして、ターボチャージャの圧縮機によって酸化性ガスを圧縮してSOFCへ供給し、SOFCから排出された排酸化性ガスと排燃料ガスを触媒燃焼器で燃焼させ、燃焼させた燃焼ガス(排ガス)をターボチャージャのタービンへ供給して圧縮機を駆動するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1のシステムでは、SOFCから排出された排燃料ガスを触媒燃焼器へ供給する系統とは別に、SOFCの燃料極へ供給される燃料ガスの一部を分岐させて触媒燃焼器へ直接的に供給することが可能となっている。また、特許文献1のシステムには、タービンから排出される燃焼ガスと圧縮機で圧縮される酸化性ガスとの熱交換により、SOFCの空気極へ供給される酸化性ガスを加熱する熱交換器が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のシステムにおいて、SOFCを定格負荷で運転する際にタービンの回転数が所定の回転数となるように、定格負荷で運転されるSOFCから排出される排酸化性ガスと排燃料ガスの排出量を設定するのが望ましい。一方、特許文献1のシステムにおいて、タービンを安定運転させるためには、タービンを所定の最低回転数を上回るように維持することが望ましい。
【0007】
しかしながら、SOFCが定格負荷に満たない部分負荷での運転中は、SOFCから排出される排酸化性ガスと排燃料ガスの排出量が定格負荷における排出量よりも少なくなる。そのため、触媒燃焼器で生成される燃焼ガスの熱量が定格負荷における熱量よりも少なくなり、タービンの回転数が所定の最低回転数を下回ってしまう可能性がある。
【0008】
この場合、SOFCから排出された排燃料ガスを触媒燃焼器へ供給する系統とは別に、触媒燃焼器へ直接的に供給する燃料ガスの熱量を増加させることにより、タービンの回転数が所定の最低回転数を上回るようにすることが可能である。しかしながら、燃料ガスの消費量が増加してしまうためシステム全体の熱効率が低下してしまう。
【0009】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、システム全体の熱効率を低下させることなくタービンを安定運転させることが可能な燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る燃料電池システムは、空気極と燃料極を有する燃料電池と、燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、前記燃料電池から排出された前記排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、を備える。
【0011】
本開示の一態様に係る燃料電池システムの制御方法は、燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池システムは、空気極と燃料極を有する燃料電池と、燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、前記燃料電池から排出された前記排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、を備え、前記タービンが所定の回転数となるように前記バイパス制御弁の開度を制御する制御工程を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、システム全体の熱効率を低下させることなくタービンを安定運転させることが可能な燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の第1実施形態の発電システムを示す概略構成図である。
【
図2】発電システムを運転する際に制御装置がバイパス制御弁を制御する動作を示すフローチャートである。
【
図3】発電システムの運転負荷とタービンの目標回転数との関係を示すグラフである。
【
図4】本開示の第2実施形態の発電システムを示す概略構成図である。
【
図5】本開示の第3実施形態の発電システムを示す概略構成図である。
【
図6】本開示の第4実施形態の発電システムを示す概略構成図である。
【
図7】本開示の第5実施形態の発電システムを示す概略構成図である。
【
図8】本開示の第6実施形態の発電システムを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔第1実施形態〕
以下、本開示の第1実施形態に係る燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法について、図面を参照して説明する。
【0015】
以下においては、説明の便宜上、紙面を基準として「上」及び「下」の表現を用いて説明した各構成要素の位置関係は、各々鉛直上方側、鉛直下方側を示すものである。また、本実施形態では、上下方向と水平方向で同様な効果を得られるものは、紙面における上下方向が必ずしも鉛直上下方向に限定することなく、例えば鉛直方向に直交する水平方向に対応してもよい。
【0016】
本実施形態に係る発電システムの概略構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る発電システム310を示す概略構成図である。
図1に示すように、発電システム310は、ターボチャージャ311と燃料電池313を備えている。燃料電池313は、図示しない燃料電池モジュールが1つまたは複数が組み合わされて構成され、以降は単に「燃料電池」と記載する。
【0017】
ターボチャージャ311は、圧縮機321、タービン323を備えており、圧縮機321とタービン323とは回転軸324により一体回転可能に連結されている。回転軸324の回転数(rpm)は、例えば、回転数計324aにより検知され、制御装置380に伝達される。回転数計324aが検知する回転数は、タービン323の回転数を示す。タービン323が回転することで圧縮機321が回転駆動する。本実施形態は酸化性ガスとして空気を用いた例であり、圧縮機321は、空気取り込みライン325から取り込んだ空気Aを圧縮する。なお、タービン323の回転数は、圧縮機321を通過する空気の流量や圧縮機321の前後の圧力などから算出してもよい。
【0018】
第1燃焼器322には、排燃料ガス供給ライン345を通じて燃料電池313の燃料極109から排出される排燃料ガスL3の一部が供給される。排燃料ガス供給ライン345には、第1燃焼器322に供給する排燃料ガス量を調整するための制御弁(排燃料ガス制御弁)347が設けられている。
【0019】
排燃料ガス供給ライン345には、排酸化性ガス排出ライン333が接続されており、燃料電池313の空気極113から排出される排酸化性ガスA3が、排燃料ガスL3の一部と混合されて第1燃焼器322に供給される。また、排酸化性ガス排出ライン333には、第1酸化性ガス供給ライン326が接続されており、圧縮機321で圧縮された空気Aの少なくとも一部である空気A1が、第1燃焼器322に供給される。第1酸化性ガス供給ライン326には、第1燃焼器322へ供給する空気A1の空気量を調整するための制御弁327が設けられている。
【0020】
また、第1燃焼器322には、第1燃料ガス供給ライン351を介して燃料ガスL1が供給される。第1燃料ガス供給ライン351には、第1燃焼器322へ供給する燃料ガス量を調整するための制御弁352が設けられている。
【0021】
第1燃焼器322は、燃料ガスL1、空気Aの一部(空気A1)、排燃料ガスL3、及び排酸化性ガスA3が混合されたガスを燃焼させ、燃焼ガスGを生成する。第1燃焼器322には、排燃料ガスL3を安定して燃焼可能な燃焼器、例えば、触媒燃焼器などが用いられる。燃焼ガスGは燃焼ガス供給ライン328を通じて第1燃焼器322からタービン323に供給される。タービン323は、燃焼ガスGにより回転駆動される。
【0022】
第1燃焼器322に供給する燃料ガスL1及び後述する燃料ガスL2は可燃性ガスであり、例えば、水素、アンモニア、一酸化炭素合成ガス、及び、炭化水素系ガス(天然ガス、石油ガス等)などが用いられる。燃料ガスの発熱量は、所定の範囲内に調製されていることが望ましい。
【0023】
熱交換器330は、タービン323から排出された排ガスと圧縮機321から供給される空気Aとの間で熱交換を行う。熱交換器330を通過した排ガスは、燃焼排ガスライン329に導かれる。
【0024】
燃料電池313は、例えば、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)であり、還元剤として燃料ガスL2と、酸化剤として空気A2とが供給されることで、所定の作動温度にて反応して発電を行う。この燃料電池313は、図示しない燃料電池モジュールから構成され、燃料電池モジュールの圧力容器内に設けた複数のセルスタックの集合体が収容されており、図示しないセルスタックには、燃料極109と空気極113と固体電解質膜(図示略)を備えている。なお、燃料電池313は、SOFCに限定されない。
【0025】
燃料電池313は、空気極113に空気A2が供給され、燃料極109に燃料ガスL2が供給されることで発電して、図示しないパワーコンディショナ等の電力変換装置(インバータなど)により所定の交流電力へと変換される。本実施形態では、燃料電池313に供給される酸化性ガスとして、圧縮機321によって圧縮された空気Aの少なくとも一部(空気A2)を採用する場合を例示して説明する。
【0026】
燃料電池313には、第1酸化性ガス供給ライン326から分岐した第2酸化性ガス供給ライン331を通じて酸化性ガスとして空気A2が空気極113の図示しない酸化性ガス導入部に供給される。この第2酸化性ガス供給ライン331には、供給する空気A2の流量を調整するための制御弁335が設けられている。また、第1酸化性ガス供給ライン326において、第2酸化性ガス供給ライン331の分岐点よりも空気A2の上流側(換言すると、圧縮機321側)には、熱交換器330が設けられている。熱交換器330は、第2酸化性ガス供給ライン331および燃焼排ガスライン329に配置される。
【0027】
熱交換器330において、空気Aは、燃焼排ガスライン329から排出される排ガスとの間で熱交換されて昇温される。更に、第2酸化性ガス供給ライン331には、熱交換器330をバイパスするバイパスライン332が設けられている。バイパスライン332には、制御弁336が設けられ、空気Aのバイパス流量が調整可能とされている。
【0028】
制御弁335、336の開度が後述する制御装置380によって制御されることで、熱交換器330を通過する空気Aと熱交換器330をバイパスする空気Aとの流量割合が調整され、空気Aの一部である第2酸化性ガス供給ライン331を通じて燃料電池313に供給される空気A2の温度が調整される。燃料電池313に供給される空気A2の温度は、燃料電池313を構成する図示しない燃料電池モジュール内部の各構成機器の材料に損傷を与えないよう温度の上限が制限されている。
【0029】
更に、第2酸化性ガス供給ライン331には、可燃性ガスとして燃料ガスL2を供給する空気極燃料供給ライン371が接続されている。空気極燃料供給ライン371には、第2酸化性ガス供給ライン331へ供給する燃料ガス量を調整するための制御弁372が設けられている。制御弁372の弁開度が後述する制御装置380によって制御されることにより、空気A2に添加される燃料ガスL2の供給量が調整される。
【0030】
空気A2に添加される燃料ガスL2の量は、可燃限界濃度以下で供給され、より好ましくは3体積%以下で供給される。空気極燃料供給ライン371は、発電システム310の起動時に燃料電池313を昇温する際などに用いられる。燃料電池313には、空気極113で用いられた排酸化性ガスA3を排出する排酸化性ガス排出ライン333が接続されている。
【0031】
燃料電池313には、更に、燃料ガスL2を燃料極109の図示しない燃料ガス導入部に供給する第2燃料ガス供給ライン341と、燃料極109で反応に用いられた後の排燃料ガスL3を排出する排燃料ガスライン343とが接続されている。第2燃料ガス供給ライン341には、燃料極109に供給する燃料ガスL2の流量を調整するための制御弁342が設けられ、排燃料ガスライン343には燃料極109で反応に用いられた後の排燃料ガスL3を系統外へ排出する排燃料ガス量を調整するための制御弁(もしくは遮断弁)346が設けられている。排燃料ガスライン343は、発電システム310の緊急停止時などに用いられる。
【0032】
また、燃料電池313の燃料極109と空気極113の差圧(以下、燃料空気差圧)は、燃料極109側が所定の圧力範囲で高くなるように、制御弁347により制御する。また、排燃料ガスライン343には、排燃料ガスL3を燃料電池313の燃料極109の燃料ガス導入部へと再循環させるための燃料ガス再循環ライン349が接続されている。燃料ガス再循環ライン349には、排燃料ガスL3を再循環させるための再循環ブロワ348が設けられている。更に、燃料ガス再循環ライン349には、燃料極109に燃料ガスL2を改質するための純水を供給する純水供給ライン361が設けられている。
【0033】
図1に示すように、本実施形態の発電システム310は、バイパスライン391と、バイパスライン391に配置されるバイパス制御弁392と、第2燃焼器393と、排熱回収装置394と、を備える。バイパスライン391は、排燃料ガス供給ライン345の制御弁347の下流側の排酸化性ガス排出ライン333との合流点より下流側から、排燃料ガスL3の一部と排酸化性ガスが混合されたガスを分岐させて燃焼排ガスライン329へ導く配管である。つまり、排燃料ガスL3を含む混合ガスの一部は、第1燃焼器322とタービン323および熱交換器330をバイパスする。
【0034】
第2燃焼器393は、燃焼排ガスライン329に配置され、バイパスライン391から供給される排燃料ガスL3を含む混合ガスを燃焼させる装置である。第2燃焼器393は、燃焼ガスを生成して排熱回収装置394へ供給する。
【0035】
排熱回収装置394は、燃焼排ガスライン329の第2燃焼器393の下流側に配置され、第2燃焼器393で生成された燃焼ガスから熱回収する装置である。排熱回収装置394は、例えば、第2燃焼器393で生成された燃焼ガスと第2酸化性ガス供給ライン331を流通する酸化性ガスとを熱交換させたり、システムの総合効率を向上させるために燃焼ガスを水などの昇温に利用して、いわゆる熱電併給(コジェネレーション)システムとしてもよい。排熱回収装置394を通過した燃焼ガスは、外部へ排出される。
【0036】
制御装置380は、発電システム310の各部を制御する装置である。制御装置380は、ハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶されたプログラムをCPU等の演算装置が読み出して実行することにより、各種の処理を実行する。
【0037】
次に、
図2および
図3を参照して、発電システム310を運転する際に制御装置380がバイパス制御弁392を制御する動作について説明する。
図2は、発電システム310を運転する際に制御装置380がバイパス制御弁392を制御する動作を示すフローチャートである。
図3は、発電システム310の運転負荷とタービン323の目標回転数Rtとの関係を示すグラフである。
【0038】
ステップS101で、制御装置380は、発電システム310の運転負荷に基づいてタービン323の目標回転数Rtを設定する。制御装置380には、
図3に示す発電システム310の運転負荷とタービン323の目標回転数Rtとの関係を示すグラフに対応するテーブルを予め記憶部(図示略)に記憶させておく。制御装置380は、ステップS102以降の処理を実行する際に、発電システム310の運転負荷が変化することに応じて目標回転数Rtの設定値を更新する。
【0039】
制御装置380は、発電システム310の現在の運転負荷を参照し、運転負荷に対応するタービン323の目標回転数Rtを設定する。
図3に示すように、発電システム310の現在の運転負荷が100%に近づくにつれて目標回転数Rtが漸次増加するようになっている。発電システム310の運転負荷は、例えば、発電システム310が出力可能な定格電力に対する現在の出力電力の割合を算出することにより決定される。
【0040】
ステップS102で、制御装置380は、回転数計324aが出力する回転軸324の回転数(rpm)を参照することにより、タービン323の回転数Raを計測する。
【0041】
ステップS103で、制御装置380は、ステップS102で計測されたタービン323の回転数Raと目標回転数Rtとの差が、予め定めた許容値以上であるかを判断する。制御装置380は、YESと判断した場合はステップS104に処理を進め、NOと判断した場合はステップS102を再び実行する。
【0042】
ステップS104で、制御装置380は、タービン323の回転数Raが目標回転数Rtより大きいかどうかを判断する。制御装置380は、YESと判断した場合はステップS105に処理を進め、NOと判断した場合はステップS106に処理を進める。
【0043】
ステップS105で、制御装置380は、タービン323の回転数Raと目標回転数Rtとの差が許容値未満であり、かつタービン323の回転数Raが目標回転数Rtより大きいため、タービン323の回転数Raが低下するようにバイパス制御弁392を開状態(もしくは開度を上げる)とする。バイパス制御弁392が開状態となると、排燃料ガス供給ライン345を流通する排燃料ガスL3を含む混合ガスの一部が燃焼排ガスライン329へ導かれる。
【0044】
以上のように、ステップS104およびステップS105において、制御装置380は、タービン323の回転数Raと発電システム310の運転負荷に基づいて設定されたタービン323の目標回転数Rtとの差が許容値未満となるようにバイパス制御弁392の開度を制御する。
【0045】
制御装置380は、ステップS105を1度実行する際にバイパス制御弁392を閉状態から開状態(全開、もしくはタービン323の回転数Raと目標回転数Rtの差が許容値の範囲内となる開度)に切り替えるようにしてもよいが、他の態様としてもよい。例えば、ステップS105を1度実行する際に増加させる開度を予め設定し、予め設定した開度だけ増加させるようにしてもよい。この場合、タービン323の回転数Raと目標回転数Rtとの差の許容値より大きい状態が継続することに応じて、複数回のバイパス制御弁392の開度の増加動作が行われ、最終的に全開の状態となる。
【0046】
ステップS106で、制御装置380は、タービン323の回転数Raと目標回転数Rtとの差が許容値未満であり、かつタービン323の回転数Raが目標回転数Rtより小さいため、タービン323の回転数Raが増加するようにバイパス制御弁392を閉状態(もしくは開度を下げる)とする。バイパス制御弁392が閉状態となると、排燃料ガス供給ライン345を流通する排燃料ガスL3を含む混合ガスは、燃焼排ガスライン329へは導かれない。
【0047】
制御装置380は、ステップS106を1度実行する際にバイパス制御弁392を開状態から閉状態(全閉、もしくはタービン323の回転数Raと目標回転数Rtの差が許容値の範囲内となる開度)に切り替えるようにしてもよいが、他の態様としてもよい。例えば、ステップS106を1度実行する際に減少させる開度を予め設定し、予め設定した開度だけ減少させるようにしてもよい。この場合、タービン323の回転数Raと目標回転数Rtとの差の許容値より小さい状態が継続することに応じて、複数回のバイパス制御弁392の開度の減少動作が行われ、最終的に全閉の状態となる。
【0048】
なお、バイパス制御弁392を全閉状態としても、タービン323の回転数Raと目標回転数Rtの差が許容値範囲より小さい状態が続く場合、制御装置380は、制御弁352を開状態とし、第1燃焼器322へ燃料ガスL1が供給されるようにしてもよい。第1燃焼器322に燃料ガスL1を供給することにより、第1燃焼器322で生成される燃焼ガスを増加させ、タービン323の回転数を増加させることができる。
【0049】
ステップS107で、制御装置380は、発電システム310の運転を停止する指示が入力されたかどうかを判断し、YESであればステップS108に処理を進め、NOであればステップS102を再び実行する。
【0050】
以上のように、本実施形態の発電システム310は、タービン323の回転数Raと目標回転数Rtとの差が予め定めた許容値以上であり、かつタービン323の回転数Raが目標回転数Rtより大きい場合、タービン323の回転数Raが低下するようにバイパス制御弁392を開状態とする。また、本実施形態の発電システム310は、タービン323の回転数Raと目標回転数Rtとの差が予め定めた許容値以上であり、かつタービン323の回転数Raが目標回転数Rtより小さい場合、タービン323の回転数Raが増加するようにバイパス制御弁392を閉状態とする。
【0051】
以上説明した本実施形態の発電システム310が奏する作用および効果について説明する。
例えば、ターボチャージャ311を安定運転させるために、燃料電池313を部分負荷で運転する際にターボチャージャ311を所定の最低回転数を上回るように第1燃焼器322に供給される排燃料ガスL3を含む混合ガスの供給量を設定する。この場合、第1燃焼器322に燃料ガスL1を直接的に供給する必要がないため、発電システム全体の熱効率が低下することがない。一方、燃料電池313を定格負荷で運転する際に第1燃焼器322からタービン323に供給される燃焼ガスGの熱量が過剰となり、ターボチャージャ311の回転数が目標回転数Rtに許容値を加算した所定の回転数を上回ってしまう可能性がある。
【0052】
本実施形態の発電システム310によれば、バイパスライン391に配置されるバイパス制御弁392を開状態とすれば、バイパスライン391を介して、排燃料ガス供給ライン345から燃焼排ガスライン329へ、排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くことができる。第1燃焼器322に供給される排燃料ガスL3を含む混合ガス量が減少するため、第1燃焼器322からタービン323に供給される燃焼ガスGの熱量が過剰となってターボチャージャ311の回転数Raが目標回転数Rtに許容値を加算した所定の回転数を上回ることを防止することができる。
【0053】
このように、本実施形態の発電システム310によれば、発電システム全体の熱効率を低下させることなくターボチャージャ311を安定運転させることができる。また、本実施形態の発電システム310によれば、バイパスライン391から供給される排燃料ガスL3を含む混合ガスを、第2燃焼器393で燃焼させてから外部へ排出することができる。
【0054】
また、本実施形態の発電システム310によれば、排熱回収装置394により、第2燃焼器393で生成された燃焼ガスから熱回収して発電システム全体の熱効率を向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態の発電システム310によれば、排燃料ガス供給ライン345からバイパスライン391を介して燃焼排ガスライン329へ、排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くことにより、タービン323に供給される燃焼ガスの熱量が過剰となってターボチャージャ311の回転数が所定の回転数を上回ることを防止することができる。また、タービン323を通過する燃焼ガスGの熱量と流量を減少させることにより、バイパスライン391を用いることにより調整可能なターボチャージャ311の回転数の制御範囲を拡大させることができる。
【0056】
また、本実施形態の発電システム310によれば、制御弁347の上流側よりも低圧力の制御弁347の下流側から燃焼排ガスライン329へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導く。そのため、制御弁347の上流側から燃焼排ガスライン329へ排燃料ガスL3を導く場合に比べ、タービン323に供給される空気量を適切に調整し、タービン323の回転数の制御範囲を広くすることができる。
【0057】
本実施形態の発電システム310によれば、制御弁347の下流側から熱交換器330の下流側へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くことにより熱交換器330への入熱量を調整し、発電システム310全体の制御範囲を広くすることができる。
【0058】
本実施形態の発電システム310は、燃焼排ガスライン329に第2燃焼器393を配置するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、バイパスライン391のバイパス制御弁392の下流側に第2燃焼器393を配置しても良い。この場合、第2燃焼器393として、バイパスライン391へ導かれた排燃料ガスL3のみを燃焼させるのに必要な能力を有する小型の燃焼器を採用することができる。
【0059】
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態に係る発電システム310Aについて、
図4を参照して説明する。本実施形態の発電システム310Aは、第1実施形態の発電システム310の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
【0060】
第1実施形態の発電システム310は、制御弁347の上流側よりも低圧力の制御弁347の下流側から燃焼排ガスライン329へ排燃料ガスL3を導くものであった。それに対して、本実施形態の発電システム310Aは、制御弁347の下流側よりも高圧力の制御弁347の上流側から燃焼排ガスライン329へ排燃料ガスL3を導くものである。つまり、排燃料ガスL3の一部は制御弁347と第1燃焼器322とタービン323および熱交換器330をバイパスする。
【0061】
図4に示すように、本実施形態の発電システム310Aは、バイパスライン391の一端が制御弁347の上流側で排燃料ガス供給ライン345に接続され、バイパスライン391の他端が熱交換器330の下流側で燃焼排ガスライン329に接続されている。バイパスライン391は、排燃料ガス供給ライン345の制御弁347の上流側から燃焼排ガスライン329の熱交換器330の下流側へ排燃料ガスL3を導く。
【0062】
本実施形態の発電システム310Aによれば、制御弁347の上流側からバイパスライン391を介して燃焼排ガスライン329へ排燃料ガスL3を導く。そのため、制御弁347の下流側から燃焼排ガスライン329へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導く場合に比べ、第1燃焼器322に供給される混合ガスのうち、排燃料ガスL3の流量のみを減少させるため、ターボチャージャ311の回転数をより細かに調整することができる。
【0063】
本実施形態の発電システム310Aによれば、バイパスライン391は、排燃料ガス供給ライン345の制御弁347の上流側から燃焼排ガスライン329の熱交換器330の下流側へ排燃料ガスL3を導く。本実施形態の発電システム310Aによれば、制御弁347の下流側から熱交換器330の下流側へ排燃料ガスL3を導くことにより、熱交換器330への入熱量を調整し、発電システム310全体の制御範囲を広くすることができる。
【0064】
本実施形態の発電システム310Aは、燃焼排ガスライン329に第2燃焼器393を配置するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、バイパスライン391のバイパス制御弁392の下流側に第2燃焼器393を配置しても良い。この場合、第2燃焼器393として、バイパスライン391へ導かれた排燃料ガスL3のみを燃焼させるのに必要な能力を有する小型の燃焼器を採用することができる。
【0065】
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態に係る発電システム310Bについて、
図5を参照して説明する。本実施形態の発電システム310Bは、第1実施形態の発電システム310の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
【0066】
第1実施形態の発電システム310は、制御弁347の下流側から燃焼排ガスライン329へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くものであった。それに対して、本実施形態の発電システム310Bは、制御弁347の下流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くものである。つまり、排燃料ガスL3を含む混合ガスは第1燃焼器322をバイパスする。
【0067】
図5に示すように、本実施形態のバイパスライン391は、排燃料ガス供給ライン345の制御弁347の下流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導く。
【0068】
本実施形態の発電システム310Bによれば、排燃料ガス供給ライン345から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くことにより、第1燃焼器322で生成される燃焼ガスGの熱量が過剰となってターボチャージャ311の回転数Raが目標回転数Rtに許容値を加算した所定の回転数を上回ることを防止することができる。また、タービン323に供給される燃焼ガスGの熱量を所定範囲内で維持することにより、ターボチャージャ311の回転数の制御特性を維持することができる。
【0069】
また、本実施形態の発電システム310Aによれば、排燃料ガス供給ライン345から燃焼ガス供給ライン328(タービン323の上流側)へ、排燃料ガスL3を含む混合ガスを導く。そのため、燃焼排ガスライン329(タービン323の下流側)へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導く場合に比べ、タービン323に供給される燃焼ガスGの熱量は変化するが、流量は変化しないため、ターボチャージャ311の回転数をより細かに調整することができる。
【0070】
図5に示すように、本実施形態の発電システム310Bにおいて、バイパスライン391は、排燃料ガス供給ライン345の制御弁347の下流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導く。このようにすることで、制御弁347の上流側よりも低圧力の制御弁347の下流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3が導かれる。そのため、制御弁347の上流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を導く場合に比べ、タービン323に供給される空気量を適切に調整し、タービン323の回転数の制御範囲を広くすることができる。
【0071】
〔第4実施形態〕
次に、本開示の第4実施形態に係る発電システム310Cについて、
図6を参照して説明する。本実施形態の発電システム310Cは、第3実施形態の発電システム310Bの変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第3実施形態と同様であるものとする。
【0072】
第3実施形態の発電システム310Bは、制御弁347の下流側からバイパスライン391を介して燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くものであった。それに対して、本実施形態の発電システム310Cは、制御弁347の上流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を導くものである。つまり、排燃料ガスL3の一部は第1燃焼器322をバイパスする。
【0073】
図6に示すように、本実施形態の発電システム310Cは、バイパスライン391の一端が制御弁347の上流側で排燃料ガス供給ライン345に接続され、バイパスライン391の他端が燃焼ガス供給ライン328に接続されている。バイパスライン391は、排燃料ガス供給ライン345の制御弁347の上流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を導く。
【0074】
本実施形態の発電システム310Cによれば、制御弁347の上流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を導く。そのため、制御弁347の下流側から燃焼ガス供給ライン328へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導く場合に比べ、第1燃焼器322に供給される混合ガスのうち、排燃料ガスL3の流量のみを減少させるため、ターボチャージャ311の回転数をより細かに調整することができる。
【0075】
〔第5実施形態〕
次に、本開示の第5実施形態に係る発電システム310Dについて、
図7を参照して説明する。本実施形態の発電システム310Dは、第2実施形態の発電システム310Aの変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第2実施形態と同様であるものとする。
【0076】
第2実施形態の発電システム310Aは、制御弁347の上流側から燃焼排ガスライン329の熱交換器330の下流側へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くものであった。それに対して、本実施形態の発電システム310Dは、制御弁347の上流側からバイパスライン391を介して燃焼排ガスライン329の熱交換器330の上流側へ排燃料ガスL3を導くものである。つまり、排燃料ガスL3の一部は第1燃焼器322とタービン323をバイパスする。
【0077】
図7に示すように、本実施形態の発電システム310Dにおいて、バイパスライン391は、排燃料ガス供給ライン345の制御弁347の上流側から燃焼排ガスライン329の熱交換器330の上流側へ排燃料ガスL3を導く。熱交換器330の上流側へ排燃料ガスL3を導くことにより、熱交換器330を通過するガス量を所定範囲内に維持することができる。
【0078】
本実施形態の発電システム310Dは、燃焼排ガスライン329に第2燃焼器393を配置するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、バイパスライン391のバイパス制御弁392の下流側に第2燃焼器393を配置しても良い。この場合、第2燃焼器393として、バイパスライン391へ導かれた排燃料ガスL3のみを燃焼させるのに必要な能力を有する小型の燃焼器を採用することができる。
【0079】
〔第6実施形態〕
次に、本開示の第6実施形態に係る発電システム310Eについて、
図8を参照して説明する。本実施形態の発電システム310Eは、第1実施形態の発電システム310の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとする。
【0080】
第1実施形態の発電システム310は、制御弁347の下流側から燃焼排ガスライン329の熱交換器330の下流側へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くものであった。それに対して、本実施形態の発電システム310Eは、制御弁347の下流側から燃焼排ガスライン329の熱交換器330の上流側へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くものである。つまり、排燃料ガスL3を含む混合ガスの一部は第1燃焼器322とタービン323をバイパスする。
【0081】
図8に示すように、本実施形態の発電システム310Eにおいて、バイパスライン391は、排燃料ガス供給ライン345の制御弁347の下流側から燃焼排ガスライン329の熱交換器330の上流側へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導く。熱交換器330の上流側へ排燃料ガスL3を含む混合ガスを導くことにより、熱交換器330を通過するガス量を所定範囲内に維持することができる。
【0082】
本実施形態の発電システム310Eは、燃焼排ガスライン329に第2燃焼器393を配置するものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、バイパスライン391のバイパス制御弁392の下流側に第2燃焼器393を配置しても良い。この場合、第2燃焼器393として、バイパスライン391へ導かれた排燃料ガスL3を含む混合ガスのみを燃焼させるのに必要な能力を有する小型の燃焼器を採用することができる。
【0083】
以上説明した実施形態は、例えば以下のように把握される。
本開示の第1態様に係る燃料電池システム(310)は、空気極(113)と燃料極(109)を有する燃料電池(313)と、燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスライン(341)と、前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器(422)と、前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ライン(345)と、前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービン(323)と、前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ライン(328)と、前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスライン(329)と、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスライン(391)と、前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁(392)と、を備える。
【0084】
例えば、タービンを安定運転させるために、燃料電池を部分負荷で運転する際にタービンを所定の最低回転数を上回るように第1燃焼器に供給される排燃料ガスの供給量を設定する。この場合、第1燃焼器に燃料ガスを直接的に供給する必要がないため、システム全体の熱効率が低下することがない。一方、燃料電池を定格負荷で運転する際に第1燃焼器からタービンに供給される燃焼ガスの熱量が過剰となり、タービンの回転数が所定の回転数を上回ってしまう可能性がある。
【0085】
本開示の第1態様に係る燃料電池システムによれば、バイパスラインに配置されるバイパス制御弁を開状態とすれば、バイパスラインを介して、排燃料ガス供給ラインから燃焼ガス供給ラインまたは燃焼排ガスラインへ排燃料ガスを導くことができる。第1燃焼器に供給される排燃料ガスが減少するため、第1燃焼器からタービンに供給される燃焼ガスの熱量が過剰となってタービンの回転数が所定の回転数を上回ることを防止することができる。このように、本開示の第1態様に係る燃料電池システムによれば、システム全体の熱効率を低下させることなくタービンを安定運転させることができる。
【0086】
本開示の第2態様に係る燃料電池システムは、第1態様において、前記燃焼排ガスラインに配置され、前記バイパスラインから供給される前記排燃料ガスを燃焼させる第2燃焼器(393)を備える。
本開示の第2態様に係る燃料電池システムによれば、バイパスラインから供給される排燃料ガスを第2燃焼器で燃焼させてから排出することができる。
【0087】
本開示の第3態様に係る燃料電池システムは、第2態様において、前記燃焼排ガスラインの前記第2燃焼器の下流側に配置され、前記第2燃焼器で生成された燃焼ガスから熱回収する排熱回収装置(394)を備える。
本開示の第3態様に係る燃料電池システムによれば、排熱回収装置により、第2燃焼器で生成された燃焼ガスから熱回収してシステム全体の熱効率を向上させることができる。
【0088】
本開示の第4態様に係る燃料電池システムは、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、前記バイパスラインが、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導く。
本開示の第4態様に係る燃料電池システムによれば、排燃料ガス供給ラインから燃焼排ガスラインへ排燃料ガスを導くことにより、タービンに供給される燃焼ガスの熱量が過剰となってターボチャージャの回転数が所定の回転数を上回ることを防止することができる。また、タービンを通過する燃焼ガスの熱量を減少させることにより、バイパスラインを用いることにより調整可能なターボチャージャの回転数の制御範囲を拡大させることができる。
【0089】
本開示の第5態様に係る燃料電池システムは、第4態様において、前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器(330)を備え、前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の下流側へ前記排燃料ガスを導く。
本開示の第5態様に係る燃料電池システムによれば、排燃料ガス供給ラインから燃焼排ガスラインの熱交換器の下流側へ排燃料ガスを導くことにより、熱交換器への入熱量を調整し、発電システム全体の制御範囲を広くすることができる。
【0090】
本開示の第6態様に係る燃料電池システムは、第4態様において、前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の上流側へ前記排燃料ガスを導く。
本開示の第6態様に係る燃料電池システムによれば、排燃料ガス供給ラインから燃焼排ガスラインの熱交換器の上流側へ排燃料ガスを導くことにより、熱交換器を通過するガス量を所定範囲内に維持することができる。
【0091】
本開示の第7態様に係る燃料電池システムは、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを含むガスを導く。
本開示の第7態様に係る燃料電池システムによれば、バイパスラインが排燃料ガス供給ラインから燃焼排ガスラインへ排燃料ガスを含むガスを導くため、タービンに供給される空気量を適切に調整し、タービンの回転数の制御範囲を広くすることができる。
【0092】
本開示の第8態様に係る燃料電池システムは、第7態様において、前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の下流側へ前記排燃料ガスを含むガスを導く。
本開示の第8態様に係る燃料電池システムによれば、排燃料ガス供給ラインから熱交換器の下流側へ排燃料ガスを含むガスを導くことにより、熱交換器への入熱量を調整し、発電システム全体の制御範囲を広くすることができる。
【0093】
本開示の第9態様に係る燃料電池システムは、第7態様において、前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインの前記排燃料ガス制御弁の下流側から前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の上流側へ前記排燃料ガスを導く。
本開示の第9態様に係る燃料電池システムによれば、熱交換器の上流側へ排燃料ガスを導くことにより、熱交換器を通過するガス量を維持することができる。
【0094】
本開示の第10態様に係る燃料電池システムは、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、前記バイパスラインが、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインへ前記排燃料ガスを導く。
本開示の第10態様に係る燃料電池システムによれば、排燃料ガス供給ラインから燃焼ガス供給ラインへ排燃料ガスを導くことにより、第1燃焼器で生成される燃焼ガスが過剰となってターボチャージャの回転数が所定の回転数を上回ることを防止することができる。また、タービンに供給されるガス量を所定範囲内で維持することにより、ターボチャージャの回転数の制御特性を維持することができる。
【0095】
本開示の第11態様に係る燃料電池システムは、第1態様から第3態様のいずれかにおいて、前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインへ前記排燃料ガスを含むガスを導く。
本開示の第11態様に係る燃料電池システムによれば、排燃料ガス供給ラインから燃焼ガス供給ラインへ排燃料ガスを導く。第1燃焼器に供給される混合ガスのうち、排燃料ガスの流量のみを減少させるため、タービンの回転数をより細かに調整することができる。
【0096】
本開示の第1態様に係る燃料電池システムの制御方法は、燃料電池システムの制御方法であって、前記燃料電池システムは、空気極と燃料極を有する燃料電池と、燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、を備え、前記タービンが所定の回転数となるように前記バイパス制御弁の開度を制御する制御工程を備える。
【0097】
本開示の第1態様に係る燃料電池システムの制御方法によれば、制御工程において、タービンが所定の回転数となるようにバイパスラインに配置されるバイパス制御弁の開度を制御することにより、バイパスラインを介して、排燃料ガス供給ラインから燃焼ガス供給ラインまたは燃焼排ガスラインへ排燃料ガスを導くことができる。第1燃焼器に供給される排燃料ガスが減少するため、第1燃焼器からタービンに供給される燃焼ガスが過剰となってタービンの回転数が所定の回転数を上回ることを防止することができる。このように、本開示の第1態様に係る燃料電池システムによれば、システム全体の熱効率を低下させることなくタービンを安定運転させることができる。
【0098】
本開示の第2態様に係る燃料電池システムの制御方法は、第1態様において、前記制御工程は、前記タービンの回転数と前記燃料電池システムの運転負荷に基づいて設定された前記タービンの目標回転数との差が許容値未満となるように前記バイパス制御弁の開度を制御する。
本開示の第2態様に係る燃料電池システムの制御方法によれば、バイパス制御弁の開度を制御することにより、タービンの回転数と目標回転数との差が許容値未満となるようにすることができる。
【符号の説明】
【0099】
109 燃料極
113 空気極
310,310A,310B,310C,310D,310E 発電システム
311 ターボチャージャ
321 圧縮機
322 第1燃焼器
323 タービン
326 第1酸化性ガス供給ライン
327,335,336,342,346,347,352 制御弁
328 燃焼ガス供給ライン
329 燃焼排ガスライン
330 熱交換器
331 第2酸化性ガス供給ライン
332 バイパスライン
333 排酸化性ガス排出ライン
341 第2燃料ガス供給ライン
343 排燃料ガスライン
345 排燃料ガス供給ライン
348 再循環ブロワ
349 燃料ガス再循環ライン
351 第1燃料ガス供給ライン
372 制御弁
380 制御装置
391 バイパスライン
392 バイパス制御弁
393 第2燃焼器
394 排熱回収装置
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気極と燃料極を有する燃料電池と、
燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、
前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、
前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、
前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、
前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、
前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、
前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、を備える燃料電池システム。
【請求項2】
前記燃焼排ガスラインに配置され、前記バイパスラインから供給される前記排燃料ガスを燃焼させる第2燃焼器を備える請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記燃焼排ガスラインの前記第2燃焼器の下流側に配置され、前記第2燃焼器で生成された前記燃焼ガスから熱回収する排熱回収装置を備える請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導く請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される前記酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の下流側へ前記排燃料ガスを導く請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される前記酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の上流側へ前記排燃料ガスを導く請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインを備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスと前記空気極から排出された排酸化性ガスとを含む混合ガスを導く請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される前記酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の下流側へ前記混合ガスを導く請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される前記酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の上流側へ前記混合ガスを導く請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインへ前記排燃料ガスを導く請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインを備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインへ前記排燃料ガスと前記空気極から排出された排酸化性ガスとを含む混合ガスを導く請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
燃料電池システムの制御方法であって、
前記燃料電池システムは、
空気極と燃料極を有する燃料電池と、
燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、
前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、
前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、
前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、
前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、
前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、
前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、を備え、
前記タービンが所定の回転数となるように前記バイパス制御弁の開度を制御する制御工程を備える燃料電池システムの制御方法。
【請求項13】
前記制御工程は、前記タービンの回転数と前記燃料電池システムの運転負荷に基づいて設定された前記タービンの目標回転数との差が許容値未満となるように前記バイパス制御弁の開度を制御する請求項12に記載の燃料電池システムの制御方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気極と燃料極を有する燃料電池と、
燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、
前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、
前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、
前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、
前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、
前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、
前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインと、を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスと前記空気極から排出された排酸化性ガスとを含む混合ガスを導く燃料電池システム。
【請求項2】
前記燃焼排ガスラインに配置され、前記バイパスラインから供給される前記排燃料ガスを燃焼させる第2燃焼器を備える請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記燃焼排ガスラインの前記第2燃焼器の下流側に配置され、前記第2燃焼器で生成された前記燃焼ガスから熱回収する排熱回収装置を備える請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導く請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される前記酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の下流側へ前記排燃料ガスを導く請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される前記酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の上流側へ前記排燃料ガスを導く請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される前記酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の下流側へ前記混合ガスを導く請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記酸化性ガス供給ラインおよび前記燃焼排ガスラインに配置され、前記タービンを通過した前記燃焼ガスと前記空気極へ供給される前記酸化性ガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼排ガスラインの前記熱交換器の上流側へ前記混合ガスを導く請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
空気極と燃料極を有する燃料電池と、
燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、
前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、
前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、
前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、
前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、
前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、
前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、
前記燃焼排ガスラインに配置され、前記バイパスラインから供給される前記排燃料ガスを燃焼させる第2燃焼器と、
前記燃焼排ガスラインの前記第2燃焼器の下流側に配置され、前記第2燃焼器で生成された前記燃焼ガスから熱回収する排熱回収装置と、を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインへ前記排燃料ガスを導く燃料電池システム。
【請求項10】
空気極と燃料極を有する燃料電池と、
燃料ガスを前記燃料極へ供給する燃料ガスラインと、
前記燃料電池から排出された排燃料ガスを燃焼させる第1燃焼器と、
前記第1燃焼器へ前記排燃料ガスを供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記第1燃焼器で生成された燃焼ガスが供給されるタービンと、
前記燃焼ガスを前記第1燃焼器から前記タービンへ供給する燃焼ガス供給ラインと、
前記タービンを通過した前記燃焼ガスを排出する燃焼排ガスラインと、
前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインまたは前記燃焼排ガスラインへ前記排燃料ガスを導くバイパスラインと、
前記バイパスラインに配置されるバイパス制御弁と、
前記燃焼排ガスラインに配置され、前記バイパスラインから供給される前記排燃料ガスを燃焼させる第2燃焼器と、
前記燃焼排ガスラインの前記第2燃焼器の下流側に配置され、前記第2燃焼器で生成された前記燃焼ガスから熱回収する排熱回収装置と、
前記空気極へ酸化性ガスを導く酸化性ガス供給ラインと、を備え、
前記バイパスラインは、前記排燃料ガス供給ラインから前記燃焼ガス供給ラインへ前記排燃料ガスと前記空気極から排出された排酸化性ガスとを含む混合ガスを導く燃料電池システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、燃料電池システムに関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、システム全体の熱効率を低下させることなくタービンを安定運転させることが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本開示によれば、システム全体の熱効率を低下させることなくタービンを安定運転させることが可能な燃料電池システムを提供することができる。