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特開2023-150567スクリーン印刷用版枠およびスクリーン製版装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150567
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】スクリーン印刷用版枠およびスクリーン製版装置
(51)【国際特許分類】
   B41N 1/24 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B41N1/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059737
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】596025412
【氏名又は名称】株式会社ホリゾン
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 剛
(72)【発明者】
【氏名】山口 晃平
(72)【発明者】
【氏名】剣持 真
(72)【発明者】
【氏名】上村 啓之
【テーマコード(参考)】
2H114
【Fターム(参考)】
2H114AB02
2H114AB05
2H114AB09
2H114DA15
2H114EA02
(57)【要約】
【課題】第1枠体に連結される第2枠体が印刷用スクリーンの張力により変形することを防止する。
【解決手段】印刷用スクリーンを挟んだ状態で外枠と内枠12とが着脱可能に連結され、外枠は、第1平面部と、第1内壁部と、第1外壁部と、を有し、第1平面部と第1内壁部と第1外壁部とで囲まれるとともに内枠12を収容する収容空間を形成し、内枠12は、平面視が四角形状に形成されるとともに第2平面上に配置される第2平面部と、第2平面部の内周側端部に連結されるとともに周方向CDに沿って配置される第2内壁部12cと、第2平面部の外周側端部に連結されるとともに周方向CDに沿って配置される第2外壁部12dと、第2内壁部12cと第2外壁部12dとを接続するとともに周方向CDに沿って間隔を空けて配置される複数の第1接続壁部12eと、を有するスクリーン印刷用版枠を提供する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視が四角形状に形成される第1枠体と、
平面視が四角形状に形成されるとともに前記第1枠体に収容される第2枠体と、
印刷用スクリーンを挟んだ状態で前記第1枠体と前記第2枠体とを着脱可能に連結して前記印刷用スクリーンの印刷領域を形成する連結部と、を備え、
前記第1枠体は、
平面視が四角形状に形成されるとともに第1平面上に配置される第1平面部と、
前記第1平面部の内周側端部に連結されるとともに前記印刷領域を取り囲む周方向に沿って配置される第1内壁部と、
前記第1平面部の外周側端部に連結されるとともに前記周方向に沿って配置される第1外壁部と、を有し、
前記第1平面部と前記第1内壁部と前記第1外壁部とで囲まれるとともに前記第2枠体を収容する収容空間を形成し、
前記第2枠体は、
平面視が四角形状に形成されるとともに第2平面上に配置される第2平面部と、
前記第2平面部の内周側端部に連結されるとともに前記周方向に沿って配置される第2内壁部と、
前記第2平面部の外周側端部に連結されるとともに前記周方向に沿って配置される第2外壁部と、
前記第2内壁部と前記第2外壁部とを接続するとともに前記周方向に沿って間隔を空けて配置される複数の第1接続壁部と、を有するスクリーン印刷用版枠。
【請求項2】
前記第2枠体は、前記第2内壁部および前記第2外壁部の間に配置されるとともに前記周方向に沿って配置され、複数の前記第1接続壁部を接続する第2接続壁部を有する請求項1に記載のスクリーン印刷用版枠。
【請求項3】
前記第1平面部には、前記周方向に沿って間隔を空けて配置されるとともに前記収容空間に向けて突出する複数の突起部が形成されており、
前記連結部により前記第1枠体と前記第2枠体が連結されて前記第2枠体が前記収容空間に収容された状態で、複数の前記突起部のそれぞれは、前記第2内壁部と前記第2接続壁部とに挟まれる空間に挿入される請求項2に記載のスクリーン印刷用版枠。
【請求項4】
前記第1平面部を上方に配置した前記第1枠体において、前記第1外壁部の高さ方向の第1下端部には、前記周方向の第1所定位置に前記第1下端部から上方に向けて切り欠かれた切欠部が形成されており、
前記第2平面部を下方に配置した前記第2枠体において、前記第2外壁部の前記高さ方向の第2下端部には、前記周方向の第2所定位置に前記第2下端部から外周側に向けて突出した突出部が形成されており、
前記第1平面部を上方に配置した前記第1枠体の前記収容空間に前記第2平面部を下方に配置した前記第2枠体を収容した状態で、前記切欠部と前記突出部の前記周方向の位置が一致する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスクリーン印刷用版枠。
【請求項5】
前記連結部により前記第1枠体と前記第2枠体が連結されて前記第2枠体が前記収容空間に収容された状態で、前記第1内壁部および前記第1外壁部は、前記第2平面部から突出するように配置される請求項4に記載のスクリーン印刷用版枠。
【請求項6】
印刷用スクリーンを露光して前記印刷用スクリーンを製版するスクリーン製版装置であって、
前記印刷用スクリーンを保持するとともに平面視が四角形状のスクリーン印刷用版枠と、
前記スクリーン印刷用版枠を内部に収容する筐体と、
前記筐体に収容された前記印刷用スクリーンの前記スクリーン印刷用版枠に取り囲まれた印刷領域を露光する露光部と、を備え、
前記露光部は、前記印刷領域に対応する配置領域に間隔を空けて配置された複数の発光素子を有し、
前記配置領域の中心領域における前記発光素子の第1配置間隔よりも、前記配置領域の前記中心領域よりも外側の外側領域における前記発光素子の第2配置間隔が狭いスクリーン製版装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷用版枠およびスクリーン製版装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内枠と外枠との間にスクリーンを挟んだ状態で両枠をはめ込んで外枠と内枠とをねじで固定するスクリーン印刷用版枠が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるスクリーン印刷用版枠は、それぞれ断面がコの字形(U形)に形成された外枠と内枠を重ね合わせて配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6-16749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるスクリーン印刷用版枠は、外枠に収容される内枠がコの字形(U形)であるため、外枠と内枠とをねじで固定する際にスクリーンの張力が内枠に作用して内枠および外枠が変形しやすい。内枠および外枠が変形すると、スクリーンの張力が低下し、スクリーンを用いて印刷をする際の画質が悪化してしまう可能性がある。
【0005】
本発明は以上に鑑みてなされたものであり、第1枠体に収容されるとともに印刷用スクリーンを挟んだ状態で第1枠体に連結される第2枠体が印刷用スクリーンの張力により変形することを防止し、良好な画質で印刷することが可能なスクリーン印刷用版枠およびスクリーン製版装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るスクリーン印刷用版枠は、平面視が四角形状に形成される第1枠体と、平面視が四角形状に形成されるとともに前記第1枠体に収容される第2枠体と、印刷用スクリーンを挟んだ状態で前記第1枠体と前記第2枠体とを着脱可能に連結して前記印刷用スクリーンの印刷領域を形成する連結部と、を備え、前記第1枠体は、平面視が四角形状に形成されるとともに第1平面上に配置される第1平面部と、前記第1平面部の内周側端部に連結されるとともに前記印刷領域を取り囲む周方向に沿って配置される第1内壁部と、前記第1平面部の外周側端部に連結されるとともに前記周方向に沿って配置される第1外壁部と、を有し、前記第1平面部と前記第1内壁部と前記第1外壁部とで囲まれるとともに前記第2枠体を収容する収容空間を形成し、前記第2枠体は、平面視が四角形状に形成されるとともに第2平面上に配置される第2平面部と、前記第2平面部の内周側端部に連結されるとともに前記周方向に沿って配置される第2内壁部と、前記第2平面部の外周側端部に連結されるとともに前記周方向に沿って配置される第2外壁部と、前記第2内壁部と前記第2外したが壁部とを接続するとともに前記周方向に沿って間隔を空けて配置される複数の第1接続壁部と、を有する。
【0007】
本発明の一態様に係るスクリーン印刷用版枠によれば、印刷用スクリーンを挟んだ状態で第1枠体と第2枠体とを連結部で連結することにより、印刷用スクリーンが張力を発生する状態で第1枠体と第2枠体との間に保持される。第1枠体は、第1平面部と第1内壁部と第1外壁部とで囲まれる収容空間を形成し、収容空間に第2枠体を収容する。第2枠体は、第2平面部と、第2平面部の内周側端部に連結される第2内壁部と、第2平面部の外周側端部に連結される第2外壁部と、第1接続壁部とを有する。
【0008】
本発明の一態様に係るスクリーン印刷用版枠によれば、第2枠体の第2内壁部と第2外壁部とが、周方向の複数の位置で第1接続壁部により接続される。そのため、第2枠体は、印刷用スクリーンが発生する張力による変形を抑制するために十分な強度を有する。第2枠体の強度を十分に確保することにより、スクリーン印刷用版枠が印刷用スクリーンの張力により変形することを防止して良好な画質で印刷することができる。
【0009】
本発明の一態様に係るスクリーン印刷用版枠において、前記第2枠体は、前記第2内壁部および前記第2外壁部の間に配置されるとともに前記周方向に沿って配置され、複数の前記第1接続壁部を接続する第2接続壁部を有する構成としてもよい。
本構成のスクリーン印刷用版枠によれば、複数の第1接続壁部が周方向に沿って配置される第2接続壁部により接続されるため、第2枠体の強度を更に高めてスクリーン印刷用版枠が印刷用スクリーンの張力により変形することを確実に防止することができる。
【0010】
上記構成のスクリーン印刷用版枠において、前記第1平面部には、前記周方向に沿って間隔を空けて配置されるとともに前記収容空間に向けて突出する複数の突起部が形成されており、前記連結部により前記第1枠体と前記第2枠体が連結されて前記第2枠体が前記収容空間に収容された状態で、複数の前記突起部のそれぞれは、前記第2内壁部と前記第2接続壁部とに挟まれる空間に挿入される態様としてもよい。
【0011】
本態様のスクリーン印刷用版枠によれば、第1枠体の第1平面部から収容空間に向けて突出する複数の突起部は、第2枠体が収容空間に収容された状態で、第2内壁部と第2接続壁部とに挟まれる空間に挿入される。第2接続壁部よりも内周側の空間に突起部が挿入されるため、第2接続壁部よりも外周側の空間に突起部を挿入する場合に比べ、印刷領域に近接した位置で、第1枠体と第2枠体との間に印刷用スクリーンを挟んで保持することができる。そのため、印刷用スクリーンに張力を十分に確保して印刷領域で印刷用スクリーンに弛みが生じることを抑制することができる。
【0012】
本発明の一態様に係るスクリーン印刷用版枠において、前記第1平面部を上方に配置した前記第1枠体において、前記第1外壁部の高さ方向の第1下端部には、前記周方向の第1所定位置に前記第1下端部から上方に向けて切り欠かれた切欠部が形成されており、前記第2平面部を下方に配置した前記第2枠体において、前記第2外壁部の前記高さ方向の第2下端部には、前記周方向の第2所定位置に前記第2下端部から外周側に向けて突出した突出部が形成されており、前記第1平面部を上方に配置した前記第1枠体の前記収容空間に前記第2平面部を下方に配置した前記第2枠体を収容した状態で、前記切欠部と前記突出部の前記周方向の位置が一致する構成としてもよい。
【0013】
本構成のスクリーン印刷用版枠によれば、第1平面部を上方に配置した第1枠体の収容空間に第2平面部を下方に配置した第2枠体を収容した状態で、切欠部と突出部の周方向の位置が一致する。そのため、切欠部に突出部を収容した状態で第1枠体と第2枠体とを連結することができる。
【0014】
一方、本構成のスクリーン印刷用版枠によれば、第1平面部を上方に配置した第1枠体の収容空間に第2平面部を上方に配置した第2枠体を収容しようとすると、切欠部と突出部の周方向の位置が一致しない。そのため、第1枠体の収容空間に第2枠体が収容されない。そのため、第1平面部を上方に配置した第1枠体に対して第2平面部を上方に配置した第2枠体が誤って連結されることを防止することができる。
【0015】
上記構成のスクリーン印刷用版枠において、前記連結部により前記第1枠体と前記第2枠体が連結されて前記第2枠体が前記収容空間に収容された状態で、前記第1内壁部および前記第1外壁部は、前記第2平面部から突出するように配置される態様としてもよい。
【0016】
スクリーン製版装置に収容された印刷用スクリーンが露光部により露光される際、露光部と印刷用スクリーンとの間に配置された印刷用版によって露光が遮られる領域と露光される領域とが生じる。露光が遮られる領域を水等により洗い流して現像することにより、メッシュが露出してインクを押出し可能な領域とすることができる。印刷用スクリーンを現像する際に印刷用スクリーンの両面を水で洗い流して現像するため、第1枠体の第1平面部を下方に配置し、かつ第2枠体の第2平面部を上方に配置する状態では、第2枠体の第2平面部に水が飛散する場合がある。
【0017】
本態様のスクリーン印刷用版枠によれば、第1内壁部および第1外壁部が第2平面部から突出するように配置されるため、第1枠体の収容空間に第2枠体を確実に収容することができる。一方、第1内壁部および第1外壁部が第2平面部から突出するように配置されるため、第1内壁部と第1外壁部と第2平面部により形成される溝形状の部分に水が堆積する可能性がある。水が溝形状の部分に堆積したままであると、印刷対象物である被服等が汚れてしまう可能性がある。
【0018】
本態様のスクリーン印刷用版枠によれば、第1外壁部に切欠部が形成されているため、第1内壁部と第1外壁部と第2平面部により形成される溝形状の部分に水が堆積しても、切欠部から水を排出させることができる。そのため、印刷用スクリーンを現像する際に溝形状の部分に水が飛散する場合であっても、溝形状の部分から水を排出して印刷対象物である被服等が汚れることを防止することができる。
【0019】
本発明の一態様に係るスクリーン製版装置は、印刷用スクリーンを露光して前記印刷用スクリーンを製版するスクリーン製版装置であって、前記印刷用スクリーンを保持するとともに平面視が四角形状のスクリーン印刷用版枠と、前記スクリーン印刷用版枠を内部に収容する筐体と、前記筐体に収容された前記印刷用スクリーンの前記スクリーン印刷用版枠に取り囲まれた印刷領域を露光する露光部と、を備え、前記露光部は、前記印刷領域に対応する配置領域に間隔を空けて配置された複数の発光素子を有し、前記配置領域の中心領域における前記発光素子の第1配置間隔よりも、前記配置領域の前記中心領域よりも外側の外側領域における前記発光素子の第2配置間隔が狭い。
【0020】
本発明の一態様に係るスクリーン製版装置によれば、筐体に収容された印刷用スクリーンのスクリーン印刷用版枠に取り囲まれた印刷領域が露光部により露光される。印刷領域に対応する配置領域の各位置で複数の発光素子を同一の間隔で配置する場合、中心領域に比べて、外側領域の光量が低下してしまう。これは、外側領域の更に外側には発光素子が配置されないため、中心領域に比べて外側領域の光量が低下してしまうためである。中心領域に比べて、外側領域の光量が低下すると、印刷領域の各位置を均一な光量で露光することができない。
【0021】
本発明の一態様に係るスクリーン製版装置によれば、配置領域の中心領域における発光素子の第1配置間隔よりも、配置領域の中心領域よりも外側の外側領域における発光素子の第2配置間隔が狭い。そのため、印刷領域に対応する配置領域の各位置で複数の発光素子を同一の間隔で配置する場合に比べ、外側領域における光量を増加させ、印刷領域の各位置を均一な光量で露光することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、第1枠体に収容されるとともに印刷用スクリーンを挟んだ状態で第1枠体に連結される第2枠体が印刷用スクリーンの張力により変形することを防止し、良好な画質で印刷することが可能なスクリーン印刷用版枠およびスクリーン製版装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係るスクリーン製版装置を示す斜視図である。
図2】筐体の内部にスクリーン印刷用版枠を収容した状態を示す斜視図である。
図3】印刷用スクリーンを保持する前のスクリーン印刷用版枠を示す斜視図である。
図4】印刷用スクリーンを保持したスクリーン印刷用版枠を示す斜視図である。
図5】スクリーン製版装置のランプボックスを上方からみた平面図である。
図6】印刷用スクリーンの印刷領域を現像する動作を示す斜視図である。
図7】被服に印刷する動作を示す斜視図である。
図8図3に示す外枠の平面図である。
図9図3に示す外枠の底面図である。
図10図8に示す外枠に右側面図である。
図11図9に示す外枠のA-A矢視断面図である。
図12図3に示す内枠の平面図である。
図13図3に示す内枠の底面図である。
図14図13に示す内枠の右側面図である。
図15】外枠と内枠が連結された状態のスクリーン印刷用版枠の右側面図である。
図16図13に示す内枠のB-B矢視断面図である。
図17図13のC部分の部分拡大図である。
図18図15に示すスクリーン印刷用版枠10のD-D矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態に係るスクリーン製版装置100について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスクリーン製版装置100を示す斜視図である。
【0025】
本実施形態のスクリーン製版装置100は、印刷用スクリーン200を露光して印刷用スクリーン200を製版する装置である。スクリーン製版装置100は、スクリーン印刷用版枠10と、筐体20と、ランプボックス(露光部)30と、マット(緩衝材)40と、を備える。
【0026】
筐体20は、スクリーン印刷用版枠10を内部に収容するものであり、本体部21と、蓋部22と、を有する。本体部の底部には、ランプボックス30が収容されている。本体部21は、ランプボックス30の上方にスクリーン印刷用版枠10を収容する。スクリーン印刷用版枠10の上方に緩衝材であるマット40を配置した状態で蓋部22が閉じられると、蓋部22が本体部21と係合して図2に示す状態となる。図2は、筐体20の内部にスクリーン印刷用版枠10を収容した状態を示す斜視図である。
【0027】
図3は、印刷用スクリーン200を保持する前のスクリーン印刷用版枠10を示す斜視図である。図4は、印刷用スクリーン200を保持したスクリーン印刷用版枠10を示す斜視図である。
【0028】
スクリーン印刷用版枠10は、印刷用スクリーン200を保持するとともに平面視が四角形状の構造体である。図3および図4に示すように、スクリーン印刷用版枠10は、外枠(第1枠体)11と、内枠(第2枠体)12と、つまみネジ(連結部)13と、を備える。外枠11および内枠12は、平面視が四角形状に形成される枠体である。外枠11は、印刷用スクリーン200を挟んだ状態で、内枠12を内部に収容することが可能となっている。
【0029】
つまみネジ13は、印刷用スクリーン200を挟んだ状態で外枠11と内枠12とを着脱可能に連結するための部材である。図3に示すように、つまみネジ13は、外周面に雄ねじが形成されたネジ部13aと、ネジ部13aを回転させるつまみ部13bと、を有する。ネジ部13aに形成される雄ねじは、例えば、つる巻き線が二本ある二条ネジを用いるのが好ましい。
【0030】
図3に示すように、作業者は、外枠11と内枠12とが連結されずに離間した状態で、外枠11と内枠12との間に印刷用スクリーン200を配置する。その後、作業者は、内枠12に外枠11を押し付けて外枠11の内部に内枠12が収容される状態とする。
【0031】
また、作業者は、外枠11の4辺のそれぞれの中央部分に形成された貫通穴11aに4つのつまみネジ13をそれぞれ挿入し、内枠12の4辺のそれぞれの中央部分に形成された締結穴12aに締結する。4つのつまみネジ13をそれぞれ内枠12の締結穴12aに締結することにより、張力が付与された状態で印刷用スクリーン200が外枠11と内枠12との間に保持される図4に示す状態となる。
【0032】
図4に示すように、4つのつまみネジ13は、外枠11と内枠12とを連結することにより、印刷用スクリーン200の一部の領域に張力が付与された平面状の印刷領域PAを形成する。印刷領域PAは、スクリーン印刷用版枠10に取り囲まれた四角形状の領域である。
【0033】
作業者は、印刷用スクリーン200を製版するために、印刷用スクリーン200の裏側(図3および図4の下方側)の面に紙等の原稿を貼り付ける。図1に示す「ABC」の図柄は、印刷用スクリーン200の裏面に貼り付けられた紙等の原稿に印刷されたものである。図柄が印刷された部分は、ランプボックス30から照射される光(紫外線)を遮断する。図柄が印刷されない部分は、ランプボックス30から照射される光を透過する。印刷用スクリーン200は、紗張りされたメッシュに感光乳剤が塗布されたシート状の部材である。
【0034】
ランプボックス30は、筐体20に収容された印刷用スクリーン200のスクリーン印刷用版枠10に取り囲まれた印刷領域PAを露光する装置である。ランプボックス30は、印刷用スクリーン200に光を照射することにより、印刷用スクリーン200の光が照射される領域のメッシュに塗布された感光乳剤を硬化させる。図1に示す例では、「ABC」の図柄に対応する領域を除くその他の印刷領域PAに塗布された感光乳剤が硬化する。
【0035】
図5は、スクリーン製版装置100のランプボックス30を上方からみた平面図である。図5に示すように、ランプボックス30は、印刷領域PAに対応する配置領域DAに間隔を空けて配置された複数の発光素子31を有する。配置領域DAは、中心領域CAと中心領域CAよりも外側の外側領域OAに区画される。外側領域OAは、配置領域DAのうち、中心領域CAを除いた領域である。
【0036】
図5に示すように、複数の発光素子31は、中心領域CAにおいて、幅方向WDおよび奥行方向DDに沿って第1配置間隔L1を空けて配置される。複数の発光素子31は、中心領域CAにおいて、第1配置間隔L1の格子の交点位置に正方配置される。
【0037】
一方、複数の発光素子31は、外側領域OAにおいて、幅方向WDおよび奥行方向DDに沿って第1配置間隔L1よりも狭い第2配置間隔L2を空けて配置される。中心領域CAに配置される発光素子31の光量と外側領域OAに配置される発光素子31の光量とを同一とする場合、第1配置間隔L1と第2配置間隔L2は、例えば、0.75≦L2/L1≦0.95を満たすように設定される。第1配置間隔L1と第2配置間隔L2は、0.8≦L2/L1≦0.84を満たすように設定するのがより好ましい。
【0038】
幅方向WDおよび奥行方向DDの双方において、外側領域OAに配置される発光素子31の位置は、中心領域CAに配置される発光素子31の位置とは異なる位置となっている。このようにすることで、幅方向WDおよび奥行方向DDの双方において、外側領域OAに配置される発光素子31の位置と、中心領域CAに配置される発光素子31の位置とを同じにする場合に比べ、印刷領域PAの各位置に照射される光の光量を均一化することができる。
【0039】
中心領域CAに配置される発光素子31の光量と外側領域OAに配置される発光素子31の光量は同一であるものとするが、他の態様であってもよい。例えば、印刷領域PAの各位置に照射される光の光量が均一化されるように、中心領域CAに配置される発光素子31の光量よりも外側領域OAに配置される発光素子31の光量を大きくしてもよい。
【0040】
ランプボックス30は、作業者が本体部21に配置された電源ボタン32を押下することにより、発光素子31が発光可能なオン状態と、発光素子31が発光不能なオフ状態とに切り替えられる。発光素子31が発光する際の光量は、作業者がマイナスボタン33を押すことにより減少し、作業者がプラスボタン34を押すことにより増加する。
【0041】
作業者は、筐体20に印刷用スクリーン200を保持するスクリーン印刷用版枠10を収容した状態でスタート/ストップボタン35を押下することにより、発光素子31を発光させる。作業者は、発光素子31の発光中にスタート/ストップボタン35を押下することにより、発光素子31の発光を停止させる。
【0042】
作業者は、ランプボックス30が発光素子31を発光させることによる印刷用スクリーン200の露光動作が完了したことに応じて、筐体20の内部に収容されたスクリーン印刷用版枠10を取り出す。作業者は、印刷用スクリーン200の裏面に貼り付けられた紙等の原稿を剥がし、印刷領域PAを現像する現像動作を行う。
【0043】
作業者は、現像動作として、水を含ませた刷毛210により印刷用スクリーン200の表面200aをブラッシングする動作を行う。図6は、印刷用スクリーン200の印刷領域PAを現像する動作を示す斜視図である。図6に示す「ABC」の図柄の部分は、ランプボックス30から照射される光が遮断された部分であり、この部分の感光乳剤は硬化していない。そのため、「ABC」の図柄の部分を刷毛210によりブラッシングすると、硬化していない感光乳剤が洗い流されてメッシュが露出する。
【0044】
一方、図6に示す「ABC」の図柄の部分を除く印刷領域PAの他の部分は、ランプボックス30から照射される光が照射された部分であり、この部分の感光乳剤は硬化している。そのため、他の部分を刷毛210によりブラッシングしても、硬化した感光乳剤は洗い流されず、メッシュは露出しない。
【0045】
図6は、印刷用スクリーン200の表面200aの印刷領域PAを現像する動作を示すものであるが、作業者は、印刷用スクリーン200の裏面の印刷領域PAに対しても、水を含ませた刷毛210により印刷用スクリーン200をブラッシングする動作を行う。以上の現像動作により、「ABC」の図柄の部分のメッシュが露出した状態となる。
【0046】
印刷用スクリーン200の現像動作が完了した後、作業者は、スクリーン印刷用版枠10に保持された印刷用スクリーン200の裏面を印刷対象物である被服Wに載せて位置を固定し、被服Wに印刷をする印刷動作を行う。図7は、被服Wに印刷する動作を示す斜視図である。作業者は、印刷用スクリーン200の表面200aにインク(図示略)を載せ、スキージ220を図7の矢印に示す方向に移動させることにより、インクを印刷領域PAにおける「ABC」の図柄の部分に移動させる。
【0047】
「ABC」の図柄の部分に到達したインクは、メッシュを通過して被服Wに吸収される。作業者は、インクをスキージ220により「ABC」の図柄の部分に移動させる動作を繰り返すことにより、「ABC」の図柄に対応する被服Wの領域に「ABC」の図柄を転写する。作業者は、被服Wからスクリーン印刷用版枠10を取り外し、被服Wを乾燥させることにより図柄が転写された被服Wを完成させる。また、作業者は、印刷動作が完了した後に印刷用スクリーン200からインクを洗い流すことにより、印刷用スクリーン200を再利用可能な状態とする。
【0048】
次に、スクリーン印刷用版枠10の詳細な構造について図面を参照して説明する。図8は、図3に示す外枠11の平面図である。図9は、図3に示す外枠11の底面図である。図10は、図8に示す外枠11の右側面図である。図11は、図9に示す外枠11のA-A矢視断面図である。
【0049】
図8から図11に示すように、外枠11は、第1平面部11bと、第1内壁部11cと、第1外壁部11dと、を有する。第1平面部11bと、第1内壁部11cと、第1外壁部11dとは、樹脂材料により一体に成形されている。外枠11は、ガラス繊維等の強化繊維基材を含む樹脂材料により一体に成形してもよい。
【0050】
第1平面部11bは、平面視が四角形状に形成されるとともに第1平面PL1上(図10参照)に配置される部分である。第1内壁部11cは、第1平面部11bの内周側端部に配置されるとともに内側領域IAを取り囲む周方向CDに沿って配置される部分である。第1内壁部11cは、第1平面部11bが配置される第1平面PL1に対して略直交するように配置される壁体である。内側領域IAは、スクリーン印刷用版枠10に印刷用スクリーン200が配置される場合に、印刷領域PAが形成される領域である。
【0051】
第1外壁部11dは、第1平面部11bの外周側端部に配置されるとともに周方向CDに沿って配置される部分である。第1外壁部11dは、第1平面部11bが配置される第1平面PL1に対して略直交するように配置される壁体である。第1外壁部11dは、周方向CDの各位置において、第1内壁部11cとの間に距離L3を空けて配置される。外枠11は、第1平面部11bと、第1内壁部11cと、第1外壁部11dとで囲まれるとともに内枠12を収容する環状の収容空間ASを形成する。
【0052】
図9から図11に示すように、第1平面部11bの収容空間ASに対向する内周面11b1には、周方向CDに沿って間隔を空けて配置されるとともに収容空間ASに向けて高さ方向HDに沿って突出する複数の突起部11b2が形成されている。
【0053】
図10に示すように、第1平面部11bを上方に配置した外枠11において、第1外壁部11dの高さ方向HDの下端部には、周方向CDの所定位置(第1所定位置)に下端部から上方に向けて切り欠かれた切欠部11d1が形成されている。周方向CDの所定位置とは、外枠11の4辺のそれぞれ1箇所ずつの位置であり、外枠11を側面視した場合に右端部の近傍の位置である。
【0054】
図10に示す例では、外枠11を側面視した場合に右端部の近傍に切欠部11d1を配置するものとしたが、外枠11を側面視した場合に左端部の近傍に配置してもよい。切欠部11d1が配置される位置は、外枠11に対して内枠12を正しい向きで取り付ける場合に、後述する内枠12の突出部12d1が収容される位置であれば任意の位置とすることができる。
【0055】
図11に示すように、第1内壁部11cは、第1平面部11bが配置される第1平面PL1に対して略直交するように配置される。第1内壁部11cは、第1平面PL1に直交する平面PL11に対して角度θ1だけ傾斜するように配置される。図11に示すように、第1外壁部11dは、第1平面部11bが配置される第1平面PL1に対して略直交するように配置される。第1外壁部11dは、第1平面PL1に直交する平面PL12に対して角度θ1だけ傾斜するように配置される。角度θ1は、外枠11を樹脂材料で一体に成形する際に金型(図示略)から引き抜くための抜き勾配であり、例えば1度以上かつ1.5度以下に設定される。
【0056】
図12は、図3に示す内枠12の平面図である。図13は、図3に示す内枠12の底面図である。図14は、図13に示す内枠12の右側面図である。図15は、外枠11と内枠12が連結された状態のスクリーン印刷用版枠10の右側面図である。図16は、図13に示す内枠12のB-B矢視断面図である。
【0057】
図12から図16に示すように、内枠12は、第2平面部12bと、第2内壁部12cと、第2外壁部12dと、第1接続壁部12eと、第2接続壁部12fと、を有する。第2平面部12bと、第2内壁部12cと、第2外壁部12dと、第1接続壁部12eと、第2接続壁部12fとは、樹脂材料により一体に成形されている。内枠12は、ガラス繊維等の強化繊維基材を含む樹脂材料により一体に成形してもよい。
【0058】
内枠12には、つまみネジ13の雄ねじが締結される雌ねじが内周面に形成された締結穴12aが設けられている。図12および図13に示すように、締結穴12aは、内枠12の4辺のそれぞれの中央部分に配置されている。
【0059】
第2平面部12bは、平面視が四角形状に形成されるとともに第2平面PL2上(図14参照)に配置される部分である。第2内壁部12cは、第2平面部12bの内周側端部に配置されるとともに内側領域IAを取り囲む周方向CDに沿って配置される部分である。第2内壁部12cは、第2平面部12bが配置される第2平面PL2に対して直交するように配置される壁体である。
【0060】
第2外壁部12dは、第2平面部12bの外周側端部に配置されるとともに周方向CDに沿って配置される部分である。第2外壁部12dは、第2平面部12bが配置される第2平面PL2に対して略直交するように配置される壁体である。第2外壁部12dは、周方向CDの各位置において、第2内壁部12cとの間に距離L4を空けて配置される。
【0061】
第1接続壁部12eは、第2内壁部12cと第2外壁部12dとを接続するとともに周方向CDに沿って間隔を空けて複数箇所に配置される。第1接続壁部12eは、第2平面部12bが配置される第2平面PL2に対して略直交するように配置される壁体である。第1接続壁部12eは、第2内壁部12cと第2外壁部12dとを接続することにより、第2内壁部12cと第2外壁部12dとの距離が距離L4から変化することを防止する。
【0062】
第2接続壁部12fは、第2内壁部12cおよび第2外壁部12dの間に配置されるとともに周方向CDに沿って配置され、複数の第1接続壁部12eを接続するように配置される。第2接続壁部12fは、第2平面部12bが配置される第2平面PL2に対して直交するように配置される壁体である。第2接続壁部12fは、複数の第1接続壁部12eを接続することにより、スクリーン印刷用版枠10が変形することを防止する。
【0063】
図14に示すように、第2平面部12bを下方に配置した内枠12において、第2外壁部12dの高さ方向HDの下端部には、周方向CDの所定位置(第2所定位置)に下端部から外周側に向けて突出した突出部12d1が形成されている。周方向CDの所定位置とは、内枠12の4辺のそれぞれ1箇所ずつの位置であり、内枠12を側面視した場合に右端部の近傍の位置である。
【0064】
図14に示す例では、内枠12を側面視した場合に右端部の近傍に突出部12d1を配置するものとしたが、内枠12を側面視した場合に左端部の近傍に配置してもよい。突出部12d1が配置される位置は、内枠12を外枠11に対して正しい向きで取り付ける場合に、外枠11の切欠部11d1に収容される位置であれば任意の位置とすることができる。
【0065】
図15に示すように、第1平面部11bを上方に配置した外枠11の収容空間ASに第2平面部12bを下方に配置した内枠12を収容した状態で、切欠部11d1と突出部12d1の周方向CDの位置が一致する。突出部12d1は、切欠部11d1に収容された状態となる。突出部12d1が切欠部11d1に収容された状態で内枠12が外枠11に収容されるため、内枠12の表裏を逆にした状態で外枠11に誤接続されることが防止される。
【0066】
図15に示すように、外枠11と内枠12がつまみネジ13により連結されて内枠12が収容空間ASに収容された状態で、外枠11の第1内壁部11cおよび第1外壁部11dは、内枠12の第2平面部12bから距離L5だけ高さ方向HDの下方に突出するように配置される。
【0067】
図16に示すように、第2内壁部12cは、第2平面部12bが配置される第2平面PL2に対して略直交するように配置される。第2内壁部12cは、第2平面PL2に直交する平面PL21に対して角度θ2だけ傾斜するように配置される。図16に示すように、第2外壁部12dは、第2平面部12bが配置される第2平面PL2に対して略直交するように配置される。第2外壁部12dは、第2平面PL2に直交する平面PL22に対して角度θ2だけ傾斜するように配置される。角度θ2は、内枠12を樹脂材料で一体に成形する際に金型(図示略)から引き抜くための抜き勾配であり、例えば1度以上かつ1.5度以下に設定される。
【0068】
次に、外枠11の第1平面部11bに形成される突起部11b2により印刷用スクリーン200を保持する構造について説明する。図17は、図13のC部分の部分拡大図である。図17は、外枠11の部分拡大図であるが、内枠12が収容空間ASに収容された状態における外枠11の突起部11b2の位置を点線で示している。
【0069】
図17に示すように、外枠11と内枠12がつまみネジ13により連結されて内枠12が収容空間ASに収容された状態で、外枠11の複数の突起部11b2のそれぞれは、内枠12の第2内壁部12cと、第2接続壁部12fとに挟まれる空間S1に挿入される。
【0070】
第1接続壁部12eは、第2内壁部12cに接続される第1部分12e1と、第2外壁部12dに接続される第2部分12e2と、第1部分12e1と第2部分12e2とを接続する第3部分12e3と、を有する。突起部11b2が挿入される空間S1は、周方向CDにおいて、隣接して配置される一対の第1部分12e1に挟まれる空間である。
【0071】
第2接続壁部12fは、周方向CDに沿って隣接する一対の第3部分12e3を接続する複数の接続部12f1により構成されている。第1接続壁部12eおよび第2接続壁部12fは、第2平面部12b,第2内壁部12c,第2外壁部12dとともに樹脂材料により一体に成形されている。
【0072】
第2内壁部12cから第2接続壁部12fまでの距離L6は、第2外壁部12dから第2接続壁部12fまでの距離L7よりも長い。このようにすることで、第2内壁部12cから第2外壁部12dまでの長さのうち、突起部11b2が挿入される空間S1の長さを十分に確保することができる。
【0073】
図18は、図15に示すスクリーン印刷用版枠10のD-D矢視断面図である。図18に示すように、外枠11と内枠12がつまみネジ13により連結されて内枠12が収容空間ASに収容された状態で、印刷用スクリーン200が外枠11と内枠12の間に保持された状態となる。外枠11の突起部11b2は、印刷用スクリーン200を第2内壁部12cと第2接続壁部12fとの間の空間S1に向けて押し付けることにより、印刷用スクリーン200に張力が付与された状態とする。
【0074】
以上説明した本実施形態のスクリーン印刷用版枠10およびスクリーン製版装置100が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態のスクリーン印刷用版枠10によれば、印刷用スクリーン200を挟んだ状態で外枠11と内枠12とをつまみネジ13で連結することにより、印刷用スクリーン200が張力を発生する状態で外枠11と内枠12との間に保持される。外枠11は、第1平面部11bと第1内壁部11cと第1外壁部11dとで囲まれる収容空間ASを形成し、収容空間ASに内枠12を収容する。内枠12は、第2平面部12bと、第2平面部12bの内周側端部に連結される第2内壁部12cと、第2平面部12bの外周側端部に連結される第2外壁部12dと、第1接続壁部12eとを有する。
【0075】
本実施形態のスクリーン印刷用版枠10によれば、内枠12の第2内壁部12cと第2外壁部12dとが、周方向CDの複数の位置で第1接続壁部12eにより接続される。そのため、内枠12は、印刷用スクリーン200が発生する張力による変形を抑制するために十分な強度を有する。内枠12の強度を十分に確保することにより、スクリーン印刷用版枠10が印刷用スクリーン200の張力により変形することを防止して良好な画質で印刷することができる。
【0076】
また、本実施形態のスクリーン印刷用版枠10によれば、複数の第1接続壁部12eが周方向CDに沿って配置される第2接続壁部12fにより接続されるため、内枠12の強度を更に高めてスクリーン印刷用版枠10が印刷用スクリーン200の張力により変形することを確実に防止することができる。
【0077】
また、本実施形態のスクリーン印刷用版枠10によれば、外枠11の第1平面部11bから収容空間ASに向けて突出する複数の突起部11b2は、内枠12が収容空間ASに収容された状態で、第2内壁部12cと第2接続壁部12fとに挟まれる空間S1に挿入される。第2接続壁部12fよりも内周側の空間S1に突起部11b2が挿入されるため、第2接続壁部12fよりも外周側の空間に突起部11b2を挿入する場合に比べ、印刷領域PAに近接した位置で、外枠11と内枠12との間に印刷用スクリーン200を挟んで保持することができる。そのため、印刷用スクリーン200に張力を十分に確保して印刷領域PAで印刷用スクリーン200に弛みが生じることを抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態のスクリーン印刷用版枠10によれば、第1平面部11bを上方に配置した外枠11の収容空間ASに第2平面部12bを下方に配置した内枠12を収容した状態で、切欠部11d1と突出部12d1の周方向CDの位置が一致する。そのため、切欠部11d1に突出部12d1を収容した状態で外枠11と内枠12とを連結することができる。
【0079】
一方、本実施形態のスクリーン印刷用版枠10によれば、第1平面部11bを上方に配置した外枠11の収容空間ASに第2平面部12bを上方に配置した内枠12を収容しようとすると、切欠部11d1と突出部12d1の周方向CDの位置が一致しない。そのため、第1枠体の収容空間に第2枠体が収容されない。そのため、第1平面部11bを上方に配置した外枠11に対して第2平面部12bを上方に配置した内枠12が誤って連結されることを防止することができる。
【0080】
スクリーン製版装置100に収容された印刷用スクリーン200がランプボックス30により露光される際、ランプボックス30と印刷用スクリーン200との間に配置された印刷用版によって露光が遮られる領域と露光される領域とが生じる。露光が遮られる領域を水等により洗い流して現像することにより、メッシュが露出してインクを押出し可能な領域とすることができる。印刷用スクリーン200を現像する際に印刷用スクリーン200の両面を水で洗い流して現像するため、外枠11の第1平面部11bを下方に配置し、かつ内枠12の第2平面部12bを上方に配置する状態では、内枠12の第2平面部12bに水が飛散する場合がある。
【0081】
本実施形態のスクリーン印刷用版枠10によれば、第1内壁部11cおよび第1外壁部11dが第2平面部12bから突出するように配置されるため、外枠11の収容空間ASに内枠12を確実に収容することができる。一方、第1内壁部11cおよび第1外壁部11dが第2平面部12bから突出するように配置されるため、第1内壁部11cと第1外壁部11dと第2平面部12bにより形成される溝形状の部分に水が堆積する可能性がある。水が溝形状の部分に堆積したままであると、印刷対象物である被服等が汚れてしまう可能性がある。
【0082】
本実施形態のスクリーン印刷用版枠10によれば、第1外壁部11dに切欠部11d1が形成されているため、第1内壁部11cと第1外壁部11dと第2平面部12bにより形成される溝形状の部分に水が堆積しても、切欠部11d1から水を排出させることができる。そのため、印刷用スクリーン200を現像する際に溝形状の部分に水が飛散する場合であっても、溝形状の部分から水を排出して印刷対象物である被服等が汚れることを防止することができる。
【0083】
本実施形態のスクリーン製版装置100によれば、筐体20に収容された印刷用スクリーン200のスクリーン印刷用版枠10に取り囲まれた印刷領域PAがランプボックス30により露光される。印刷領域PAに対応する配置領域DAの各位置で複数の発光素子31を同一の間隔で配置する場合、中心領域CAに比べて、外側領域OAの光量が低下してしまう。これは、外側領域OAの更に外側には発光素子31が配置されないため、中心領域CAに比べて外側領域OAの光量が低下してしまうためである。中心領域CAに比べて、外側領域OAの光量が低下すると、印刷領域PAの各位置を均一な光量で露光することができない。
【0084】
本実施形態のスクリーン製版装置100によれば、配置領域DAの中心領域CAにおける発光素子31の第1配置間隔L1よりも、配置領域DAの中心領域CAよりも外側の外側領域OAにおける発光素子31の第2配置間隔L2が狭い。そのため、印刷領域PAに対応する配置領域DAの各位置で複数の発光素子31を同一の間隔で配置する場合に比べ、外側領域OAにおける光量を増加させ、印刷領域PAの各位置を均一な光量で露光することができる。
【符号の説明】
【0085】
10 スクリーン印刷用版枠
11 外枠(第1枠体)
11a 貫通穴
11b 第1平面部
11b1 内周面
11b2 突起部
11c 第1内壁部
11d 第1外壁部
11d1 切欠部
12 内枠(第2枠体)
12a 締結穴
12b 第2平面部
12c 第2内壁部
12d 第2外壁部
12d1 突出部
12e 第1接続壁部
12f 第2接続壁部
13 つまみネジ(連結部)
20 筐体
21 本体部
22 蓋部
30 ランプボックス(露光部)
31 発光素子
40 マット
100 スクリーン製版装置
200 印刷用スクリーン
200a 表面
AS 収容空間
CA 中心領域
CD 周方向
DA 配置領域
IA 内側領域
L1 第1配置間隔
L2 第2配置間隔
OA 外側領域
PA 印刷領域
PL1 第1平面
PL2 第2平面
S1 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18