(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150574
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】受水槽システム
(51)【国際特許分類】
E03B 11/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
E03B11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059746
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】513026399
【氏名又は名称】三菱ケミカルインフラテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和哉
(57)【要約】
【課題】受水槽に貯留されている水の飲料水としての品質の管理に資する技術を提供する。
【解決手段】本開示の一態様の受水槽システムは、水道水を一時的に貯留する受水槽と、受水槽に貯留されている水の飲料水としての品質に関する指標を当該受水槽の水位に関わらず測定可能に構成されているセンサと、センサの測定結果を取得し、当該測定結果に基づく情報処理を行う情報処理装置とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道水を一時的に貯留する受水槽と、
前記受水槽に貯留されている水の飲料水としての品質に関する指標を当該受水槽の水位に関わらず測定可能に構成されているセンサと、
前記センサの測定結果を取得し、当該測定結果に基づく情報処理を行う情報処理装置と
を具備する受水槽システム。
【請求項2】
前記センサは、前記受水槽の内面における側面のうち所定の水位に対応する高さよりも低い領域、または前記受水槽の内面における底面に取り付けられている、
請求項1に記載の受水槽システム。
【請求項3】
前記受水槽の水位が前記所定の水位を下回っていることを検出する手段と、
前記受水槽の水位が前記所定の水位を下回っていることが検出された場合に、前記受水槽への水の流入を開始する手段と
をさらに具備する、請求項2に記載の受水槽システム。
【請求項4】
前記センサを取り付け可能な浮きをさらに具備し、
前記浮きは、前記センサの少なくとも一部が前記受水槽に貯留されている水に浸かった状態で前記受水槽に貯留されている水に浮かぶように構成されている、
請求項1に記載の受水槽システム。
【請求項5】
前記受水槽に貯留されている水の一部が循環するように構成された水路と、
前記水路上を流れる水を一時的に貯留する貯水部とをさらに具備し、
前記センサは、前記貯水部に貯留されている水に対して前記指標の測定を行うように構成されている、
請求項1に記載の受水槽システム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記センサの測定結果に基づく情報を提示する、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の受水槽システム。
【請求項7】
前記指標は、残留塩素濃度を含み、
前記情報処理装置は、前記残留塩素濃度の測定結果が許容範囲を逸脱する場合に当該測定結果に基づく情報を提示する、
請求項6に記載の受水槽システム。
【請求項8】
前記受水槽が渇水状態にあるか否かを判定する手段をさらに具備し、
前記情報処理装置は、前記受水槽が渇水状態にあると判定されている間、前記残留塩素濃度の測定結果に関わらず当該測定結果に基づく情報の提示を行わない、
請求項7に記載の受水槽システム。
【請求項9】
前記指標は、残留塩素濃度を含み、
前記情報処理装置は、前記残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限を下回り、かつ前記受水槽が水の受入が可能な状態である場合に、前記受水槽への水の流入を開始させる、
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の受水槽システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、前記残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限値以上となった、または前記受水槽が水の受入が可能な状態でなくなったことに応じて、前記受水槽への水の流入を停止する、
請求項9に記載の受水槽システム。
【請求項11】
前記受水槽へ塩素を注入する手段をさらに具備し、
前記指標は、残留塩素濃度を含み、
前記情報処理装置は、前記残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限を下回る場合に、前記受水槽への塩素の注入を開始させる、
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の受水槽システム。
【請求項12】
前記情報処理装置は、前記残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限値以上となったことに応じて、前記受水槽への塩素の注入を停止する、
請求項11に記載の受水槽システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、受水槽システムに関する。
【背景技術】
【0002】
給水方式の1つとして、受水槽方式が知られている。受水槽方式では、水道水が受水槽に一時的に貯留される。受水槽に接続された給水装置は、当該受水槽に貯留された水を必要に応じて給水対象へ供給する。
【0003】
従来、受水槽に水位センサを設置し、当該水位センサによって受水槽の水位を検出することがある。特許文献1には、複数の水位計を用いることで、1つの水位計に異常が生じた場合であっても、他の水位計の検出結果に基づいて給水を継続する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
受水槽の管理(例えば、点検)が不十分であったり、水が長期間に亘って受水槽に貯留されたりすると、水の品質に悪影響が生じることがある。これにより、飲用に適さない水が供給されるおそれがある。
【0006】
本開示の目的は、受水槽に貯留されている水の飲料水としての品質の管理に資する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の受水槽システムは、水道水を一時的に貯留する受水槽と、受水槽に貯留されている水の飲料水としての品質に関する指標を当該受水槽の水位に関わらず測定可能に構成されているセンサと、センサの測定結果を取得し、当該測定結果に基づく情報処理を行う情報処理装置とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の受水槽システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態の水質管理支援処理のフローチャートである。
【
図7】本実施形態の水質管理支援処理において表示される画面例を示す図である。
【
図8】変形例1の水質管理支援処理のフローチャートである。
【
図9】変形例1の水質管理支援処理に含まれる水位制御処理のフローチャートである。
【
図13】変形例1の水質管理支援処理のフローチャートである。
【
図14】変形例1の水質管理支援処理に含まれる水位制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
(1)受水槽システムの構成
受水槽システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の受水槽システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、受水槽システム1は、受水槽10と、センサ20と、情報処理装置30とを備える。
センサ20及び情報処理装置30は、無線もしくは有線チャネル、またはネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)の少なくとも1つを介して接続される。
【0012】
受水槽10は、流入側から供給される水道水を一時的に貯留する。受水槽10に貯留された水は、必要に応じて図示しない給水装置へと排出される。
【0013】
センサ20は、受水槽10に貯留されている水の飲料水としての品質に関する指標を、当該受水槽10の水位に関わらず測定可能に構成されている。なお、センサ20は、受水槽10の内部に限らず外部に設置されてもよい。センサ20は、測定結果を情報処理装置30へ送信する。センサ20は、以下の少なくとも1つの品質に関する指標を測定してもよい。
・残留塩素濃度
・pH
・濁り
・色
・臭気
【0014】
情報処理装置30は、センサ20から測定結果を取得し、当該測定結果に基づく情報処理を行う。情報処理装置30は、受水槽の制御盤、または給水装置の制御盤であってもよいし、これらとは別体のコンピュータ(例えば、サーバ)であってもよい。
【0015】
(1-1)受水槽およびセンサの構成
受水槽およびセンサの構成について説明する。
図2は、本実施形態の受水槽の外観を示す図である。
図3は、本実施形態の受水槽の内部を示す図である。
【0016】
図2に示すように、受水槽10は、側板11、天井13、図示しない底板、梯子15、および蓋16を有しており、架台17の上に載置されている。
【0017】
側板11は、矩形の平面形状を有している。側板11の縁は、接合縁12となっている。受水槽10の側部は、隣り合う側板11の接合縁12同士を、防水用のパッキンを介して接合縁においてボルトおよびナットで締結することにより構成されている。天井13および図示しない底板も同様に、接合縁での接合によって構成されている。側板11は、一例としてガラス繊維強化プラスチック(GFRP)製パネルであるが、これに限られない。天井13および図示しない底板も、GFRP製パネルの接合により構成することができるが、これに限られない。
【0018】
受水槽10は、側板11同士の接合部分を補強する補強材を鉛直方向または水平方向に備えていてもよい。このような補強材および架台17は、十分に高い剛性を有していればよく、GFRP製、コンクリート製あるいは金属製の部材であってもよい。当該金属の例には、鋳鉄、鋳鋼、銅、銅合金、真鍮、ステンレス、アルミニウムおよびチタンが含まれる。
【0019】
梯子15は、受水槽10の側面に掛けられており、作業者が例えば受水槽10のメンテナンスのために天井13に登るのを助ける。また、図示されていないが、受水槽10の内部空間にも、梯子が設置されている。作業者は、受水槽10の天井13に設けられた開口部からこの梯子を降りることで、受水槽10の内部空間に安全に入り込むことができる。
【0020】
蓋16は、受水槽10の天井13に設けられた開口部に対して着脱可能に構成される。蓋16により、開口部を塞ぐことができる。
【0021】
側板11は、受水槽10に適したさらなる構成を伴ってもよい。側板11は、たとえば保温材を受水槽10の内側の表面上に有していてもよいし、加飾フィルムを外表面上に有していてもよい。
【0022】
図3に示すように、受水槽10は、側板11、天井13、および図示しない底板によって包囲される内部空間に、水W10を貯留する。さらに、受水槽10の内部には、電極式水位センサ18と、センサ20とが備え付けられている。
【0023】
電極式水位センサ18は、検出電極棒18a,18b,18c,18dと、アース電極棒18eとを備える。電極式水位センサ18によれば、検出電極棒18a,18b,18c,18dの各々と、アース電極棒18eと間の通電状態に応じて、受水槽10の水位を大まかに測定することができる。すなわち、受水槽10の水位が、La以上であるか、La~Lbの範囲内であるか、Lb~Lcの範囲内であるか、Lc~Ldの範囲内であるか、Ld未満であるか、を測定することができる。図示しない制御盤、または情報処理装置30は、電極式水位センサ18による測定結果を取得し、異常な水位状態(渇水状態、または満水状態)の警報の出力、電磁弁の開閉制御、または給水装置のポンプの起動/停止制御を実行する。ここで、電磁弁は、受水槽10への水(水道水)の流入の実施/停止を制御信号に応じて切り替える。ただし、電磁弁の代わりに、ボールタップにより、受水槽10への水の流入の実施/停止を電極式水位センサ18の測定結果によらずに制御することも可能である。なお、電磁弁の開閉制御に用いる電極式水位センサ18は、ポンプの起動/停止制御に用いる電極式水位センサ18と別体であってよい。
【0024】
センサ20は、受水槽10の内面における側面(つまり、側板11の裏側)のうち所定の水位に対応する高さよりも低い領域に取り付けられている。
第1例として、水位Lcが受水槽10への水の流入を開始する基準となる水位に対応する場合に、センサ20を当該水位Lcに対応する高さよりも低い位置に取り付けられてもよい。情報処理装置30、または他の装置(例えば図示しない制御盤)は、電極式水位センサ18による測定結果に基づいて受水槽10の水位が水位Lcを下回っていることを検出すると、電磁弁を開き、受水槽10への水の流入を開始する。故に、センサ20を水位Lcよりも低い位置に取り付けることで、受水槽10が正常に運用されている状態にある限り、センサ20は当該受水槽10の水位に関わらず水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定することができる。
【0025】
第2例として、水位Lcが給水装置のポンプの停止要否を判定する基準となる水位に対応する場合に、センサ20を当該水位Lcに対応する高さよりも低い位置に取り付けられてもよい。情報処理装置30、または他の装置(例えば図示しない制御盤)は、電極式水位センサ18による測定結果に基づいて受水槽10の水位が水位Lcを下回っていることを検出すると、給水装置のポンプを停止する。故に、センサ20を水位Lcよりも低い位置に取り付けることで、受水槽10が正常に運用されている状態にある限り、水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定することができる。
【0026】
第3例として、水位Ldが受水槽10の渇水状態を判定する基準となる水位に対応する場合に、センサ20を当該水位Ldに対応する高さよりも低い位置に取り付けられてもよい。情報処理装置30、または他の装置(例えば図示しない制御盤)は、電極式水位センサ18による測定結果に基づいて受水槽10の水位が水位Ldを下回っていることを検出すると、渇水警報を出力する。故に、センサ20を水位Ldよりも低い位置に取り付けることで、より確実に、水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定することができる。
【0027】
(1-2)情報処理装置の構成
情報処理装置の構成について説明する。
図4は、本実施形態の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【0028】
図4に示すように、情報処理装置30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。情報処理装置30は、ディスプレイ41に接続される。
【0029】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0030】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0031】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0032】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、情報処理装置30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0033】
入出力インタフェース33は、情報処理装置30に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、情報処理装置30に接続される出力デバイスに情報(例えば、画像)を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ41、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0034】
通信インタフェース34は、情報処理装置30と外部装置(例えばセンサ20)との間の通信を制御するように構成される。
【0035】
ディスプレイ41は、画像(静止画、または動画)を表示するように構成される。ディスプレイ41は、例えば、液晶ディスプレイ、または有機ELディスプレイである。
【0036】
(2)実施形態の一態様
本実施形態の一態様について説明する。
図5は、本実施形態の一態様の説明図である。
【0037】
図5に示すように、センサ20は、受水槽10に貯留されている水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定する。情報処理装置30は、センサ20による測定結果を取得し、当該測定結果に基づく情報処理を行う。一例として、情報処理装置30は、測定結果に基づく情報を受水槽10の関係者70に提示する。関係者70は、受水槽10の運用管理者に限らず、当該受水槽10の所有者であってもよいし、当該受水槽10の使用者であってもよいし、当該受水槽10の保守管理を行うメンテナンス事業者であってもよい。センサ20による測定結果に基づく情報は、関係者端末80を介して関係者70に提示され得る。関係者端末80は、例えば、スマートフォン、タブレット、PC(Personal Computer)、などである。関係者端末80は、情報処理装置30と同様のハードウェアを備え得る。関係者端末80上では、受水槽10の管理を行うためのアプリケーションを実行したり、受水槽10の管理を行うためのSaaS(Software as a Service)を提供するWebサイトのブラウジングを行ったりすることができる。
【0038】
センサ20による測定結果に基づく情報を受水槽10の関係者70に提示することで、受水槽10に貯留されている水W10の飲料水としての品質を関係者70に対して可視化することができる。これにより、関係者70に、水W10の飲料水としての品質の低下を適時に認識させ、例えばメンテナンスなどの必要な措置を講じるよう促すことができる。つまり、水W10の飲料水としての品質の管理を支援することができる。
【0039】
(3)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
図6は、本実施形態の水質管理支援処理のフローチャートである。
図7は、本実施形態の水質管理支援処理において表示される画面例を示す図である。
【0040】
図6の水質管理支援処理は、情報処理装置30によって定期的に実施され得る。
水質管理支援処理の開始後に、情報処理装置30は、測定結果の取得(S130)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、センサ20による測定結果を直接、または間接的に(つまり、1以上の中間装置(例えば、制御盤)を介して)取得する。情報処理装置30は、後述する測定結果の提示(S134)の実施の有無に関わらず、測定結果をログとして記憶装置31に保存してもよい。
【0041】
ステップS130の後に、情報処理装置30は、測定結果の判定(S131)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、ステップS130において取得した測定結果が予め定められた許容範囲を逸脱するか否かを判定する。
【0042】
ここで、許容範囲とは、水の飲料水としての品質に関する指標毎に定められる。指標の測定結果が許容範囲を逸脱した場合に、当該測定結果を得られた水は飲料水として適さないおそれがある。許容範囲は、上限および下限の両方が有限である範囲は勿論、一方が有限でない範囲も含み得る。つまり、許容範囲は、下限値以上上限値以下の間の範囲、下限値以上の範囲、または上限値以下の範囲のいずれであってもよい。一例として、情報処理装置30は、受水槽10に貯留されている水W10の残留塩素濃度の測定結果が下限値以上の範囲(つまり、水W10が十分に消毒されていない状態)にあるか否かを判定する。
【0043】
ステップS131において測定結果が許容範囲を逸脱しないと判定した場合に、情報処理装置30は
図6の水質管理支援処理を終了し得る。或いは、かかる場合に、情報処理装置30は、後述する測定結果の提示(S134)を実行してもよい。
【0044】
ステップS131において測定結果が許容範囲を逸脱すると判定した場合に、情報処理装置30は、水位情報の取得(S132)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、電極式水位センサ18によって測定された水位情報を直接、または間接的に(つまり、1以上の中間装置(例えば、制御盤)を介して)取得する。なお、情報処理装置30は、ステップS131の判定結果に関わらず、水位情報を定期的に取得してもよい。また、情報処理装置30は、水位情報をログとして記憶装置31に保存してもよい。
【0045】
ステップS132の後に、情報処理装置30は、水位の判定(S133)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、ステップS132において取得した水位情報に基づいて、受水槽10が渇水状態にあるか否かを判定する。
【0046】
ステップS133において受水槽10が渇水状態にあると判定した場合に、情報処理装置30は
図6の水質管理支援処理を終了し得る。つまり、情報処理装置30は、受水槽10が渇水状態にあると判定されている間、ステップS130において取得した測定結果に関わらず当該測定結果に基づく情報の提示を行わない。或いは、かかる場合に、情報処理装置30は、水量が極端に少ないため信頼できる測定結果が得られないことを伝える情報を受水槽10の関係者70に提示し、それから
図6の水質管理支援処理を終了してもよい。
【0047】
ステップS133において受水槽10が渇水状態にないと判定した場合に、情報処理装置30は、測定結果の提示(S134)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、ステップS130において取得した測定結果に基づく情報を受水槽10の関係者70に提示する。情報の提示は、例えば、ディスプレイに表示される画面(アプリケーション、またはWebブラウザの画面)の変化、プッシュ通知、SNS(Social Networking Service)もしくはSMS(Short Message Service)上でやりとりされるメッセージ、またはeメールにより実現されてもよい。一例として、情報処理装置30は、関係者端末80のディスプレイを介して
図7に示す画面を提示する。
【0048】
図7の画面は、表示オブジェクトA81と、操作オブジェクトB81とを含む。
表示オブジェクトA81は、受水槽10に貯留されている水W10が飲料水として適さないおそれがあること、および受水槽10のメンテナンスを推奨することを伝える情報(テキストメッセージ)を表示する。
【0049】
操作オブジェクトB81は、メンテナンス業者を探すための関係者操作を受け付ける。操作オブジェクトB81の選択に応じて、情報処理装置30、または図示しないサーバが、以下の情報の少なくとも1つを関係者端末80に提供し得る。
・受水槽10に紐付けられているメンテナンス業者の情報(例えば、連絡先、予約可能枠)
・受水槽10の設置場所に紐付けられているメンテナンス業者の情報(例えば、連絡先、予約可能枠)
・直近の予約可能枠が空き状態のメンテナンス業者の情報(例えば、連絡先)
・受水槽10のメンテナンス費用の概算見積金額
・受水槽10のメンテナンスに要する時間の推定値
【0050】
ステップS134を以て、情報処理装置30は、
図6の水質管理支援処理を終了する。
【0051】
(4)小括
以上説明したように、情報処理装置30は、受水槽10に貯留されている水W10の飲料水としての品質に関する指標を当該受水槽10の水位に関わらず測定可能に構成されているセンサ20の測定結果を取得し、当該測定結果に基づく情報処理を行う。これにより、例えば水W10の飲料水としての品質の管理に資する情報を関係者70に提示したり、受水槽10に対する制御のためのパラメータを提供したりすることが可能となる。
【0052】
センサ20は、受水槽10の内面における側面のうち所定の水位に対応する高さよりも低い領域に取り付けられてよい。これにより、受水槽10の水位が所定の水位を下回らない限り、センサ20は当該受水槽10の水位に関わらず水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定することができる。情報処理装置30または他の装置は、受水槽10の水位がこの所定の水位を下回っていることを検出すると、当該受水槽10への水の流入を開始してもよい。これにより、受水槽10が正常に運用されている状態にある限り、センサ20は当該受水槽10の水位に関わらず水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定することができる。
【0053】
情報処理装置30は、センサ20の測定結果に基づく情報を提示してもよい。これにより、関係者70に対して、受水槽10に貯留されている水W10の飲料水としての品質を可視化することができる。この結果、関係者70に、水W10の飲料水としての品質の低下を適時に認識させ、例えばメンテナンスなどの必要な措置を講じるよう促すことができる。つまり、水W10の飲料水としての品質の管理を支援することができる。また、指標は残留塩素濃度を含んでよく、かつ情報処理装置30は残留塩素濃度の測定結果が許容範囲を逸脱する場合に当該測定結果に基づく情報を提示してもよい。これにより、関係者70に対して、受水槽10に貯留されている水W10の飲料水としての残留塩素濃度の低下を適時に認識させ、例えばメンテナンスなどの必要な措置を講じるよう促すことができる。つまり、水W10の残留塩素濃度の管理を支援することができる。さらに、情報処理装置30は、受水槽10が渇水状態にあると判定されている間、残留塩素濃度の測定結果に関わらず当該測定結果に基づく情報の提示を行わなくてもよい。これにより、水量が極端に少ないため信頼できる測定結果が得られない場合に、関係者70に不確かな情報を提示して必要性が明らかでないメンテナンスを促す事態を防止することができる。
【0054】
(5)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0055】
(5-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、センサ20による測定結果に基づいて受水槽10への水の流入を制御する例である。
【0056】
変形例1の情報処理について説明する。
図8は、変形例1の水質管理支援処理のフローチャートである。
図9は、変形例1の水質管理支援処理に含まれる水位制御処理のフローチャートである。
【0057】
図8の水質管理支援処理は、情報処理装置30によって定期的に実施され得る。
水質管理支援処理の開始後に、情報処理装置30は
図6と同様に、測定結果の取得(S130)、および測定結果の判定(S131)を実行する。
【0058】
ステップS131において測定結果が許容範囲を逸脱しないと判定した場合に、情報処理装置30は
図8の水質管理支援処理を終了し得る。或いは、かかる場合に、情報処理装置30は、後述する測定結果の提示(S134)を実行してもよい。
【0059】
ステップS131において測定結果が許容範囲を逸脱すると判定した場合に、情報処理装置30は
図6と同様に、水位情報の取得(S132)を実行する。
【0060】
ステップS132の後に、情報処理装置30は、水位の判定(S233)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、ステップS132において取得した水位情報に基づいて、受水槽10が水の受入が可能な状態にあるか否かを判定する。
【0061】
ステップS233において受水槽10が水の受入が可能な状態(一例として、満水でない状態)にあると判定した場合に、情報処理装置30は水位制御処理(S235)を実行する。
まず、
図9に示すように、情報処理装置30は、水の流入の開始(S2350)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、図示しない電動弁を開くことで、水道水を受水槽10に流入させる。
【0062】
ステップS2350の後に、情報処理装置30は、水位情報の取得(S2351)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、
図6の水位情報の取得(S132)と同様の処理を行う。
【0063】
ステップS2351の後に、情報処理装置30は、水位の判定(S2352)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、
図8の水位の判定(S233)と同様の処理を行う。
【0064】
ステップS2352において受水槽10が水の受入が可能な状態(一例として、満水でない状態)にあると判定した場合に、情報処理装置30は測定結果の取得(S2353)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、
図6の測定結果の取得(S130)と同様の処理を行う。
【0065】
ステップS2353の後に、情報処理装置30は、測定結果の判定(S2354)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、
図6の測定結果の判定(S131)と同様の処理を行う。
ステップS2354において測定結果が許容範囲を逸脱しないと判定した場合に、情報処理装置30は、水位情報の取得(S132)を再実行する。
【0066】
ステップS2352において受水槽10が水の受入が可能な状態にない(一例として、受水槽10の水位が水の流入を停止すべき水位に到達した)と判定した場合、またはステップS2354において測定結果が許容範囲を逸脱しないと判定した場合に、情報処理装置30は、水の流入の停止(S2335)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、図示しない電動弁を閉じることで、水道水の受水槽10への流入を阻止する。
情報処理装置30は、ステップS2335を以て
図9の水位制御処理(S235)を終了する。
【0067】
図8のステップS233において受水槽10が水の受入が可能な状態にないと判定した場合に、情報処理装置30は
図6と同様に、測定結果の提示(S134)を実行する。
ステップS134を以て、情報処理装置30は、
図8の水質管理支援処理を終了する。
【0068】
以上説明したように、変形例1の情報処理装置30は、残留塩素濃度を含む指標の測定結果を取得し、当該残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限を下回る場合に、当該受水槽10への水の流入を開始させる。これにより、受水槽10に適切に塩素が添加された水道水が流入するので、当該受水槽10に貯留されている水W10の残留塩素濃度を改善することができる。また、情報処理装置30は、残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限値以上となった、または受水槽10が水の受入が可能な状態でなくなったことに応じて、受水槽10への水の流入を停止してもよい。これにより、受水槽10への水の流入を必要最小限に留め、かつ受水槽10に受入限度を超えた水が流入するのを防ぐことができる。
【0069】
(5-2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、本実施形態とは異なる態様でセンサ20を配置する例である。
図10は、変形例2の受水槽の内部を示す図である。
【0070】
図10に示すように、変形例2の受水槽10は、側板11、天井13、および図示しない底板によって包囲される内部空間に、水W10を貯留する。さらに、受水槽10の内部には、電極式水位センサ18と、センサ20とが備え付けられている。
【0071】
変形例2のセンサ20は、受水槽10の内面における底面(つまり、図示しない底板)に取り付けられている。センサ20を受水槽10の内面における底面に取り付けることで、受水槽10の水位が極端に低い状態にならない限り、センサ20は当該受水槽10の水位に関わらず水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定することができる。
【0072】
(5-3)変形例3
変形例3について説明する。変形例3は、本実施形態とは異なる態様でセンサ20を配置する例である。
図11は、変形例3の受水槽の内部を示す図である。
【0073】
図11に示すように、変形例3の受水槽10は、側板11、天井13、および図示しない底板によって包囲される内部空間に、水W10を貯留し、かつセンサ20および浮き21を収容する。さらに、受水槽10の内部には、電極式水位センサ18が備え付けられる。
【0074】
浮き21は、センサ20を取り付け可能であって、かつ当該センサ20の少なくとも一部が受水槽10に貯留されている水W10に浸かった状態(つまり、水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定可能な状態)で当該水W10に浮かぶように構成(浮力設計)されている。
【0075】
このような浮き21にセンサ20を取り付けて、当該浮き21を受水槽10に貯留されている水W10に浮かべることで、受水槽10の水位が極端に低い状態にならない限り、センサ20は当該受水槽10の水位に関わらず水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定することができる。
【0076】
(5-4)変形例4
変形例4について説明する。変形例4は、本実施形態とは異なる態様でセンサ20を配置する例である。
図12は、変形例4の水路の内部を示す図である。
【0077】
変形例4の受水槽10は、
図12に示す水路(バイパス)90を備える。水路90は、開口端である入口90aおよび出口90bを備え、当該入口90aと出口90bとの間に貯水部91を備える。水W10の一部は、受水槽10の内部空間から入口90aへ流入し、当該貯水部91を通って、出口90bから受水槽10の内部空間へ還流する。貯水部91は、水路90上を流れる水W90を一時的に貯留する。
【0078】
変形例4のセンサ20は、貯水部91に取り付けられ、かつ当該貯水部91に貯留されている水W90に対して、当該水W90の飲料水としての品質に関する指標を測定するように構成される。ここで、水路90は、水W90の飲料水としての品質が受水槽10に貯留されている水W10と乖離しない程度に、当該水W90を循環するように構成される。つまり、水W90に対する測定結果を、水W10に対する測定結果とみなすことができる。これにより、水W90が正常に循環している限り、センサ20は当該受水槽10の水位に関わらず水W10の飲料水としての品質に関する指標を測定することができる。
【0079】
(5-5)変形例5
変形例5について説明する。変形例5は、センサ20による測定結果に基づいて受水槽10への塩素の注入を制御する例である。なお、変形例5は、変形例1と組み合わせ可能である。
【0080】
変形例5の受水槽システム1は、受水槽10へ塩素を注入する装置(以下、「塩素注入装置」という)をさらに備える。塩素注入装置は、受水槽10の外部に設置され得る。塩素注入装置は、情報処理装置30の制御に従って、受水槽10への塩素の注入を開始または停止する。
【0081】
変形例5の情報処理について説明する。
図13は、変形例5の水質管理支援処理のフローチャートである。
図14は、変形例5の水質管理支援処理に含まれる塩素注入処理のフローチャートである。
【0082】
図13の水質管理支援処理は、情報処理装置30によって定期的に実施され得る。
水質管理支援処理の開始後に、情報処理装置30は
図6と同様に、測定結果の取得(S130)、および測定結果の判定(S131)を実行する。
【0083】
ステップS131において測定結果が許容範囲を逸脱しないと判定した場合に、情報処理装置30は
図13の水質管理支援処理を終了し得る。或いは、かかる場合に、情報処理装置30は、
図6に示した測定結果の提示(S134)を実行してから
図13の水質管理支援処理を終了してもよい。
【0084】
ステップS131において測定結果が許容範囲を逸脱すると判定した場合に、情報処理装置30は塩素注入処理(S335)を実行する。
まず、
図14に示すように、情報処理装置30は、塩素の注入の開始(S3350)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、塩素注入装置に制御信号を送信することで、塩素を受水槽10に注入させる。
【0085】
ステップS3350の後に、情報処理装置30は測定結果の取得(S3353)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、
図6の測定結果の取得(S130)と同様の処理を行う。
【0086】
ステップS3353の後に、情報処理装置30は、測定結果の判定(S3354)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、
図6の測定結果の判定(S131)と同様の処理を行う。
ステップS3354において測定結果が許容範囲を逸脱すると判定した場合に、情報処理装置30は、測定結果の取得(S3353)を再実行する。
【0087】
ステップS3354において測定結果が許容範囲を逸脱しないと判定した場合に、情報処理装置30は、塩素の注入の停止(S2335)を実行する。
具体的には、情報処理装置30は、塩素注入装置に制御信号を送信することで、塩素の受水槽10への注入を阻止する。
情報処理装置30は、ステップS2335を以て
図14の塩素注入処理(S335)を終了する。
【0088】
図13のステップS335を以て、情報処理装置30は、
図13の水質管理支援処理を終了する。或いは、情報処理装置30は
図6に示した測定結果の提示(S134)を実行してから
図13の水質管理支援処理を終了してもよい。
【0089】
以上説明したように、変形例5の情報処理装置30は、残留塩素濃度を含む指標の測定結果を取得し、当該残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限を下回る場合に、当該受水槽10への塩素の注入を開始させる。これにより、受水槽10に貯留されている水W10の残留塩素濃度を改善することができる。また、情報処理装置30は、残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限値以上となったことに応じて、受水槽10への塩素の注入を停止してもよい。これにより、受水槽10への塩素の注入を必要最小限に留め、かつ受水槽10に貯留されている水W10の残留塩素濃度を改善することができる。
【0090】
(6)その他の変形例
記憶装置31は、ネットワークNWを介して、情報処理装置30と接続されてもよい。
【0091】
上記説明では、センサ20が、測定結果を情報処理装置30へ送信する例を示した。しかしながら、センサ20は、測定結果を中間装置(例えば制御盤)へ送信し、当該中間装置が測定結果を情報処理装置30へ送信してもよい。或いは、センサ20は測定結果を当該センサ20の備える表示部に表示し、中間装置が表示部の表示内容を例えばカメラなどの光学センサにより読み取ることでセンサ20の測定結果を取得し、当該測定結果を情報処理装置30へ直接的または間接的に送信してもよい。
【0092】
上記説明では、関係者端末80が情報処理装置30と別体である例を示した。しかしながら、両者は同一の装置であってもよい。
【0093】
上記説明では、センサ20による測定結果が許容範囲を逸脱すると判定した場合であっても、水位情報に基づいて受水槽10が渇水状態であるか否かをさらに判定し、渇水状態である場合には当該測定結果に基づく情報の提示を行わない例を示した。しかしながら、センサ20による測定結果が許容範囲を逸脱すると判定した場合に、渇水状態の判定を行うことなく、当該測定結果に基づく情報の提示を行ってもよい。
【0094】
上記説明では、電極式水位センサ18により受水槽10の水位を測定する例を示した。しかしながら、圧力センサにより水圧を測定することで、受水槽10の水位を計算することも可能である。
【0095】
変形例1では、残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限を下回り、かつ受水槽が水の受入が可能な状態である場合に、情報処理装置30が、受水槽10に水道水の注入(つまり、
図8の水位制御処理)を開始する例を示した。しかしながら、かかる条件が成立する場合に、情報処理装置30は、受水槽10への水道水の注入を直ちに行わず、受水槽10への水道水の注入を推奨することを伝える情報を関係者70に提示してもよい。或いは、情報処理装置30は、関係者70の許可を待って、受水槽10への水道水の注入を開始してもよい。
【0096】
変形例5では、残留塩素濃度の測定結果が許容範囲の下限を下回る場合に、情報処理装置30が、受水槽10に塩素の注入(つまり、
図14の塩素注入処理)を開始する例を示した。しかしながら、かかる条件が成立する場合に、情報処理装置30は、受水槽10への塩素の注入を直ちに行わず、受水槽10への塩素の注入を推奨することを伝える情報を関係者70に提示してもよい。或いは、情報処理装置30は、関係者70の許可を待って、受水槽10への塩素の注入を開始してもよい。
【0097】
変形例1では、水道水の注入(つまり、
図8の水位制御処理)により残留塩素濃度を増加さえる例を示した。しかしながら、情報処理装置30は、水道水の注入に加えて、または水道水の注入の代わりに、捨て水(つまり、受水槽10に貯留されている水W10の排水)を行ってもよい。一例として、情報処理装置30は、水道水の注入前に捨て水を行ってもよい。
【0098】
変形例1では、塩素の注入(つまり、
図14の塩素注入処理)により残留塩素濃度を増加さえる例を示した。しかしながら、情報処理装置30は、塩素の注入に加えて、または塩素の注入の代わりに、捨て水(つまり、受水槽10に貯留されている水W10の排水)を行ってもよい。一例として、情報処理装置30は、塩素の注入前に捨て水を行ってもよい。
【0099】
上記説明は、本実施形態または変形例を、受水槽10を含む受水槽システム1へ適用する例について述べた。しかしながら、受水槽10の代わりにまたは受水槽10に加えて、高置水槽、高架水槽、またはその他のタンクを備えるシステムに、本実施形態または変形例を適用することも可能である。この場合に、上記説明における「受水槽」の用語を、「高置水槽」、「高架水槽」、または単に「タンク」などの用語として適宜読み替え可能である。
【0100】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 :受水槽システム
10 :受水槽
11 :側板
12 :接合縁
13 :天井
15 :梯子
16 :蓋
17 :架台
18 :電極式水位センサ
20 :センサ
30 :情報処理装置
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース
41 :ディスプレイ
70 :関係者
80 :関係者端末
90 :水路
91 :貯水部