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特開2023-150633計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法
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  • 特開-計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法 図1
  • 特開-計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法 図2
  • 特開-計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150633
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231005BHJP
   B60L 7/12 20060101ALI20231005BHJP
   B60L 58/13 20190101ALI20231005BHJP
   B60L 53/57 20190101ALI20231005BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 P
B60L7/12 Q
B60L58/13
B60L53/57
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059845
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】516268840
【氏名又は名称】株式会社サニックス
(71)【出願人】
【識別番号】301068767
【氏名又は名称】エーシーテクノロジーズ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉用茂
(72)【発明者】
【氏名】佐藤啓
(72)【発明者】
【氏名】清水庄一
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503CB16
5G503DA08
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA03
5H125AC08
5H125AC12
5H125AC22
5H125BC12
5H125BC24
5H125BE01
5H125CB02
5H125CC04
5H125CD02
5H125CD10
5H125DD18
5H125DD19
5H125EE27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回生効率の良いモーターと内部抵抗の低い大電流の入出が可能な二次電池を組み合わせる事で、走行途中での減速による回収電力及び、下坂での位置エネルギーによる回収電力を電池に蓄電する事が可能となり、消費エネルギー及びCO2排出を削減する車両の回生電力活用方法を提供する。
【解決手段】方法は、車両の走行前に地図情報から走行路の位置(緯度、経度)と高度情報と、車両からの平均水平電費、平均速度、車載重量等の情報を活用して、走行に最適な二次電池の使用時期とエンジン発電機による蓄電量を計算する事で、目的地点での二次電池の蓄電状態であるSOC(State Of Charge)の目標値を設定し、走行中のSOCの状況を表すSOCチャートの作成を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行前にPRE-EV及びEVの各電気駆動車両は、走行途中での減速及び下坂で回収できる回生電力を考慮した走行計画を立てると共に、その情報をコントロールセンターが把握し、コントロールセンターは走行前に各車両に、走行途中に設置された充電器での計画的な充電及び余剰電力の充電器への供給を行う情報を伝達する手段を有し、もし走行途中で配送計画の変更等が発生した場合は、再設定した走行計画を必要な車両に通信回線を介して伝達する事を特徴とした計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法
【請求項2】
請求項1に関わり、走行路の登坂の入口では貨物を搭載しない、若しくは少量の貨物の搭載状態で登坂し、下坂の入口では最大積載量若しくはそれに近い積載量の貨物を搭載、若しくは登坂時よりも積載量が多くなるように貨物を搭載し下坂を走行する事で、回生電力を電池に蓄電する事を特徴とした計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法
【請求項3】
請求項1と請求項2に関わり、登坂の入口若しくは近辺、又は、下坂の入口若しくは近辺、若しくは両方に充電器を設置し、下坂の入口で充電器から充電するに当たり、下り坂走行で回収可能な電力が坂の途中で電池が満充電にならないような電力量だけ充電し、下坂の出口もしくは走行途中において、目的地までの走行に必要な電力量以上の電力は、設置された充電器に給電する事を特徴とした計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法
【請求項4】
これまでの全ての請求項に関わり、PRE-EVトラック及びEVトラックはSGCCS装置を装備する事でその日の配送業務を計画的に行い、EVトラックの蓄電量が少なくなれば、並走して走行しているPRE-EVトラックから給電を受ける事、若しくは予定された場所で落ち合い、給電を受ける事を特徴とした計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法
【請求項5】
これまでの全ての請求項に関わり、余剰の回生電力を充電器に充電する時の売価価格は市場価格よりも若干安価にする事、または売価価格を市場価格よりも若干高価にする事で、積極的に回収電力を充電器に給電する事を促す仕組みを取り得れた計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法
【請求項6】
請求項5に関わり、充電器での電力の売買作業はドライバーが介在する事なく、通信回線で接続された充電器とコントロールセンターの間で処理を行い、各充電器での購買実績を集計して清算し、その差分のみを利用各社に通知する事を特徴とした計画発電蓄電制御技術を用いた回生電力活用方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はSGCCS(Scheduled Generating and Charging Control System)と呼ぶ計画発電蓄電制御技術と発電機を装備した電動車両において、燃料効率を向上する技術とその技術を貨物の輸送事業への応用方法に関する。電動車両では、下り坂やブレーキを掛けた時に、駆動モーターが発電機として動作することにより位置エネルギーや減速エネルギーを回生電力として回収し、電池に蓄電する事で燃料消費を抑えることができる。単独の車両の場合だけでなく、多数の同様な仕組みを有する車両が走行する時に、さらに効率よく燃料を消費する仕組みを提供するものである。発電機は化石燃料エンジン以外に、バイオエンジンなどの非化石燃料エンジン発電機でも燃料電池でも使用可能である。
【背景技術】
【0002】
二次電池駆動によるEV車両は二酸化炭素(CO2)の排出がないクリーン交通機関として注目されているが大量の電池を搭載する必要がある。
【0003】
この解決策としてエンジンとモーターを搭載したハイブリッド方式が考えられるが、バスやトラックなどの大型車両乗用車では、急な長い登坂を走行するために大きな瞬時電力を供給する必要があるので大型発電機と大量の二次電池が必要となり、搭乗者や搭載貨物に制限を与えてしまうなどの問題があり、これらの車両の電動化の普及はなかなか進んでいない。
【0004】
それに対して、先に特許提案を行ったプラグインレンジエクステンダーEV(PRE_EV: Plug-In Range Extended-Electrical Vehicle)車両は、地理情報システム(GIS)とGNSS(Global Navigation Satellite System/全地球測位衛星システム)を活用して、走行ルート上の位置情報や高度差等の路面情報を収集し、さらにこれまでの走行時に蓄積した走行データを用いる事で、走行前に発電計画(走行計画)の作成を行う事で効率的な走行を可能としている。また走行路に充電器が設定されていれば、そこでの充電(プラグイン)を組み入れた走行計画を立てる事も可能である
このように走行前にその日の走行計画に立てる事で、必要な発電量を事前に算出出来るので、走行中の適切な発電開始時期と発電期間を設定出来る事から発電機と二次電池の小型化が可能となる。走行開始後は、走行途中で逐次得られる走行データに基づいて当初の走行計画を修正しながら走行を行う。
【0005】
このように本プラグインレンジエクステンダー車両は、二次電池の充電量が少なくなればエンジンを用いた発電機を駆動させて二次電池に充電する、又は走行路途中で充電器から充電を行う。そのためEV車両の様に走行中での電欠の心配がなく、EV車両の課題であった走行距離の制限を撤廃する事が可能となり、非常に使い勝手の良い車両となり得る。さらに本プラグインレンジエクステンダーEV車両は走行時間の多くの割合は二次電池によるモーターで走るので、通常のエンジン駆動車両に比較して二酸化炭素の排出が大幅に減少出来る。さらに内燃機関からのエンジン音は限定的であり、その結果、かなりの走行時間において静かで乗り心地も優れている。そして燃料代を含む維持費はディーゼルエンジンの車両に比べて安いことから導入する利点は大きいと考えられる。
【0006】
提案者は以前にこのようなプラグインレンジエクステンダー技術を公共交通システムの主要車両の1つであるバスに応用した特許提案を行っている(特願2017-204209)。さらに、計画発電蓄電制御技術を搭載した大型トラック等の商用車を想定したプラグインレンジエクステンダー車両の構成方法についても(特願2018-194138)として特許提案済である。
【0007】
さらに、回生効率の高いIPMモーター(永久磁石内蔵型同期モーター)と、内部抵抗が一般のLiBに比較して一桁低いため大電流の入出が可能なSCiB二次電池を組み合わせる事で、走行中にブレーキを掛けた時や、長い下坂を走行する場合に、駆動モーターが発電機の役目となり回生電力を効率よく電池に蓄電が可能となり、走行エネルギーの効率化に寄与できる。
【0008】
回生係数Kは、垂直方向の位置エネルギーから計算されるエネルギー量と、フットブレーキを使わない停止までの運動エネルギーを加えた値から、実際に取り出せるエネルギーの比として定義される。回生係数は駆動モーター効率、インバータ効率、二次電池の充電効率からも影響される。そこで回生電力量Prは以下の式として表わされる。

回生電力量Pr=K(Σ(1/2)mΔv+ΣmgΔh)
m:車両重量、 Δv:減速の速度変化、g:重力加速度 Δh:下りの標高差

右辺のカッコ内の第一項は、重量mの車両がある速度から停止までの運動エネルギーであり、第二項は標高差Δhの時に重量mを持ち上げた時の位置エネルギーである。実際に回収出来る電力量Prは、これらの値に回生係数K(K < 1)を掛けた値となる。なお、Σは全走行中のそのような状態の考慮(累計)を表す。
一般に、走行に必要な消費エネルギーは以下の項目の合計となる。それらは転がり抵抗による消費エネルギー、空気抵抗による消費エネルギー、加速度時の消費エネルギー、登坂走行時の位置エネルギー、補器等の消費エネルギーであるが、この内、加速時のエネルギーは減速による回生電力として、位置エネルギーは下坂での走行による回生電力として回収する事が出来る。
【0009】
ここで、総重量が8トンの大型重量車両の回生電力量がどの程度が算出してみる。これまで行ったテスト走行での回生係数は約90%が得られたので、100kmを走行した時の回収電力量を求める事が可能である。例えば、水平移動時のフットブレーキを使わない場合の、50km/hの速度から停止するまでの回収電力量は以下から約0.21kWhとなる。

(1/2)mΔv=8000kg×(50km/h×50km/h)÷2=1×1013kg・m2/h=1÷(3.6×3.6)×10kg・m2/s=1÷46.66×10kWh=0.214kwh

ここで1kWh =3.6×106J= 3.6×106kgm2/s2、回生係数を0.9とすれば0.193kWhを回収出来る。

さらに、位置エネルギーによる回収電力量を求めると、100mの下坂を走行した時は以下となる。

mgΔh=8000kg x 9.81m/s2 x 100m=2.18kWh、回生係数を0.9とすれば1.96kWhとなる。
例えば、1日に100kmを走行時に累計の下坂の標高値Σhdを500mとし、50km/hの速度からの停止までの回数が20回と仮定すると走行全体での回収電力量は以下となる。

全体の回収電量量Pr=0.193kWh x 20 + 1.96kWh x 5=3.85kWh + 9.8kWh=13.65kWh

ここで回生電力を考慮した走行時の平均電費を2.5km/kWhとすると、100kmを走行する時の消費電力量Ptは以下となる。

Pt=100km÷2.5km/kWh=40kWh

上記により回収可能な電力量Prは13.65kWhなので、消費電力量Ptが40kWhとするとその内34%(= 13.65/40 x 100)は回生電力による走行となる。同格のディーゼルエンジン車では電力回収は出来ないので、元々消費燃料効率の良いPRE-EV車両は大きなアドバンテージを持っている事が分かる。また、回生電力はCO2を発生させないクリーンな電力なのでCO2の排出量を抑制する事ができて環境保全にも貢献出来るといえる。
なお、エンジンは以下の記述ではディーゼルエンジンを想定しているが、それに限定されたものではなく、ガソリンエンジンでも燃料発電機(所謂燃料電池)等でも構わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2016-181965
【特許文献2】特開平8-240435
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明によって解決しようとする課題は、これまでのシリーズハイブリッド車両ではエンジン稼働を控えたい状況(例えば長いトンネル、病院又は学芸区域等)、或いは長い急な登りの坂道を走行する場合等に備えて、搭載する大量の二次電池と大型発電機の搭載のために、バスでは座席数がトラックでは貨物搭載容量を犠牲になる課題があった。さらに、大型発電機用のエンジンは燃料消費量とそれに比例するCO2排出の削減に課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本提案では、走行前に地図情報から走行路の位置(緯度、経度)と高度情報と、車両からの平均水平電費、平均速度、車載重量等の情報を活用して、走行に最適な二次電池の使用時期とエンジン発電機による蓄電量を計算する事で、目的地点での二次電池の蓄電状態であるSOC(State Of Charge)の目標値を設定し、走行中のSOCの状況を表すSOCチャートの作成を行う。
走行中は車両情報と、GISやGNSSなどのICTを活用する事により、逐次、電池の蓄電状況を監視し、走行途中のSOC値がSOCチャートから設定した値以上に乖離した場合はSOCチャートを再作成する手段を有する。この結果、最適なタイミングで二次電池への充電開始及び停止が行える事から小型のエンジン発電機と小容量の二次電池の使用が可能となり、これまでの特にシリーズハイブリッド商用車両の課題を解決する事が出来る。
【0013】
さらに、回生効率の良いモーターと内部抵抗の低い大電流の入出が可能な二次電池を組み合わせる事で、走行途中での減速による回収電力及び、下坂での位置エネルギーによる回収電力を電池に蓄電する事が可能となり、消費エネルギーの削減及びCO2排出の削減が可能となる。
【0014】
また、位置エネルギーによって発生する回生電力の活用を積極的に取り入れる仕組みを取り入れ、例えば、坂の下で搭載のないトラックを坂の上まで走らせ、そこで重量のある貨物を積載して坂を下る事で位置エネルギーを最大限に収集する事が可能な事業形態が考えられる。さらに、複数台の同様な車両をコントロールセンターで制御する事で、効率的な配送計画を立てる事が出来る。これらの仕組みを以下に図を用いて説明する。
【0015】
図1aと図1bは横軸に走行距離を示し、縦軸は二次電池の蓄電状況(SOC)を示している。図1aはSGCCSを装備したPRE-EVのSOCチャートであり、図1bはSGCCSを装備していないEV車両の場合である。
図1a はPRE-EV車両が走行途中に長い下坂(B-C)を走行する例を示している。出発地点で外部充電によりSOCは満充電(SCH)の状態でEV走行を開始(a1)し、電池の蓄電量が下限(SCL)になった地点(b1)で発電を開始している。発電によってSOCは増加するが、この先に長い下り坂がある事が事前に分かっているのでSCHまで発電せずに、途中(c1)で発電を停止している。その後は電池残量で走行(c1-d1)を行い、下り坂の入り口(B)に設置されている充電器で充電を行うが、下り坂での回生電力が見積れるので充電電力量は(d1-e1)に留めておく。その後は走行では回生電力によるSOCの増加(e1-f1)があり、坂の出口で満充電となるように走行している。もし、SGCCSが装備されていない場合、Bでの充電器により(g1)まで充電した時には下り坂の途中で回生電力によってSOCの上限(SCH)に達する事が起こり、その後の回生される電力量(f1-h1)は破棄せざるを得なくなる。このようにSGCCSを装備することで、回生電力を十分に利用する事で走行途中での発電時間を最小に出来るので燃料消費の削減とCO2の削減に寄与できる。
図1bにはSGCCSを装備していないEV車両の走行状態を示す。充電器は下り坂(B-C)に到達する前のEとFに設置されている場合に、Eでの充電によってSOCはSCLからSCHまで増加し、その後の走行(c2-d2)により、次に充電器が設置されてる地点(F)で再度満充電を行うとすると下り坂によって回生電力(f2-i2)が見込まれる。しかし、SOCの増加途中でSCHに達してしまうので、SCH以上の見込める回生電力量(j2-i2)を無駄に破棄せざるを得ない。勿論、SGCCSを装備すればこのような無駄は省くことが可能である。
【0016】
図2では、坂の上に重量物を取り扱う、例えば工場、石積所、木材伐採場等(FTY)がある場合に、坂の下にある港の船(SP)から小型軽量の部品をPRE-EVトラック(TK1、TK2)に搭載して、坂の上にある工場(FTY)に届ける状況を現わしている。工場では重量のある製品を搭載して、PRE-EVトラックが下り坂での回生電力がSCHを超えない程度のSOCまで充電器(PS2)で充電を行った後で下り坂を走行する。勿論、坂の上に採石所や木材伐採場等から重量物を坂の下に降ろすだけの業務ならば、坂の下から走行するトラック(TK2)は荷物を積まない状態で走行し、坂の上で石や木材などの重量物を乗せて坂を下る事で、貨物の重量を加えた位置エネルギーに等価な回生電力を電池に蓄電が出来て、その後の走行に必要以上の回生電力が得られた場合は充電器(PS1)に給電する事も可能である。
【0017】
さらに、坂の上、又は下に、もしくは両方に充電器(PS1, PS2)を設置し、下坂の入口ではすでに満充電となっている車両が、下坂の走行で見込める回生電力量分を充電器(PS2)に供給する事で回生電力の無駄な廃棄を防ぐ事が可能となる。また、出口では回生電力で満充電に近くまで蓄電した車両が、これから先の目的地までの走行に必要な電力量よりも余る電力を、そこに設置された充電器(PS1)に給電する、又は、すでにSGCCS活用する事で事前に連絡を受けて待機している充電が必要なEV又はPRE-EVに必要な給電を行っても良い。
【0018】
余剰の回生電力を充電器に充電する時の売価価格は、市場価格よりも若干安価にする事で、充電器事業者の利益の後押しが出来る。又は、売価価格を市場価格よりも若干高価にする事で、積極的に回収電力を充電器に給電する事になり、エネルギーの有効活用に貢献出来る。
【0019】
図3はSGCCSを装備したPRE-EV車両と、同様にSGCCSを装備したEV車両の配送トラックが多数走行している様子を示している。これらの全ての車両のその日の配送計画を走行前にコントロールセンター(CTL)は把握しているので、どの車両がどこの充電器で充電、若しくは給電するかを計画的に実施可能となる。そのように制御する事で結果的に、その日の全体の車両の電力消費が最少となる配送計画を事前に立てる事が出来る。
図中には、充電器(PS)から車両(EV)が充電、もしくは充電器に車両(PRE-EV)が給電している状況以外に、車両同士(PRE-EVとEV、又は、PRE-EVとPRE-EV)で電力のシェアを行っている状況も表している。もし、走行路に充電器がまだ設置されていない地域では、PRE-EV車両とEV車両がタンデム走行する事で、EV車の電池残量が少なくなった時はPRE-EV車から給電する事が出来る。または、すでに走行計画上で、どこで落ち合って給電を行えるかが分かっているので、安心して配送業務を遂行できる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
SGCCS(計画発電蓄電制御技術)は、エンジン発電機で電池に充電し、その充電された電力でモーターを駆動する事によって走行するプラグインレンジエクステンダー車両の走行方式に関わり、走行前に走行途中に必要な発電量を見積もると共に、走行中はその発電量の修正を行う事で効率の良い走行が可能となる。そのため、走行中の減速状態や下坂での回生電力を事前に見積る事が出来る。それによって、個々の配送トラックの消費電力の効率的な走行に加えて、コントロールセンターがSGCCSを装備したPRE-EVトラック、EVトラックの、その日の配送運用を制御する事で、全車両のトータル消費電力量を最少に出来るのでCO2削減にも貢献出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1aはPRE-EV車両のSOCチャートを示し、図1bはEV車両のSOCチャートを示す図である
図2】坂の上と下に充電器を設置して、PRE-EV車両やEV車両が充電若しくは給電を実施する様子を示した図である
図3】PRE-EV車両やEV車両が多数配送している状態で、各車両は必要な充電及び給電を充電器又は車両同士で行う様子を示した図である
図1
図2
図3