(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150636
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20231005BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20231005BHJP
G02B 5/32 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
G02B5/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059851
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】杉山 圭司
(72)【発明者】
【氏名】笠澄 研一
(72)【発明者】
【氏名】葛原 聡
(72)【発明者】
【氏名】南 和博
【テーマコード(参考)】
2H199
2H249
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA12
2H199DA13
2H199DA25
2H199DA26
2H199DA28
2H199DA43
2H249CA01
2H249CA06
2H249CA08
2H249CA09
2H249CA22
3D344AA19
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】出射ホログラム素子から出射された画像を示す光の利用効率が低下することを抑制することができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、移動体(車両2)に設けられる曲面状の表示媒体(フロントウインド3)に画像を投影して虚像を表示する表示装置1であって、画像を示す光(画像光)を生成する画像生成装置20と、非矩形の四角形状をなした第1ホログラム素子(出射ホログラム素子43)を有する導光体30と、を備える。そして、第1ホログラム素子は、導光体30の内部を伝播する画像を示す光を表示媒体に向けて出射する。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設けられる曲面状の表示媒体に画像を投影して虚像を表示する表示装置であって、
画像を示す光を生成する画像生成装置と、
非矩形の四角形状をなした第1ホログラム素子を有する導光体と、を備え、
前記第1ホログラム素子は、前記導光体の内部を伝播する前記画像を示す光を前記表示媒体に向けて出射する
表示装置。
【請求項2】
前記移動体の全長方向に沿った方向において、前記移動体の内部から前記表示媒体を介して前記移動体の外部に向かう方向を前方向とし、前記前方向とは反対の方向を後方向とし、前記前方向及び前記後方向に直交し前記移動体の全幅方向に沿った方向を左右方向とした場合、
前記第1ホログラム素子の4つの辺のうち最も前記後方向側に位置する最後辺は、前記左右方向に対して傾いている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記最後辺は、前記第1ホログラム素子を平面視した場合、
前記画像を前記表示媒体における前記移動体の右側に投影するときには、前記左右方向に対して時計回りに傾いており、
前記画像を前記表示媒体における前記移動体の左側に投影するときには、前記左右方向に対して反時計回りに傾いている
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1ホログラム素子の4つの辺のうち最も前記前方向に位置する最前辺は、前記左右方向に対して前記最後辺と同じ方向に傾いている
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
少なくとも前記導光体は、前記導光体の表面が水平面に平行な姿勢から、前記水平面において、前記前後方向を軸として傾くように回動する
請求項2~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記導光体は、前記前方向に沿って前記導光体を見た場合、
前記画像を前記表示媒体における前記移動体の右側に投影するときには、前記左右方向に平行な状態に対して時計回りに傾いており、
前記画像を前記表示媒体における前記移動体の左側に投影するときには、前記左右方向に平行な状態に対して反時計回りに傾いている
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記導光体は、前記前方向に沿って前記導光体を見た場合、前記導光体が出射した前記画像を示す光の主光線と前記表示媒体との交点における前記表示媒体の接線と略平行な姿勢に近づくように配置されている
請求項5又は6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1ホログラム素子は、非矩形の四角形状の前記画像を示す光を前記移動体の前記表示媒体に向けて出射し、
前記表示媒体は、入射した前記非矩形の四角形状の光を矩形状の前記画像を示す光に形状変位させて反射する
請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記画像生成装置が出射する前記画像を示す光の光軸と、前記導光体が出射した前記画像を示す光の主光線とは、略平行である
請求項1~8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記導光体は、矩形状の第2ホログラム素子と矩形状の第3ホログラム素子とをさらに有し、
前記第2ホログラム素子は、前記画像生成装置が出射した前記画像を示す光が入射することで、前記画像を示す光を回折によって偏向して前記導光体の内部を伝播させ、
前記第3ホログラム素子は、前記第2ホログラム素子が偏向した前記画像を示す光をさらに回折によって偏向し、当該偏向した前記画像を示す光を前記導光体の内部を伝播させ、
前記第1ホログラム素子は、前記第3ホログラム素子が回折によって偏向した前記画像を示す光をさらに回折によって偏向し、当該偏向した前記画像を示す光を前記導光体の外部へ出射させる
請求項1~9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第2ホログラム素子は、前記移動体の全幅方向に沿った方向である左右方向に沿って長尺であり、
前記第1ホログラム素子は、前記第1ホログラム素子の4つの辺のうち最も後方向側に位置する最後辺が前記第2ホログラム素子の長辺と略平行となるように前記導光体の内部に配置されている
請求項10に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の虚像を生成する装置が開示されている。この装置は、画像を生成する画像生成ユニットと、虚像を生成するために湾曲したフロントガラスに向けて画像を投影する光学ユニットと、矩形状の出射ホログラムを有する光導光体とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の虚像を生成する装置をHUD(Head-Up Display)として使用する場合、出射ホログラムから出射された画像を示す光がフロントガラスに投影されるが、フロントガラスは曲面形状を有するため、出射ホログラムの形状をフロントガラスの曲面形状に応じた形状にすることが好ましい。しかしながら、特許文献1の虚像を生成する装置の矩形状の出射ホログラムから出射された画像を示す光では、本来使用されない画像を示す光が生じるため、光の利用効率が低下するという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、出射ホログラム素子から出射された画像を示す光の利用効率が低下することを抑制することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、移動体に設けられる曲面状の表示媒体に画像を投影して虚像を表示する表示装置であって、画像を示す光を生成する画像生成装置と、非矩形の四角形状をなした第1ホログラム素子を有する導光体と、を備え、前記第1ホログラム素子は、前記導光体の内部を伝播する前記画像を示す光を前記表示媒体に向けて出射する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の表示装置によれば、出射ホログラム素子から出射された画像を示す光の利用効率が低下することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、実施の形態に係る表示装置が設置される車両の一例を示す模式図である。
【
図1B】
図1Bは、実施の形態に係る表示装置及び車両を右方向に沿って見た場合を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る表示装置を右方向に沿って見た場合を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、実施の形態に係る表示装置を示す斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、左右方向とX軸方向、前後方向とY軸方向、及び、上下方向とZ軸方向の対応関係を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、矩形状のホログラム素子に対する実施の形態の第3ホログラム素子を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、表示装置から出射した画像光の形状と経路を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の変形例1に係る回動する表示装置及び車両を前方向に沿って見た場合を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施の形態の変形例1に係る回動する導光体及び車両を前方向に沿って見た場合を示す模式図である。
【
図7】
図7は、回動した表示装置の姿勢を示す模式図である。
【
図8】
図8は、実施の形態の変形例2に係る表示装置の導光体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0010】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0012】
また、以下の実施の形態において、略平行又は矩形状等の表現を用いている。例えば、略平行又は矩形状は、完全に平行又は矩形であることを意味するだけでなく、実質的に平行又は矩形である、すなわち数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略平行又は矩形状は、本開示による効果を奏し得る範囲において平行又は矩形という意味である。他の「略」、「状」を用いた表現についても同様である。
【0013】
(実施の形態)
<構成>
まず、表示装置1の構成について
図1A~
図4Cを用いて説明する。
【0014】
図1Aは、実施の形態に係る表示装置1が設置される車両2の一例を示す模式図である。
図1Bは、実施の形態に係る表示装置1及び車両2を右方向に沿って見た場合を示す模式図である。
図2は、実施の形態に係る表示装置1を右方向に沿って見た場合を示す図である。
図3Aは、実施の形態に係る表示装置1を示す斜視図である。
図3Bは、左右方向とX軸方向、前後方向とY軸方向、及び、上下方向とZ軸方向の対応関係を示す図である。
図4Aは、表示装置1を示す図である。
図4Aの(a)は表示装置1の正面図、
図4Aの(b)は表示装置1の側面図、
図4Aの(c)は表示装置1の前面図である。
図4Bは、矩形状のホログラム素子に対する実施の形態の出射ホログラム素子43を示す図である。
図4Cは、表示装置1から出射した画像光の形状と経路を示す図である。
図4Cでは、画像光が進む様子を破線の矢印で示している。
【0015】
図1Aでは、車両2の全長方向に沿った方向において、車両2の内部からフロントウインド3を介して車両2の外部に向かう方向を前方向としている。つまり、前方向は車両2の進行方向である。また、前方向とは反対の方向を後方向とする。また、前方向及び後方向に直交し車両2の全幅方向に沿った方向を左右方向とする。左右方向において、ユーザが車両2の内部から前方向に沿って見た場合、ユーザの右手側を右方向とし、ユーザの左手側を左方向とする。表示装置1がフロントウインド3に向けて出射する画像を示す光の方向を上方向とする。また、上方向とは反対の方向を下方向とする。
図3Aでは、入射ホログラム素子41に対する折返ホログラム素子42の並び方向をX軸プラス方向と規定し、出射ホログラム素子43に対する折返ホログラム素子42の並び方向をY軸プラス方向と規定し、画像生成装置20に対する入射ホログラム素子41の並び方向をZ軸プラス方向と規定する。また、左右方向とX軸方向、前後方向とY軸方向、及び、上下方向とZ軸方向の対応関係を
図3Bに示している。
図3Bに示すように、Y軸方向は、上下方向と前後方向の二点鎖線で示す仮想平面上において、X軸方向を軸として前後方向に対して傾いている。Y軸プラス方向側は表示装置1の前方向側に対応し、Y軸マイナス方向側は表示装置1の後方向側に対応している。また、X軸プラス方向は表示装置1の右方向と略平行であり、X軸マイナス方向は表示装置1の左方向と略平行であり、Z軸プラス方向は表示装置1の上方向と略平行であり、Z軸マイナス方向は表示装置1の下方向と略平行である。
図3Bの対応関係は、各図に適用される。
【0016】
図1A及び
図1Bに示すように、表示装置1は、例えば、自動車等の車両2のダッシュボード(インストルメントパネルともいう)に配置されている。車両2のダッシュボードの上方には、フロントウインド3(フロントシールドともいう)が配置されている。表示装置1の導光体30は、ダッシュボードとフロントウインド3との間に配置されている。導光体30は、入射面31a及び出射面31bを有する導光板31に回折光学素子を内包した構成である。導光体30の具体的な構成については後述する。また、フロントウインド3は、表示媒体の一例である。
【0017】
表示装置1は、運転者又は同乗者等であるユーザに対して、導光体30から出射された画像を示す光である画像光をフロントウインド3に反射させることで、ユーザのアイボックスに画像光を入射させることができる。つまり、表示装置1は、画像生成装置20が出射する画像光に示される画像をフロントウインド3の前方に投影させることで、画像に対応する虚像をフロントウインド3に表示させることができる。画像光は、画像を示す光であり、フロントウインド3の前方に虚像として表示される光である。画像は、静止画像又は動画像であり、数字、文字又は図形等の画像である。
【0018】
図1A及び
図2に示すように、表示装置1は、画像生成装置20と、導光体30とを備える。
【0019】
<画像生成装置20>
画像生成装置20は、外形が矩形状の画像を示す画像光を出射することで、所定の画像を、導光体30を介してフロントウインド3に投影させることができる。画像生成装置20は、矩形状の出射面から画像光を出射することができる。画像生成装置20から出射された画像光は、導光体30に入射して透過した後に、導光体30から出射されることで、フロントウインド3に照射される。これにより、画像光がフロントウインド3に反射されることで、画像がフロントウインド3に投影されてユーザに虚像が認識される。
【0020】
画像生成装置20は、複数のエミッタと、複数のダイクロイックミラーと、集光レンズと、ミラーと、出射面とを有する。
【0021】
複数のエミッタのそれぞれは、互いに異なり、所定の波長帯域の光である光線を出射する。複数のダイクロイックミラーのそれぞれは、エミッタが出射する光線上に配置され、所定の波長帯域の光線を反射させ、他の波長帯域の光線を透過させることができる。集光レンズは、ダイクロイックミラーを介して出射された光線を複数のミラーに対して集光するレンズである。出射面は、マイクロレンズアレイ等のスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等の液晶表示素子であり、ミラー側から複数の波長帯域の光線が照射されることで、透過した光を画像光として出射することができる。
【0022】
なお、画像生成装置20は、反射型液晶素子を用いてもよい。この場合、反射型液晶素子に複数の波長帯域の光線が照射されることで、反射した光を画像光として出射することができる。
【0023】
<導光体30>
図2、
図3A及び
図4Aに示すように、導光体30は、画像光が示す画像をユーザに表示するホログラム導光体である。導光体30は、画像生成装置20が出射した画像光に示される画像をX軸方向及びY軸方向に引き延ばして出射することができる。
【0024】
導光体30は、XY平面と略平行な矩形状をなした平板状をなしている。導光体30は、入射面31aが画像生成装置20と対向するように配置されている。
【0025】
導光体30は、導光板31と、入射ホログラム素子41と、折返ホログラム素子42と、出射ホログラム素子43とを有する。
【0026】
導光板31は、透光性を有し、XY平面と略平行な矩形状をなした平板状である。導光板31は、入射面31aと、出射面31bとを有する。
【0027】
入射面31aは、画像生成装置20の出射面から出射された画像光が入射する。入射面31aは、矩形状をなした導光板31の裏面の一部であり、裏面における4つの角部のうちの1つの角部に位置している。裏面は、導光板31の出射面31bと反対側の面である。
【0028】
出射面31bは、入射面31aから入射した画像光であり、導光板31の内部を伝播した画像光をフロントウインド3に向けて出射する。出射面31bは、フロントウインド3と対向し、フロントウインド3と所定距離離れている。出射面31bは、導光板31の表面の一部である。
【0029】
入射ホログラム素子41は、導光板31に内包された光透過型の入射回折光学素子である。入射ホログラム素子41は、矩形状の板状をなしている。入射ホログラム素子41は、第2ホログラム素子の一例である。
【0030】
入射ホログラム素子41及び折返ホログラム素子42は、X軸方向に沿って並んで配置されている。折返ホログラム素子42及び出射ホログラム素子43は、Y軸方向に沿って並んで配置されている。
【0031】
入射ホログラム素子41は、画像生成装置20の出射面から出射されたZ軸プラス方向に沿って進む画像光であって、入射面31aから入射した画像光を回折によって偏向させた第1偏向光を出射することができる。具体的には、入射ホログラム素子41は、画像光が導光体30内を伝播する際に、自身の回折効率に応じて、画像光を回折によって偏向することでX軸プラス方向に沿って導光する第1偏向光(画像光)として出射する。入射ホログラム素子41で回折によって偏向された第1偏向光は、折返ホログラム素子42に入射する。
【0032】
折返ホログラム素子42は、導光板31に内包され、光透過型の出射回折光学素子である。折返ホログラム素子42は、X軸方向に沿って長尺な板状をなしている。折返ホログラム素子42は、第3ホログラム素子の一例である。
【0033】
折返ホログラム素子42は、入射ホログラム素子41のX軸プラス方向側であり、入射ホログラム素子41の光出射側に配置され、かつ、出射ホログラム素子43のY軸プラス方向側であり、出射ホログラム素子43の光入射側に沿って配置されている。
【0034】
折返ホログラム素子42には、入射面に入射した画像光であって、入射ホログラム素子41で回折によって偏向された第1偏向光が入射する。折返ホログラム素子42は、入射ホログラム素子41を透過した第1偏向光が入射(透過)するたびに、入射した第1偏向光をさらに回折によって偏向させた第2偏向光(画像光)を出射ホログラム素子43に向けて出射する。具体的には、折返ホログラム素子42は、第1偏向光がX軸プラス方向に沿って導光体30内を伝播する際に、自身の回折効率に応じて、第1偏向光を回折によって偏向することでY軸マイナス方向に沿って伝播する第2偏向光(画像光)として出射する。このとき、折返ホログラム素子42は、画像光の画像をX軸方向に引き延ばす役割を果たす。折返ホログラム素子42は、Y軸マイナス方向に第2偏向光を出射する。第2偏向光は、出射ホログラム素子43に入射する。
【0035】
なお、折返ホログラム素子42の回折効率は、入射ホログラム素子41に近いほど低く、入射ホログラム素子41から離れるほど高く設定されていてもよい。このことにより、表示する画像の均一性を向上させることができる。
【0036】
出射ホログラム素子43は、導光板31に内包された光透過型の出射回折光学素子である。出射ホログラム素子43は、非矩形状をなした板状をなしている。出射ホログラム素子43は、第1ホログラム素子の一例である。
【0037】
出射ホログラム素子43は、折返ホログラム素子42よりも、Y軸マイナス方向側であり、折返ホログラム素子42の光入射側と対向するように配置されている。また、出射ホログラム素子43は、導光体30の出射面31bと重なりかつ対向するように配置されている。
【0038】
図4Aの(a)に示すように、導光体30を平面視した場合、出射ホログラム素子43の4つの辺のうち最も後方向側(Y軸マイナス方向側)に位置する最後辺43aは、左右方向に対して傾いている。つまり、出射ホログラム素子43の4つの辺のうちのユーザ側に位置する最後辺43aは、X軸方向に対して傾いており、導光板31のY軸マイナス方向側の端縁に対しても傾いている。
【0039】
具体的には、最後辺43aは、出射ホログラム素子43を平面視した場合、画像をフロントウインド3における車両2の右側に投影するときには、左右方向に対して時計回りに傾いている。つまり、表示装置1を車両2の右側に配置した場合、最後辺43aは、左右方向に対して時計回りに傾いている。
【0040】
また、最後辺43aは、出射ホログラム素子43を平面視した場合、画像をフロントウインド3における車両2の左側に投影するときには、左右方向に対して反時計回りに傾いている。つまり、表示装置1を車両2の左側に配置した場合、最後辺43aは、左右方向に対して反時計回りに傾いている。
【0041】
最前辺43bは、左右方向に対して最後辺43aと同じ方向に傾いている。つまり、出射ホログラム素子43の4つの辺のうちの最も前方向に位置する最前辺43bは、左右方向に対して傾いており、折返ホログラム素子42の長手方向に対しても傾いている。
図3A等では、最前辺43b及び最後辺43aが左右方向に対して時計回りに傾いている場合を例示している。
【0042】
出射ホログラム素子43には、折返ホログラム素子42から出射された第2偏向光が入射する。出射ホログラム素子43は、折返ホログラム素子42を透過した第2偏向光が入射(透過)するたびに、入射した第2偏向光をさらに回折によって偏向させた第3偏向光(画像光)を所定の出射角をもって出射する。具体的には、出射ホログラム素子43は、折返ホログラム素子42が回折によって偏向した第2偏向光がY軸マイナス方向に沿って導光体30内を伝播する際に、自身の回折効率に応じて、第2偏向光を回折によって偏向し、Z軸プラス方向に沿って伝播する第3偏向光として出射する。このとき、出射ホログラム素子43は、X軸方向に沿って引き延ばされた第2偏向光の画像をさらにY軸方向に引き延ばす役割を果たす。つまり、出射ホログラム素子43は、画像生成装置20が出射した画像光が示す画像をさらにY軸方向に引き延ばすことで、X軸方向及びY軸方向に拡大した画像の画像光を出射することができる。また、出射ホログラム素子43は、第3偏向光つまり画像光をZ軸プラス方向に出射する。画像光は、出射面31bから出射される。これにより、出射面31bから出射された画像光は、フロントウインド3に入射する。
【0043】
なお、出射ホログラム素子43の回折効率は、折返ホログラム素子42に近いほど低く、折返ホログラム素子42から離れるほど高く設定されていてもよい。
【0044】
出射ホログラム素子43の出射面から出射される第3偏向光の出射角は、出射ホログラム素子43の出射面の法線に対して出射する光の角度である。
【0045】
また、出射ホログラム素子43は、第3偏向光の出射角のそれぞれが異なるように、出射する画像光を発散させてもよい。出射ホログラム素子43は、入射する画像光を回折によって偏向させる際に、出射ホログラム素子43上の位置(部分)によって出射角を異ならせてもよい。これにより、出射ホログラム素子43は、出射ホログラム素子43が回折によって偏向した画像光のうちの一部の画像光の出射角をそれぞれ異ならせることができる。
【0046】
<動作>
このような表示装置1では、画像生成装置20の出射面から出射された画像光は、導光板31の入射面31aに入射して導光体30内を伝播して入射ホログラム素子41に入射する。入射ホログラム素子41に入射した画像光は、入射ホログラム素子41で回折によって偏向されることで、第1偏向光として入射ホログラム素子41から出射される。入射ホログラム素子41が出射した第1偏向光は、折返ホログラム素子42に入射し、一部が回折によって偏向されて第2偏向光として折返ホログラム素子42から出射し、残りが導光板31を伝播しながら表面と裏面とで反射して、再度、折返ホログラム素子42に入射する。第1偏向光が折返ホログラム素子42で、再度、回折によって偏向して第2偏向光として出射されることで、画像生成装置20が出射した画像光は、折返ホログラム素子42によってX軸方向に引き延ばされる。折返ホログラム素子42が出射した第2偏向光は、出射ホログラム素子43に入射し、一部が回折によって偏向されて第3偏向光として出射ホログラム素子43から出射し、残りが導光板31を伝播しながら表面と裏面とで反射して、再度、出射ホログラム素子43に入射する。第2偏向光が出射ホログラム素子43で、再度、回折によって偏向して第3偏向光として出射されることで、折返ホログラム素子42によってX軸方向に引き延ばされた第2偏向光は、出射ホログラム素子43によってY軸方向に引き延ばされる。これにより、画像生成装置20が出射した画像光が示す画像は、拡大される。出射ホログラム素子43で再度、回折によって偏向されることで、第2偏向光は、第3偏向光として出射ホログラム素子43から出射され、第3偏向光(画像光)は、出射面31bから出射される。
【0047】
このように、出射ホログラム素子43は、非矩形の四角形状の画像光を車両2のフロントウインド3に向けて出射する。フロントウインド3は、入射した非矩形の四角形状の画像光を矩形状の画像光に形状変位させて反射する。フロントウインド3で反射された画像光は、車両2のユーザのアイボックスに向かう。
【0048】
このため、ユーザは、車両2の進行方向におけるフロントウインド3を介して見える前方の景色上に、表示装置1が表示した虚像を重ね合わせて見ることができる。
【0049】
<作用効果>
次に、本実施の形態における表示装置1の作用効果について説明する。
【0050】
上述したように、本実施の形態に係る表示装置1は、移動体(車両2)に設けられる曲面状の表示媒体(フロントウインド3)に画像を投影して虚像を表示する表示装置1であって、画像を示す光(画像光)を生成する画像生成装置20と、非矩形の四角形状をなした第1ホログラム素子(出射ホログラム素子43)を有する導光体30と、を備える。そして、第1ホログラム素子は、導光体30の内部を伝播する画像を示す光を表示媒体に向けて出射する。
【0051】
例えば、
図4Bの二点鎖線で示すように、矩形状の出射ホログラムから出射された画像光では、
図4Bの斜線のハッチングで示すように、フロントウインドへの虚像の表示に関わりの無い光が出射ホログラムから出射されてしまう。このため、矩形状の出射ホログラムから出射された画像を示す光では、光の利用効率が低下してしまう。
【0052】
しかしながら、本実施の形態によれば、曲面状のフロントウインド3に応じて、出射ホログラム素子43の形状を非矩形の四角形状にすることができる。これにより、
図4Cに示すように、出射ホログラム素子43から出射された非矩形の画像光は、フロントウインド3で反射した後で、画像生成装置20が出射した画像光の外形と同様の形状、つまり矩形状になる。つまり、表示装置1は、従来技術よりも、フロントウインド3への虚像の表示に関わりのある画像光を出射することができる。
【0053】
したがって、表示装置1は、出射ホログラム素子43から出射された画像を示す光の利用効率が低下することを抑制することができる。
【0054】
特に、本実施の形態の表示装置1では、従来技術に比べて、フロントウインド3への虚像の表示に関わりの無い光が出射され難いため、迷光の発生を抑制することができる。
【0055】
また、本実施の形態に係る表示装置1において、移動体の全長方向に沿った方向において、移動体の内部から表示媒体を介して移動体の外部に向かう方向を前方向とし、前方向とは反対の方向を後方向とし、前方向及び後方向に直交し移動体の全幅方向に沿った方向を左右方向とした場合、第1ホログラム素子の4つの辺のうち最も後方向側に位置する最後辺43aは、左右方向に対して傾いている。
【0056】
例えば、最後辺と導光体の端縁との間に出射ホログラム素子が配置されていれば、フロントウインドへの虚像の表示に関わりの無い光が出射されてしまう。
【0057】
しかしながら、本実施の形態によれば、曲面状のフロントウインド3に応じて最後辺43aを傾けることで、最後辺43aと導光体30の端縁との間に出射ホログラム素子43を配置しないようにすることができる。このため、フロントウインド3への虚像の表示に関わりの無い光が出射されてしまうことを抑制することができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る表示装置1において、最後辺43aは、第1ホログラム素子を平面視した場合、画像を表示媒体における移動体の右側に投影するときには、左右方向に対して時計回りに傾いており、画像を表示媒体における移動体の左側に投影するときには、左右方向に対して反時計回りに傾いている。
【0059】
これによれば、車両2の右側のフロントウインド3で反射された画像光は、左右方向に対して時計回りに傾いた最後辺43aを反時計回りに回転させて反射する。また、車両2の左側のフロントウインド3で反射された画像光は、左右方向に対して反時計回りに傾いた最後辺43aを時計回りに回転させて反射する。このため、画像生成装置20が出射した画像光の外形と同様の形状である矩形状の画像をフロントウインド3に投影させることができる。したがって、フロントウインド3に投影された画像が歪まないように表示させることができる。
【0060】
また、本実施の形態に係る表示装置1において、第1ホログラム素子の4つの辺のうち最も前方向に位置する最前辺43bは、左右方向に対して最後辺43aと同じ方向に傾いている。
【0061】
例えば、最前辺43bと導光体30の端縁との間に出射ホログラム素子43が配置されていれば、フロントウインド3への虚像の表示に関わりの無い光が出射されてしまう。
【0062】
しかしながら、本実施の形態によれば、曲面状のフロントウインド3に応じて最前辺43bを傾けることで、最前辺43bと導光体30の端縁との間に出射ホログラム素子43を配置しないようにすることができる。このため、フロントウインド3への虚像の表示に関わりの無い光が出射されてしまうことを抑制することができる。
【0063】
また、本実施の形態に係る表示装置1において、第1ホログラム素子は、非矩形の四角形状の画像を示す光を移動体の表示媒体に向けて出射する。そして、表示媒体は、入射した非矩形の四角形状の光を矩形状の画像を示す光に形状変位させて反射する。
【0064】
これによれば、出射ホログラム素子43が出射した非矩形の四角形状の画像光が曲面状のフロントウインド3で反射することで、矩形状の画像光に形状変位させることができる。その結果、ユーザのアイボックスに矩形状の画像光が入射するため、ユーザは違和感なくフロントウインド3に投影された虚像を認識することができる。
【0065】
また、本実施の形態に係る表示装置1において、導光体30は、矩形状の第2ホログラム素子(折返ホログラム素子42)と矩形状の第3ホログラム素子(入射ホログラム素子41)とをさらに有する。また、第2ホログラム素子は、画像生成装置20が出射した画像を示す光が入射することで、画像を示す光を回折によって偏向して導光体30の内部を伝播させる。また、第3ホログラム素子は、第2ホログラム素子が偏向した画像を示す光をさらに回折によって偏向し、当該偏向した画像を示す光を導光体30の内部を伝播させる。そして、第1ホログラム素子は、第3ホログラム素子が回折によって偏向した画像を示す光をさらに回折によって偏向し、当該偏向した画像を示す光を導光体30の外部へ出射させる。
【0066】
これによれば、画像生成装置20が出射した画像光が示す画像のサイズを入射ホログラム素子41と折返ホログラム素子42と出射ホログラム素子43とで大きくして、フロントウインド3に投影することができる。このため、ユーザに視認できる画像の大きさにして表示することができる。
【0067】
(実施の形態の変形例1)
本変形例では、表示装置1aが回動する点で実施の形態の表示装置と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態の表示装置と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0068】
表示装置1aの構成について
図5~
図7を用いて説明する。
【0069】
図5は、実施の形態の変形例1に係る回動する表示装置1a及び車両2を前方向に沿って見た場合を示す模式図である。
図6は、実施の形態の変形例1に係る回動する導光体30及び車両2を前方向に沿って見た場合を示す模式図である。
図7は、回動した表示装置1aの姿勢を示す模式図である。
【0070】
本変形例では、
図5及び
図6に示すように、少なくとも導光体30が左右方向を軸として回動、前後方向を軸として回動することができる。
【0071】
例えば、
図5に示すように、表示装置1a全体が、導光体30の表面が水平面に平行な姿勢から、左右方向を軸として水平面に対して傾くように回動してもよい。また、表示装置1a全体が、導光体30の表面が水平面に平行な姿勢から、前後方向を軸として水平面に対して傾くように回動してもよい。
【0072】
また、
図6に示すように、表示装置1aにおいて、導光体30だけが、導光体30の表面が水平面に平行な姿勢から、前後方向を軸として水平面に対して傾くように回動してもよい。また、表示装置1aにおいて、導光体30だけが、導光体30の表面が水平面に平行な姿勢から、左右方向を軸として水平面に対して傾くように回動してもよい。この場合、画像生成装置20は、車両2に固定されて回動しない。
【0073】
また、導光体30は、前方向に沿って導光体30を見た場合、画像をフロントウインド3における車両2の右側に投影するときには、左右方向に平行な状態から前後方向を軸として時計回りに傾いていてもよい。つまり、表示装置1aを車両2の右側に配置した場合、導光体30は、左右方向に平行な状態に対して時計回りに傾いた姿勢で配置されてもよい。
【0074】
また、導光体30は、前方向に沿って導光体30を見た場合、画像をフロントウインド3における車両2の左側に投影するときには、左右方向に平行な状態から前後方向を軸として反時計回りに傾いていてもよい。つまり、表示装置1aを車両2の左側に配置した場合、導光体30は、左右方向に平行な状態に対して反時計回りに傾いた姿勢で配置されてもよい。
【0075】
また、
図7に示すように、導光体30は、前方向に沿って導光体30を見た場合、画像生成装置20が出射した画像光の主光線とフロントウインド3との交点A1におけるフロントウインド3の接線と略平行な姿勢に近づくように配置されている。具体的には、交点A1に接する平面と導光体30の表面とが略平行となるように、少なくとも導光体30の姿勢を傾けることができる。
【0076】
このように、少なくとも導光体30の姿勢を調節することで、画像生成装置20が出射する画像を示す光の光軸と、導光体30が出射した画像を示す光の主光線とを略平行にする。
【0077】
このような本変形例の表示装置1aにおいて、少なくとも導光体30は、導光体30の表面が水平面に平行な姿勢から、水平面において、前後方向を軸として傾くように回動する。
【0078】
これによれば、表示装置1a全体が回動する場合、画像生成装置20が出射する画像光の照射方向と、導光体30から出射される画像光の照射方向とが平行となるように表示装置1aの姿勢を調節することができる。このため、フロントウインド3に投影された画像の像ボケを抑制することができる。
【0079】
また、導光体30だけが回動する場合、画像生成装置20に対する導光体30の姿勢を変更することができるため、画像生成装置20が出射する画像光の照射方向と、導光体30から出射される画像光の照射方向とが平行となるように導光体30の姿勢を調節することができる。このため、フロントウインド3に投影された画像の像ボケを抑制することができる。
【0080】
また、本変形例の表示装置1aにおいて、導光体30は、前方向に沿って導光体30を見た場合、画像を表示媒体における移動体の右側に投影するときには、左右方向に平行な状態に対して時計回りに傾いており、画像を表示媒体における移動体の左側に投影するときには、左右方向に平行な状態に対して反時計回りに傾いている。
【0081】
例えば、フロントウインドの左側又は右側の曲率が大きいほど、フロントウインドと導光体とが非平行な姿勢となるこことで、出射ホログラム素子の非矩形の四角形状における鋭角の角度が小さくなる傾向にある。この場合、出射ホログラム素子が長尺化するため、導光体が大型化してしまう。
【0082】
しかしながら、本変形例によれば、導光体30とフロントウインド3とが略平行となるように導光体30の姿勢を調節することができる。このため、出射ホログラム素子43の非矩形の四角形状における鋭角の角度が小さくなりすぎてしまうことを抑制することができる。その結果、出射ホログラム素子43の長尺化が抑制されるため、導光体30の大型化を抑制することができる。
【0083】
また、本変形例の表示装置1aにおいて、導光体30は、前方向に沿って導光体30を見た場合、画像生成装置20が出射した画像を示す光の主光線と表示媒体との交点A1における表示媒体の接線と略平行な姿勢に近づくように配置されている。
【0084】
これによれば、導光体30の表面とフロントウインド3とが略平行となるように導光体30を配置することができる。このため、出射ホログラム素子43の非矩形の四角形状における鋭角の角度が小さくなりすぎてしまうことをより確実に抑制することができる。その結果、出射ホログラム素子43の長尺化が抑制されるため、導光体30の大型化をより確実に抑制することができる。
【0085】
また、本変形例の表示装置1aにおいて、画像生成装置20が出射する画像を示す光の光軸と、導光体30が出射した画像を示す光の主光線とは、略平行である。
【0086】
画像生成装置が出射する画像を示す光の光軸と、導光体が出射した画像を示す光の主光線とが非平行であれば、導光体への画像生成装置が出射した画像光の入射角と、導光体が出射した画像光の主光線の出射角とが非平行となる。この場合、フロントウインドに投影された画像の像ボケが発生してしまう。
【0087】
しかしながら、本変形例の表示装置1aによれば、フロントウインド3に投影された画像の像ボケを抑制することができる。
【0088】
(実施の形態の変形例2)
本変形例では、表示装置1bの出射ホログラム素子43の最後辺43aが折返ホログラム素子42の長手方向と略平行となるように出射ホログラム素子43が配置されている点で実施の形態の表示装置と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態の表示装置と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0089】
表示装置1bにおける導光体30の構成について
図8を用いて説明する。
【0090】
図8は、実施の形態の変形例2に係る表示装置1bの導光体30を示す平面図である。
【0091】
本変形例では、二点鎖線で示す実施の形態のような回転前の導光体に対して、本変形例の導光体30aは、表面がX-Y平面と略平行な姿勢を基準とした場合、X軸方向及びY軸方向に対して時計回り又は反時計回りに回転している。つまり、導光体30aは、実施の形態のような回転前の導光体に比べて、Z軸方向を軸として、時計回り又は反時計回りに回転させている。本変形例の出射ホログラム素子43は、実施の形態の出射ホログラム素子と、車両2内における配置位置が略同一である。
【0092】
具体的には、表示装置1bを車両2の右側に配置した場合、出射ホログラム素子43を除く表示装置1bの配置位置がZ軸方向を軸にして、時計回りに回転して配置される。
【0093】
また、表示装置1bを車両2の左側に配置した場合、出射ホログラム素子43を除く表示装置1bの配置位置がZ軸方向を軸にして、反時計回りに回転して配置される。
【0094】
出射ホログラム素子43の最前辺43b又は最後辺43aが折返ホログラム素子42の長辺に平行な長手方向と略平行となる姿勢で、出射ホログラム素子43が導光板31の内部に配置されている。
図8では、出射ホログラム素子43は、最後辺43aが折返ホログラム素子42の長辺と平行に近づく姿勢となるように、出射ホログラム素子43が導光板31の内部に配置されている。最前辺43bは、折返ホログラム素子42から出射される第2偏向光と直交するように、導光板31の内部に配置されている。
【0095】
このような本変形例の表示装置1bにおいて、第2ホログラム素子は、移動体の全幅方向に沿った方向である左右方向に沿って長尺である。そして、第1ホログラム素子は、第1ホログラム素子の4つの辺のうち最も後方向側に位置する最後辺43aが第2ホログラム素子の長辺と略平行となるように導光体30の内部に配置されている。
【0096】
これによれば、最後辺43aと折返ホログラム素子42との間のスペースを小さくすることができるため、最後辺43aと折返ホログラム素子42とが非平行となるように導光体30の内部に配置する場合に比べて、導光板31の大型化を抑制することができる。
【0097】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る表示装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0098】
なお、上記の実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本開示は、車両のヘッドアップディスプレイ装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0100】
1、1a、1b 表示装置
2 車両(移動体)
3 フロントウインド(表示媒体)
20 画像生成装置
30、30a 導光体
41 入射ホログラム素子(第2ホログラム素子)
42 折返ホログラム素子(第3ホログラム素子)
43 出射ホログラム素子(第1ホログラム素子)
43a 最後辺
43b 最前辺