(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150642
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】機器搬入固定装置
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20231005BHJP
D06F 58/20 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H05K5/02 L
D06F58/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059859
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】北村 知也
(72)【発明者】
【氏名】石木 達也
(72)【発明者】
【氏名】日下 淳
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
【テーマコード(参考)】
3B166
4E360
【Fターム(参考)】
3B166AA02
3B166AA24
3B166AA38
3B166AE01
3B166AE02
3B166BA23
3B166BA88
4E360AB02
4E360AB23
4E360AB24
4E360AC01
4E360AC18
4E360EC05
4E360EC13
4E360ED02
4E360ED17
4E360GA03
4E360GA28
4E360GA60
(57)【要約】
【課題】少ない労力で安定した機器の移動を実現しながらも、機器が固定状態にあるときの騒音の発生を十分に低減できる機器搬入固定装置を提供する。
【解決手段】機器10の脚部10aに取り付けられる機器側レール部材L2と、機器設置箇所23に取り付け可能であると共に、機器設置箇所23への取付状態において、機器側レール部材L2を嵌合して固定位置の手前側から固定位置である奥側へ向けて摺動自在な設置箇所側レール部材L1と、機器側レール部材L2と設置箇所側レール部材L1とを、機器10を固定位置に位置させた状態で締付固定する締付固定部材DTとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を所定の固定位置まで移動させて固定する機器搬入固定装置であって、
前記機器の脚部に取り付けられる機器側レール部材と、
機器設置箇所に取り付け可能であると共に、前記機器設置箇所への取付状態において、前記機器側レール部材に嵌合して前記固定位置の手前側から前記固定位置である奥側へ向けて摺動自在な設置箇所側レール部材と、
前記機器側レール部材と前記設置箇所側レール部材とを、前記機器を前記固定位置に位置させた状態で締付固定する締付固定部材とを備える機器搬入固定装置。
【請求項2】
前記設置箇所側レール部材は、前記機器側レール部材の外側を外囲する形状を有すると共に、前記手前側から前記奥側へ向けて徐々に幅狭となる先細り形状であり、
前記設置箇所側レール部材は、前記固定位置において、前記機器側レール部材を前記奥側で挟持して固定する請求項1に記載の機器搬入固定装置。
【請求項3】
前記締付固定部材は、前記手前側にて、前記設置箇所側レール部材を長手方向視で外側から締め付けて弾性変形させる形態で、前記機器側レール部材に固定する弾性締付部材である請求項2に記載の機器搬入固定装置。
【請求項4】
前記締付固定部材は、前記機器側レール部材と前記設置箇所側レール部材の双方に前記手前側にて形成されるビス孔を挿通する形で、前記機器側レール部材と前記設置箇所側レール部材とを互いに固定する螺子部材である請求項1~3の何れか一項に記載の機器搬入固定装置。
【請求項5】
前記機器側レール部材と前記設置箇所側レール部材とが互いに接触して摺動する摺動面のうち何れか一方には、振動を低減する振動低減部材が設けられている請求項1~4の何れか一項に記載の機器搬入固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器を所定の固定位置まで移動させて固定する機器搬入固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、衣類乾燥機等の比較的重量のある機器を固定可能な機器スタンド装置が知られている。このような機器スタンド装置では、機器をスタンドの上部から載置させ、所定位置に移動させた後に、ビス等で固定する形で使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すような機器スタンド装置に機器を設置する場合、非常に大きい労力を要する。特に、棚等の台に設置する場合、設置箇所の周囲にスペースが少ないときには、設置の際に壁や棚等に接触することで、棚や機器を傷つける虞がある。
労力の軽減や機器の安定した移動のために、レールを利用して設定することが考えられるが、機器が衣類乾燥機等の運転時に振動を伴うものである場合、当該振動によりレール同士の干渉による干渉音(騒音)が発生する。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、少ない労力で安定した機器の移動を実現しながらも、機器が固定状態にあるときの騒音の発生を十分に低減できる機器搬入固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための機器搬入固定装置は、
機器を所定の固定位置まで移動させて固定する機器搬入固定装置であって、その特徴構成は、
前記機器の脚部に取り付けられる機器側レール部材と、
機器設置箇所に取り付け可能であると共に、前記機器設置箇所への取付状態において、前記機器側レール部材に嵌合して前記固定位置の手前側から前記固定位置である奥側へ向けて摺動自在な設置箇所側レール部材と、
前記機器側レール部材と前記設置箇所側レール部材とを、前記機器を前記固定位置に位置させた状態で締付固定する締付固定部材とを備える点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、設置箇所まで移動させて固定するまでにバランスを崩す等して周囲の壁面等を傷つける虞のある比較的重量がある機器を搬入対象とする場合であっても、当該機器に取り付けられる機器側レール部材を、機器設置箇所に取り付けられる設置箇所側レール部材に嵌合させて摺動移動させることで、機器の移動中にバランスを崩すことなく安定して固定位置まで移動させることができる。
更に、固定位置まで移動させた後には、締付固定部材により機器側レール部材と設置箇所側レール部材とを機器を固定位置に位置させた状態で締付固定するから、機器を固定位置へ良好に固定しつつも、機器側レール部材と設置箇所側レール部材とを締め付けて両者の接触面同士が干渉して干渉音が生じることを良好に防止できる。
【0008】
機器搬入固定装置の更なる特徴構成は、
前記設置箇所側レール部材は、前記機器側レール部材の外側を外囲する形状を有すると共に、前記手前側から前記奥側へ向けて徐々に幅狭となる先細り形状であり、
前記設置箇所側レール部材は、前記固定位置において、前記機器側レール部材を前記奥側で挟持して固定する点にある。
【0009】
通常、機器が設置される固定位置は、機器の背面側としての奥側が壁面であることが多く、当該背面側では、機器側レール部材と設置箇所側レール部材とを互いに固定する固定作業を行うことが難しい。
上記特徴構成によれば、設置箇所側レール部材が、機器側レール部材の外側を外囲する形状を有すると共に、手前側から奥側へ向けて徐々に幅狭となる先細り形状であるため、当該設置箇所側レール部材が、固定位置において、機器側レール部材を奥側で挟持して固定できるから、比較的固定作業を行い難い奥側において、機器側レール部材と設置箇所側レール部材とを、特段の固定作業を行うことなく良好に固定できる。
【0010】
機器搬入固定装置の更なる特徴構成は、
前記締付固定部材は、前記手前側にて、前記設置箇所側レール部材を長手方向視で外側から締め付けて弾性変形させる形態で、前記機器側レール部材に固定する弾性締付部材である点にある。
【0011】
上記特徴構成では、手前側から奥側へ向けて徐々に幅狭となる先細り形状である設置箇所側レール部材を用いる構成において、締付固定部材として、設置箇所側レール部材を長手方向視で外側から締め付けて弾性変形させる形態で、機器側レール部材に固定する弾性締付部材を用いることで、手前側にて機器側レール部材よりも拡径している設置箇所側レール部材を弾性締付部材による弾性力により縮径させて、機器側レール部材を設置箇所側レール部材により挟持して固定できる。
即ち、当該特徴構成によれば、別途、ドライバ等の取付治具を用いることなく、手前側にて、弾性締付部材を取り付けるだけで、機器側レール部材と設置箇所側レール部材と良好に固定できる。
【0012】
機器搬入固定装置の更なる特徴構成は、
前記締付固定部材は、前記機器側レール部材と前記設置箇所側レール部材の双方に前記手前側にて形成されるビス孔を挿通する形で、前記機器側レール部材と前記設置箇所側レール部材とを互いに固定する螺子部材である点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、締付固定部材として、機器側レール部材と設置箇所側レール部材の双方に手前側にて形成されるビス孔を挿通する形で、機器側レール部材と設置箇所側レール部材とを互いに固定する部材として螺子部材を採用することで、機器側レール部材と設置箇所側レール部材とを一般的に用いられるビス等を用いて機器設置箇所に対して固定でき、経済的メリットを得ることができる。
【0014】
機器搬入固定装置の更なる特徴構成は、
前記機器側レール部材と前記設置箇所側レール部材とが互いに接触して摺動する摺動面のうち何れか一方には、振動を低減する振動低減部材が設けられている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、機器側レール部材と設置箇所側レール部材とが互いに接触して摺動する摺動面のうち何れか一方には、振動を低減する振動低減部材が設けられているから、機器として衣類乾燥機等の運転中に振動を生じるものを採用する場合であっても、当該振動により、機器側レール部材と設置箇所側レール部材との間で干渉音等が生じることを良好に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る機器搬入固定装置に関し、機器を搬入する前の状態(a)と、搬入して固定した後の状態(b)とを示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る機器側レール部材及び設置箇所側レール部材に関し、機器を搬入する前の状態(a)と、搬入して固定した後の状態(b)を示す斜視図である。
【
図3】弾性締付部材による設置箇所側レール部材の締め付けにより、機器側レール部材を設置箇所側レール部材に固定した状態を示す斜視図である。
【
図4】弾性締付部材による設置箇所側レール部材の締め付けにより、機器側レール部材を設置箇所側レール部材に固定した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る機器搬入固定装置100は、少ない労力で安定した機器の移動を実現しながらも、機器が固定状態にあるときの騒音の発生を十分に低減できるものに関する。以下、
図1~4に基づいて、実施形態に係る機器搬入固定装置100を説明する。
尚、当該実施形態では、矢印Zの基端側を下方とし先端側を上方とし、矢印Xの先端側を機器10の搬入方向で奥側とし基端側を搬入方向で手前側とする。
【0018】
当該実施形態に係る機器搬入固定装置100は、
図1、2に示すように、機器10を所定の固定位置まで搬入して固定するものであって、機器10としては、例えば、都市ガス13Aを燃料として衣類を乾燥する衣類乾燥機等、種々の機器が挙げられる。
尚、機器10が衣類乾燥機である場合、燃料を供給する燃料供給配管や、燃焼排ガスを通流する排ガス通流配管等が機器10に対して連通接続されることになるが、
図1、2では、これらの配管は、省略している。
【0019】
機器搬入固定装置100は、機器10の脚部10aに取り付けられる機器側レール部材L2と、機器設置箇所としての設置台20に取り付け可能であると共に、設置台20への取付状態において、機器側レール部材L2に嵌合して固定位置の手前側から固定位置である奥側へ向けて摺動自在な設置箇所側レール部材L1と、機器側レール部材L2と設置箇所側レール部材L1とを機器10を固定位置に位置させた状態で締付固定する弾性締付部材DTとを備える。
【0020】
設置箇所側レール部材L1は、
図1に示すように、機器10の挿入方向(
図1で矢印Xに沿う方向)で手前側に開口部22を有する筐体状の設置台20の底部23に固定されている。当該設置台20は、
図1(b)に示すように、搬入され固定位置に位置する機器10の側周面(天面及び底面を含む)及び奥側の端面を覆う形状である。また、上述した機器10へ接続される配管類(図示せず)を外囲する外囲筒21が設けられており、機器10の固定位置での美観性の向上を図っている。
【0021】
設置箇所側レール部材L1は、その長手方向(
図1、2の矢印Xに沿う方向)が、搬入方向に沿って設置されている。更に、
図2、4に示すように、長手方向(
図2の矢印Xに沿う方向)に直交する断面視(
図4に図示)で、概略コの字形状を有しており、第1底面部L1b(設置台20の底部23に当接する下方側の端部)と、当該第1底面部L1bから上方へ延びる一対の第1側面部L1cとを有する。尚、一対の第1側面部L1cの上方側の端部には、第1底面部L1bに平行な面を有する第1平面端部L1aが設けられている。
当該設置箇所側レール部材L1は、第1底面部L1bに形成された第1開孔H1を挿通する第1螺子部材B1により設置台20の底部23に対して固定されている。尚、設置箇所側レール部材L1は、機器10が固定位置へ搬入される前に、手前側と奥側の2か所を第1螺子部材B1により固定される。
尚、当該実施形態においては、設置箇所側レール部材L1は、
図1に示すように、搬入方向に沿って平行に、一対設けられている。
【0022】
機器側レール部材L2は、その長手方向(
図1、2の矢印Xに沿う方向)が、搬入方向に沿う形で、機器10の脚部10aに対して固定されている。当該実施形態では、機器10の搬入方向視で、水平方向の一方側と他方側とで平行に、一対設けられている。
更に、機器側レール部材L2は、長手方向(
図2の矢印Xに沿う方向)に直交する断面視(
図4に図示)で、概略コの字形状を有しており、第2天面部L2b(機器10の脚部10aに当接する上方側の端部)と、当該第2天面部L2bから下方へ延びる一対の第2側面部L2cとを有する。尚、一対の第2側面部L2cの下方側の端部には、第2天面部L2bに平行な面を有する第2平面端部L2aが設けられている。
当該機器側レール部材L2は、第2天面部L2bに形成された第2開孔H2を挿通する第2螺子部材B2により機器10の脚部10aに対して固定されている。尚、機器側レール部材L2は、機器10が固定位置へ搬入される前に、機器10の脚部10aを除く部位を作業台(図示せず)等に載置した状態で、手前側と奥側の2か所を第2螺子部材B2により機器10の脚部10aに対して固定される。
【0023】
以上の構成において、機器10の固定位置では、設置箇所側レール部材L1は、
図2に示すように、機器側レール部材L2の外側を外囲する状態となる。
特に、当該実施形態に係る設置箇所側レール部材L1は、手前側から奥側へ向けた長手方向において、水平方向(
図2で矢印Yに沿う方向)での幅が徐々に幅狭となる先細り形状に構成している。一方、機器側レール部材L2は、手前側から奥側へ向けた長手方向で、水平方向での幅は、一定の幅(
図2でLc=Ld)となっている。
説明を追加すると、
図2に示すように、設置箇所側レール部材L1の手前側の水平方向での幅Lb(内側の幅)は、機器側レール部材L2の手前側での水平方向での幅Ld(外側の幅)に比べて大きく、設置箇所側レール部材L1の奥側の水平方向での幅La(内側の幅)は、機器側レール部材L2の奥側での水平方向での幅Lc(外側の幅)と略同一に(又は幅Lcより小さく)構成されている。
これにより、機器側レール部材L2を設置箇所側レール部材L1に沿って摺動させ、機器10を固定位置まで移動させた場合、奥側において、機器側レール部材L2を設置箇所側レール部材L1が、水平方向で挟持することになり、奥側で設置箇所側レール部材L1に対して機器側レール部材L2が固定される。
【0024】
更に、当該実施形態では、
図3、4に示すように、手前側にて、先細り形状を有する設置箇所側レール部材L1を長手方向視で外側から締め付けて弾性変形させる形態で、機器側レール部材L2に固定する弾性締付部材DT(締付固定部材の一例)が設けられている。
当該弾性締付部材DTは、所定の弾性を有するゴム状の部材等から構成され、
図4に示すように、設置箇所側レール部材L1の長手方向に直交する断面視において、設置箇所側レール部材L1を長手方向視で外側から内側へ向けて挟持する第1リブ部DT1と、設置箇所側レール部材L1と機器側レール部材L2との間に設けられる第2リブ部DT2とを有している。当該第1リブ部DT1及び第2リブ部DT2は、設置箇所側レール部材L1と機器側レール部材L2の長手方向に沿って延びて形成されており、第1リブ部DT1は、長手方向視で、側方(矢印Yの先端側及び基端側)及び上方(矢印Zの矢示側)に設けられ、第2リブ部DT2は、長手方向視で、側方(矢印Yの先端側及び基端側)及び上方(矢印Zの矢示側)及び下方(矢印Zの基端側)に設けられる。
当該構成により、設置箇所側レール部材L1の手前側を、弾性締付部材DTの弾性力により縮径させて機器側レール部材L2を設置箇所側レール部材L1にて挟持して固定できる。
特に、当該実施形態に係る弾性締付部材DTでは、設置箇所側レール部材L1と機器側レール部材L2との間に第2リブ部DT2を位置されている状態で、第1リブ部DT1により締め付けを行うことにより、手前側で、特に水平方向において設置箇所側レール部材L1と機器側レール部材L2との直接接触を抑制できる。結果、機器10の動作時に、設置箇所側レール部材L1と機器側レール部材L2とが互いに接触して生じる干渉音を低減できる。
【0025】
また、当該弾性締付部材DTは、手前側から奥側へ向けた方向視において、設置箇所側レール部材L1及び機器側レール部材L2の端部を覆うキャップ形状であり、美観性の向上を図っている。
ちなみに、弾性締付部材DTは、機器10が固定位置に位置した後、第3螺子部材B3を機器側レール部材L2の第1挿通孔H3b及び設置箇所側レール部材L1の第2挿通孔H3aに挿通すると共に設置台20の底部23に螺合した後に、設置箇所側レール部材L1及び機器側レール部材L2に装着される。
【0026】
また、機器10の固定位置においては、機器10の自重により、機器側レール部材L2の第2平面端部L2aと、設置箇所側レール部材L1の第1底面部L1bへ向けて押圧され、機器10が振動する場合には、両者の接触による振動音が生じる虞がある。
そこで、当該実施形態に係る機器搬入固定装置100にあっては、機器側レール部材L2の第2平面端部L2aの下方側(
図2で矢印Zの基端側)の端面(摺動面)に、振動を低減する振動低減部材STが設けられている。当該振動低減部材STは、所定の弾性を有するゴム状の部材等から構成され、機器側レール部材L2の第2平面端部L2aの下方側の端面の全体に亘って設けられている。
【0027】
これまで説明してきた構成を採用することにより、上記設置台20が機器10が設置される部屋の床面(図示せず)や天井(図示せず)の近傍で、比較的重量のある機器10を搬入し難い位置に設けられる場合であっても、設置箇所側レール部材L1に対して機器側レール部材L2を沿わせて、機器10の姿勢を安定させた状態で搬入することができ、搬入時に機器10と設置台20との衝突を避けることができ、安定した搬入操作を実現できる。
【0028】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、設置箇所側レール部材L1が、機器側レール部材L2の外側を外囲する形状で、手前側から奥側へ向けて徐々に幅狭となる先細り形状である例を示した。
他の形状として、機器側レール部材L2が設置箇所側レール部材L1の外側を外囲する形状で、設置箇所側レール部材L1を手前側から奥側へ向けて徐々に幅広となる先太り形状ととしても構わない。
これにより、奥側で、機器側レール部材L2を設置箇所側レール部材L1が挟持することができるから、比較的固定作業等が行い難い奥側において、機器側レール部材L2と設置箇所側レール部材L1とを、良好に固定することができる。
尚、当該構成を採用する場合、手前側に設けられる弾性締付部材DTは、機器側レール部材L2を外側から内側へ締め付ける形態で取り付けられることになる。
【0029】
(2)上述した振動低減部材STは、設置箇所側レール部材L1の第1底面部L1bの上方側の端面(摺動面)の全体に亘って設ける構成を採用しても構わない。
【0030】
(3)締付固定部材は、機器側レール部材L2と設置箇所側レール部材L1の双方に手前側にて形成されるビス孔を挿通する形で、機器側レール部材L2と設置箇所側レール部材L1とを互いに固定する第3螺子部材B3であっても構わない。即ち、弾性締付部材DTは設けられていなくても構わない。また、逆に、第3螺子部材B3が設けられず、弾性締付部材DTのみが設けられていても構わない。
締付固定部材は、上述した構成の他、他の種々の構成を採用しても構わない。
【0031】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の機器搬入固定装置は、少ない労力で安定した機器の移動を実現しながらも、機器が固定状態にあるときの騒音の発生を十分に低減できる機器搬入固定装置として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
100 :機器搬入固定装置
10 :機器
10a :脚部
B3 :第3ボルト
DT :弾性締付部材
L1 :設置箇所側レール部材
L2 :機器側レール部材
ST :振動低減部材