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特開2023-150683開封管理システム、および開封検知器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150683
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】開封管理システム、および開封検知器
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/04 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A61J7/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059906
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000107538
【氏名又は名称】株式会社UACJ
(71)【出願人】
【識別番号】000231626
【氏名又は名称】株式会社UACJ製箔
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 大洋
(72)【発明者】
【氏名】小石川 敦史
(72)【発明者】
【氏名】野瀬 健二
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047NN10
4C047NN11
(57)【要約】
【課題】開封状態に基づき報知できる開封管理システムを実現する。
【解決手段】開封管理システム10は、包装材20に取り付けられ包装材20の開封状態を検知する開封検知器40と通信可能な交信部61と、開封検知器40に開封検知に関する所定処理を行わせるための設定情報を生成する情報生成部62と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材に取り付けられて前記包装材の開封状態を検知する開封検知器と通信可能な交信部と、
前記開封検知器に開封検知に関する所定処理を行わせるための設定情報を生成する情報生成部と、を備える開封管理システム。
【請求項2】
前記設定情報は、前記開封検知器が開封検知を行う検知時刻を含んでおり、
前記所定処理は、前記検知時刻以降に前記包装材の前記開封状態を検知し、前記開封状態が未開封状態の場合には報知を発出することを含む請求項1に記載の開封管理システム。
【請求項3】
前記設定情報は、前記開封検知器が開封検知を行う検知頻度を含んでおり、
前記所定処理は、前記検知頻度で前記包装材の前記開封状態を検知し、前記開封状態が未開封状態の場合には報知を発出することを含む請求項1または請求項2に記載の開封管理システム。
【請求項4】
前記検知頻度として、一定時間毎に定期的に検知を行う定期検知、または常時検知のいずれかが設定される請求項3に記載の開封管理システム。
【請求項5】
前記設定情報は、前記開封検知器が前記設定情報の送信を要求する要求頻度を含んでいる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の開封管理システム。
【請求項6】
前記交信部は、前記開封検知器からの前記設定情報の送信要求を受信すると、当該開封検知器に対して前記設定情報を送信する請求項5に記載の開封管理システム。
【請求項7】
前記設定情報は、前記開封検知器が前記開封状態を前記交信部に送信する送信頻度を含んでいる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の開封管理システム。
【請求項8】
前記開封検知器は複数あり、各々が固有のID情報を有しており、
前記設定情報は、前記ID情報を含んでおり、
前記交信部は、前記開封検知器の各々と通信可能である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の開封管理システム。
【請求項9】
前記包装材には医薬品が収容されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の開封管理システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の開封管理システムと通信可能な通信部と、
前記包装材の開封状態を検知する検知部と、を備える開封検知器。
【請求項11】
前記検知部の検知結果が未開封状態である場合に報知を発出する報知部を備える請求項10に記載の開封検知器。
【請求項12】
前記検知部は、前記設定情報に含まれる検知時刻以降に前記包装材の前記開封状態を検知する請求項10または請求項11に記載の開封検知器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、開封管理システム、および開封検知器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医薬品の飲み忘れを防止するために、患者に対して服薬時期を報知する管理システムが知られており、その一例が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の服用管理システムは、服用指定日時等のスケジュール情報が調剤薬局に設置された情報配信装置から電子メールで送信される。送信されたスケジュール情報は映像機器(具体的にはテレビ受像機)によって受信され、テレビ受像機は服薬を促す報知処理を行う。より詳しくは、テレビ受像機はスケジュール情報に基づくテロップ表示、電子番組ガイド表との連動表示等を行う。特許文献1に記載の服用管理システムによれば、身近なテレビ受像機を用いて患者に報知することで、確実かつ効果的に報知でき、飲み忘れを防止できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-74068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の服用管理システムは、医薬品を服用したか否かに関わらずスケジュール情報に基づき報知する仕組みであり、実際に患者がどの医薬品を服用したかどうかを把握することはできない。このため服薬が済んだ場合であっても、テレビ受像機には一定時間テロップ等が表示され続ける。その結果、服薬したにも関わらず誤って再度服用してしまったり、指定された医薬品とは別の医薬品を服用してしまう懸念がある。
【0005】
本技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、開封状態に基づき報知できる開封管理システム、および開封検知器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
【0007】
<1>包装材に取り付けられて前記包装材の開封状態を検知する開封検知器と通信可能な交信部と、前記開封検知器に開封検知に関する所定処理を行わせるための設定情報を生成する情報生成部と、を備える開封管理システム。
【0008】
<2>前記設定情報は、前記開封検知器が開封検知を行う検知時刻を含んでおり、前記所定処理は、前記検知時刻以降に前記包装材の前記開封状態を検知し、前記開封状態が未開封状態の場合には報知を発出することを含む上記<1>に記載の開封管理システム。
【0009】
<3>前記設定情報は、前記開封検知器が開封検知を行う検知頻度を含んでおり、前記所定処理は、前記検知頻度で前記包装材の前記開封状態を検知し、前記開封状態が未開封状態の場合には報知を発出することを含む上記<1>または<2>に記載の開封管理システム。
【0010】
<4>前記検知頻度として、一定時間毎に定期的に検知を行う定期検知、または常時検知のいずれかが設定される上記<3>に記載の開封管理システム。
【0011】
<5>前記設定情報は、前記開封検知器が前記設定情報の送信を要求する要求頻度を含んでいる上記<1>から<4>のいずれかに記載の開封管理システム。
【0012】
<6>前記交信部は、前記開封検知器からの前記設定情報の送信要求を受信すると、当該開封検知器に対して前記設定情報を送信する上記<5>に記載の開封管理システム。
【0013】
<7>前記設定情報は、前記開封検知器が前記開封状態を前記交信部に送信する送信頻度を含んでいる上記<1>から<6>のいずれかに記載の開封管理システム。
【0014】
<8>前記開封検知器は複数あり、各々が固有のID情報を有しており、前記設定情報は、前記ID情報を含んでおり、前記交信部は、前記開封検知器の各々と通信可能である上記<1>から<7>のいずれかに記載の開封管理システム。
【0015】
<9>前記包装材には医薬品が収容されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の開封管理システム。
【0016】
<10>上記<1>から<9>のいずれかに記載の開封管理システムと通信可能な通信部と、前記包装材の開封状態を検知する検知部と、を備える開封検知器。
【0017】
<11>前記検知部の検知結果が未開封状態である場合に報知を発出する報知部を備える上記<10>に記載の開封検知器。
【0018】
<12>前記検知部は、前記設定情報に含まれる検知時刻以降に前記包装材の前記開封状態を検知する上記<10>または<11>に記載の開封検知器。
【発明の効果】
【0019】
本技術によれば、開封状態に基づき報知できる開封管理システム、および開封検知器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1に係る開封管理システムの概略図
図2】包装材に取り付けられた開封検知器の斜視図
図3】開封検知器の斜視図
図4】開封検知器の内蔵部品の斜視図
図5】第2筐体が上方に変位した開封検知器の斜視図
図6】第1筐体の右部を拡大した斜視図
図7図3のI-I線断面図
図8図5のII-II線断面図
図9】開封検知器の底面図
図10】開封検知器の斜視図
図11】第2筐体が上方に変位した開封検知器の斜視図
図12図11の第1突出部及び第2突出部付近を拡大した斜視図
図13】包装材の分解斜視図
図14A】開封管理システムの処理を示すフローチャート
図14B】開封管理システムの処理を示すフローチャート
図15A】開封管理システムの処理を示すフローチャート
図15B】開封管理システムの処理を示すフローチャート
図16】実施形態2に係る開封管理システムの概略図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
実施形態1に係る開封管理システム10を図1から図15Bを参照して説明する。一部の図には、X軸、Y軸、及びZ軸を示しており、各軸方向が各図で共通した方向となるように描かれている。また、X軸、Y軸、及びZ軸に沿う方向をそれぞれ左右方向、前後方向、及び上下方向とする。ただし上記方向は便宜的に定めたものに過ぎず、限定的に解釈すべきものではない。
【0022】
開封管理システム10は、錠剤の医薬品T(被収容物の一例)を収容する包装材20の開封状態に基づいて、医薬品Tの服薬を管理するためのシステムである。本実施形態では開封管理システム10として医薬品用の開封管理システムについて例示するが、被収容物は医薬品T以外であっても構わず、開封管理システム10は包装材の開封管理に広く適用可能である。開封管理システム10は、図1に示すように、包装材20に取り付けられる開封検知器40と、管理サーバー(アプリケーションサーバー)60と、情報処理端末70とを備える。管理サーバー60及び情報処理端末70は、通信網80に接続されている。
【0023】
開封検知器40は、図1に示すように、包装材20毎に1台ずつ取り付けられる。開封検知器40は、低消費電力広域無線通信(LPWA,Low Power Wide Area)を介して通信網80に接続される。LPWAは、消費電力を抑えて長距離伝送を実現する無線通信であり(例えば送信電力1W以下で伝送距離10km以上)、IoT(Internet of Things)の基盤技術としても知られている。LPWAの通信サービスは、複数の通信事業者から提供されており、例えばsigfox(登録商標)、LoRa(登録商標)、NB-IoTが挙げられる。開封検知器40は、LPWA用の基地局85と無線接続されており、基地局85はLPWA用の通信サーバー(LPWAクラウドサーバー)86と接続されている。また通信サーバー86は、通信網80に接続されている。従って開封検知器40は、通信サーバー86を介して、通信網80に接続される管理サーバー60と通信可能となっている。開封検知器40は固有のID情報を有しており、管理サーバー60は各開封検知器40と通信可能である。
【0024】
なお開封検知器40は、管理サーバー60、又は情報処理端末70の少なくとも一方と通信接続されていればよく、開封検知器40の通信手段としてLPWA以外の通信技術が採用されていても構わない。例えばBLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))等の低消費電力の無線通信技術が好ましいが、より一般的なWi-FiやLTE等であっても構わない。
【0025】
情報処理端末70は、図1に示すように、スマートフォンやコンピュータ等の汎用の情報処理装置である。情報処理端末70は、患者の他、医薬品Tを処方した病院や薬局の医療従事者等が使用することを想定しているが、使用者は特に限定されない(以下、情報処理端末70の使用者を単にユーザーとする)。情報処理端末70は複数台設けられ、各台を異なるユーザーが用いても構わない。情報処理端末70は、ユーザーが医薬品Tの服薬時刻等の登録情報を入力したり、医薬品Tの開封状態を表示したりするためのプログラムを実行する。当該プログラムは、本実施形態ではアプリケーション・ソフトウエア(以下、アプリとする)として情報処理端末70にインストールされているものとするが、インストールされておらず、例えばブラウザソフトウェアを通じて実行されても構わない。これにより開封検知器40を小型化でき、開封検知器40の消費電力を抑制できる。
【0026】
管理サーバー60は、情報処理端末70、又は開封検知器40からの要求に対して情報や処理結果を提供する。管理サーバー60は、これらの機能を実現するプログラムを実行するサーバー機能の実現手段を指すものとする。本実施形態では、管理サーバー60は図1に示すようなサーバー用コンピュータとして例示するが、分散コンピューティング等を用いてネットワーク空間上に仮想的に存在しているものであっても構わない。また管理サーバー60は、人工知能によって処理を行うものであっても構わない。
【0027】
管理サーバー60は、図1に示すように、通信網80と接続するための交信部61と、情報生成部62とを少なくとも備える。管理サーバー60は、交信部61によって情報処理端末70と通信可能であると共に、通信サーバー86を介して開封検知器40と通信可能である。情報生成部62は、情報処理端末70からの登録情報に基づいて開封検知器40に開封検知に関する所定処理を行わせるための設定情報を生成する。管理サーバー60の処理については詳しく後述する。
【0028】
開封検知器40は、図2から図4に示すように、複数(本実施形態では12つ)の接続部41と、LPWA用の通信モジュール42と、LED45(報知部の一例)と、リセットボタン46(操作部の一例)と、充電池47(電源部の一例)と、基板49と、筐体50とを備える。基板49は、接続部41と、通信モジュール42と、LED45と、リセットボタン46と、充電池47に外部電源を接続するためのコネクタ挿入部37Aとを実装する。筐体50は、各部が実装された基板49、及び充電池47を収容すると共に、包装材20を着脱可能に挟んで保持する取付部を兼ねている。
【0029】
接続部41は、図4に示すように、支持体41Aと、接触子41Bとを備える。支持体41Aは、基板49に設置されており、本実施形態では略円柱状をなしているが、その形状は限定されない。接触子41Bは、支持体41Aの上面(基板49と反対側の面)から上方に突出しており、少なくともその突出端が導電性を有する。開封検知器40に包装材20が取り付けられたとき(図2)、接触子41Bは、包装材20の後述する回路パターン32と接触して導通する。
【0030】
通信モジュール42は、図4に示すように、通信部43(具体的にはアンテナ)、制御部44(具体的にはマイクロコンピュータ)、及び記憶部48(具体的にはROM及びRAM)を含んでいる。通信部43は、基地局85と無線接続されており、通信サーバー86を介して管理サーバー60と通信可能である。記憶部48には、開封検知器40の制御プログラム、ID情報等が記憶されている。
【0031】
制御部44は、記憶部48の制御プログラム、及び管理サーバー60から送信された設定情報に基づいて開封検知器40の各部を制御する。また制御部44は、計時機能を有するタイマーを含むと共に、包装材20の開封検知を行う検知部も兼ねている。制御部(検知部)44は、接続部41に電流を流し、包装材20の回路パターン32に生じる電圧を検出する。そして制御部44は、検出された電圧値を所定閾値と比較し、閾値以下であれば回路パターン32が破断されておらず未開封状態と判定し、閾値より大きければ回路パターン32が破断されている開封状態と判定する。制御部44は、破断によって変化する回路パターン32の抵抗値に基づいて開封状態を判断すればよく、所定電圧を印可した場合の電流値に基づいて開封状態を判断してもよい。
【0032】
LED45は、制御部44の検知結果(判定結果)が未開封状態の場合に所定パターンで点灯(点滅)することで服薬忘れを報知する。またLED45は、開封検知器40が外部電源に接続された際等にも点灯する。LED45は筐体50に内蔵されており、LED45の発光は筐体50を透過するようになっている。より詳しくは、筐体50はLED45の発光が透過可能な材質、及び厚さに形成されている。なお、LED45は報知部の一例に過ぎず、報知部はLED以外の発光手段、ブザー等の発音手段、メッセージを表示する表示手段等であっても構わず、またこれらの組み合わせであっても構わない。
【0033】
筐体50は、樹脂材料製であり、図3及び図5に示すように、丸みを帯びた横長の直方体状をなしている。筐体50は、第1筐体51と、第2筐体52とを備える。第1筐体51は、筐体50の大部分を占める部分であって、前側上部が窪んでいる。第2筐体52は、第1筐体51の前側上部の窪みを覆う蓋体である。第2筐体52は、上下方向(Z軸方向)に変位可能に第1筐体51に取り付けられている。包装材20は、第2筐体52が変位することで、図2に示すように、第1筐体51と第2筐体52との間に挟み込まれて保持される。換言すると、筐体50は包装材20の取付部として、第1筐体51及び第2筐体52から構成される挟持構造を備えている。以下、筐体50の各部について詳しく説明するが、図2以外においては、筐体50の構造を明示するために包装材20の図示は省略する。
【0034】
第1筐体51は、図5から図8に示すように、上方に開口するトレー状の底部51Aと、底部51Aの開口を上方から覆う上部51Bとを有する。底部51Aは、充電池47を収容しており、充電池47の上には基板49が載置されている。また基板49の上方は、上部51Bに覆われている。上部51Bには、基板49に設置された接続部41が貫通する貫通孔51B1が設けられており、接続部41の接触子41Bは、貫通孔51B1から突出して外部に露出している(図6図11)。
【0035】
第1筐体51の底部51Aには、図7から図9に示すように、後述する第2筐体52の2つの係合部52Bにそれぞれ連通する2つの第1連通孔51Cが設けられている。第1連通孔51Cは、係合部52Bに平面視で重なるように設けられている。また、第1筐体51の底部51Aのうち、第1連通孔51Cの開口縁の一部は上方に突出しており、その突出端には突起51A1が形成されている。突起51A1は、第2筐体52の係合部52Bの凸部52B1と係合(嵌合)する(図7図8)。
【0036】
また底部51Aの前面には、図5に示すように、合わせマーク51A2(位置合わせ部の一例)が設けられている。本実施形態では、合わせマーク51A2は、底部51Aの前面において左右方向(X軸方向)の中央位置に凸部として形成されている。合わせマーク51A2は、包装材20の所定位置(例えば包装材20の回路パターン32の端部32A)と位置合わせするための指標となる。これにより、開封検知器40に包装材20を取り付ける際の位置合わせが容易になり、包装材20の回路パターン32と開封検知器40の接触子41Bを確実に接触させ、導通できるようになる。
【0037】
また第1筐体51の右側部には、図5に示すように、コネクタ挿入部37Aにコネクタを挿入するための挿入孔51Dが設けられ、第1筐体51の背面には、図10に示すように、リセットボタン46が位置する空間に連通する第2連通孔51Eが設けられている。外部から操作ピン等を第2連通孔51Eに挿入し、リセットボタン46を押すことで、制御部44に初期状態に戻すリセット処理を行わせることができる。
【0038】
第2筐体52は、図7から図8図11から図12に示すように、蓋部52Aと、2つの係合部52Bと、2つの第1突出部52Cと、第2突出部52Dとを備える。蓋部52Aは、接触子41Bが露出している部分の上方に延在している。蓋部52Aは、接触子41Bを上方から覆う天井壁部52A1と、接触子41Bを右方から覆う右側壁部52A2(位置合わせ部の別の一例)とを備える。蓋部52Aは、接触子41Bを前方及び左方からは覆っておらず、前方及び左方に開口する略L字状の開口52A3を有する。蓋部52Aに右側壁部52A2、及び開口52A3を設けることで、包装材20を取り付ける際に、包装材20を開口52A3から挿入し、右側壁部52A2に突き当たる接触状態で位置合わせできるようになる。また、蓋部52Aの左方は開口52A3によって開放されているため、大きさ(短辺方向の長さ)が異なる包装材20に対しても適用可能となる。
【0039】
係合部52Bは、図7から図8に示すように、蓋部52Aから下方に延出し、第1筐体51の底部51Aと係合(嵌合)する。係合部52Bの延出端には凸部52B1が形成されており、凸部52B1が底部51Aの突起51A1と係合するようになっている。係合部52Bは、凸部52B1が突起51A1の下側に位置する時(図7、以下、第1位置とする)、第2筐体52が下方に変位した状態であって、第1筐体51と第2筐体52との間に包装材20が挟まれて保持される挟持状態となる。一方、係合部52Bは、凸部52B1が突起51A1の上側に位置する時(図8、以下、第2位置とする)、第2筐体52が上方に変位した状態であって、第1筐体51と第2筐体52との間に包装材20が保持されない非挟持状態となる。係合部52Bは、第1位置及び第2位置のいずれにおいても、第1筐体51の底部51Aと係合して連結している。
【0040】
係合部52Bは、蓋部52Aが上から下方向に押されると、凸部52B1が突起51A1の上側から下側に滑り落ち、第2位置から第1位置へ変位する。また、係合部52Bは、外部から操作ピン等を第1連通孔51Cに通し、操作ピン等によって凸部52B1を操作すると、第1位置から第2位置へ変位する。より詳しくは、図9に示すように、底部51Aが上方となるように開封検知器40を配置し、その状態で外部から操作ピン等を第1連通孔51Cに通し、凸部52B1を左右方向(例えば図7の白抜き矢線の方向)に動かしながら凸部52B1を下方向(上部51B側)に押すと、凸部52B1は突起51A1の斜面51A1Sに沿って摺動する。これにより、係合部52Bは第1位置から第2位置へ容易に変位する。このようにすれば、包装材20を挟持状態(第1位置)から非挟持状態(第2位置)へ変更するには、操作ピン等を用いて凸部52B1を動かす必要があり、手等で直接操作できないため、誤操作を抑制しやすくなる。また挟持状態においては、包装材20をより安定的に保持できるようになる。さらに非挟持状態(第2位置)においては、突起51A1の斜面51A1Sは凸部52B1に覆われているため、外部から操作ピン等を使って凸部52B1を変位させ、第2筐体52を第1筐体51から完全に取り外すことは困難となる。これにより第2筐体52は、第1筐体51に対して上下方向(Z軸方向)に変位可能であって、かつ完全には取り外せないように連結されている。なお、第1連通孔51Cが係合部52Bに連通するとは、挟持状態において係合部52Bが存在する空間(第1位置)に第1連通孔51Cが連通することを意味する。
【0041】
第1突出部52Cは、柔軟性を有する軟質材料からなり、図11及び図12に示すように、蓋部52Aから下方に突出するように設けられている。第1突出部52Cは、横長の直方体状をなし、左右方向(X軸方向)について間隔を空けて2つ設けられている。第2突出部52Dは、硬質材料からなり、先端先細の棒状をなし、2つの第2突出部52Dの間に設けられている。包装材20が開封検知器40に取り付けられると(図2)、第1突出部52Cの突出面(下面)、及び第2突出部52Dの先端は、包装材20の本体部21の表面に圧接される。
【0042】
第1突出部52C、及び第2突出部52Dを設けることで、包装材20を挟んで保持する際に、保持力を向上できるようになる。第1突出部52C、及び第2突出部52Dは、包装材20の回路パターン32とは接触せず非導通であるため、保持力を向上できる一方、開封検知には影響を与えない。なお、第1突出部52C及び第2突出部52Dは、滑り止め効果によって保持力を向上できれば、材質や形状は適宜変更可能であり、例えば、弾性材料、粘着材料、高摩擦材料等から形成されていてもよい。また、第1突出部52C及び第2突出部52Dは、両方ではなく、いずれか一方のみが設けられていても構わない。
【0043】
上記した構成の筐体50によれば、別途の固定具を用いることなく、開封検知器40と包装材20とを容易、かつ強固に取付けできる。また、第2筐体52が変位することで、着脱機能を容易に実現できる。
【0044】
包装材20は、図13に示すように、錠剤の医薬品Tを収容する本体部21と、本体部21に貼り付けられる開封検知シート30とを備える。本実施形態では、本体部21として既知のPTP(プレススルーパッケージ)を例示するが、被収容物を収容可能であればPTP以外であっても構わない。本体部21は、全体として矩形状(長方形状)をなしており、医薬品Tが収容される収容部22が設けられたシート状容器と、蓋材24とを備える。蓋材24は、シート状容器に貼り付けられて収容部22の開口22Aを覆い、収容部22を密閉している。
【0045】
開封検知シート30は、図13に示すように、本体部21に倣う平面形状及び平面サイズを有しており、本体部21の蓋材24に貼り付けられる。開封検知シート30は、基材31、回路パターン32、及び保護層33が本体部21側から順に積層されたシート状の複合材である。回路パターン32は、基材31上に導電性インク等を印刷して形成された複数の配線である。回路パターン32は、収容部22の数と同じ数の電流経路を含むように形成されており、各電流経路の一部は、収容部22の開口22Aと平面視で重なっているものとされる。保護層33は、樹脂材料によって形成されており、回路パターン32を覆って保護している。保護層33は、回路パターン32を構成する各配線の端部32A以外の表面に形成されている。換言すると、保護層33は回路パターン32の端部32Aを覆っておらず、端部32Aは外部に露出している。
【0046】
包装材20は、開封検知シート30の表面(第1主面)側が第1筐体51側となり、本体部21の表面(第2主面)側が第2筐体52側となるように、開封検知器40に取り付けられる(図2)。包装材20が取り付けられると、回路パターン32の端部32Aは、開封検知器40の接続部41の接触子41Bに接触して導通する。
【0047】
上記した構成の包装材20によれば、医薬品Tが収容部22から押し出されると、蓋材24と共に開封検知シート30が突き破られる。これにより、当該収容部22と平面視で重なる回路パターン32が破断される。その結果、回路パターン32に生じる電圧値は破断前後(医薬品Tが押し出される前後)で異なるものとなり、既述したように開封検知器40の制御部44によって包装材20の開封状態、未開封状態を判定可能となる。
【0048】
次に、上記した構成の開封管理システム10の具体的な処理について図14A図14B図15A及び図15Bを参照して説明する。以下、情報処理端末70から管理サーバー60、通信サーバー86、開封検知器40へと順に至る情報の流れを下り通信(downlink)とし、逆に開封検知器40から通信サーバー86、管理サーバー60、情報処理端末70へと順に至る情報の流れを上り通信(uplink)とする。
【0049】
ユーザーは、情報処理端末70のアプリを起動し、開封検知器40の登録情報を入力する。登録情報を入力するにあたり、開封検知器40の筐体50に付されているID情報をユーザーが読み取って情報処理端末70に入力したり、情報処理端末70が直接読み取ることにより、管理サーバー60は開封検知器40のID情報と情報処理端末70の識別情報との対応関係を記録する。開封検知器40の筐体50には平文のID情報ではなく暗号化された暗号コードが付されてもよく、暗号コードを管理サーバー60がID情報へと復号してもよい。開封検知器40のID情報は、開封検知器40や情報処理端末70の機器固有の情報であってもよい。情報処理端末70の識別情報は、情報処理端末70の機器固有の情報であってもよいし、情報処理端末70を使用するユーザーに固有の情報であってもよい。
【0050】
入力された登録情報は、図14Aに示すように、情報処理端末70によって管理サーバー60にdownlink送信される(S100)。登録情報には具体的に、医薬品Tの服薬時刻(検知時刻の一例)、開封検知器40の開封検知頻度、開封検知器40の報知設定、開封検知器40からの開封検知結果の送信頻度、及び管理サーバー60からの設定情報の送信に対する要求頻度が含まれる。また、管理サーバー60にdownlink送信される登録情報には、開封検知器40のID情報と情報処理端末70の識別情報とが対応づけられる。
【0051】
服薬時刻は、1日に複数回を服薬する場合、各回の服薬時刻が含まれるものとされ、例えば1日3回食後の場合、朝食後、昼食後、夕食後の各服薬時刻が含まれる。開封検知頻度は、一定時間毎に定期的に検知を行うか(以下、定期検知とする)、又は常時検知を行うか(以下、リアルタイム検知とする)、さらには定期検知の場合の時間間隔(例えば5分、10分、15分、20分、30分、60分、120分)の設定である。定期検知に設定することでリアルタイム検知に比べて省電力化でき、また定期検知の時間間隔を長く設定するほど省電力化できる。本実施形態では、定期検知に設定されている場合について具体的に説明する。
【0052】
開封検知器40の報知設定は、服薬忘れ(未開封)時のLED45の点灯パターンの設定であり、点灯(点滅)の時間が異なる複数種類のパターンから選択可能とされる。開封検知器40からの開封検知結果の送信頻度は、開封検知器40からの情報送信(uplink)を開封検知結果に変化がある場合のみ行うか否かの設定である。開封検知結果に変化がある場合のみと設定すると、開封検知器40のデータ送信頻度を削減できるため省電力化できる。本実施形態では、開封検知結果に変化がある場合のみにデータ送信されると設定されている場合について具体的に説明する。
【0053】
管理サーバー60からの設定情報の送信に対する要求頻度(以下、定期downlink頻度とする)は、1日1回(例えば夕食後の服薬時刻後)の送信とするか、複数回(例えば朝食後、昼食後、夕食後の各服薬時刻後)の送信とするかの設定である。定期downlink頻度を調整することで、開封検知器40の設定情報を更新しつつ、更新に伴う開封検知器40の消費電力ができるだけ少なくなるように調整できる。本実施形態では、定期downlink頻度が各服薬時刻後に設定されている場合について具体的に説明する。
【0054】
開封検知器40は、図14Aに示すように、起動されると初期データをuplink送信する(S200)。開封検知器40からuplink送信されるデータ(uplinkデータ)は、ID情報、開封時刻、開封検知結果(各収容部22の開封状態について制御部44による判定結果)、充電池47の残量、接続部41に包装材20の回路パターン32が接続されているか否か、及び独立モードが起動されているか否かを含む。初期データは、開封検知器40の起動時、又はリセットボタン46がONされた時のuplinkデータである。uplinkデータに開封検知器40のID情報が含まれていることで、開封検知器40が複数台ある場合であっても(複数の包装材20(ひいては医薬品T)がある場合であっても)、開封検知器40毎に開封検知を行って、開封検知器40毎に開封状態に基づく報知を実行可能となっている。
【0055】
独立モードは、電波状況が悪く、開封検知器40へ後述するdownlinkデータが送信されない場合に起動される動作モードである。独立モードでは、アプリで入力した登録情報で設定したデータ送信頻度(開封検知結果の送信頻度)ではなく、開封検知器40の制御部44が備えるタイマーによる定期間隔でuplinkデータの送信が行われる。独立モードによれば、電波状況が悪く、開封検知器40へdownlinkデータが正常に送信されない場合であっても、開封検知器40からuplinkデータが送信されるようになる。ただし、開封検知器40にはdownlinkデータに含まれる現在時刻も送信されないため、独立モードの起動時は、服薬忘れを報知するためにLED45を点滅してアラートを発出する処理は実行されない。
【0056】
通信サーバー86は、図14Aに示すように、開封検知器40からuplinkデータを受信すると、管理サーバー60に対して当該uplinkデータを転送すると共に、管理サーバー60に設定情報のcallback要求(送信要求)をする(S300)。管理サーバー60は、通信サーバー86から転送されたuplinkデータを受信する(S400)。また管理サーバー60の情報生成部62は、ステップS100において情報処理端末70から送信された登録情報に基づいて開封検知器40に開封検知に関する所定処理を行わせるための設定情報を生成しており、この設定情報(以下、downlinkデータとする)を通信サーバー86のcallback要求に応じて出力(送信)する(S402)。downlinkデータは、本実施形態では64ビットのデータとして生成される設定情報であって、既述した登録情報と、現在時刻とを含んでいる。
【0057】
通信サーバー86は、図14Aに示すように、管理サーバー60からdownlinkデータを受信して、開封検知器40に転送する(S302)。downlinkデータは、開封検知器40の記憶部48に上書きされて、開封検知器40の設定情報が更新される(S202)。従って更新後は、開封検知器40の制御部44は、更新された設定情報に基づき開封検知に関する所定処理を実行することとなる。
【0058】
次に、開封検知器40の制御部44は、図14Bに示すように、1日のうちの最終服薬回(例えば1日3回の場合には3回目)か否かを判定する(S204)。最終服薬回である場合には(S204のYES)、制御部44は開封検知器40の動作モードを一定時間経過後(例えば4時間経過後)に省電力モード(ナイトモード)に切り替えるようにタイマー設定する(S208)。ナイトモードは省電力モードの一種であり、後述するスタンバイモードの動作に加えて定期検知を停止する動作モードである。省電力モードでは、夜間等、服薬がなく開封検知が不要となる時間帯に開封検知器40を待機状態にし、開封検知を行わないことで、消費電力を削減できる。
【0059】
タイマー設定後、開封検知器40が翌日分のdownlinkデータを要求すると(S210)、通信サーバー86からcallback要求が出され(S304)、管理サーバー60からdownlinkデータが出力(送信)される(S404)。downlinkデータは、通信サーバー86を経由して(S306)、開封検知器40に伝達される。downlinkデータは、開封検知器40の記憶部48に上書きされて、開封検知器40の設定情報が更新される(S212)。そして開封検知器40は、ステップS206のタイマー設定時間経過後に省電力モードに切り替えられて、待機状態となる(S214)。一方ステップS204において最終服薬回でない場合(S204のNO)、制御部44は、開封検知器40の動作モードを省電力モード(スタンバイモード)に切り替える(S214)。スタンバイモードは省電力モードの一種であり、開封検知(開封検知器40の接続部41に電流を流して、包装材20の回路パターン32に生じる電圧を検出し、開封状態を判定)が行われない動作モードである。
【0060】
開封検知器40は、省電力モードに切り替えられた後(図14BのS214)、図15Aに示すように、所定のタイミング(例えば定期検知の場合、downlinkデータに含まれる検知間隔に基づき、制御部44のタイマーにより起動されるタイミング)で省電力モードから起動する(S220)。そして、制御部44は各収容部22の開封検知を行って開封状態を判定し(S222)、開封状態の場合にはuplinkデータを出力(送信)する(S238)。uplinkデータは、通信サーバー86を経由して(S320)、管理サーバー60に送信され(S420)、情報処理端末70に開封状況が表示される(S120)。一方、ステップS222において未開封状態の場合には、制御部44は開封検知器40を省電力モード(スタンバイモード)にする(S226)。
【0061】
次に制御部44は、現在時刻が服薬時刻以降になると(S228のYES)省電力モード(スタンバイモード)を解除して(S229)、再び開封検知を実行する(S230)。ここで未開封状態の場合(S230のNO)、服薬時刻を過ぎても包装材20が開封されていない(ひいては医薬品Tが取り出されていない)ため、LED45が点滅することでアラートが発出される(S232)。一方、開封状態の場合(S230のYES)はステップS222に戻る。
【0062】
次に制御部44は、設定された定期検知の時間間隔を空けて、再び開封検知を行う(S234)。未開封状態の場合には(S234のNO)、前回の開封検知結果である未開封状態(S230のNO)から変化がないため、uplinkデータは出力(送信)されず、一定時間経過後にアラートが停止され(S236)、ステップS222に戻る。一方、開封状態の場合には(S234のYES)、前回の開封検知結果である未開封状態(S230のNO)から変化しているため、通信サーバー86にuplinkデータが出力(送信)される(S238)。uplinkデータには、開封検知器40の制御部44が開封状態を検知した際の現在時刻である開封時刻を示すデータが含まれる。uplinkデータは、既述したように通信サーバー86を経由して(S320)、管理サーバー60に送信され(S420)、情報処理端末70に開封状況が表示される(S120)。管理サーバー60は、uplinkデータを情報処理端末70に転送し、情報処理端末70はuplinkデータに基づいて少なくとも開封時刻を含む開封状況を表示する。また、管理サーバー60は、uplinkデータに含まれる開封検知器40のID情報を取得し、このID情報に対応付けられている登録情報を入力した情報処理端末70に対してuplinkデータを転送する。
【0063】
また開封検知器40の制御部44は、uplinkデータを出力(S238)後、現在時刻が最終服薬時刻以降かどうかを判定する(S240)。最終服薬時刻は、downlinkデータに含まれる複数回分の服薬時刻のうち最も遅い時刻である。最終服薬時刻とは、服薬時刻から所定時間後であって医薬品Tが服薬されるべき最終時刻である。医薬品Tは服薬時刻以降、遅くとも最終服薬時刻までに服用されることが求められるため、従って、包装材20は服薬時刻以降、最終服薬時刻までに開封が求められる。現在時刻が最終服薬時刻以降でない場合には(S240のNO)、ステップS222に戻り、上記した開封検知に関する処理を繰り返す。
【0064】
現在時刻が最終服薬時刻以降である場合には(S240のYES)、図15Bに示すように、開封検知器40はdownlinkデータを要求し(S242)、通信サーバー86からcallback要求が出され(S322)、管理サーバー60からdownlinkデータが出力(送信)される(S422)。downlinkデータは、通信サーバー86を経由して(S324)、開封検知器40に伝達される。downlinkデータは、開封検知器40の記憶部48に上書きされて、開封検知器40の設定情報が更新される(S244)。更新後、開封検知器40は省電力モードに切り替わる(S246)。
【0065】
<実施形態2>
実施形態2に係る開封管理システム110について図16を参照して説明する。実施形態2において、実施形態1と同様の構成、作用及び効果については重複する説明は省略する。
【0066】
開封管理システム110において開封検知器140は、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))によって情報処理端末170と通信接続されている。開封検知器140は、BLE用の通信モジュールを備え、情報処理端末170はBLE機能を有している。これにより開封検知器140は、情報処理端末170とペアリング接続され、情報処理端末170を介して、通信網80に接続される管理サーバー60と通信可能となっている。このようにすれば、LPWA通信が利用可能でない状況下(例えば基地局85が整備されていない地域)であっても、開封検知、及び開封状態に基づく報知を実現できるようになる。
【0067】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0068】
(1)図示における筐体50の形状は一例であり、適宜変更可能である。
【0069】
(2)図示における包装材20の形状、収容部22の数や間隔等は一例であり、適宜変更可能である。
【0070】
<uplinkデータの活用例>
既述したように管理サーバー60は、uplinkデータを情報処理端末70にそのまま転送してもよいが、uplinkデータに基づく情報処理によって生成した各種加工データを情報処理端末70に送信してもよい。さらに、管理サーバー60は、登録情報を入力した情報処理端末70以外の端末に対してuplinkデータや加工データを送信してもよい。
【0071】
uplinkデータや加工データは、包装材20に包装された医薬品Tを服用する者が使用する端末に送信されてもよいし、医薬品Tを処方した医療機関の端末であってもよいし、医薬品Tを製造する薬品メーカの端末であってもよいし、包装材20を製造する包装材メーカの端末であってもよいし、医薬品Tの流通経路上の流通業者の端末であってもよい。管理サーバー60は、uplinkデータや加工データに対して外部からアクセス不能にし、真正な送信先に対してのみuplinkデータや加工データを送信するように構成されるのが望ましい。管理サーバー60は、真正な送信先のみ復号できるように、uplinkデータや加工データを暗号化して記録してもよい。
【0072】
既述したように管理サーバー60は、uplinkデータに基づいて以下のような情報処理を行ってもよい。管理サーバー60は、情報処理端末70にて入力した登録情報とuplinkデータが示す開封時刻とを蓄積した開封時刻データベースを作成してもよい。さらに、管理サーバー60は、登録情報が示す服薬時刻と開封時刻とを比較することにより、服薬が適切に行われている否かを判定し、その判定結果を示す加工データを各種端末に送信してもよい。このような加工データは、医者や薬剤師等の医薬品Tの処方者にも有益であるし、医薬品Tを服薬する者にも有益である。
【0073】
管理サーバー60は、開封時刻データベースに蓄積した開封時刻を統計処理することにより加工データを生成してもよい。具体的に、管理サーバー60は、医薬品Tを服薬する者の属性(例えば年齢や性別等)ごとに開封時刻を統計処理してもよいし、医薬品Tの種類ごとに開封時刻を統計処理してもよい。さらに、管理サーバー60は、開封時刻データベースに蓄積した開封時刻を教師データとして機械学習を行うことにより、医薬品Tの服薬状況を予測する予測モデルを生成してもよい。管理サーバー60は、予測モデルによって予測した服薬状況を示すデータを加工データとして各端末に送信してもよい。
【0074】
包装材20は必ずしも医薬品Tを包装するものに限られず、開封をした上で使用・消費される包装物であればどのようなものを包装してもよい。さらに、包装材は開封検知器40が取り付け可能なものであればよく、必ずしも包装物を密封しなくてもよい。また、包装材は、包装物を収容する容器と包装物とに跨って貼り付けられるシールであってもよく、包装物を容器から取り出すことにより破断してもよい。例えば、包装材は、容器としてのファイルと、包装物としての書籍や冊子とに跨って貼り付けられるシールであってもよい。例えば食品のように消費期限が有期の包装物に本発明を適用した場合、uplinkデータが示す開封時刻に基づいて適切なタイミングで消費されているか否かを検証することが可能となる。消費期限が無期の包装物に本発明を適用した場合においても、uplinkデータが示す開封時刻に基づいて包装物の消費状況を把握できるため、包装物の供給者や生産者に有益な情報を提供できる。
【符号の説明】
【0075】
10:開封管理システム、20:包装材、40,140:開封検知器、43:通信部、44:制御部(検知部)、45:LED(報知部)、61:交信部、62:情報生成部、T:医薬品
図1
図2
図3
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図11
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図14B
図15A
図15B
図16