(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150688
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】すべり軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 33/20 20060101AFI20231005BHJP
F16C 29/02 20060101ALI20231005BHJP
B29C 45/14 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F16C33/20 Z
F16C29/02
F16C33/20 A
B29C45/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059911
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】591001282
【氏名又は名称】大同メタル工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 大嵩
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良文
【テーマコード(参考)】
3J011
3J104
4F206
【Fターム(参考)】
3J011AA20
3J011BA02
3J011DA01
3J011KA07
3J011LA04
3J011MA01
3J011PA10
3J011QA03
3J011QA05
3J011SA06
3J011SC03
3J011SC12
3J011SC20
3J011SD04
3J011SE05
3J011SE06
3J104AA43
3J104AA63
3J104AA69
3J104AA75
3J104AA76
3J104AA77
3J104BA53
3J104CA11
3J104CA13
3J104CA16
3J104CA18
3J104CA20
3J104CA35
3J104DA13
4F206AA17
4F206AB00
4F206AD17
4F206AD19
4F206AD20
4F206AE08
4F206AE09
4F206AH14
4F206AR12
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB23
4F206JB28
(57)【要約】
【課題】摺動部材と樹脂製ハウジングとを有するすべり軸受であって、摺動部材の摺動特性が良好で、摺動部材と樹脂製ハウジングの接合性が高く、且つ摺動部材の内径精度や真円度の高いすべり軸受を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、摺動部材が、軸線方向に延びる合せ目を備えた巻きブシュを有し、巻きブシュが、内径側に位置し摺動面を形成する樹脂層と、樹脂層の外径側に位置する中間層と、中間層の外径側に位置する裏金とを少なくとも含む複層構造を有し、樹脂製ハウジングの樹脂材料が、合せ目において、巻きブシュの外周面から内周面に向かって前記肉厚の10~90%流入しているすべり軸受が提供される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材を摺動可能に支持するためのすべり軸受であって、円筒形状の摺動部材と、前記摺動部材の外周面上に形成された樹脂製ハウジングと有するすべり軸受において、
前記摺動部材は、軸線方向に合せ目が延びる巻きブシュを有し、前記巻きブシュは、内径側に位置し摺動面を形成する樹脂層と、前記樹脂層の外径側に位置する中間層と、前記中間層の外径側に位置する裏金とを少なくとも含む複層構造を有し、また
前記樹脂製ハウジングの樹脂材料が、前記合せ目において、前記巻きブシュの外周面から内周面に向かって巻きブシュの肉厚の10~90%流入している、すべり軸受。
【請求項2】
前記巻きブシュの前記肉厚が、前記巻きブシュの内径の5~20%である、請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項3】
前記巻きブシュは、前記樹脂層と前記中間層と前記裏金とからなる3層構造を有する、請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項4】
前記樹脂層は、樹脂材料と、前記樹脂材料に添加された添加剤とを含む、請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項5】
前記樹脂層の前記樹脂材料がポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1に記載のすべり軸受。
【請求項6】
前記中間層は、多孔質金属材料と、前記多孔質金属材料に含浸された樹脂材料とを含む、請求項1に記載のすべり軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸部材を摺動可能に支持するためのすべり軸受に関するものであり、より詳細には、円筒形状の摺動部材と、摺動部材の外周面に射出成形により形成された樹脂製ハウジングとを有するすべり軸受に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射出成形により形成された樹脂製ハウジング140を有する円筒形状のすべり軸受101が知られている(
図8~9)。すべり軸受101は、軸部材を支持する摺動面として機能する内周面142と、相手部材に固定される固定面として機能する外周面144とを有する。
【0003】
従来、樹脂製ハウジング自体に摺動性を付与するために樹脂に固体潤滑剤などの添加剤を添加する方法や、摺動面を別部材で構成して樹脂製ハウジングと一体化する方法が知られている。しかし、添加剤を添加する方法は、ハウジングとしての機能(機械的性質)と、軸受としての機能(摺動特性)を両立させることが難しい。またこの方法は、樹脂の成形収縮の異方性の問題から、高い内径寸法精度や円筒度を得ることも難しい。
【0004】
特許文献1には、すべり軸受において、軸方向に切れ目が形成された薄肉円筒形状の金属製割ブシュを摺動部材として使用し、この摺動部材を樹脂製ハウジングと一体化するようにインサート成形する方法が提案されている。引用文献1は、すべり軸受の内周面を高精度とするために樹脂が割ブシュの摺動面まで流れ出さないようにする必要性にも言及しており、したがってインサート成形では、割ブシュは最初に切れ目が密着された状態で射出金型装置のコアピンに装着され、その後樹脂が射出金型装置のキャビティ内に注入される(段落0016~0019および0070等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるすべり軸受は、金属製の割ブシュを使用している。しかし、摺動面が金属であると、境界潤滑などの固体接触が発生する潤滑環境での摺動特性が十分ではない。特許文献1には、摺動面の摺動性を向上するために被膜(PTFEコーティングなど)を付与することも提案されている(段落0020等)が、被膜は高荷重を受けた際に接合力が十分ではない。
【0007】
また特許文献1のすべり軸受において樹脂製ハウジングと金属製割ブシュの接合性を確保するためには、射出成形時に高い圧力で樹脂を充填することによりハウジングによる割ブシュの保持力を高くする必要がある。しかし、割ブシュの剛性が足りないと変形が生じて摺動性が損われ、一方、割ブシュの剛性が高すぎると金型の形状に沿わせることが難しく、すべり軸受の形状が不安定になるという問題があった。
【0008】
したがって本発明の目的は、摺動部材と樹脂製ハウジングとを有するすべり軸受において、高荷重を受けても摺動部材が十分な摺動特性を有し、摺動部材と樹脂製ハウジングの接合性が高く、且つ摺動部材の内径精度や真円度の高い、すべり軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、軸部材を摺動可能に支持するためのすべり軸受であって、円筒形状の摺動部材と、摺動部材の外周面上に形成された樹脂製ハウジングと有するすべり軸受において、摺動部材は、軸線方向に合せ目が延びる巻きブシュを有し、巻きブシュは、内径側に位置し摺動面を形成する樹脂層と、樹脂層の外径側に位置する中間層と、中間層の外径側に位置する裏金とを少なくとも含む複層構造を有し、また樹脂製ハウジングの樹脂材料が、合せ目において、巻きブシュの外周面から内周面に向かって巻きブシュの肉厚の10~90%流入している、すべり軸受が提供される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、巻きブシュの肉厚が、巻きブシュの内径の5~20%とすることができる。
【0011】
また本発明の一実施形態によれば、巻きブシュは、樹脂層と中間層と裏金とからなる3層構造とすることができる。
【0012】
本発明において、巻きブシュの樹脂層は、樹脂材料と、樹脂材料に添加された添加剤とを含んでいてもよく、また樹脂材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含んでいてもよい。
【0013】
さらに、巻きブシュの中間層は、多孔質金属材料と、多孔質金属材料の内部に含浸された樹脂材料とを含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のすべり軸受では、内径側に樹脂層を有する複層構造の巻きブシュ、特に樹脂層と中間層と裏金とからなる3層構造の巻きブシュを使用することによって、摺動特性を向上しつつ、密着性の高い樹脂摺動層が提供される。この構成によれば、物理的なアンカー効果で摺動層が接着されているため、特にPTFEのような粘着性の低い樹脂材料を樹脂層に使用する場合に有効である。
【0015】
また、巻きブシュは射出成形によって樹脂製ハウジングと一体形成されるが、巻きブシュの合せ目に樹脂材料を流入させること、特にその流入割合を10~90%とすることによって、巻きブシュの保持力を向上し、巻きブシュの抜けやハウジングとの共回りを防ぐことができる。
尚、巻きブシュの合せ目内への樹脂材料の流入割合とは、巻きブシュの肉厚(径方向厚さ)に対する、巻きブシュの外周面から内周面に向かって延びる樹脂材料の流入長さの割合を表す。したがって流入割合が0%である状態とは、樹脂材料が外周面から合せ目に流入していない状態であり、流入割合が100%である状態とは、樹脂材料が外周面から内周面まで巻きブシュの肉厚にわたって合せ目に流入している状態である。
本発明とは異なり、樹脂材料の流入割合が10%未満であると、流入量が足りずに巻きブシュの保持力の向上が望めない。また樹脂材料の流入割合が90%を超えると、巻きブシュの合せ目が開いてしまい、内径精度が悪化する。さらに、樹脂材料の流入割合が100%を超えて内周面まで流入してしまうと、摺動特性が損われる。
【0016】
また本発明によれば、巻きブシュの肉厚を内径の5~20%にすることで巻きブシュの剛性を適切に調整してもよい。これにより、巻きブシュのための十分な保持力と、摺動性に優れた巻きブシュの形状とを実現することができる。
巻きブシュの剛性は、巻きブシュの肉厚と内径の比(肉厚/内径)で決まるが、この割合が5%以上であれば効率的に剛性を高くすることができ、射出成形時に圧力を受けても巻きブシュが変形しにくくなる。またこの割合が20%以下であれば、剛性が高く、且つ金型への追従性が低下しないので、形状が安定する(したがって真円度が高くなる)。
【0017】
本発明の構成および利点について、添付の図面を参照して以下により詳細に説明する。図面は、非限定的な実施例を例示の目的でのみ示していることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態によるすべり軸受を軸線方向から見た正面図である。
【
図2】
図1に示すすべり軸受のA-A断面図である。
【
図3】
図2に示すすべり軸受の一部Bの拡大図であり、巻きブシュの断面を詳細に示す図である。
【
図4】
図1に示すすべり軸受の一部Cの拡大図であり、巻きブシュの合せ目を詳細に示す図である。
【
図5】本発明の他の実施形態によるすべり軸受の
図4に相当する図であって、巻きブシュの合せ目の他の構成を詳細に示す図である。
【
図6】すべり軸受の製造工程の一例を説明するための図である。
【
図7】すべり軸受の製造工程の一例を説明するための図である。
【
図8】従来のすべり軸受を軸線方向から見た正面図である。
【
図9】
図8に示す従来のすべり軸受のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態によるすべり軸受1について、以下に詳細に説明する。
【0020】
(すべり軸受の構造)
図1は、すべり軸受1を軸線方向から見た正面図であり、
図2はすべり軸受1の軸線方向断面図である。すべり軸受1は円筒形状を有し、内径側に位置する摺動部材としての巻きブシュ20と、その外径側に位置する樹脂製ハウジング40とから構成される。樹脂製ハウジング40は、巻きブシュ20を保持するように巻きブシュ20の外周面24に接合される。樹脂製ハウジング40の外周面44は、すべり軸受1を相手部材(図示せず)に固定するための固定面として機能し、巻きブシュ20の内周面22は、軸部材(図示せず)を摺動可能に支持するための摺動面として機能する。
【0021】
図3は、
図2に示すすべり軸受1の一部Bの拡大図であり、特に巻きブシュ20の軸線方向断面を詳細に示している。
図3から理解されるように、巻きブシュ20は、最も内径側に配置されて内周面(摺動面)22を形成する樹脂層(摺動層)32と、最も外径側に位置する裏金36と、樹脂層32および裏金36の間の中間層34とからなる3層構造の薄板を円筒形状にして形成される。中間層34は、裏金36上に形成された多孔質金属材料34aと、その内部に含浸された、樹脂層23と同じ樹脂材料34bとを含む。
尚、本実施形態の巻きブシュは3層構造であるが、例えば裏金36の外周面側にめっき層をさらに有する4層構造であってもよい。めっき層は、例えば銅、錫、亜鉛等から形成することができる。また、裏金36の内周面側にもめっき層を形成した5層構造とすることもでき、この場合、内周面側のめっき層の上に多孔質金属材料34aが焼結され、樹脂材料34bが含浸される。さらに、樹脂層32の内周面側を表面処理することもできる。
【0022】
図4に詳細に示されるように、巻きブシュ20は、3層構造の薄板の周方向端面同士の突合せ部分であり且つ軸線方向に延びる合せ目26を有する。本実施形態における合せ目26は、径方向断面において一定の幅Wで径方向に延びる隙間を有している(
図4)。合せ目には、樹脂製ハウジング40を構成する樹脂材料が、巻きブシュ20の外周面24から内周面22に向かって、巻きブシュ40の肉厚(径方向厚さ)tの10~90%まで流入している。
【0023】
巻きブシュ20の内径dは、例えば3~50mmとすることができる。一般に内径が50mmを超えると、より高荷重を受ける軸受となる。このとき、巻きブシュ20の肉厚tは、例えば0.5mm刻みで0.5~2.5mmとすることができ、合せ目の幅Wは、0.1~0.3mmとすることができる。巻きブシュ20の肉厚と内径の割合が5~20%になるようにすることが好ましく、このとき0.5mm刻み各肉厚に対する内径の上下限寸法は表1の通りとなる。
【表1】
【0024】
尚、本発明の他の実施形態では、巻きブシュ20の合せ目は、巻きブシュ20の径方向断面において一定の幅Wで径方向にわたって延びていなくてもよく、代わりに
図5に示されるように、合せ目26’は、巻きブシュ20の外周面24で所定の幅Wを有し、しかし内周面22に向かって徐々に幅が減少して肉厚の略中央で閉じるような隙間を有していてもよい。このような合せ目26’により、樹脂材料が巻きブシュ40の肉厚(径方向厚さ)tの10~90%まで流入する構成をより容易に得ることができる。尚、合せ目は、階段状や蟻溝等、内周面22に向かって徐々に幅が減少した形状でなくてもよい。また軸線方向に幅を変えてもよい。
【0025】
(すべり軸受の材質)
樹脂製ハウジング4を構成する樹脂材料は、射出成型可能なものであればよく、例えばグラスファイバー充填植物由来ポリアミド10Tを使用することができる。あるいは熱可塑性樹脂として、汎用プラスチック(PP、PE、PS、ABS、PMMA、PVC、PLA)、エンジニアリングプラスチック(PA、POM、PC、PBT、PVDF)、およびスーパーエンジニアリングプラスチック(PPS、PEEK、LCP、PFA、FEP、PEI、PAR、PSF、PES、PI、PAI)等を使用することができ、熱硬化性樹脂(PF、UF、MF、EP、PUR)を使用してもよい。また巻きブシュ20の樹脂層32には、ベース樹脂に添加剤を混合したものを使用することができる。ベース樹脂は、例えばPTFE、POM、PEEK、PA等であり、添加剤は、例えば黒鉛やMoS2といった固体潤滑剤や、アルミナやカーボンファイバーといった耐摩耗剤を含む。巻きブシュ20の裏金36は、例えば鉄や炭素鋼から作られる。巻きブシュ20の中間層34は、例えば銅および銅合金の粉体を焼結したものに、樹脂層32を構成する樹脂材料を含浸させて得ることができる。
【0026】
(すべり軸受の製造方法)
すべり軸受1は、例えば以下の射出成形方法で製造することができる。
まず、
図6に示すように、コアピン61と、その周囲に形成された円筒形状のキャビティ62とを有する第1金型60が提供され、コアピン61にインサート材20’(巻きブシュ20)が外嵌される。次いで、
図7に示すように、第1金型61に第2金型64が型締めされ、第2金型64に形成されたスプルー65を通して、樹脂材料がキャビティ62に充填される。冷却固定後、この金型から成形品が取り出され、それにより、巻きブシュ20の周囲に樹脂製ハウジング40が形成されたすべり軸受が提供される。
尚、本実施形態では、インサート材20’の合せ目の形状をストレートとし、その開き幅を0.6mm、射出圧力(保圧)を40MPaに調整することによって、巻きブシュ40の肉厚に対する樹脂材料の流入割合を50%にしたが、成形する樹脂製ハウジングの形状や種類によって流入割合は変わるため、インサート材の合せ目形状や開き幅、成形する樹脂にかける圧力等を調整することによって所望の流入割合とすることができる。
【実施例0027】
(性能評価試験)
本発明によるすべり軸受のブシュ保持力および真円度を評価するために、実施例1~8および比較例1~2について性能評価試験を行った。
尚、3層構造の巻きブシュは、裏金上に多孔質中間層を焼結し、樹脂摺動層(PTFE)を含浸して形成し、またハウジングは、ユニチカ株式会社のXecoT(登録商標)XG510A30Dを使用して、射出成形機(FANUC社製ROBOSHOT α-S50iA)により成形した。また巻きブシュの合せ目への樹脂材料の流入割合は、軸線方向に垂直な断面で測定して求めた。
【0028】
(試験結果)
以下の表2は、実施例1~5および比較例1~2を用いて、巻きブシュの合せ目への樹脂材料の流入割合を変えた場合の、ブシュ保持力および真円度の測定結果をまとめた試験結果である。
尚、ブシュ保持力は、オートグラフを用いて、軸線方向へハウジングから巻きブシュを押し出すために必要な力を測定することにより求め、また真円度は、真円度測定器を用いて、ブシュ内径の真円度を測定することにより求めた。
【表2】
【0029】
(試験結果)
さらに、以下の表3は、実施例3および6~8を用いて、巻きブシュの肉厚と内径の割合を変えた場合に、ブシュ保持力および真円度の測定結果をまとめた試験結果である。
【表3】
【0030】
表2の試験結果から、樹脂材料の流入割合が10~90%であると、良好なブシュ保持力と真円度をバランスよく備えたすべり軸受を得られることが確認された。特に比較例1のように樹脂材料の流入割合が低いと保持力が低下し、一方、比較例2のように樹脂材料の流入割合が高すぎると真円度が悪化することが分かる。
さらに、表3の試験結果から、巻きブシュの肉厚と内径の割合を調整することで、ブシュ保持力を維持したまま真円度を改善できることも確認される。
【0031】
以上、図面を参照して、また性能評価試験に関連して、本発明の実施形態および実施例を詳述してきたが、具体的な構成はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない程度の変更は本発明に含まれる。