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特開2023-150703保育施設検索装置、保育施設検索方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150703
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】保育施設検索装置、保育施設検索方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059932
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】596127554
【氏名又は名称】株式会社日立社会情報サービス
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 直輝
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭
(72)【発明者】
【氏名】平戸 新吾
(72)【発明者】
【氏名】井上 勝二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】保護者のニーズに合う保育施設の検索を容易にする保育施設検索装置、保育施設検索方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】保育施設検索装置100は、保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索するキーワード検索部132と、保育施設の事業者の理念または方針を示すキーワードに基づいて、保育施設の特徴を点数化する事業者理念・方針分析部134と、保護者へのアンケート結果を受付けるアンケート結果受付部133と、事業者理念・方針分析部134が点数化した保育施設の特徴情報と、アンケート結果受付部133が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とに基づいて、保育施設の適合度を算出する適合度算出部135と、点数化した情報を入力し、点数化した情報に基づいて保育方針に対するニーズに近い保育施設を表示するレーダチャート部136と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保育施設を検索する保育施設検索装置であって、
前記保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、前記保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索するキーワード検索部と、
前記保育施設の事業者の理念または方針を示す前記キーワードに基づいて、前記保育施設の特徴を点数化する事業者理念・方針分析部と、
保護者へのアンケート結果を受付けるアンケート結果受付部と、
前記事業者理念・方針分析部が点数化した保育施設の特徴情報と、前記アンケート結果受付部が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とに基づいて、前記保育施設の適合度を算出する適合度算出部と、
前記点数化した情報を入力し、前記点数化した情報に基づいて前記保育方針に対するニーズに近い保育施設を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする保育施設検索装置。
【請求項2】
前記キーワード検索部は、
保護者へのアンケート結果から、キーワードの正答率を算出し、正答率の低いキーワードを見直し対象として抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の保育施設検索装置。
【請求項3】
前記キーワード検索部は、
保護者へのアンケート結果から、キーワードの有効性を検証し、有効なキーワードを新たなキーワードとして抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載の保育施設検索装置。
【請求項4】
前記表示部は、
前記点数化した情報をレーダチャート化して表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の保育施設検索装置。
【請求項5】
前記表示部は、
前記レーダチャート化して表示する場合、軸の一つを、事業者の理念・方針を保育施設選考の評価軸とする
ことを特徴とする請求項4に記載の保育施設検索装置。
【請求項6】
保育施設を検索する保育施設検索装置の保育施設検索方法であって、
前記保育施設検索装置は、
前記保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、前記保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索するステップと、
前記保育施設の事業者の理念または方針を示す前記キーワードに基づいて、前記保育施設の特徴を点数化するステップと、
保護者へのアンケート結果を受付けるステップと、
前記事業者理念・方針分析部が点数化した保育施設の特徴情報と、前記アンケート結果受付部が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とに基づいて、前記保育施設の適合度を算出するステップと、
前記点数化した情報を入力し、前記点数化した情報に基づいて前記保育方針に対するニーズに近い保育施設を表示するステップと、実行する
ことを特徴とする保育施設検索方法。
【請求項7】
保育施設を検索する保育施設検索装置としてのコンピュータに、
前記保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、前記保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索するキーワード検索手順、
前記保育施設の事業者の理念または方針を示す前記キーワードに基づいて、前記保育施設の特徴を点数化する事業者理念・方針分析手順、
保護者へのアンケート結果を受付けるアンケート結果受付手順、
前記事業者理念・方針分析手順で点数化した保育施設の特徴情報と、前記アンケート結果受付手順で受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とに基づいて、前記保育施設の適合度を算出する適合度算出手順、
前記点数化した情報を入力し、前記点数化した情報に基づいて前記保育方針に対するニーズに近い保育施設を表示する表示手順、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保育施設検索装置、保育施設検索方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、子供を産んだ後も働く女性が増加したことにより、保育施設等の検索の必要性が増してきている。
特許文献1には、保護者の所在地を含む保護者情報および児童情報を記録した利用者情報記憶部と、施設情報、施設状況を記録した施設情報記憶部と、クライアント端末に接続された制御手段とを備える保育施設情報管理システムが記載されている。特許文献1に記載の装置は、自宅所在地から勤務地までの経路に基づいて、検索対象のエリアを特定し、エリアに存在する保育施設であって、前記保育施設までの移動所要時間および勤務時間に応じた必要保育時間の保育可能な保育施設を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6144096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
保育施設を検索するユーザは、既に就労していることが多く、十分な時間をとることができないことが多い。そのため、効率的な検索手法が望まれている。しかしながら、従来ではユーザが保育施設をインターネットで検索し、その口コミ評価等を吟味し、かつ、ユーザの居住地や、職場との位置関係について、ユーザ自身で情報を収集しなければならず、ユーザに大きな負担がかかっている。
【0005】
前記したように、保育施設を検索するユーザは、子が幼少のため、行動範囲が限定されたり、保護者の情報収集能力に差があったりすること等が原因で、個人で入手できる保育施設の情報量に限りがある場合がある。また、就労しているユーザは、保育施設を実際に利用している人から情報を入手できる機会が少ないため、保育施設に関する情報量についてユーザ間に個人差が生じる。さらに、検索した保育施設の空き状況によっては、再度、前記した施設検索を行わなければならず、ユーザの大きな負担となっている。
【0006】
特許文献1は、「一時預かり」を主なターゲットとしている保育施設情報管理システムである。「一時預かり」ではなく、「4月入所」を主なターゲットとする場合、「4月入所」では育休中の保護者が多いことが想定される。「4月入所」は一斉申込であり、空いていても定員以上の申込があれば、入所できないケースがある。そのため、複数の保育所に優先順位を付けて申し込む必要がある。すなわち、複数の保育所の見学、比較、優先順位付けを行った上で申し込む必要があり、それらの作業がユーザの大きな負担となっているのが実情である。
【0007】
また、保育施設の特徴も保育施設を選ぶために考慮される。ユーザの居住地や職場と保育施設との位置関係については、経路情報サイト等により比較的情報を得やすい。しかしながら、ユーザの居住地や職場と保育施設との位置関係や保育施設の特徴について、ユーザが最もよい判断を行うことは必ずしも容易ではない。それは、保育施設の特徴などは漠然とした目安しかなく(あるいは、園庭がある/なしや延長保育が可能などの限られた情報しかなく)、ユーザが口コミ情報等をもとになんとか判断するしかないのが実情である。保育施設の特徴だけでは見えづらい要素が多分にあり、保活の苦労や負担は大きいという課題がある。
【0008】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、保護者のニーズに合う保育施設の検索を容易にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明による保育施設検索装置は、保育施設を検索する保育施設検索装置であって、前記保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、前記保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索するキーワード検索部と、前記保育施設の事業者の理念または方針を示す前記キーワードに基づいて、前記保育施設の特徴を点数化する事業者理念・方針分析部と、保護者へのアンケート結果を受付けるアンケート結果受付部と、前記事業者理念・方針分析部が点数化した保育施設の特徴情報と、前記アンケート結果受付部が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とに基づいて、前記保育施設の適合度を算出する適合度算出部と、前記点数化した情報を入力し、前記点数化した情報に基づいて前記保育方針に対するニーズに近い保育施設を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る保育施設検索システムの構成例を示す図である。
図2】上記実施形態に係る保育施設検索装置の構成例を示す図である。
図3】上記実施形態に係る保育施設検索装置の保育施設検索方法の手順を示すフローチャートである。
図4】上記実施形態に係る保育施設検索装置の表示部の表示画面を示す図である。
図5】上記実施形態に係る保育施設検索装置のアンケート結果を格納するアンケート結果テーブルを示す図である。
図6】上記実施形態に係る保育施設検索装置のアンケート項目を格納するアンケート項目テーブルを示す図である。
図7】上記実施形態に係る保育施設検索装置の事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化した情報「保育施設が重視していること(保育施設の強み)」の一例を示す図である。
図8】上記実施形態に係る保育施設検索装置の保護者へのアンケートから保育方針に対するニーズを点数化した情報「保育方針に対するニーズ」の一例を示す図である。
図9】上記実施形態に係る保育施設検索装置の保育施設検索の詳細条件で示された「事業者の理念・方針」「課外授業など」「保護者の利便性」「保育所の規模」「保育所の体制」の点数化した情報を軸とするレーダチャートである。
図10】上記実施形態に係る保育施設検索装置の事業者の理念・方針を保育施設選考の評価軸の一要素とする特徴を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以降、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。また、本実施形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本実施形態では、検索対象の施設が保育施設である場合について説明するが、これに限らず、塾や、習い事教室等でもよい。
【0012】
[保育施設検索システム]
図1は、本実施形態に係る保育施設検索システムの構成例を示す図である。
保育施設検索システム1は、ネットワーク2、保育施設端末装置3、保護者等の利用者端末装置4、携帯端末5、区役所6、保育施設検索装置100を有している。
ネットワーク2は、保育施設端末装置3、保護者等の利用者端末装置4、携帯端末5、保育施設検索装置100からアクセス可能なインターネット等からなる。
携帯端末5は、例えば、スマートフォンである。携帯端末5は、利用者端末装置4と同じ用途として保育施設の検索等に使用する。
【0013】
保育施設検索装置100は、保活や保育施設に関する情報を集約し、入園申込書生成サービス検索を提供する保育施設検索サイトである。保育施設検索装置100は、休日開所、病児保育など、さまざまな条件での検索が可能である。保育施設検索装置100は、閲覧数の多い保育施設や、保護者の要望に合う保育施設のレコメンド(おすすめ)など、保護者への分かりやすい情報提供を行う。
【0014】
利用者端末装置4(利用者)または携帯端末5は、保育施設検索装置100に対して、検索条件・(以下の説明において、「・」は、「および」を表記する)アンケート回答し、保育施設検索装置100から検索結果・レコメンドを受け取る。
なお、本実施形態では、保育施設端末装置3、利用者端末装置4、携帯端末5および保育施設検索装置100が保育施設検索システム1を構成するとしている。
【0015】
[保育施設検索装置100]
図2は、第1実施形態に係る保育施設検索装置100の構成例を示す図である。
保育施設検索装置100は、例えば、サーバ等であり、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ120、処理部130、HD(Hard Disk)等の記憶装置140および送受信装置150を有する。
【0016】
CPU110は、保育施設検索装置全体の制御を実現するとともに、保育施設の検索を行う制御部である。CPU110は、ROMに記憶された制御プログラムを読み出してRAMに展開し、CPUが本保育施設検索処理を含む各種処理を実行する。
【0017】
記憶装置140に格納されているプログラムがメモリ120に展開され、展開されたプログラムがCPU110によって実行されることで、処理部130、処理部130を構成する情報受付部131、キーワード検索部132、アンケート結果受付部133、事業者理念・方針分析部134、適合度算出部135およびレーダチャート部136(表示部)が具現化している。
【0018】
処理部130は、情報受付部131、キーワード検索部132、アンケート結果受付部133、事業者理念・方針分析部134、適合度算出部135およびレーダチャート部136を制御する。
情報受付部131は、入力された情報を受け付け、必要に応じてキーワード検索部132および事業者理念・方針分析部134に受け付けた情報を渡す。
【0019】
キーワード検索部132は、キーワード検索し、キーワード使用状況を取得する。
キーワード検索部132は、保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索する。
キーワード検索部132は、保護者へのアンケート結果から、キーワードの正答率を算出し、正答率の低いキーワードを見直し対象として抽出する。キーワード検索部132は、保護者へのアンケート結果から、キーワードの有効性を検証し、有効なキーワードを新たなキーワードとして抽出する。キーワード検索部132は、見直し対象として、抽出したキーワードの入替を行う。
【0020】
アンケート結果受付部133は、利用者端末装置4または携帯端末5から入力されたアンケート結果を受け付け、必要に応じて事業者理念・方針分析部134に受け付けた情報を渡す。
【0021】
事業者理念・方針分析部134は、保育施設の事業者の理念または方針を示すキーワードに基づいて、保育施設の特徴を点数化する。
事業者理念・方針分析部134は、事業者理念・方針分析を行い、分析結果を事業者理念・方針情報DB23に格納する。
事業者理念・方針分析部134は、ネットワーク分析部1341、コレポンデス分析部1342を備える。
【0022】
ネットワーク分析部1341は、ネットワークを可視化して単語間の関係性を直感的に分析する。ネットワーク分析部1341は、Python (登録商標)やNetworkX(登録商標)を活用する。ネットワーク分析では、同時に出現する確率の高い単語であれば線で結ばれる。
【0023】
コレポンデス分析部1342は、分析対象となる調査項目と分析の基準としたい属性項目等との関係性(類似性)を2次元の同一マップ上に表現する。解析結果が視覚的に分かり易く表現できる。
【0024】
適合度算出部135は、事業者理念・方針分析部134が点数化した保育施設の特徴情報と、アンケート結果受付部133が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とに基づいて、保育施設の適合度を算出する。
【0025】
レーダチャート部136は、点数化した情報を入力し、点数化した情報に基づいて保育方針に対するニーズに近い保育施設を表示する。具体的には、レーダチャート部136は、事業者理念・方針分析部134が点数化した保育施設の特徴情報と、アンケート結果受付部133が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とをインプットし、点数化した情報をレーダチャート化して表示する。レーダチャート部136は、レーダチャート化して表示する場合、軸の一つを、事業者の理念・方針を保育施設選考の評価軸とする。
【0026】
送受信装置150には、保育施設端末装置3および利用者端末装置4または携帯端末5が接続されており、保育施設端末装置3および利用者端末装置4または携帯端末5との情報を送受信する。また、送受信装置150には、保育施設情報21が格納されている保育施設情報DB(Data Base)61と、アンケート情報22が格納されているアンケート情報DB62と、事業者理念・方針情報23が格納されている事業者理念・方針情報DB63とが接続されている。
【0027】
以下、上述のように構成された保育施設検索システムの動作を説明する。
[フローチャート]
図3は、本実施形態に係る保育施設検索装置100の保育施設検索方法の手順を示すフローチャートである。適宜、図1および図2を参照する。
ステップS101で保育施設検索装置100の情報受付部131(図2)は、入力された情報を受け付ける。
【0028】
ステップS102でアンケート結果受付部133(図2)は、利用者端末装置4または携帯端末5から入力されたアンケート結果を受け付け、受け付けたアンケート結果をアンケート情報DB62(図2)に格納する。
【0029】
ステップS103で事業者理念・方針分析部134(図2)は、事業者理念・方針分析が終了しているか否かを判別する。事業者理念・方針分析が終了している場合(S103:Yes)、ステップS106に進む。
【0030】
事業者理念・方針分析が終了していない場合(S103:No)、ステップS104で事業者理念・方針分析部134は、事業者理念・方針分析を行い、分析結果を事業理念・方針DB63に格納する。
【0031】
ステップS105で事業者理念・方針分析部134は、事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化する。事業者理念・方針分析部134は、保育施設の事業者の理念または方針を示すキーワードに基づいて、保育施設の特徴を点数化する。事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化する仕組みについては、後記する。
【0032】
ここで、使用キーワードの決定等については、<事前準備の概要>で後記する。また、保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを決定する方法として、ネットワーク分析部1341(図2)および/またはコレポンデス分析部1342(図2)を併用してもよい。ネットワーク分析部1341は、ネットワークを可視化して単語間の関係性を直感的に分析する。コレポンデス分析部1342は、分析対象となる調査項目と分析の基準としたい属性項目等との関係性(類似性)を2次元の同一マップ上に表し、解析結果を視覚的に分かり易く表現できる。
【0033】
ステップS106でキーワード検索部132(図2)は、キーワード使用状況取得する。キーワード検索部132は、保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索する。保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索する仕組みについては、後記する(図10)。
【0034】
ステップS107でキーワード検索部132(図2)は、保護者へのアンケート結果から、キーワードの正答率を算出し、正答率の低いキーワードを見直し対象として抽出する(後記)。キーワード検索部132は、保護者へのアンケート結果から、その有効性を検証し、有効なキーワードを見直し対象として抽出する。キーワード検索部132は、見直し対象として、抽出したキーワードの入替を行う。
【0035】
ステップS108で適合度算出部135は、事業者理念・方針分析部134が点数化した保育施設の特徴情報と、アンケート結果受付部133が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とに基づいて、保育施設の適合度を算出する。
【0036】
ステップS109でレーダチャート部136(図2)は、事業者理念・方針分析部134が点数化した保育施設の特徴情報と、アンケート結果受付部133が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とをインプットし、点数化した情報をレーダチャート化して表示する。レーダチャート部136は、レーダチャート化して表示する場合、軸の一つを、事業者の理念・方針を保育施設選考の評価軸とする。例えば、レーダチャート部136は、保育施設情報DB61に格納された保育施設情報をもとに、「課外授業など」「保護者の利便性」「保育所の規模」「保育所の体制」の点数化した情報の軸に加え、新規に「事業者の理念・方針」の評価軸を加え、5つの軸でレーダチャート化して表示する。
【0037】
[保育施設検索絞込み条件イメージ]
図4は、保育施設検索装置100の表示部(図示省略)の表示画面200を示す図である。ここでは、保育施設検索絞込み条件イメージを示す。表示画面200の下部には、操作用のタブである「詳細条件をクリアする」201、「エリア・施設を選びなおす」202、「検索する」203を表示する。表示画面200の上部には、保育施設検索用のタブである「エリア・駅」211、「施設名・施設の種別」212、「詳細条件を設定する」213、「検索する」214を表示する。
【0038】
保育施設検索の詳細条件には、「事業者の理念・方針」「課外授業など」「保護者の利便性」「保育所の規模」「保育所の体制」がある。
「事業者の理念・方針」は、例えば「健やかに伸び伸びと育つこと」「身近な人と気持ちが通じ合うこと」「身近なものと関わり感性が育つこと」「知識および技能の基礎を習得すること」「思考力,判断力,表現力等の基礎を習得すること」「学びに向かう力,人間性等を向上させること」の6つの保育方針である。
【0039】
「課外授業など」は、合同保育、食育、リトミック、体操・スイミング、英語、お茶の時間がある。
【0040】
「保護者の利便性」は、休日開所、病児保育、一時預かり、自宅から保育所迄が1km以内、自宅から園バス停迄500m以内がある。
【0041】
「保育所の規模」は、園庭の大きさが2,000m以上、園庭の大きさが2,000m未満、学級数が5クラス以上、学級数5クラス未満がある。
【0042】
「保育所の体制」は、保育士平均経験年数が15年以上、保育士平均経験年数が15年未満、従業者数が20名以上、従業者数20名未満がある。
【0043】
[アンケート結果のパラメータ]
アンケート結果のパラメータについて説明する。
アンケート結果は、以下の形式でテーブルに格納される。
図5は、アンケート結果を格納するアンケート結果テーブル220を示す図である。
アンケート結果テーブル220は、ユーザID、アンケート実施日時、アンケートID、アンケート回答(選択結果)を有する。
【0044】
アンケート項目は、以下の形式でテーブルに格納される。
図6は、アンケート項目を格納するアンケート項目テーブル230を示す図である。
アンケート項目テーブル230は、アンケートID、分類231、質問、選択肢、備考を有する。分類231は、「事業者の理念・方針」、「課外授業など」、「保護者の利便性」、「保育所の規模」、「保育所の体制」である。
【0045】
[事業者の理念・方針と保護者へのアンケート結果を点数化]
事業者の理念・方針と保護者へのアンケート結果を点数化し、適合度およびレーダチャートを表示する仕組みについて説明する。
保育施設検索装置100(図1図2)は、事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化した情報と、保護者へのアンケートから保育方針に対するニーズを点数化した情報の、2つの点数化した情報から適合度を算出する。
【0046】
図7は、事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化した情報「保育施設が重視していること(保育施設の強み)」の一例を示す図である。
事業者の理念・方針から見た保育施設の特徴は、図7に示す「保育施設が重視していること(保育施設の強み)」であり、具体的には「健やかに伸び伸び育つこと」、「身近な人と気持ちが通じ合うこと」、「身近なものと関わり感性が育つこと」、「知識および技能の基礎を習得すること」、「思考力、判断力、表現力等の基礎を習得すること」、「学びに向かう力、人間性等を向上させること」で具現化される。
図7に示すように、「保育施設が重視していること(保育施設の強み)」の各項目は、保育園(保育園A,保育園B)毎に点数化される。
【0047】
図8は、保護者へのアンケートから保育方針に対するニーズを点数化した情報「保育方針に対するニーズ」の一例を示す図である。
保護者へのアンケートから保育方針から見た保育施設の特徴は、図8に示す「保育方針に対するニーズ」である。
図8に示す「保育方針に対するニーズ」は、図7の「保育施設が重視していること(保育施設の強み)」と同様の項目を有し、具体的には、「健やかに伸び伸び育つこと」、「身近な人と気持ちが通じ合うこと」、「身近なものと関わり感性が育つこと」、「知識および技能の基礎を習得すること」、「思考力、判断力、表現力等の基礎を習得すること」、「学びに向かう力、人間性等を向上させること」である。
図8に示すように、「保育方針に対するニーズ」の各項目は、保護者(保護者A、保護者B)毎に点数化される。
【0048】
図7に示す「保育施設が重視していること(保育施設の強み)」と、図8に示す「保育方針に対するニーズ」の各項目を一致させることで、事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化した情報と、保護者へのアンケートから保育方針から見た保育施設の特徴を点数化した情報との比較が可能になる。
【0049】
保育施設検索装置100は、事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化した情報と、保護者へのアンケートから保育方針に対するニーズを点数化した情報とを比較して適合度を算出する。
例えば、図7に示す「保育施設が重視していること(保育施設の強み)」の「健やかに伸び伸び育つこと」について、保育園Aでは「5.0」,保育園Bでは「4.0」である。図8に示す「保育方針に対するニーズ」の同じ項目の、「健やかに伸び伸び育つこと」は保護者Aでは「5.0」である。このことから、保護者Aの「健やかに伸び伸び育つこと」については、保育園Aが保育園Bより適合度が高い。他の項目についても同様に、事業者理念・方針分析部134(図2)が点数化した保育施設(保育園A,保育園B)の特徴情報(図7)と、アンケート結果受付部133(図2)が受け付けた保護者へのアンケート結果(保護者A,保護者B)をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報(図8)とに基づいて、保育施設の適合度を算出する。
【0050】
図9は、保育施設検索装置100の保育施設検索の詳細条件で示された「事業者の理念・方針」「課外授業など」「保護者の利便性」「保育所の規模」「保育所の体制」の点数化した情報を軸とするレーダチャートである。
レーダチャート部136(図2)は、点数化した情報をレーダチャート化して表示する。レーダチャート部136は、レーダチャート化して表示する場合、「課外授業など」「保護者の利便性」「保育所の規模」「保育所の体制」の点数化した情報の軸、および「事業者の理念・方針」の評価軸の、5つの軸でレーダチャート化して表示する(項目が5、すなわち5角形のレーダチャートとなる)。
【0051】
図9に示すように、点数化した情報である「事業者の理念・方針」の点数を、「課外授業など」「保護者の利便性」「保育所の規模」「保育所の体制」の保育所の点数化した情報とともにレーダチャート化することで、ニーズに近い保育施設を視覚的に分かり易く表示する。
【0052】
[事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化する仕組み]
事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化する仕組みについて説明する。
保育施設検索装置100(図1図2)は、保活の苦労・負担を軽減するため、保護者のニーズに合う保育施設の検索を容易にする保育施設検索サイトである。
保育施設検索装置100は、事業者の理念・方針を保育施設選考の評価軸の一要素とする点が特徴である。
【0053】
図10は、保育施設検索装置100の事業者の理念・方針を保育施設選考の評価軸の一要素とする特徴を説明する図である。
(1)<保育施設の特徴を点数化>
事業者の理念・方針を保育施設選考の評価軸の一要素とする。このために、事業者の理念・方針をもとに、保育施設の特徴ごとに、保育施設を点数化する(図10の符号a参照)。例えば、保育施設の特徴で使用しているキーワードの使用状況から、保育施設の特徴を点数化する。
【0054】
(2)<キーワード使用状況取得>
保育施設を点数化するために、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを設定し、事業者の理念・方針からそれらのキーワードの使用状況を取得する(図10の符号b参照)。例えば、事業者の理念・方針で使用している文章から、保育施設の特徴で使用しているキーワードの使用状況を取得する。また、保育施設の特徴で使用していないキーワードも抽出する。
【0055】
(3)<使用キーワードの妥当性検証>
保育施設の特徴ごとに使用するキーワードの妥当性を検証するために、保護者へのアンケート結果から、キーワードの正答率を算出し、正答率の低いキーワードを見直し対象として抽出する(図10の符号c参照)。例えば、保育施設の特徴として使用しているキーワードについて、保護者へのアンケート結果から、正答率の低いキーワードを見直し対象として抽出する。
【0056】
(4)<未使用キーワードの有効性検証>
保育施設の特徴として使用していないキーワードの有効性を検証するために、保護者へのアンケート結果から、その有効性を検証し、有効なキーワードを見直し対象として抽出する(図10の符号d参照)。例えば、保育施設の特徴として未使用のキーワードについて、保護者へのアンケート結果から、その有効性を検証する。有効性があれば見直し対象として抽出する。
【0057】
(5)<キーワードの入替、保育施設の特徴の更新>
上記(3)(4)における見直し対象として、抽出したキーワードの入替を行う。(図10の符号e参照)。また、上記(4)で有効となるキーワードは、保育施設の特徴を新たに追加するケース(更新)であり、これにより保育施設の特徴を変化させる(図10の符号f参照)。例えば、使用キーワードで正答率の低いキーワードを未使用キーワードに移す。未使用キーワードで有効性があるキーワードを使用キーワードに移し、保育施設の特徴も更新する。
【0058】
なお、保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを決定する手法として、ネットワーク分析部1341(図2)および/またはコレポンデス分析部1342(図2)を併用してもよい。
経営理念に使用されている単語は、定番の言い回しや、同時に言及されやすい対象などがある。単語間、事業者間の類似性を調べると同時に、「利便性」と「地域」のように、保育施設の事業者には、経営理念に頻出する単語が存在する。ネットワーク分析部1341(図2)および/またはコレポンデス分析部1342を用いることで、上記キーワード選択をサポートすることができる。
【0059】
[事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化する仕組みの詳細]
事業者の理念・方針から保育施設の特徴を点数化する仕組みの詳細について説明する。
<事業者の理念・方針の特徴>
事業者の理念・方針の特徴は、下記である。
(1)単語の羅列や体言止めなどを用いているケースが一定数存在する。
(2)情報量は無限ではなく、有限である(事業者数に準じる)。
(3)否定語(「ない」)はあまり使われない。
【0060】
<設計方針(前提条件)>
設計方針(前提条件)は、下記である。
(1)点数化を行う際に用いる単語の品詞は、名詞、形容詞(形容動詞含む)、動詞とする。動詞のうち、意味を持たない動詞は、点数化を行う際に用いる単語の総数に含めない(例:「する」、「いる」、「ある」、「です」、「ます」など)。
(2)事業者の理念・方針データを使用して、辞書を整備する。
(3)否定語(「ない」)は使われていないことを前提とする。
【0061】
<事前準備の概要>
(1)使用キーワードを決める。
1.保育施設の特徴ごとに、使用キーワード(名詞、形容詞(形容動詞含む)、動詞)を仮決めする。
2.仮決めしたキーワードの同義語(多義語は含めない)を探す(日本語WordNetを活用する)。
3.見つかった同義語を使用キーワードに追加し、使用キーワードを確定する。
【0062】
(2)辞書を整備する。
1.未知語の登録
事業者の理念・方針データを形態素解析(Mecab(登録商標)を活用)し、未知語を辞書に登録する。
2.複合語の登録
事業者の理念・方針データを形態素解析(Mecabを活用)し、名詞の単語が連続する場合は、複合語(名詞)として前方最長一致となるように辞書に登録する。
(例)保育士協会
「保育」、「士」、「協会」はそれぞれ名詞として辞書に登録されていることとする。ここでは未登録である「保育士」および「保育士協会」を複合語として登録する。
【0063】
(3)事業者の理念・方針データを整備する。
1.表記ゆれの統一
事業者の理念・方針データを形態素解析(Sudachi(登録商標)を活用)し、表記ゆれを統一する。
(例)文字種の異なり、漢字間の異なり(字体の異なり等)、部分的な漢字仮名交じり単語、送りがなの異なり、外来語表記のバリエーション、口語的表現、送り違い、字種、異字体、誤用、縮約
2.正規化
上記1.で統一した事業者の理念・方針データを正規化(neologdn(登録商標)ツールを活用)する。(例)全角英数字は半角に置換、半角カタカナは全角に置換、など。
事業者の理念・方針データを形態素解析(Mecabを活用)し、保育施設単位で保育施設の特徴ごとに使用キーワードごとの出現数をカウントする。
【0064】
(4)単語数のカウント
事業者の理念・方針データを形態素解析(Mecabを活用)し、保育施設単位で使用されている単語数をカウントする。
ここで、カウントする単語の品詞は、名詞、形容詞(形容動詞含む)、動詞とする。動詞のうち、意味を持たない動詞は、単語数としてカウントしない。例えば、「する」、「いる」、「ある」、「です」、「ます」などはカウントしない。
【0065】
(5)点数化
保育施設単位で、以下の計算式により、保育施設の特徴を点数化する(例えば、Max5点、Min3点とする)。
【0066】
計算式:
(使用キーワードAのカウント数×使用キーワードAの正答率+使用キーワードBのカウント数×使用キーワードBの正答率+…+使用キーワードZのカウント数×使用キーワードZの正答率)×2/単語数のカウント数+3
正答率については後記する。
【0067】
(6)未使用キーワードの抽出
事業者の理念・方針データを形態素解析(Mecabを活用)し、使用キーワード以外の名詞、形容詞(形容動詞含む)、動詞を未使用キーワードとして抽出し、未使用キーワードごとの出現数をリスト化して管理する。
【0068】
<使用キーワードの妥当性検証の概要>
(1)事業者の理念・方針の単文化(リスト化)
事業者の理念・方針を文単位でリスト化する。
リスト化に当たり、文単位で使用キーワードの属性を持ち、文に使用キーワードが含まれる場合は「1」を、使用キーワードが含まれない場合は「0」を、使用キーワード数分設定する。
【0069】
(2)保護者へのアンケート
各保護者に以下に示す内容のアンケートを実施する。
1.保育施設の特徴のうち、重視している特徴を選択させる。
2.選択した保育施設の特徴に関して、優先順位を付けてもらう。
3.優先順位一位とした保育施設の特徴の使用キーワードを含む事業者の理念・方針を抜粋した単文と、優先順位一位以外の事業者の理念・方針を抜粋した単文を表示し、どちらの事業者の理念・方針を重視しているか、選択してもらう。
【0070】
(3)優先順位一位の単文抽出方法
以下の手順で、優先順位一位とした保育施設の特徴の使用キーワードを含む事業者の理念・方針を抜粋した単文を抽出する。
1.上記事業者の理念・方針の単文化(リスト化)のリストから、優先順位一位とした保育施設の特徴の使用キーワードが1つ以上含まれている。
単文を抽出する。
2.抽出した単文のうち、保育施設の特徴ごとの使用キーワード数を求め、優先順位一位とした保育施設の特徴の使用キーワード数が単独で多い単文を抽出する。
3.抽出した単文からランダムに単文を抽出する。
【0071】
(4)使用キーワードの正答率
上記(2)保護者へのアンケートの3.で、優先順位一位の保育施設の特徴の使用キーワードを含む事業者の理念・方針を抜粋した短文を選択した場合は、その優先順位一位の保育施設の特徴の使用キーワードは正解とカウントし、別の短文を選択した場合は、その使用キーワードは不正解とカウントする。
【0072】
以下の計算式により、使用キーワードの正答率を算出する。
計算式:
正解数/(正解数+不正解数)
【0073】
(5)妥当性検証
以下の手順で妥当性を検証する。
1.上記(4)使用キーワードの正答率で一定期間正答率を蓄積する。
2.一定期間経過後、正答率の低い使用キーワードを抽出する。
3.上記(4)使用キーワードの正答率で不正解となった場合、使用キーワードごとに不正解となった単文を抽出しておく。
4.抽出した単文の内容を確認し、使用キーワードを否定する内容になっていないか確認する。
5.単文の意味上の問題が無い場合は、保育施設の特徴とキーワードの結びつきが弱いものと判断し、未使用キーワードへの入替対象とする。
【0074】
<未使用キーワードの有効性検証の概要>
(1)有効性検証
以下の手順で有効性を検証する。
1.上記<点数化・未使用キーワード抽出の概要>の(4)未使用キーワードの抽出で、管理しているリストから、出現数の多い未使用キーワードを抽出する。
2.上記<使用キーワードの妥当性検証の概要>の(1)の文単位のリストから、抽出した未使用キーワードを含む単文を抽出する。
3.抽出した単文のうち、使用キーワードを含まない単文を抽出する。
4.抽出した単文からランダムに単文を抽出し、<使用キーワードの妥当性検証の概要>の(3)で優先順位一位の使用キーワードを含む事業者の理念・方針を抜粋した単文と比較する。
【0075】
5.上記<使用キーワードの妥当性検証の概要>の(4)と同様の考え方で未使用キーワードの選択率を以下の計算式により、算出する。
計算式:
選択数/(選択数+選択されなかった数)
6.一定期間選択率を蓄積する。
7.一定期間経過後、選択率の高い未使用キーワードを抽出する(使用キーワードへの入替対象とする)。
【0076】
以上説明したように、本実施形態に係る保育施設検索装置100は、保育施設の事業者の理念または方針を示す情報をもとに、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードを検索するキーワード検索部132と、保育施設の事業者の理念または方針を示すキーワードに基づいて、保育施設の特徴を点数化する事業者理念・方針分析部134と、保護者へのアンケート結果を受付けるアンケート結果受付部133と、事業者理念・方針分析部134が点数化した保育施設の特徴情報と、アンケート結果受付部133が受け付けた保護者へのアンケート結果をもとに保育方針に対するニーズである保育施設の特徴を点数化した情報とに基づいて、保育施設の適合度を算出する適合度算出部135と、点数化した情報を入力し、点数化した情報に基づいて保育方針に対するニーズに近い保育施設を表示するレーダチャート部136と、を備える。
【0077】
この構成により、いままでなかった事業者の理念・方針を保育施設選考の評価軸の一要素として導入することが可能になる。事業者の理念・方針は、抽象概念であって数値化することが困難な側面がある。本発明は、保育施設の事業者の理念または方針を示すキーワードに基づいて、保育施設の特徴を点数化し、さらに点数化した保育施設の特徴情報と保護者へのアンケート結果情報から保育施設の適合度を算出することで、保育施設選考の評価軸の一つとして加えることができる。保護者は、保育施設の特徴を漠然とした目安ではなく、視覚化して把握できる。これにより、保護者のニーズに合う保育施設の検索を容易にすることができ、保活の苦労や負担を軽減することができる。
【0078】
保育施設検索装置100において、キーワード検索部132は、保護者へのアンケート結果から、キーワードの正答率を算出し、正答率の低いキーワードを見直し対象として抽出する。
【0079】
これにより、保育施設の特徴ごとに使用するキーワードの妥当性を検証することができる。
【0080】
保育施設検索装置100において、キーワード検索部132は、保護者へのアンケート結果から、キーワードの有効性を検証し、有効なキーワードを新たなキーワードとして抽出する。
【0081】
これにより、保育施設の特徴として使用していないキーワードの有効性を検証することができる。
【0082】
保育施設検索装置100において、レーダチャート部136は、点数化した情報をレーダチャート化して表示する。
【0083】
これにより、事業者の理念・方針が保育施設選考の評価軸の一要素として、レーダチャートのチャート軸に表示される。例えば、図9に示すように、「事業者の理念・方針」の点数を、「課外授業など」「保護者の利便性」「保育所の規模」「保育所の体制」の点数化した情報の軸とともに、5つの軸でレーダチャート化して表示する。保護者は、ニーズに近い保育施設を視覚的に把握することができ、保護者のニーズに合う保育施設より容易に検索することができる。
【0084】
本発明は上記の実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
また、上記した実施形態例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0085】
また、上記実施の形態では、保育施設検索装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、装置の名称は想い出アルバム装置、動画電子アルバム等であってもよい。
【0086】
以上説明した保育施設検索処理は、この保育施設検索処理を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
【0087】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するためのソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カード、SD(Secure Digital)カード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 保育施設検索システム
3 保育施設端末装置
4 保護者等の利用者端末装置
5 携帯端末(利用者端末装置)
100 保育施設検索装置
110 CPU
120 メモリ
130 処理部
131 情報受付部
132 キーワード検索部
133 アンケート結果受付部
134 事業者理念・方針分析部
135 適合度算出部
136 レーダチャート部(表示部)
140 記憶装置
150 送受信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10