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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150705
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】荷受台
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/46 20060101AFI20231005BHJP
   B60P 1/44 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B60P1/46 B
B60P1/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059935
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】兪 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】立岡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】辻濱 康雄
(57)【要約】
【課題】暗所においても作業者または周辺の人が荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすい荷受台を提供する。
【解決手段】荷受台10は、貨物車両1に設けられた荷受台昇降装置100によって、貨物車両1の荷台Dの床面と地面との間で昇降される荷受台であって、荷受台本体11と、荷受台本体11の側面11bに設けられた発光体20aと、を備える。荷受台本体11は、一般部12と、一般部12より先端側に設けられ、一般部12の荷受面11aよりも、車両後方に向かって地面側に傾斜した荷受面11aを有する先端側部13とを有する。そして、発光体20aは、荷受台本体11の先端側部13の側面11bに設けられている。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって、前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、
荷受台本体と、
前記荷受台本体の側面に設けられた発光体と、
を備え、
前記荷受台本体は、一般部と、該一般部より先端側に設けられ、前記一般部の荷受面よりも、車両後方に向かって地面側に傾斜した荷受面を有する先端側部とを有し、
前記発光体は、前記荷受台本体の前記先端側部の側面に設けられている、
ことを特徴とする荷受台。
【請求項2】
貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって、前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、
荷受台本体と、
前記荷受台本体の先端部の側面に設けられた発光体と、
を備えることを特徴とする荷受台。
【請求項3】
貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって、前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、
荷受台本体と、
前記荷受台本体の荷受面より突出した起立姿勢、及び前記荷受面の一部を構成する倒伏姿勢に姿勢変化可能に前記荷受台本体に設けられたストッパと、
前記荷受台本体の側面に、前記荷受面より上方に突出した状態の前記ストッパと前後方向の位置が近接ないし重なるように設けられた発光体と、
を備えることを特徴とする荷受台。
【請求項4】
貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって、前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、
前記荷受台の荷受面と反対側の面に設けられ、車幅方向外方に光を発する発光体を備えることを特徴とする荷受台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貨物車両の荷受台を昇降させる荷受台昇降装置が知られている。特許文献1に示す荷受台昇降装置(100)や特許文献2に示す荷受台昇降装置(100)は、貨物車両の荷台から荷物を搬出する際に荷物の荷下ろし作業に用いられるとともに、荷台へ荷物を搬入する際の荷物の荷上げ作業に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-184098号公報
【特許文献2】特開2014-124962号公報
【特許文献3】特許第6548504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷物の搬入または搬出作業を行う作業者にとっては、荷受台昇降装置によって昇降される荷受台を視認しやすいことが重要である。例えば、作業者が荷台の中から荷受台に荷物を移動する際に、荷受台の先端位置や側端位置を認識していないと、荷受台の端部から荷物が滑落するおそれがある。特に夜間等に暗所で作業する場合には、作業者が荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすいことが重要である。
【0005】
また、特許文献3に開示されているように、荷受台が荷物の滑落を防止するためのストッパを備えている場合であっても、ストッパが起立しておらず倒伏状態のままであれば、作業者が荷台の中から荷受台に荷物を移動する際に荷物がストッパによって停止せず、荷物が荷受台から滑落するおそれがある。したがって、荷受台のストッパが起立状態にあるか倒伏状態にあるか、作業者が視認しやすいことが重要である。特に夜間等に暗所で作業する場合には、作業者がストッパの状態を視認しやすいことが重要である。
【0006】
また、荷受台は、貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降されることから、荷受台の周囲に居る人、例えば歩行者に、その存在が視認しやすいことが重要である。特に夜間等に暗所では、荷受台の周囲に居る人が荷受台に躓いたり衝突したりするおそれがあるため、荷受台の周囲に居る人が荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすいことが重要である。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、暗所においても作業者が荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすい荷受台を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、暗所においても作業者がストッパの状態を視認しやすい荷受台を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、暗所においても荷受台の周囲に居る人が荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすい荷受台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様に係る荷受台は、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって、前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、荷受台本体と、前記荷受台本体の側面に設けられた発光体と、を備える。前記荷受台本体は、一般部と、該一般部より先端側に設けられ、前記一般部の荷受面よりも、車両後方に向かって地面側に傾斜した荷受面を有する先端側部とを有する。そして、前記発光体は、前記荷受台本体の前記先端側部の側面に設けられている。
【0011】
かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が、荷受台本体の一般部より先端側に設けられた先端側部の側面に設けられているので、暗所においても作業者は、荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすい。
【0012】
また、かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が、荷受台本体の一般部より先端側に設けられた先端側部の側面に設けられているので、暗所においても荷受台の周囲に居る人が荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る荷受台は、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって、前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、荷受台本体と、前記荷受台本体の先端部の側面に設けられた発光体と、を備える。
【0014】
かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が、荷受台本体の先端部の側面に設けられているので、暗所においても作業者は、荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすい。
【0015】
また、かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が、荷受台本体の先端部の側面に設けられているので、暗所においても荷受台の周囲に居る人が荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすい。
【0016】
本発明の第3の態様に係る荷受台は、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって、前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、荷受台本体と、前記荷受台本体の荷受面より突出した起立姿勢、及び前記荷受面の一部を構成する倒伏姿勢に姿勢変化可能に前記荷受台本体に設けられたストッパと、前記荷受台本体の側面に、前記荷受面より上方に突出した状態の前記ストッパと前後方向の位置が近接ないし重なるように設けられた発光体と、を備える。
【0017】
かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が、荷受台本体の側面に設けられているので、暗所においても作業者は、荷受台の側端位置を視認しやすい。
【0018】
また、かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が、荷受台本体の側面に、荷受面より上方に突出した状態のストッパと前後方向の位置が近接ないし重なるように設けられているので、暗所においても作業者は、ストッパが起立しているか否かを視認しやすい。
【0019】
また、かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が、荷受台本体の側面に設けられているので、暗所においても荷受台の周囲に居る人が荷受台の側端位置を視認しやすい。
【0020】
本発明の第4の態様に係る荷受台は、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって、前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、前記荷受台の荷受面と反対側の面に設けられ、車幅方向外方に光を発する発光体を備える。
【0021】
かかる構成を備える荷受台によれば、車幅方向外方に光を発する発光体が、荷受台の荷受面と反対側の面に設けられているので、暗所においても荷受台の周囲に居る人が荷受台の側端位置を視認しやすい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、暗所においても作業者や荷受台の周囲に居る人が荷受台の先端位置や側端位置を視認しやすい荷受台を提供することができる。
【0023】
また、別の本発明によれば、暗所においても作業者がストッパの状態を視認しやすい荷受台を提供することができる。
【0024】
また、更に別の本発明によれば、暗所においても荷受台の周囲に居る人が荷受台の側端位置を視認しやすい荷受台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る荷受台および荷受台昇降装置が設けられた貨物車両を示す側面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る荷受台の先端側を示す側面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る荷受台を示す底面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態に係る発光体を含む発光装置を示す車幅方向に視た正面図である。
図5】本発明の第1の実施の形態に係る発光体を含む発光装置を示す側面図である。
図6】本発明の第2の実施の形態に係る荷受台の先端側を示す側面図である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る荷受台を示す底面図である。
図8】本発明の第3の実施の形態に係る荷受台および荷受台昇降装置が設けられた貨物車両を示す側面図である。
図9】本発明の第3の実施の形態に係る荷受台の先端側を示す側面図である。
図10】本発明の第3の実施の形態に係る荷受台を示す底面図である。
図11】本発明の第3の実施の形態に係る発光体を含む発光装置を示す車幅方向に視た正面図である。
図12】本発明の第3の実施の形態に係る発光体を含む発光装置を示す側面図である。
図13】本発明の第4の実施の形態に係る荷受台および荷受台昇降装置が設けられた貨物車両を示す側面図である。
図14】本発明の第4の実施の形態に係る荷受台の先端側を示す側面図である。
図15】本発明の第4の実施の形態に係る荷受台を示す底面図である。
図16】本発明の第4の実施の形態に係る荷受台の変形例を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る荷受台10を説明する。先ず、貨物車両1と、荷受台10と、荷受台昇降装置100とについて、図面を参照しつつ簡単に説明する。なお、本明細書においては、貨物車両1を基準として前後左右上下の方向を定義することとする。
【0027】
貨物車両1は、図1に示すように、荷台D、荷受台10、荷受台昇降装置100等で構成されている。
【0028】
荷台Dは、貨物車両1のシャシフレームの上に搭載されている。
【0029】
(荷受台昇降装置)
荷受台昇降装置100は、貨物車両1に設けられた昇降装置であって、荷物(不図示)を荷台Dから搬出する際の作業および荷台Dに荷物を搬入する際の作業を補助する装置である。荷受台昇降装置100は、貨物車両1の荷台Dの後端部に立設された左右一対のポスト40と、ポスト40に沿って昇降可能に構成されたスライダ41と、スライダ41を上下方向に駆動する駆動装置(不図示)と、を有する。荷受台10は、スライダ41に支持されており、駆動装置に駆動されたスライダ41が昇降することによって昇降する。
【0030】
荷受台10は、図1に示すように、起立状態と水平状態とを切り替えて使用される。荷受台10は、起立状態において、荷台Dの後部を覆うように配置される。荷受台10は、作業者がロックレバー15(図2および図3に図示)を荷受台10の基端向き(起立状態における下向き)から荷受台10の先端向き(起立状態における上向き)に回転させることで、起立状態から水平状態に移行可能となり、作業者によって水平状態に手作業で移行されて荷台Dの底部と同じ高さ位置に配置される水平台となる。
【0031】
さらに、荷受台10は、左右一対のポスト40に沿って、駆動装置に駆動されるスライダ41によって、荷台Dの底部の高さ位置から水平状態を保ったまま地面まで下降する。この動きによって、荷受台10は、荷台Dに積まれている荷物を作業者が搬出する作業を補助する。このとき、左右一対のポスト40は、地面近傍まで延出する。作業者が荷台Dに荷物を搬入する場合には、荷受台10は、逆の動きを行う。
【0032】
(荷受台)
荷受台10は、図2および図3に示すように、荷受台本体11と、接地部材14と、発光体20aと、を有する。
【0033】
荷受台本体11は、荷受台10の荷受面11aを形成する略板状の部材である。荷受台本体11は、一般部12と、一般部12の先端側(車両後方側)に連続して設けられた先端側部13とを有する。一般部12は、略水平の荷受面11a1(11a)を有する。先端側部13の荷受面11a2(11a)は、一般部12の荷受面11a1(11a)よりも、車両後方に向かって地面側に傾斜している。すなわち、先端側部13は、荷受台本体11の先端側においてテーパーの形状を有している部分である。
【0034】
荷受台本体11の荷受面11aと反対側の面、すなわち荷受台本体11の裏面11cには、接地部材14が設けられている。接地部材14は、第1の実施の形態では、ゴム製の部材である。接地部材14により、荷受台本体11が地面まで下降しても、荷受台本体11が直接地面に接することが防止される。
【0035】
発光体20aは、荷受台本体11の側面11bに設けられている。具体的には、発光体20aは、図2および図3に示すように、荷受台本体11の先端側部13の側面11bに設けられる。本実施の形態では、発光体20aの一部が荷受台本体11の先端側部13の側面11bに設けられ、発光体20aのその他の部分が荷受台本体11の一般部12の側面に設けられている。なお、発光体20aは、荷受台10の先端向きに配置されたロックレバー15の先端よりも荷受台本体11の先端側に設けられている。
【0036】
発光体20aは、発光装置20に含まれている。発光装置20は、例えば、図4および図5に示すように、発光体20aの他に、ケーシング21と、ソーラーパネル23と、バッテリー(不図示)と、基板(不図示)と、傾き検知部(不図示)と、を含む。発光体20aは、光を発するものであり、発光素子22とレンズカバー24とで構成されている。
【0037】
ケーシング21は、荷受台本体11の先端側部13に配置される部分が地面側に斜めに傾斜する略五角形の形状に形成されている。
【0038】
発光素子22は、第1の実施の形態では、LED素子である。発光素子22は、図示されていない基板を介してバッテリーから給電される。
【0039】
ソーラーパネル23は、発光体20aが外部からの給電を受けることなく発光素子22を発光させるための電力を太陽光から生成する。ソーラーパネル23が生成した電力は、図示されていないバッテリーに蓄電される。
【0040】
図示されていない傾き検知部は、基板に接続されており、発光体20aの傾きを検知する。具体的には、傾き検知部が荷受台10の起立状態を検知したときには、基板は、発光素子22に給電しないようにし、傾き検知部が荷受台10の水平状態を検知したときには、基板は、発光素子22に給電するようにする。これにより、発光体20aは、荷受台10が水平状態にあるときだけ、発光することが可能となる。
【0041】
レンズカバー24は、ケーシング21の開口部分を覆っており、特に発光素子22とソーラーパネル23とを覆っている。レンズカバー24は、透明な素材を用いて構成されており、第1の実施の形態では、アクリル樹脂を用いて構成されている。レンズカバー24は、散乱部25と、透明部26と、を有する。散乱部25は、発光素子22を覆う部分およびその周辺部分であり発光素子22が発した光を上下方向、車両前後方向および車幅方向外方に散乱させる。透明部26は、ソーラーパネル23を覆う部分であり光を屈折・散乱させることなく透過させる。
【0042】
(作用効果)
以上に説明した第1の実施の形態に係る荷受台10によれば、発光体20aが、荷受台本体11の先端側部13の側面11bに設けられているので、暗所においても作業者は、荷受台10の先端位置や側端位置を視認しやすい。
【0043】
また、第1の実施の形態に係る荷受台10によれば、発光体20aが、荷受台本体11の先端側部13の側面11bに設けられているので、暗所においても荷受台の周囲に居る人が荷受台10の先端位置や側端位置を視認しやすいため、荷受台10の周囲に居る人が荷受台10の先端部や側端部に躓いたり衝突したりすることを防止することができる。
【0044】
また、第1の実施の形態に係る荷受台10によれば、車両後方に向かって地面側に傾斜した荷受面11a2を有する先端側部13の側面11bに設けられているので、作業者が荷受面11a1,11a2上で荷物を移動させる際に荷物に姿勢変化が生じる先端側部13の存在位置を暗所においても作業者が視認しやすい。
【0045】
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る荷受台10Aを説明する。以下、各実施の形態については、第1の実施形態に係る荷受台10との相違点のみを説明し、荷受台10における各部と同じ機能を果たす部分については同名称および同符号を用いて説明を省略する。
【0046】
第2の実施の形態に係る荷受台10Aは、第1の実施の形態に係る荷受台10と同様に、貨物車両1に設けられた荷受台昇降装置100によって、貨物車両1に立設された一対のポスト40に沿って、貨物車両1の荷台Dの床面と地面との間で昇降される。
【0047】
荷受台10Aは、図6および図7に示すように、荷受台本体11Aと、発光体20Aaaと、を有する。
【0048】
荷受台本体11Aは、その先端部13Aにおいて、第1の実施の形態に係る荷受台本体11と異なる形状を有している。具体的には、荷受台本体11Aの荷受面11Aaは、第1の実施の形態に係る荷受台本体11の先端側部13のように、地面側に傾斜する荷受面11a2を有していない。すなわち、荷受台本体11Aの荷受面11Aaは、基端部から先端部に至るまで一つの平面に沿って形成されており、荷受台本体11Aが下降して接地部材14が地面に接地したとき、荷受面11Aaと地面との間で荷受台本体11Aの厚さに応じた段差が生じる。
【0049】
発光体20Aaは、荷受台本体11Aの先端部13Aの側面11Abに設けられている。発光体20Aaは、第1の実施の形態に係る発光体20aと同一の構成要素を有しているが、レンズカバー24の形状が略方形となっており、荷受台本体11Aの先端部13Aの形状に沿った形状に形成されている。
【0050】
(作用効果)
以上に説明した第2の実施の形態に係る荷受台10Aによれば、発光体20Aaが、荷受台本体11Aの先端部13Aの側面11Abに設けられているので、暗所においても作業者は、荷受台10Aの先端位置や側端位置を視認しやすい。
【0051】
また、第2の実施の形態に係る荷受台10Aによれば、発光体20Aaが、荷受台本体11Aの先端部13Aの側面11Abに設けられているので、暗所においても荷受台の周囲に居る人が荷受台10Aの先端位置や側端位置を視認しやすい。
【0052】
また、第2の実施の形態に係る荷受台10Aによれば、荷受台本体11Aの先端部13Aの側面11Abに、発光体20Aaが設けられているので、暗所においても荷受台本体11Aの先端部13Aおよび側端部の位置を視認しやすい。また、荷受台本体11Aが接地している時には、荷受面11Aaが地面との間で段差を生じる荷受台本体11Aの先端部13Aの側面11Abに、発光体20Aaが設けられていることで、暗所においても作業者が荷受台本体11Aに荷物を積む際に荷物の姿勢が変化する上記段差の位置を視認しやすい。
【0053】
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態に係る荷受台10Bを説明する。先ず、第3の実施形態における、貨物車両1Bと、荷受台10Bと、荷受台昇降装置100Bについて、図面を参照しつつ簡単に説明する。
【0054】
貨物車両1Bは、図8に示すように、荷台DB、荷受台10B、荷受台昇降装置100B、リアバンパB等で構成されている。
【0055】
荷台DBは、第3の実施の形態では、後部に開口を有する略直方体状の荷箱の底部を形成している。荷箱の後部の開口は、扉によって開閉される。荷箱の後部の開口を開閉する扉として、例えば、観音扉または上下扉が採用される。観音扉は、荷箱の後部の開口の左側を開閉する左扉と、荷箱の後部の開口の右側を開閉する右扉からなる。左扉および右扉は、荷箱の左右両側部に鉛直方向に延びた回動軸線を有するヒンジを介してそれぞれ取り付けられ、中央から両側に開くように荷箱に取り付けられている。また、上下扉は、荷箱の後部の開口の上側を開閉する上側扉と、荷箱の後部の開口の下側を開閉する下側扉からなる。上側扉は、その上端部が荷箱の上端部に車幅方向に延びた回動軸線を有するヒンジを介して取り付けられ、荷受台10Bが下側扉の役割を果たす。
【0056】
リアバンパBは、荷受台昇降装置100Bが取り付けられるサブフレーム(不図示)にステーを介して接合されている。リアバンパBは、車幅方向に三分割されており、それぞれの隙間を、荷受台昇降装置100の後述するアーム装置50が通過する。
【0057】
(荷受台昇降装置)
荷受台昇降装置100Bは、貨物車両1Bに設けられた昇降装置である。荷受台昇降装置100Bは、貨物車両1Bに対して上下回動可能に支持された左右一対のアーム装置50と、アーム装置50を駆動する油圧装置(不図示)と、を有する。一対のアーム装置50の先端側に荷受台10Bが支持されており、アーム装置50が上下回動することにより、荷受台10Bが貨物車両1Bの荷台DBの床面と地面との間で昇降する。
【0058】
荷受台10Bは、図8に示すように、起立状態と水平状態とを切り替えて使用される。荷受台10Bは、起立状態において、荷台DBの後部を覆うように配置される。荷受台10Bは、アーム装置50によって起立状態から水平状態に移行し、荷台DBの床面と同じ高さ位置に配置される水平台となる。さらに、荷受台10Bは、アーム装置50によって、荷台DBの床面の高さ位置から水平状態を保ったまま地面近傍まで下降した後、その先端を接地させるように傾動する。この動きによって、荷受台10Bは、荷台DBに積まれている荷物を作業者が搬出する作業を補助する。作業者が荷台DBに荷物を搬入する場合には、荷受台10Bは、逆の動きを行う。このようにして、荷受台10Bは、荷台DBの床面と地面との間で昇降される。荷受台10Bの構成は、後述する。
【0059】
左右一対のアーム装置50はそれぞれ、基端側が貨物車両1Bのシャシフレーム(不図示)に対して支持され、先端側が上下に回動可能に設けられた回動アームと、回動アームに連結された油圧シリンダと、を有する。回動アームの基端部は、シャシフレームに連結されたサブフレームに回動自在に支持されている。油圧シリンダは、油圧装置によって圧油を給排される。これにより、回動アームが油圧シリンダによって駆動される。油圧装置は、油圧ポンプを有し、作業者の操作によって、油圧ポンプを稼働させる。回動アームの先端には、荷受台10Bが連結されている。回動アームは、平行リンクを構成している複数のアームからなる。油圧シリンダに駆動される回動アームのリンク機構により、荷受台10Bの動きが可能となっている。
【0060】
(荷受台)
荷受台10Bは、図9および図10に示すように、荷受台本体11Bと、スチフナ16と、ストッパ17と、発光体20Baと、を有する。
【0061】
荷受台本体11Bは、荷受台10Bの荷受面11Baを形成する略板状の部材である。荷受台本体11Bに用いられる材料は、特に限定されないが、本実施形態では、荷受台本体11Bは、車幅方向を長手方向とするアルミニウム合金製の中空材が複数組み付けられてなる既知の構成を有している。
【0062】
スチフナ16は、荷受台本体11Bの裏面11Bcに設けられており、荷受台本体11Bを裏面側から補強する。スチフナ16は、車幅方向に視て、略三角形状に形成されており、荷受台10Bが接地するときには、スチフナ16が地面に接触することとなる。
【0063】
ストッパ17は、車幅方向に延在する略板状の部材である。ストッパ17は、荷受台本体11Bの荷受面11Baより突出した起立姿勢、及び荷受面11Baの一部を構成する倒伏姿勢に姿勢変化可能に荷受台本体11Bに設けられている。具体的には、ストッパ17は、車両前方側を上下に回動させることで、荷受台本体11Bの荷受面11Baより上方に起立する起立状態と、荷受台本体11Bの荷受面11Baに沿う倒伏状態とに切替可能となっている。ストッパ17は、荷受台本体11Bの先端部近傍に、すなわち水平状態にある荷受台本体11Bにおける車両後方端部近傍に設けられている。図示されていないが、荷受台本体11Bにはストッパ17が倒伏状態にあるときに格納される格納空間が形成されている。
【0064】
発光体20Baは、荷受台本体11Bの側面11Bbに、荷受面11Baより上方に突出した状態にあるストッパ17、つまり、起立状態にあるストッパ17と前後方向の位置が近接ないし重なるように設けられている。ここで、本明細書において、「近接」とは、発光体20Baとストッパ17との前後方向の離間距離が、0mmから20mmまでの範囲の任意の値にあることをいう。
【0065】
発光体20Baは、発光装置20Bに含まれている。発光装置20Bは、図11および図12に示すように、発光体20Baの他に、ケーシング21Bと、ソーラーパネル23Bと、バッテリー(不図示)と、基板(不図示)と、傾き検知部(不図示)と、を含む。第3の実施の形態に係る発光体20Baは、光を発するものであり、発光素子22とレンズカバー24Bとで構成されているが、レンズカバー24Bについて、第1の実施の形態に係る発光体20aのレンズカバー24と、形状および大きさのみ異なるものであるので、詳細な説明は省略する。発光装置20Bについても、ケーシング21Bおよびソーラーパネル23Bは、第1の実施の形態に係る発光装置20のケーシング21およびソーラーパネル23と、形状および大きさのみ異なるものであるので、詳細な説明は省略する。
【0066】
(作用効果)
以上に説明した第3の実施の形態に係る荷受台10Bによれば、発光体20Baが、荷受台本体11Bの側面11Bbに設けられているので、暗所においても作業者は、荷受台10Bの側端位置を視認しやすい。
【0067】
また、第3の実施の形態に係る荷受台10Bによれば、発光体20Baが、荷受台本体11Bの側面11Bbに、起立状態にあるストッパ17と前後方向の位置が近接ないし重なるように設けられているので、暗所においても作業者は、ストッパ17が起立しているか否かを認識(視認)しやすい。
【0068】
また、第3の実施の形態に係る荷受台10Bによれば、発光体20Baが、荷受台本体11Bの側面11Bbに、起立状態にあるストッパ17と前後方向の位置が近接ないし重なるように設けられているので、作業者が荷受面11a上で荷物を移動させる際に荷物が係止されるストッパ17の位置を暗所においても作業者が視認しやすい。
【0069】
また、第3の実施の形態に係る荷受台10Bによれば、発光体20Baが、荷受台本体11Bの側面11Bbに設けられているので、暗所においても荷受台10Bの周囲に居る人が荷受台10Bの側端位置を視認しやすいため、荷受台10Bの周囲に居る人が荷受台10Bの側端部に躓いたり衝突したりすることを防止することができる。
【0070】
<第4の実施の形態>
次に、第4の実施の形態に係る荷受台10Cを説明する。先ず、第4の実施形態における、貨物車両1Cと、荷受台10Cについて図面を参照しつつ簡単に説明する。
【0071】
貨物車両1Cは、図13に示すように、荷台DB、荷受台10C、荷受台昇降装置100B、リアバンパB等で構成されている。荷台DB、荷受台昇降装置100B、リアバンパBは、第3の実施の形態で説明したものとそれぞれ同じものであるため説明を省略する。
【0072】
荷受台10Cは、第3の実施の形態に係る荷受台10Bと同様に、荷受台昇降装置100Bの一対のアーム装置50の先端側に支持されており、アーム装置50が上下回動することにより、荷受台10Cが貨物車両1Cの荷台DBの床面と地面との間で昇降する。
【0073】
(荷受台)
荷受台10Cは、図14および図15に示すように、荷受台本体11Bと、スチフナ16と、ストッパ17と、ブラケット18と、発光体20Caと、を有する。これらのうち、荷受台本体11Bと、スチフナ16と、ストッパ17は、第3の実施の形態で説明したものとそれぞれ同じものであるため説明を省略する。
【0074】
発光体20Caは、第3の実施の形態に係る発光体20Baと、同一の構成要素を有しているものの、設けられている位置が異なっている。具体的には、発光体20Caは、荷受台本体11Bの荷受面11Baと反対側の面、すなわち荷受台本体11Bの裏面11Bcに、ブラケット18を介して設けられている。発光体20Caは、光の放射方向を車幅方向外方に向けて、荷受台本体11Bの裏面11Bcに設けられている。これにより、発光体20Caは、荷受台本体11Bの裏面11Bcに設けられていても、車幅方向外方に光を発することが可能となっている。
【0075】
ブラケット18は、例えば断面L字状のアングル材を用いて構成されており、L字の一辺に相当する部位が荷受台本体11Bの裏面11Bcにボルト留めされており、L字の他方の一辺に相当する部位に発光体20Caを含む発光装置のケーシングがボルト留めされている。
【0076】
(作用効果)
以上に説明した第4の実施の形態に係る荷受台10Cによれば、車幅方向外方に光を発する発光体20Caが、荷受台10Cの荷受面11Baと反対側の面11Bcに設けられているので、暗所においても荷受台10Cの周囲に居る人が荷受台10Cの側端位置を視認しやすいため、荷受台10Cの周囲に居る人が荷受台10Cの側端部に躓いたり衝突したりすることを防止することができる。
【0077】
(第4の実施の形態の変形例)
第4の実施の形態に係る荷受台10Cの荷受台本体11Bは、アルミニウム合金製のものであるが、荷受台本体の素材はこれに限定されず、例えば鋼製のものであってもよい。例えば、図16に示す荷受台10Dは、鋼製の荷受台本体11Dを備える。この場合であっても、第4の実施の形態に係る発光体20Caと同一の構成を備える発光体20Daは、荷受台本体11Dの裏面11Dcにブラケット18を介して設けられる。発光体20Daは、第4の実施の形態に係る発光体20Caに比べて、荷受台本体11Dの側端面により近い位置に設けられているので、発光体20Daを備える荷受台10Dは、暗所においても荷受台10Dの周囲に居る人から荷受台10Dの側端部がより視認されやすい。このため、荷受台10Dの周囲に居る人が荷受台10Dの側端部に躓いたり衝突したりすることを防止することができる。
【0078】
(その他の変形例)
上記に示された5種類の発光体20a,20Aa,20Ba,20Ca,20Daは、いずれも、発光素子22としてLED素子を用いるものであるとして説明を行ったが、発光素子22はLED素子に限定されず、例えば、白熱電球や蛍光管を用いて構成されているものであってもよい。
【0079】
上記の第1の実施の形態および第2の実施の形態では、荷受台を昇降させる装置には、左右一対のポスト40を備えるいわゆる垂直式の荷受台昇降装置100を用いるものとして説明を行い、第3の実施の形態および第4の実施の形態では、荷受台を昇降させる装置には、アーム装置50を備える荷受台昇降装置100Bを用いるものとして説明を行ったが、それぞれの実施の形態において荷受台昇降装置の方式は限定されない。すなわち、第1の実施の形態および第2の実施の形態において、荷受台を昇降させる装置には、アーム装置50を備える荷受台昇降装置100Bを用いてもよいし、第3の実施の形態および第4の実施の形態において、荷受台を昇降させる装置には、左右一対のポスト40を備える荷受台昇降装置100を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、例えば、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台に適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1、1B、1C 貨物車両
10、10A、10B、10C、10D 荷受台
11、11A、11B、11D 荷受台本体
11a、11Ba 荷受面
11b、11Ab、11Bb 側面
11Bc、11Dc 裏面(荷受面と反対側の面)
12 一般部
13 先端側部
13A 先端部
20a、20Aa、20Ba、20Ca、20Da 発光体
100、100B 荷受台昇降装置
D、DB 荷台
図1
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