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特開2023-150729電力取引マッチングシステム、電力取引マッチング方法及び電力取引マッチングプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150729
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】電力取引マッチングシステム、電力取引マッチング方法及び電力取引マッチングプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059971
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】312002347
【氏名又は名称】株式会社エナリス
(74)【代理人】
【識別番号】100117514
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敦朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】楠 玄香
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電力を資産として運用できる電力取引マッチングシステム、電力取引マッチング方法及び電力取引マッチングプログラムを提供する。
【解決手段】仲介サーバーにおいて売電側及び買電側から電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集する売買理由収集部24cと、ユーザーシステム4において各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成し実績データに発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データを記録するスマートメーター41と、売買理由収集部24cが収集した売買理由情報に基づいて売電者及び買電者をカテゴライズするカテゴライズ部24bと、カテゴライズ部24bによるカテゴライズに従ってユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分するバランシンググループ組成部24aと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の発電単位又は消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムと、電力の売買を仲介する仲介サーバーとを通信ネットワークにより接続した電力取引システムによる電力取引において、売電側と買電側をマッチングさせる電力取引マッチングシステムであって、
前記仲介サーバーにおいて、売電側及び買電側から、電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集する売買理由収集部と、
前記ユーザーシステムにおいて、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成し、前記実績データに、発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ、若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データを記録する実績データ生成部と、
前記売買理由収集部が収集した売買理由情報に基づいて、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズするカテゴライズ部と、
前記カテゴライズ部によるカテゴライズに従って、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分するバランシンググループ組成部と
を備えることを特徴とする電力取引マッチングシステム。
【請求項2】
前記仲介サーバーは、前記バランシンググループに従って、
前記ユーザーシステムにおいて生成された電力の売出データ又は買付データのマッチングを行い、マッチングされた売出データ及び前記買付データに基づいて、電力取引を成立させる約定データを生成する約定データ生成部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電力取引マッチングシステム。
【請求項3】
前記約定データと前記実績データとに基づいて、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は使用した電力量と該電力量に係る対価量との確定値を含む確定データを生成し、該確定データに基づいて、各ユーザーが支払い又は受け取る対価を精算する精算部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の電力取引マッチングシステム。
【請求項4】
電力の発電単位又は消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムと、電力の売買を仲介する仲介サーバーとを通信ネットワークにより接続した電力取引システムによる電力取引において、売電側と買電側をマッチングさせる電力取引マッチング方法であって、
前記仲介サーバーにおいて、売買理由収集部が、売電側及び買電側から、電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集する売買理由収集ステップと、
前記ユーザーシステムにおいて、実績データ生成部が、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成し、前記実績データに、発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ、若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データを記録する実績データ生成ステップと、
カテゴライズ部が、前記売買理由収集部が収集した売買理由情報に基づいて、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズするカテゴライズステップと、
前記カテゴライズ部によるカテゴライズに従って、バランシンググループ組成部が、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分するバランシンググループ組成ステップと
を含むことを特徴とする電力取引マッチング方法。
【請求項5】
前記仲介サーバーにおいて、約定データ生成部が、前記バランシンググループに従って、
前記ユーザーシステムにおいて生成された電力の売出データ又は買付データのマッチングを行い、マッチングされた売出データ及び前記買付データに基づいて、電力取引を成立させる約定データを生成する約定データ生成ステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の電力取引マッチング方法。
【請求項6】
前記約定データと前記実績データとに基づいて、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は使用した電力量と該電力量に係る対価量との確定値を含む確定データを生成し、該確定データに基づいて、各ユーザーが支払い又は受け取る対価を精算する精算部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の電力取引マッチング方法。
【請求項7】
電力の発電単位又は消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムと、電力の売買を仲介する仲介サーバーとを通信ネットワークにより接続した電力取引システムによる電力取引において、売電側と買電側をマッチングさせる電力取引マッチングプログラムであって、コンピューターに、
前記仲介サーバーにおいて、売電側及び買電側から、電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集する売買理由収集ステップと、
前記ユーザーシステムにおいて、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して生成され、発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ、若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データが記録される実績データを取得する実績データ取得ステップと、
前記売買理由収集部が収集した売買理由情報に基づいて、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズするカテゴライズステップと、
前記カテゴライズステップによるカテゴライズに従って、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分するバランシンググループ組成ステップと
を含む処理を実行させることを特徴とする電力取引マッチングプログラム。
【請求項8】
前記バランシンググループに従って、前記ユーザーシステム側で生成された電力の売出データ又は買付データのマッチングを行い、マッチングされた売出データ及び前記買付データに基づいて、電力取引を成立させる約定データを生成する約定データ生成ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の電力取引マッチングプログラム。
【請求項9】
前記約定データと前記実績データとに基づいて、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は使用した電力量と該電力量に係る対価量との確定値を含む確定データを生成し、該確定データに基づいて、各ユーザーが支払い又は受け取る対価を精算する精算ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の電力取引マッチングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を資産として運用できる電力取引マッチングシステム、電力取引マッチング方法及び電力取引マッチングプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユーザー間において余剰電力を融通し合うことが可能な電力取引システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のシステムでは、第1のユーザーにおいて電力を必要とする所定時間帯に、第2のユーザーにおいて余剰電力が発生する場合には、第1のユーザーにおける需要条件と第2のユーザーにおける供給可能条件とを照合して、対応する組合せをマッチングすることで、複数のユーザー間において余剰電力を融通し合うことができる。
【0003】
また、電力自由化により太陽光発電など独自に発電設備を有する者は余剰の電力を売渡することが可能となり、発電時における電力の市場価格と、売電時における電力の市場価格とによっては、その差額により利益を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-227837号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電力取引において電力を売りたい、或いは買いたい理由や目的は当事者によって区々であり、また売電先或いは買電先についても拘りがある場合もある。例えば、特定の地域に優先的に売電したいケースがあったり、特定の発電方式による電力にこだわるケースがあり、その理由や目的次第で選択される地域や発電方式が異なり、それによって電力の取引価格も異なってくる。したがって、従来の電力取引システムでは、売電側・買電側の売買理由や目的を十分に反映する仕組みがないため、売買量及び売買価格が適正に定められないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、電力の売買取引において、売電側買電側それぞれの、電力を売りたい或いは買いたいとする理由や目的を十分に反映させ売買量及び売買価格を適正に定めることのできる電力取引マッチングシステム、電力取引マッチング方法及び電力取引マッチングプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、電力の発電単位又は消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムと、電力の売買を仲介する仲介サーバーとを通信ネットワークにより接続した電力取引システムによる電力取引において、売電側と買電側をマッチングさせる電力取引マッチングシステムであって、
仲介サーバーにおいて、売電側及び買電側から、電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集する売買理由収集部と、ユーザーシステムにおいて、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成し、実績データに、発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ、若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データを記録する実績データ生成部と、売買理由収集部が収集した売買理由情報に基づいて、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズするカテゴライズ部と、カテゴライズ部によるカテゴライズに従って、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分するバランシンググループ組成部とを備える。
【0008】
また、本発明は、電力の発電単位又は消費単位ごとに電力を制御及び管理する複数のユーザーシステムと、電力の売買を仲介する仲介サーバーとを通信ネットワークにより接続した電力取引システムによる電力取引において、売電側と買電側をマッチングさせる電力取引マッチング方法であって、
(1)仲介サーバーにおいて、売買理由収集部が、売電側及び買電側から、電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集する売買理由収集ステップと、
(2)ユーザーシステムにおいて、実績データ生成部が、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量を測定して実績データを生成し、実績データに、発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ、若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データを記録する実績データ生成ステップと、
(3)カテゴライズ部が、売買理由収集部が収集した売買理由情報に基づいて、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズするカテゴライズステップと、
(4)カテゴライズ部によるカテゴライズに従って、バランシンググループ組成部が、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分するバランシンググループ組成ステップと
を含む。
【0009】
上記発明において、仲介サーバーは、バランシンググループに従って、ユーザーシステムにおいて生成された電力の売出データ又は買付データのマッチングを行い、マッチングされた売出データ及び買付データに基づいて、電力取引を成立させる約定データを生成する約定データ生成部をさらに備えることが好ましい。
【0010】
上記発明において、約定データと実績データとに基づいて、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は使用した電力量と電力量に係る対価量との確定値を含む確定データを生成し、確定データに基づいて、各ユーザーが支払い又は受け取る対価を精算する精算部をさらに備えることが好ましい。
【0011】
なお、上述した本発明に係るシステムや方法は、所定の言語で記述された本発明のプログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピューターやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築して、本発明に係る方法を実施することができる。
【0012】
また、本発明のプログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、またコンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。具体的にこの記録媒体としては、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、売電側及び買電側から、電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集し、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズし、そのカテゴライズに従って、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分する。これにより本発明によれば、電力の売買取引において、売電側買電側それぞれの、電力を売りたい或いは買いたいとする理由や目的を十分に反映させ売買量及び売買価格を適正に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る電力取引システムの全体構成を示す概念図である。
図2】実施形態に係る電力取引システムにおける電力取引サービスの概念図である。
図3】実施形態に係るユーザーシステムの機器構成を示すブロック図である。
図4】実施形態に係る電力制御端末の内部構成を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る電力制御端末で実行される機能モジュールを示すブロック図である。
図6】実施形態に係る管理サーバーの内部構成を示すブロック図である。
図7】実施形態に係る電力取引システムにおけるマッチング処理の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る電力取引マッチングシステムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0016】
(電力取引システムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る電力取引システムの全体構成を示す概念図であり、図2は、本実施形態に係る電力取引システムにおける電力取引サービスの概念図である。
【0017】
本実施形態では、通信ネットワーク3上に構築された電力取引システム1を通じて電力取引サービスを提供する。この電力取引システム1は、電力取引プラットフォーム2、各施設(発電所、PPS、需要家、電力プロシューマ等)に設けられた電力制御端末40等が通信ネットワーク3で相互に接続されて構成されている。
【0018】
具体的には、図1に示すように、本サービスでは、各発電所6や各需要家が備える発電設備(PV42)で発電した電力を、PPS5を通じて売電する。このPPS5は電力制御端末40を通じて、電力取引プラットフォーム2にアクセスして電力取引を行う。なお、PPS5に蓄電設備を設けて売電の信託サービスを行うようにしてもよく、この場合には信託を受けた電力を一旦蓄電装置に蓄電するか、或いは直接買電用の送電設備を通じて売電するかを切り替えて売電のタイミングを調整して、電力の価値を高めて利益を得て、需要家に利益を還元するようにしてもよい。
【0019】
電力制御端末40は、例えば、CPUを備えた情報処理端末で構成されており、発電所や各需要家、PPS、電力プロシューマ、アグリゲーター等の各施設の設備を統括的に制御する装置である。この電力制御端末40が制御若しくは管理する対象設備としては、発電所や需要家、電力プロシューマ等の施設内に配備されたユーザーシステムに含まれる、電力負荷の他、スマートメーター、蓄電池、PV(Photovoltaics:太陽光発電)など、発電や蓄電、電力消費する装置が挙げられる。なお、これらの電力制御端末が制御対象とする各種装置は、必要に応じて省略することができる。例えば、需要家ではその電力消費がスマートメーター41により測定されるが、需要家によっては発電設備及び蓄電設備を有するものもあれば、発電設備又は蓄電設備のいずれかの設備を有するもの、或いは発電・蓄電設備のいずれも備えずスマートメーター41だけが設けられ電力消費のみを行うものもある。また、電力プロシューマも電力消費をする立場にあるが、太陽光発電や蓄電池を備え、電力を供給する側にも位置することができる。
【0020】
電力取引プラットフォーム2は、売電側や買電側が電力制御端末40を介して電力を取引するのを仲介する仲介サーバー20で提供される。この仲介サーバー20は、電力取引プラットフォーム2として電力取引用ウェブサイトをオンライン上に提供しており、電力取引用ウェブサイトを通じて売電側、買電側、その他の市場や企業に対して、電力取引サービスを提供している。
【0021】
そして、この電力取引プラットフォーム2に電力制御端末40からアクセスすることで、各施設や設備における発電・蓄電・電力消費に応じて電力取引サービスを利用することができる。この電力取引サービスでは、発電する側となる売手による売出処理と、電力を消費する側となる買手による買付処理とがマッチングされることで電力の売買が成立する。詳述すると、電力制御端末は、電力取引プラットフォーム2と連携して、各設備における発電・蓄電・電力消費に基づいて発電データ・蓄電データ及び消費データを生成し、当該電力に関する情報を記載した情報を電力取引プラットフォーム2に登録する。
【0022】
また、電力取引プラットフォームにおいて取引可能な電力は、電力取引プラットフォームにおける売買取引の需給バランスによって定められた価額によって、相互に等価交換可能であり、また電力取引を精算することができ、電力量及びその価格に応じて、実際の通貨の他、仮想通貨やポイント、その他の交換価値を有する価値情報に換金することができる。
【0023】
通信ネットワーク3は、通信プロトコルTCP/IPを用いたIP網であって、種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワーク)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークである。このIP網には、10BASE-Tや100BASE-TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0024】
本実施形態において電力取引トークンは、図2に示すように、需要家(プロシューマ)で発電された電力を、PPS5に送電して信託を依頼することにより、その電力がPPS5側で売電又は蓄電される。この託された電力の電力量とその売電時点若しくは蓄電時点における電力の市場価格によって電力取引が実行される。
【0025】
このPPS5側における電力の取引は、需要家側で発電され送電された余剰電力を、市場の予想価格と余剰電力の調達コストに基づく限界利益とを比較して、処理日(受電時)における市場の予想価格が限界利益を上回るようであればそのまま売電し、下回るようであればその日は蓄電し、翌日にまた限界利益と市場の予想価格との比較に応じて売電か蓄電を判断することもできる。
【0026】
そして、受電したPPS5では、市場価格を予測して委託された電力の取引を、電力取引プラットフォーム2を通じて他の市場関係者、例えば買電側の電力会社や需要家、PPSとの間で取引される。なお、この電力取引では、例えば、仮想通貨である電力取引トークンを用いて行うこともでき、この電力取引トークンは、電力を使用(消費)できる権利として、買電者へ譲渡移転され、その譲渡を受けたPPS5bは、購入した電力取引トークンの代金を支払い、PPS5側での利益が確定する。電力取引トークンを購入した買電者側では、実際に買電者が電力を消費することによってその消費された電力と等価の電力取引トークンが消却される。
【0027】
この電力取引における取引価格は、電力取引プラットフォーム2における売買取引の需給バランスによっても価額が変動される。また、PPS側で受電若しくは蓄電された際に、電力量、蓄電時における電力の取引価格の他、発電方式、発電場所、発電時期等の由来情報が記録され、さらに、付加情報として移転履歴を含む取引履歴なども関連付けられて保持されている。
【0028】
(各装置の構成)
次いで、各装置の構成について説明する。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組合せなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0029】
(1)ユーザーシステム
各需要家、各PPS5及び各発電所6は電力設備全般としてのユーザーシステム4をそれぞれ有し、このユーザーシステム4は電力を消費する単位でもあり発電設備を備える場合もある。発電設備としては、例えば太陽光発電や風力発電等が挙げられる。なお、本実施形態では、図3に示すように、需要家に太陽光発電設備(PV42)が設けられているものとする。これらの需要家のユーザーシステム4には、電力制御端末40と、実績データ生成部としてのスマートメーター41とが含まれる。
【0030】
各ユーザーシステム4に設置される電力制御端末40は、通信機能やCPUを備えた情報処理端末であり、OS或いはファームウェア、各種アプリケーションソフトをインストールすることにより様々な機能が実装可能であり、本実施形態では、アプリケーションをインストールして実行することによって電力取引インターフェース7として機能される。この情報処理端末としては、パーソナルコンピューターの他、例えば、スマートフォンや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、タブレットPCやモバイルコンピューター、携帯電話機が含まれる。
【0031】
具体的に電力制御端末40は、図4に示すように、CPU402と、メモリ403と、入力インターフェース404と、ストレージ装置401と、出力インターフェース405と、通信インターフェース406とを備えている。また、本実施形態ではこれらの各デバイスはCPUバス400を介して接続されており相互にデータの受渡しが可能となっている。
【0032】
メモリ403及びストレージ装置401は、データを記録媒体に蓄積するとともに、これら蓄積されたデータを各デバイスの要求に応じて読み出す装置であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等により構成することができる。
【0033】
入力インターフェース404は、ユーザーシステム内に設置された各設備から制御信号を受信するモジュールであり、受信された制御信号はCPU402に伝えられ、OSや各アプリケーションによって処理される。他方、出力インターフェース405は、ユーザーシステム内に設置された各設備へ制御信号を出力するモジュールである。かかるユーザーシステム内に設置される各設備は、その需要家やプロシューマなどの形態によって異なり、例えば、需要家では、電力消費についてはスマートメーター41により測定され、発電・蓄電については、太陽光発電及び蓄電設備の両方を有するものもあれば、太陽光発電又は蓄電池のいずれかの設備を有するもの、発電・蓄電設備のいずれも備えないものもある。また、プロシューマでは、電力消費をスマートメーター41により計測し、太陽光発電(PV)42や蓄電池その他の電力設備に対する制御信号が入出力される。
【0034】
ここで、スマートメーター41は、需要単位であるユーザーシステム内における発電・蓄電・電力消費を統括的に管理する実績データ生成部であり、需要家での電力消費を計測する他、ユーザーシステム内の他の設備、例えば蓄電池や太陽光発電による蓄電や発電も制御・管理し、需要家において各電力使用期間中に発電、蓄電又は消費した電力量を測定して、実績データD1を生成し、定期的にPPSや、電力会社に送出する。
【0035】
通信インターフェース406は、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、通信方式としては、例えば、電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワークが含まれる。
【0036】
CPU402は、各部を制御する際に必要な種々の演算処理を行う装置であり、各種プログラムを実行することにより、CPU402上に仮想的に各種モジュールを構築する。このCPU402上では、OS(Operating System)が起動・実行されており、このOSによって各電力制御端末40の基本的な機能が管理・制御されている。また、このOS上では種々のアプリケーションが実行可能になっており、CPU402でOSプログラムが実行されることによって、需要家における電力取引に関する種々の機能モジュールがCPU上に仮想的に構築される。
【0037】
本実施形態では、CPU402上でブラウザソフトを実行することによって、このブラウザソフトを通じて、電力取引プラットフォーム2にアクセスし、システム上の情報を閲覧したり、情報を入力したりする。詳述すると、このブラウザソフトは、Webページを閲覧するためのモジュールであり、通信ネットワーク3を通じて配信サーバーからHTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。このブラウザソフトにより、フォームを使用してユーザーがデータをWebサーバーに送信したり、JavaScript(登録商標)やFlash、及びJava(登録商標)などで記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることも可能であり、このブラウザソフトを通じて、各ユーザーは、仲介サーバー20が提供する電力取引プラットフォーム2を通じて電力取引サービスを利用することができる。
【0038】
すなわち、本実施形態では、CPU402上でブラウザソフトを実行し、ブラウザソフトを通じてPPS5が提供する電力取引サービスにアクセスすることによって、CPU402上で電力取引アプリケーション402aが実行され、この電力取引アプリケーション402aにより電力取引インターフェース7がCPU402条に仮想的に構築される。この電力取引インターフェース7は、電力取引サービスの提供を受けるための所定の操作を行うインターフェースモジュールである。具体的に、この電力取引インターフェース7は、図5に示すように、実績データ管理部72と、売買理由設定部73と、取引条件生成部74と、通信制御部71とを備えている。
【0039】
通信制御部71は、例えば、通信インターフェース406を通じて電力取引プラットフォーム2との通信を確立し、データの送受信を実行するモジュールである。実績データ管理部72は、各ユーザーシステムに備えられたスマートメーター41から実績データを取得して解析することにより、蓄電用にPPSや送電網側へ送電された電力量や、需要家内で消費された電力量を算定するモジュールであり、この実績データ管理部26による解析結果は、通信制御部71を通じてPPS側或いは仲介サーバー20側に送信され、電力需給管理や電力取引の用に供される。
【0040】
売買理由設定部73は、需要家側から電力取引プラットフォーム2側へ、ユーザー操作に基づいて、電力取引の理由や目的である売買理由情報を設定し、通信制御部71を通じて送信するモジュールである。取引条件生成部74は、売電や買電等の電力取引を実行する際の、売出データや買付データを生成し、電力取引プラットフォーム2へ送信するモジュールである。この売出データや買付データは通信制御部71を通じて電力取引プラットフォーム2に送信され、電力取引プラットフォーム2を介して仲介サーバー20の電力取引実行部25により取得される。
【0041】
(2)管理サーバー
電力取引プラットフォーム2は、電力取引仲介サービスの提供業者が管理運用する仲介サーバー20上に仮想的に構築される取引市場であり、電力の売買取引を希望するユーザーは、通信ネットワーク3を通じて電力取引プラットフォーム2にアクセスし、この電力取引プラットフォーム2を介して、電力に関する取引を実行する。具体的に仲介サーバー20は、図6に示すように、通信インターフェース23と、認証部22と、電力取引実行部25と、カテゴライズ管理データベース21aと、ユーザーデータベース21bと、実績管理データベース21cと、電力取引管理データベース21dと、マッチング管理部24、実績データ管理部26と、精算部27とを備えている。
【0042】
通信インターフェース23は、通信ネットワーク3を通じて、他の通信機器とデータの送受信を行うモジュールであり、本実施形態では、本サービスを提供するために各電力制御端末40及びスマートメーター41に接続されている。
【0043】
認証部22は、電力取引に係るアクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、ユーザーを特定するユーザーIDに基づいて認証処理を実行する。本実施形態では、通信ネットワーク3を通じてアクセス者の端末装置からユーザーID及びパスワードを取得し、ユーザーデータベース21bを照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認する。
【0044】
電力取引実行部25は、通信ネットワーク3を通じて電力取引の仲介を行うモジュールであり、本実施形態では、約定データ生成部25a及びマッチング制御部25bを備えている。
【0045】
マッチング制御部25bは、売出データ及び買付データに基づいて成立した取引の約定データを生成する。詳述すると、マッチング制御部25bは、各買電者における取引条件、及び売電側における供給可能条件である売出データを照合して、対応する組合せをマッチングすることで取引を成立させ、約定データ生成部25aは、成立した取引の条件や、供給元や発電方式、供給可能時期、電力価格などの情報を記述した約定データを生成する。なお、本実施形態においてこのマッチング制御部25bの動作は、マッチング管理部24が管理する設定に基づいて制御される。
【0046】
マッチング管理部24は、電力取引実行部25における電力取引にあたり、売電側と買電側とのマッチングを行うマッチング制御部25bの動作を管理するモジュールである。具体的にマッチング管理部24は、バランシンググループ組成部24aと、カテゴライズ部24bと、売買理由収集部24cとを備えている。
【0047】
売買理由収集部24cは、仲介サーバー20において、売電側及び買電側から、電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集するモジュールである。この売買理由収集部24cが収集した売買理由情報はカテゴライズ部24bに受渡しされる。カテゴライズ部24bは、売買理由収集部24cが収集した売買理由情報に基づいて、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズするモジュールである。一方、バランシンググループ組成部24aは、カテゴライズ部24bによるカテゴライズに従って、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分するモジュールである。
【0048】
ここで、売買理由における買いたい理由としては、例えば、発電所のレイティング情報から希望する電力を選択するようにしてよく、レイティング次第では買価を変えるようにしてもよい。その際、絞り込み条件を設定するようにしてもよく、「買値をいくらまで出せる」、「絶対欲しい」、「電源比率」などを理由とすることができる。他方、売りたい理由としても、企業のレイティングから売りたい条件を設定するようにしてもよく、その企業の社会貢献、環境問題に対する取り組み、SDGsなどを理由とすることができる。これについても、企業のレイティング次第では売価を変えるようにしてもよい。
【0049】
ユーザーデータベース21bは、各需要家のユーザーや、アグリゲーター等の業者に関する情報を蓄積する記憶装置である。実績管理データベース21cは、発電所や需要家、アグリゲーター等の電力の授受に関係する者による実績データを収集し蓄積して管理する記憶装置である。各スマートメーターから受信した各実績データは、この実績管理データベースに蓄積され、電力取引における価値評価の用に供される。電力取引管理データベース21dは、トークンの取引実績を記録する記憶装置である。
【0050】
実績データ管理部26は、各ユーザーシステムから実績データを収集し、解析することによって、電力取引の数量や価格を算定するモジュールであり、この実績データ管理部26による解析結果は、マッチング管理部24に入力され、電力取引時のマッチング処理に供される。
【0051】
また、実績データ管理部26は、価値評価部26aを備えており、この価値評価部26aは、実績データに含まれた各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は消費した電力量の測定値や、発電方法及び発電したユーザーを示す発電データ、若しくは蓄電量及びその蓄電期間に関する蓄電データを解析する。マッチング管理部24では、この価値評価部26aによる解析結果に基づいて、マッチング処理を行うとともに、電力取引実行部25は、価値評価部26aによる解析結果に基づいて、電力の取引価格を決定する。
【0052】
精算部27は、各電力の取引成立時の時価に応じて換金するモジュールであり、各種トークンの時価に関する情報をネットワーク上から取得し、精算することによって、電力の取引価格の他、仮想通貨やポイント、その他の交換価値を有する価値情報に換金することができる。また、精算部27は、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は使用した電力量と当該電力量に係る対価量との確定値を含む確定データを生成又は取得し、その確定データに基づいて各ユーザーが支払い又は受け取る対価を精算する機能も備える。
【0053】
(電力取引システムの動作)
以上説明した電力取引システムを動作させることによって、本発明の電力取引マッチング方法を適用した電力取引サービスを提供することができる。図7は電力取引システムの動作を示すフロー図である。なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換及び追加が可能である。
【0054】
図7に示すように、先ず、予め電力取引を行う理由や目的が記述された売買理由情報を、各発電所、需要家(プロシューマを含む。)、PPSから仲介サーバー20へ送信し(S101,S301)、送信された売買理由情報は仲介サーバー20側の売買理由収集部24cによって収集され、蓄積される(S201)。
【0055】
そして、各発電所や需要家においてユーザーシステム4の設備を用いて発電を行うとともに、余剰電力を、電力網かPPS5に送電する。この際に発電データ・消費電力データが生成され、これらのデータはスマートメーター41で実績データとして集計されるとともに、実績データ管理部72に入力される。この実績データ管理部72の解析結果はデータベースにい蓄積されるとともに、その解析結果に基づいて送電時情報が生成され実績データとともに、仲介サーバー20やPPS5側に送信される(S202)。
【0056】
このステップS202では、需要家からの受電が開始されると、受電時情報が記録される。この受電時情報は調達電力情報としてストレージに保存される。また、受電の開始時において市況情報の収集も行われ、電力の需給と外部情報との相関を分析して、将来発生する電力需給を予測するとともに、調達電力情報に含まれる受電時情報に基づいて所定の利益を加算した限界利益が算出される。具体的には、受電時における市場の電力価格と、及び需要家から電力を調達するのに要した費用と、蓄電時に消失する損失電力に係る費用、さらには蓄電時の残容量を勘案し、そこにPPS5等が取得する必要最低限の手数料を加算して限界利益を算出する。
【0057】
ここでの需要予測は、市況情報等の外部情報と、過去の電力需要の変化をビッグデータとして解析対象とし、ディープラーニング等のAI(人工知能)の機械学習機能を用いて、解析対象中の特徴点を集積し、特徴点の共通性に基づいて各情報間の相関(傾向)を抽出して、現在の市況情報と合致する特徴点の共通性から将来の電力需要の予測をするようにしてもよい。
【0058】
なお、蓄電機能を有するPPSでは、利益の有無に基づいて算出した限界利益と、予測された市場価格とを比較し、受電した時点における市場の予想価格が限界利益を上回るようであればそのまま売電し、下回るようであれば、他の売電のタイミングを待ってその日は蓄電し、翌日に繰り越して、売電を実行するなど、売買取引のタイミングを調整するようにしてもよい。
【0059】
次いで、収集された売買理由情報に基づいて、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズする処理を実行する(S203)とともに、生成されたカテゴライズに従って、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分するバランシンググループ組成ステップを実行する(S204)。
【0060】
その後、売電側の需要家及び売電側の需要家から売出データ及び買付データが送信され(S104及びS304)、マッチング処理が実行される(S205)。そして、仲介サーバー20では、ステップS204で組成されたバランシンググループに従ってマッチングを行うとともに、このようにマッチングされた売出データ及び買付データに基づいて電力取引を成立させて約定データを生成する(S205)。
【0061】
この約定を受けて、約定データと実績データとに基づいて、各ユーザーが各電力使用期間中に発電又は使用した電力量と該電力量に係る対価量との確定値を含む確定データを生成し、確定データに基づいて、各ユーザーが支払い又は受け取る対価を精算する決済処理を実行する(S105,S206及びS3305)。
【0062】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態によれば、売電側及び買電側から、電力取引の理由又は目的に関する売買理由情報を収集し、売電側のユーザーシステム及び買電側のユーザーシステムをカテゴライズし、そのカテゴライズに従って、ユーザーシステム群を複数のバランシンググループに区分する。この結果、本実施形態によれば、電力の売買取引において、売電側買電側それぞれの、電力を売りたい或いは買いたいとする理由や目的を十分に反映させ売買量及び売買価格を適正に定めることができる。
【符号の説明】
【0063】
1…電力取引システム
2…電力取引プラットフォーム
3…通信ネットワーク
4…ユーザーシステム
5…PPS
6…発電所
7…電力取引インターフェース
20…仲介サーバー
21a…カテゴライズ管理データベース
21b…ユーザーデータベース
21c…実績管理データベース
21d…電力取引管理データベース
22…認証部
23…通信インターフェース
24…マッチング管理部
24a…バランシンググループ組成部
24b…カテゴライズ部
24c…売買理由収集部
25…電力取引実行部
25a…約定データ生成部
25b…マッチング制御部
26…実績データ管理部
26a…価値評価部
27…精算部
40…電力制御端末
41…スマートメーター
42…PV
71…通信制御部
72…実績データ管理部
73…売買理由設定部
74…取引条件生成部
400…CPUバス
401…ストレージ装置
402…CPU
402a…電力取引アプリケーション
403…メモリ
404…入力インターフェース
405…出力インターフェース
406…通信インターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7