(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150733
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】携帯用クリーナー
(51)【国際特許分類】
A47L 13/38 20060101AFI20231005BHJP
A47L 13/17 20060101ALI20231005BHJP
A47L 13/51 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A47L13/38 B
A47L13/17 A
A47L13/51
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022059981
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】500331714
【氏名又は名称】株式会社創和
(74)【代理人】
【識別番号】100178951
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 和家
(72)【発明者】
【氏名】宗 正雄
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA02
3B074AA07
3B074AB01
3B074CC03
3B074GG02
(57)【要約】
【課題】清掃布に界面活性剤やイソプロピルアルコール等の薬剤を含浸させた場合であっても、薬剤の乾燥を効果的に抑える工夫がなされた携帯用クリーナーを提供する。
【解決手段】一端側に引出口22aを有し、他端側に取出口21aを有する収容ケース2と、引出口22aに挿通され、挿通部材3と、挿通部材3の取付部32に取り付けられた清掃布5と、蓋部材4と、を備え、収容ケース2は、引出口22aに連なる内周部分に被嵌合部221を有するものであり、挿通部材3は、被嵌合部221と嵌合する嵌合部311を有するものであり、嵌合状態では引出口22aが閉塞され、取出口21aを蓋部材4で閉塞することで収容ケース2内が密閉される一方、蓋部材4を開けて取出口21aを開放し、嵌合状態を解除して取出口21aから清掃布5を他端側に引き出すことができるものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に引出口を有し、他端側に取出口を有する収容ケースと、
前記引出口に挿通され、該収容ケース内に位置する他端側部分に取付部を有する挿通部材と、
前記取付部に取り付けられた清掃布と、
前記取出口を閉塞する蓋部材と、を備え、
前記収容ケースは、前記引出口に連なる内周部分に被嵌合部を有するものであり、
前記挿通部材は、前記取付部よりも一端側に形成され、前記被嵌合部と嵌合する嵌合部を有するものであり、
前記被嵌合部と前記嵌合部が嵌合した嵌合状態では前記引出口が閉塞され、前記清掃布を前記収容ケースに収容して前記取出口を前記蓋部材で閉塞することで該収容ケース内が密閉される一方、
前記蓋部材を開けて前記取出口を開放し、前記嵌合状態を解除して該取出口から前記清掃布を他端側に引き出すことができるものであることを特徴とする携帯用クリーナー。
【請求項2】
前記取付部は、外側に張り出したフランジで構成されたものであり、
前記清掃布は、孔が形成され、該孔に前記挿通部材が挿通された状態で、前記取付部に係止されるものであることを特徴とする請求項1記載の携帯用クリーナー。
【請求項3】
前記挿通部材の他端側部分と前記蓋部材とを連結する連結部材を有し、
前記嵌合部が前記被嵌合部に嵌合すると、前記取出口が前記蓋部材で閉塞されるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯用クリーナー。
【請求項4】
前記被嵌合部は、一端側に向けて縮径するテーパー状の内周面で構成されたものであり、
前記嵌合部は、一端側に向けて縮径するデーパー状の外周面で構成されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯用クリーナー。
【請求項5】
前記挿通部材は、前記嵌合部から一端側に延在する延長部を有するものであり、
前記延長部の一端側部分には、吊下部材が取り付けられたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯用クリーナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤が含浸されたネガネ拭きなどの清掃布を密閉された状態で携帯することができる携帯用クリーナーに関する。
【背景技術】
【0002】
ネガネ拭きなどの清掃布を携帯できる携帯用クリーナーが提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2等参照)。特許文献1や特許文献2に記載の携帯用クリーナーは、一端側に引出口を有し、他端側に開放された取出口を有する収容ケースと、この収容ケース内に収容される清掃布を有し、この清掃布を取出口から取り出して使用するものである。また、取出口に蓋体を設け収容ケース内を密閉状態にしようと試みる携帯用クリーナーも提案されている(特許文献3等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平05-13353号公報
【特許文献2】実開平03-112725号公報
【特許文献3】実用新案登録第3206601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献3に記載された携帯用クリーナーは、取出口は蓋体によって閉塞されるものの、引出口に当接して閉塞しようとする内蓋には孔が形成され、その孔に紐が挿通された状態で取り付けられているため、収容ケース内を十分に密閉することが難しい。このため、清掃布に曇り止めや汚れ落としの機能を付与しようとして、界面活性剤やイソプロピルアルコール等を含浸させたものを用いた場合、これらの薬剤(含浸剤)が乾燥してしまう虞がある。
【0005】
本発明は前記事情に鑑み、清掃布に界面活性剤やイソプロピルアルコール等の薬剤を含浸させた場合であっても、薬剤の乾燥を効果的に抑える工夫がなされた携帯用クリーナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を解決する本発明の携帯用クリーナーは、一端側に引出口を有し、他端側に取出口を有する収容ケースと
前記引出口に挿通され、該収容ケース内に位置する他端側部分に取付部を有する挿通部材と、
前記取付部に取り付けられた清掃布と、
前記取出口を閉塞する蓋部材と、を備え、
前記収容ケースは、前記引出口に連なる内周部分に被嵌合部を有するものであり、
前記挿通部材は、前記取付部よりも一端側に形成され、前記被嵌合部と嵌合する嵌合部を有するものであり、
前記被嵌合部と前記嵌合部が嵌合した嵌合状態では前記引出口が閉塞され、前記清掃布を前記収容ケースに収容して前記取出口を前記蓋部材で閉塞することで該収容ケース内が密閉される一方、
前記蓋部材を開けて前記取出口を開放し、前記嵌合状態を解除して該取出口から前記清掃布を他端側に引き出すことができるものであることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記携帯用クリーナーは、ネガネ拭きであってもよいし、スマートフォンやタブレット等の携帯用端末の画面を拭き取るクリーナーであってもよい。また、除菌用に携帯するクリーナーであってもよい。さらに、前記挿通部材は、硬質樹脂やシリコーン樹脂等によって一体に形成されたものであってもよい。またさらに、前記清掃布は、マイクロファイバーであってもよいし、不織布であってもよいし、セーム革であってもよい。また、前記清掃布は、界面活性剤等の曇り止め成分、イソプロピルアルコール等の汚れ落とし成分、あるいはエタノール等の除菌成分の薬剤を含浸させたものであってもよい。
【0008】
本発明の携帯用クリーナーによれば、前記被嵌合部と前記嵌合部を嵌合して嵌合状態とすれば前記引出口が閉塞され、前記清掃布を前記収容ケースに収容して前記取出口を前記蓋部材で閉塞することで該収容ケース内を効率的に密閉することができる。これにより、前記清掃布に界面活性剤やイソプロピルアルコール等の薬剤を含浸させた場合であっても、薬剤の乾燥を効果的に抑えて携帯することができる。
【0009】
また、本発明の携帯用クリーナーにおいて、前記取付部は、外側に張り出したフランジで構成されたものであり、
前記清掃布は、孔が形成され、該孔に前記挿通部材が挿通された状態で、前記取付部に係止されるものである態様が好ましい。
【0010】
この態様を採用すれば、前記挿通部材を、例えば一体に製造することが容易になるとともに、該挿通部材への前記清掃布の着脱も簡単に行うことができる。
【0011】
さらに、本発明の携帯用クリーナーにおいて、前記挿通部材の他端側部分と前記蓋部材とを連結する連結部材を有し、
前記嵌合部が前記被嵌合部に嵌合すると、前記取出口が前記蓋部材で閉塞されるものであってもよい。
【0012】
ここで、前記挿通部材、前記蓋部材及び前記連結部材は、一体に形成されたものであってもよいし、それぞれを連結して構成したものであってもよい。
【0013】
この態様を採用すれば、例えば前記挿通部材を一端側に引っ張る、或いは前記収容ケース2を他端側に移動させることによって、前記被嵌合部と前記嵌合部が嵌合して前記引出口が閉塞されるとともに、前記取出口を前記蓋部材で閉塞することができる。また、例えば前記蓋部材を他端側に引っ張る、或いは前記収容ケース2を一端側に移動させることによって、前記被嵌合部と前記嵌合部との嵌合が解除されるとともに、前記取出口を開放することができる。
【0014】
また、本発明の携帯用クリーナーにおいて、前記被嵌合部は、一端側に向けて縮径するテーパー状の内周面で構成されたものであり、
前記嵌合部は、一端側に向けて縮径するデーパー状の外周面で構成されたものであってもよい。
【0015】
この態様を採用すれば、簡単な構成により前記被嵌合部と前記嵌合部との密着性を高め、密閉性を向上することができる。
【0016】
また、本発明の携帯用クリーナーにおいて、前記挿通部材は、前記嵌合部から一端側に延在する延長部を有するものであり、
前記延長部の一端側部分には、吊下部材が取り付けられたものであってもよい。
【0017】
ここで、前記延長部は、前記嵌合状態において、前記収容ケースの前記引出口から前記収容ケースの外に出ているものであってもよい。また、吊下部材は、紐材であってもよいし、フックとループを備えた面ファスナーであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の携帯用クリーナーによれば、清掃布に界面活性剤やイソプロピルアルコール等の薬剤を含浸させた場合であっても、薬剤の乾燥を効果的に抑える工夫がなされた携帯用クリーナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態を示す携帯用クリーナーの斜視図である。
【
図2】
図1に示す携帯用クリーナーの正面図である。
【
図3】
図1に示す携帯用クリーナーの背面図である。
【
図4】
図1に示す携帯用クリーナーの右側面図である。
【
図5】
図1に示す携帯用クリーナーの平面図である。
【
図6】
図1に示す携帯用クリーナーの底面図である。
【
図7】
図2に示す携帯用クリーナーのA-A線断面図である。
【
図9】
図1~
図7に示す携帯用クリーナーを使用する手順の一例を示す図である。
【
図10】
図1~
図7に示す携帯用クリーナーをバックに装着した例を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態の携帯用クリーナー11を示す断面図である。
【
図12】
図11に示す第2実施形態の携帯用クリーナーにおいて、清掃布を取り出す様子を示す断面図である。
【
図13】第3実施形態の携帯用クリーナーにおける収納状態を示す斜視図である。
【
図14】
図13に示す携帯用クリーナーにおける、清掃布を取り出した状態を示す斜視図である。
【
図15】
図13及び
図14に示す携帯用クリーナーをバックに装着する様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態では、ネガネ拭き、携帯用端末用又は除菌用の携帯用クリーナーの例を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態を示す携帯用クリーナー10の斜視図である。この
図1では、蓋部材4を開放し清掃布5を収容ケース2から取り出した使用状態を示している。また、上側が一端側となり、下側が他端側となる。
図2は、
図1に示す携帯用クリーナー10の正面図であり、
図3は、
図1に示す携帯用クリーナー10の背面図であり、
図4は、
図1に示す携帯用クリーナー10の右側面図であり、
図5は、
図1に示す携帯用クリーナー10の平面図であり、
図6は、
図1に示す携帯用クリーナー10の底面図であり、
図7は、
図2に示す携帯用クリーナー10のA-A線断面図である。なお、
図2~
図7は、清掃布5が収容ケース2内に収容された状態(以下、収容状態と称することがある)を示している。
【0022】
まず、
図2~
図7に示す収容状態の携帯用クリーナー10について説明する。
図2~
図7に示すように、本発明の携帯用クリーナー10は、一端側に引出口22aを有し、他端側に取出口21aを有する収容ケース2と、引出口22aに挿通され、収容ケース2内に位置する他端側部分に取付部32を有する挿通部材3と、取付部32に取り付けられた清掃布5と、取出口21aを閉塞する蓋部材4と、挿通部材3の一端側部分に取り付けられた吊下部材6とを備えたものである。
【0023】
収容ケース2は、内部が空洞の釣鐘型(ドーム型)の胴部21と、胴部21の一端(上端)に設けられた首部22で構成され、前述したように、一端側に小径の引出口22aを有し、他端側に大径の取出口21aを有している。この収容ケース2は、例えば、硬質樹脂やシリコーン樹脂等によって一体に形成されたものである。
【0024】
図7に示すように、収容ケース2における首部22の内周面には、引出口22aに連なる被嵌合部221が設けられている。本実施形態の被嵌合部221は、一端側に向けて縮径するテーパー状の内周面によって構成されている。また、胴部21の他端側部分には、内側に膨らんだ膨出部211が設けられている。
【0025】
図8は、
図1~
図7に示す挿通部材3を抜き出して示す図である。具体的には、
図8(a)は挿通部材3の正面図、同図(b)は挿通部材3の右側面図、同図(c)は挿通部材3の平面図、同図(d)は挿通部材3の底面図である。なお、背面図は正面図と同一にあらわれるため、左側面図は右側面図と同一にあらわれるため、共に省略している。以下、
図8も参照しつつ、挿通部材3を詳細に説明する。
【0026】
図7に示すように、挿通部材3は、収容ケース2の引出口22aに挿通されたものであり、収容ケース2内に位置し他端側部分に設けられた取付部32と、収容ケース2内に位置し取付部32よりも一端側に設けられた中間部31と、中間部31から一端側に延在し収容ケース2の外に出ている延長部33とを有している。なお、挿通部材3の素材は限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂等によって一体に成形されたものである。
【0027】
図8に示すように、本実施形態の取付部32は、円盤状のものであり、外側に張り出したフランジで構成されている。中間部31は、円錐台状のものであり、一端側に向けて縮径するデーパー状の外周面で構成された嵌合部311を有している。延長部33は、円柱状の細長いものであり、一端側部分に吊下部材6を取り付ける取付孔33aが形成されている。
【0028】
嵌合部311の角度と、収容ケース2の被嵌合部221の角度は対応しており、例えば延長部33を摘まんで一端側に引っ張れば、
図7に示すように、嵌合部311と被嵌合部221とが嵌合し、引出口22aを閉塞することができる。以下、嵌合部311と被嵌合部221とが嵌合した状態を嵌合状態と称することがある。なお、被嵌合部221よりも嵌合部311を若干傾斜させ、挿通部材3を一端側に引っ張ったときに、被嵌合部221がやや拡径して(或いは嵌合部311がやや縮径して)、嵌合部311が被嵌合部221に食い込むようにして嵌合状態となる構成としてもよい。また、嵌合部311と被嵌合部221との少なくとも一方に、ゴム製のパッキン等を設け、気密性をより向上させる態様を採用することもできる。
【0029】
清掃布5は、例えばマイクロファイバーによって構成され、円形又は矩形のものである。なお、清掃布5の形状は限定されるものではなく、例えば多角形状や星形、花弁等の形状としてもよい。
図7に示すように、清掃布5の中央部分には開口5aが形成され、この開口5aに挿通部材3の中間部31が挿通されるとともに取付部32に係止されて清掃布5が挿通部材3に取り付けられている。例えるなら、いわゆるポンチョのように取り付ける構造となっている。この構造を採用すれば、清掃布5の取付部32への着脱が容易になる。また、清掃布5には、界面活性剤等の曇り止め成分、イソプロピルアルコール等の汚れ落とし成分、あるいはエタノール等の除菌成分の薬剤が含浸されている。なお、
図7では、挿通部材3に取り付けられた状態で、清掃布5が折り畳まずに収容ケース2内に収容された態様を示しているが、大きい清掃布5を用い、折り畳んで収容ケース2内に収容する態様を採用してもよい。
【0030】
図1及び
図7に示すように、本実施形態の蓋部材4は、円盤状の外蓋41と、外蓋41の内側(一端側)に設けられ外蓋41よりも小径の内蓋42とを有しており、ヒンジ43によって、収容ケース2の他端側部分に、取出口21aを開閉自在に設けられている。
図7に示すように、蓋部材4を閉めた状態では、内蓋42が、収容ケース2の膨出部211に嵌合し、さらに外蓋41によって覆われるため、収容ケース2の取出口21aが閉塞される。なお、蓋部材4は、ヒンジ43によって開閉される態様に限定されず、収容ケース2とは取り外し可能なものとして構成してもよいし、膨出部211と内蓋42との嵌合する部分に適宜のパッキン等を設けてもよい。さらに、ねじ構造を用いて、蓋部材4を取り付ける構造とすることも可能である。
【0031】
吊下部材6は、特に限定されるものではなく、伸縮しない紐であってもよいし、伸縮するゴム紐等であってもよい。また、紐に代えてキーホルダーとして用いることができる構造としてもよい。さらに、本発明の携帯用クリーナーは、バックやポケットなどに入れて携帯する態様とすることも可能であり、この態様の場合には吊下部材6を省略してもよい。
【0032】
図9は、
図1~
図7に示す携帯用クリーナー10を使用する手順の一例を示す図である。
【0033】
前述したように、
図9(a)に示す収容状態では、収容ケース2の被嵌合部221と挿通部材3の嵌合部311とが嵌合し(嵌合状態)、引出口22aが閉塞されている。また、蓋部材4を閉じることによって取出口21aも閉塞されている。
【0034】
図9(b)に示すように、清掃布5を使用する場合には、蓋部材4を開けて取出口21aを開放し、例えば清掃布5を摘まみながら、収容ケース2を一端側方向(上方)に持ち上げる。こうすることで、嵌合状態が解除され、取出口21aから清掃布5を取り出すことができる。なお、吊下部材6がゴム紐等の伸縮するものである場合には、蓋部材4を開け取出口21aを開放した後、収容ケース2を持った状態で、清掃布5を他端側方向に引っ張れば、吊下部材6が伸びて嵌合状態が解除されるとともに取出口21aから清掃布5を取り出すことができる。
【0035】
そして、
図9(c)に示すように、収容ケース2から清掃布5を取り出した状態で、メガネのレンズや携帯情報端末の画面の清掃、或いは小物の除菌等を行うことができる。
【0036】
作業が終了したら、収容ケース2を他端側方向(下方)に移動させ、嵌合状態として引出口22aを閉塞し、蓋部材4を閉じて取出口21aも閉塞すればよい。これらにより、収容ケース2内を効率的に密閉することができる。この結果、清掃布5に界面活性剤やイソプロピルアルコール等の薬剤を含浸させた場合であっても、薬剤の乾燥を効果的に抑えて携帯することが可能となる。
【0037】
図10は、
図1~
図7に示す携帯用クリーナー10をバックBに装着した例を示す斜視図である。
【0038】
図10に示すように、携帯用クリーナー10の吊下部材6をバックBの持ち手B1に取り付けてもよい。こうすることで、携帯用クリーナー10がアクセサリーの1つとしても機能し、デザイン性も向上させることができる。
【0039】
次に、
図1~
図10に示す第1実施形態の携帯用クリーナー10の他の実施形態について説明する。以下に説明する他の実施形態においては、
図1~
図10に示す第1実施形態との相違点を中心に説明し、
図1~
図10に示す第1実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
【0040】
図11は、第2実施形態の携帯用クリーナー11を示す断面図である。この
図11は、第1実施形態の携帯用クリーナー10を示す
図7に対応する図である。また、
図12は、
図11に示す第2実施形態の携帯用クリーナー11において、清掃布5を取り出す様子を示す断面図である。
【0041】
図11に示すように、第2実施形態の携帯用クリーナー11は、挿通部材3の他端側部分と蓋部材4とを連結する連結部材7を有している。具体的には、連結部材7は、一端側と他端側とを結ぶ方向(上下方向)に延在したものであり、挿通部材3における取付部32の他端側の面(下面)と蓋部材4の一端側の面(上面)とを接続している。また、円で囲んだ部分を拡大して示すように、収容ケース2の膨出部211の他端側部分には、逆テーパ面2111が形成され、蓋部材4の外周部分には、逆テーパ面に接合するテーパ面411が形成されている。
【0042】
図11に示す収納状態では、収容ケース2の被嵌合部221と挿通部材3の嵌合部311とが嵌合状態となって引出口22aが閉塞されると、連結部材7によって挿通部材3と連結された蓋部材4のテーパ面411が、収容ケース2における膨出部211の逆テーパ面2111に接合する。これにより、取出口21aも閉塞される。
【0043】
清掃布5を使用するには、蓋部材4を持った状態で、収容ケース2を持ち上げれば、
図12に示すように、取出口21aから清掃布5を取り出して使用することができる。収納状態にするには、反対に、収容ケース2を下げれば、嵌合状態となって引出口22aが閉塞されるとともに、蓋部材4のテーパ面411が収容ケース2における膨出部211の逆テーパ面2111に接合して取出口21aも閉塞される。これにより、収容ケース2内を密閉することができる。なお、連結部材7に対して蓋部材4を回転可能な構成とし、ねじ構造を用いて蓋部材4を収容ケース2にねじ込む態様としてもよい。
【0044】
図13は、第3実施形態の携帯用クリーナー12における収納状態を示す斜視図である。また、
図14は、
図13に示す携帯用クリーナー12における、清掃布5を取り出した状態を示す斜視図である。
【0045】
第3実施形態の携帯用クリーナー12では、収容ケース2の胴部21が略半円柱状に構成され、取出口21aが、両端の一対の円弧部分を一対の直線で結んだ形状に形成されている。また、首部22が角錐台状に形成されるとともに、引出口22aも略矩形状に形成されている。さらに、図示は省略するが、被嵌合部221(
図7参照)も角錐台状の面となっている。また、
図14において破線で示すように、被嵌合部221の形状に対応して、嵌合部311も角錐台状の面で構成されている。このように、被嵌合部221と嵌合部311の形状は、互いに対応して嵌合状態となる形状であれば、特に限定されるものではない。なお、取付部32の形状は、本実施形態では略矩形状に形成されている。
【0046】
また、本実施形態の吊下部材6は、一端側部分に、面ファスナーの一方を構成するフック6A1(
図15参照)が設けられた第1吊下片6Aと、一端側部分に、面ファスナーの他方を構成するループ6B1(
図15参照)が設けられた第2吊下片6Bとの組合せによって構成されている。
【0047】
図15は、
図13及び
図14に示す携帯用クリーナー12をバックBに装着する様子を示す斜視図である。
【0048】
図15に示すように、第1吊下片6Aのフック6A1と、第2吊下片6Bのループ6B1を接合させる態様を採用すれば、バックBの持ち手B1への携帯用クリーナー12の着脱が容易になる。
【0049】
以上説明した携帯用クリーナー10,11,12によれば、清掃布5に界面活性剤やイソプロピルアルコール等の薬剤を含浸させた場合であっても、薬剤の乾燥を効果的に抑えるて携帯することができる。
【0050】
本発明は前述した実施形態に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、前述した実施形態では、薬剤が含浸された清掃布5について説明したが、薬剤が含浸されていない清掃布5を用いることもできる。この態様の場合には、収容ケース2内が密閉されるため、清掃布5の汚れを防ぐことができる。ただし、本発明の携帯用クリーナー10,11,12は、薬剤等が含浸された清掃布5を用いる態様において特に効果を発揮するものである。
【0051】
なお、以上説明した各実施形態の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を、他の実施形態に適用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
10,11,12 携帯用クリーナー
2 収容ケース
21 胴部
21a 取出口
22 首部
22a 引出口
211 膨出部
221 被嵌合部
3 挿通部材
31 中間部
311 嵌合部
32 取付部
33 延長部
33a 取付孔
4 蓋部材
41 外蓋
42 内蓋
43 ヒンジ
5 清掃布
5a 開口
6 吊下部材
7 連結部材