(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150756
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】旋回作業機、及び旋回作業機の組み立て方法
(51)【国際特許分類】
E02F 9/08 20060101AFI20231005BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20231005BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
E02F9/08 Z
E02F9/00 C
E02F9/00 D
E02F9/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060014
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松井 聖司
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB02
2D003CA02
2D003CA10
2D003DA02
2D003DA04
2D015CA03
(57)【要約】
【課題】油圧ポンプを支持部に容易に組み付けできる。
【解決手段】旋回作業機は、旋回台と、バッテリユニットと、バッテリユニットが出力した電力によって、駆動軸を回転させる電動モータと、駆動軸から動力が入力される入力軸を有し、且つ駆動軸から入力軸に入力される動力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプと、電動モータ及び油圧ポンプを旋回台上に支持する支持部と、油圧ポンプとは別体であって、且つ油圧ポンプと支持部とを連結するブラケットと、を備え、油圧ポンプにブラケットが取り付けられた構造体が、ブラケットを介して支持部に取り付けられている。
【選択図】
図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回台と、
バッテリユニットと、
前記バッテリユニットが出力した電力によって、駆動軸を回転させる電動モータと、
前記駆動軸から動力が入力される入力軸を有し、且つ前記駆動軸から前記入力軸に入力される動力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプと、
前記電動モータ及び前記油圧ポンプを前記旋回台上に支持する支持部と、
前記油圧ポンプとは別体であって、且つ前記油圧ポンプと前記支持部とを連結するブラケットと、
を備え、
前記油圧ポンプに前記ブラケットが取り付けられた構造体が、前記ブラケットを介して前記支持部に取り付けられている旋回作業機。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記油圧ポンプよりも、前記入力軸の径外方に延設されている延設部を有し、
前記延設部は、前記支持部と連結される被連結部を有している請求項1に記載の旋回作業機。
【請求項3】
前記被連結部は、締結具が挿通される孔であり、
前記ブラケット及び支持部は、締結具によって連結される請求項2に記載の旋回作業機。
【請求項4】
前記支持部には、前記入力軸の軸心方向に向いたノックピンが設けられており、
前記ブラケットには、前記ノックピンが嵌入される孔が形成されている請求項1~3のいずれか1項に記載の旋回作業機。
【請求項5】
前記ブラケットには、第1吊り具を取り付ける第1取付部が形成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の旋回作業機。
【請求項6】
前記支持部には、第2吊り具を取り付ける第2取付部が形成されている請求項5に記載の旋回作業機。
【請求項7】
前記油圧ポンプは、前記入力軸の周囲にインロー内嵌部が形成され、
前記ブラケットは、前記インロー内嵌部が装着される装着孔が形成されている請求項1~6のいずれか1項に記載の旋回作業機。
【請求項8】
前記駆動軸と前記入力軸とを接続する接続具を備え、
前記油圧ポンプが前記ブラケットを介して前記支持部に取り付けられ、且つ前記入力軸に前記接続具が取り付けられた状態で、前記支持部は、前記接続具の径外方を包囲するハウジングである請求項1~7のいずれか1項に記載の旋回作業機。
【請求項9】
駆動軸を回転させる電動モータと、前記駆動軸から動力が入力される入力軸を有し、且つ前記駆動軸から前記入力軸に入力される動力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプと、前記電動モータ及び前記油圧ポンプを支持する支持部と、前記油圧ポンプとは別体であって、且つ前記油圧ポンプと前記支持部とを連結するブラケットと、を備えている旋回作業機の組み立て方法であり、
前記ブラケットを前記油圧ポンプに取り付ける第1ステップと、
前記第1ステップで取り付けた前記ブラケット及び前記油圧ポンプを前記支持部に取り付ける第2ステップと、
を含む旋回作業機の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の旋回作業機、及び旋回作業機の組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された作業車は、旋回台フレームと、前記旋回台フレームに設けられた油圧機器と、前記旋回台フレームに設けられたバッテリと、前記旋回台フレームに配置され、且つ前記バッテリが出力した電力によって、出力軸を回転させる電動モータと、前記旋回台フレームに配置され、且つ前記油圧機器を作動させる作動油を吐出する油圧ポンプと、を備え、前記電動モータのハウジング端面と前記油圧ポンプのケーシング端面とを正対させた状態で前記電動モータの出力軸と前記油圧ポンプの入力軸とがカップリングを介して直列に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業車では、カップリング(接続具)を介して電動モータの出力軸の回転を油圧ポンプの入力軸に伝達することができる。また、引用文献1の作業車では、電動モータのハウジング端面と油圧ポンプのケーシング端面とを固定ネジで締結している。
ここで、旋回台フレームへの電動モータ及び油圧ポンプの組付けを容易にすべく、電動モータのハウジング端面と油圧ポンプのケーシング端面と接続され、且つ当該電動モータ及び油圧ポンプを支持する支持部を採用する場合があるが、当該支持部によっては、作業可能範囲が制限されて、油圧ポンプの支持部への取り付けが困難になる場合がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、油圧ポンプを支持部に容易に組み付けできる旋回作業機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
旋回作業機は、旋回台と、バッテリユニットと、前記バッテリユニットが出力した電力によって、駆動軸を回転させる電動モータと、前記駆動軸から動力が入力される入力軸を有し、且つ前記駆動軸から前記入力軸に入力される動力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプと、前記電動モータ及び前記油圧ポンプを前記旋回台上に支持する支持部と、前記油圧ポンプとは別体であって、且つ前記油圧ポンプと前記支持部とを連結するブラケットと、を備え、前記油圧ポンプに前記ブラケットが取り付けられた構造体が、前記ブラケットを介して前記支持部に取り付けられている。
【発明の効果】
【0007】
上記旋回作業機によれば、油圧ポンプを支持部に容易に組み付けできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図6】下部走行体、旋回基板、及び旋回基板に配置された様々な機器等を示す平面図である。
【
図7】旋回基板、バッテリユニット、電動モータ、油圧ポンプ、及び電装品を示す右前方斜視図である。
【
図12】支持体、第1立設部、及び第2立設部等を示す左後方斜視図である。
【
図13】連結ステー及び電装品を左前方からみた分解斜視図である。
【
図14】電動モータ、支持部、及び油圧ポンプを示す平面図である。
【
図15】電動モータ、接続具、及び第1ブラケットを左前方からみた分解斜視図である。
【
図16】油圧ポンプ及び第2ブラケットを右後方からみた分解斜視図である。
【
図18】第1ブラケット等の支持部への取り付けを示す分解斜視図である。
【
図19】第2ブラケット等の支持部への取り付けを示す分解斜視図である。
【
図20】第1ノックピンの位置を示す支持部の背面図である。
【
図21】第2ノックピンの位置を示す支持部の正面図である。
【
図22】第3アッセンブリの取り付けを示す右後方斜視図である。
【
図23】変形例における電動モータ、接続具、及び第1ブラケットを左前方からみた分解斜視図である。
【
図24】変形例における油圧ポンプ及び第2ブラケットを右後方からみた分解斜視図である。
【
図25】変形例における第1アッセンブリ及び第2アッセンブリの支持部への取り付けを示す右後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、旋回作業機1を示す概略側面図である。
図2は、旋回作業機1を示す概略平面図である。
図3は、旋回作業機1を示す概略背面図である。先ず、旋回作業機1の全体構成について説明する。
図1に示すように、旋回作業機1は、例えば旋回台(機体)2と、下部走行体10と、作業装置20と、を備えているバックホー等である。また、旋回作業機1は、電力によって駆動する電動作業機である。旋回台2上には運転者が着座する運転席8が設けられており、当該運転席8の周囲は、保護機構85によって覆われている。
【0010】
なお、本実施形態においては、旋回作業機1の運転席8に着座した運転者が向く方向(
図1、
図2等の矢印A1方向)を前方、その反対方向(
図1、
図2等の矢印A2方向)を後方という。また、運転者の左側(
図1の手前側、
図2及び
図3等の矢印B1方向)を左方、運転者の右側(
図1の奥側、
図2及び
図3等の矢印B2方向)を右方という。また、前後方向に直交する方向である水平方向を幅方向(
図2及び
図3参照)といい、旋回台2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を幅方向外方という。
【0011】
図1、
図3に示すように、旋回台2は、上下方向に延びる旋回軸心(縦軸)X廻りに回転可能である。具体的には、旋回台2は、下部走行体10上に旋回ベアリング3を介して旋回軸心X廻りに回転可能(左側及び右側に旋回可能)に支持されている。旋回ベアリング3の中心は、旋回軸心X(旋回中心)であり、旋回台2には、旋回モータ(図示略)が取り付けられている。この旋回モータは、油圧ポンプ92が吐出した作動油によって駆動する油圧機器Mであり、旋回台2を旋回軸心X廻りに回転駆動するモータである。旋回台2には、外装カバー(カバー)80、ブラケット、及びステー等が設けられている。外装カバー80は、旋回台2の後部において機器、タンク類、その他の部品等を配置する空間(後部ルーム)Rを形成する。ブラケットやステー等は、上記部品等を取り付ける部材である。
【0012】
図1、
図3に示すように、下部走行体10は、走行フレーム11と、走行機構12と、を有する。走行フレーム(トラックフレーム)11は、走行機構12が取り付けられ、且つ上部に旋回台2を支持する構造体である。
走行機構12は、例えば、クローラ式である。走行機構12は、アイドラ13と、駆動輪14と、複数の転輪15と、無端状のクローラベルト16と、油圧ポンプ92が吐出した作動油によって駆動する走行系の油圧機器M(走行モータML,MR)と、を有する。走行モータML,MRは、油圧モータから構成されており、駆動輪14を駆動することでクローラベルト16を周方向に循環回走させる。
図3に示すように、下部走行体10の前部には、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)であるドーザシリンダC5(M)の伸縮によって上下駆動するドーザ装置18が装着されている。
【0013】
図1、
図2に示すように、作業装置20は、旋回台2の前側に設けられている。作業装置20は、ブーム21と、アーム22と、バケット(作業具)23とを有する。ブーム21の基端部は、スイングブラケット24に横軸(幅方向に延伸する軸心)廻りに回動可能に枢着されており、ブーム21が上下方向(鉛直方向)に揺動可能とされている。アーム22は、ブーム21の先端部に横軸廻りに回動可能に枢着されており、アーム22が前後方向或いは上下方向に揺動可能とされている。バケット23は、アーム22の先端部にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。旋回作業機1は、バケット23に代えて、或いは加えて、作動油によって駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。この他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノーブロア等が例示できる。
【0014】
図1に示すように、旋回作業機1は、油圧ポンプ92が吐出した作動油によって作動する作業系の油圧機器Mを備えており、作業装置20は、当該作業系の油圧機器Mの作動によって駆動する。本実施形態において、油圧機器Mは、スイングシリンダC1、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、及びバケットシリンダC4を含んでいる。スイングシリンダC1、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、及びバケットシリンダC4は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
図1に示すように、スイングブラケット24は、旋回台2の右側に備えられたスイングシリンダC1の伸縮によって揺動可能とされている。ブーム21は、ブームシリンダC2の伸縮によって揺動可能とされている。アーム22は、アームシリンダC3の伸縮によって揺動可能とされている。バケット23は、バケットシリンダC4の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作可能とされている。
【0015】
従って、旋回作業機1が備えている油圧機器Mは、旋回モータ、走行モータML,MR、スイングシリンダC1、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、バケットシリンダC4、及びドーザシリンダC5である。
以下、旋回台2について説明する。
図4は、旋回台2を示す左前方斜視図である。
図5は、旋回台2を示す右後方斜視図である。
図4、
図5に示すように、旋回台2は、旋回基板(基板)30と、複数の縦リブ31(第1縦リブ31a、第2縦リブ31b、第3縦リブ31c)と、支持ブラケット32と、仕切り板33と、横リブ34と、支持フレーム35と、を有する。旋回基板30は、厚板鋼板等から形成され、板面が上下方向を向くように配置されている。旋回基板30は、旋回ベアリング3を介して下部走行体10上に旋回軸心X廻りに回転可能に支持される。
【0016】
第1縦リブ31a、第2縦リブ31b、及び第3縦リブ31cは、旋回基板30を補強する部材であって、旋回基板30の前後方向に延伸して設けられている。第1縦リブ31a及び第2縦リブ31bは、旋回基板30上に立設され、幅方向に離反して並設されている。第1縦リブ31aは、旋回基板30の左側に配置されており、第2縦リブ31bは、旋回基板30の右側に配置されている。また、第3縦リブ31cは、第1縦リブ31aと第2縦リブ31bとの間に配置され、旋回基板30の後部から仕切り板33へと延伸して設けられている。
【0017】
支持ブラケット32は、第1縦リブ31a及び第2縦リブ31bの前部に設けられている。
図4に示すように、支持ブラケット32と第1縦リブ31a及び第2縦リブ31bの前部とは、旋回基板30の幅方向の中央から右方に偏倚した位置に設けられている。
図1に示すように、支持ブラケット32には、スイングブラケット24が、縦軸(上下の方向に延伸する軸心)廻りに揺動可能に取り付けられている。
【0018】
図4、
図5に示すように、仕切り板33は、後部ルームRの前面下部を仕切る部材である。仕切り板33は、板面が前後方向に向いており、旋回基板30の中央部において幅方向の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されている。
横リブ34は、旋回基板30を補強する部材であって、旋回基板30の後端部において幅方向の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されている。横リブ34は、旋回基板30上に立設され、第1縦リブ31aの後端、第2縦リブ31bの後端、及び第3縦リブ31cの後端と連結されている。
【0019】
支持フレーム35は、旋回基板30の後部であって、仕切り板33よりも後方に立設されている。支持フレーム35の後部は、下部走行体10の後部よりも後方に位置している。具体的には、支持フレーム35は、後部ルームR内に配置されていて、外装カバー80及び外装カバー80の内部に配置された周辺部品を支持する。支持フレーム35は、旋回基板30に立設された複数の脚部材(第1脚35a、第2脚35b、第3脚35c、第4脚35d、第5脚35e)、第1杆部材35h、及び第2杆部材35iを有する。
【0020】
第1脚35aは、後部ルームRの前部左側に立設されている。第1脚35aは、第1縦リブ31aの後部左側に設けられた第1基部40aの前部に立設されている。第1基部40aは、仕切り板33から横リブ34に亘って延設されている。第1脚35aは、下端部が第1基部40aから上方に延び、中途部で後上方に延出され、上端部で屈曲して後方に延びている。
【0021】
第2脚35bは、後部ルームRの前部右側に立設されている。第2脚35bは、仕切り板33の後部右側に取り付けられた第2基部40bに立設されている。つまり、第2脚35bの下端部は、第1脚35aの下端部よりも前方に位置している。第2脚35bは、下端部が第2基部40bから上方に延び、中途部で後上方に延出され、上端部で屈曲して後方に延びている。
【0022】
第3脚35cは、後部ルームRの後部左側に立設されている。第3脚35cは、第1基部40aの中央部に立設されている。第3脚35cは、下端部が第1基部40aから上方に延び、第1脚35aの上端部に達している。
第4脚35dは、後部ルームRの後部に立設されている。第4脚35dは、後部ルームRの後部の左寄りに配置されており、第3脚35cよりも幅方向内側(右側)に配置されている。第4脚35dは、横リブ34の左部に設けられた第3基部40cに立設されている。第4脚35dは、下端部が第3基部40cから上方に延び、中途部で前上方に延出され、上端部で屈曲して前方に延びている。
【0023】
第5脚35eは、後部ルームRの後部に立設されている。第5脚35eは、後部ルームRの後部の右寄りに配置されている。第5脚35eは、横リブ34の右部に設けられた第4基部40dに立設されている。第5脚35eは、下端部が第4基部40dから上方に延び、中途部で前上方に延出され、上端部で屈曲して前方に延びている。
図4、
図5に示すように、第4脚35dの上端部及び第5脚35eの上端部は、幅方向に延びて配置された連結板35fによって連結されている。また、連結板35fには、当該連結板35fの前端部から前方に延びる一対の支持柱35gが設けられている。一対の支持柱35gは、幅方向に離間し、それぞれ第4脚35dの上端部及び第5脚35eの上端部に対応して配置されている。第4脚35dの後部及び第5脚35eの後部は、下部走行体10の後部よりも後方に位置している。
【0024】
第1杆部材35h及び第2杆部材35iは、板面が上下方向を向き、幅方向に延びて配置されている。第1杆部材35hは、第2杆部材35iよりも前方に配置されている。第1杆部材35h及び第2杆部材35iは、第1脚35aの上端部、第2脚35bの上端部、左側の支持柱35gの上端部、及び右側の支持柱35gの上端部に亘って載置され、且つこれらに固定されている。第1杆部材35hは、保護機構85の後部を支持している。第2杆部材35iは、外装カバー80を支持している。
【0025】
以下、旋回台2の後部ルームRに搭載された機器について説明する。
図6は、下部走行体10、旋回基板30、及び旋回基板30に配置された様々な機器等を示す平面図である。
図7は、旋回基板30、バッテリユニット90、電動モータ91、油圧ポンプ92、及び電装品93を示す右前方斜視図である。
図6、
図7に示すように、旋回作業機1は、バッテリユニット90と、電動モータ91と、油圧ポンプ92と、電装品93と、を備えており、バッテリユニット90、電動モータ91、油圧ポンプ92、及び電装品93は、旋回台2に設けられている。バッテリユニット90は、蓄電可能であり、蓄電した電力を出力する構造体である。本実施形態において、バッテリユニット90は、複数のバッテリ90aを含んでいる。複数のバッテリ90aは、互いに並列に接続されている。複数のバッテリ90aは、蓄電可能であり、例えばリチウムイオン電池や鉛蓄電池等の二次電池である。複数のバッテリ90aは、平板の鋼板で形成された筐体と、当該筐体の内部に配置された複数のセルと、を有しており、複数のセルが電気的に直列及び/又は並列に接続されている。
【0026】
本実施形態において、バッテリユニット90は、2つのバッテリ90aを有している。なお、バッテリユニット90が有するバッテリ90aの数は、複数であればよく、2つに限定されず、例えば2以外の偶数であってもよいし、3つであってもよい。複数のバッテリ90aは、幅方向に隣接して配置されており、それぞれ連結ブラケット90bによって連結されている。
【0027】
電動モータ91は、バッテリユニット90が出力した電力によって、駆動軸91aを回転させる駆動源である。電動モータ91は、永久磁石埋込式の三相交流同期モータである。電動モータ91は、回転可能なロータ(回転子)と、ロータを回転させるための力を発生させるステータ(固定子)とを有する。なお、電動モータ91は、他の種類の同期モータであっても、交流モータでも直流モータでもよい。電動モータ91は駆動軸91aを回転させ、駆動軸91aから油圧ポンプ92に駆動力を伝達する。
【0028】
油圧ポンプ92は、駆動軸91aから動力が入力される入力軸92aを有し、且つ駆動軸91aから入力軸92aに入力される動力によって駆動されて作動油を吐出する。入力軸92aは、電動モータ91の駆動軸91aと連結されており、当該駆動軸91aから伝達された駆動力で駆動される。本実施形態において、入力軸92aには、スプライン加工が施されている。なお、入力軸92aに施されたスプラインを雄スプラインということがある。
【0029】
電装品93は、バッテリユニット90と直接的又は間接的に接続され、バッテリユニット90が供給する電力を伝達、又は当該電力によって動作する機器等である。電装品93は、例えばジャンクションボックス93a、インバータ93b、DC/DCコンバータ93cである。ジャンクションボックス93aは、バッテリユニット90やインバータ93bを含む他の機器と接続されており、バッテリユニット90から供給された電力を他の機器に伝達する。
【0030】
インバータ93bは、バッテリユニット90から電動モータ91への電力供給経路に設けられ、電動モータ91に出力する電力を調整する。インバータ93bは、電動モータ91を駆動させる装置であり、直流電力を三相交流電力に変換して、当該三相交流電力を電動モータ91に供給する。インバータ93bは、電動モータ91に供給する電力の電流や電圧を任意に変更可能である。
【0031】
DC/DCコンバータ93cは、入力された直流電流の電圧を異なる電圧に変換する。本実施形態において、DC/DCコンバータ93cは、入力された電圧から低い電圧に変換を行う降圧コンバータである。DC/DCコンバータ93cは、例えば旋回作業機1に設けられ、電子機器に電源を供給する車載バッテリ(図示略)に電力の供給を行う。
以下、バッテリユニット90、電動モータ91、油圧ポンプ92、及び電装品93の配置について説明する。
図6に示すように、バッテリユニット90は、旋回台2の後部の幅方向中央部に配置され、詳しくは、バッテリユニット90は、旋回台2の前後方向の中途部から旋回台2の後部に亘って配置されている。つまり、バッテリユニット90の後部は、下部走行体10の後部よりも後方に位置している。また、
図2に示すように、バッテリユニット90は重心位置が旋回台2の幅方向の中心線Yに対して一方側(左側)に配置されており、保護機構85の後方に配置されている。
【0032】
図6に示すように、バッテリユニット90の外周は、支持フレーム35によって囲まれている。具体的には、バッテリユニット90の前方には、第1脚35aの下端部及び第2脚35bの下端部が位置している。バッテリユニット90の左方には、第3脚35cが位置している。バッテリユニット90の後方には、第4脚35dの下端部及び第5脚35eの下端部が位置している。バッテリユニット90の上方には、第1脚35aの上端部、第2脚35bの上端部、第4脚35dの上端部、第5脚35eの上端部、一対の支持柱35g、第1杆部材35h、及び第2杆部材35iが位置している。
【0033】
図2に示すように、電動モータ91及び油圧ポンプ92は、旋回台2の幅方向の中心線Yに対して他方側(右方側)且つ
図6、
図7に示すように、バッテリユニット90の側方において前後方向に並んで配置されている。具体的には、電動モータ91及び油圧ポンプ92は、バッテリユニット90の側方(右方)の下側に配置されている。詳しくは、
図6に示すように、電動モータ91及び油圧ポンプ92は、第2脚35bの下端部よりも右方に配置されている。電動モータ91は、油圧ポンプ92の後方に位置しており、駆動軸91aが前後方向を向くように配置されている。油圧ポンプ92は、入力軸92aが前後方向を向き、且つ当該入力軸92aの軸心線と、駆動軸91aの軸心線が一致するように配置されている。
【0034】
油圧ポンプ92は、電動モータ91の前方に位置している。また、
図2に示すように、油圧ポンプ92の前側には、当該油圧ポンプ92が吸入する作動油が貯留されている作動油タンク94が配置されている。また、作動油タンク94の前部には、油圧機器Mに供給する作動油の流量を調整するコントロールバルブ95が設けられている。
図3、
図7に示すように、電装品93は、バッテリユニット90の上方において、幅方向に並んで配置されている。言い換えると、電装品93の下方には、バッテリユニット90が配置されており、旋回台2、バッテリユニット90、及び電装品93は、下側から上方に向かって旋回台2、バッテリユニット90、及び電装品93の順に配置されている。即ち、比較的重量が大きいバッテリユニット90は、電装品93よりも下方に配置されており、旋回作業機1における位置が低くなっている。
【0035】
以下、バッテリユニット90、電動モータ91、油圧ポンプ92、及び電装品93の取り付けについて詳しく説明する。
図7に示すように、旋回作業機1は、支持体50と、立設フレーム56と、支持部65と、を備えている。支持体50は、バッテリユニット90を旋回台2上で支持する構造体である。
図8は、支持体50を示す左前方斜視図である。
図9は、支持体50を示す平面図である。
図10は、支持体50を示す底面図である。
【0036】
図8、
図9、
図10に示すように、支持体50は、厚板鋼板等から構成されている。支持体50は、板面が上下方向を向くように旋回台2に配置されている。支持体50は、旋回台2に対して、ボルト等の締結具Vを介して旋回台2に固定されている。つまり、支持体50は、旋回台2との相対位置を移動不能に当該旋回台2に取り付けられている。
また、支持体50は、フレーム部材51と、複数の板部材52と、を有している。フレーム部材51は、複数の板部材52を連結する部材である。フレーム部材51は、複数の板部材52の上面が面一となるように当該複数の板部材52を連結する。
【0037】
フレーム部材51は、前フレーム51aと、後フレーム51bと、一対の側部フレーム51c,51dと、を含んでいる。前フレーム51a、後フレーム51b、及び一対の側部フレーム51c,51dは、厚板鋼板を曲げ加工して形成された断面が略L字状の長尺のフレームである。
前フレーム51aは、フレーム部材51の前端部を形成し、長手方向が幅方向と一致するように配置されている。
【0038】
後フレーム51bは、フレーム部材51の後端部を形成し、長手方向が幅方向と一致するように配置されている。後フレーム51bは、前フレーム51aと前後方向に離間して配置されている。
一対の側部フレーム51c,51dは、幅方向に離間して配置されている。一対の側部フレーム51c,51dは、それぞれフレーム部材51の幅方向の一端部(左端部)と他端部(右端部)を形成し、長手方向が前後方向と一致するように配置されている。つまり、フレーム部材51は、前フレーム51aと、一対の側部フレーム51c,51dと、後フレーム51bと、によって平面視において略井桁形状を形成する。このため、フレーム部材51の中央部には、開口51Eが形成されている。なお、前フレーム51a、一対の側部フレーム51c,51d、及び後フレーム51bは、それぞれ複数の板部材52を連結していればよく、互いに溶接などで直接的に連結されていても、複数の板部材52を介して間接的に連結されていてもよい。
【0039】
また、フレーム部材51は、一対の取付ブラケット51eを含んでいる。一対の取付ブラケット51eは、フレーム部材51の幅方向の一端側(左側)と、他端側(右側)と、にそれぞれ設けられている。本実施形態において、一対の取付ブラケット51eは、フレーム部材51の後端部に設けられている。左側の取付ブラケット51eは、左側の側部フレーム51cの後端部と後フレーム51bの後部とを連結し、上方に延設されている。右側の取付ブラケット51eは、右側の側部フレーム51dの後端部と後フレーム51bの後部とを連結し、上方に延設されている。一対の取付ブラケット51eは、ボルト等の締結具によってバッテリユニット90の後部の下側と取り付け固定される。
【0040】
フレーム部材51は、板部材52の下面及び/又は側面と溶接により固定されている。
板部材52は、長尺の板状部材であって、バッテリユニット90の底部の外周部が載置される。また、板部材52のバッテリユニット90が載置される載置面(
図8においてハッチングで示した部分)は、平滑に機械加工が施されている。言い換えると、支持体50のうち、板部材52の載置面以外の部分は、機械加工が施されていない。なお、板部材52は、フレーム部材51に固定された状態で機械加工を施されている。このため、溶接によって板部材52の載置面に生じた歪み(溶接歪み)を除去することができる。なお、本実施形態において、バッテリユニット90は、板部材52の上面に載置されるため、載置面は、板部材52の上面である。
【0041】
また、複数の板部材52は、それぞれ離間して、フレーム部材51に固定されている。板部材52の下面及び/又は側面は、フレーム部材51と溶接により固定されている。本実施形態において、複数の板部材52は、4つの板部材52から構成され、第1板部52aと、第2板部52bと、第3板部52cと、第4板部52dと、を含んでいる。なお、複数の板部材52の数は、4つに限定されず、3つでもよいし、5つでもよい。
【0042】
第1板部52aは、バッテリユニット90の前端部が載置される。本実施形態においては、第1板部52aは、複数のバッテリ90aの前端部が載置される。第1板部52aは、支持体50の前端部に配置され、且つ長手方向と幅方向とが一致するよう配置されている。第1板部52aは、前フレーム51aを介して、第3板部52c及び第4板部52dと連結されている。
【0043】
第1板部52aの下面及び/又は側面は、前フレーム51a及び一対の側部フレーム51c,51dと溶接により固定されている。本実施形態において、第1板部52aは、下面と側面との両方で前フレーム51a及び一対の側部フレーム51c,51dと溶接により固定されている。
また、第1板部52aの前部には、上下方向に貫通された孔52a1と、前端部から後方に向かって切り欠かれた切欠き部52a2と、が形成されている。孔52a1は、第1板部52aの幅方向の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って複数形成されている。切欠き部52a2は、第1板部52aの幅方向の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って複数形成されている。また、切欠き部52a2は、孔52a1の間に形成されている。このため、第1板部52aは、平面視において略櫛形状に形成されている。
【0044】
第2板部52bは、バッテリユニット90の後端部が載置される。本実施形態においては、第2板部52bは、複数のバッテリ90aの後端部が載置される。第2板部52bは、支持体50の後端部に配置され、且つ長手方向と幅方向とが一致するよう配置されている。第2板部52bは、後フレーム51bを介して、第3板部52c及び第4板部52dと連結されている。
【0045】
第2板部52bの下面及び/又は側面は、後フレーム51b及び一対の側部フレーム51c,51dと溶接により固定されている。本実施形態において、第2板部52bは、下面と側面との両方で後フレーム51b及び一対の側部フレーム51c,51dと溶接により固定されている。
第3板部52cは、バッテリユニット90の幅方向の一端部(左端部)が載置される。第3板部52cは、複数のバッテリ90aのうち、幅方向の一端(左端)のバッテリ90aの左端部が載置される。第3板部52cは、支持体50の左端部に配置され、且つ長手方向と前後方向とが一致するよう配置されている。第3板部52cは、一対の側部フレーム51c,51dを介して、第1板部52a及び第2板部52bと連結されている。
【0046】
第3板部52cの下面及び/又は側面は、前フレーム51a及び左側の側部フレーム51c,51dと溶接により固定されている。本実施形態において、第3板部52cは、下面と側面との両方で前フレーム51a及び左側の側部フレーム51c,51dと溶接により固定されている。
また、第3板部52cは、ボルト等の締結具Vを介して旋回台2に固定される第1被取付部52c1を有している。第1被取付部52c1は、幅方向外方(左方)に延設された部分であり、上下方向に貫通された孔52c2が形成されている。孔52c2には、締結具Vが挿通され、当該締結具Vは、第1基部40aに締結される。本実施形態において、第1被取付部52c1は、第3板部52cの前端寄りの部分と後端寄りの部分とに形成されている。
【0047】
第4板部52dは、バッテリユニット90の幅方向の他端部(右端部)が載置される。第4板部52dは、複数のバッテリ90aのうち、幅方向の他端(右端)のバッテリ90aの右端部が載置される。第4板部52dは、支持体50の右端部に配置され、且つ長手方向と前後方向とが一致するよう配置されている。第4板部52dは、一対の側部フレーム51c,51dを介して、第1板部52a及び第2板部52bと連結されている。
【0048】
第4板部52dの下面及び/又は側面は、前フレーム51a及び右側の側部フレーム51c,51dと溶接により固定されている。本実施形態において、第4板部52dは、下面と側面との両方で前フレーム51a及び右側の側部フレーム51c,51dと溶接により固定されている。
また、第4板部52dは、ボルト等の締結具Vを介して旋回台2に固定される第2被取付部52d1を有している。第2被取付部52d1は、幅方向外方(右方)に延設された部分であり、上下方向に貫通された孔52d2が形成されている。孔52d2には、締結具Vが挿通され、当該締結具Vは、第2縦リブ31bの後部右側に設けられた第5基部40e、及び横リブ34の右端に取り付けられた第6基部40fに締結される。本実施形態において、第2被取付部52d1は、第4板部52dの前端部と後端部とに形成されている。つまり、前側の第2被取付部52d1は、前側の第1被取付部52c1よりも前方に形成され、後側の第2被取付部52d1は、後側の第1被取付部52c1よりも後方に形成されている。
【0049】
図8、
図9、
図10に示すように、支持体50は、第1連結板53と、第2連結板54と、を有している。第1連結板53は、第1板部52aの幅方向の中央部と、第2板部52bの幅方向の中央部と、を連結する長尺のフレームである。第1連結板53は、複数の板部材52よりも薄い厚板鋼板から形成されており、第1連結板53の後端部は、第2板部52bの幅方向の中央部の下面に連結されている。第1連結板53の後端部は、当該第2板部52bから前方に延び、上方に屈曲し、前方に屈曲しており、上面が複数の板部材52と面一となるように第1板部52aに達している。第1連結板53の前端部の下面及び側面は、第1板部52aの後端と溶接により固定されている。また、第1連結板53は、複数のバッテリ90aのうち、隣接する2つのバッテリ90aが載置される。
【0050】
図8、
図9、
図10に示すように、第1連結板53には、通気孔53aが形成されており、当該通気孔53aは、当該2つのバッテリ90aの間に形成されている。通気孔53aは、上下方向に貫通された孔である。通気孔53aの横幅W1は、バッテリ90aとバッテリ90aとの間の長さW2よりも大きく形成されている。なお、通気孔53aは、少なくともバッテリ90aとバッテリ90aとの間に重畳していればよく、その形状、大きさ、及び数は
図9等に示す例に限定されない。例えば、通気孔53aは、円形状、スリット形状、及びフィン形状等に形成されていてもよい。
【0051】
図8、
図9、
図10に示すように、第2連結板54は、フレーム部材51の中央部に形成された開口51Eの中央を通り、且つフレーム部材51の幅方向の一端部(左端部)から他端部(右端部)に亘って延設された長尺のフレームである。第2連結板54の左端部は、第3板部52cの前後方向の中央部と連結され、第2連結板54の右端部は、第4板部52dの前後方向の中央部と連結されている。このため、第1連結板53と第2連結板54は、直交している。
【0052】
なお、第1連結板53及び第2連結板54は、機械加工を施されず、板部材52は、第1連結板53及び第2連結板54が取り付けられる前であって、フレーム部材51に固定された状態で機械加工を施されている。
また、
図8に示すように、支持体50は、固定具55を有している。固定具55は、第1板部52a又は第2板部52bに設けられ、且つバッテリユニット90を固定するブラケットである。固定具55は、一対の取付ブラケット51eとともにバッテリユニット90を固定する。本実施形態において、固定具55は、第1板部52aに設けられている。固定具55は、前後方向に調整可能に取り付けられている。
【0053】
図11は、固定具55の移動を説明する図である。
図11に示すように、固定具55は、ボルト及びナット等の締結具によって第1板部52aに取り付けられ、当該締結具は、第1板部52aの前部に形成された孔52a1に締結される。具体的には、固定具55は、第1固定部55aと、第1固定部55aから上方に延設された第2固定部55bと、を有した断面略L字状の部材である。第1固定部55aには、上下方向に貫通され且つ前後方向に長孔の貫通孔55a1が形成されている。このため、
図11に示すように、締結具を貫通孔55a1に挿通する位置を変更することで、固定具55の取付位置を前後方向に調整することができる。第2固定部55bには、前後方向に貫通され且つ幅方向に長孔の貫通孔55b1が形成されている。第2固定部55bは、ボルト等の締結具によってバッテリユニット90の後部の下側と取り付け固定される。なお、一対の取付ブラケット51eがフレーム部材51の前端部に設けられている場合、固定具55は、第2板部52bに取り付けられることになる。
【0054】
以下、電装品93の取り付けについて詳しく説明する。
図7に示すように、立設フレーム56は、第1立設部56Lと、第2立設部56Rと、連結ステー56Uと、を有している。
図12は、支持体50、第1立設部56L、及び第2立設部56R等を示す左後方斜視図である。
図12に示すように、第1立設部56Lは、第3板部52cの上部に立設しており、
図7に示すように、バッテリユニット90の一側面を支持する。第1立設部56Lは、厚板鋼板等から構成されている板状の部材である。このため、第1立設部56Lは、バッテリユニット90の幅方向の一方側(左側)において、前後方向に亘ってバッテリユニット90を支持する。
【0055】
一方、
図12に示すように、第2立設部56Rは、第4板部52dの上部に立設しており、
図7に示すように、バッテリユニット90の他側面(右面)を支持する。第2立設部56Rは、厚板鋼板等から構成されている板状の部材である。このため、第2立設部56Rは、バッテリユニット90の幅方向の他方側(右側)において、前後方向に亘ってバッテリユニット90を支持する。つまり、バッテリユニット90は、幅方向において第1立設部56L及び第2立設部56Rによって挟持されている。
【0056】
図12に示すように、第1立設部56L及び第2立設部56Rは、それぞれ下立設部(揺れ止め部)57と、上立設部58と、を有している。下立設部57は、前後方向に亘ってバッテリユニット90に取り付けられている。下立設部57は、支持体50の左側及び右側にそれぞれ設けられている。第2立設部56Rの下立設部57は、支持部65とバッテリユニット90との間に立設しており、バッテリユニット90の他側面(右面)に取り付けられている。
【0057】
また、第1立設部56Lの下立設部57は、バッテリユニット90の一側面(左面)において、支持体50(旋回台2)の上部に立設し、第2立設部56Rの下立設部57とは別にバッテリユニット90の一側面(左側面)に取り付けられている。本実施形態において、下立設部57とバッテリユニット90とはボルト等の締結具により取り付け固定されている。なお、下立設部57には、前後方向に離間して複数の開口孔57aが形成されている。
【0058】
図12に示すように、上立設部58は、下立設部57の上部に取り付けられた部分である。上立設部58は、下方から上方に移行するにつれて、前後方向の長さが小さくなっている、つまり、上立設部58の後端は、後下方から前上方に移行する傾斜部58aを形成している。上立設部58の前端は、前下方から後上方に移行する傾斜部58bを形成している。
【0059】
なお、上立設部58には、前後方向に離間して複数の開口孔58cが形成されている。また、上立設部58とバッテリユニット90と離間しており、当該上立設部58及びバッテリユニット90の間には、空間が形成されている。
また、上立設部58の前端と後端には、それぞれアイボルト59Aを着脱可能な取付部59が形成されている。これにより、バッテリユニット90を支持体50に載置し、電装品93を連結ステー56Uに取り付けたユニットを旋回台2に搭載する際に、当該アッセンブリごと吊り上げることができる。
【0060】
図7に示すように、連結ステー56Uは、第1立設部56Lの上部及び第2立設部56Rの上部を連結し、電装品93を支持するステーである。つまり、連結ステー56Uは、第1立設部56L及び第2立設部56Rの補強と、電装品93の支持を兼用する。具体的には、連結ステー56Uは、例えば厚板鋼板等から形成され、板面が上下方向を向くように配置されている。連結ステー56Uは、前後方向の長さよりも幅方向の長さが長く、前後方向の長さは、バッテリユニット90の前後方向の長さよりも短い。
【0061】
図7に示すように、連結ステー56Uの上部には、電装品93が幅方向に並んで載置されている。電装品93は、連結ステー56Uの上部において幅方向の一方側(左側)からインバータ93b、ジャンクションボックス93a、DC/DCコンバータ93cの順に配置されている。
図13は、連結ステー56U及び電装品93を左前方からみた分解斜視図である。
図13に示すように、電装品93と連結ステー56Uとは、ボルト等の締結具Vで取り付け固定されている。電装品93は、取付ステー56U1,56U2を介して連結ステー56Uに取り付け固定されていてもよい。本実施形態においては、ジャンクションボックス93a及びDC/DCコンバータ93cが取付ステー56U1,56U2を介して連結ステー56Uに取り付け固定されている。取付ステー56U1,56U2には、電装品93及び連結ステー56Uとボルト等の締結具Vで取り付け固定する孔が形成されている。少なくともジャンクションボックス93aを取り付ける取付ステー56U2に形成された孔のうち、連結ステー56Uと締結具Vで取り付け固定する孔は、幅方向に長尺な長孔に形成されている。これにより、電装品93及び連結ステー56Uの寸法公差のばらつきによって、電装品93に接続されたハーネスに負荷がかかることを抑制することができる。
【0062】
以下、電動モータ91及び油圧ポンプ92の取り付けについて詳しく説明する。
図14は、電動モータ91、支持部65、及び油圧ポンプ92を示す平面図である。
図14に示すように、旋回作業機1は、接続具60と、第1ブラケット61と、第2ブラケット62と、支持部65と、を備えている。電動モータ91及び油圧ポンプ92は、駆動軸91aと入力軸92aとが接続具60で接続され、第1ブラケット61及び第2ブラケット62を介して支持部65に一体に取り付けられている。電動モータ91に接続具60及び第1ブラケット61が取り付けられた構造体が、第1ブラケット61を介して支持部65に取り付けられている。また、油圧ポンプ92に第2ブラケット62が取り付けられた構造体が、第2ブラケット62を介して支持部65に取り付けられている。
【0063】
図15は、電動モータ91、接続具60、及び第1ブラケット61を左前方からみた分解斜視図である。接続具60は、駆動軸91aと入力軸92aとを接続するカップリングである。カップリングは、駆動軸91aと入力軸92aとに亘って設けられ、当該駆動軸91a及び入力軸92aを同一の軸心周りに一体回動するように接続する。
図15に示すように、接続具60は、例えば、駆動軸91a及び入力軸92aの軸心方向に延びる略円筒状の部材である。接続具60は、例えば駆動軸91aと接続される第1接続部(ボス部)60aと、入力軸92aと接続される第2接続部(フランジ部)60bと、第1接続部60a及び第2接続部60bを連結する弾性体60cと、を有している。第1接続部60aは、円筒形状であって、内部に駆動軸91aを挿通できる。
【0064】
また、第1接続部60aは、当該第1接続部60aの外周に取り付けるスプリングピンやホーローセット等によって、挿通された駆動軸91aを固定することができる。第2接続部60bには、入力軸92aの雄スプラインと篏合する雌スプラインが形成されている。また、弾性体60cは、ゴム等の弾性部材によって構成されており、ボルト等の締結部材により、第1接続部60a及び第2接続部60bと接続されている。
【0065】
図14に示すように、第1ブラケット(ブラケット)61は、電動モータ91とは別体であって、且つ電動モータ91と支持部65とを連結する。第1ブラケット61は、接続具60とともに予め電動モータ91に取り付けられた状態で、支持部65に取り付けられる。
図15に示すように、第1ブラケット61は、厚板鋼板等から構成されている板状の部材である。本実施形態において、第1ブラケット61は、正面視又は背面視で略正方形状に形成されており、中央部に第1装着孔(装着孔)61aが形成されている。第1装着孔61aは、駆動軸91aが挿通される孔であって、電動モータ91の筐体91bにおける駆動軸91aの周囲に形成された第1インロー内嵌部(インロー内嵌部)91b2が装着される。第1インロー内嵌部91b2は、電動モータ91の筐体91bのうち、駆動軸91a側に形成された第1鍔部91b1から駆動軸91aの先端側に突出して形成されている。第1装着孔61aの内径は、接続具60の外径よりも小さく形成されており、第1ブラケット61は、接続具60を駆動軸91aに接続する前に、電動モータ91に取り付けられる。
【0066】
第1ブラケット61は、電動モータ91と連結される第1連結部61Aと、支持部65と連結される第1延設部(延設部)61Bと、を有している。第1連結部61Aは、第1鍔部91b1と連結される部分であり、駆動軸91aの軸心方向に貫通し、且つボルト等の締結具V1が挿通される孔61A1が形成されている。
第1延設部61Bは、当該第1連結部61Aよりも駆動軸91aの径外方に延設されている。つまり、第1延設部61Bは、電動モータ91よりも、駆動軸91aの径外方に延設されている。第1延設部61Bは、支持部65と連結される第1被連結部(被連結部)61B1を有している。第1被連結部61B1は、駆動軸91aの軸心方向に貫通し、且つボルト等の締結具V2が挿通される孔であり、第1ブラケット61及び支持部65は、締結具V2によって連結される。本実施形態において、第1被連結部61B1は、第1延設部61Bに4つ形成されており、第1延設部61Bの各頂点にそれぞれ形成されている。
【0067】
このため、第1ブラケット61は、第1インロー内嵌部91b2と第1装着孔61aとを篏合して、駆動軸91aの軸心と第1装着孔61aの中心との位置合わせを行ったうえで、電動モータ91に取り付けられる。
図14に示すように、第2ブラケット(ブラケット)62は、油圧ポンプ92とは別体であって、且つ油圧ポンプ92と支持部65とを連結する。第2ブラケット62は、接続具60とともに予め油圧ポンプ92に取り付けられた状態で、支持部65に取り付けられる。
【0068】
図16は、油圧ポンプ92及び第2ブラケット62を右後方からみた分解斜視図である。
図16に示すように、第2ブラケット62は、厚板鋼板等から構成されている板状の部材である。本実施形態において、第2ブラケット62は、正面視又は背面視で略円環状に形成されており、中央部に第2装着孔(装着孔)62aが形成されている。第2装着孔62aは、入力軸92aが挿通される孔であって、油圧ポンプ92の筐体92bにおける入力軸92aの周囲に形成された第2インロー内嵌部(インロー内嵌部)92b2が装着される。第2インロー内嵌部92b2は、油圧ポンプ92の筐体92bのうち、入力軸92a側に形成された第2鍔部92b1から入力軸92aの先端側に突出して形成されている。第2ブラケット62は、支持部65に取り付けられる前に、油圧ポンプ92に取り付けられる。
【0069】
第2ブラケット62は、油圧ポンプ92と連結される第2連結部62Aと、支持部65と連結される第2延設部(延設部)62Bと、を有している。第2連結部62Aは、第2鍔部92b1と連結される部分であり、入力軸92aの軸心方向に貫通し、且つボルト等の締結具V3が締結される孔62A1が形成されている。本実施形態において、孔62A1は、第2連結部62Aに2つ形成されており、入力軸92aに対して上側と下側とに形成されている。
【0070】
第2延設部62Bは、当該第2連結部62Aよりも入力軸92aの径外方に延設されている。つまり、第2延設部62Bは、油圧ポンプ92よりも、入力軸92aの径外方に延設されている。第2延設部62Bは、支持部65と連結される第2被連結部(被連結部)62B1を有している。第2被連結部62B1は、入力軸92aの軸心方向に貫通し、且つボルト等の締結具V4が挿通される孔であり、第2ブラケット62及び支持部65は、締結具V4によって連結される。本実施形態において、第2被連結部62B1は、第2延設部62Bに3つ形成されており、第2延設部62Bの上部に2つの第2被連結部62B1が形成され、第2延設部62Bの下部に1つの第2被連結部62B1が形成されている。第2延設部62Bの下部の第2被連結部62B1は、入力軸92aに対して幅方向にオフセットして形成されている。これにより、作業者は、第2延設部62Bの下部の第2被連結部62B1に締結具V4を取り付ける際に、工具を容易にアクセスすることができる。
【0071】
このため、第2ブラケット62は、第2インロー内嵌部92b2と第2装着孔62aとを篏合して、入力軸92aの軸心と第2装着孔62aの中心との位置合わせを行ったうえで、油圧ポンプ92に取り付けられる。
図7に示すように、支持部65は、バッテリユニット90の側方において、電動モータ91及び油圧ポンプ92を旋回台2上に支持する台座である。支持部65は、支持体と分離しており、且つ旋回台2の後部において電動モータ91及び油圧ポンプ92を旋回台2上に支持する。また、
図14に示すように、支持部65は、電動モータ91が第1ブラケット61を介して支持部65に取り付けられ、油圧ポンプ92が第2ブラケット62を介して支持部65に取り付けられた状態で、接続具60の径外方を包囲するハウジングを兼用する。支持部65は、電動モータ91と油圧ポンプ92とを連結し、電動モータ91及び油圧ポンプ92を前後方向に並べて支持する。
【0072】
図17は、支持部65を示す右後方斜視図である。
図18は、第1ブラケット61等の支持部65への取り付けを示す分解斜視図である。
図19は、第2ブラケット62等の支持部65への取り付けを示す分解斜視図である。
図17、
図18、
図19に示すように、支持部65は、第1立設板66と、第2立設板67と、湾曲部68と、台座部69と、を有している。第1立設板66は、厚板鋼板等から構成されている板状の部材である。第1立設板66は、板面が駆動軸91a及び入力軸92aの軸心方向(前後方向)に向くように立設されている。
【0073】
本実施形態において、第1立設板66は、正面視又は背面視で略正方形状に形成されており、第1ブラケット61と対応している。第1立設板66の中央部には、接続具60を挿入する第1開口部66aが形成されている。つまり、当該第1開口部66aの内径は、接続具60の外径よりも大きく形成されている。また、第1立設板66の縁部には、第1被連結部61B1に挿通されたボルト等の締結具V2が締結される孔66bが形成されている。
【0074】
なお、第1立設板66の縁部には、電動モータ91と第1ブラケット61を連結する締結具V1との干渉を回避する切欠き66c及び孔66dが形成されている。
第2立設板67は、厚板鋼板等から構成されている板状の部材である。第2立設板67は、板面が駆動軸91a及び入力軸92aの軸心方向(前後方向)に向くように立設されている。また、第2立設板67は、駆動軸91a及び入力軸92aの軸心方向(前後方向)に離間して、第1立設板66と対面配置されている。第2立設板67は、正面視又は背面視で、上部が半月状に形成され、下部が略矩形状に形成されており、第2ブラケット62と対応している。第2立設板67の中央部には、第1開口部66aに対応する第2開口部67aが形成されている。また、第2立設板67の縁部には、第2被連結部62B1に挿通されたボルト等の締結具V4が締結される孔67bが形成されている。
【0075】
湾曲部68は、第1立設板66及び第2立設板67の間に配置され、第1立設板66及び第2立設板67を連結する部材である。湾曲部68は、厚板鋼板等から構成されている板状の部材であり、正面視又は背面視において、上方に向かって凸の逆U字を描いている。湾曲部68の一端部(左端部)は、台座部69の上面から上方に延び、湾曲部68の中途部は、接続具60の外周を渡って湾曲し、湾曲部68の他端部(右端部)は、台座部69の上面に達している。
【0076】
台座部69は、厚板鋼板等から構成されている板状の部材であり、板面が上下方向を向くように配置されている。台座部69は、第1立設板66、第2立設板67、及び湾曲部68を旋回台2上に支持する。台座部69は、第1立設板66、第2立設板67、及び湾曲部68が設けられた中央部69aと、中央部69aから延出された一対の延出部69b,69cと、を有している。中央部69aは、幅方向に長尺の略矩形状であり、幅方向の端部は、それぞれ電動モータ91及び油圧ポンプ92よりも幅方向外方に延出されている。
【0077】
一対の延出部69b,69cは、中央部69aの後端から後方に延出された第1延出部69bと、中央部69aの前端から前方に延出された第2延出部69cと、を含んでいる。第1延出部69bは、台座部69のうち、後端側を構成する部材であり、平面視において略台形状に形成されている。第1延出部69bの幅方向の端部は、それぞれ電動モータ91及び油圧ポンプ92よりも幅方向外方に延出されている。
【0078】
詳しくは、第1延出部69bの後端には、幅方向の他方側(右側)から一方側(左側)につれて、前側から後側に移行する傾斜部69b1が形成されている。このため、傾斜部69b1は、外装カバー80の右後部の外形に沿った形状に形成されている。また、第1延出部69bには、上下方向に貫通する開口69b2が形成されている。
第2延出部69cは、台座部69のうち、前端側を構成する部材であり、第2延出部69cの幅方向の端部は、それぞれ電動モータ91及び油圧ポンプ92よりも幅方向外方に延出されている。第2延出部69cの前端部には、切欠き69c1が形成されている。当該切欠き69c1は、油圧ポンプ92に設けられたポート等の突起物との干渉を回避する部分である。
【0079】
図7、
図14に示すように、支持部65は、複数のマウント装置70を介して旋回台2に取り付けられている。複数のマウント装置70は、電動モータ91及び油圧ポンプ92が支持部65に取り付けられた状態で、平面視において電動モータ91、油圧ポンプ92、及び支持部65よりも幅方向外方に位置している。
複数のマウント装置70は、弾性変形可能な弾性部材等から構成された防振機構である。
図14に示すように、複数のマウント装置70は、4つ設けられている。
図7に示すように、複数のマウント装置70は、旋回台2に取り付けられた固定ブラケット41,42に取り付けられている。なお、複数のマウント装置70の個数は、4つに限定されず、3つであってもよいし、5つであってもよい。本実施形態において、複数のマウント装置70は、一対の後部マウント装置70aと、一対の前部マウント装置70bと、を含んでいる。
【0080】
図14に示すように、一対の後部マウント装置70aは、第1延出部69bの後端部において、幅方向に一対配置されている。一対の後部マウント装置70aは、第1延出部69bの後端部の幅方向の一方側(左側)と他方側(右側)とを支持する。このため、一対の後部マウント装置70aは、平面視において電動モータ91、油圧ポンプ92、及び支持部65よりも幅方向外方に位置している。詳しくは、一対の後部マウント装置70aと第1延出部69bを締結するナットNの中心は、電動モータ91、油圧ポンプ92、及び支持部65よりも幅方向外方に位置している。また、一対の後部マウント装置70aは、前後方向にオフセットして配置されている。
【0081】
一対の前部マウント装置70bは、第2延出部69cの前端部において、幅方向に一対配置されている。一対の前部マウント装置70bは、第2延出部69cの前端部の幅方向の一方側(左側)と他方側(右側)とを支持する。このため、一対の前部マウント装置70bは、平面視において電動モータ91、油圧ポンプ92、及び支持部65よりも幅方向外方に位置している。詳しくは、一対の前部マウント装置70bと第2延出部69cを締結するナットNの中心は、電動モータ91、油圧ポンプ92、及び支持部65よりも幅方向外方に位置している。また、一対の前部マウント装置70bは、前後方向の位置が一致するよう配置されている。
【0082】
また、
図18、
図19に示すように、支持部65には、第1ブラケット61及び/又は第2ブラケット62に嵌入されるノックピン66e,67cが設けられている。
図18に示すように、第1立設板66には、駆動軸91aの軸心方向に向いたノックピン(第1ノックピン)66eが設けられている。第1ノックピン66eは、第1立設板66に複数設けられており、本実施形態においては、第1立設板66に2つ設けられている。
【0083】
図20は、第1ノックピン66eの位置を示す支持部65の背面図である。
図20に示すように、一対の第1ノックピン66eは、第1立設板66の縁部に設けられており、それぞれの軸心を結ぶ直線L1が駆動軸91aの軸心を通るように配置されている。本実施形態においては、一方の第1ノックピン66eは、第1延設部61Bの幅方向の一方側(左側)の下部に設けられており、他方の第1ノックピン66eは、第1延設部61Bの幅方向の他方側(右側)の上部に設けられている。
【0084】
図18に示すように、第1ブラケット61には、第1ノックピン66eが嵌入される孔(第1嵌入孔)61B2が形成されている。第1嵌入孔61B2は、駆動軸91aの軸心方向に貫通する孔であって、一対の第1ノックピン66eに対応する位置に形成されている。
図19に示すように、第2立設板67には、入力軸92aの軸心方向に向いたノックピン(第2ノックピン)67cが設けられている。第2ノックピン67cは、第2立設板67に複数設けられており、本実施形態においては、第2立設板67に2つ設けられている。
【0085】
図21は、第2ノックピン67cの位置を示す支持部65の正面図である。
図21に示すように、一対の第2ノックピン67cは、第2立設板67の縁部に設けられており、それぞれの軸心を結ぶ直線L2が入力軸92aの軸心に対してオフセットするように配置されている。本実施形態においては、一方の第2ノックピン67cは、第2延設部62Bの上部の幅方向の他方側(右側)寄りの部分に設けられており、他方の第2ノックピン67cは、第2延設部62Bの下部の幅方向の他方側(右側)寄りの部分に設けられている。つまり、一対の第2ノックピン67cは、入力軸92aの軸心を通る垂線Zよりも右側に設けられている。
【0086】
図19に示すように、第2ブラケット62には、第2ノックピン67cが嵌入される孔(第2嵌入孔)62B2が形成されている。第2嵌入孔62B2は、入力軸92aの軸心方向に貫通する孔であって、一対の第2ノックピン67cに対応する位置に形成されている。
また、電動モータ91、第1ブラケット61、支持部65、第2ブラケット62、及び油圧ポンプ92の少なくとも2つ以上に、吊り具75を取り付ける取付部71が形成されている。本実施形態においては、取付部71は、電動モータ91、支持部65、及び第2ブラケット62に形成されている。これにより、取付部71に吊り具75を取り付けることで、電動モータ91を第1ブラケット61により支持部65に連結し、油圧ポンプ92を第2ブラケット62により支持部65に連結した連結構造体を吊り下げ可能である。本実施形態においては、吊り具75は、アイボルトであり、取付部71に着脱可能に取り付けられる。なお、取付部71に形成され、且つ吊り具75が締結される締結孔は、共通であり、吊り具75を共用することができる。
【0087】
電動モータ91には、一対の取付部71が形成されている。一対の取付部71は、電動モータ91の筐体91bのうち、駆動軸91aの軸心方向の一端部(左端部)の上部と他端部(右端部)の上部とに形成されている。
支持部65には、吊り具75(第2吊り具75B)を取り付ける取付部71(第2取付部71B)が形成されている。第2取付部71Bは、第1立設板66の上部と湾曲部68の上部とを連結するように形成されている。
【0088】
第2ブラケット62には、吊り具75(第1吊り具75A)を取り付ける取付部71(第1取付部71A)が形成されている。第1取付部71Aは、第2ブラケット62の上部に形成されている。
なお、上述した実施形態においては、取付部71が電動モータ91、支持部65、及び第2ブラケット62に形成されている場合を例に説明したが、電動モータ91、第1ブラケット61、支持部65、第2ブラケット62、及び油圧ポンプ92の少なくとも2つ以上に、吊り具75を取り付ける取付部71が形成されていればよく、取付部71は、第1ブラケット61又は油圧ポンプ92に形成されていてもよい。
【0089】
電動モータ91、油圧ポンプ92、接続具60、第1ブラケット61、第2ブラケット62、及び支持部65の組み立てについて詳しく説明する。まず、電動モータ91、接続具60、第1ブラケット61、及び支持部65の組み立てについて説明する。
図15に示すように、作業者は、第1装着孔61aと第1インロー内嵌部91b2とを位置合わせして、第1装着孔61aに第1インロー内嵌部91b2を装着する。作業者は、第1連結部61Aの孔61A1に締結具V1を挿通し、第1ブラケット61を電動モータ91に取り付ける。
【0090】
作業者は、第1ブラケット61が取り付けられた電動モータ91の駆動軸91aに、接続具60を取り付ける。具体的には、接続具60の第1接続部60aは、駆動軸91aが挿入され、スプリングピンによって駆動軸91aが固定される。なお、以下の説明において、上述した第1ブラケット61及び接続具60を電動モータ91に取り付ける工程は、電動モータ91を支持部65に取り付ける工程の「第1ステップ」ということがある。また、当該第1ステップで取り付けた電動モータ91、第1ブラケット61、及び接続具60を含む構造体を「第1アッセンブリ」ということがある。
【0091】
作業者は、電動モータ91の一対の取付部71に吊り具75を取り付ける。作業者は、工場等の作業場に配備されたクレーンのフックを吊り具75に装着し、第1アッセンブリを吊り上げる。
図18に示すように、作業者は、接続具60を第1開口部66aに挿入し、第1ノックピン66eと第1嵌入孔61B2とを位置合わせする。このとき、一対の第1ノックピン66eは、それぞれの軸心を結ぶ直線L1が駆動軸91aの軸心を通るように配置されているため、作業者は、駆動軸91a回りに第1アッセンブリを揺動することで、容易に第1ノックピン66eと第1嵌入孔61B2とを位置合わせすることができる。作業者は、第1ノックピン66eを第1嵌入孔61B2に嵌入すると、第1被連結部61B1に締結具V2を挿通し、第1ブラケット61を支持部65に取り付ける。なお、以下の説明において、上述した第1アッセンブリを支持部65に取り付ける工程は、電動モータ91を支持部65に取り付ける工程の「第2ステップ」ということがある。
【0092】
つぎに、油圧ポンプ92、接続具60、第2ブラケット62、及び支持部65の組み立てについて説明する。
図16に示すように、作業者は、第2装着孔62aと第2インロー内嵌部92b2とを位置合わせして、第2装着孔62aに第2インロー内嵌部92b2を装着する。
図16に示すように、作業者は、第2鍔部92b1の孔を介して孔62A1に締結具V3を締結し、第2ブラケット62を油圧ポンプ92に取り付ける。
【0093】
なお、以下の説明において、上述した第2ブラケット62を油圧ポンプ92に取り付ける工程は、油圧ポンプ92を支持部65に取り付ける工程の「第1ステップ」ということがある。また、当該第1ステップで取り付けた油圧ポンプ92及び第2ブラケット62を含む構造体を「第2アッセンブリ」ということがある。
作業者は、第2ノックピン67cと第2嵌入孔62B2とを位置合わせしつつ、第2接続部60bに入力軸92aを挿通する。このとき、一対の第2ノックピン67cは、それぞれの軸心を結ぶ直線L2が入力軸92aの軸心に対してオフセットするように配置されているため、作業者は、幅方向の一方側(左側)から作業をする場合、第2ノックピン67cによって、入力軸92a及び第2接続部60bの位置確認を妨げられることなく、容易に入力軸92aと第2接続部60bとの位置合わせ、及び第2ノックピン67cと第2嵌入孔62B2との位置合わせができる。
【0094】
なお、作業者は、第2アッセンブリを支持部65に取り付ける際に、第1取付部71Aに第1吊り具75Aを取り付けてもよい。作業者は、クレーンのフックを第1吊り具75Aに装着し、第2アッセンブリを吊り上げることができる。
図19に示すように、作業者は、第2被連結部62B1に締結具V4を挿通し、第2ブラケット62を支持部65に取り付ける。なお、以下の説明において、上述した第2アッセンブリを支持部65に取り付ける工程は、油圧ポンプ92を支持部65に取り付ける工程の「第2ステップ」ということがある。また、電動モータ91、油圧ポンプ92、接続具60、第1ブラケット61、第2ブラケット62、及び支持部65を含む構造体を「第3アッセンブリ」ということがある。
【0095】
そして、作業者は、第1取付部71Aに第1吊り具75Aを取り付け、第2取付部71Bに第2吊り具75Bを取り付ける。作業者は、クレーンのフックを第1吊り具75A及び第2吊り具75Bに装着し、第3アッセンブリを吊り上げることができる。
図22は、第3アッセンブリの取り付けを示す右後方斜視図である。作業者は、クレーンによって第3アッセンブリを旋回台2上の固定ブラケット41,42まで移動し、
図22に示すように、複数のマウント装置70と支持部65とを位置合わせする。作業者は、ナットNによって、一対の後部マウント装置70aと第1延出部69bとを締結し、一対の前部マウント装置70bと第2延出部69cを締結する。
【0096】
上述した実施形態においては、支持部65がノックピン(第1ノックピン)66e及びノックピン(第2ノックピン)67cを有し、第1ブラケット61及び第2ブラケット62を支持部65に対して位置合わせする構成を例に説明したが、ノックピン66e,67cに代えて、別の部材で第1ブラケット61及び第2ブラケット62を支持部65に対して位置合わせする構成を採用してもよい。
【0097】
図23は、変形例における電動モータ91、接続具60、及び第1ブラケット61を左前方からみた分解斜視図である。
図24は、変形例における油圧ポンプ92及び第2ブラケット62を右後方からみた分解斜視図である。
図25は、変形例における第1アッセンブリ及び第2アッセンブリの支持部65への取り付けを示す右後方斜視図である。
図23に示すように、変形例における第1ブラケット61は、第3インロー内嵌部(インロー内嵌部)61Cを有している。第3インロー内嵌部61Cは、第1連結部61Aから電動モータ91の反対側(前方)であって、駆動軸91aの先端側に突出して形成されている。第3インロー内嵌部61Cは、円環形状のリブであり、第3インロー内嵌部61Cの外径は、第1開口部66aの内径と略一致しており、
図25に示すように、第3インロー内嵌部61Cは、第1開口部66aに装着される。また、第3インロー内嵌部61Cの内径は、接続具60の外径よりも大きい。このため、第3インロー内嵌部61Cは、内部に接続具60の一部を収容できてもよい。斯かる場合、接続具60と駆動軸91aとの間を第3インロー内嵌部61Cで覆うことができるため、接続具60と駆動軸91aとの間の防塵性を向上させることができる。
【0098】
また、変形例における第1ブラケット61においては、
図15等に示す第1ブラケット61と異なり、第1延設部61Bに形成された第1被連結部61B1のうち、下側に形成された第1被連結部61B1は、下側に形成された孔61A1よりも、上下方向の中央に形成された孔61A1寄りにオフセットして形成されている。
さらに、変形例における第1ブラケット61においては、
図15等に示す第1ブラケット61と異なり、第1延設部61Bに形成された第1被連結部61B1のうち、いずれかの第1被連結部61B1は、孔61A1に対して幅方向外方にオフセットして形成されている。
図23、
図25に示す例においては、第1延設部61Bに形成された第1被連結部61B1のうち、下側且つ幅方向外方(右方)の第1被連結部61B1が孔61A1に対して幅方向外方(右方)にオフセットして形成されている。
【0099】
このため、第1被連結部61B1が電動モータ91等に対して幅方向外方に位置しているため、作業者は、第1被連結部61B1に締結具V2を取り付ける際に、工具を容易にアクセスすることができる。
図24に示すように、変形例における第2ブラケット62は、第4インロー内嵌部(インロー内嵌部)62Cを有している。第4インロー内嵌部62Cは、第2連結部62Aから油圧ポンプ92の反対側(後方)であって、入力軸92aの先端側に突出して形成されている。第4インロー内嵌部62Cは、円筒形状である。第4インロー内嵌部62Cの外径は、第2開口部67aの内径と略一致しており、
図25に示すように、第4インロー内嵌部62Cは、第2開口部67aに装着される。
【0100】
上述した旋回作業機1は、旋回台2と、バッテリユニット90と、バッテリユニット90が出力した電力によって、駆動軸91aを回転させる電動モータ91と、駆動軸91aから動力が入力される入力軸92aを有し、且つ駆動軸91aから入力軸92aに入力される動力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプ92と、駆動軸91aと入力軸92aとを接続する接続具60と、電動モータ91及び油圧ポンプ92を旋回台2上に支持する支持部65と、電動モータ91とは別体であって、且つ電動モータ91と支持部65とを連結するブラケット(第1ブラケット)61と、を備え、電動モータ91に接続具60及び第1ブラケット61が取り付けられた構造体(第1アッセンブリ)が、第1ブラケット61を介して支持部65に取り付けられている。
【0101】
上記構成によれば、電動モータ91の形状、支持部65の形状に左右されず、容易に電動モータ91を支持部65に取り付けることができる。また、予め接続具60を電動モータ91に取り付けることで、駆動軸91aとの位置合わせを容易に行うことができる。このため、駆動軸91aから入力軸92aに出力する動力をロスすることなく適切に伝達することができる。これによって、ロスを削減することで電動モータ91の駆動時間を延伸することができる。
【0102】
また、電動モータ91は、駆動軸91aの周囲にインロー内嵌部(第1インロー内嵌部)91b2が形成され、第1ブラケット61は、第1インロー内嵌部91b2が装着される装着孔(第1装着孔)61aが形成されている。
上記構成によれば、第1ブラケット61に対する駆動軸91aの位置ずれを抑制でき、駆動軸91a、接続具60、及び入力軸92aを精度よく接続することができる。これにより、駆動軸91aから入力軸92aに出力する動力をロスすることなく適切に伝達することができる。
【0103】
また、接続具60の外径は、第1装着孔61aの内径よりも大きい。
上記構成によれば、第1装着孔61aの内径によらず、比較的大型の接続具60を採用することができ、駆動軸91aから入力軸92aに出力する動力をロスすることなく適切に伝達することができる。また、予め第1ブラケット61が接続具60とともに予め電動モータ91に取り付けられた状態で、支持部65に取り付けられることで、電動モータ91を支持部65に取り付けた後に、接続具60を取り付ける場合に比べて、駆動軸91aとの位置合わせを容易に行うことができる。
【0104】
また、電動モータ91が第1ブラケット61を介して支持部65に取り付けられた状態で、支持部65は、接続具60の径外方を包囲するハウジングである。
上記構成によれば、支持部65は、電動モータ91を支持するとともに、接続具60をカバーすることができる。このため、駆動軸91aによって回転する接続具60が外部と接触することを抑制することができる。また、予め第1ブラケット61が接続具60とともに予め電動モータ91に取り付けられた状態で、支持部65に取り付けられることで、電動モータ91を支持部65に取り付けた後に、接続具60を取り付ける場合に比べて、駆動軸91aとの位置合わせを容易に行うことができる。
【0105】
また、第1ブラケット61は、電動モータ91よりも、駆動軸91aの径外方に延設されている延設部(第1延設部)61Bを有し、第1延設部61Bは、支持部65と連結される被連結部(第1被連結部)61B1を有している。
上記構成によれば、電動モータ91の形状、支持部65の形状に左右されず、第1ブラケット61と支持部65とを接続する領域を確保することができる。これにより、容易に電動モータ91を支持部65に取り付けることができる。
【0106】
また、第1被連結部61B1は、締結具V2が挿通される孔であり、第1ブラケット61及び支持部65は、締結具V2によって連結される。
上記構成によれば、第1ブラケット61を簡単且つ確実に支持部65に取り付けることができる。また、第1延設部61Bが電動モータ91よりも駆動軸91aの径外方に延設されていることで、締結具V2を取り付ける工具を操作する領域を十分に確保することができる。
【0107】
また、支持部65には、駆動軸91aの軸心方向に向いたノックピン(第1ノックピン)66eが設けられており、第1ブラケット61には、第1ノックピン66eが嵌入される孔(第1嵌入孔)61aが形成されている。
上記構成によれば、支持部65に対する駆動軸91aの位置ずれを抑制でき、駆動軸91a、接続具60、及び入力軸92aを精度よく接続することができる。これにより、駆動軸91aから入力軸92aに出力する動力をロスすることなく適切に伝達することができる。
【0108】
また、第1ブラケット61には、吊り具75を取り付ける取付部71が形成されている。
上記構成によれば、第1ブラケット61及び接続具60を電動モータ91に取り付けた状態で支持部65に取り付ける際に、吊り具75で吊り上げることができる。このため、第1ブラケット61、接続具60、及び電動モータ91を容易に支持部65に取り付けることができる。
【0109】
また、電動モータ91に接続具60及び第1ブラケット61が取り付けられ、さらに第1ブラケット61とは別のブラケット(第2ブラケット)62に油圧ポンプ92が取り付けられた構造体(第2アッセンブリ)が当該第2ブラケット62を介して支持部65に取り付けられている。
上記構成によれば、油圧ポンプ92の形状、支持部65の形状に左右されず、容易に油圧ポンプ92を支持部65に取り付けることができる。
【0110】
また、旋回作業機1の組み立て方法は、駆動軸91aを回転させる電動モータ91と、駆動軸91aから動力が入力される入力軸92aを有し、且つ駆動軸91aから入力軸92aに入力される動力によって駆動されて油圧ポンプ92と、駆動軸91aと入力軸92aとを接続する接続具60と、電動モータ91及び油圧ポンプ92を支持する支持部65と、電動モータ91とは別体であって、且つ電動モータ91と支持部65とを連結する第1ブラケット61と、を備えている旋回作業機1の組み立て方法であり、第1ブラケット61及び接続具60を電動モータ91に取り付ける第1ステップと、第1ステップで取り付けた第1ブラケット61、接続具60、及び電動モータ91を支持部65に取り付ける第2ステップと、を含む。
【0111】
上記構成によれば、電動モータ91の形状、支持部65の形状に左右されず、容易に電動モータ91を支持部65に取り付けることができる。また、予め接続具60を電動モータ91に取り付けることで、駆動軸91aとの位置合わせを容易に行うことができる。
上述した旋回作業機1は、旋回台2と、バッテリユニット90と、バッテリユニット90が出力した電力によって、駆動軸91aを回転させる電動モータ91と、駆動軸91aから動力が入力される入力軸92aを有し、且つ駆動軸91aから入力軸92aに入力される動力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプ92と、電動モータ91及び油圧ポンプ92を旋回台2上に支持する支持部65と、油圧ポンプ92とは別体であって、且つ油圧ポンプ92と支持部65とを連結するブラケット(第2ブラケット)62と、を備え、油圧ポンプ92に第2ブラケット62が取り付けられた構造体(第2アッセンブリ)が、第2ブラケット62を介して支持部65に取り付けられている。
【0112】
上記構成によれば、油圧ポンプ92の形状、支持部65の形状に左右されず、容易に油圧ポンプ92を支持部65に取り付けることができる。
また、第2ブラケット62は、油圧ポンプ92よりも、入力軸92aの径外方に延設されている延設部(第2延設部)62Bを有し、第2延設部62Bは、支持部65と連結される被連結部(第2被連結部)62B1を有している。
【0113】
上記構成によれば、油圧ポンプ92の形状、支持部65の形状に左右されず、第2ブラケット62と支持部65とを接続する領域を確保することができる。これにより、容易に油圧ポンプ92を支持部65に取り付けることができる。
また、第2被連結部62B1は、締結具V4が挿通される孔であり、第2ブラケット62及び支持部65は、締結具V4によって連結される。
【0114】
上記構成によれば、第2ブラケット62を簡単且つ確実に支持部65に取り付けることができる。また、第2延設部62Bが油圧ポンプ92よりも駆動軸91aの径外方に延設されていることで、締結具V4を取り付ける工具を操作する領域を十分に確保することができる。
また、支持部65には、入力軸92aの軸心方向に向いたノックピン(第2ノックピン)67cが設けられており、第2ブラケット62には、第2ノックピン67cが嵌入される孔(第2嵌入孔)62B2が形成されている。
【0115】
上記構成によれば、支持部65に対する入力軸92aの位置ずれを抑制でき、駆動軸91a、接続具60、及び入力軸92aを精度よく接続することができる。これにより、駆動軸91aから入力軸92aに出力する動力をロスすることなく適切に伝達することができる。
また、第2ブラケット62には、第1吊り具75Aを取り付ける第1取付部71Aが形成されている。
【0116】
上記構成によれば、第2ブラケット62を油圧ポンプ92に取り付けた状態で支持部65に取り付ける際に、第1吊り具75Aで吊り上げることができる。このため、第2ブラケット62及び油圧ポンプ92を容易に支持部65に取り付けることができる。また、当該第1吊り具75Aを吊り上げることによって、電動モータ91及び油圧ポンプ92を支持部65に組付けた状態で容易に運搬することができる。
【0117】
また、支持部65には、第2吊り具75Bを取り付ける第2取付部71Bが形成されている。
上記構成によれば、第1吊り具75Aに加えて、第2吊り具75Bを吊り上げることによって、電動モータ91及び油圧ポンプ92を支持部65に組付けた状態で容易に運搬することができる。
【0118】
また、油圧ポンプ92は、入力軸92aの周囲にインロー内嵌部(第2インロー内嵌部)92b2が形成され、第2ブラケット62は、第2インロー内嵌部92b2が装着される装着孔(第2装着孔)62aが形成されている。
上記構成によれば、第2ブラケット62に対する駆動軸91aの位置ずれを抑制でき、駆動軸91a、接続具60、及び入力軸92aを精度よく接続することができる。これにより、駆動軸91aから入力軸92aに出力する動力をロスすることなく適切に伝達することができる。
【0119】
また、旋回作業機1は、駆動軸91aと入力軸92aとを接続する接続具60を備え、油圧ポンプ92が第2ブラケット62を介して支持部65に取り付けられ、且つ入力軸92aに接続具60が取り付けられた状態で、支持部65は、接続具60の径外方を包囲するハウジングである。
上記構成によれば、支持部65は、油圧ポンプ92を支持するとともに、接続具60をカバーすることができる。このため、駆動軸91aによって回転する接続具60が外部と接触することを抑制することができる。
【0120】
また、旋回作業機1の組み立て方法は、駆動軸91aを回転させる電動モータ91と、駆動軸91aから動力が入力される入力軸92aを有し、且つ駆動軸91aから入力軸92aに入力される動力によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプ92と、電動モータ91及び油圧ポンプ92を支持する支持部65と、油圧ポンプ92とは別体であって、且つ油圧ポンプ92と支持部65とを連結する第2ブラケット62と、を備えている旋回作業機1の組み立て方法であり、第2ブラケット62を油圧ポンプ92に取り付ける第1ステップと、第1ステップで取り付けた第2ブラケット62及び油圧ポンプ92を支持部65に取り付ける第2ステップと、を含む。
【0121】
上記構成によれば、油圧ポンプ92の形状、支持部65の形状に左右されず、容易に油圧ポンプ92を支持部65に取り付けることができる。
上述した旋回作業機1は、旋回台2と、バッテリユニット90と、バッテリユニット90を旋回台2上で支持する支持体50と、バッテリユニット90が出力する電力によって駆動する電動モータ91と、電動モータ91によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプ92と、電動モータ91及び油圧ポンプ92を旋回台上に支持する支持部65と、を備え、支持部65は、支持体50と分離しており、且つ複数のマウント装置70を介して旋回台2に取り付けられている。
【0122】
上記構成によれば、支持部65がバッテリユニット90とは別に電動モータ91及び油圧ポンプ92を支持するため、電動モータ91が駆動することにより発生する振動や、油圧ポンプ92の脈動がバッテリユニット90に直接伝達されることを抑制できる。また、バッテリユニット90のアッセンブリと、電動モータ91及び油圧ポンプ92のアッセンブリが別々に構成されていることで、旋回台2への組付けが容易になる。また、電動モータ91が駆動することにより発生する振動や、油圧ポンプ92の脈動が支持部65及び旋回台2を介してバッテリユニット90に達することを抑制できる。これにより、バッテリユニット90が当該振動及び脈動により共振して、振動等が増幅し、騒音が発生することを抑制できる。
【0123】
また、支持体50は、旋回台2に対して固定されている。
上記構成によれば、支持体50に載置されたバッテリユニット90は、旋回台2に固定されているため、旋回台2から振動が伝達された場合、旋回台2に対して独立して振動せず、旋回台2とともに振動することになる。このため、バッテリユニット90が当該振動及び脈動により共振して、振動等が増幅し、騒音が発生することを抑制できる。
【0124】
また、旋回作業機1は、支持体50の上部に立設し、且つバッテリユニット90の一側面及び他側面の少なくとも1つに取り付けられた揺れ止め部(下立設部)57を備えている。
上記構成によれば、バッテリユニット90をより強固に支持体50に固定できる。このため、バッテリユニット90を旋回台2に強固に固定できるため、旋回台2から振動が伝達された場合、旋回台2に対して独立して振動せず、バッテリユニット90が当該振動及び脈動により共振して、振動等が増幅し、騒音が発生することを抑制できる。
【0125】
また、支持部65は、電動モータ91及び油圧ポンプ92を前後方向に並べて支持し、複数のマウント装置70は、電動モータ91及び油圧ポンプ92が支持部65に取り付けられた状態で、平面視において電動モータ91、油圧ポンプ92、及び支持部65よりも幅方向外方に位置している。
上記構成によれば、複数のマウント装置70は、旋回台2が旋回する場合において、幅方向の振動を抑制することができ、電動モータ91、油圧ポンプ92、及び支持部65をより好適に支持することができる。また、複数のマウント装置70を支持部65に取り付ける際に、工具を容易にアクセスすることができる。
【0126】
また、バッテリユニット90は、旋回台2の後部の幅方向中央部に配置され、電動モータ91及び油圧ポンプ92は、支持部65を介してバッテリユニット90の側方に配置されている。
上記構成によれば、旋回台2のうち比較的振動が大きくなる部分に、複数のマウント装置70によって支持された電動モータ91及び油圧ポンプ92を優先して配置することができる。このため、旋回台2に配置された機器の耐久性を向上させつつ、マウント装置70の個数を減らしたり、マウント装置70の大きさを小さくすることができ、コストを低減させることができる。
【0127】
また、旋回作業機1は、電動モータ91とは別体であって、且つ電動モータ91と支持部65とを連結する第1ブラケット61と、油圧ポンプ92とは別体であって、且つ油圧ポンプ92と支持部65とを連結する第2ブラケット62と、を備え、電動モータ91、第1ブラケット61、支持部65、第2ブラケット62、及び油圧ポンプ92の少なくとも2つ以上に、吊り具75を取り付ける取付部71が形成されており、取付部71に吊り具75を取り付けることで、電動モータ91を第1ブラケット61により支持部65に連結し、油圧ポンプ92を第2ブラケット62により支持部65に連結した連結構造体を吊り下げ可能である。
【0128】
上記構成によれば、吊り具75で吊り上げることによって、電動モータ91、第1ブラケット61、支持部65、第2ブラケット62、及び油圧ポンプ92を組付けたアッセンブリを、複数のマウント装置70まで容易に運搬することができる。これによって、当該アッセンブリを複数のマウント装置70に容易に組み付けることができる。
上述した電動作業機1は、機体(旋回台)2と、旋回台2に設けられた支持体50と、支持体50に載置されるバッテリユニット90と、バッテリユニット90が出力する電力によって駆動する電動モータ91と、を備え、支持体50は、バッテリユニット90の底部の外周部が載置される長尺の板部材52を複数有しており、板部材52のバッテリユニット90が載置される載置面は、平滑に機械加工が施されている。
【0129】
上記構成によれば、長尺の板部材52を組み合わせた簡単な構成でバッテリユニット90を支持することができ、機械加工を行う範囲を少なくしつつ、安定して支持することができる。
また、支持体50のうち、板部材52の載置面以外の部分は、機械加工が施されていない。
【0130】
上記構成によれば、広範囲に機械加工を施すことによる加工コストの増加を軽減することができる。
また、支持体50は、複数の板部材52を連結するフレーム部材51を有し、フレーム部材51は、板部材52の下面及び/又は側面と溶接により固定されている。
上記構成によれば、載置面に機械加工を行った場合であっても、溶接部を削り取ることなく、確実に複数の板部材52を支持することができる。
【0131】
また、複数の板部材52は、それぞれ離間して、フレーム部材51に固定されている。
上記構成によれば、板部材52と板部材52との間にフレーム部材51との溶接代を確保することができる。
また、板部材52は、フレーム部材51に溶接により固定された状態で、機械加工が施されている。
【0132】
上記構成によれば、溶接によって板部材52に溶接歪みが生じた場合であっても、確実にバッテリユニットを支持することができる。
また、複数の板部材52は、バッテリユニット90の前端部が載置される第1板部52aと、バッテリユニット90の後端部が載置される第2板部52bと、バッテリユニット90の幅方向の一端部が載置される第3板部52cと、バッテリユニット90の幅方向の他端部が載置される第4板部52dと、を含んでいる。
【0133】
上記構成によれば、機械加工を行った板部材52で、確実且つ簡単にバッテリユニット90を支持することができる。
また、支持体50は、第1板部52aの幅方向の中央部と、第2板部52bの幅方向の中央部と、を連結する長尺の第1連結板53を有している。
上記構成によれば、簡単な構成で第1板部52aと第2板部52bとの連結強度を向上させることができる。
【0134】
また、支持体50は、フレーム部材51の中央部に形成された開口51Eの中央を通り、且つフレーム部材51の幅方向の一端部から他端部に亘って延設された第2連結板54を有し、第1連結板53と第2連結板54は、直交している。
上記構成によれば、簡単な構成でフレーム部材51の強度を向上させることができる。
また、バッテリユニット90は、複数のバッテリ90aを有しており、複数のバッテリ90aは、幅方向に隣接して配置されており、第1板部52aは、複数のバッテリ90aの前端部が載置され、第2板部52bは、複数のバッテリ90aの後端部が載置され、第3板部52cは、複数のバッテリ90aのうち、幅方向の一端のバッテリの一端部が載置され、第4板部52dは、複数のバッテリ90aのうち、幅方向の他端のバッテリの他端部が載置されている。
【0135】
上記構成によれば、長尺の板部材52を組み合わせた簡単な構成で複数のバッテリ90aを支持することができ、機械加工を行う範囲を少なくしつつ、安定して支持することができる。
また、バッテリユニット90は、複数のバッテリ90aを有しており、第1連結板53は、複数のバッテリ90aのうち、隣接する2つのバッテリ90aが載置され、且つ当該2つのバッテリ90aの間には通気孔53aが形成されている。
【0136】
上記構成によれば、2つのバッテリ90aを確実に支持しつつ、当該バッテリ90aの間から放熱を行うことができる。このため、バッテリ90aの支持と冷却を両立することができる。
また、支持体50は、第1板部52a又は第2板部52bに設けられ、且つバッテリユニット90を固定する固定具55を有し、固定具55は、前後方向に調整可能に取り付けられている。
【0137】
上記構成によれば、バッテリユニット90の寸法誤差に関わらず、当該バッテリユニット90を確実に固定することができる。
また、電動作業機1は、旋回台2に設けられた油圧機器Mと、電動モータ91の駆動によって、油圧機器Mを作動させる作動油を吐出する油圧ポンプ92と、を備えている。
上記構成によれば、作動油によって駆動する作業装置20を有する電動作業機1おいても、上述した特有の効果を奏することができる。
【0138】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、上述した実施形態では本発明を旋回作業機であるバックホーに適用する例について説明したが、本発明の適用対象はこれに限らず、各種の建設機械、土木機械、農業機械等、多様な作業機に適用できる。
【0139】
また、上述した実施形態では、走行モータML,MR、旋回モータMT、及び作業装置20の各部を油圧により駆動する構成、即ち作動油を介して電動モータ91の駆動力によって駆動している構成について説明したが、これに限らず、これらのうちの一部または全部を電動モータ(電動アクチュエータ)91によって直接で駆動する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0140】
1 旋回作業機(電動作業機)
2 旋回台(機体)
60 接続具
62 ブラケット(第2ブラケット)
62B 延設部(第2延設部)
62B1 被連結部(第2被連結部)
65 支持部
67c ノックピン(第2ノックピン)
71A 第1取付部
71B 第2取付部
75A 第1吊り具
75B 第2吊り具
90 バッテリユニット
91 電動モータ
91a 駆動軸
92 油圧ポンプ
92a 入力軸
92b2 インロー内嵌部(第2インロー内嵌部)
V4 締結具