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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150759
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】旋回作業機
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/00 20060101AFI20231005BHJP
   E02F 9/08 20060101ALI20231005BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
E02F9/00 C
E02F9/00 N
E02F9/08 Z
E02F9/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060017
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 文則
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB02
2D003CA02
2D003CA10
2D003DA02
2D003DA04
2D015CA03
(57)【要約】
【課題】旋回作業機において、旋回台に配策されたハーネスの損傷を回避可能とする。
【解決手段】旋回台と、旋回台の前側に設けられる作業装置と、バッテリユニットと、バッテリユニットが出力する電力によって駆動する電動モータと、電動モータの駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプと、電動モータに出力する電力を調整するインバータと、インバータと電動モータとを接続する送電用のハーネスと、バッテリユニット、電動モータ、油圧ポンプ、インバータ、およびハーネスを覆う外装カバーと、旋回台に立設され、且つ外装カバーを支持する支持フレームと、を備え、ハーネスは、支持フレームに固定されている。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回台と、
前記旋回台の前側に設けられる作業装置と、
バッテリユニットと、
前記バッテリユニットが出力する電力によって駆動する電動モータと、
前記電動モータの駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプと、
前記電動モータに出力する電力を調整するインバータと、
前記インバータと前記電動モータとを接続する送電用のハーネスと、
前記バッテリユニット、前記電動モータ、前記油圧ポンプ、前記インバータ、および前記ハーネスを覆う外装カバーと、
前記旋回台に立設され、且つ前記外装カバーを支持する支持フレームと、を備え、
前記ハーネスは、前記支持フレームに固定されている、旋回作業機。
【請求項2】
前記ハーネスは、前記旋回台の後部カバーの内側面に沿って配策されている、請求項1に記載の旋回作業機。
【請求項3】
前記バッテリユニットは、前記旋回台の後部に設けられた後部ルームに配置されており、
前記支持フレームは、前記後部ルームの後部に立設された後フレーム部を備え、
前記ハーネスは、前記後部ルーム内における前記後フレーム部よりも前方に配策されている、請求項1または2に記載の旋回作業機。
【請求項4】
前記バッテリユニットは、前記旋回台の後部に配置され、
前記電動モータは、前記旋回台における前記バッテリユニットの側方に配置され、
前記インバータは、前記バッテリユニットの上方に配置され、
前記ハーネスは、前記インバータから前記バッテリユニットの後上方を通って前記電動モータまで配策されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の旋回作業機。
【請求項5】
前記ハーネスは、前記旋回台に立設された支持フレームにクランプを介して固定されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の旋回作業機。
【請求項6】
前記バッテリユニットは、前記旋回台の後部に設けられた後部ルームに配置され、
前記電動モータは、前記後部ルーム内における前記バッテリユニットの側方に配置されており、
前記支持フレームは、前記後部ルームの後部に立設された後フレーム部と、前記後部ルームの前記電動モータが配置されている側の側部に立設された側フレーム部と、を備え、
前記クランプは、前記後フレーム部に固定される第1クランプと、前記側フレーム部に固定される第2クランプと、を含んでいる、請求項5に記載の旋回作業機。
【請求項7】
前記第1クランプは、前記後フレーム部のクランプ取付部に後方から締結部材により固定されている、請求項6に記載の旋回作業機。
【請求項8】
前記後フレーム部は、前記旋回台の後部に左右に離間して一対立設され、
前記第1クランプは、左右両側の前記後フレーム部にそれぞれ設けられている、請求項6または7に記載の旋回作業機。
【請求項9】
前記クランプは、前記ハーネスの外周面に径方向から対向して当接する一対の押さえ部材を備え、
前記押さえ部材は、弾性材料により形成されている、請求項5~8のいずれか1項に記
載の旋回作業機。
【請求項10】
前記押さえ部材は、前記外周面に沿って当接する凹面部を備えている、請求項9に記載の旋回作業機。
【請求項11】
前記凹面部は、上下に複数並んで設けられており、前記クランプは、前記ハーネスを構成する複数の電線を前記凹面部により上下方向に離間して固定している、請求項10に記載の旋回作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の旋回作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された旋回作業機が知られている。
特許文献1に開示された旋回作業機は、旋回台と、旋回台の前側に設けられる作業装置と、バッテリユニットと、バッテリユニットが出力する電力によって駆動する電動モータと、電動モータの駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプとを備え、これらバッテリユニット、電動モータ、油圧ポンプ、その他機器、タンク類等は、外装カバーによって旋回台の後部に形成された空間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-80708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の旋回作業機では、バッテリユニット、電動モータ、油圧ポンプ等以外に、電動モータに出力する電力を調整するインバータなど複数の電装品も搭載されている。しかしながら、それら部品は、旋回台上の限られた空間に集約して収容されているため、各部品を接続する送電用のハーネスについても旋回台に効率良く配策する必要がある。特に、インバータと電動モータとを繋ぐ強電系のハーネスは、作業時の振動や旋回台に外部衝撃が加わったときに、損傷し難いように配策することが求められる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであって、旋回台に配策されたハーネスの損傷を回避可能な旋回作業機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
本発明の一態様に係る旋回作業機は、旋回台と、旋回台の前側に設けられる作業装置と、バッテリユニットと、バッテリユニットが出力する電力によって駆動する電動モータと、電動モータの駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプと、電動モータに出力する電力を調整するインバータと、インバータと電動モータとを接続する送電用のハーネスと、バッテリユニット、電動モータ、油圧ポンプ、インバータ、およびハーネスを覆う外装カバーと、旋回台に立設され、且つ外装カバーを支持する支持フレームと、を備え、ハーネスは、支持フレームに固定されている。
【発明の効果】
【0007】
上記旋回作業機によれば、ハーネスが作業時の振動によって旋回台の各部品に干渉したり、外部衝撃が直接的に加わったりし難いから、ハーネスの損傷を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】旋回作業機の左側方視図である。
図2】旋回作業機の上方視図である。
図3】旋回作業機の後方視図である。
図4】旋回台の機体フレームの左前方斜視図である。
図5】旋回台の機体フレームの左後方斜視図である。
図6】旋回台の機体フレームの左側方視図である。
図7】旋回台の機体フレームの上方視図である。
図8】側部補強部材周辺の一部分解斜視図である。
図9】中央部補強部材周辺の一部分解斜視図である。
図10】補強部材周辺の上方視切断部端面である。
図11】外装カバーを一部分離した旋回台の左後方斜視図である。
図12】外装カバーを一部分離した旋回台の右後方斜視図である。
図13】搭乗扉を全開にした状態の左ボンネット周辺の上方視図である。
図14】旋回台の後方斜視図である。
図15】クランプの分解斜視図である。
図16】クランプの分解側方視図である。
図17】左フレーム部周辺の側方視概略構成図である。
図18】左フレーム部周辺の一部分解斜視図である。
図19】電装ブラケットの左後方斜視図である。
図20】第1点検扉を開いた状態の左ボンネット周辺の斜視図である。
図21】第2点検扉を開いた状態の左ボンネット周辺の一部分解斜視図である。
図22】側部補強部材の変形例を示す斜視図である。
図23】中央部補強部材の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1図3に示すように、本実施形態の旋回作業機1は、例えば旋回台2と、下部走行体3と、作業装置4とを備えたバックホーである。また、旋回作業機1は、電力によって駆動する電動作業機であり、図2に示すように、バッテリユニット5、電動モータ6、油圧ポンプ7等が搭載されている。さらに、図1に示すように、旋回作業機1は、運転者が着座する運転席8と、旋回作業機1を操作する操作装置9と、これら運転席8および操作装置9を保護する保護機構10とを備えている。なお、旋回作業機1は、バックホーに限定されず、他の種類の旋回作業機であってもよい。
【0010】
以下、運転席8に着座した運転者が向く方向(図1図2等の矢視A1方向)を前方、その反対方向(図1図2等の矢視A2方向)を後方という。また、運転者の左側(図2および図3の矢視B1方向)を左方、運転者の右側(図2および図3の矢視B2方向)を右方という。また、運転者の左右方向(図2および図3の矢視B1,B2方向)が旋回作業機1の機体幅方向となる。
【0011】
図1および図3に示すように、旋回台2は、下部走行体3の上部に旋回ベアリング11を介して左右方向へ旋回可能に支持されている。即ち、旋回台2は、下部走行体3に対して旋回軸心(上下方向に延長する軸心)X廻りに回動可能に支持されている。なお、旋回軸心Xは、旋回ベアリング11の回転中心である。
図1に示すように、下部走行体3は、走行フレーム3Aと、走行機構3Bとを有する。走行フレーム(トラックフレーム)3Aは、走行機構3Bが取り付けられ、且つ旋回台2を下方から支持する構造体である。走行機構3Bは、例えば、クローラ式である。
【0012】
作業装置4は、旋回台2の前側に設けられており、油圧ポンプ7から吐出される作動油によって駆動する。なお、油圧ポンプ7は、電動モータ6によって駆動され、電動モータ6は、バッテリユニット5が出力する電力によって駆動される。即ち、作業装置4は、バッテリユニット5が出力する電力を用いて駆動される。また、図2に示すように、作業装置4は、旋回台2の左右方向の中心線Lに対して右寄りに配置されている。作業装置4は、操作装置9によって操作される。
【0013】
図1に示すように、作業装置4は、ブーム12と、アーム13と、バケット14とを有する。ブーム12の基端部は、旋回台2の前部に設けられたスイングブラケット15に対して横軸(左右方向に延長する軸心)廻りに回動可能に枢着されている。即ち、ブーム12は、スイングブラケット15に対して上下方向へ揺動可能に枢支連結されている。アーム13の基端部は、ブーム12の先端部に対して横軸(左右方向に延長する軸心)廻りに回動可能に枢着されている。即ち、アーム13は、ブーム12に対して前後方向や上下方向へ揺動可能に枢支連結されている。バケット14の基端部は、アーム13の先端部に対して横軸(左右方向に延長する軸心)廻りに回動可能に枢着されている。即ち、バケット14は、アーム13に対してスクイ動作およびダンプ動作可能に枢支連結されている。なお、旋回作業機1は、バケット14に代えて、或いは加えて、作動油によって駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。この他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノーブロア等が例示できる。
【0014】
旋回作業機1の作業系の可動部には、油圧ポンプ7が吐出した作動油の油圧によって駆動され、作業装置4を動作させる油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)Mが設けられている。作業装置4は、油圧アクチュエータMによって駆動される。詳しくは、油圧アクチュエータMは、スイングシリンダC1、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、およびバケットシリンダC4を含んでいる。スイングブラケット15は、旋回台2の右側に設けられたスイングシリンダC1の伸縮によって揺動可能とされている。ブーム12は、ブームシリンダC2の伸縮によって揺動可能とされている。アーム13は、アームシリンダC3の伸縮によって揺動可能とされている。バケット14は、バケットシリンダC4の伸縮によってスクイ動作およびダンプ動作可能とされている。
【0015】
運転席8、操作装置9、および保護機構10は、旋回台2の前部に設けられている。保護機構10は、運転席8および操作装置9の周囲を覆うキャビンであり、図2および図3に示すように、旋回台2の左側部(第1側部)2L寄りに配置されている。保護機構10は、保護機構10の左側面部を構成する左側枠16aと、保護機構10の右側面部を構成する右側枠16bと、保護機構10の上面部を構成するルーフ17とを備えている。また、図1に示すように、左側枠16aには、搭乗口18と、搭乗口18を開閉可能な搭乗扉19とが設けられている。搭乗扉19は、ヒンジ等によって搭乗口18の後側の側枠部18eに枢支連結されており、搭乗口18を閉じた閉位置から後方へ開くように構成されている。なお、保護機構10の構造は、上記構成に限定されず、2柱構造或いは3柱構造のキャビンであってもよいし、キャノピであってもよい。
【0016】
図1図3に示すように、旋回台2は、外装カバー20、ブラケット、およびステー等を備えている。外装カバー20は、保護機構10の後部に機器、タンク類、その他の部品等を配置する空間(後部ルームR)を形成するカバー部材である。ブラケットやステー等は、上記部品等を取り付ける部材である。運転席8、操作装置9、および保護機構10は、旋回台2の前部に設けられている。図2に示すように、バッテリユニット5、電動モータ6、および油圧ポンプ7は、旋回台2の後部に設けられた後部ルームRにおける旋回軸心Xよりも後方に配置されている。
【0017】
図4図7に示すように、旋回台2の機体フレームFは、バッテリユニット5、電動モータ6、油圧ポンプ7等を支持する構造体であり、旋回基板21と、支持ブラケット22と、縦リブ23と、仕切り板24と、支持フレーム25とを有する。旋回基板21は、厚板鋼板等によって略平板状に形成された板材であって、板面を上下方向に向けた姿勢で、旋回ベアリング11を介して下部走行体3に連結支持されている。支持ブラケット22は、旋回基板21の前部に設けられている。縦リブ23は、旋回基板21を補強する部材であって、旋回基板21の上面部に左右に一対、左右方向に離間して立設され、且つ支持ブラケット22の後部から仕切り板24の前部に亘って延設されている。仕切り板24は、旋回台2の後部ルームRの前面下部を仕切る部材であって、支持フレーム25の前側に立設され、且つ旋回基板21の左右側方に向かって延設されている。なお、図示しないが、スイングブラケット15は、支持ブラケット22に対して縦軸(上下方向に延長する軸心)廻りに回動可能に枢着されている。
【0018】
旋回基板21の左右の後コーナー部にはそれぞれ、立上部(左側立上部26aおよび右側立上部26b)が立設されている。また、上記立上部にはそれぞれ、外力による外装カバー20(左後部バンパー20F、右後部バンパー20H)の変形を抑制する補強部材として側部補強部材(左側部補強部材27Aおよび右側部補強部材27B)が設けられている。図7および図8示すように、左側立上部26aは、旋回台2の左後部に配置された部品等の左後方を囲うように上方視略L字状に形成されている。右側立上部26bは、旋回基板21の右後部に配置された部品等の右後方を囲うように上方視略J字状に形成されている。
【0019】
左側部補強部材27Aは、厚板鋼板等を略円弧状に屈曲して形成された板材であって、外側面(円弧外周面)を外装カバー20の内側面(機体内方側の面)に対向させた状態で、左側立上部26aの左後部に固定ネジによって固定されている。また、左側部補強部材27Aは、左側立上部26aの上端よりも上方位置まで延設されている。このように、左側部補強部材27Aは、旋回台2の左後部における外装カバー20の内側(機体内方側)に立設されており、旋回台2に対する左後方(機体幅方向の一側方)からの衝撃負荷を受け止めて、旋回基板21に分散させる。右側部補強部材27Bは、厚板鋼板等を略円弧状に屈曲して形成された板材であって、外側面(円弧外周面)を外装カバー20の内側面に対向させた状態で、右側立上部26bの右後部に固定ネジによって固定されている。また、右側部補強部材27Bは、右側立上部26bの上端よりも上方位置まで延設されている。このように、右側部補強部材27Bは、旋回台2の右後部における外装カバー20の内側(機体内方側)に立設されており、旋回台2に対する右後方(機体幅方向の他側方)からの衝撃負荷を受け止めて、旋回基板21に分散させる。なお、左側立上部26aに対する左側部補強部材27Aの固定手段、および右側立上部26bに対する右側部補強部材27Bの固定手段は何れも、固定ネジに限定されず、リベットなど他の接合部材によって固定されてもよいし、溶接により固定されてもよい。
【0020】
左側部補強部材27Aの外側面と外装カバー20の内側面との間隙、および右側部補強部材27Bの外側面と外装カバー20の内側面との間隙にはそれぞれ、緩衝部材28が設けられている。緩衝部材28は、天然ゴム、発泡ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の衝撃吸収性が高い弾性材料によって形成された略矩形状の板材であって、左側部補強部材27Aの外側面、および右側部補強部材27Bの外側面にそれぞれ接着固定されている。なお、側部補強部材27A,27Bに対する緩衝部材28の固定手段は、接着固定に限定されず、固定ネジなど他の接合部材によって固定されてもよい。また、緩衝部材28は、外装カバー20の内側面に固定されてもよい。
【0021】
図4図7に示すように、支持フレーム25は、外装カバー20を支持する枠体であって、旋回基板21の後部で、且つ仕切り板24よりも後方に立設されている。詳しくは、支持フレーム25は、旋回基板21の上面部に立設される複数の脚部材(第1脚25a、第2脚25b、第3脚25c、第4脚25d、および第5脚25e)と、これら脚部材に連結固定される複数の杆部材(第1杆25fおよび第2杆25g)とを備えている。
【0022】
第1脚25aは、略L字状の枠材であって、後部ルームRの左前側において旋回基板21の上面部から上方に向かって延び、さらに中途部から後方に向かって延在している。第1脚25aは、旋回基板21の上面部から上方に向かって延びる第1支柱部25a1と、第1支柱部25a1の上端から後方に向かって延びる第1延長部25a2とを備えている。第5脚25eは、第1延長部25a2の下部から下方に向かって延び、旋回基板21の上面部に連結されている。即ち、第1脚25aおよび第5脚25eは、側方視略U字状に連結され、支持フレーム25の左フレーム部を構成している。また、第1脚25aおよび第5脚25e相互間には、第1横桟25hが連設されている。第1横桟25hは、一方向に長い略平板状の枠材であって、板面を左右方向に向けた姿勢で、第1支柱部25a1の上下方向の中間部から第5脚25eの上下方向の中間部に亘って前後方向に延設されている。
【0023】
第2脚25bは、略L字状の枠材であって、後部ルームRの右前側において旋回基板21の上面部から上方に向かって延び、さらに中途部から後方に向かって延在している。第2脚25bは、旋回基板21の上面部から上方に向かって延びる第2支柱部25b1と、第2支柱部25b1の上端から後方に向かって延びる第2延長部25b2とを備えている。
【0024】
第1脚25aおよび第2脚25bは、旋回台2の後部において左右方向に所定の間隔を隔てて立設されている。また、第1脚25aおよび第2脚25bは、第1杆25fおよび第2杆25gによって上記間隔を隔てて連結されている。なお、第1杆25fおよび第2杆25gは何れも、一方向に長い略平板状の枠材であって、板面を上下方向に向けた姿勢で、第1脚25aの第1延長部25a2の上面部から第2脚25bの第2延長部25b2の上面部に亘って左右方向に延設されている。また、第1杆25fおよび第2杆25gは、前後に所定の間隔を隔てて並設されている。
【0025】
第3脚25cは、略L字状の枠材であって、後部ルームRの左後側において旋回基板21の上面部から上方に向かって延び、さらに中途部から前方に向かって延在している。即ち、第3脚25cは、旋回基板21の上面部から上方に向かって延びる第3支柱部25c1と、第3支柱部25c1の上端から前方に向かって延びる第3延長部25c2とを備えている。
【0026】
第4脚25dは、略L字状の枠材であって、後部ルームRの右後側において旋回基板21の上面部から上方に向かって延び、さらに中途部から前方に向かって延在している。即ち、第4脚25dは、旋回基板21の上面部から上方に向かって延びる第4支柱部25d1と、第4支柱部25d1の上端から前方に向かって延びる第4延長部25d2とを備えている。
【0027】
第3脚25cおよび第4脚25dは、旋回台2の後部において左右方向に所定の間隔を隔てて立設されている。なお、第3脚25cおよび第4脚25d相互の離間距離は、第1脚25aおよび第2脚25b相互の離間距離より小さく設定されている。また、第3脚25cおよび第4脚25dは、第1連結板25iおよび第2連結板25jに対して上記間隔を隔てて連結固定されている。詳しくは、図5および図9に示すように、第3脚25cの第3支柱部25c1の下端部および第4脚25dの第4支柱部25d1の下端部はそれぞれ、左右方向に間隔を隔てて第1連結板25iに連結されている。一方、第3脚25cの第3延長部25c2の前端部および第4脚25dの第4延長部25d2の前端部はそれぞれ、左右方向に間隔を隔てて第2連結板25jに連結されている。このように、第3脚25cおよび第4脚25dは、第1連結板25iおよび第2連結板25jによって連結され、支持フレーム25の後フレーム部を構成している。第1連結板25iは、一方向に長い略平板状の枠材であって、旋回基板21の後部に設けられたフレーム支持部31に対して固定ネジによって固定されている。第2連結板25jは、一方向に長い略平板状の枠材であって、第1杆25fの後部に設けられたフレーム連結部32に対して固定ネジによって固定されている。
【0028】
また、第3脚25cおよび第4脚25d相互間には、第2横桟25pおよび第3横桟25qが連設されている。第2横桟25pおよび第3横桟25qは、上下方向に所定の間隔を隔てて第3脚25cおよび第4脚25dに連結されている。第2横桟25pは、第3脚25cの第3延長部25c2寄りの位置から第4脚25dの第4延長部25d2寄りの位置に亘って左右方向に延設されている。第3横桟25qは、第3脚25cの上下方向の中間部から第4脚25dの上下方向の中間部に亘って左右方向に延設されている。
【0029】
また、図5図7に示すように、支持フレーム25の各所には、複数のカバー固定フランジ(第1カバー固定フランジ33a、第2カバー固定フランジ33b、および第3カバー固定フランジ33c)と、複数のカバー固定ボス(第1カバー固定ボス34a、第2カバー固定ボス34b、および第3カバー固定ボス34c)と、クランプ取付部としての複数のクランプブラケット(第1クランプブラケット35aおよび第2クランプブラケット35b)と、複数の補強部材固定ボス36と、複数の連結フランジ37aと、複数の連結ブラケット(第1連結ブラケット37bおよび第2連結ブラケット37c)とが設けられている。
【0030】
第1カバー固定フランジ33aは、ネジ受面を左方に向けた姿勢で、第1脚25aにおける第1延長部25a2の左側部に設けられている。第2カバー固定フランジ33bは、ネジ受面を後方に向けた姿勢で、第3脚25cにおける第3支柱部25c1の左側部に設けられている。第3カバー固定フランジ33cは、一方向に長い略平板状の枠材であって、板面を上下方向に向けた姿勢で、第1杆25fの上面部左寄りの位置に設けられている。また、図11に示すように、保護機構10の左後部にも、カバー固定フランジとして第4カバー固定フランジ33dが設けられている。これら第1カバー固定フランジ33a、第2カバー固定フランジ33b、第3カバー固定フランジ33c、および第4カバー固定フランジ33dは、後述する左ボンネット20Cを固定する固定ネジのネジ受部となる。
【0031】
図5図7に示すように、第1カバー固定ボス34aは、第3脚25cの後部に設けられた第1クランプブラケット35aの後面部、および第4脚25dの後部に設けられた第1クランプブラケット35aの後面部にそれぞれ立設されており、後述する後ボンネット20Bを固定する固定ネジのネジ受部となる。第2カバー固定ボス34bは、第3脚25
cおよび第4脚25dの後部(中央部補強部材38)に立設されており、後述する中央後部バンパー20Gを固定する固定ネジのネジ受部となる。第3カバー固定ボス34cは、第1杆25fの上面部に立設されており、後述する上ボンネット20Aを固定する固定ネジのネジ受部となる。本実施形態において、第3カバー固定ボス34cは、第1杆25fの上面部において左右方向に3つ間隔をあけて立設されている。
【0032】
第1クランプブラケット35aは、略平板状の板片であり、板面を前後方向に向けた姿勢で、第3脚25cの後部、および第4脚25dの後部にそれぞれ連結固定されている。なお、第1カバー固定ボス34aは、第1クランプブラケット35aの後面部に、上下に2つ並べて設けられている。第2クランプブラケット35bは、支持板部35b1と、後板部35b2とを有する板片であり、支持板部35b1の板面を左右方向に向け、且つ後板部35b2の板面を前後方向に向けた姿勢で、支持フレーム25の右フレーム部25rに連結固定されている。
【0033】
補強部材固定ボス36は、第3脚25cにおける第3支柱部25c1の後部、および第4脚25dにおける第4支柱部25d1の後部にそれぞれ、上下に2つ並べて設けられている。補強部材固定ボス36には、外力による外装カバー20(中央後部バンパー20G)の変形を抑制する補強部材として中央部補強部材38がネジ留め固定されている。即ち、支持フレーム25の後部には、中央部補強部材38が設けられている。
【0034】
図9および図10に示すように、中央部補強部材38は、基板部38Aと、補強板部38Bとを有している。基板部38Aは、厚板鋼板等の上下の縁部を略直角に屈曲して形成された板材であって、当該屈曲縁部側の面(後面部)を外装カバー20の内側面に向けた姿勢で、補強部材固定ボス36に固定ネジによって固定されている。なお、第2カバー固定ボス34bは、基板部38Aの後面部における補強板部38Bを挟んで左右位置にそれぞれ、上下に2つ並べて設けられている。補強板部38Bは、厚板鋼板等の左右の縁部を略直角に屈曲して形成された板材であって、当該屈曲縁部側の面(前面部)を前方に向けた姿勢で、基板部38Aの後面部における左右間の中央部に溶接固定されている。このように、中央部補強部材38は、基板部38Aの後面部に補強板部38Bが所定の空間を隔てて重ねた前後二重板構造になっており、これら補強板部38Bおよび基板部38Aによって旋回台2に対する後方からの衝撃負荷を吸収し、支持フレーム25に分散させる。なお、本実施形態において、補強板部38Bは、基板部38Aに対して溶接により固定されているが、基板部38Aに対する補強板部38Bの固定手段は、溶接に限定されず、リベットや固定ネジなどの接合部材によって固定されてもよい。また、補強板部38Bは、基板部38Aと共通の板材によって一体的に形成されたものとしてもよい。
【0035】
中央部補強部材38の後面と外装カバー20の内側面との間には、緩衝部材39が設けられている。緩衝部材39は、天然ゴム、発泡ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の衝撃吸収性が高い弾性材料によって形成された略矩形状の板材であって、補強板部38Bの後面に接着固定されている。なお、中央部補強部材38に対する緩衝部材39の固定手段は、接着固定に限定されず、固定ネジなど他の接合部材によって固定されてもよい。また、緩衝部材39は、外装カバー20の内側面に固定されてもよい。
【0036】
図5および図6に示すように、連結フランジ37aは、略L字状の板片であり、ネジ受面を左方に向けた姿勢で、第1脚25aにおける第1支柱部25a1の後部、第1横桟25hの上部および左側部にそれぞれ設けられている。これら連結フランジ37aは、後述する電装ブラケット80を固定する固定ネジのネジ受部となる。第1連結ブラケット37bは、略L字状の板片であり、ネジ受面を左方に向けた姿勢で、第5脚25eの後部に設けられている。第1連結ブラケット37bは、後述するバッテリアイソレータ75を固定する固定ネジのネジ受部となる。第2連結ブラケット37cは、略L字状の板片であり、ネジ受面を左方に向けた姿勢で、第1脚25aにおける第1支柱部25a1の後部に設けられている。第2連結ブラケット37cは、後述する気液分離タンク76を固定する固定ネジのネジ受部となる。
【0037】
図11および図12に示すように、外装カバー20は、上ボンネット(上部カバー)20A、後ボンネット(後部カバー)20B、左ボンネット(第1側部カバー)20C、右ボンネット20D、左バンパー20E、左後部バンパー(後部外装カバー)20F、中央後部バンパー(後部外装カバー)20G、右後部バンパー(後部外装カバー)20H、および右バンパー20Iを含んでいる。
【0038】
上ボンネット20Aは、後部ルームRの上壁を構成するカバー部材であり、支持フレーム25の上部に取り外し可能に固定されている。詳しくは、上ボンネット20Aは、前部に掛合片20sが設けられており、掛合片20sを保護機構10の後部下縁に掛合させた状態で、支持フレーム25の第3カバー固定ボス34cに上方から固定ネジによって固定されている。
【0039】
後ボンネット20Bは、後部ルームRの後壁の上側略半部を構成するカバー部材であり、支持フレーム25の後部に取り外し可能に固定されている。詳しくは、後ボンネット20Bは、支持フレーム25の第1カバー固定ボス34aに後方から固定ネジによって固定されている。後ボンネット20Bの左右間の中央部には、支持フレーム25の後部に設けられた充電口41を後方から被蓋する充電リッド42が設けられている。充電リッド42は、ヒンジ等によって後ボンネット20Bにおける充電リッド42の外周外側の上縁部42eに枢支連結されており、充電口41を被蓋した閉位置から上方へ開くように構成されている。充電口41は、外部の充電ケーブルを接続するためのソケットであり、図12に示すように、支持フレーム25の第2横桟25pにおける充電リッド42の前方対向位置に支持固定されている。従って、充電口41は、充電リッド42を開くことによって外装カバー20の外部に露出され、上記充電ケーブルを接続可能となる。なお、後ボンネット20Bは、少なくとも充電口41に対面する箇所が開閉可能であれば、その蓋構造は、上記充電リッド42の構成に限定されない。例えば、上記蓋構造は、上下または左右にスライドさせることによって開閉可能に構成されてもよい。
【0040】
左ボンネット20Cは、後部ルームRの左側壁の上側略半部を構成するカバー部材であり、支持フレーム25の左側部に取り外し可能に固定されている。詳しくは、左ボンネット20Cは、旋回台2の左側部(第1側部)2Lから左後コーナー部に亘って覆うように曲面状に形成されており、支持フレーム25の第3カバー固定フランジ33cに上方から固定ネジによって固定され、且つ第2カバー固定フランジ33bに後方から固定ネジによって固定され、さらに支持フレーム25の第1カバー固定フランジ33aおよび保護機構10の左後部に設けられた第4カバー固定フランジ33dにそれぞれ左側方から固定ネジによって固定されている。なお、第3カバー固定フランジ(上固定部)33cは、上ボンネット20Aによって上方から覆われる位置に設けられ、第2カバー固定フランジ(後固定部)33bは、後ボンネット20Bによって後方から覆われる位置に設けられている。従って、左ボンネット20Cを支持フレーム25から取り外すには、先に上ボンネット20Aおよび後ボンネット20Bを支持フレーム25から取り外す必要がある。即ち、左ボンネット20Cは、上ボンネット20Aおよび後ボンネット20Bを取り外した後、支持フレーム25から取り外し可能となる。
【0041】
図2図11、および図13に示すように、左ボンネット20Cの左側面部には、全開位置まで開かれた搭乗扉19との干渉を回避するための凹没面部43が形成されている。凹没面部43は、保護機構10の左側面部に沿うように旋回台2の中心側(右方)へ上方視略V字状に凹没形成されており、搭乗扉19が全開位置まで開かれたときに左ボンネット20Cとの干渉が回避される。なお、保護機構10の左側面部には、ストッパ10sと、ラッチ部10tとが設けられている。一方、搭乗扉19の外側面部(左側面部)には、フック19tが設けられており、搭乗扉19は、全開位置まで開かれたとき、外側面部がストッパ10sに当接し、且つフック19tがラッチ部10tに嵌合することによって、凹没面部43の左側方に保持される。このとき、搭乗扉19は、上方視において下部走行体3の左側端部よりも内側(機体中央側)で保持される。即ち、搭乗扉19は、上方視において下部走行体3よりも左方へ張り出さない位置にて保持される。
【0042】
図1および図11に示すように、左ボンネット20Cには、後部ルームRに配置された部品等の点検を可能とする第1点検用窓44および第2点検用窓45と、第1点検用窓44を開閉可能な第1点検扉46と、第2点検用窓45を開閉可能な第2点検扉47とが設けられている。第1点検用窓44および第2点検用窓45は、外装カバー20の外部と後部ルームRとを連通する開口であり、図1および図11に示すように、左ボンネット20Cに前後に並んで設けられている。第2点検用窓45は、第1点検用窓44の後方に設けられている。
【0043】
第1点検用窓44は、凹没面部43に開設されている。従って、搭乗扉19が全開位置まで開かれたとき、第1点検用窓44は、その全体が搭乗扉19によって覆われる。第1点検扉46は、ヒンジ等によって第1点検用窓44の後側の側枠部44eに枢支連結されており、第1点検用窓44を閉じた閉位置から後方へ開くように構成されている。即ち、第1点検扉46は、第2点検用窓45側へ開くように構成されている。
【0044】
第2点検用窓45は、左ボンネット20Cにおける凹没面部43よりも後方に開設されている。第2点検扉47は、ヒンジ等によって第2点検用窓45の前側の側枠部45eに枢支連結されており、第2点検用窓45を閉じた閉位置から前方へ開くように構成されている。即ち、第2点検扉47は、第1点検用窓44側へ開くように構成されている。また、第2点検用窓45には、外装カバー20の外部と後部ルームRとを連通する複数の通気口48が開設されている。詳しくは、第2点検用窓45を被蓋する第2点検扉47の左右間の中央部前寄りの位置には、横長のスリット状の通気口48が上下方向に複数並んで開設されている。
【0045】
図12に示すように、右ボンネット20Dは、後部ルームRの右側壁の上側略半部を構成するカバー部材であり、具体的な固定構造については図示しないが、支持フレーム25の右側部に対して容易に取り外しできないように固定されている。
【0046】
図11に示すように、左バンパー20Eは、保護機構10の左側面下方(旋回基板21の左方)に設けられるカバー部材であり、旋回基板21に対してボルトによって固定されている。左後部バンパー20Fは、後部ルームRの左側壁の下側略半部を構成するカバー部材であり、旋回基板21に対してボルトによって固定され、バッテリユニット5が配置された空間(後部ルームR)の機体後方側を覆っている。図12に示すように、右後部バンパー20Hは、後部ルームRの右側壁の下側略半部を構成するカバー部材であり、旋回基板21に対してボルトによって固定され、バッテリユニット5が配置された空間(後部ルームR)の機体後方側を覆っている。右バンパー20Iは、保護機構10の右側面下方(旋回基板21の右方)に設けられるカバー部材であり、旋回基板21に対してボルトによって固定されている。なお、図10に示すように、左側部補強部材27Aに設けられた緩衝部材28は、左後部バンパー20Fの内側面に面接触した状態で設けられている。右側部補強部材27Bに設けられた緩衝部材28は、右後部バンパー20Hの内側面に面接触した状態で設けられている。即ち、緩衝部材28は、左側部補強部材27Aの外側面と左後部バンパー20Fの内側面との間隙、および右側部補強部材27Bの外側面と右後部バンパー20Hの内側面との間隙にそれぞれ設けられている。
【0047】
図12に示すように、中央後部バンパー20Gは、後部ルームRの後壁の下側略半部を構成するカバー部材であり、中央部補強部材38の基板部38Aに設けられた第2カバー固定ボス34bに後方から固定ネジによって固定され、バッテリユニット5が配置された空間(後部ルームR)の機体後方側を覆っている。なお、図10に示すように、中央部補強部材38に設けられた緩衝部材39は、中央後部バンパー20Gの内側面に面接触した状態で設けられている。即ち、緩衝部材39は、中央部補強部材38の補強板部38Bの後面と中央後部バンパー20Gの内側面との間隙に設けられている。
【0048】
本実施形態では、外装カバー20を構成する上ボンネット20A、後ボンネット20B、左ボンネット20C、右ボンネット20D、左バンパー20E、左後部バンパー20F、中央後部バンパー20G、右後部バンパー20H、および右バンパー20Iは何れも、衝撃吸収性の高い鋼板(板金)により形成されている。なお、外装カバー20は、衝撃吸収性の高い樹脂材料により形成されてもよい。
【0049】
図14に示すように、旋回台2の後部に設けられた後部ルームRには、バッテリユニット5、電動モータ6、油圧ポンプ7の他、電装品51、ラジエータ52等が設けられている。バッテリユニット5は、旋回基板21の上面部に配置されている。電装品51は、バ
ッテリユニット5の上方に配置されている。即ち、比較的重量が大きいバッテリユニット5は、電装品51よりも下方に配置されており、旋回作業機1の重心を下げている。電動モータ6および油圧ポンプ7は、後部ルームR内におけるバッテリユニット5の右方において、前後方向に並んで配置されている。バッテリユニット5および電装品51は、支持フレーム25で囲まれた内側の空間に配置されている。電動モータ6および油圧ポンプ7は、支持フレーム25の外側右方に配置されている。即ち、図2および図3に示すように、電動モータ6および油圧ポンプ7は、旋回台2の後部における機体幅方向の右側部(第2側部)2Rに配置されている。なお、右側部補強部材27Bは、電動モータ6および油圧ポンプ7の後方に配置されている。
【0050】
バッテリユニット5は、外部電源から充電口41を介して供給される電力を蓄えて、その蓄えた電力を電動モータ6等に出力する充放電型のバッテリであり、例えば、リチウムイオン電池や鉛蓄電池等の二次電池である。本実施形態において、バッテリユニット5は、旋回基板21の上面部に、左右に2つ並べて設けられている。これらバッテリユニット5相互は、並列接続されている。また、図1および図2に示すように、バッテリユニット5は、後部が下部走行体3の後部よりも後方で且つ、旋回台2の中心線Lに対して左寄りに偏心して配置されており、旋回作業機1の重心を後方左寄りにしている。即ち、バッテリユニット5は、作業時に旋回作業機1が前下がりに傾倒するのを抑制するためのウェイトとして機能する。なお、バッテリユニット5の搭載数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0051】
電動モータ6は、バッテリユニット5から出力される電力によって駆動する駆動源であって、後部ルームR内に延設された強電系のハーネス54を介して電装品51に接続されている。本実施形態の電動モータ6は、永久磁石埋込式の三相交流同期モータであり、図示しないが、回転可能なロータ(回転子)と、ロータを回転させるための力を発生させるステータ(固定子)とを有している。なお、電動モータ6は、他の種類の同期モータであってもよいし、交流モータであっても直流モータであってもよい。油圧ポンプ7は、電動モータ6の図示しない駆動軸から伝達された駆動力によって駆動し、作動油を吐出するポンプ装置であって、電動モータ6の前部に連設されている。即ち、油圧ポンプ7は、バッテリユニット5が出力する電力を用いて駆動される。
【0052】
電装品51は、バッテリユニット5に対して直接的または間接的に接続されており、バッテリユニット5から供給される電力を他の機器に伝達、又は当該電力によって動作する機器である。図14に示すように、電装品51は、ジャンクションボックス51A、インバータ51B、およびDC/DCコンバータ51Cを含んでいる。ジャンクションボックス51A、インバータ51B、およびDC/DCコンバータ51Cは、バッテリユニット5の上部に設けられた連結ステー55の上面部に左右方向に並んで配置されている。ジャンクションボックス51Aは、連結ステー55の上面部における左右方向の略中央に配置されている。インバータ51Bは、連結ステー55の上面部におけるジャンクションボックス51Aの左側に配置されている。DC/DCコンバータ51Cは、連結ステー55の上面部におけるジャンクションボックス51Aの右側に配置されている。
【0053】
ジャンクションボックス51Aは、バッテリユニット5やインバータ51Bを含む他の機器に接続されており、バッテリユニット5から供給される電力を他の機器に伝達する。インバータ51Bは、バッテリユニット5から電動モータ6への電力供給経路に設けられ、電動モータ6に出力する電力を調整する。本実施形態において、インバータ51Bは、ジャンクションボックス51Aおよび電動モータ6に接続されている。インバータ51Bは、電動モータ6を駆動させる装置であり、直流電力を三相交流電力に変換して電動モータ6に供給する。インバータ51Bは、電動モータ6に供給する電力の電流や電圧を任意に変更可能である。DC/DCコンバータ51Cは、入力された直流電力の電圧を異なる電圧に変換する。本実施形態において、DC/DCコンバータ51Cは、入力された直流電力の電圧をより低い電圧に変換する降圧コンバータである。DC/DCコンバータ51Cは、後述するサブバッテリ74に電力を供給する。
【0054】
ラジエータ52は、バッテリユニット5、電動モータ6、および電装品51等を冷却す
るための冷媒を冷却する装置であり、詳しくは、ラジエータ52は、図示しないラジエータファンを回転駆動させることによって冷却風を発生させ、ラジエータ52内を流れる冷媒の除熱を行う。なお、上記ラジエータファンによってラジエータ52に導入される空気の一部は、第2点検扉47の通気口48から外装カバー20の内部に取り込まれる。ラジエータ52は、第2延長部25b2の下部に設けられた右フレーム部25rに支持固定されている。
【0055】
ハーネス54は、3本の電線からなる三相交流ケーブル(強電ハーネス)であり、電動モータ6とインバータ51Bとを接続している。ハーネス54の第1端のコネクタ54eは、電動モータ6の後部のハーネス接続部6eに接続されている。一方、図示しないが、ハーネス54の第2端は、連結ステー55の下方からインバータ51Bの下部に接続されている。また、ハーネス54は、複数のクランプ56によって支持フレーム25に支持固定されている。なお、旋回基板21の右後部に設けられた右側立上部26bは、電動モータ6の右後方に立設されており、ハーネス接続部6eおよびコネクタ54eを右後方から保護している。
【0056】
クランプ56は、支持フレーム25の第3脚25cおよび第4脚25dに固定される第1クランプ56Aと、支持フレーム25の右フレーム部25rに固定される第2クランプ56Bとを含んでいる。即ち、支持フレーム25は、後部ルームRの後部に立設された後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)と、後部ルームRの電動モータ6が配置されている側の側部に立設された側フレーム部(右フレーム部)25rとを備えており、第1クランプ56Aは、後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)に固定され、第2クランプ56Bは、側フレーム部(右フレーム部)25rに固定されている。図15および図16に示すように、第1クランプ56Aは、ハーネス54を前後双方(径方向)から挟持する一対の第1押さえ部材57aおよび第2押さえ部材57bと、第1押さえ部材57aおよび第2押さえ部材57bを共に前後双方から挟持する一対の第1固定板58aおよび第2固定板58bと、第1固定板58aおよび第2固定板58b相互を連結固定させる固定ネジ59とを有している。
【0057】
第1押さえ部材57aは、上下方向に長い厚板状の部材であり、ハーネス54の前方に配置される。第1押さえ部材57aの後面部には、左側部から右側部に亘って連続する略半円形状の凹面部61が形成されている。凹面部61は、第1押さえ部材57aの後面部における上下方向の中央部に、上下方向に3つ等間隔に並んで設けられている。第1押さえ部材57aの上下の端部寄りの位置には、第1固定板58aの連結ボス63を挿通させるためのボス挿通孔62が形成されている。第2押さえ部材57bは、第1押さえ部材57aと同一形状の部材であり、第1押さえ部材57aの後面部に、ハーネス54の後方から重ねて配置される。これにより、ハーネス54の3つの電線はそれぞれ、第1押さえ部材57aおよび第2押さえ部材57bの双方の凹面部61によって前後から挟持され、上下に並んだ状態で保持される。本実施形態において、第1押さえ部材57aおよび第2押さえ部材57bは何れも、天然ゴム、合成ゴム等の絶縁性が高い弾性材料によって形成されている。
【0058】
第1固定板58aは、上下方向に長い略矩形平板状の部材であり、第1押さえ部材57aの前面部に配置される。第1固定板58aの後面部には、固定ネジ59を螺合接続させるための連結ボス63が立設されている。連結ボス63は、第1固定板58aの上下の端部寄りの位置にそれぞれ立設されており、第1固定板58aを第1押さえ部材57aの前面部に重ねたときに、第1押さえ部材57aおよび第2押さえ部材57b双方のボス挿通孔62に貫挿される。また、第1固定板58aの前面部には、ハーネス54以外の他のケーブル類を引掛けておくことが可能な略U字状のケーブルフック64が設けられている。第2固定板58bは、上下方向に長い略矩形平板状の部材であり、第2押さえ部材57bの後面部に配置される。また、第2固定板58bの上下の端部寄りの位置には、固定ネジ59のネジ軸を挿通させるためのネジ挿通孔65が形成されており、第1固定板58aの連結ボス63にネジ挿通孔65を通して固定ネジ59を螺合接続させることで、第1固定板58aおよび第2固定板58b相互が連結固定される。また、第2固定板58bの後面部には、クランプ56を所定の取付位置にネジ留め固定させるための固定ボス66が立設されている。
【0059】
図示を省略するが、第2クランプ56Bは、第1クランプ56Aの第1押さえ部材57aおよび第2押さえ部材57b(図15参照)と同一の一対の押さえ部材と、それら押さえ部材を第2クランプブラケット35bの後板部35b2とで前後双方から挟持させる固定板と、後板部35b2に上記固定板を連結固定させる固定ネジとを有している。詳しくは、第2クランプブラケット35bの後板部35b2の後面部には、第1クランプ56Aの第1固定板58a(図15参照)と同様、上記固定ネジを螺合接続させるための連結ボスが立設されている。一方、上記固定板には、第1クランプ56Aの第2固定板58b(図15参照)と同様、上記固定ネジのネジ軸を挿通させるためのネジ挿通孔が形成されており、上記連結ボスにネジ挿通孔を通して固定ネジを螺合接続させることで、上記固定板と第2クランプブラケット35bの後板部35b2とが連結固定される。
【0060】
図14に示すように、第1クランプ56Aは、支持フレーム25の2つの第1クランプブラケット35aの前面部にそれぞれ、後方から締結部材(固定ネジ)67によって固定されており、ハーネス54を第3脚25cおよび第4脚25dの前方において、左右方向に延長する向きで挟持固定している。これにより、ハーネス54は、後部ルームR内における支持フレーム25の後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)よりも前方に、旋回台2の後ボンネット(後部カバー)20Bの内側面に沿って配策される。また、図示しないが、第2クランプ56Bは、支持フレーム25の第2クランプブラケット35bにおける後板部35b2の前面部に、前方から締結部材(固定ネジ)によって固定されており、ハーネス54を右フレーム部25r(電動モータ6のハーネス接続部6eの上方)において、左右方向に延長する向きで挟持固定している。これにより、ハーネス54は、支持フレーム25に対してより安定して支持固定される。
【0061】
図17および図18に示すように、後部ルームRには、電装部品として制御装置71、電装ボックス72、リレーボックス73、サブバッテリ74、およびバッテリアイソレータ75等が設けられている。また、後部ルームRには、気液分離タンク76が設けられている。制御装置71、電装ボックス72、リレーボックス73、サブバッテリ74、バッテリアイソレータ75、および気液分離タンク76は、旋回台2におけるバッテリユニット5の左方に配置されている。即ち、制御装置71、電装ボックス72、リレーボックス73、サブバッテリ74、バッテリアイソレータ75、および気液分離タンク76は、旋回台2の後部における機体幅方向の左側部(第1側部)2Lに配置されている。なお、左側部補強部材27Aは、サブバッテリ74の後方に配置されている。
【0062】
制御装置71は、CPUやメモリ等からなる電子制御装置(ECU)であり、バッテリユニット5の出力動作、電動モータ6の動作、油圧ポンプ7の動作など、旋回作業機1の各部の動作を制御する。図17に示すように、電装ボックス72は、複数のリレーやヒューズを収容するリレーヒューズボックスである。リレーボックス73には、リレーが収容されている。サブバッテリ74は、制御装置71に電力を供給する電源である。バッテリアイソレータ75は、作業中にバッテリユニット5の余った電力でサブバッテリ74を充電させる装置である。気液分離タンク76は、暖房用の熱媒を貯留するタンクである。制御装置71、電装ボックス72、リレーボックス73、サブバッテリ74、およびバッテリアイソレータ75は、後部ルームR内に延設された弱電系のハーネス77を介して各機器に接続されている。気液分離タンク76は、後部ルームRから前方(運転席8の下方の空間)に延設された温水循環経路78を介して図示しない循環ポンプに接続されている。
【0063】
図18に示すように、制御装置71、電装ボックス72、およびリレーボックス73は、共通の電装ブラケット80を介して支持フレーム25の左フレーム部に取り付けられている。電装ブラケット80は、厚板鋼板等により形成された板状の枠体であり、板面を左右方向に向けた姿勢で、支持フレーム25の左フレーム部に設けられた連結フランジ37aに固定されている。制御装置71、電装ボックス72、およびリレーボックス73、および気液分離タンク76は何れも、電装ブラケット80の左側面(外装カバー20側の面)に固定されている。
【0064】
図19に示すように、電装ブラケット80は、制御装置71の取付部となる第1取付部80Aと、電装ボックス72の取付部となる側方視略矩形状の第2取付部80Bと、リレーボックス73の取付部となる側方視略矩形状の第3取付部80Cとを有している。第1取付部80Aは、側方視略矩形板状に形成されている。第1取付部80Aの中央には、略長方形状の開口部81aが設けられている。第1取付部80Aの左側面(第1側面)には、複数のネジ受ボス82が設けられている。本実施形態において、ネジ受ボス82は、第1取付部80Aの左側面における開口部81aよりも外側に4つ上下左右方向にそれぞれ離間して立設されており、それらネジ受ボス82に制御装置71がネジ留め固定されている。なお、第1取付部80Aは、右側面(第2側面)にも複数のネジ受ボス83が設けられており、図18に示すように、左側面(第1側面)の制御装置71とは別の制御装置71をネジ留め固定することができる。即ち、本実施形態において、第1取付部80Aは、左右両面に制御装置71を取り付け可能な取付部としてネジ受ボス82,83が設けられている。本実施形態において、ネジ受ボス83は、第1取付部80Aの右側面における開口部81aよりも外側に2つ離間して立設されており、それらネジ受ボス83に制御装置71がネジ留め固定されている。
【0065】
第2取付部80Bは、上縁部84aおよび下縁部84bがそれぞれ左方に向かって折り曲げられた側方視略矩形板状に形成されている。上縁部84aおよび下縁部84b相互の間隔は、電装ボックス72の本体部の上下幅と略一致する寸法に設定されている。第2取付部80Bの中央には、略長方形状の開口部81bが設けられている。上縁部84aおよび下縁部84bの左端には、電装ボックス72を嵌合保持する嵌合部として複数の嵌合フランジ85が設けられている。本実施形態において、嵌合フランジ85は、上縁部84aの端縁(左端)、および下縁部84bの端縁(左端)にそれぞれ、前後方向に2つ間隔をあけて立設されている。嵌合フランジ85は、電装ボックス72の上下の周壁外側面に設けられたフランジ受部86に嵌挿され、これにより、電装ボックス72は、第2取付部80Bに保持固定される。なお、第1取付部80Aは、第2取付部80Bの下縁部84bに連設されている。従って、制御装置71は、電装ボックス72の下方に配置される。また、図17に示すように、電装ボックス72のフランジ受部86は、上下の周壁外側面にそれぞれ、前後方向に2つ間隔をあけて設けられている。
【0066】
図19に示すように、第3取付部80Cは、第2取付部80Bの上縁部84aの左端から上方に向かって折り曲げられた板片であり、その左側面にリレーボックス73がネジ留め固定される。第3取付部80Cは、第2取付部80Bの上縁部84aにおける後側の嵌合フランジ85よりも後方に設けられている。従って、図17に示すように、リレーボックス73は、電装ボックス72の後上方に配置される。
【0067】
このように、電装ブラケット80は、支持フレーム25に対して制御装置71を支持固定させる機能と、電装ボックス72を支持固定させる機能と、リレーボックス73を支持固定させる機能とを兼備しており、部材の兼用化が図られている。
【0068】
図示しないが、旋回基板21の上面部における支持フレーム25の第5脚25eの後方には、バッテリステーが設けられており、サブバッテリ74は、上記バッテリステーの上面部に固定されている。なお、旋回基板21の左後部の左側立上部26aは、上記バッテリステーの左側部および後部を囲うように立設されており、サブバッテリ74を左後方から保護している。図17および図18に示すように、バッテリアイソレータ75は、第5脚25eの後部に設けられた第1連結ブラケット37bにネジ留め固定されている。即ち、バッテリアイソレータ75は、サブバッテリ74の上方に配置される。気液分離タンク76は、第1脚25aの後部における第1横桟25hの上方に設けられた第2連結ブラケット37cにネジ留め固定されている。バッテリアイソレータ75は、電装ボックス72の上方で、且つリレーボックス73の前方に配置される。
【0069】
図20および図21に示すように、制御装置71は、左ボンネット20C(第1側部カバー)の下側に設けられた左後部バンパー20F(下部カバー)の内側に配置されている。また、図21に示すように、制御装置71は、左後部バンパー20Fの内側における第1点検用窓44の下方に配置されている。このように、制御装置71は、第1点検扉46を開いても外部に露出せず、第1点検用窓44から容易にアクセスできない位置に設けられている。
【0070】
一方、図20に示すように、電装ボックス72、リレーボックス73、および気液分離タンク76は、左ボンネット20C(第1側部カバー)の内側に、第1点検用窓44に臨んで配置されている。これにより、電装ボックス72、リレーボックス73、および気液分離タンク76は、第1点検扉46を開くことによって目視確認することができる。また、第1点検用窓44から電装ボックス72およびリレーボックス73内のリレー等の点検、交換、気液分離タンク76内の熱媒の容量確認、補充等の作業を行うことも可能となる。即ち、電装ボックス72、リレーボックス73、および気液分離タンク76は、第1点検扉46を開くことによって、第1点検用窓44から容易にアクセスできるようになる。
【0071】
また、図21に示すように、バッテリアイソレータ75は、左ボンネット20C(第1側部カバー)の内側における第2点検用窓45に臨んで配置されている。これにより、バッテリアイソレータ75は、第2点検扉47を開くことによって目視確認することができる。また、第2点検用窓45からバッテリアイソレータ75の点検、交換の作業を行うことも可能となる。即ち、バッテリアイソレータ75は、第2点検扉47を開くことによって、第2点検用窓45から容易にアクセスできるようになる。
【0072】
サブバッテリ74は、左後部バンパー20F(下部カバー)の内側における第2点検用窓45の下方に配置されている。このように、サブバッテリ74は、第2点検扉47を開いても外部に露出しない位置に設けられている。なお、図17に示すように、サブバッテリ74は、本体上部に接続端子74eが設けられており、接続端子74eの配設面が上向きとなる姿勢で、旋回基板21の上部に取り付けられている。従って、サブバッテリ74は、図21に示すように、第2点検扉47を開き、第2点検用窓45から左後部バンパー20Fの内側下方を覗きこむことによって目視確認することができる。また、第2点検用窓45から接続端子74eに対して電圧測定器のリード端子を接続する等の作業をすることも可能となる。即ち、サブバッテリ74は、第2点検扉47を開くことによって、第2点検用窓45からアクセスできるようになる。
【0073】
<他の実施形態>
上記実施形態では、側部補強部材(左側部補強部材27Aおよび右側部補強部材27B)は、一枚の板材によって形成されているが、中央部補強部材38と同様、基板部および補強板部によって二重板構造に構成されたものとしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、側部補強部材(左側部補強部材27Aおよび右側部補強部材27B)は、旋回基板21の左右後部の立上部(左側立上部26aおよび右側立上部26b)にネジ留め固定されているが、旋回台2に対する左右後方からの衝撃負荷を適切に吸収することが可能であれば、側部補強部材(左側部補強部材27Aおよび右側部補強部材27B)は、外装カバー20の内側に固定されてもよい。
【0075】
詳しくは、例えば、図22に示すように、右後部バンパー20Hの内側面(カバー内側面)90には、上下に長い平板状の2つの支持リブ91が溶接固定されている。支持リブ91は、カバー内側面90における右前方位置および左後方位置に立設されている。右側部補強部材27Bは、厚板鋼板等を略円弧状に屈曲して形成された板材であって、外側面(円弧外周面)をカバー内側面90に対向させた状態で、2つの支持リブ91に支持固定されている。右側部補強部材27Bの前端縁92は、前側の支持リブ91の後面に当接し、溶接により固定されている。一方、右側部補強部材27Bの後端縁93は、後側の支持リブ91の右側面に当接し、溶接により固定されている。右側部補強部材27Bは、上記のように2つの支持リブ91に対して固定されることで、外側面とカバー内側面90との間に所定の間隙94が画成されている。また、間隙94には、上記実施形態と同様の緩衝部材28が設けられている。これにより、旋回台2に対する右後方からの衝撃負荷を効果的に吸収することができる。左側部補強部材27Aは、右側部補強部材27Bと略左右対称に構成されている。これにより、旋回台2に対する左後方からの衝撃負荷を効果的に吸収することができる。
【0076】
また、上記実施形態では、中央部補強部材38は、支持フレーム25の後フレーム部(
第3脚25cおよび第4脚25d)にネジ留め固定されているが、旋回台2に対する後方からの衝撃負荷を適切に吸収することが可能であれば、中央部補強部材38は、外装カバー20の内側に固定されてもよい。
【0077】
詳しくは、例えば、図23に示すように、中央部補強部材38は、上記実施形態と同様、基板部38Aと、補強板部(図示せず)とを有している。基板部38Aは、厚板鋼板等の上下の縁部を略直角に屈曲して形成された板材であって、当該屈曲縁部の端縁95をそれぞれ、中央後部バンパー20Gの内側面(カバー内側面)96に当接させ、溶接により固定させている。また、図示しないが、上記補強板部の後面部とカバー内側面90との間には、所定の間隙が画成されている。さらに当該間隙には、上記実施形態と同様の緩衝部材28が設けられている。これにより、旋回台2に対する後方からの衝撃負荷を効果的に吸収することができる。
【0078】
<効果>
このように、上記実施形態の旋回作業機1は、旋回台2と、旋回台2の前側に設けられる作業装置4と、電装ボックス72を含む第1電装部品と、サブバッテリ74を含む第2電装部品と、を備え、第1電装部品および第2電装部品は、旋回台2の第1側部2Lに配置され、第1側部2Lの外装カバー20である第1側部カバー20Cは、第1電装部品の点検を可能とする第1点検用窓44と、第2電装部品の点検を可能とする第2点検用窓45とを備えている。
【0079】
この構成によれば、作業者が電装ボックス72やサブバッテリ74等の電装部品に対して、旋回台2の外部から第1点検用窓44および第2点検用窓45を通じて容易にアクセスすることができるから、メンテナンス性が格段に向上する。
【0080】
また、第1点検用窓44および第2点検用窓45は、第1側部カバー20Cに前後に並んで設けられている。この構成によれば、旋回台2の同一側部(第1側部)2Lにて作業者が電装ボックス72やサブバッテリ74等の電装部品にアクセスすることができるから、メンテナンス性が一層向上する。
【0081】
また、第1側部カバー20Cは、第1点検用窓44を開閉可能な第1点検扉46と、第2点検用窓45を開閉可能な第2点検扉47とを備え、第1点検扉46は、第1点検用窓44の第2点検用窓45側の側枠部44eに枢支され、第2点検扉47は、第2点検用窓45の第1点検用窓44側の側枠部45eに枢支されている。この構成によれば、前側の点検扉(例えば、第1点検扉46)は、後側(第2点検用窓45側)へ開くことができるから、前側の点検用窓(例えば、第1点検用窓44)に対して作業者が旋回台2の第1側部2L側の前方からアクセスし易い。一方、後側の点検扉(例えば、第2点検扉47)は、前側(第1点検用窓44側)へ開くことができるから、後側の点検用窓(例えば、第2点検用窓45)に対して作業者が旋回台2の後方からアクセスし易い。
【0082】
さらに、上記実施形態の旋回作業機1は、旋回台2に設けられる運転席8と、第1側部2Lに搭乗口18を有し、且つ運転席8を収容する保護機構10と、を備え、第1点検用窓44および第2点検用窓45は、搭乗口18の後方に設けられている。この構成によれば、運転席8に搭乗していた作業者は、搭乗口18から降りた後、速やかに第1点検用窓44および第2点検用窓45にアクセスできるから、メンテナンス性が一層向上する。
【0083】
また、保護機構10は、搭乗口18を開閉可能な搭乗扉19を有し、搭乗扉19は、搭乗口18を閉じた閉位置から後方へ開くように構成され、第1側部カバー20Cは、全開位置まで開かれた搭乗扉19との干渉を回避するための凹没面部43を備え、第2点検用窓45は凹没面部43よりも後方に設けられ、第1点検用窓44は凹没面部43に設けられている。この構成によれば、搭乗扉19を全開位置まで開いていても、作業者は、第2点検用窓45を通じてサブバッテリ74等の電装部品にアクセスすることができるから、メンテナンス性が一層向上する。しかも、この構成によれば、搭乗扉19を全開位置まで開いたとき、第1点検用窓44が搭乗扉19によって第1側部2L側から覆われるから、搭乗扉19を開いた状態で、作業者が電装ボックス72等の電装部品にアクセスするのを抑制できる。
【0084】
また、第2点検用窓45は、第1側部カバー20Cの内外を連通する通気口48を備え
ている。この構成によれば、第2点検用窓45の第2点検扉47に開設された通気口48を通じてサブバッテリ74等の電装部品に外気を導入したり、サブバッテリ74等の電装部品の周辺の熱気を旋回台2の外部に放出したりすることができる。
【0085】
また、暖房用の熱媒を貯留する気液分離タンク76を備え、気液分離タンク76は、旋回台2の第1側部2Lに第1点検用窓44に臨んで配置されている。この構成によれば、作業者が気液分離タンク76に対しても、旋回台2の外部から第1点検用窓44を通じて容易にアクセスすることができる。
【0086】
また、第1側部カバー20Cは、旋回台2に立設される支持フレーム25に取り外し可能に固定されている。この構成によれば、第1点検用窓44や第2点検用窓45からでは作業が困難な場合に、第1側部カバー20Cを取り外して、旋回台2の内部の電装部品にアクセスすることができるから、メンテナンス性がより一層向上する。
【0087】
また、旋回台2の上部カバー20Aは、支持フレーム25に取り外し可能に固定され、第1側部カバー20Cと支持フレーム25との上固定部33は、上部カバー20Aによって上方から覆われる位置に設けられている。この構成によれば、第1側部カバー20Cを支持フレーム25から取り外すにあたり、先に上部カバー20Aを支持フレーム25から取り外す必要があるから、意図しない第三者による旋回台2内部へのアクセスを防止できる。
【0088】
さらに、上記実施形態の旋回作業機1は、バッテリユニット5と、バッテリユニット5が出力する電力によって駆動する電動モータ6と、電動モータ6の駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプ7とを備えており、電力によって駆動する旋回作業機1を実現できる。
【0089】
また、上記実施形態の旋回作業機1は、旋回台2と、バッテリユニット5と、バッテリユニット5が出力する電力を用いて駆動される、旋回台2の前側に設けられた作業装置4と、バッテリユニット5から出力される電力を制御する制御装置71と、電装品を収容する電装ボックス72と、を備え、制御装置71および電装ボックス72は、旋回台2に立設された支持フレーム25に共通のブラケット(電装ブラケット)80を介して取り付けられている。
【0090】
この構成によれば、制御装置71や電装ボックス72を予めブラケット80に取り付けた状態で旋回台2の支持フレーム25に取り付けることができるから、組立性が格段に向上する。しかも、このものでは、制御装置71や電装ボックス72毎に別々のブラケットを必要としないから、部品点数や組立工数も低減できる。
【0091】
また、ブラケット80は、制御装置71を支持する第1取付部80Aと、電装ボックス72を支持する第2取付部80Bと、を備え、第1取付部80Aは、第2取付部80Bの下部に設けられている。この構成によれば、点検や交換等のメンテナンスの実施頻度が高い電装ボックス72を、作業者が作業し易い支持フレーム25の上位に配置し、メンテナンスの実施頻度が低い制御装置71を支持フレーム25の下位に配置することができるから、メンテナンス性も向上する。
【0092】
また、第2取付部80Bは、電装ボックス72を嵌合保持する嵌合部(嵌合フランジ)85を備えている。この構成によれば、ブラケット80に対して電装ボックス72を固定ネジなどの固定部材で固定するよりも容易に固定保持させることができるから、組立性およびメンテナンス性が一層向上する。また、部品点数や組立工数も一層低減できる。
【0093】
さらに、上記実施形態の旋回作業機1は、リレーを収容するリレーボックス73を備え、ブラケット80は、リレーボックス73を支持する第3支持部80Cを備えている。この構成によれば、リレーボックス73についても、制御装置71および電装ボックス72と共にブラケット80に取り付けた状態で旋回台2の支持フレーム25に取り付けることができるから、組立性が一層向上する。また、部品点数や組立工数も一層低減できる。
【0094】
また、第1取付部80Aは、第1側部(左側面)および第2側部(右側面)にそれぞれ制御装置71を取り付け可能な取付部(ネジ受ボス)82,83を備えている。この構成によれば、複数の制御装置71を電装ボックス72と共にブラケット80に取り付けた状態で旋回台2の支持フレーム25に取り付けることができるから、組立性が一層向上する
。また、部品点数や組立工数も一層低減できる。
【0095】
また、制御装置71および電装ボックス72は、旋回台2の第1側部(左側部)2Lに配置されている。この構成によれば、電装ボックス72の点検や交換等のメンテナンス作業を行う際に、作業者の周辺に比較的広い作業空間を確保できるから、メンテナンス性が向上する。
【0096】
また、旋回台2の第1側部カバー(左ボンネット)20Cは、電装ボックス72の点検を可能とする点検用窓(第1点検用窓)44を備えている。この構成によれば、作業者が電装ボックス72に対して、旋回台2の外部から点検用窓44を通じてアクセスすることができるから、メンテナンス性が格段に向上する。
【0097】
また、旋回台2の第1側部カバー(左ボンネット)20Cは、支持フレーム25に取り外し可能に固定され、電装ボックス72は、第1側部カバー20Cの内側に配置されている。この構成によれば、第1側部カバー20Cを支持フレーム25から取り外すことで、電装ボックス72の点検や交換等のメンテナンス作業を行うことができるから、メンテナンス性が向上する。
【0098】
また、旋回台2の上部カバー(上ボンネット)20Aは、支持フレーム25に取り外し可能に固定され、第1側部カバー(左ボンネット)20Cを固定させる支持フレーム25の上固定部(第3カバーフランジ)33cは、上ボンネット20Aによって上方から覆われる位置に設けられている。この構成によれば、第1側部カバー20Cを支持フレーム25から取り外すにあたり、先に上部カバー20Aを支持フレーム25から取り外す必要があるから、意図しない第三者による制御装置71へのアクセスを制限できる。
【0099】
また、制御装置71は、第1側部カバー(左ボンネット)20Cの下側に設けられた下部カバー(左後部バンパー)20Fの内側に対向して配置されている。この構成によれば、第1側部カバー20Cが支持フレーム25から取り外されても、制御装置71は、旋回台2の外部に露出しないから、意図しない第三者による制御装置71へのアクセスをより効果的に制限できる。
【0100】
さらに、上記実施形態の旋回作業機1は、バッテリユニット4が出力する電力によって駆動する電動モータ6と、電動モータ6の駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプ7と、上記作動油の油圧によって駆動され、作業装置4を動作させる油圧アクチュエータMと、を備え、制御装置71は電動モータ6の動作を制御する。即ち、上記実施形態の旋回作業機1は、電力によって作動装置4を油圧駆動させる旋回作業機1において、部品点数や組立工数の低減を図ることができる。
【0101】
また、上記実施形態の旋回作業機1は、旋回台2と、旋回台2の前側に設けられる作業装置4と、バッテリユニット5と、バッテリユニット5が出力する電力によって駆動する電動モータ6と、電動モータ6の駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプ7と、電動モータ6に出力する電力を調整するインバータ51Bと、インバータ51Bと電動モータ6とを接続する送電用のハーネス54と、バッテリユニット5、電動モータ6、油圧ポンプ7、インバータ51B、およびハーネス54を覆う外装カバー20と、旋回台2に立設され、且つ外装カバー20を支持する支持フレーム25と、を備え、ハーネス54は、支持フレーム25に固定されている。
【0102】
この構成によれば、ハーネス54が作業時の振動によって揺れ動いて、バッテリユニット5やインバータ51B等の部品に干渉したり、外部衝撃が直接的に加わったりし難いから、ハーネス54の損傷を回避可能な構成を実現できる。
【0103】
また、ハーネス54は、旋回台2の後部カバー(後ボンネット)20Bの内側面に沿って配策されている。この構成によれば、旋回台2に対してハーネス54を、複雑なルートを通らないで効率良く配策することができる。また、ハーネス54がバッテリユニット5等に一層干渉し難いから、ハーネス54の損傷も効果的に回避できる。
【0104】
また、バッテリユニット5は、旋回台2の後部に設けられた後部ルームRに配置されており、支持フレーム25は、後部ルームRの後部に立設された後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)を備え、ハーネス54は、後部ルームR内における後フレーム部
(第3脚25cおよび第4脚25d)よりも前方に配策されている。この構成によれば、旋回台2に後方から外部衝撃が加わっても、その衝撃は、支持フレーム25によって分散され、ハーネス54に直接的に伝わり難いから、ハーネス54の損傷をより効果的に回避できる。
【0105】
また、バッテリユニット5は、旋回台2の後部に配置され、電動モータ6は、旋回台2におけるバッテリユニット5の側方に配置され、インバータ51Bは、バッテリユニット5の上方に配置され、ハーネス54は、インバータ51Bからバッテリユニット5の後上方を通って電動モータ6まで配策されている。この構成によれば、ハーネス54をインバータ51Bから電動モータ6までより最適なルートで配策することができる。また、ハーネス54がバッテリユニット5等に干渉し難いから、ハーネス54の損傷も効果的に回避できる。
【0106】
また、ハーネス54は、旋回台2に立設された支持フレーム25にクランプ56を介して固定されている。この構成によれば、ハーネス54が支持フレーム25に対してより安定して固定されるから、バッテリユニット5等に干渉し難く、ハーネス54の損傷をより確実に回避できる。
【0107】
また、バッテリユニット5は、旋回台2の後部に設けられた後部ルームRに配置され、電動モータ6は、後部ルームR内におけるバッテリユニット5の側方に配置されており、支持フレーム25は、後部ルームRの後部に立設された後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)と、後部ルームRの電動モータ6が配置されている側の側部に立設された側フレーム部(右フレーム部)25rと、を備え、クランプ56は、後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)に固定される第1クランプ56Aと、側フレーム部(右フレーム部)25rに固定される第2クランプ56Bとを含んでいる。この構成によれば、ハーネス54は、支持フレーム25の後部から電動モータ6側に向かって配策された状態で、支持フレーム25に対して強固に固定されるから、バッテリユニット5等に干渉し難く、ハーネス54の損傷をより確実に回避できる。
【0108】
また、第1クランプ56Aは、後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)のクランプ取付部(クランプブラケット)35aに後方から締結部材(固定ネジ)67により固定されている。この構成によれば、第1クランプ56Aを支持フレーム25の後方から着脱することができるから、組立性が向上する。
【0109】
また、後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)は、旋回台2の後部に左右に離間して一対立設され、第1クランプ56Aは、左右両側の後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)にそれぞれ設けられている。この構成によれば、旋回台2の後部においてハーネス54を左右方向に延長した姿勢で安定して固定させることができるから、ハーネス54がバッテリユニット5等に一層干渉し難い。よって、ハーネス54の損傷をより確実に回避できる。
【0110】
また、クランプ56は、ハーネス54の外周面に径方向から対向して当接する一対の押さえ部材57a,57bを備え、押さえ部材57a,57bは、弾性材料により形成されている。この構成によれば、支持フレーム25に対してハーネス54がより強固に固定されるから、バッテリユニット5等に干渉し難く、ハーネス54の損傷をより確実に回避できる。
【0111】
また、押さえ部材57a,57bは、当該外周面に沿って当接する凹面部61を備えている。この構成によれば、クランプ56によってハーネス54がより強固に固定保持されるから、支持フレーム25に対してハーネス54をより安定して固定することができる。
【0112】
また、凹面部61は、上下に複数並んで設けられており、クランプ56は、ハーネス54を構成する複数の電線を凹面部61により上下方向に離間して固定している。この構成によれば、ハーネス54の複数の電線がクランプ56によって上下に離間して並べて固定保持されるから、上記電線相互の干渉による損傷も確実に回避できる。
【0113】
また、上記実施形態の旋回作業機1は、旋回台2と、旋回台2の後部に配置されるバッテリユニット5と、旋回台2の前側に設けられ、バッテリユニット5が出力する電力を用いて駆動される作業装置4と、旋回台2の後部に設けられ、バッテリユニット5が配置さ
れた空間の機体後方側を覆う後部外装カバー(左後部バンパー20F、中央後部バンパー20G、右後部バンパー20H)と、後部外装カバー(左後部バンパー20F、中央後部バンパー20G、右後部バンパー20H)の機体内方側に設けられ、外力による後部外装カバー(左後部バンパー20F、中央後部バンパー20G、右後部バンパー20H)の機体内方側への変形を抑制する補強部材(左側部補強部材27A、右側部補強部材27B、中央部補強部材38)と、を備えている。
【0114】
この構成によれば、旋回台2の後部に外部衝撃が加わっても、その衝撃負荷は、補強部材20F,20G,20Hで吸収して分散されるから、後部外装カバー20F,20G,20Hの変形を抑制できると共に、バッテリユニット5等の旋回台2に搭載された機器への衝撃負荷を低減することもできる。
【0115】
さらに、上記実施形態の旋回作業機1は、補強部材(左側部補強部材27A、右側部補強部材27B、中央部補強部材38)と後部外装カバー(左後部バンパー20F、中央後部バンパー20G、右後部バンパー20H)との間に緩衝部材28,39が設けられている。この構成によれば、旋回台2の後部に加わった衝撃負荷をさらに緩衝部材28,39によって吸収することができるから、後部外装カバー20F,20G,20Hの変形を抑制できると共に、旋回台2に搭載された機器への衝撃負荷も一層低減できる。
【0116】
また、後部外装カバー(左後部バンパー20F、中央後部バンパー20G、右後部バンパー20H)は、板金または樹脂により形成されている。この構成によれば、旋回台2の後部に加わった衝撃負荷を後部外装カバー20F,20G,20Hによって吸収することができるから、旋回台2に搭載された機器への衝撃負荷を一層低減できる。
【0117】
また、補強部材は、旋回台2の後部の機体幅方向(左右方向)略中央に配置される中央部補強部材38と、旋回台2の後部に機体幅方向(左右方向)に離間して配置される一対の側部補強部材27A,27Bと、を含んでいる。この構成によれば、旋回台2の後部に対してその中央後方や左右の後方から加わった衝撃負荷を、中央部補強部材38および側部補強部材27A,27Bによって吸収分散させることができるから、旋回台2に搭載された機器への衝撃負荷を一層低減できる。
【0118】
さらに、上記実施形態の旋回作業機1は、旋回台2に立設され、且つ後部外装カバー(左後部バンパー20F、中央後部バンパー20G、右後部バンパー20H)を支持する支持フレーム25を備え、中央部補強部材38は、支持フレーム25の後部に固定されている。この構成によれば、旋回台2の後部中央に対してその後方から加わった衝撃負荷を、中央部補強部材38で吸収して支持フレーム25に分散させることができるから、旋回台2に搭載された機器への衝撃負荷をより確実に低減できる。
【0119】
また、支持フレーム25は、旋回台2においてバッテリユニット5の後方に立設された後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)を有し、中央部補強部材38は、後フレーム部(第3脚25cおよび第4脚25d)の後部に固定され、且つバッテリユニット5の後方に配置されている。この構成によれば、旋回台2の後部中央に対してその後方から加わった衝撃負荷を、中央部補強部材38で受けて支持フレーム25の後フレーム部25c,25dに分散させることができるから、旋回台2の後部に配置されたバッテリユニット5への衝撃負荷をより確実に低減できる。
【0120】
また、補強部材(左側部補強部材27A、右側部補強部材27B、中央部補強部材38)は、所定の配設部に固定される基板部38Aと、基板部38Aの後部に重ねて設けられる補強板部38Bと、を備えている。この構成によれば、旋回台2に加わった衝撃負荷を基板部38Aおよび補強板部28Bによって吸収分散させることができるから、旋回台2に搭載された機器への衝撃負荷を一層低減できる。
【0121】
また、側部補強部材(左側部補強部材27Aおよび右側部補強部材27B)は、旋回台2の左右の後コーナー部に立設された立上部(左側立上部26aおよび右側立上部26b)にそれぞれ固定されている。この構成によれば、旋回台2に対して左右の後方から加わった衝撃負荷を、左右の側部補強部材27A,27Bで吸収し、立上部26a,26bを介して旋回台2に分散させることができるから、旋回台2に搭載された機器への衝撃負荷をより確実に低減できる。
【0122】
また、旋回台2の後部における機体幅方向の第1側部(左側部)2Lにサブバッテリ74が配置され、機体幅方向の第1側方(左側方)の側部補強部材(左側部補強部材)27Aは、サブバッテリ74の後方に配置されている。この構成によれば、旋回台2に対して第1側方(左側方)から加わった衝撃負荷を、第1側方の側部補強部材27Aで吸収して分散されるから、旋回台2の第1側部2Lに配置されたサブバッテリ74への衝撃負荷をより確実に低減できる。
【0123】
また、上記実施形態の旋回作業機1は、バッテリユニット5が出力する電力によって駆動する電動モータ6を備え、電動モータ6は、旋回台2の後部における機体幅方向の第2側部(右側部)2Rに配置され、機体幅方向の第2側方(右側方)の側部補強部材(右側部補強部材)27Bは、電動モータ6の後方に配置されている。この構成によれば、旋回台2に対して第2側方(右側方)から加わった衝撃負荷を、第2側方の側部補強部材27Bで吸収して分散されるから、旋回台2の第2側部2Rに配置された電動モータ6への衝撃負荷をより確実に低減できる。
【0124】
さらに、上記実施形態の旋回作業機1は、電動モータ6の駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプ7と、上記作動油の油圧によって駆動され、作業装置4を動作させる油圧アクチュエータMと、を備え、油圧ポンプ7は、上記第2側部(右側部)2Rに配置され、第2側方(右側方)の側部補強部材(右側部補強部材)27Bは、電動モータ6および油圧ポンプ7の後方に配置されている。この構成によれば、旋回台2に対して第2側方(右側方)から加わった衝撃負荷を、第2側方の側部補強部材27Bで吸収して分散されるから、旋回台2の第2側部2Rに配置された電動モータ6および油圧ポンプ7への衝撃負荷をより確実に低減できる。
【0125】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、上述した実施形態では、本発明をバックホー等の旋回作業機に適用する場合の例について説明したが、本発明の適用対象はこれに限らず、例えば、ホイールローダ、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ等の他の建設機械に適用してもよく、トラクター、コンバイン、田植機、芝刈機等の農業機械に適用してもよい。
【符号の説明】
【0126】
1 旋回作業機
2 旋回台
4 作業装置
5 バッテリユニット
6 電動モータ
7 油圧ポンプ
10 保護機構
20 外装カバー
25 支持フレーム
51B インバータ
54 ハーネス
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