(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150764
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】旋回作業機
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
E02F9/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060025
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 準起
(72)【発明者】
【氏名】伊達 正光
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼岡 祐弥
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015BA00
2D015CA00
(57)【要約】
【課題】旋回作業機の生産性を向上させる。
【解決手段】旋回作業機は、旋回台と、旋回台に設けられた作業装置と、冷却ユニットCUと、を備え、冷却ユニットCUは、開口部を有する枠体98と、枠体98の一方面側における前記開口部に対応する位置に取り付けられた熱交換器CAと、熱交換器CAに対して枠体98と反対側の位置に吸気側を熱交換器CA側に向けて配置されたファンユニットFUと、ファンユニットFUからの排気を案内するシュラウド110と、が一体化されたユニットであり、冷却ユニットCUは、旋回台2に立設された支持フレーム35に設けられた固定ブラケット37に取り付けられる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回台と、
前記旋回台に設けられた作業装置と、
冷却ユニットと、
を備え、
前記冷却ユニットは、開口部を有する枠体と、前記枠体の一方面側における前記開口部に対応する位置に取り付けられた熱交換器と、前記熱交換器に対して前記枠体と反対側の位置に吸気側を前記熱交換器側に向けて配置されたファンユニットと、前記ファンユニットからの排気を案内するシュラウドと、が一体化されたユニットであり、
前記冷却ユニットは、前記旋回台に立設された支持フレームに設けられた固定ブラケットに取り付けられる旋回作業機。
【請求項2】
前記固定ブラケットは、前記冷却ユニットの取付作業のときに、当該冷却ユニットが仮置きされる仮置き部を有している請求項1に記載の旋回作業機。
【請求項3】
前記仮置き部は、仮置きされた前記冷却ユニットの高さ位置が、前記固定ブラケットへの前記冷却ユニットの取付高さに一致する位置に設けられている請求項2に記載の旋回作業機。
【請求項4】
前記枠体は、前記冷却ユニットが前記固定ブラケットに締結部材によって固定される固定部を備え、
前記固定部は、前記冷却ユニットの排気側から見た場合に、前記熱交換器、前記ファンユニット及び前記シュラウドに重複しない箇所に設けられている請求項1~3の何れか1項に記載の旋回作業機。
【請求項5】
前記熱交換器は、冷却対象機器を冷却するための冷却水を冷却するラジエータと、前記作業装置を駆動させる作動油を冷却するオイルクーラとを含み、
前記ファンユニットは、前記ラジエータを冷却するラジエータファンと、前記オイルクーラを冷却するオイルクーラファンと、前記ラジエータファン及び前記オイルクーラファンが並べて取り付けられる取付枠とを含み、
前記ラジエータと前記オイルクーラとが前記枠体の開口部に対して並列に並べて取り付けられ、
前記ラジエータファンの吸気側が前記ラジエータに対向し、且つ、前記オイルクーラファンの吸気側が前記オイルクーラに対向する状態で前記ファンユニットが前記枠体の一方面側に取り付けられ、
前記シュラウドは、前記ラジエータファンと前記オイルクーラファンとの両方を囲むように前記ファンユニットの前記取付枠に取り付けられている請求項1~4の何れか1項に記載の旋回作業機。
【請求項6】
前記冷却ユニットは、前記ラジエータに接続された冷却水用ホース、及び、前記オイルクーラに接続された作動油用ホースの少なくとも一方が取り付けられている請求項5に記載の旋回作業機。
【請求項7】
前記枠体の一方面側とは反対の他方面側には、前記ファンユニットによって吸引される空気中の塵芥を捕捉するフィルタが装着される被装着部が設けられている請求項5に記載の旋回作業機。
【請求項8】
前記フィルタは、前記ラジエータ用の第1フィルタと、前記オイルクーラ用の第2フィルタとを含み、
前記被装着部には、前記第1フィルタと前記第2フィルタとが前記枠体の開口部に対して並列に並べて配置されている請求項7に記載の旋回作業機。
【請求項9】
前記冷却ユニットは、吊り具が取り付けられる取付部を有している請求項1~8の何れか1項に記載の旋回作業機。
【請求項10】
バッテリユニットと、
前記バッテリユニットが出力する電力によって駆動する電動モータと、
前記電動モータによって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプと、
を備え、
前記電動モータ及び前記油圧ポンプは、前記バッテリユニットの側方に配置され、
前記冷却ユニットは、前記バッテリユニットの側方、且つ前記油圧ポンプ及び前記電動モータの上方に配置されている請求項1~9の何れか1項に記載の旋回作業機。
【請求項11】
前記冷却ユニット、前記バッテリユニット、前記電動モータ、及び前記油圧ポンプを覆う外装カバーと、
前記外装カバーに対して開閉可能に設けられ、排気部を有する点検扉と、
を備え、
前記ファンユニットは、前記外装カバーが形成する空間から幅方向外方に、前記排気部を介して空気を排出する請求項10に記載の旋回作業機。
【請求項12】
前記旋回台において機器が配置される空間を形成する外装カバーと、
前記外装カバーに開閉可能に設けられ、排気部を有する点検扉と、を備え、
前記点検扉が閉状態にされると、前記シュラウドにおける前記排気部側の先端開口縁部が当該点検扉の前記排気部を囲む位置に当接することにより、前記ファンユニットにより生じた冷却風を前記排気部に案内するダクトが形成される請求項1~11の何れか1項に記載の旋回作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の旋回作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された旋回作業機は、旋回台と、旋回台の前側に設けられた作業装置と、バッテリユニットと、バッテリユニットが出力する電力によって駆動する電動モータと、電動モータの駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプと、バッテリユニットが出力する電力によって駆動するラジエータファン及びオイルクーラファンと、ラジエータファンが生じさせた冷却風によって冷却水を冷却するラジエータと、オイルクーラファンが生じさせた冷却風によって作動油を冷却するオイルクーラと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の旋回作業機では、オイルクーラ及びオイルクーラファンを含むオイルクーラユニットと、ラジエータ及びラジエータファンを含むラジエータユニットと、オイルクーラユニット及びラジエータユニットを囲うシュラウドと、を備え、旋回台に立設された支持フレームに設けられた固定ブラケットに、オイルクーラユニットとシュラウドとが締結部材で共締めされると共に、ラジエータユニットとシュラウドとが締結部材で共締めされている。このため、オイルクーラ、ラジエータ及びシュラウドの取り付け作業が煩雑であり、旋回作業機の生産性に劣るという問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、旋回作業機の生産性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る旋回作業機は、旋回台と、前記旋回台に設けられた作業装置と、冷却ユニットと、を備え、前記冷却ユニットは、開口部を有する枠体と、前記枠体の一方面側における前記開口部に対応する位置に取り付けられた熱交換器と、前記熱交換器に対して前記枠体と反対側の位置に吸気側を前記熱交換器側に向けて配置されたファンユニットと、前記ファンユニットからの排気を案内するシュラウドと、が一体化されたユニットであり、前記冷却ユニットは、前記旋回台に立設された支持フレームに設けられた固定ブラケットに取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
上記旋回作業機によれば、旋回作業機の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図6】下部走行体、旋回基板、及び旋回基板に配置された様々な機器等を示す平面図である。
【
図7】旋回基板、バッテリユニット、電動モータ、油圧ポンプ、及び電装品を示す右前方斜視図である。
【
図8】旋回作業機のシステムを示すブロック図である。
【
図9】旋回基板、バッテリユニット、電装品、及び冷却ユニットを示す右後方斜視図である。
【
図10】旋回台、保護機構及び外装カバーを示す右後方斜視図である。
【
図11】冷却ユニットの支持フレームへの取り付けを示す分解斜視図である。
【
図12】冷却ユニットを支持フレームに取り付けた状態を示す背面図である。
【
図13】冷却ユニットを支持フレームに取り付けた状態を示す右前方斜視図である。
【
図14】冷却ユニットの高さ位置を示す背面図である。
【
図19】冷却ユニットの枠体に取り付けられた状態のオイルクーラ及びラジエータを示す斜視図である。
【
図22】
図10に示した点検扉が開状態とされた右側ボンネットの箇所の拡大平面図である。
【
図23】第2フィルタの着脱を説明するための冷却ユニットの斜視図である。
【
図24】第1フィルタと第2フィルタとの着脱順序を説明するための図である。
【
図25】第2フィルタを先に装着したために第1フィルタが装着できないことを示す図である。
【
図26】ラジエータによる水冷経路を示す図である。
【
図27】冷却ユニットのシュラウドと点検扉とによるダクト構成を示す図である。
【
図28】冷却ユニットのシュラウドと点検扉とによるダクト構成を示す右側ボンネットの横断面図である。
【
図29】冷却ユニットのシュラウドと点検扉とによるダクト構成を示す右側ボンネットの縦断面図である。
【
図31】ラジエータファン及びオイルクーラファンの制御処理を示すフローチャートである。
【
図32】第1変形例の冷却ユニットのシュラウドと点検扉とによるダクト構成を示す右側ボンネットの横断面図である。
【
図33】第1変形例の制御処理を示すフローチャートである。
【
図34】第2変形例の制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、旋回作業機1を示す概略側面図である。
図2は、旋回作業機1を示す概略平面図である。
図3は、旋回作業機1を示す概略背面図である。先ず、旋回作業機1の全体構成について説明する。
図1に示すように、旋回作業機1は、旋回台(機体)2と、下部走行体10と、作業装置20と、を備えているバックホー等である。また、旋回作業機1は、電力によって駆動する電動作業機である。旋回台2上には作業者が着座する運転席8が設けられている。運転席8の周囲は、例えばキャビンなどの保護機構80によって覆われている。
【0010】
なお、本実施形態においては、旋回作業機1の運転席8に着座した運転者が向く方向(
図1、
図2等の矢印A1方向)を前方、その反対方向(
図1、
図2等の矢印A2方向)を後方、運転者の左側(
図1の手前側、
図2及び
図3等の矢印B1方向)を左方、運転者の右側(
図1の奥側、
図2及び
図3等の矢印B2方向)を右方として説明する。また、前後方向A3に直交する方向である水平方向を幅方向B3(
図2及び
図3参照)として説明する。旋回台2の幅方向B3の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を幅方向外方として説明する。運転席8の周囲には、操作可能な操作装置5が設けられており、旋回作業機1は、操作装置5を操作することによって操作される。
【0011】
旋回台2は、上下方向に延びる旋回軸心(縦軸)X廻りに回転可能である。具体的には、旋回台2は、下部走行体10上に旋回ベアリング3を介して旋回軸心X廻りに回転可能(左側及び右側に旋回可能)に支持されている。旋回ベアリング3の中心は、旋回軸心X(旋回中心)であり、旋回台2には、後述する旋回モータ(図示略)が取り付けられている。この旋回モータは、油圧ポンプPが吐出した作動油によって駆動する油圧機器Mであり、旋回台2を旋回軸心X廻りに回転駆動するモータである。旋回台2には、外装カバー(カバー)70、ブラケット、及びステー等が設けられている。外装カバー70は、旋回台2の後部において機器、タンク類、その他の部品等を配置する空間(後部ルームR)を形成する。ブラケット、ステー等は、上記部品等を取り付ける部材である。
【0012】
図1、
図2に示すように、下部走行体10は、走行フレーム11と、走行機構12と、を有する。走行フレーム(トラックフレーム)11は、走行機構12が取り付けられ、且つ上部に旋回台2を支持する構造体である。
走行機構12は、例えば、クローラ式である。走行機構12は、アイドラ13と、駆動輪14と、複数の転輪15と、無端状のクローラベルト16と、油圧ポンプPが吐出した作動油によって駆動する走行系の油圧機器M(走行モータML,MR)と、を有する。走行モータML,MRは、油圧モータから構成されており、駆動輪14を駆動することでクローラベルト16を周方向に循環回走させる。下部走行体10の前部には、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)であるドーザシリンダC5(M)の伸縮によって上下駆動するドーザ装置18が装着されている。
【0013】
図1、
図2に示すように、作業装置20は、旋回台2の前側に設けられている。
図1に示すように、作業装置20は、ブーム21と、アーム22と、バケット(作業具)23とを有する。ブーム21の基端部は、スイングブラケット24に横軸(幅方向B3に延伸する軸心)廻りに回動可能に枢着されており、ブーム21が上下方向(鉛直方向)に揺動可能とされている。アーム22は、ブーム21の先端部に横軸廻りに回動可能に枢着されており、アーム22が前後方向或いは上下方向に揺動可能とされている。バケット23は、アーム22の先端部にスクイ動作及びダンプ動作可能に設けられている。旋回作業機1は、バケット23に代えて、或いは加えて、作動油によって駆動可能な他の作業具(油圧アタッチメント)を装着することが可能である。この他の作業具としては、油圧ブレーカ、油圧圧砕機、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノーブロア等が例示できる。
【0014】
図1に示すように、旋回作業機1は、油圧ポンプPが吐出した作動油によって作動する作業系の油圧機器Mを備えており、作業装置20は、当該作業系の油圧機器Mの作動によって駆動する。本実施形態において、油圧機器Mは、スイングシリンダC1、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、及びバケットシリンダC4を含んでいる。スイングシリンダC1、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、及びバケットシリンダC4は、油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)によって構成されている。
図1に示すように、スイングブラケット24は、旋回台2の右側に備えられたスイングシリンダC1の伸縮によって揺動可能とされている。ブーム21は、ブームシリンダC2の伸縮によって揺動可能とされている。アーム22は、アームシリンダC3の伸縮によって揺動可能とされている。バケット23は、バケットシリンダC4の伸縮によってスクイ動作及びダンプ動作可能とされている。
【0015】
従って、旋回作業機1が備えている油圧機器Mは、旋回モータ、走行モータML,MR、スイングシリンダC1、ブームシリンダC2、アームシリンダC3、及びバケットシリンダC4である。また、油圧機器Mは、上記の油圧シリンダを制御するコントロールバルブVと、作動油タンクTとを含んでいる。
図2に示すように、作動油タンクT及びコントロールバルブVは、油圧ポンプPよりも前方に配置されている。
【0016】
以下、旋回台2について説明する。
図4は、旋回台2を示す左前方斜視図である。
図5は、旋回台2を示す右後方斜視図である。
図4、
図5に示すように、旋回台2は、旋回基板(基板)30と、複数の縦リブ31(第1縦リブ31a、第2縦リブ31b、第3縦リブ31c)と、支持ブラケット32と、仕切り板33と、横リブ34と、支持フレーム35と、を有する。旋回基板30は、厚板鋼板等から形成され、板面が上下方向を向くように配置されている。旋回基板30は、旋回ベアリング3を介して下部走行体10上に旋回軸心X廻りに回転可能に支持される。
【0017】
第1縦リブ31a、第2縦リブ31b、及び第3縦リブ31cは、旋回基板30を補強
する部材であって、旋回基板30の前後方向A3に延伸して設けられている。第1縦リブ31a及び第2縦リブ31bは、旋回基板30上に立設され、幅方向B3に離反して並設されている。第1縦リブ31aは、旋回基板30の左側に配置されており、第2縦リブ31bは、旋回基板30の右側に配置されている。また、第3縦リブ31cは、第1縦リブ31aと第2縦リブとの間に配置され、旋回基板30の後部から仕切り板33へと延伸して設けられている。
【0018】
支持ブラケット32は、第1縦リブ31a及び第2縦リブ31bの前部に設けられている。
図4に示すように、支持ブラケット32と第1縦リブ31a及び第2縦リブ31bの前部とは、旋回基板30の幅方向B3の中央から右方に偏倚した位置に設けられている。
図1に示すように、支持ブラケット32には、スイングブラケット24が、縦軸(上下の方向に延伸する軸心)廻りに揺動可能に取り付けられている。
【0019】
仕切り板33は、後部ルームRの前面下部を仕切る部材である。仕切り板33は、板面が前後方向A3に向いており、旋回基板30の中央部において幅方向B3の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されている。
横リブ34は、旋回基板30を補強する部材であって、旋回基板30の後端部において幅方向B3の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されている。横リブ34は、旋回基板30上に立設され、第1縦リブ31aの後端、第2縦リブ31bの後端、及び第3縦リブ31cの後端と連結されている。
【0020】
支持フレーム35は、旋回基板30の後部であって、仕切り板33よりも後方に立設されている。例えば、支持フレーム35は、アーチ形状に構成されている。支持フレーム35の後部は、下部走行体10の後部よりも後方に位置している。具体的には、支持フレーム35は、後部ルームR内に配置されていて、外装カバー70及び外装カバー70の内部に配置された周辺部品を支持する。支持フレーム35は、旋回基板30に立設された複数の脚部材(第1脚35a、第2脚35b、第3脚35c、第4脚35d、第5脚35e)、第1杆部材35h、及び第2杆部材35iを有する。
【0021】
第1脚35aは、後部ルームRの前部左側に立設されている。第1脚35aは、第1縦リブ31aの後部左側に設けられた第1基部40aの前部に立設されている。第1基部40aは、仕切り板33から横リブ34に亘って延設されている。第1脚35aは、下端部が第1基部40aから上方に延び、中途部で後上方に延出され、上端部で屈曲して後方に延びている。
【0022】
第2脚35bは、後部ルームRの前部右側に立設されている。第2脚35bは、仕切り板33の後部右側に取り付けられた第2基部40bに立設されている。つまり、第2脚35bの下端部は、第1脚35aの下端部よりも前方に位置している。第2脚35bは、下端部が第2基部40bから上方に延び、中途部で後上方に延出され、上端部で屈曲して後方に延びている。
【0023】
第3脚35cは、後部ルームRの後部左側に立設されている。第3脚35cは、第1基部40aの中央部に立設されている。第3脚35cは、下端部が第1基部40aから上方に延び、第1脚35aの上端部に達している。
第4脚35dは、後部ルームRの後部に立設されている。第4脚35dは、後部ルームRの後部の左寄りに配置されており、第3脚35cよりも幅方向内側(右側)に配置されている。第4脚35dは、横リブ34の左部に設けられた第3基部40cに立設されている。第4脚35dは、下端部が第3基部40cから上方に延び、中途部で前上方に延出され、上端部で屈曲して前方に延びている。
【0024】
第5脚35eは、後部ルームRの後部に立設されている。第5脚35eは、後部ルームRの後部の右寄りに配置されている。第5脚35eは、横リブ34の右部に設けられた第4基部40dに立設されている。第5脚35eは、下端部が第4基部40dから上方に延び、中途部で前上方に延出され、上端部で屈曲して前方に延びている。第4脚35dの上端部及び第5脚35eの上端部は、幅方向B3に延びて配置された連結板35fによって連結されている。また、連結板35fには、当該連結板35fの前端部から前方に延びる一対の支持柱35gが設けられている。一対の支持柱35gは、幅方向B3に離間し、そ
れぞれ第4脚35dの上端部及び第5脚35eの上端部に対応して配置されている。第4脚35dの後部及び第5脚35eの後部は、下部走行体10の後部よりも後方に位置している。
【0025】
第1杆部材35h及び第2杆部材35iは、板面が上下方向を向き、幅方向B3に延びて配置されている。第1杆部材35hは、第2杆部材35iよりも前方に配置されている。第1杆部材35h及び第2杆部材35iは、第1脚35aの上端部、第2脚35bの上端部、左側の支持柱35gの上端部、及び右側の支持柱35gの上端部に亘って載置され、且つこれらに固定されている。第1杆部材35hは、保護機構80の後部を支持している。第2杆部材35iは、外装カバー70を支持している。
【0026】
以下、旋回台2の後部ルームRに搭載された機器について説明する。
図6は、下部走行体10、旋回基板30、及び旋回基板30に配置された様々な機器等を示す平面図である。
図7は、旋回基板30、バッテリユニット90、電動モータ91、油圧ポンプP、及び電装品92を示す右前方斜視図である。
図8は、旋回作業機1のシステムを示すブロック図である。
図9は、旋回基板30、バッテリユニット90、電装品92、及び冷却ユニットCUを示す右後方斜視図である。
図8に示すように、旋回作業機1は、バッテリユニット90と、電動モータ91と、電装品92と、充電口93と、冷却ユニットCUと、を備えている。
図6、
図7、
図9に示すように、バッテリユニット90、電動モータ91、電装品92、充電口93、及び冷却ユニットCUは、旋回台2に設けられている。
【0027】
バッテリユニット90は、蓄電可能であり、蓄電した電力を出力する電気機器である。
図6に示すように、バッテリユニット90は、旋回台2の後部の幅方向中央部に配置されている。詳しくは、バッテリユニット90は、旋回台2の前後方向A3の中途部から旋回台2の後部に亘って配置されている。つまり、バッテリユニット90の後部は、下部走行体10の後部よりも後方に位置している。また、
図2に示すように、バッテリユニット90は重心位置が旋回台2の幅方向B3の中心線Yに対して一方側(左側)に配置されており、保護機構80の後方に配置されている。
【0028】
図6に示すように、バッテリユニット90の外周は、支持フレーム35によって囲まれている。具体的には、バッテリユニット90の前方には、第1脚35aの下端部及び第2脚35bの下端部が位置している。バッテリユニット90の左方には、第3脚35cが位置している。バッテリユニット90の後方には、第4脚35dの下端部及び第5脚35eの下端部が位置している。バッテリユニット90の上方には、第1脚35aの上端部、第2脚35bの上端部、第4脚35dの上端部、第5脚35eの上端部、一対の支持柱35g、第1杆部材35h、及び第2杆部材35iが位置している。
【0029】
図8に示すように、電動モータ91は、バッテリユニット90が出力する電力によって駆動する駆動源である。電動モータ91は、永久磁石埋込式の三相交流同期モータである。電動モータ91の回転数は、例えば回転数操作具5cによって操作される。回転数操作具5cは、操作装置5の操作に応じて変化する電流値に応じて電動モータ91のモータ回転数を設定する場合の電動モータ91のモータ回転数の範囲を設定可能である。回転数操作具5cは、例えば、複数の切換位置を有したセレクタスイッチ等のダイヤル状のスイッチであり、複数の切換位置には、電動モータ91の回転数の目標値が割り当てられている。回転数操作具5cは、電動モータ91の回転数の目標値の範囲を、例えば1500~2600rpm/minの範囲で設定操作可能である。なお、電動モータ91は、他の種類の同期モータであっても、交流モータでも直流モータでもよい。また、電動モータ91の回転数は、操作装置5の操作量に応じて、予め設定されたテーブルに基づいて操作されるようなものであってもよい。
【0030】
電動モータ91は、バッテリユニット90から供給された電力によって駆動軸を回転させ、駆動軸から油圧ポンプPに駆動力を伝達する。油圧ポンプPは、電動モータ91の駆動軸と連結されており、当該駆動軸から伝達された駆動力で駆動される。つまり、油圧ポンプPは、電動モータ91の駆動によって駆動して、作動油を吐出する。
図2に示すように、電動モータ91及び油圧ポンプPは、旋回台2の幅方向B3の中心線Yに対して他方側(右方側)且つ
図6、
図7に示すように、バッテリユニット90の側
方において前後方向A3に並んで配置されている。具体的には、電動モータ91及び油圧ポンプPは、バッテリユニット90の側方(右方)の下側に配置されている。
【0031】
図7に示すように、電装品92は、バッテリユニット90の上方において、幅方向B3に並んで配置されている。
図8に示すように、電装品92は、バッテリユニット90と直接的又は間接的に接続され、バッテリユニット90が供給する電力を伝達、又は当該電力によって動作する機器等である。電装品92は、例えばジャンクションボックス92a、インバータ92b、DC/DCコンバータ92cである。ジャンクションボックス92aは、バッテリユニット90と、インバータ92bを含む他の機器とに接続されており、バッテリユニット90から供給された電力を他の機器に伝達する。
【0032】
インバータ92bは、バッテリユニット90から電動モータ91への電力供給経路132に設けられ、電動モータ91に出力する電力を調整する。本実施形態において、インバータ92bは、ジャンクションボックス92a及び電動モータ91と接続されている。インバータ92bは、電動モータ91を駆動させる装置であり、直流電力を三相交流電力に変換して、当該三相交流電力を電動モータ91に供給する。インバータ92bは、電動モータ91に供給する電力の電流及び電圧を任意に変更可能である。
【0033】
DC/DCコンバータ92cは、入力された直流電流の電圧を異なる電圧に変換する。本実施形態において、DC/DCコンバータ92cは、入力された電圧から低い電圧に変換を行う降圧コンバータである。DC/DCコンバータ92cは、例えば旋回作業機1に設けられ、電子機器に電源を供給する車載バッテリ96に電力の供給を行う。
図10は、旋回台2、保護機構80及び外装カバー70を示す右後方斜視図である。
図10に示すように、外装カバー70は、上部ボンネット71と、後部ボンネット72と、左側ボンネット73と、右側ボンネット74と、右側前部ボンネット75とを含んでいる。上部ボンネット71は、後部ルームRの上方を形成するカバー部材であり、バッテリユニット90及び電装品92を覆う状態で、支持フレーム35の第2杆部材35iに対して取り外し可能に取り付けられている。後部ボンネット72は、後部ルームRの後方を形成するカバー部材であり、支持フレーム35に取り付けられている。左側ボンネット73は、後部ルームRの左方を形成するカバー部材であり、吸気口73aが形成されている。吸気口73aは、例えば横長の開口を複数個縦方向に並べて構成されたものであるが、この構成に限定されない。右側ボンネット74は、後部ルームRの右後方を形成するカバー部材である。右側ボンネット74には、点検扉76が設けられている。点検扉76は、右側ボンネット74に対して開閉可能であり、外装カバー70内の空気を排気するための排気部77を備えている。右側前部ボンネット75は、右側ボンネット74の前側に位置し、後部ルームRの右前方を形成するカバー部材である。
【0034】
充電口93は、バッテリユニット90に蓄電を行うケーブルが接続されるソケットであり、外部から電力が供給される。
図3、
図10に示すように、充電口93は、外部から電力を供給するケーブルと接続する際に、後部ボンネット72に取り付けられた充電リッド(蓋部材)72aが開けられることで、外装カバー70から露出される。充電リッド72aは、ヒンジ等によって、後部ボンネット72に揺動可能に連結されており、当該ヒンジの揺動軸廻りに開閉可能となっている。
【0035】
冷却ユニットCUは、
図9に示すように、旋回台2に立設された支持フレーム35に設けられた固定ブラケット37に取り付けられている。
図11は、冷却ユニットCUの支持フレーム35への取り付けを示す分解斜視図である。
図12は、冷却ユニットCUを支持フレーム35に取り付けた状態を示す背面図である。
図13は、冷却ユニットCUを支持フレーム35に取り付けた状態を示す右前方斜視図である。固定ブラケット37は、第1縦桟37aと第2縦桟37bと横桟37cとを備え、これらは鋼材である。第1縦桟37aは、上端が第2脚35bの後方の先端下面に取り付けられて下方に向けて屈曲して延出している。第2縦桟37bは、上端が第2脚35bの屈曲部に取り付けられて下方に延出している。横桟37cは、後端部が、第5脚35eに連結された連結屈曲板38に取り付けられ、且つ、前端部が第2脚35bの下端部に取り付けられている。また、横桟37cは、後端部の近傍箇所に第1縦桟37aの下端部が取り付けられ、且つ、前端部の近傍箇所に第2縦桟37bの下端部が取り付けられている。このため、固定ブラケット37は、支持フレーム35に強固に固定されており、冷却ユニットCUを支持することができる。
【0036】
固定ブラケット37は、ボルト等の締結部材39がねじ止めれる取付ボス37dが設けられている。取付ボス37dは、固定ブラケット37の左端の上下2箇所、右端の上下2箇所、及び下端の左右2箇所の合計で6箇所に設けられている。具体的には、第1縦桟37aと第2縦桟37bと横桟37cとにそれぞれ2個の取付ボス37dが設けられている。
【0037】
冷却ユニットCUの枠体98は、冷却ユニットCUが固定ブラケット37に締結部材39によって固定される固定部98bを備えている。固定部98bは、固定ブラケット37の取付ボス37dに対応する箇所に設けられている。具体的には、固定部98bは、
図11に示すように左端の上下2箇所と、
図13に示すように右端の上下2箇所及び下端の左右2箇所との合計で6箇所に設けられている。固定部98bは、ボルト等の締結部材39が挿入される貫通孔98cを有している。固定部98bは、後述する
図16に示すように、冷却ユニットCUの排気側から見た場合に、熱交換器CA、ファンユニットFU及びシュラウド110に重複しない箇所に設けられている。
【0038】
冷却ユニットCUは、
図11に示すように、吊り具が取り付けられる取付部98aを有している。取付部98aは、例えば、吊り具が取り付け可能な大きさの取付孔である。取付部98aは、冷却ユニットCUの枠体98の上部の両端箇所にそれぞれ設けられている。また、吊り具は、吊り作業が不要な場合に取付部98aから取り外すことができる。
また、固定ブラケット37は、冷却ユニットCUが仮置きされる仮置き部37eを有している。仮置き部37eは、例えば、断面がL字形状の鋼材であり、横桟37cに固着された固着部37e1と、冷却ユニットCUが当接される当接部37e2とを有する。
図12に示すように、仮置き部37eは、仮置きされた冷却ユニットCUの高さ位置が、固定ブラケット37への冷却ユニットCUの取付高さに一致する位置に設けられている。言い換えれば、第1縦桟37a及び第2縦桟37bのそれぞれの取付ボス37dと、枠体98の後述するそれぞれの貫通孔98cとが一致する高さ位置関係となる。冷却ユニットCUの取付作業のときに、クレーンで吊り上げられた冷却ユニットCUが仮置き部37eに仮置きされ、冷却ユニットCUが固定ブラケット37に締結部材39によって固定される。
図14は、冷却ユニットCUの高さ位置を示す背面図である。なお、
図14では、支持フレーム35及び固定ブラケット37の図示を省略している。
図3、
図14に示すように、冷却ユニットCU(後述する熱交換器CA及びファンユニットFU)は、電動モータ91及び油圧ポンプPの上方でインバータ92bの高さ位置に配置されている。
【0039】
冷却ユニットCUは、
図10に示すように、外装カバー70の空間における排気部77に臨む位置に配置されている。
図15は、冷却ユニットCUの分解斜視図である。冷却ユニットCUは、枠体98、熱交換器CA、ファンユニットFU及びシュラウド110が一体化されたアッセンブリである。冷却ユニットCUは、第1冷却ユニットCU1と第2冷却ユニットCU2とを備えている。第1冷却ユニットCU1は、後述するラジエータ94とラジエータファン94aとを有する。第2冷却ユニットCU2は、後述するオイルクーラ97とオイルクーラファン97aとを有する。熱交換器CAは、機器を冷却する冷却装置であり、枠体98の排気部77側且つ開口部98d、98eに対応する位置(枠体98の一方面、つまり、外装カバー70に向く面)に取り付けられている。ファンユニットFUは、吸気側を熱交換器CAに向けて当該熱交換器CAに隣接して枠体98の一方面に取り付けられている。ファンユニットFUは、ファンF(ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97a)を有する。ファンFは、熱交換器CAの排気部77側に、吸気側が熱交換器CA側を向き且つ排気側が排気部77側を向くように配置されている。シュラウド110は、ファンユニットFUに取り付けられている。
【0040】
図16は、冷却ユニットCUを排気側から見た図である。
図17は、冷却ユニットCUの平面図である。
図18は、冷却ユニットCUを吸気側から見た図である。
図19は、冷却ユニットCUの枠体に取り付けられた状態のオイルクーラ97及びラジエータを示す斜
視図である。
図15、
図19に示すように、枠体98の一方面には、熱交換器CAが取り付けられている。具体的には、枠体98の一方面には、ラジエータ94とオイルクーラ97とが当該枠体98の長手方向に並べて取り付けられている。
【0041】
熱交換器CAは、冷却対象機器を冷却するラジエータ94と、作業装置20を駆動させる作動油を冷却するオイルクーラ97とを含む。ラジエータ94は、電動モータ91及び電装品92等を冷却する冷却水(冷媒)を冷却する装置である。ラジエータ94は、その上部に、冷却水が供給される給水部94cを備えている。ラジエータ94は、後述するラジエータファン94aによって冷却(除熱)される。ラジエータファン94aは、回転駆動することで冷却風を発生させ、ラジエータ94の除熱を行う。ラジエータファン94aは、ラジエータ94の周囲の空気を吸い込み、後部ルームRの内部から外装カバー70の開口を介して後部ルームRの外部に排出する。これにより、ラジエータ94と熱交換して、温度が上昇した冷却風は、外部に排出される。なお、
図15、
図19では、ラジエータ94の外表面は平坦としているが、これに限定されない。ラジエータ94の外表面は、放熱性を高めるために、凹凸形状、波形状、複数のフィンが形成された形状などであってもよい。
【0042】
オイルクーラ97は、油圧ポンプPから吐出される作動油を冷却する装置である。オイルクーラ97は、後述するオイルクーラファン97aによって冷却される。オイルクーラファン97aは、回転駆動することで冷却風を発生させ、オイルクーラ97の周囲の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を外装カバー70が形成する後部ルームRの内部から外部へ排出する。
【0043】
図14に示すように、ラジエータ94及びオイルクーラ97は、油圧ポンプP及び電動モータ91の上方に配置されている。これにより、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aは、バッテリユニット90が放熱した空気を含む当該バッテリユニット90の周囲の空気、及び油圧ポンプP及び電動モータ91から放熱され、上方へ移動した空気を吸い込み、機体外部へ排出する。また、ラジエータ94の給水部94cは水冷経路95の最上部に配置されており、給水部94cはラジエータ94、電動モータ91、及び電装品92(例えば、インバータ92b及びDC/DCコンバータ92c)よりも高い位置に配置されている。
【0044】
枠体98は、
図18に示すように、矢印B1方向視で略矩形状の鋼板であり、
図19に示すように、下端側が矢印B2に屈曲して延出した底面部98fを有する。また、枠体98は、冷却ユニットCUを構成するラジエータ94及びオイルクーラ97が対向する箇所にそれぞれ開口部98d、98eが形成されている。つまり、枠体98の各開口部98d、98eは、横並び(前後方向A3)に設けられている。一方の開口部98dは、ラジエータ94と同程度の大きさである。他方の開口部98eは、オイルクーラ97と同程度の大きさである。
【0045】
図15に示すように、枠体98の一方面には、ファンユニットFUが取り付けられている。ファンユニットFUは、ラジエータ94を冷却するラジエータファン94aと、オイルクーラ97を冷却するオイルクーラファン97aと、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aが並べて取り付けられる取付枠99とを備えている。取付枠99は、取付板部99aと、その両端から枠体98の方に屈曲して延出した脚部99bとを有する略門型の枠体である。取付板部99aには、オイルクーラファン97aとラジエータファン94aとが、ファンユニットFUの長手方向(前後方向A3)に並べて取り付けられている。取付板部99aのオイルクーラファン97aが位置する箇所には、オイルクーラ97に対向する円形の開口が形成されている。また、取付板部99aのラジエータファン94aが位置する箇所には、ラジエータ94に対向する円形の開口が形成されている。上述したように、ファンユニットFUは、ラジエータファン94aの吸気側がラジエータ94に対向し、且つ、オイルクーラファン97aの吸気側がオイルクーラ97に対向する状態で、枠体98の一方面に取り付けられている。
【0046】
図15~
図17に示すように、シュラウド110は、ラジエータファン94aとオイル
クーラファン97aとの両方を囲むようにファンユニットFUの取付枠99に取り付けられている。シュラウド110は、ラジエータファン94aにより生じた冷却風と、オイルクーラファン97aにより生じた冷却風とを案内する。
シュラウド110は、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとの両方を囲む角筒状の固定部111と、固定部111から排気側外方に延設され、ラジエータファン94aの駆動により生じた冷却風及びオイルクーラファン97aの駆動により生じた冷却風を案内する案内部112と、を備えている。
【0047】
図20は、シュラウドを示す斜視図である。
図21は、シュラウドの横断面図である。
図15、
図20等に示すように、固定部111は、上辺部111aと左辺部111bと下辺部111dと右辺部111cとを有する角筒状枠である。この角筒状枠(固定部111)によってラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとの両方が囲まれている。
【0048】
図15、
図16、
図21等に示すように、下辺部111dには、ラジエータファン94aのケース下部を支持する第1弾性支持体113と、オイルクーラファン97aのケース下部を支持する第2弾性支持体114とを備えている。具体的には、下辺部111dは、
図20に示すように、ラジエータファン94aのケース下部に対応する箇所に第1切欠き部115を有し、オイルクーラファン97aのケース下部に対応する箇所に第2切欠き部116を有する。第1切欠き部115に第1弾性支持体113が設けられ、第2切欠き部116に第2弾性支持体114が設けられている。
【0049】
案内部112は、固定部111の下辺部111dの端部から外方斜め下方向に延出した下傾斜延出部112aと、固定部111の右辺部111cの端部から固定部111の開口側に屈曲して延出した右側屈曲延出部112bとを有している。
図21に示すように、右側屈曲延出部112bの固定部111からの突出長さL11は、下傾斜延出部112aの固定部111からの突出長さL12よりも短い。
【0050】
また、
図17、
図18に示すように、枠体98の一方面とは反対の他方面(つまり、外装カバー70に向く面とは反対側の面)には、フィルタ100と、フィルタ100が装着される被装着部105とを備えている。フィルタ100は、ラジエータ94用の第1フィルタ100Aと、オイルクーラ97用の第2フィルタ100Bとを含む。フィルタ100は、ファンFによって開口部側に吸引される空気中の塵芥を捕捉するエアフィルタである。
【0051】
被装着部105には、枠体98の熱交換器CAが配置されている側とは反対側に設けられている。第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとが、枠体98の長手方向(前後方向A3)に並べて配置されている。具体的には、被装着部105は、
図18に示すように、2本の縦棒部105aと、規制横棒105bと、支持棒部105cとを有する保持部107を備えている。つまり、被装着部105は、第1保持部107Aと第2保持部107Bとを有している。一方の縦棒部105aは、枠体98の他方面の左端側の箇所に縦方向に固定されている。他方の縦棒部105aは、枠体98の他方面の右端側の箇所に縦方向に固定されている。支持棒部105cは、枠体98の他方面の下端側に横方向(前後方向A3)に固定され、被装着部105に装着されたフィルタ100を支持する。規制横棒105bは、一端が一方の縦棒部105aの上端外側面に固定され、且つ、他端が他方の縦棒部105aの上端外側面に固定され、被装着部105に装着されたフィルタ100が倒れるのを規制する。2本の縦棒部105aの枠体98の他方面からの突出長さは、フィルタ100の厚みよりも僅かに大きくなっている。支持棒部105cの他方面からの突出長さは、フィルタ100の厚みよりも僅かに大きくなっている。このように、枠体98の他方面において、2本の縦棒部105aと、規制横棒105bと、支持棒部105cとで囲まれたスペースには、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとが横並びに保持可能となっている。また、第1保持部107Aは、着脱口106に挿入された第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの一方を、着脱口106から離れた第1位置P1に、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの並び方向(前後方向A3)にスライド可能に保持する。第2保持部107Bは、第1保持部107Aに第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bを保持した状態で着脱口106に挿入された第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの他方を保持する。
【0052】
被装着部105は、例えば、上部に、フィルタ100が挿抜される着脱口106を有している。着脱口106は、
図17に示すように、上向きに開口された矩形状である。
図22は、
図10に示した点検扉76が開状態とされた右側ボンネット74の箇所の拡大平面図である。被装着部105は、点検扉76の開状態においてフィルタ100が着脱可能に構成されている。つまり、点検扉76の開状態において、被装着部105の着脱口106が露出し、フィルタ100が着脱口106を通じて被装着部105に対して着脱される。
【0053】
図16、
図17及び
図19に示すように、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bは、被装着部105に対する着脱の際に把持される把持部101をそれぞれ備えている。
図23は、第2フィルタの着脱を説明するための冷却ユニットCUの斜視図である。
図24は、第1フィルタと第2フィルタとの着脱順序を説明するための図である。
図23、
図24に示すように、第1フィルタ100Aの把持部101及び第2フィルタ100Bの把持部101は、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bが被装着部105に装着された状態において着脱口106よりも上方に延出した延出部101aの先端側が屈曲した屈曲部101bをそれぞれ有している。
【0054】
屈曲部101bには、被装着部105に固定するための固定具102を備えている。固定具102は、例えば蝶ネジである。枠体98の上端で各屈曲部101bに対応するそれぞれの箇所に、雌ネジ部98gが設けられている。第1フィルタ100Aが被装着部105に装着された状態において、第1フィルタ100Aの固定具102を枠体98の雌ネジ部98gにねじ止めすることで、第1フィルタ100Aが被装着部105に固定される。また、第2フィルタ100Bが被装着部105に装着された状態において、第2フィルタ100Bの固定具102を枠体98の雌ネジ部98gにねじ止めすることで、第2フィルタ100Bが被装着部105に固定される。
【0055】
ここで、第1フィルタ100Aと、第2フィルタ100Bと、被装着部105の着脱口106及び保持部107との寸法関係及び着脱順序などについて説明する。着脱口106の長手方向の長さL21は、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの並び長さL20(つまり、2本の縦棒部105a間の長さ)よりも小さく、且つ、第1フィルタ100Aの長さL22及び第2フィルタ100Bの長さL23よりも大きい値となっている。つまり、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとを同時に着脱口106に挿入することができず、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとを個別に着脱口106に挿入しなければならない。しかも、被装着部105に装着する場合であれば、まず第1フィルタ100Aを挿入し、その後に第2フィルタ100Bを挿入する必要があり、その逆の順番では挿入できない。また、被装着部105から取り出す場合であれば、まず第2フィルタ100Bを取り出してから、第1フィルタ100Aを取り出す必要があり、その逆の順番では取り出すことができない。
【0056】
(i)第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bを装着する場合、作業者は、第1フィルタ100Aを、着脱口106を通じて挿入し(つまり、挿入方向IAに挿入)、当該挿入された第1フィルタ100Aを枠体98に平行に第1位置P1にスライドさせ(つまり、スライド方向SAにスライド)、第1フィルタ100Aの固定具102を枠体98の雌ネジ部98gにねじ止めする。次に、作業者は、第2フィルタ100Bを着脱口106から挿入し(つまり、挿入方向IAに挿入)、第2フィルタ100Bの固定具102を枠体98の雌ネジ部98gにねじ止めする。これにより、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとが並べて被装着部105に装着される。
【0057】
(ii)第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bを取り外す場合、作業者は、第2フィルタ100Bの固定具102による枠体98の雌ネジ部98gへのねじ止めを解除し、第2フィルタ100Bを、着脱口106を通じて抜き出す(つまり、挿入方向IAとは反対方向に抜き出す)。次に、第1フィルタ100Aの固定具102による枠体98の雌ネジ部98gへのねじ止めを解除し、第1位置P1にある第1フィルタ100Aを枠体98に平行にスライド(つまり、スライド方向SAとは反対方向にスライド)させて着
脱口106に位置させ、第1フィルタ100Aを着脱口106から抜き出す(つまり、挿入方向IAとは反対方向に抜き出す)。これにより、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとが被装着部105から取り外される。
【0058】
ここで、フィルタ100の誤装着を防止する構成について、
図25を用いて説明する。
図25は、第2フィルタ100Bを先に装着したために第1フィルタ100Aが装着できないことを示す図である。第1フィルタ100Aよりも先に第2フィルタ100Bが着脱口106を通じて挿入された場合、第2フィルタ100Bを枠体98に平行に第1位置P1に向けてスライドさせようとしても当該第2フィルタ100Bの屈曲部101bが着脱口106に干渉する。このため、着脱口106の長手方向のうちで当該第2フィルタ100Bが位置しない長さである空き長さL30が、第1フィルタ100Aの長さL22よりも小さい。この状態では、第1フィルタ100Aが着脱口106に挿入できない。これにより、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの誤装着を防止できる。
【0059】
ここで、ラジエータ94による水冷経路95について説明する。
図26は、ラジエータ94による水冷経路95を示す図である。
図26に示すように、旋回作業機1は、ラジエータ94、電動モータ91、及び電装品92(例えば、インバータ92b及びDC/DCコンバータ92c)等を接続し、ラジエータ94で冷却した冷媒、並びに電動モータ91、及び電装品92で熱交換を行った冷媒を流す水冷経路95を備えている。水冷経路95には、冷却水を吐出し、且つ当該冷却水を冷媒として循環させる冷却用ポンプ95aが設けられている。本実施形態において、水冷経路95は、ラジエータ94から冷却用ポンプ95a、インバータ92b、DC/DCコンバータ92c、及び電動モータ91を通って、ラジエータ94に冷却水を循環させる。具体的には、水冷経路95は、送り水路95bと、戻り水路95cと、第1水路95dと、第2水路95eと、第3水路95fと、を含んでいる。
【0060】
図12に示すように、送り水路95bは、電動モータ91等からラジエータ94へ冷媒を送る水路であり、詳しくは、送り水路95bは、電動モータ91とラジエータ94とを接続し、電動モータ91からラジエータ94へ向かう冷媒を流す。戻り水路95cは、冷媒をラジエータ94から冷却用ポンプ95aに戻す水路であり、詳しくは、ラジエータ94と冷却用ポンプ95aとを接続し、ラジエータ94から冷却用ポンプ95aへ向かう冷媒を流す。
【0061】
第1水路95dは、冷却用ポンプ95aとインバータ92bとを接続し、冷却用ポンプ95aからインバータ92bへ向かう冷媒を流す。第2水路95eは、インバータ92bとDC/DCコンバータ92cとを接続し、インバータ92bからDC/DCコンバータ92cへ向かう冷媒を流す。第3水路95fは、DC/DCコンバータ92cと電動モータ91とを接続し、DC/DCコンバータ92cから電動モータ91へ向かう冷媒を流す。即ち、ラジエータ94で冷却された冷却水は、ラジエータ94から戻り水路95c、冷却用ポンプ95a、第1水路95d、インバータ92b、第2水路95e、DC/DCコンバータ92c、第3水路95fと、電動モータ91、及び送り水路95bを通って、ラジエータ94に戻る。
【0062】
ここで、シュラウド110と点検扉76とによる冷却ユニットCUのダクト構造について説明する。
図27は、冷却ユニットCUのシュラウド110と点検扉76とによるダクト構成を示す図である。なお、
図27では、ダクト構成を説明するために、排気部77を除去した状態の点検扉76が図示されている。
図28は、冷却ユニットCUのシュラウド110と点検扉76とによるダクト構成を示す右側ボンネットの横断面図である。
図29は、冷却ユニットCUのシュラウド110と点検扉76とによるダクト構成を示す右側ボンネットの縦断面図である。
図30は、点検扉76の内面側を示す図である。
【0063】
点検扉76が閉状態にされると、シュラウド110の先端開口縁部110aが点検扉76の排気部77を囲む位置に当接することにより、ファンにより生じた冷却風を排気部77に案内するダクトが形成される。つまり、シュラウド110と点検扉76とでダクトが形成される。
排気部77は、例えば網目状部材であり、冷却ユニットCUからの空気が通過して外部
に排出される。なお、排気部77は、網目状部材に限定されず、複数の開口を所定方向に配置した構成等であってもよい。
図29に示すように、排気部77は、シュラウド110の固定部111の開口よりも下側に拡張された大きさである。
【0064】
図30に示すように、シュラウド110の下傾斜延出部112aは、排気部77の下辺部77a及び下辺部77aの外側箇所76aに当接する。つまり、下傾斜延出部112aは、排気部77の下辺部77aに沿って当接する箇所112a1と、排気部77の下辺部77aの外側箇所76aに当接する箇所112a2とを有する。なお、シュラウド110の下傾斜延出部112aは、排気部77の下辺部77aに当接するとしてもよい。つまり、下傾斜延出部112aは、排気部77の下辺部77aに沿って当接するとしてもよい。また、シュラウド110の下傾斜延出部112aは、排気部77の下辺部77aの外側箇所76aに当接するとしてもよい。つまり、下傾斜延出部112aは、排気部77の下辺部77aの外側箇所76aに沿って当接するとしてもよい。
【0065】
図10、
図27に示すように、点検扉76は、開閉ハンドル78を備えている。開閉ハンドル78を開操作することで、点検扉76が開放可能となる。
図10、
図22、
図28に示すように、点検扉76は、外装カバー70の右側ボンネット74に対して開閉可能とする開閉軸76bを有する。例えば、開閉軸76bは、点検扉76と右側前部ボンネット75との縦方向の境界部分の箇所に設けられている。具体的には、
図28に示すように、開閉軸76bは、外装カバー70における箇所であって、固定部111の右辺部111c(つまり、シュラウド110の右端)に対応する箇所に設けられている。
【0066】
図30に示すように、点検扉76は、その内側で、排気部77を囲む位置に配置された弾性体76cを備えている。弾性体76cは、例えば、シールゴム、スポンジゴムなどであり、排気部77の周囲に配置されている。具体的には、弾性体76cは、点検扉76の内側で、排気部77の下辺部77aと、上辺部77bと、右側屈曲延出部112bに対向する第1側辺77cに立設されたリブ76dと、固定部111の左辺部111bに対向する第2側辺77dと、に取り付けられている。リブ76dは、弾性体76cを介して右側屈曲延出部112bに当接する。
【0067】
図28、
図29に示すように、弾性体76cは、点検扉76が閉状態においてシュラウド110の先端開口縁部110aと接触することで弾性変形して点検扉76とシュラウド110の先端開口縁部110aとの当接部をシールする。
外装カバー70は、点検扉76とは別に、給水部94cに対応する箇所に取外し可能な蓋部75aを備えている。蓋部75aは、略正方形状の蓋部材である。具体的には、右側前部ボンネット75には、蓋部75aよりも僅かに小さい略正方形状の開口部75cを有している。蓋部75aが、右側前部ボンネット75の開口部75cに取り付けた状態で、ボルトなどの締結部材75bによって右側前部ボンネット75に固定されている。
【0068】
ここで、冷却ユニットCUの取り付け作業について説明する。ここでは、旋回作業機1の生産ライン(メインライン)において、冷却ユニットCUを、旋回台2の支持フレーム35の固定ブラケット37に取り付ける場合を例に挙げて説明する。
まず、吊り具を冷却ユニットCUの2箇所の取付部98a(取付孔)に取り付ける。生産ラインに設けられたクレーンに掛けられたスリング(ワイヤロープ、繊維ベルト、チェーンなど)の先端のフックをそれぞれの吊り具に引っ掛ける。そして、クレーンによって冷却ユニットCUを吊り上げて(例えば2本吊りして)、支持フレーム35の固定ブラケット37と冷却ユニットCUとの前後方向A3を位置合わせした状態(つまり、固定ブラケット37の両端の取付ボス37dと、冷却ユニットCUの枠体98の両端の貫通孔98cとを一致させた状態)で、冷却ユニットCUを支持フレーム35の固定ブラケット37の仮置き部37eに仮置きする。冷却ユニットCUが仮置き部37eに仮置きされると、冷却ユニットCUの高さ位置が、固定ブラケット37への冷却ユニットCUの取付高さに一致する。そして、ボルト等の締結部材39が、冷却ユニットCUの貫通孔98c(つまり、枠体98の固定部98bに形成された貫通孔98c)に挿入されて、固定ブラケット37の取付ボス37dにねじ止めされる。固定ブラケット37の6箇所の取付ボス37dのそれぞれに、冷却ユニットCUの貫通孔98cに挿入された締結部材39がそれぞれねじ止めれる。このようにして、冷却ユニットCUが支持フレーム35の固定ブラケット37に固定される。
【0069】
なお、上記の冷却ユニットCUは、ラジエータ94に接続された冷却水用ホース(例えば、送り水路95b、戻り水路95cなど)及び、オイルクーラ97に接続された作動油用ホースOH(
図22参照)の少なくとも一方が取り付けられた状態のアッセンブリであってもよい。
図8に示すように、旋回作業機1は、制御装置120と記憶部121とを備えている。制御装置120は、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成された装置であり、旋回作業機1が有する様々な機器を制御する。例えば、制御装置120は、運転席8の周囲に設けられ、且つ操作可能な回転数操作具5cの操作に基づいて、電動モータ91の回転数を制御する。また、制御装置120は、運転席8の周囲に設けられ、且つ旋回作業機1を始動操作可能なスタータスイッチ7の操作に基づいて、旋回作業機1の始動制御を行う。
【0070】
記憶部121は、不揮発性のメモリ等であり、制御装置120の制御に関する様々な情報等を記憶している。例えば、記憶部121は、回転数操作具5cの操作量に対する電動モータ91の回転数に関するテーブル等の情報を記憶している。
図7、
図8等に示すように、バッテリユニット90は、複数のバッテリ90aを含んでいる。複数のバッテリ90aは、互いに並列に接続されている。バッテリ90aは、蓄電可能であり、例えばリチウムイオン電池又は鉛蓄電池等の二次電池である。バッテリ90aは、内部に複数のセルを有しており、複数のセルが電気的に直列及び/又は並列に接続されている。本実施形態において、バッテリユニット90は、2つのバッテリ90aを有している。なお、バッテリユニット90が有するバッテリ90aの数は、複数であればよく、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
【0071】
図8に示すように、旋回作業機1は、接続切換部131を備えている。接続切換部131は、バッテリ90aから電動モータ91への電力供給経路132を当該バッテリ90a毎に接続状態と遮断状態とに切り換える。接続切換部131は、例えば、電力供給経路132の少なくとも一部のリレー開閉操作を行うことで、接続状態と遮断状態とに切り換える。これにより、バッテリユニット90は、複数のバッテリ90aのうち接続状態であるバッテリ90aから電力を出力し、他の遮断状態であるバッテリ90aからの電力の出力を停止する。接続切換部131の制御、即ちバッテリユニット90から電力を出力するバッテリ90aの設定は、制御装置120が行う。
【0072】
各バッテリ90aは、当該バッテリ90aを監視・制御するBMU(battery management unit)123を有している。BMU123は、バッテリ90aの電圧、温度、電流、内部のセルの端子電圧等を取得するとともに、バッテリ90aの残り容量を算出する。また、BMU123は、バッテリ90aの内部のリレー開閉制御が可能であり、バッテリ90aの電力供給の開始及び停止の制御が可能である。また、BMU123(検出部)は、バッテリ90aの電圧、電流等を取得することで、バッテリユニット90が充電状態(つまり充電中)であるか放電状態(つまり、使用中)であるかを判定可能である。なお、BMU123は、各バッテリ90aに内蔵されていてもよく、各バッテリ90aの外部に設置されていてもよい。
【0073】
制御装置120は、複数のバッテリ90aのうち、一のバッテリ90aを接続状態にしてバッテリユニット90から電力を出力する出力バッテリとして設定し、その他のバッテリ90aを遮断状態にして電力を出力しない停止バッテリとして設定する。制御装置120は、出力バッテリの切換制御を行うバッテリ制御部120aを有している。
バッテリ制御部120aは、接続切換部131と有線又は無線によって通信可能に接続されており、信号を送信することで接続切換部131を制御する。これにより、バッテリ制御部120aは、複数のバッテリ90aの接続状態及び遮断状態を切り換え、出力バッテリ及び停止バッテリの切換制御(切換処理)を行う。
【0074】
バッテリ制御部120aは、所定の条件に基づいて、出力バッテリ及び停止バッテリの切換制御を行う。具体的には、バッテリ制御部120aは、作業装置20の駆動が禁止ま
たは制限されている場合に、制御装置120と通信可能に接続された選択具122と、複数のバッテリ90aのそれぞれの残り容量とに基づいて、出力バッテリ及び停止バッテリの設定を行う。
【0075】
バッテリ制御部120aは、選択具122を介して選択指示されたバッテリ90aを出力バッテリとして設定する。一方、バッテリ制御部120aは、選択具122を介して選択指示されていないバッテリ90aを停止バッテリとして設定する。選択具122は、作業者の操作に基づいて、複数のバッテリ90aのうち1つのバッテリ90aを選択する。即ち、選択具122は、作業者から出力バッテリとするバッテリ90aの選択指示を受け付ける。例えば、選択具122は、運転席8の周囲に配置され、押圧操作可能な複数の操作スイッチである。複数の操作スイッチは、それぞれバッテリ90aと対応付けられており、一の操作スイッチを操作すると、当該一の操作スイッチと対応付けられた一のバッテリ90aが選択される。
【0076】
また、バッテリ制御部120aは、作業装置20の駆動が禁止または制限されている場合に、作業者による選択具122への充電開始指示があると、バッテリユニットの充電を行う。
また、ファン制御部120b(制御装置120)は、BMU123がバッテリユニット90の充電状態(充電中)を検出している場合、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを予め定められた第1回転数で駆動させる。例えば、第1回転数は、予め定められた第1範囲内の任意の回転数である。具体的には、BMU123がバッテリユニット90の充電状態を検出している場合、制御装置120は、BMU123にて検出されたバッテリユニット90の温度が設定温度以上であれば、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを第1回転数で駆動させ、バッテリユニット90の温度が設定温度未満であれば、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを駆動させない。なお、第1回転数は、バッテリユニット90の放電状態(バッテリ出力中)におけるラジエータファン94aとオイルクーラファン97aの後述する第2回転数よりも低い回転数である。
【0077】
図8に示すように、旋回作業機1は、オイルクーラファン97aを駆動させる第1駆動モータ30bと、ラジエータファン94aを駆動させる第2駆動モータ94bと、を備えている。オイルクーラファン97a及びラジエータファン94aは、電動モータ91とは別に、それぞれ独立して駆動することができる。以下、オイルクーラファン97a及びラジエータファン94aの制御について説明する。
【0078】
第1駆動モータ30b及び第2駆動モータ94bは、それぞれ制御装置120と接続されている。制御装置120は、第1駆動モータ30b及び第2駆動モータ94bの駆動を制御するファン制御部120bを有している。ファン制御部120bは、第1駆動モータ30b(ラジエータファン94a)及び第2駆動モータ94b(オイルクーラファン97a)をそれぞれ独立して制御する。
【0079】
図8に示すように、旋回作業機1は、水温検出部126と、油温検出部127と、を備えている。水温検出部126は、冷却水(冷媒)の温度を電圧値として検出するセンサである。水温検出部126は、例えば送り水路95bに設けられており、ラジエータ94に向かう冷却水の温度を検出する。水温検出部126は、制御装置120と有線又は無線により接続されており、検出した冷却水の温度情報を信号として制御装置120に出力する。
【0080】
油温検出部127は、作動油の温度を電圧値として検出するセンサである。油温検出部127は、例えばオイルクーラ97に接続された管路に設けられており、オイルクーラ97に向かう作動油の温度を検出する。油温検出部127は、制御装置120と有線又は無線により接続されており、検出した作動油の温度情報を信号として制御装置120に出力する。
【0081】
制御装置120は、BMU123がバッテリユニット90の放電状態(バッテリ出力中、つまり、使用中)を検出している場合、油温検出部127が検出する作動油の温度に基づいて、オイルクーラファン97aを第2回転数で駆動させる。例えば、第2回転数は、第1範囲よりも回転数が大きい予め定められた第2範囲内の任意の回転数である。具体的には、ファン制御部120bは、油温検出部127が検出した作動油の温度が所定値未満である場合、オイルクーラファン97aの駆動を停止させ、油温検出部127が検出した作動油の温度が所定値以上である場合、予め設定された制御マップに基づいて、作動油の温度が設定された温度を超えないよう制御する。
【0082】
制御装置120は、BMU123がバッテリユニット90の放電状態(バッテリ出力中、つまり、使用中)を検出している場合、水温検出部126が検出した冷却水の温度に基づいて、ラジエータファン94aを第2回転数で駆動させる。具体的には、ファン制御部120bは、水温検出部126が検出した冷却水の温度と予め設定された制御マップとに基づいて、冷却水の温度が設定された温度を超えないようにラジエータファン94aの駆動を制御する。
【0083】
また、旋回作業機1は、運転席8に周囲に設けられ、作業者又は管理者に報知する報知装置124を備えている。報知装置124は、画像を表示するモニター等の表示装置124aと、音声で通知を行う音声出力装置124b(スピーカ)とを備えている。報知装置124は、BMU123が算出した複数のバッテリ90aの残り容量を報知する。また、報知装置124は、バッテリユニット90の充電状態において、充電中であること、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aが第1回転数で駆動中であることなどの報知を行う。
【0084】
以下、
図31を用いて、ファン制御部120b(制御装置120)による制御処理について説明する。
図31は、ラジエータファン及びオイルクーラファンの制御処理を示すフローチャートである。まず、ファン制御部120bは、BMU123がバッテリユニット90の充電状態(充電中)を検出しているか否を判定する(S11)。ファン制御部120bは、バッテリユニット90の充電状態(充電中)であれば(S11,Yes)、BMU123にて検出されたバッテリユニット90の温度が設定温度以上であるか否かを判定する(S12)。ファン制御部120bは、バッテリユニット90の温度が設定温度以上であれば(S12,Yes)、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを第1回転数で駆動させる(S13)。
【0085】
S12において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の温度が設定温度以上でない(S11,No)、つまり、バッテリユニット90の温度が設定温度未満であれば、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを駆動させない(S14)。
S11において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の充電状態(充電中)でないと判定した場合(S11,No)、バッテリユニット90の放電状態(使用中)であるか否かを判定する(S15)。ファン制御部120bは、バッテリユニット90の放電状態(使用中)であれば(S15,Yes)、油温検出部127が検出する作動油の温度に基づいて、オイルクーラファン97aを第2回転数で駆動させる(S16)。ファン制御部120bは、水温検出部126が検出した冷却水の温度に基づいて、ラジエータファン94aを第2回転数で駆動させる(S17)。
【0086】
ファン制御部120bは、S13のあと、S14のあと、又は、S17のあと、S11の処理に戻る。
S15において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の放電状態(使用中)でないと判定すると(S15,No)、本処理を終了する。
上述した旋回作業機1は、旋回台2と、旋回台2に設けられた作業装置20と、旋回台2において機器を配置する空間を形成する外装カバー70と、外装カバー70における機体(旋回台2)の一側部側の位置に設けられた排気部77と、空間における排気部77に臨む位置に配置された冷却ユニットCUと、を備え、冷却ユニットCUは、開口部(例えば開口部98d、98e)を有する枠体98と、枠体98の排気部77側且つ開口部に対応する位置に配置された熱交換器CAと、熱交換器CAの排気部77側に、吸気側が熱交換器CA側を向き且つ排気側が排気部77側を向くように配置されたファンFと、枠体98の熱交換器CAが配置されている側とは反対側に設けられた、ファンFによって開口部側に吸引される空気中の塵芥を捕捉するフィルタ100が着脱可能に装着される被装着部105と、を備えている。この構成によれば、熱交換器CAのメンテナンス性を向上させることができる。外装カバー70内に外部吹き出し式のファンFが位置し、ファンFよりも奥に熱交換器CAとフィルタ100とが位置(つまり、冷却風の上流側から下流側に、フィルタ100と熱交換器CAとファンFとの順に位置)するので、熱交換器CAへの塵埃の付着を低減することができ、熱交換器CAの冷却性能の低下を防止することができる。
【0087】
また、外装カバー70は、開閉可能に設けられた点検扉76を備え、被装着部105は、点検扉76を開くことでフィルタ100の着脱操作を行える位置に配置されている。このため、点検扉76を開状態にして、フィルタ100を被装着部105から取り外すことができ、フィルタ100の清掃のために外装カバー70を取り外す必要がない。このように、フィルタ100の取り外しが容易であるので、フィルタ100の清掃を確保することができる。したがって、フィルタ100、熱交換器CAなどのメンテナンス性に優れる。
【0088】
また、排気部77が点検扉76に設けられているので、点検扉76を開状態にして排気部77を清掃することができる。
また、被装着部105は、フィルタ100が挿抜される着脱口106を有し、点検扉76の開状態において、被装着部105の着脱口106が露出し、フィルタ100が着脱口106を通じて被装着部105に対して着脱される。この構成によれば、フィルタ100を被装着部105に容易に着脱することができる。
【0089】
また、熱交換器CAとして、冷却対象機器を冷却するラジエータ94と、作業装置20を駆動させる作動油を冷却するオイルクーラ97とが、枠体98の開口部に対して並列に並べて配置され、ファンFとして、ラジエータ94を通して空気を吸引するラジエータファン94aと、オイルクーラ97を通して空気を吸引するオイルクーラファン97aとを備え、フィルタ100は、ラジエータ94用の第1フィルタ100Aと、オイルクーラ97用の第2フィルタ100Bとを含み、被装着部105におけるラジエータ94に対応する位置に第1フィルタ100Aが装着され、被装着部105におけるオイルクーラ97に対応する位置に第2フィルタ100Bが装着される。この構成によれば、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bを被装着部105に容易に着脱することができる。また、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとの動作条件が異なるため、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとの汚れ具合も異なる。第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとを分けることで、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとのそれぞれの清掃タイミングで清掃を行うことができる。
【0090】
また、被装着部105は、フィルタ100が挿抜される着脱口を有し、着脱口106の長手方向の長さL21が、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの並び方向の合計長さL20よりも短く、且つ、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの何れの長さL22、L23よりも長く、被装着部105は、着脱口106に挿入された第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの一方を、着脱口106から離れた第1位置P1に前記並び方向にスライド可能に保持する第1保持部107Aと、第1保持部107Aに第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bを保持した状態で着脱口106に挿入された第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの他方を保持する第2保持部107Bと、を有している。この構成によれば、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとの着脱を所定の順番とすることができる。
【0091】
また、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bは、被装着部105に対する着脱の際に把持される把持部101をそれぞれ備えている。この構成によれば、第1フィルタ100Aの把持部101を把持して、第1フィルタ100Aの着脱を行うことができ、第2フィルタ100Bの把持部101を把持して、第2フィルタ100Bの着脱を行うことができるので、フィルタの着脱作業を容易に行うことができる。
【0092】
また、第1フィルタ100Aの把持部101及び第2フィルタ100Bの把持部101は、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bが被装着部105に装着された状態において着脱口106よりも上方に延出した延出部101aの先端側が屈曲した屈曲部101bをそれぞれ有し、屈曲部101bには、被装着部105に固定するための固定具102を備えている。この構成によれば、屈曲部101bの固定具102により、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bを被装着部105に固定することができる。
【0093】
また、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの前記一方のフィルタよりも先に他方のフィルタが着脱口106を通じて挿入された場合、他方のフィルタを並び方向に第1位置P1に向けてスライドさせようとしても、着脱口106の長手方向のうちで当該他方のフィルタが位置しない部分の長さである空き長さL30が、一方のフィルタの並び方向の長さ(例えば第1フィルタ100Aの長さL22)よりも短い位置で他方のフィルタの屈曲部101bが着脱口106に干渉して他方のフィルタの第1位置P1へ向けたスライドが阻害される。この状態では、第1フィルタ100Aが被装着部105に装着できないので、第1フィルタ100A及び第2フィルタ100Bの誤装着を防止することができる。つまり、第2フィルタ100Bと第1フィルタ100Aとの順に被装着部105に装着されるという誤装着を防止できる。
【0094】
また、旋回作業機1は、バッテリユニット90と、バッテリユニット90が出力する電力によって駆動する電動モータ91と、電動モータ91に出力する電力を調整するインバータ92bと、ラジエータ94から、インバータ92bと電動モータ91とバッテリユニット90のうちの1つ以上を通って、ラジエータ94に冷却水を循環させる水冷経路95と、を備えている。この構成によれば、ラジエータファン94a(ファンF)によってラジエータ94内の冷却水が冷却され、インバータ92bと電動モータ91とを冷却水によって冷却することができると共に、ラジエータファン94aをバッテリファンとしても活用することができ、バッテリユニット90の周囲の空気を外部に排出することができ、バッテリユニット90を空冷することができる。
【0095】
また、バッテリユニット90は、旋回台2の後部に配置され、インバータ92bは、バッテリユニット90の上方に配置され、電動モータ91は、バッテリユニットの側方に配置され、熱交換器CAとファンFとは、電動モータ91の上方に配置されている。この構成によれば、インバータ92bの周囲の空気と、バッテリユニット90の周囲の空気と、電動モータ91の上方の空気とを外装カバー70の外部に排出することができ、インバータ92bとバッテリユニット90とを空冷することができる。
【0096】
また、電動モータ91の駆動によって作動油を吐出する油圧ポンプPを備え、電動モータ91及び油圧ポンプPは、バッテリユニット90の側方において前後方向に並んで配置され、熱交換器CAとファンFとは、電動モータ91及び油圧ポンプPの上方に配置されている。この構成によれば、この構成によれば、インバータ92bの周囲の空気と、バッテリユニット90の周囲の空気と、電動モータ91及び油圧ポンプPの上方の空気とを外装カバー70の外部に排出することができ、インバータ92bとバッテリユニット90とを空冷することができる。
【0097】
上述した旋回作業機1は、旋回台2と、旋回台2に設けられた作業装置20と、バッテリユニット90と、バッテリユニット90側から空気を吸引するファンFと、ファンFによって吸引される空気を用いて冷却対象を冷却する熱交換器CAとを有する冷却ユニットCUと、バッテリユニット90が充電状態であるか放電状態であるかを検出するBMU123(検出部)と、ファンFの駆動を制御する制御装置120と、を備え、制御装置120は、BMU123がバッテリユニット90の充電状態を検出している場合、ファンFを予め定められた第1回転数で駆動させる。この構成によれば、バッテリユニット90の充電状態において、熱交換器CAを冷却することができると共に、ファンFをバッテリファンとしても活用することができ、バッテリユニット90の周囲の空気を外部に排出することができ、バッテリユニット90を冷却することができる。つまり、バッテリユニット90の充電状態において、バッテリユニット90、熱交換器CAを冷却することができる。
【0098】
また、バッテリユニット90が出力する電力によって駆動する電動モータ91と、電動モータ91によって駆動されて作動油を吐出する油圧ポンプPと、を備え、冷却ユニットCUとして、バッテリユニット90側から空気を吸引するラジエータファン94aと、ラジエータファン94aによって吸引される空気を用いて冷却対象機器を冷却するための冷却水を冷却するラジエータ94とを有する第1冷却ユニットCU1と、バッテリユニット
90側から空気を吸引するオイルクーラファン97aと、オイルクーラファン97aによって吸引される空気を用いて作動油を冷却するオイルクーラ97とを有する第2冷却ユニットCU2と、を備えており、制御装置120は、BMU123がバッテリユニット90の充電状態を検出している場合、ラジエータファン94aおよびオイルクーラファン97aの少なくとも一方を第1回転数で駆動させる。この構成によれば、バッテリユニット90の充電状態において、ラジエータ94とオイルクーラ97とを冷却することができると共に、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとをバッテリファンとしても活用することができ、バッテリユニット90の周囲の空気を外部に排出することができ、バッテリユニット90を冷却することができる。つまり、バッテリユニット90の充電状態において、バッテリユニット90、ラジエータ94及びオイルクーラ97を冷却することができる。
【0099】
また、旋回作業機1は、バッテリユニット90の温度を検出するBMU123(温度検出部)を備え、検出部がバッテリユニット90の充電状態を検出している場合、制御装置120は、BMU123にて検出されたバッテリユニット90の温度が設定温度以上であれば、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを第1回転数で駆動させ、バッテリユニット90の温度が設定温度未満であれば、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを駆動させない。この構成によれば、バッテリユニット90、ラジエータ94及びオイルクーラ97を、充電状態のバッテリユニット90の温度に応じて適切に冷却することができる。
【0100】
また、予め定められた第1回転数は、バッテリユニット90の放電状態において冷却対象を冷却するために設定されるファンFの第2回転数よりも低い回転数である。このため、バッテリユニット90の充電状態における温度上昇を抑制しつつ、バッテリユニット90の充電を行うことができる。
また、制御装置120は、BMU123(検出部)がバッテリユニット90の放電状態を検出している場合、油温検出部127が検出する作動油の温度に基づいてオイルクーラファン97aの駆動を制御する。この構成によれば、バッテリユニット90の放電状態(つまり、使用中)において、作動油の温度に応じてオイルクーラ97による冷却を行うことができる。
【0101】
また、旋回作業機1は、冷却水の温度を検出する水温検出部126を備え、制御装置120は、BMU123がバッテリユニット90の放電状態を検出している場合、水温検出部126が検出した冷却水の温度に基づいてラジエータファン94aの駆動を制御する。この構成によれば、バッテリユニット90の放電状態(つまり、使用中)において、冷却水の温度に応じてラジエータファン94aによる冷却を行うことができる。
【0102】
また、旋回作業機1は、バッテリユニット90、電動モータ91、及び油圧ポンプPを覆う外装カバー70を備え、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aは、外装カバー70が形成する空間から幅方向外方に空気を排出する。この構成によれば、バッテリユニット90、電動モータ91、及び油圧ポンプPの周囲の熱気を外部に排出することができ、バッテリユニット90、電動モータ91、及び油圧ポンプPの温度上昇を抑制することができる。
【0103】
<第1変形例>
第1変形例について、
図32を用いて説明する。
図32は、第1変形例の冷却ユニットCUのシュラウド110と点検扉76とによるダクト構成を示す右側ボンネットの横断面図である。
第1変形例の冷却ユニットCUは、
図32に示すように、シュラウド110は、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを仕切る仕切り壁117を有する。つまり、仕切り壁117は、ラジエータファン94aにより生じた冷却風を案内する空間と、オイルクーラファン97aにより生じた冷却風を案内する空間とを仕切る。具体的には、仕切り壁117は、固定部111に位置する第1延出部117aと、案内部112に位置する第2延出部117bとを有する。第1延出部117aは、固定部111の上辺部111a及び下辺部111dにおいてラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとの間に位置する状態で、上辺部111a及び下辺部111dに連結され、且つ、排気部77に向けて直線状に延出した形状となっている。第2延出部117bは、第1延出部117aの排気下流側の先端からからオイルクーラファン97aに近づく方向に屈曲して延出した形状となっている。このため、仕切り壁117によって仕切られた左側の開口横幅L41と、右側の開口横幅L42とが同一又は略同一長さとなっている。具体的には、左側の開口横幅L41は、排気部77の左端箇所から第2延出部117bまでの長さである。また、右側の開口横幅L42は、第2延出部117bから排気部77の右端箇所までの長さである。言い換えれば、左側の開口横幅L41は、シュラウド110の固定部111の左辺部111bから第2延出部117bまでの長さであり、右側の開口横幅L42は、第2延出部117bから点検扉76のリブ76dまでの長さである。このため、オイルクーラファン97a側の排気部77の開口大きさと、ラジエータファン94a側の排気部77の開口大きさとを同じ又は同程度とすることができる。
【0104】
なお、仕切り壁117は、第2延出部117bを
図32にて破線で示すように第1延出部117aの延長線上に延出した形状としてもよい。この場合は、オイルクーラファン97a側の排気部77の開口大きさの方が、ラジエータファン94a側の排気部77の開口大きさよりも大きくすることができる。
以下、
図33を用いて、ファン制御部120b(制御装置120)による制御処理について説明する。
図33は、第1変形例の制御処理を示すフローチャートである。まず、ファン制御部120bは、シュラウド110の仕切り壁117の有無を判定する(S21)。例えば、シュラウド110が仕切り壁117を有する場合には、記憶部121に仕切り壁117を有する情報が予め記憶されている。このため、ファン制御部120bは、この情報に基づいて仕切り壁117を有すると判定し(S21,Yes)、BMU123がバッテリユニット90の充電状態(充電中)を検出しているか否を判定する(S22)。
【0105】
ファン制御部120bは、バッテリユニット90の充電状態(充電中)であれば(S22,Yes)、BMU123にて検出されたバッテリユニット90の温度が設定温度以上であるか否かを判定する(S23)。ファン制御部120bは、バッテリユニット90の温度が設定温度以上であれば(S23,Yes)、油温検出部127が検出する作動油の温度が所定値以下か否かを判定する(S24)。ファン制御部120bは、作動油の温度が所定値以下でない場合(S24,No)、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを第1回転数で駆動させる(S25)。また、ファン制御部120bは、作動油の温度が所定値以下である場合(S24,Yes)、ラジエータファン94aを第1回転数で駆動させ、オイルクーラファン97aを駆動させない(S26)。
【0106】
S23において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の温度が設定温度以上でない(S23,No)、つまり、バッテリユニット90の温度が設定温度未満であれば、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを駆動させない(S27)。
S22において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の充電状態(充電中)でないと判定した場合(S22,No)、バッテリユニット90の放電状態(使用中)であるか否かを判定する(S28)。ファン制御部120bは、バッテリユニット90の放電状態(使用中)であれば(S28,Yes)、油温検出部127が検出する作動油の温度に基づいて、オイルクーラファン97aを第2回転数で駆動させる(S29)。ファン制御部120bは、水温検出部126が検出した冷却水の温度に基づいて、ラジエータファン94aを第2回転数で駆動させる(S30)。
【0107】
ファン制御部120bは、S25のあと、S26のあと、S27のあと、又は、S30のあと、S21の処理に戻る。
S28において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の放電状態(使用中)でないと判定した場合(S28,No)、又は、記憶部121に仕切り壁117を有する情報が記憶されていない場合(S21,No)、本処理を終了する。
【0108】
第1変形例の旋回作業機1では、シュラウド110は、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを仕切る仕切り壁117を有し、制御装置120は、BMU123(検出部)がバッテリユニット90の充電状態を検出している場合、油温検出部127が検出した作動油の温度が所定値以下であれば、オイルクーラファン97aの駆動を停止させ、ラジエータファン94aの第1回転数での駆動を継続させる。この構成によれば、バッテリユニット90の充電状態において、作動油の温度が所定値以下となることを抑制することができると共に、ラジエータファン94aの第1回転数での駆動によってバッテリユニット90及びラジエータ94の冷却を継続することができる。
【0109】
上述した旋回作業機1は、旋回台2と、旋回台2に設けられた作業装置20と、冷却ユニットCUと、を備え、冷却ユニットCUは、開口部98d、98eを有する枠体98と、枠体98の一方面側における開口部98d、98eに対応する位置に取り付けられた熱交換器CAと、熱交換器CAに対して枠体98と反対側の位置に吸気側を熱交換器CA側に向けて配置されたファンユニットFUと、ファンユニットFUからの排気を案内するシュラウド110と、が一体化されたユニットであり、冷却ユニットCUは、旋回台2に立設された支持フレーム35に設けられた固定ブラケット37に取り付けられる。この構成によれば、冷却ユニットCUを一回の組み付け作業で旋回台2上の支持フレーム35に取り付けることができる。従って、旋回作業機の生産性を向上させることができる。例えば、部品点数の多い冷却系統を事前に組み立てた構成、つまり、冷却ユニットCUとすることで、メインライン上で組立時間を短縮することができ、例えばディーゼル式の旋回作業機と同じタクトタイムで生産可能であり、混合生産することができる。また、サービスメンテナンス時に冷却ユニットCUごと取り外すことができるので、冷却ユニットCUの下方に位置する電動モータ91及び油圧ポンプPまでのアクセス時間を短時間とすることができる。
【0110】
また、固定ブラケット37は、冷却ユニットCUの取付作業のときに、当該冷却ユニットCUが仮置きされる仮置き部37eを有している。この構成によれば、冷却ユニットCUの取付作業を補助することができ、冷却ユニットCUの取付作業がし易くなる。
また、仮置き部37eは、仮置きされた冷却ユニットCUの高さ位置が、固定ブラケット37への冷却ユニットCUの取付高さに一致する位置に設けられている。この構成によれば、冷却ユニットCUが仮置き部37eに仮置きされると、当該冷却ユニットCUの高さが、固定ブラケット37への冷却ユニットCUの取付高さに一致するので、冷却ユニットCUの高さ方向の位置決めの作業負担を低減することができる。このため、冷却ユニットCUの取付作業がし易くなる。
【0111】
また、枠体98は、冷却ユニットCUが固定ブラケット37に締結部材39によって固定される固定部98bを備え、固定部98bは、冷却ユニットCUの排気側から見た場合に、熱交換器CA、ファンユニットFU及びシュラウド110に重複しない箇所に設けられている。この構成によれば、冷却ユニットCUを固定ブラケット37に取り付ける場合に、冷却ユニットCUの枠体98の固定部98bにアクセスし易く且つ締結部材39によって冷却ユニットCUを固定ブラケット37に固定する作業がし易くなる。
【0112】
また、冷却ユニットCUは、ラジエータ94に接続された冷却水用ホース(例えば、送り水路95b、戻り水路95cなど)及び、オイルクーラ97に接続された作動油用ホースOHの少なくとも一方が取り付けられたアッセンブリである。この構成によれば冷却水用ホース及び作動油用ホースの少なくとも一方を取り付けた状態の冷却ユニットCUを、旋回台2上の支持フレーム35の固定ブラケット37に取り付けることができる。冷却ユニットCUを固定ブラケット37に取り付けた後に、冷却水用ホース、作動油用ホースなどを取り付ける作業負担を低減することができる。
【0113】
また、枠体98の一方面側とは反対の他方面側には、ファンユニットFUによって吸引される空気中の塵芥を捕捉するフィルタ100が装着される被装着部105が設けられている。この構成によれば、冷却ユニットCUは、枠体98と熱交換器CAとファンFとシュラウド110との他に、更に、フィルタ100が装着される被装着部105が追加されたユニットであり、フィルタ100を被装着部105に取り付けておくことができ、フィルタ100を取り付けた状態の冷却ユニットCUを、旋回台2上の支持フレーム35の固定ブラケット37に取り付けることができる。
【0114】
また、フィルタ100は、ラジエータ94用の第1フィルタ100Aと、オイルクーラ
97用の第2フィルタ100Bとを含み、被装着部105には、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとが枠体98の開口部に対して並列に並べて配置されている。この構成によれば、第1フィルタ100Aと第2フィルタ100Bとを取り付けた状態の冷却ユニットCUを、旋回台2上の支持フレーム35の固定ブラケット37に取り付けることができる。
【0115】
また、冷却ユニットCUは、吊り具が取り付けられる取付部98aを有している。この構成によれば、冷却ユニットCUは、吊り具が取り付けられる取付部98aを有しているので、取付部98aに取り付けた吊り具を用いて、クレーンなどで冷却ユニットCUを吊り上げることができ、冷却ユニットCUの取り付け作業の負担を低減できる。
また、旋回作業機1は、バッテリユニット90と、バッテリユニット90が出力する電力によって駆動する電動モータ91と、電動モータ91の駆動によって、作動油を吐出する油圧ポンプPと、を備え、電動モータ91及び油圧ポンプPは、バッテリユニット90の側方に配置され、冷却ユニットCUは、バッテリユニット90の側方、且つ油圧ポンプP及び電動モータ91の上方に配置されている。この構成によれば、バッテリユニット90の周囲の空気を冷却ユニットCUのラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aによって外部に排出することができ、バッテリユニット90を空冷することができる。
【0116】
また、旋回作業機1は、冷却ユニットCU、バッテリユニット90、電動モータ91、及び油圧ポンプPを覆う外装カバー70と、外装カバー70に対して開閉可能に設けられ、排気部77を有する点検扉76と、を備え、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aは、外装カバー70が形成する空間から幅方向外方に、排気部77を介して空気を排出する。この構成によれば、バッテリユニット90の周囲の空気を冷却ユニットCUのラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aによって、外装カバー70の排気部77から外部に排出することができ、バッテリユニット90、電動モータ91、及び油圧ポンプPなどの外装カバー70の内部に配置された機器を空冷することができる。
【0117】
上述した旋回作業機1では、点検扉76が閉状態にされると、シュラウド110の先端開口縁部110aが当該点検扉76の排気部77を囲む位置に当接することにより、ファンFにより生じた冷却風を排気部77に案内するダクトが形成されるので、冷却風を確実に排気部77から外部に排気でき、吸込側に回り込むことを防止できる。このため、冷却風の排気性能、及び、冷却風による冷却性能を向上させることができる。また、点検扉76が閉状態にされると、シュラウド110の先端開口縁部110aが点検扉76の排気部77を囲む位置に当接するだけであり、点検扉76がダクト部材を備える訳ではないので、点検扉76を軽量、単純、コンパクトとすることができる。このため、点検扉76の開閉時の負担を軽減することができ、点検扉76を保持するための保持用ブラケットの強度を増加させる必要がないので、生産性に優れ、且つ、低コストとすることができる。
【0118】
また、点検扉76は、その内側で排気部77を囲む位置に配置された弾性体76cを備え、弾性体76cは、点検扉76が閉状態においてシュラウド110の先端開口縁部110aと接触することで弾性変形して点検扉76とシュラウド110の先端開口縁部110aとの当接部をシールする。この構成によれば、シュラウド110の先端開口縁部110aと点検扉76の内側とを密着させることができ、冷却風を更に確実に排気部77から外部に排気でき、吸込側に回り込むことを確実に防止できる。また、点検扉76を閉じるときの衝撃を弾性体76cが吸収することができ、衝撃力及び衝撃音を低減することができる。
【0119】
また、熱交換器CAは、冷却対象機器を冷却するための冷却水を冷却するラジエータ94と、作業装置20を駆動させる作動油を冷却するオイルクーラ97とを含み、ラジエータ94とオイルクーラ97とが矩形状の枠体98の一方面に当該枠体98の開口部に対して並列に並べて配置され、ファンFは、ラジエータ94を冷却するラジエータファン94aと、オイルクーラ97を冷却するオイルクーラファン97aとを含み、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aが枠体98の開口部に対して並列に並べて配置されており、シュラウド110は、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとの両方を囲む筒状の固定部111と、固定部111から排気部77側に延設され、ラジエータファン94aの駆動により生じた冷却風及びオイルクーラファン97aの駆動により生じた冷却風を案内する案内部と、を備えている。この構成によれば、点検扉76が閉状態にされると、シュラウド110の先端開口縁部110aが点検扉76の排気部77を囲む位置に当接することにより、ラジエータファン94aにより生じた冷却風とオイルクーラファン97aにより生じた冷却風とを排気部77に案内するダクトが形成されるので、両方の冷却風を効率よく排気部77から外部に排気できる。このため、旋回作業機の排気性能、冷却性能を向上させることができる。
【0120】
また、固定部111は、上辺部111aと左辺部111bと下辺部111dと右辺部111cとを有する角筒状枠であり、角筒状枠によってラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとの両方を囲むまれており、下辺部111dには、ラジエータファン94aのケース下部を支持する第1弾性支持体113と、オイルクーラファン97aのケース下部を支持する第2弾性支持体114とを備えている。この構成によれば、ラジエータファン94aの振動が、固定部111の下辺部111dの第1弾性支持体113によって低減され、ラジエータファン94aの振動音を低減することができる。また、オイルクーラファン97aの振動が、固定部111の下辺部111dの第2弾性支持体114によって低減され、オイルクーラファン97aの振動音を低減することができる。
【0121】
また、下辺部111dは、ラジエータファン94aのケース下部に対応する箇所に第1切欠き部115を有し、オイルクーラファン97aのケース下部に対応する箇所に第2切欠き部116を有し、第1切欠き部115に第1弾性支持体113が設けられ、第2切欠き部116に第2弾性支持体114が設けられている。この構成によれば、下辺部111d上に第1弾性支持体113及び第2弾性支持体114を設ける場合に比べて、固定部111の上下寸法の増加を最小限に抑制することができ、固定部111を、その下辺部111dをラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aのケース下部と接触するまで近づけた最小形状とすることができる。また、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aの振動音を低減することができる。
【0122】
また、排気部77は、網目状部材であり、固定部111の開口よりも下側に拡張された大きさであり、案内部112は、固定部111の下辺部111dの端部から外方斜め下方向に延出した下傾斜延出部112aを有し、下傾斜延出部112aは、排気部77の下辺部77a及び下辺部77aの外側箇所76aの少なくとも一方に当接する。この構成によれば、シュラウド110の固定部111の開口に対して下側に拡張された排気部77の形状に合わせたダクト構造を実現することができる。更に、排気部77が網目状部材であることによる排気性能の低下分を、シュラウド110の先端開口縁部110aを固定部111の開口上下幅よりも大きくすることによって補うことができる。また、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aを高い位置に配置することができる。また、排気部77から点検扉76の内部に水、ゴミ等が入った場合に、水、ゴミ等を下傾斜延出部112aの傾斜によって点検扉76側に向けて排出案内され、冷却ユニットCUに入ることを抑制できる。
【0123】
また、案内部112は、固定部111の右辺部の端部から固定部111の開口側に屈曲して延出した右側屈曲延出部112bを有し、点検扉76は、外装カバー70に対して開閉可能とする開閉軸76bを有し、開閉軸76bが、外装カバー70における固定部111の右辺部に対応する箇所に設けられ、右側屈曲延出部112bの固定部111からの突出長さL11は、下傾斜延出部112aの固定部111からの突出長さL12よりも短い。この構成によれば、点検扉76の開状態において、右側屈曲延出部112bと外装カバー70との間にメンテナンスのためのスペースを確保することができ、メンテナンス作業がし易くなる。例えば、右側屈曲延出部112bと外装カバー70との間には、右側前部ボンネット75を取り外す場合に操作されるハンドル部(図示省略)が位置しており、このハンドル部の操作がし易くなる。
【0124】
また、外装カバー70の上部ボンネット71(上部カバー)は、旋回台2に立設された
支持フレーム35に取り外し可能に取り付けられているので、旋回台2に設けられた保護機構80(キャビン又はキャノピなど)を取り外すことなく、上部カバーを取り外すことができ、上部カバーを取り外した状態での作業を行うことができる。
<第2変形例>
第2変形例について説明する。旋回作業機1は、
図8に示すように、点検扉76の開閉を検出する検出スイッチなどの検知部128を備えるようにしてもよい。検知部128は、点検扉76が開状態であれば開状態を示す検出信号を制御装置120に出力し、点検扉76が閉状態であれば閉状態を示す検出信号をする。制御装置120は、検知部128からの検出信号に基づいて、電動モータ91、ラジエータファン94a、及びオイルクーラファン97aの少なくとも1つを制御してもよい。第2変形例では、制御装置120は、検知部128にて点検扉76の開状態が検知されると、電動モータ91を、点検扉76の閉状態の場合の回転数よりも低い回転数で駆動させる。また、制御装置120は、検知部128にて点検扉76の開状態が検知されると、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aの回転を停止させる。
【0125】
以下、
図34を用いて、ファン制御部120b(制御装置120)による制御処理について説明する。
図34は、第2変形例の制御処理を示すフローチャートである。まず、ファン制御部120bは、検知部128からの検出信号に基づいて、点検扉76が開状態であるか否かを判定する(S41)。ファン制御部120bは、閉状態を示す検出信号であれば、点検扉76が閉状態であると判定し(S41,No)、BMU123がバッテリユニット90の充電状態(充電中)を検出しているか否を判定する(S42)。
【0126】
ファン制御部120bは、バッテリユニット90の充電状態(充電中)であれば(S42,Yes)、BMU123にて検出されたバッテリユニット90の温度が設定温度以上であるか否かを判定する(S43)。ファン制御部120bは、バッテリユニット90の温度が設定温度以上であれば(S43,Yes)、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを第1回転数で駆動させる(S25)。
【0127】
S43において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の温度が設定温度以上でない(S43,No)、つまり、バッテリユニット90の温度が設定温度未満であれば、ラジエータファン94aとオイルクーラファン97aとを駆動させない(S27)。
S42において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の充電状態(充電中)でないと判定した場合(S42,No)、バッテリユニット90の放電状態(使用中)であるか否かを判定する(S46)。ファン制御部120bは、バッテリユニット90の放電状態(使用中)であれば(S46,Yes)、油温検出部127が検出する作動油の温度に基づいて、オイルクーラファン97aを第2回転数で駆動させる(S47)。ファン制御部120bは、水温検出部126が検出した冷却水の温度に基づいて、ラジエータファン94aを第2回転数で駆動させる(S48)。
【0128】
S41において、ファン制御部120bは、開状態を示す検出信号であれば、点検扉76が開状態であるとし判定(S41,Yes)、電動モータ91が回転しているか否かを判定する(S49)。例えば、回転数制御部120cは電動モータ91の回転数を制御する。このため、ファン制御部120bは、回転数制御部120cが電動モータ91の回転数を「零」以外の回転数に設定している場合、電動モータ91が回転していると判定する(S49,Yes)。ファン制御部120bは、電動モータ91が回転していると判定した場合(S49,Yes)、電動モータ91を通常よりも低い回転数(例えば、500rpm)で回転させる(S50)。ファン制御部120bは、電動モータ91が回転していないと判定した場合(S49,No)、又は、S50の処理のあと、S45の処理に進む。
【0129】
ファン制御部120bは、S44のあと、S45のあと、又は、S48のあと、S41の処理に戻る。
S46において、ファン制御部120bは、バッテリユニット90の放電状態(使用中)でないと判定した場合(S46,No)、本処理を終了する。
第2変形例の旋回作業機1では、制御装置120は、検知部128にて点検扉76の開
状態が検知されると、電動モータ91を、点検扉76の閉状態の場合の回転数よりも低い回転数で駆動させる。この構成によれば、点検扉76の開状態において、点検扉76の閉状態の場合よりも電動モータ91の消費電力を低減することができ、電気エネルギーを効率よく使うことができる。
【0130】
また、旋回作業機1では、制御装置120は、検知部128にて点検扉76の開状態が検知されると、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aの回転を停止させる。この構成によれば、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aの回転を停止させた状態で点検を行うことができ、且つ、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aの消費電力を零にすることができ、電気エネルギーを効率よく使うことができる。
【0131】
また、ラジエータ94は、上部に冷却水が供給される給水部94cを備え、外装カバー70は、点検扉76とは別に、給水部94cに対応する箇所に取外し可能な蓋部75aを備えている。この構成によれば、外装カバー70の蓋部75aを取り外すことで、ラジエータ94の給水部94cに冷却水を供給することができる。また、点検扉76を開状態にすることなく、冷却水の供給が可能であるので、点検扉76が開状態となることで、電動モータ91の回転数が低下したり、ラジエータファン94a及びオイルクーラファン97aの回転が停止したりすることを防止できる。
【0132】
上述した実施形態では、本発明をバックホー等の旋回作業機に適用する場合の例について説明したが、本発明の適用対象はこれに限らず、例えば、ホイールローダ、コンパクトトラックローダ、スキッドステアローダ等の他の建設機械に適用してもよく、トラクター、コンバイン、田植機、芝刈機等の農業機械に適用してもよい。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1 旋回作業機
2 旋回台
20 作業装置
30 オイルクーラ
30a オイルクーラファン
35 支持フレーム
37 固定ブラケット
37e 仮置き部
39 締結部材
70 外装カバー
73a 吸気口
75a 蓋部
76 点検扉
76c 弾性体
77 排気部
90 バッテリユニット
91 電動モータ
92b インバータ
94 ラジエータ
94c 給水部
94a ラジエータファン
97 オイルクーラ
97a オイルクーラファン
98 枠体
98a 取付部
98d 開口部
98e 開口部
100 フィルタ
100A 第1フィルタ
100B 第2フィルタ
101 把持部
101a 延出部
101b 屈曲部
102 固定具
105 被装着部
106 着脱口
110 シュラウド
110a 先端開口縁部
111 固定部
111a 上辺部
111b 左辺部
111d 下辺部
111c 右辺部
112 案内部
112a 下傾斜延出部
112b 右側屈曲延出部
113 第1弾性支持体
114 第2弾性支持体
115 第1切欠き部
116 第2切欠き部
117 仕切り壁
120 制御装置
123 BMU(検出部、温度検出部)
126 水温検出部
127 油温検出部
128 検知部
CA 熱交換器(冷却装置)
CU 冷却ユニット
CU1 第1冷却ユニット
CU2 第2冷却ユニット
F ファン
P 油圧ポンプ