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  • 特開-温度検出回路、および半導体装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150785
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】温度検出回路、および半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/01 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G01K7/01 C
G01K7/01 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060059
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤松 陽平
(72)【発明者】
【氏名】名手 智
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056JT06
(57)【要約】
【課題】温度検出精度を向上させつつ回路規模を小さくできる温度検出回路を提供する。
【解決手段】温度検出回路(1)は、制御端と、第1主電極と、第2主電極とを有するトランジスタ(BP1)と、前記トランジスタがオフ状態となるように前記制御端にバイアス電圧(Vbs)を印加可能に構成されるバイアス部(2)と、前記トランジスタに流れるリーク電流(Ie_leak)を電圧信号(VA)に変換するように構成される電圧変換部(R3)と、前記電圧信号と基準電圧(VB)とを比較するように構成されるコンパレータ(CP1)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御端と、第1主電極と、第2主電極とを有するトランジスタと、
前記トランジスタがオフ状態となるように前記制御端にバイアス電圧を印加可能に構成されるバイアス部と、
前記トランジスタに流れるリーク電流を電圧信号に変換するように構成される電圧変換部と、
前記電圧信号と基準電圧とを比較するように構成されるコンパレータと、
を備える、温度検出回路。
【請求項2】
前記バイアス部は、電源電圧を分圧抵抗により分圧することで前記バイアス電圧を生成するように構成される、請求項1に記載の温度検出回路。
【請求項3】
前記トランジスタは、バイポーラトランジスタであり、
前記制御端は、ベースであり、
前記第1主電極は、コレクタであり、
前記第2主電極は、エミッタであり、
前記バイアス部は、前記制御端であるベースに前記バイアス電圧を印加可能に構成される、請求項1または請求項2に記載の温度検出回路。
【請求項4】
前記電圧変換部は、前記エミッタに接続される電圧変換抵抗である、請求項3に記載の温度検出回路。
【請求項5】
制御端と、第1主電極と、第2主電極とを有するトランジスタと、
前記トランジスタに流れるリーク電流を電圧信号に変換するように構成される電圧変換部と、
前記電圧信号と基準電圧とを比較するように構成されるコンパレータと、
を備え、
前記制御端と前記第2主電極とが短絡されることで、前記トランジスタはオフ状態である、温度検出回路。
【請求項6】
前記トランジスタは、バイポーラトランジスタであり、
前記制御端は、ベースであり、
前記第1主電極は、コレクタであり、
前記第2主電極は、エミッタである、請求項5に記載の温度検出回路。
【請求項7】
前記トランジスタは、MOSトランジスタであり、
前記制御端は、ゲートであり、
前記第1主電極は、ドレインであり、
前記第2主電極は、ソースである、請求項5に記載の温度検出回路。
【請求項8】
電源電圧の印加端に接続可能なカソードを有するツェナーダイオードと、
前記ツェナーダイオードに流れるリーク電流を電圧信号に変換するように構成される電圧変換部と、
前記電圧信号と基準電圧とを比較するように構成されるコンパレータと、
を備え、
前記電源電圧は、前記ツェナーダイオードに逆バイアスを印加するとともに、前記ツェナーダイオードのツェナー電圧よりも低い、温度検出回路。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の温度検出回路を備える半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、温度検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、過熱検出回路などの温度検出回路が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-368110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような温度検出回路においては、温度検出精度および回路規模の点で改善の余地があった。
【0005】
上記状況に鑑み、本開示は、温度検出精度を向上させつつ回路規模を小さくできる温度検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、本開示の一態様に係る温度検出回路は、制御端と、第1主電極と、第2主電極とを有するトランジスタと、
前記トランジスタがオフ状態となるように前記制御端にバイアス電圧を印加可能に構成されるバイアス部と、
前記トランジスタに流れるリーク電流を電圧信号に変換するように構成される電圧変換部と、
前記電圧信号と基準電圧とを比較するように構成されるコンパレータと、
を備える構成としている。
【0007】
また、本開示の一態様に係る温度検出回路は、制御端と、第1主電極と、第2主電極とを有するトランジスタと、
前記トランジスタに流れるリーク電流を電圧信号に変換するように構成される電圧変換部と、
前記電圧信号と基準電圧とを比較するように構成されるコンパレータと、
を備え、
前記制御端と前記第2主電極とが短絡されることで、前記トランジスタはオフ状態である構成としている。
【0008】
また、本開示の一態様に係る温度検出回路は、電源電圧の印加端に接続可能なカソードを有するツェナーダイオードと、
前記ツェナーダイオードに流れるリーク電流を電圧信号に変換するように構成される電圧変換部と、
前記電圧信号と基準電圧とを比較するように構成されるコンパレータと、
を備え、
前記電源電圧は、前記ツェナーダイオードに逆バイアスを印加するとともに、前記ツェナーダイオードのツェナー電圧よりも低い構成としている。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る温度検出回路によれば、温度検出精度を向上させつつ回路規模を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係る温度検出回路の構成を示す回路図である。
図2図2は、バイポーラトランジスタのベース・エミッタ間電圧Vbeとコレクタ電流Icとの関係の一例を示す図である。
図3図3は、温度(T)と各種リーク電流(I)、温度(T)と各種電圧(V)、および温度(T)と出力信号CPOUTの各関係の一例を示す図である。
図4図4は、本開示の第2実施形態に係る温度検出回路の構成を示す回路図である。
図5図5は、本開示の第3実施形態に係る温度検出回路の構成を示す回路図である。
図6図6は、本開示の第4実施形態に係る温度検出回路の構成を示す回路図である。
図7図7は、本開示の第5実施形態に係る温度検出回路の構成を示す回路図である。
図8図8は、比較例に係る温度検出回路の構成を示す回路図である。
図9図9は、温度(T)と各種電圧(V)との関係、および温度(T)と出力信号(CPOUT)との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る例示的な実施形態について説明する。
【0012】
<1.比較例>
ここでは、本開示に係る例示的な実施形態について説明する前に、対比のための比較例について説明する。このような比較例を説明することで、課題が明らかとなる。
【0013】
図8は、比較例に係る温度検出回路100の構成を示す回路図である。半導体IC(集積回路)チップをパッケージ化して構成される半導体装置には、ジャンクション温度が所定温度以上に上昇した場合に、ICをシャットダウンさせる過熱保護機能が備えられる。温度検出回路100は、このような過熱保護機能を実現する過熱検出回路として構成される。
【0014】
図8に示すように、温度検出回路100は、定電流回路150と、バイポーラトランジスタBPAと、分圧抵抗RA,RBと、コンパレータCPAと、を備える。
【0015】
定電流回路150は、PMOSトランジスタPM1,PM2と、定電流源CIと、を有する。PMOSトランジスタPM1,PM2は、Pチャネル型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である。PMOSトランジスタPM1のドレインには、定電流源CIが接続される。PMOSトランジスタPM1のソースは、電源電圧Vccの印加端に接続される。PMOSトランジスタPM1のゲート・ドレイン間は、短絡される。PMOSトランジスタPM2のソースは、電源電圧Vccの印加端に接続される。PMOSトランジスタPM2のゲートは、PMOSトランジスタPM1のゲートに接続される。このようにPMOSトランジスタPM1,PM2によりカレントミラーが構成される。定電流源CIにより生成される定電流は、上記カレントミラーにより定電流IAにミラーリングされる。すなわち、定電流回路150は、定電流IAを生成する回路である。
【0016】
バイポーラトランジスタBPAは、NPNトランジスタにより構成される。バイポーラトランジスタBPAのベース・コレクタ間は、短絡される。これにより、バイポーラトランジスタBPAは、ダイオード接続される。バイポーラトランジスタBPAのエミッタは、グランド電位の印加端に接続される。バイポーラトランジスタBPAのコレクタは、PMOSトランジスタPM2のドレインに接続される。これにより、ダイオード接続されたバイポーラトランジスタBPAに定電流IAが流れる。
【0017】
バイポーラトランジスタBPAのコレクタは、コンパレータCPAの反転入力端(-)に接続される。これにより、コンパレータCPAの反転入力端には、定電流IAに応じてバイポーラトランジスタBPAのコレクタに発生する電圧VAが印加される。バイポーラトランジスタBPAの非反転入力端(+)には、基準電圧Vregを分圧抵抗RA,RBにより分圧して生成される基準電圧VBが印加される。コンパレータCPAは、電圧VAと基準電圧VBを比較して、比較結果として出力信号CPOUTを生成する。
【0018】
ここで、図9は、温度(T)と各種電圧(V)との関係、および温度(T)と出力信号(CPOUT)との関係の一例を示す。図9に示すように、バイポーラトランジスタBPAは、温度が高くなるほど、電圧VAが低下する温度特性を有する。温度が所望の過熱検出温度Td(例えば175℃)に達して、電圧VAが基準電圧VBを下回ったときにコンパレータCPAから出力される出力信号CPOUTはローレベルからハイレベルに切り替わる。これにより、過熱保護を行うことが可能となる。
【0019】
しかしながら、図9に示すように、電流IAのばらつきによって電圧VAがばらつく(図2上段の破線)。これにより、出力信号CPOUTのレベルが切り替わる温度にばらつきΔTが発生する。このように、比較例に係る温度検出回路10では、温度検出精度に課題があるとともに、定電流回路150が必要なために回路規模が大きくなる課題があった。
【0020】
<2.第1実施形態>
上記のような課題を解決すべく、以下説明する本開示の実施形態が実施される。図1は、本開示の第1実施形態に係る温度検出回路1の構成を示す回路図である。温度検出回路1は、半導体装置5に備えられる。温度検出回路1により半導体装置5における過熱検出保護機能が実現される。
【0021】
温度検出回路1は、バイアス部2と、バイポーラトランジスタBP1と、電圧変換抵抗R3と、分圧抵抗R4,R5と、コンパレータCP1と、を備える。
【0022】
バイアス部2は、分圧抵抗R1,R2を有する。バイアス部2は、分圧抵抗R1,R2により基準電圧Vregを分圧することでバイアス電圧Vbsを生成する。
【0023】
バイポーラトランジスタBP1は、NPNトランジスタにより構成される。バイポーラトランジスタBP1のコレクタは、電源電圧Vccの印加端に接続される。バイポーラトランジスタBP1のベースには、バイアス電圧Vbsが印加される。バイポーラトランジスタBP1のエミッタは、電圧変換抵抗R3の一端に接続される。電圧変換抵抗R3の他端は、グランド電位の印加端に接続される。
【0024】
電圧変換抵抗R3の一端は、コンパレータCP1の非反転入力端(+)に接続される。これにより、コンパレータCP1の非反転入力端(+)には、電圧変換抵抗R3の一端に発生する電圧VAが印加される。コンパレータCP1の反転入力端(-)には、基準電圧Vregを分圧抵抗R4,R5により分圧して生成される基準電圧VBが印加される。コンパレータCP1は、電圧VAと基準電圧VBを比較して、比較結果として出力信号CPOUTを生成する。
【0025】
ここで、図2は、バイポーラトランジスタBP1のベース・エミッタ間電圧Vbeとコレクタ電流Icとの関係の一例を示す図である。図2に示すようにコレクタ電流Icが流れないベース・エミッタ間電圧Vbe1に対応するバイアス電圧VbsがバイポーラトランジスタBP1のベースに印加される。すなわち、バイアス部2は、バイポーラトランジスタBP1をオフ状態とするようなバイアス電圧Vbsを生成する。
【0026】
また、図3には、温度検出回路1における温度(T)と各種リーク電流(I)、温度(T)と各種電圧(V)、および温度(T)と出力信号CPOUTの各関係の一例を示す。
【0027】
温度が低い通常時には、バイポーラトランジスタBP1のベース・エミッタ間に流れるベースリーク電流Ib_leakは流れない。そのため、バイポーラトランジスタBP1に流れるコレクタリーク電流Ic_leakおよびエミッタリーク電流Ie_leakも流れない。従って、エミッタリーク電流Ie_leakを電圧変換抵抗R3により電流・電圧変換して生成される電圧VAは0Vであり、コンパレータCP1から出力される出力信号CPOUTはローレベルである。
【0028】
高温である所定の温度Ts(例えば150°)に温度が上昇して達すると、ベースリーク電流Ib_leakが流れ出す。これにより、ベースリーク電流Ib_leakを増幅率hFEにより増幅したコレクタリーク電流Ic_leakおよびエミッタリーク電流Ie_leakも流れ出す(Ic_leak,Ie_leak=Ib_leak×hFE)。従って、電圧VAが上昇を開始する。
【0029】
温度がさらに上昇すると、ベースリーク電流Ib_leak、コレクタリーク電流Ic_leakおよびエミッタリーク電流Ie_leakが増加することで、電圧VAが上昇する。そして、温度が所定の過熱検出温度Tdに達すると、電圧VAが基準電圧VBを上回り、出力信号CPOUTがローレベルからハイレベルに切り替わる。これにより、過熱検出が行われる。
【0030】
このような本実施形態によれば、コレクタリーク電流Ic_leakおよびエミッタリーク電流Ie_leakは、温度Tsからの温度上昇に伴い急峻に増加するため、過熱検出温度Tdのばらつきが抑制される。過熱検出温度Tdのばらつきとしては、リーク電流が流れ出す温度Tsのばらつきが主要因となる。しかしながら、ばらつき要因がPN接合部の作りこみ(P+やN+の拡散濃度など)のみに抑えられることにより温度Tsのばらつきが抑えられるため、過熱検出温度Tdのばらつきは抑制される。さらに、本実施形態の温度検出回路1では、先述した比較例のような定電流回路が不要となるため、定電流によるばらつき要因が無くなる。従って、温度検出精度を向上させつつ、回路規模を小さくすることが可能となる。
【0031】
<3.第2実施形態>
図4は、本開示の第2実施形態に係る温度検出回路11の構成を示す回路図である。図4に示す温度検出回路11は、先述した第1実施形態(図1)との相違点として、バイアス部2を備えておらず、バイポーラトランジスタBP1のベース・エミッタ間を短絡している。
【0032】
これにより、第1実施形態よりも回路規模を小さくしつつ、バイポーラトランジスタBP1をオフ状態とすることができる。
【0033】
<4.第3実施形態>
図5は、本開示の第3実施形態に係る温度検出回路12の構成を示す回路図である。図5に示す温度検出回路12は、先述した第1実施形態(図1)との相違点として、ツェナーダイオードZD1を備えている。
【0034】
ツェナーダイオードZD1のカソードは、電源電圧Vccの印加端に接続される。ツェナーダイオードZD1のアノードは、電圧変換抵抗R3の一端に接続される。電圧変換抵抗R3の一端がコンパレータCP1の非反転入力端(+)に接続される。
【0035】
電源電圧Vccは、ツェナーダイオードZD1に逆バイアスを印加するとともに、ツェナーダイオードZD11のツェナー電圧よりも低い電圧に設定される。例えば、ツェナー電圧が5Vとして、電源電圧Vccが2Vなどである。
【0036】
これにより、通常時にはツェナーダイオードZD1に電流が流れず、温度が高温となるとツェナーダイオードZD1にリーク電流Ileakが流れる。リーク電流Ileakが電圧変換抵抗R3により電圧VAに変換される。コンパレータCP1は、電圧VAと基準電圧VBとを比較する。
【0037】
温度が上昇して過熱検出温度に達したときに、電圧VAが基準電圧VBを上回り、出力信号CPOUTがローレベルからハイレベルに切り替わる。これにより、過熱検出が行われる。このような本実施形態の温度検出回路12によっても、温度検出精度を向上しつつ、回路規模を小さくできる。
【0038】
<5.第4実施形態>
図6は、本開示の第4実施形態に係る温度検出回路13の構成を示す回路図である。図6に示す温度検出回路13は、先述した第1実施形態(図1)との相違点として、NMOSトランジスタNM1を備えている。NMOSトランジスタNM1は、Nチャネル型MOSFETである。
【0039】
NMOSトランジスタNM1のドレインは、電源電圧Vccの印加端に接続される。バイアス部2により生成されるバイアス電圧Vbsは、NMOSトランジスタNM1のゲートに印加される。NMOSトランジスタNM1のソースは、電圧変換抵抗R3の一端に接続される。
【0040】
バイアス電圧Vbsは、NMOSトランジスタNM1をオフ状態とするように設定される。すなわち、バイアス電圧Vbsは、NMOSトランジスタNM1のゲート・ソース間電圧Vgsがしきい値電圧より低くなるように設定される。これにより、通常時にはNMOSトランジスタNM1のドレイン・ソース間に電流が流れず、温度が高温となるとNMOSトランジスタNM1のドレイン・ソース間にリーク電流Ileakが流れる。リーク電流Ileakが電圧変換抵抗R3により電圧VAに変換される。コンパレータCP1は、電圧VAと基準電圧VBとを比較する。
【0041】
温度が上昇して過熱検出温度に達したときに、電圧VAが基準電圧VBを上回り、出力信号CPOUTがローレベルからハイレベルに切り替わる。これにより、過熱検出が行われる。このような本実施形態の温度検出回路13によっても、温度検出精度を向上しつつ、回路規模を小さくできる。
【0042】
<6.第5実施形態>
図7は、本開示の第5実施形態に係る温度検出回路14の構成を示す回路図である。図7に示す温度検出回路14は、先述した第4実施形態(図6)との相違点として、バイアス部2を備えておらず、NMOSトランジスタNM1のゲート・ソース間を短絡している。
【0043】
これにより、第4実施形態よりも回路規模を小さくしつつ、NMOSトランジスタNM1をオフ状態とすることができる。
【0044】
<7.その他>
以上、例示的な実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内において、実施形態は種々に変形が可能である。
【0045】
<8.付記>
以上の通り、例えば、本開示の一態様に係る温度検出回路(1)は、
制御端と、第1主電極と、第2主電極とを有するトランジスタ(BP1)と、
前記トランジスタがオフ状態となるように前記制御端にバイアス電圧(Vbs)を印加可能に構成されるバイアス部(2)と、
前記トランジスタに流れるリーク電流(Ie_leak)を電圧信号(VA)に変換するように構成される電圧変換部(R3)と、
前記電圧信号と基準電圧(VB)とを比較するように構成されるコンパレータ(CP1)と、
を備える構成としている(第1の構成)。
【0046】
また、上記第1の構成において、前記バイアス部(2)は、電源電圧(Vreg)を分圧抵抗(R1,R2)により分圧することで前記バイアス電圧を生成するように構成されることとしてもよい(第2の構成)。
【0047】
また、上記第1または第2の構成において、前記トランジスタは、バイポーラトランジスタ(BP1)であり、
前記制御端は、ベースであり、
前記第1主電極は、コレクタであり、
前記第2主電極は、エミッタであり、
前記バイアス部(2)は、前記制御端であるベースに前記バイアス電圧(Vbs)を印加可能に構成されてもよい(第3の構成)。
【0048】
また、上記第3の構成において、前記電圧変換部は、前記エミッタに接続される電圧変換抵抗(R3)である構成としてもよい(第4の構成)。
【0049】
また、本開示の一態様に係る温度検出回路(11)は、制御端と、第1主電極と、第2主電極とを有するトランジスタ(BP1)と、
前記トランジスタに流れるリーク電流を電圧信号(VA)に変換するように構成される電圧変換部(R3)と、
前記電圧信号と基準電圧(VB)とを比較するように構成されるコンパレータ(CP1)と、
を備え、
前記制御端と前記第2主電極とが短絡されることで、前記トランジスタはオフ状態である構成としている(第5の構成)。
【0050】
また、上記第5の構成において、前記トランジスタは、バイポーラトランジスタ(BP1)であり、
前記制御端は、ベースであり、
前記第1主電極は、コレクタであり、
前記第2主電極は、エミッタである構成としてもよい(第6の構成)。
【0051】
また、上記第5の構成において、前記トランジスタは、MOSトランジスタ(NM1)であり、
前記制御端は、ゲートであり、
前記第1主電極は、ドレインであり、
前記第2主電極は、ソースである構成としてもよい(第7の構成)。
【0052】
また、本開示の一態様に係る温度検出回路(12)は、電源電圧(Vcc)の印加端に接続可能なカソードを有するツェナーダイオード(ZD1)と、
前記ツェナーダイオードに流れるリーク電流を電圧信号(VA)に変換するように構成される電圧変換部(R3)と、
前記電圧信号と基準電圧(VB)とを比較するように構成されるコンパレータ(CP1)と、
を備え、
前記電源電圧は、前記ツェナーダイオードに逆バイアスを印加するとともに、前記ツェナーダイオードのツェナー電圧よりも低い構成としている(第8の構成)。
【0053】
また、本開示の一態様に係る半導体装置(5)は、上記第1から第8のいずれかの構成とした温度検出回路(1)を備える(第9の構成)。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本開示は、例えば、半導体装置の過熱保護に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 温度検出回路
2 バイアス部
5 半導体装置
10~14 温度検出回路
100 温度検出回路
150 定電流回路
BP1 バイポーラトランジスタ
BPA バイポーラトランジスタ
CI 定電流源
CP1 コンパレータ
CPA コンパレータ
NM1 NMOSトランジスタ
PM1,PM2 PMOSトランジスタ
R1,R2 分圧抵抗
R3 電圧変換抵抗
R4,R5 分圧抵抗
RA,RB 分圧抵抗
ZD1 ツェナーダイオード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9