(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150792
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】交流設備の電圧充電表示装置
(51)【国際特許分類】
G01R 19/155 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G01R19/155
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060072
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(71)【出願人】
【識別番号】500285727
【氏名又は名称】三和電気計器株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】597019609
【氏名又は名称】株式会社 シーディエヌ
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】大浦 洋治
(72)【発明者】
【氏名】於保 健一
(72)【発明者】
【氏名】澤田 真克
(72)【発明者】
【氏名】小島 正巳
(72)【発明者】
【氏名】関根 隆好
(72)【発明者】
【氏名】野田 龍三
(72)【発明者】
【氏名】松尾 和顕
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA21
2G035AB04
2G035AC03
2G035AD13
2G035AD20
2G035AD23
2G035AD56
(57)【要約】
【課題】ケーブルや電気機器など交流電源で使用されるもの(以下、交流設備という)に装着するだけで交流電圧が印加されていることを表示・警報する交流設備の電圧充電表示装置を提供する。
【解決手段】交流設備の電圧充電表示する装置において、検知回路の第1電極1で交流設備Kに印加された電圧を測定し、同回路の第2電極2で大地Gに対する電圧を測定し、これらの第1電極1の電位と第2電極2の電位差により流れる電流を前記検知回路4で捉えて、大地Gから絶縁された交流設備に電圧が印加された際、前記検知回路4から導出された出力を表示、警報する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流設備の電圧充電表示装置において、検知回路は交流設備に印加された電圧を測定対象とした第1電極と、大地に対する電圧を測定対象とした第2電極とを有し、前記交流設備に電圧が印加された際前記検知回路から信号を出力する回路を備え、前記第1電極は交流設備との間に誘電体を介して一定面積を有する板から成り、第2電極は前記第1電極に対する垂直投影面積を小さくし、かつ、大地に対する面積を大きくした形状としたことを特徴とする、交流設備の電圧充電表示装置。
【請求項2】
交流設備の電圧充電表示装置において、検知回路は交流設備に印加された電圧を測定対象とした第2電極と、大地に対する電圧を測定対象とした第1電極とを有し、前記交流設備に電圧が印加された際前記検知回路から信号を出力する回路を備え、前記第1電極は大地との間に誘電体を介して一定面積を有する板から成り、第2電極は前記第1電極に対する垂直投影面積を小さくし、かつ、交流設備の充電部に対する面積を大きくした形状としたことを特徴とする、交流設備の電圧充電表示装置。
【請求項3】
前記交流設備の間に介在する誘電体は、前記第1電極、第2電極を収納する絶縁容器と、交流設備の絶縁を保つための筐体や被覆の内の何れかであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の交流設備の電圧充電表示装置。
【請求項4】
前記第1電極は平板とし、前記第2電極は第1電極の平板の上に起立したポール形状であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の交流設備の電圧充電表示装置。
【請求項5】
前記第1電極は平板とし、前記第2電極は第1電極の平板の上に起立した円筒形状であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の交流設備の電圧充電表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ケーブルや電気機器など交流電源が使用されているもの(以下、交流設備という)に交流電圧が印加されていることを表示又は警報する交流設備の電圧充電表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この電圧充電表示装置は、電気設備並びに電気設備工事においては感電防止のため、また、コンセントや電気機器などの充電表示は電気が通電されているか否かどうかの状態を視認できることを目的として設けている。
【0003】
従来、このような交流電圧充電状態を表示する電圧検知・表示機器としては、以下のものがある。
【0004】
交流設備に印加された電圧を、直接又は間接的に電圧源として表示装置を点灯させる接触型の電圧表示装置がある。これは印加された電圧源から電源を得るため、同電源と電気的に直接又は間接的に接続する必要がある。高電圧源の場合は、VT(変成器)が必要となる、機器のA種接地が必要となる、など設備が大がかりとなる。
【0005】
また、ケーブルを流れる電流によって電磁誘導の原理により表示装置を点灯させる非接触型の電流検知型の表示装置がある。この場合、充電したケーブルの電源とは非接触で検知可能だが、電流が流れていないと検知できない。つまり、電圧は印加されているが無負荷状態のときは検知できない。電気設備の定期点検などにおいては、このような状態が想定されるケースが多く、感電保護上用をなさない。
【0006】
また、静電容量結合の技術を用いた方法による非接触型の検電表示器や活線警報装置がある。これは
図10に示すように、大地と静電容量結合した人体を基準とし、被測定物である充電部に検電表示器の電極を接近させた際、充電部と検電表示器との静電容量C
011、検電器と作業者との間の静電容量C
012及び作業者と大地との静電容量C
02を通じて流れる微小電流を検電表示器の検出回路が検出し、当該電流が一定値以上であれば、前記被測定物に電圧があると判定し、それを表示又は警報している。
【0007】
この方式の検電表示器は従来広く使用されており、特許文献1は検電表示器を手首に装着し、検電表示器本体から手先方向に電極を突出させたものであり、当該検電表示器を被測定物に接近させて検電するものである。また、特許文献2は工具の柄の部分に検電表示器の検電電極を密着させ、当該工具を握って作業者が工具を被測定物に接近させ、被測定物の電圧を検出、警報するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8―220151号公報
【特許文献2】特許第6467447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの検電表示器は電源→検知装置→人体→大地→電源の検知回路を構成する必要があり、当該検知回路に人体を介在させる必要がある。従って、作業者が交流設備やケーブル等の交流設備の電圧充電部に近づかなくても充電表示できる独立型の表示装置を構成することはできない。
【0010】
そこで、この発明は上述の課題を解決するため、交流設備の導電部に非接触で取り付けるだけで交流設備の電圧充電状況を表示する、持ち運びが可能で、交流設備であるケーブルや電気機器に取り付けが容易な装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
具体的には、請求項1の発明は、交流設備の電圧充電表示装置において、検知回路は交流設備に印加された電圧を測定対象とした第1電極と、大地に対する電圧を測定対象とした第2電極とを有し、前記交流設備に電圧が印加された際前記検知回路から信号を出力する回路を備え、前記第1電極は交流設備との間に誘電体を介して一定面積を有する板から成り、第2電極は前記第1電極に対する垂直投影面積を小さくし、かつ、大地に対する面積を大きくした形状とした、交流設備の電圧充電表示装置とした。
【0012】
また、請求項2の発明は、交流設備の電圧充電表示装置において、検知回路は交流設備に印加された電圧を測定対象とした第2電極と、大地に対する電圧を測定対象とした第1電極とを有し、前記交流設備に電圧が印加された際前記検知回路から信号を出力する回路を備え、前記第1電極は大地との間に誘電体を介して一定面積を有する板から成り、第2電極は前記第1電極に対する垂直投影面積を小さくし、かつ、交流設備の充電部に対する面積を大きくした形状とした、交流設備の電圧充電表示装置とした。
【0013】
また、請求項3に発明は、前記交流設備との間に介在する誘電体は、前記第1電極、第2電極を収納する絶縁容器とケーブルの被覆や電気計器などの絶縁容器の内の何れかである、請求項1又は2に記載の交流設備の電圧充電表示装置とした。
【0014】
また、請求項4の発明は、前記第1電極は平板とし、前記第2電極は第1電極の平板の上に起立したポール形状である、請求項1~3のいずれかに記載の交流設備の電圧充電表示装置とした。
【0015】
また、請求項5の発明は、前記第1電極は平板とし、前記第2電極は第1電極の平板の上に起立した円筒形状である、請求項1~3のいずれかに記載の交流設備の電圧充電表示装置とした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1又は2の発明によれば、交流設備のどこかに当該表示装置を取り付けておけば、当該表示装置を装着した交流設備に電圧が印加されると信号を出力する。従って、電気工事等において、作業者の失念によって充電部に近づいた場合でも、前記信号による表示や警報により注意喚起が可能となり、感電等の事故を未然に防ぐことが出来る。
【0017】
また、請求項3の発明によれば、前記ケーブルの被覆や電気機器などの絶縁容器は交流設備に必ず設けられているものであり、これらのいずれかに、第1電極と第2電極が収納された絶縁容器を装着すればよく、交流設備への装着が容易である。
【0018】
また、請求項4及び5の発明によれば、電極1と電極2との間に発生する電圧が大きくなり、交流設備に生じている電圧V02を確実に捉えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(a)図はこの発明の実施の形態例1の表示装置の検知回路の原理を示す概略構成図、(b)図は同等価回路図である。
【
図2】(a)図はこの発明の実施の形態例1の表示装置の外観正面図、(b)図は同表示装置の交流設備への装着状態図、(c)図は同表示装置の電極の分解図である。
【
図3】この発明の実施の形態例1の表示装置の第2電極の形状例を示す斜視図である。
【
図4】この発明の実施の形態例1の表示装置の検知回路の構成図である。
【
図5】この発明の実施の形態例2の表示装置の一例を示す概略縦断面図である。
【
図6】この発明の実施の形態例2の表示装置の一例の電極を示す斜視図である。
【
図7】この発明の実施の形態例2の表示装置の他の例を示す概略縦断面図である。
【
図8】この発明の実施の形態例2の表示装置の他の例の電極を示す斜視図である。
【
図9】(a)図はこの発明の実施の形態例3の表示装置の検知回路の原理を示す概略構成図、(b)図は同等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施の形態例1)
以下、この発明の交流設備の電圧充電表示装置を図に基づいて説明する。
【0021】
図1の(a)図は、この発明の表示装置Aの検知原理を示す概略構成図である。この表示装置Aはケーブル等の交流設備Kに巻き付ける巻き付け型であり、第1電極1と第2電極2により構成されている。ここでC
1は交流設備Kと第1電極1間の静電容量、C
21は第1電極1と第2電極2間の静電容量、C
22は交流設備Kと第2電極2間の静電容量、C
31は第1電極1と大地G又は接地された構造物間の静電容量、C
32は第2電極2と大地G又は接地された構造物間の静電容量である。
【0022】
また、第1電極1と第2電極2の間に検知回路4が設けられている。そして、
図2に示すように、巻き付け型の帯状体5の表面に前記第1電極1、第2電極2及び検知回路4(ただし、
図2では図示省略)が取り付けられ、帯状体5の端部の表裏面に夫々設けた雄雌の面ファスナー5a、5bによって、交流設備Kに装着できるようになっている。なお、上記面ファスナー5a、5bに代えて、クリップで帯状体5を交流設備に取り付けるものでもよい。
【0023】
なお、静電容量Cは式1で表される。εは誘電率、Sは電極の面積、dは電極間の距離である。
【0024】
【0025】
この表示装置Aの全体の合成容量は、次式の式2となることが予想される。また、第1電極1と第2電極2の間に発生する電圧VC2は式3となる。このVC2が検出を可能にする電圧である。
【0026】
【0027】
【0028】
上記式3から、C1を大きくし、かつC21を小さくすれば、VC2が大きくなり、検出に有効なVC2を得ることが出来る。また、C32が大きければ、さらに有効なVC2を得られる。また、C22が小さければ、検知回路4に流れる電流を大きくすることができ、検出に有利となる。
【0029】
そこで、上記C=εS/dの「S」を大きくし、かつ、「d」を小さくすることにより前記C
1を大きくする。このため第1電極1を、大きな面積を有し、かつ、交流設備Kに巻き付くような可とう性のある電極とし、第2電極2と接する電極形状を細くすることでC=εS/dの「S」を小さくし、前記C
21を小さくした。
図2に示す第1電極1は両側の電極板1aを四方形として面積を大きくし、これらの電極板1a、1aを繋ぐ接続部1bを帯状の細い電極板とし、全体を可とう性を有するものとした。
【0030】
また、第2電極2は、第1電極1に対する垂直投影面積を小さくして上記「S」を小さくし、前記C
21を小さくする。また、交流設備Kに対する垂直投影面積を小さくして上記「S」を小さくし、前記C
22を小さくする。また、空間(大地)に対する面積(側面積)を確保し、これによってC
32を大きくする。
図2に示す第2電極2は円筒形状とし、前記第1電極1の接続部1bに起立させたものである。
【0031】
これらの構成によって、第1電極1と第2電極2の間に発生する電圧VC2を大きくし、検出を可能にしている。また、前記第1電極1を交流設備Kに直に当てて密着させた場合、前記C1は無限大となり、前記式3に示すようにVc2は大きくなり、感度が良くなる。
【0032】
なお、前記第1電極1の形状は
図2に示すものに限らない。また、前記第2電極2の形状についても円筒形状に限らない。例えば、
図3の(a)図に示すように円板形状のものや、
図3の(b)図に示すように、2枚の半円板を十字形状にクロスさせたものでも良い。また、
図3の(c)図は前記円筒形状の第2電極2を示す。これらの各第2電極2は夫々絶縁材から成る基板3を介して前記第1電極1の接続部1bに載置される。
【0033】
また、前記検知回路4の構成は、
図4に示すように、前記第1電極1と第2電極2間のC
21に流れる電流信号によって生じた電圧V
C2を増幅する増幅回路6、基準電圧発生回路7が夫々設けられ、前記増幅回路6の出力信号と前記基準電圧発生回路7の出力信号とを比較する比較回路8により、信号が出力された場合にのみ音声発生回路9及び点灯表示回路10が作動する。また、当該検知回路4には電源11を備えており、当該電源11のスイッチ12をオンにすることにより各回路に電源が供給される。
【0034】
次に、この発明の表示装置Aによる交流設備Kの電圧充電状態を表示する方法の説明をする。
作業者は電気工事作業に際して、まず、当該表示装置Aを交流設備Kに装着し、検知回路4のスイッチ12をオンにする。
図1の(b)図に示すように、交流設備KはV
02の電位とすると、第1電極1は電位V
02から静電容量C
1を経由して分圧されて電位V
2となる。第2電極2の電圧は電位V
2により流出する電流がC
21とC
32によって分圧された電位となる。この流出電流iによって生じた静電容量C
21間の電位差V
C2を検知回路4が検知し、流出電流iによる静電容量C
21の電位差V
C2を増幅した出力信号が基準電圧より大きければ、音声発生回路9から警報音が発せられ、また、点灯表示回路10が点灯する。これにより交流設備Kが充電されている状態であることが分かる。一方、前記スイッチ12をオン状態にしていても、交流設備Kに電圧が印加されていなければ前記音声発生回路9及び点灯表示回路10は作動しない。
【0035】
なお、上記実施の形態例1では表示装置Aを巻き付け型としたが、これに限らず、交流設備Kのいずれかの箇所に装着されるものであれば良い。また、上記実施の形態例1では表示装置Aを巻き付け型の帯状体5に取付けているが、これに限らず、第1電極1のみを交流設備Kに巻き付け、この第1電極1と第2電極2とを離して、第2電極2を別途交流設備Kの他の箇所に取付ける構成としてもよい。また、第1電極1は可とう性のある平板としたが、これに限らず、編組導体等、広く導体であればよい。
【0036】
(実施の形態例2)
次にこの発明の実施の形態例2の表示装置Bについて
図5~
図8に基づいて説明する。
【0037】
前記実施の形態例1では第1電極1を、大きな面積を有し、かつ、交流設備Kに巻き付くような可とう性のある電極とし、第2電極2と接する電極形状を細くすることでC=εS/dの「S」を小さくし、前記C21を小さくした。しかしながら、第1電極を交流設備Kに密着させない場合でも前述の原理で検電が可能であることが分かった。これが実施の形態例2である。
【0038】
実施の形態例2における表示装置Bの一つの例は、
図5及び
図6に示すように、箱型の絶縁ケース15の内部に円板から成る第1電極16が収納され、当該第1電極16の一面中央部に、垂直に棒状の第2電極17が設けられ、さらに、これらの第1電極及び第2電極の間に電気的に接続された、実施の形態例1と同じ検知回路4が設けられている。また、前記絶縁ケース15の側面にはクリップ15aが設けられている。
【0039】
また、実施の形態例2における表示装置Bの他の例は、
図7及び
図8に示すように、箱型の絶縁ケース15の内部に円板から成る第1電極18が収納され、当該第1電極18の一面中央部に、垂直に筒状の第2電極19が設けられ、さらに、これらの第1電極及び第2電極の間に電気的に接続された、実施の形態例1と同じ検知回路4が設けられている。また、前記絶縁ケース15の側面にはクリップ15aが設けられている。
【0040】
(実施の形態例3)
次にこの発明の実施の形態例3の表示装置Cについて
図9に基づいて説明する。この実施の形態例3の表示装置Cは、前記表示装置Aの第1電極1と第2電極の2の位置を入れ替えたものであり、検知回路4は前記
図4と同じものを用いる。
【0041】
図9の(a)図は、この発明の表示装置Cの検知原理を示す概略構成図である。この表示装置Cはケーブル等の交流設備Kに取り付けるものであり、ここでC
1は交流設備Kと第2電極1間の静電容量、C
21は第2電極2と第1電極1間の静電容量、C
22は交流設備Kと第1電極1間の静電容量、C
31は第2電極2と大地G又は接地された構造物間の静電容量、C
32は第1電極1と大地G又は接地された構造物間の静電容量である。
【0042】
この表示装置Cにおいても前記実施の形態例1の表示装置Aと同様の動きをする。すなわち、作業者は電気工事作業に際して、まず、当該表示装置Cを交流設備Kに装着し、検知回路4のスイッチ12をオンにする。
図9の(b)図に示すように、交流設備KはV
02の電位とすると、第2電極2は電位V
02から静電容量C
1を経由して分圧されて電位V
2となる。第1電極1の電圧は電位V
2により流出する電流がC
21とC
32によって分圧された電位となる。この流出電流iによって生じた静電容量C
21間の電位差V
C2を検知回路4が検知し、流出電流iによる静電容量C
21の電位差V
C2を増幅した出力信号が基準電圧より大きければ、音声発生回路9から警報音が発せられ、また、点灯表示回路10が点灯する。これにより交流設備Kが充電されている状態であることが分かる。一方、前記スイッチ12をオン状態にしていても、交流設備Kに電圧が印加されていなければ前記音声発生回路9及び点灯表示回路10は作動しない。
【0043】
なお、上記実施の形態例1、2及び3では表示装置A、B又はCに音声発生回路9及び点灯表示回路10を設けたが、これらを設けずに、比較回路8からの出力を送信部(図示省略)で受けて外部に無線で信号を飛ばし、表示装置A、B又はCとは別に設けた通信機器や端末機器でこれを受信し、当該機器で警報や表示する構成にすることもできる。
【0044】
以上、実施の形態例1~3を説明したが、これは例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この発明はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
A 表示装置 B 表示装置
C 表示装置
G 大地 K 交流設備
1 第1電極 1a 電極板
1b 接続部 2 第2電極
3 基板 4 検知回路
5 帯状体 5a 面ファスナー
5b 面ファスナー 6 増幅回路
7 基準電流発生回路 8 比較回路
8 音声発生回路 9 点灯表示回路
11 電源 12 スイッチ
15 絶縁ケース 15a クリップ
16 第1電極 17 第2電極
18 第1電極 19 第2電極