(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150796
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 11/875 20180101AFI20231005BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20231005BHJP
F24F 140/20 20180101ALN20231005BHJP
【FI】
F24F11/875
F24F11/65
F24F140:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060079
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 亮
(72)【発明者】
【氏名】廣崎 佑
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB06
3L260BA22
3L260BA34
3L260CB37
3L260CB81
3L260DA05
3L260EA08
3L260FB25
3L260FB59
(57)【要約】
【課題】異なる作動流体と熱交換される冷媒の温度を短時間に変化させる。
【解決手段】空気調和機1は、冷媒が循環する冷媒回路5と、冷媒と異なる水が循環する水回路6と、冷媒と水とを熱交換する中間熱交換器16と、水と室内の空気とを熱交換する室内熱交換器22と、水が貯留される温水蓄熱槽41と、温水蓄熱槽41と水回路6とを接続したり、温水蓄熱槽41と水回路6との接続を遮断したりする水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44と、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを制御する制御装置51とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1冷媒が循環する第1回路と、
前記第1冷媒と異なる第2冷媒が循環する第2回路と、
前記第1冷媒と前記第2冷媒とを熱交換する熱交換器と、
前記第2冷媒と室内の空気とを熱交換する室内熱交換器と、
前記第2冷媒のうちの一部が貯留される蓄熱槽と、
前記蓄熱槽と前記第2回路とを接続したり、前記蓄熱槽と前記第2回路とを遮断したりする弁と、
前記弁を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記室内の空気を冷却する冷房運転から、前記室内熱交換器を加熱する内部クリーン運転に切り替わるときに、前記蓄熱槽と前記第2回路とが接続されるように、前記弁を制御する
空気調和機。
【請求項2】
前記制御部は、前記内部クリーン運転が実行されるときに、前記蓄熱槽と前記第2回路とが遮断されるように、前記弁を制御する
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記制御部は、前記内部クリーン運転から前記冷房運転に切り替わるときに、前記蓄熱槽と前記第2回路とが接続されるように、前記弁を制御する
請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記制御部は、前記冷房運転が実行されるときに、前記蓄熱槽と前記第2回路とが遮断されるように、前記弁を制御する
請求項3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記第2冷媒のうちの前記蓄熱槽に貯留される一部の第1温度を測定する第1温度センサと、
前記第2冷媒のうちの前記第2回路を循環する一部の第2温度を測定する第2温度センサとをさらに備え、
前記制御部は、前記第1温度と前記第2温度との温度差が閾値より大きいときに、前記蓄熱槽に貯留される前記第2冷媒を前記第2回路に供給し、前記温度差が前記閾値より小さいときに、前記蓄熱槽と前記第2回路とを遮断するように、前記弁を制御する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記第2冷媒のうちの一部が貯留される他の蓄熱槽と、
前記他の蓄熱槽と前記第2回路とを接続したり、前記他の蓄熱槽と前記第2回路との接続を遮断したりする他の弁とをさらに備え、
前記制御部は、前記他の弁をさらに制御する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記第2冷媒のうちの前記他の蓄熱槽に貯留される前記第2冷媒のうちの一部に外気の熱を伝える前記他の蓄熱槽の伝熱性能は、前記第2冷媒のうちの前記蓄熱槽に貯留される一部に外気の熱を伝える前記蓄熱槽の伝熱性能に比較して高い
請求項6に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
冷房運転後に、室内熱交換器の表面に結露水を維持しながら室内熱交換器を加熱する内部クリーン運転を実施する空気調和機が知られている(特許文献1)。このような空気調和機は、加熱により室内熱交換器を除菌することができ、カビの繁殖が抑制されるように室内熱交換器を乾燥することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外気と熱交換される冷媒が循環する一次回路と、室内の空気と熱交換される水が循環する二次回路と、冷媒と水(他の冷媒)とを熱交換する熱交換器とを備える空気調和機が知られている。このような空気調和機は、冷房運転後に内部クリーン運転を実施するときに、室内熱交換器の除菌・乾燥に必要な温度に水を加熱する必要があり、水を加熱することに時間を要するという問題がある。
【0005】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、異なる作動流体と熱交換される冷媒の温度を短時間に変化させる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による空気調和機は、第1冷媒が循環する第1回路と、前記第1冷媒と異なる第2冷媒が循環する第2回路と、前記第1冷媒と前記第2冷媒とを熱交換する熱交換器と、前記第2冷媒と室内の空気とを熱交換する室内熱交換器と、前記第2冷媒のうちの一部が貯留される蓄熱槽と、前記蓄熱槽と前記第2回路とを接続したり、前記蓄熱槽と前記第2回路とを遮断したりする弁と、前記弁を制御する制御部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
開示の空気調和機は、異なる作動流体と熱交換される冷媒の温度を短時間に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施例1の空気調和機を示す回路図である。
【
図2】
図2は、実施例1の空気調和機を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施例2の空気調和機を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願が開示する実施形態にかかる空気調和機について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の記載により本開示の技術が限定されるものではない。また、以下の記載においては、同一の構成要素に同一の符号を付与し、重複する説明を省略する。
【実施例0010】
図1は、実施例1の空気調和機1を示す回路図である。空気調和機1は、室外機2と室内機3とを備えている。室外機2は、屋外に設置されている。室内機3は、空気調和機1により冷暖房される室内に設置されている。空気調和機1は、第1冷媒としての冷媒(例えば、R32やR290等)が循環する冷媒回路5(第1回路)と、第2冷媒としての水(例えば、不凍液)が循環する水回路6(第2回路)と、をさらに備えている。冷媒回路5は、室外機2の内部に配置されている。冷媒回路5は、圧縮機11と四方弁12と室外熱交換器14と膨張弁15と中間熱交換器16とを備えている。
【0011】
圧縮機11は、吸入管17と吐出管18とを備えている。圧縮機11は、吸入管17を介して供給される低温低圧の気相冷媒を回転数に応じて圧縮し、低温低圧の気相冷媒が圧縮されることにより生成された高温高圧の気相冷媒を吐出管18に吐出する。
【0012】
四方弁12は、第1接続口121と第2接続口122と第3接続口123と第4接続口124とを備えている。第1接続口121は、吸入管17に接続され、吸入管17を介して圧縮機11に接続されている。第2接続口122は、吐出管18に接続され、吐出管18を介して圧縮機11に接続されている。第3接続口123は、室外熱交換器14に接続されている。第4接続口124は、中間熱交換器16に接続されている。四方弁12は、暖房位置または冷房位置に切り替えられる。四方弁12が暖房位置に切り替えられているときに、第2接続口122は、第4接続口124に接続され、第3接続口123は、第1接続口121に接続される。四方弁12が冷房位置に切り替えられているときに、第2接続口122は、第3接続口123に接続され、第4接続口124は、第1接続口121に接続される。
【0013】
室外熱交換器14は、一方の流出入口が第3接続口123に接続され、他方の流出入口が膨張弁15に接続されている。中間熱交換器16は、一方の流出入口が第4接続口124に接続され、他方の流出入口が膨張弁15に接続されている。
【0014】
水回路6は、ポンプ21と室内熱交換器22とを備えている。ポンプ21は、室外機2の内部に配置されている。ポンプ21は、吸入側が中間熱交換器16に接続され、吐出側が室内熱交換器22に接続されている。ポンプ21は、中間熱交換器16から供給される水を室内熱交換器22に吐出することで、水回路6に水を循環させる。なお、水回路6には、水と異なる他の熱媒体を使用しても良い。熱媒体としては、不凍液が例示される。室内熱交換器22は、室内機3の内部に配置されている。室内熱交換器22は、後述する水回路開閉弁42を介して中間熱交換器16に接続されている。
【0015】
水回路6は、室内熱交循環水温度センサ23(第2温度センサ)と中間熱交循環水温度センサ24(第2温度センサ)とをさらに備えている。室内熱交循環水温度センサ23は、ポンプ21と室内熱交換器22とを接続する配管のうちの室内熱交換器22の近傍に設けられ、ポンプ21から室内熱交換器22に流れる水の温度を測定する。中間熱交循環水温度センサ24は、室内熱交換器22と中間熱交換器16とを接続する配管のうちの中間熱交換器16の近傍に設けられ、室内熱交換器22から中間熱交換器16に流れる水の温度を測定する。
【0016】
空気調和機1は、蓄熱槽回路31をさらに備えている。蓄熱槽回路31は、室外機2の内部に配置されている。蓄熱槽回路31には、蓄熱用流路32が形成されている。蓄熱用流路32の一端は、水回路6のうちのポンプ21と室内熱交換器22との間の流路33に形成される上流側分岐点34に接続されている。蓄熱用流路32の他端は、流路33のうちの上流側分岐点34と中間熱交換器16との間に形成される下流側分岐点35に接続されている。
【0017】
蓄熱槽回路31は、温水蓄熱槽41(蓄熱槽)と水回路開閉弁42(弁)と上流側開閉弁43(弁)と下流側開閉弁44(弁)とを備えている。温水蓄熱槽41は、蓄熱用流路32の途中に設けられ、蓄熱用流路32を流れる水を貯留する。水回路開閉弁42は、流路33のうちの上流側分岐点34と下流側分岐点35とを接続する流路45の途中に設けられている。水回路開閉弁42は、流路45に水が流れるように上流側分岐点34と下流側分岐点35とを接続したり、流路45に水が流れないように流路45を遮断したりする。上流側開閉弁43は、蓄熱用流路32のうちの上流側分岐点34と温水蓄熱槽41との間に設けられている。上流側開閉弁43は、蓄熱用流路32に水が流れるように上流側分岐点34と温水蓄熱槽41とを接続したり、流路33に水が流れないように蓄熱用流路32を遮断したりする。下流側開閉弁44は、蓄熱用流路32のうちの温水蓄熱槽41と下流側分岐点35との間に設けられている。下流側開閉弁44は、蓄熱用流路32に水が流れるように温水蓄熱槽41と下流側分岐点35とを接続したり、蓄熱用流路32に水が流れないように蓄熱用流路32を遮断したりする。
【0018】
蓄熱槽回路31は、貯留水温度センサ46(第1温度センサ)をさらに備えている。貯留水温度センサ46は、温水蓄熱槽41に貯留される水の温度を測定する。
【0019】
図2は、実施例1の空気調和機1を示すブロック図である。空気調和機1は、制御装置51(制御部)をさらに備えている。制御装置51は、コンピュータであり、図示されていない記憶装置52とCPU53(Central Processing Unit)とを備えている。記憶装置52には、制御装置51にインストールされるコンピュータプログラムが記録され、CPU53により利用される情報が記録される。CPU53は、制御装置51にインストールされるコンピュータプログラムを実行することにより、情報処理し、記憶装置52を制御する。
【0020】
制御装置51は、さらに、圧縮機11と四方弁12とポンプ21と室内熱交循環水温度センサ23と中間熱交循環水温度センサ24と貯留水温度センサ46と水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを制御する。記憶装置52には、温度差閾値と入替時間とが記録されている。
【0021】
空気調和機1が実行する動作は、暖房運転と冷房運転と内部クリーン運転とを含んでいる。
【0022】
[暖房運転]
暖房運転は、たとえば、空気調和機1がユーザにより操作されたときに実行される。制御装置51は、空気調和機1が暖房運転を実行するときに、四方弁12を暖房位置に切り替える。制御装置51は、圧縮機11を制御し、吸入管17を介して供給された低温低圧の気相冷媒を圧縮する。低温低圧の気相冷媒は、圧縮機11により圧縮されることにより、高温高圧の気相冷媒に状態変化する。圧縮機11は、高温高圧の気相冷媒を吐出管18に吐出する。四方弁12は、暖房位置に切り替えられていることにより、吐出管18に吐出された高温高圧の気相冷媒を中間熱交換器16に供給する。
【0023】
中間熱交換器16は、四方弁12から供給された高温高圧の気相冷媒と、水回路6を循環する水とを熱交換し、水を加熱し、高温高圧の気相冷媒を冷却する。高温高圧の気相冷媒は、中間熱交換器16により冷却されることにより、過冷却状態の高温高圧の液相冷媒に状態変化する。すなわち、中間熱交換器16は、空気調和機1が暖房運転を実行するときに、凝縮器として機能する。高温高圧の液相冷媒は、膨張弁15に供給される。
【0024】
膨張弁15は、中間熱交換器16から室外熱交換器14に流れる冷媒の流量を調節し、室外熱交換器14から供給された高温高圧の液相冷媒を減圧させる。高温高圧の液相冷媒は、減圧することにより、湿り度が高い状態の低温低圧の気液二相冷媒に状態変化する。湿り度が高い状態の低温低圧の気液二相冷媒は、室外熱交換器14に供給される。
【0025】
室外熱交換器14は、膨張弁15から供給された低温低圧の気液二相冷媒と外気とを熱交換し、低温低圧の気液二相冷媒を加熱し、外気を冷却する。低温低圧の気液二相冷媒は、加熱されることにより、低温低圧の気相冷媒に状態変化する。すなわち、室外熱交換器14は、空気調和機1が暖房運転を実行するときに、蒸発器として機能する。低温低圧の気相冷媒は、四方弁12に供給される。四方弁12は、暖房位置に切り替えられていることにより、室外熱交換器14から供給された低温低圧の気相冷媒を吸入管17に供給し、吸入管17を介して低温低圧の気相冷媒を圧縮機11に供給する。
【0026】
制御装置51は、空気調和機1が暖房運転を実行するときに、水回路開閉弁42を開き、流路45に水が流れるように、上流側分岐点34と下流側分岐点35とを接続する。制御装置51は、さらに、上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを閉じ、蓄熱用流路32に水が流れないように、蓄熱用流路32を遮断する。すなわち、制御装置51は、空気調和機1が暖房運転を実行するときに、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御し、水回路6を循環する水が温水蓄熱槽41に供給されたり、温水蓄熱槽41に貯留された水が水回路6を供給されたりしないように、温水蓄熱槽41を水回路6から分離する。温水蓄熱槽41が水回路6から分離されているときに、温水蓄熱槽41に貯留されている水には、外気の熱が伝熱され、温水蓄熱槽41に貯留されている水の温度は、外気の温度に近付く。
【0027】
制御装置51は、温水蓄熱槽41が水回路6から分離された後に、ポンプ21を制御し、水が水回路6を循環するように、中間熱交換器16からポンプ21に供給された水を室内熱交換器22に供給する。室内熱交換器22は、ポンプ21から供給された水と、室内機3が設置された室内の空気とを熱交換し、水を冷却し、室内の空気を加熱する。室内熱交換器22により冷却された水は、中間熱交換器16に供給される。室内機3は、室内熱交換器22が室内の空気を冷却することにより、室内を暖房する。
【0028】
空気調和機1は、暖房運転が実行されるときに、温水蓄熱槽41が水回路6から分離されていることにより、冷媒回路5の冷媒が温水蓄熱槽41に貯留される水を加熱しないで、冷媒回路5の冷媒が水回路6を循環する水のみを加熱する。空気調和機1は、冷媒回路5の冷媒が水回路6を循環する水のみを加熱することにより、水回路6を循環する水の温度を短時間で上昇させることができる。空気調和機1は、水回路6を循環する水の温度が短時間で上昇することにより、暖房運転が開始されてから室内が暖房されるまでの時間を短縮することができる。
【0029】
[冷房運転]
冷房運転は、たとえば、空気調和機1がユーザにより操作されたときに実行される。制御装置51は、空気調和機1が冷房運転を実行するときに、四方弁12を制御し、四方弁12を冷房位置に切り替える。制御装置51は、圧縮機11を制御し、吸入管17を介して供給された低温低圧の気相冷媒を圧縮する。低温低圧の気相冷媒は、圧縮機11により圧縮されることにより、高温高圧の気相冷媒に状態変化する。圧縮機11は、高温高圧の気相冷媒を吐出管18に吐出する。四方弁12は、冷房位置に切り替えられていることにより、吐出管18に吐出された高温高圧の気相冷媒を室外熱交換器14に供給する。
【0030】
室外熱交換器14は、四方弁12から供給された高温高圧の気相冷媒と外気とを熱交換し、高温高圧の気相冷媒を冷却し、外気を加熱する。高温高圧の気相冷媒は、冷却されることにより、過冷却状態の高温高圧の液相冷媒に状態変化する。すなわち、室外熱交換器14は、空気調和機1が冷房運転を実行するときに、凝縮器として機能する。高温高圧の液相冷媒は、膨張弁15に供給される。
【0031】
膨張弁15は、室外熱交換器14から中間熱交換器16に流れる冷媒の流量を調節し、室外熱交換器14から供給された高温高圧の液相冷媒を減圧させる。高温高圧の液相冷媒は、減圧することにより、低温低圧の気液二相冷媒に状態変化する。低温低圧の気液二相冷媒は、中間熱交換器16に供給される。
【0032】
中間熱交換器16は、膨張弁15から供給された低温低圧の気液二相冷媒と、水回路6を循環する水とを熱交換し、水を冷却し、低温低圧の気液二相冷媒を加熱する。低温低圧の気液二相冷媒は、中間熱交換器16に加熱されることにより、低温低圧の気相冷媒に状態変化する。すなわち、中間熱交換器16は、空気調和機1が冷房運転を実行するときに、蒸発器として機能する。低温低圧の気相冷媒は、四方弁12に供給される。四方弁12は、冷房位置に切り替えられていることにより、中間熱交換器16から供給された低温低圧の気相冷媒を、吸入管17を介して圧縮機11に供給する。
【0033】
制御装置51は、空気調和機1が冷房運転を実行するときに、水回路開閉弁42を開き、流路45に水が流れるように、上流側分岐点34と下流側分岐点35とを接続する。制御装置51は、さらに、上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを閉じ、蓄熱用流路32に水が流れないように、蓄熱用流路32を遮断する。すなわち、制御装置51は、空気調和機1が冷房運転を実行するときに、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御し、水回路6を循環する水が温水蓄熱槽41に供給されたり、温水蓄熱槽41に貯留された水が水回路6を供給されたりしないように、温水蓄熱槽41を水回路6から分離する。温水蓄熱槽41が水回路6から分離されているときに、温水蓄熱槽41に貯留されている水には、外気の熱が伝熱され、温水蓄熱槽41に貯留されている水の温度は、外気の温度に近付く。
【0034】
制御装置51は、温水蓄熱槽41が水回路6から分離された後に、ポンプ21を制御し、水が水回路6を循環するように、中間熱交換器16からポンプ21に供給された水を室内熱交換器22に供給する。室内熱交換器22は、ポンプ21から供給された水と、室内機3が設置された室内の空気とを熱交換し、水を加熱し、室内の空気を冷却する。室内熱交換器22により加熱された水は、中間熱交換器16に供給される。室内機3は、室内熱交換器22が室内の空気を冷却することにより、室内を冷房する。
【0035】
空気調和機1は、冷房運転が実行されるときに、温水蓄熱槽41が水回路6から分離されていることにより、冷媒回路5の冷媒が温水蓄熱槽41に貯留される水を冷却しないで、冷媒回路5の冷媒が水回路6を循環する水のみを冷却する。空気調和機1は、冷媒回路5の冷媒が水回路6を循環する水のみを冷却することにより、水回路6を循環する水の温度を短時間で低下させることができる。空気調和機1は、水回路6を循環する水の温度が短時間で低下することにより、冷房運転が開始されてから室内が冷房されるまでの時間を短縮することができる。
【0036】
[内部クリーン運転]
内部クリーン運転は、たとえば、空気調和機1がユーザにより操作されたときに実行され、または、冷房運転が終了した後に自動的に実行される。制御装置51は、内部クリーン運転が開始される前に、ポンプ21を制御し、水が水回路6を循環するように、中間熱交換器16から供給された水を室内熱交換器22に供給する。制御装置51は、さらに、貯留水温度センサ46を用いて貯留水温度を測定し、室内熱交循環水温度センサ23または中間熱交循環水温度センサ24を用いて循環水温度を測定する。貯留水温度は、温水蓄熱槽41に貯留されている水の温度を示している。循環水温度は、水回路6を循環する水の温度を示している。
【0037】
制御装置51は、貯留水温度から循環水温度を減算した温度差が、記憶装置52に記録されている温度差閾値より大きいか否かを判定する。制御装置51は、温度差が温度差閾値より大きいときに、上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開き、蓄熱用流路32に水が流れるようにし、水回路開閉弁42を閉じ、流路45に水が流れないように流路45を遮断する。すなわち、制御装置51は、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御し、水回路6を循環する水が温水蓄熱槽41を流れるように、温水蓄熱槽41を水回路6に接続する。水回路6を循環する水は、温水蓄熱槽41が水回路6に接続されていることにより、上流側分岐点34から蓄熱用流路32に流れ込んで温水蓄熱槽41に貯留される。温水蓄熱槽41に貯留されていた水は、水回路6を循環する水が蓄熱用流路32に流れ込むことにより、温水蓄熱槽41に供給される水により温水蓄熱槽41から押し出され、水回路6に供給される。温水蓄熱槽41が水回路6に接続されてから、記憶装置52に記録されている入替時間が経過すると、温水蓄熱槽41から水回路6に水が供給されることによって生じていた水の温度変化が落ち着く。ここで、記憶装置52に記録されている入替時間は、予め試験等により定めた値である。
【0038】
制御装置51は、温水蓄熱槽41が水回路6に接続されてから入替時間が経過したときに、水回路開閉弁42を開き、流路45に水が流れるようにし、上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを閉じ、蓄熱用流路32に水が流れないようにする。すなわち、制御装置51は、温水蓄熱槽41が水回路6に接続されてから入替時間が経過したときに、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御し、温水蓄熱槽41を水回路6から分離する。
【0039】
内部クリーン運転は、貯留水温度と循環水温度との温度差が温度差閾値より小さいときに、または、温水蓄熱槽41が水回路6に接続されてから入替時間が経過した後、温水蓄熱槽41が水回路6から分離された後に、開始される。制御装置51は、内部クリーン運転が開始されると、圧縮機11を制御し、吸入管17を介して供給された低温低圧の気相冷媒を圧縮する。低温低圧の気相冷媒は、圧縮機11により圧縮されることにより、高温高圧の気相冷媒に状態変化する。圧縮機11は、高温高圧の気相冷媒を吐出管18に吐出する。四方弁12は、暖房位置に切り替えられていることにより、吐出管18に吐出された高温高圧の気相冷媒を中間熱交換器16に供給する。
【0040】
中間熱交換器16は、四方弁12から供給された高温高圧の気相冷媒と、水回路6を循環する水とを熱交換し、水を加熱し、高温高圧の気相冷媒を冷却する。高温高圧の気相冷媒は、中間熱交換器16により冷却されることにより、過冷却状態の高温高圧の液相冷媒に状態変化する。すなわち、中間熱交換器16は、空気調和機1が内部クリーン運転を実行するときに、凝縮器として機能する。高温高圧の液相冷媒は、膨張弁15に供給される。
【0041】
膨張弁15は、中間熱交換器16から室外熱交換器14に流れる冷媒の流量を調節し、室外熱交換器14から供給された高温高圧の液相冷媒を減圧させる。高温高圧の液相冷媒は、減圧することにより、湿り度が高い状態の低温低圧の気液二相冷媒に状態変化する。湿り度が高い状態の低温低圧の気液二相冷媒は、室外熱交換器14に供給される。
【0042】
室外熱交換器14は、膨張弁15から供給された低温低圧の気液二相冷媒と外気とを熱交換し、低温低圧の気液二相冷媒を加熱し、外気を冷却する。低温低圧の気液二相冷媒は、加熱されることにより、低温低圧の気相冷媒に状態変化する。すなわち、室外熱交換器14は、空気調和機1が内部クリーン運転を実行するときに、蒸発器として機能する。低温低圧の気相冷媒は、四方弁12に供給される。四方弁12は、暖房位置に切り替えられていることにより、室外熱交換器14から供給された低温低圧の気相冷媒を吸入管17に供給し、吸入管17を介して低温低圧の気相冷媒を圧縮機11に供給する。すなわち、冷媒回路5には、内部クリーン運転が実行されているときに、暖房運転が実行されているときと同様に、冷媒が循環する。
【0043】
中間熱交換器16により加熱された水は、水が水回路6を循環していることにより、室内熱交換器22に供給される。室内熱交換器22は、加熱された水が室内熱交換器22に供給されることにより、加熱される。冷房運転時に室内熱交換器22に結露した結露水は、室内熱交換器22が加熱されることにより加熱される。室内機3に付着していた細菌やカビは、結露水が加熱されることにより、除菌される。室内機3は、除菌された後に、室内熱交換器22が加熱されることにより、乾燥される。空気調和機1は、室内機3が乾燥されることにより、室内機3に細菌やカビが繁殖することを防止することができる。
【0044】
すなわち、空気調和機1は、内部クリーン運転が実行されるときで、かつ、温水蓄熱槽41に温かい温水が貯留されているときに、その温水を水回路6に供給することにより、水回路6を循環する水の温度を短時間に上昇させることができる。空気調和機1は、内部クリーン運転が実行されるときに、水回路6を循環する水の温度を上昇させるために消費される電力を低減することができる。空気調和機1は、さらに、水回路6を循環する水の温度が短時間に上昇することにより、内部クリーン運転が開始されてから室内熱交換器22が加熱されるまでの時間を短縮することができる。
【0045】
[実施例1の空気調和機1の効果]
実施例1の空気調和機1は、冷媒回路5と水回路6と中間熱交換器16と室内熱交換器22と温水蓄熱槽41と水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44と制御装置51とを備えている。冷媒回路5には、冷媒が循環する。水回路6には、水が循環する。中間熱交換器16は、冷媒と水とを熱交換する。室内熱交換器22は、水と室内の空気とを熱交換する。温水蓄熱槽41は、水が貯留される。水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とは、温水蓄熱槽41と水回路6とを接続したり、温水蓄熱槽41と水回路6とを遮断したりする。制御装置51は、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御する。
【0046】
実施例1の空気調和機1は、温水蓄熱槽41を水回路6に接続することにより、温水蓄熱槽41に貯留される水を水回路6に供給し、冷媒の熱を用いて水回路6の水を加熱または冷却することなく、水回路6を循環する水の温度を上昇または低下させることができる。実施例1の空気調和機1は、温水蓄熱槽41を水回路6から分離することにより、冷媒回路5の冷媒が温水蓄熱槽41に貯留される水と熱交換することなく、冷媒回路5の冷媒を用いて水回路6を循環する水のみを加熱または冷却する。実施例1の空気調和機1は、冷媒回路5の冷媒が水回路6を循環する水のみと熱交換することにより、水回路6を循環する水の温度を短時間で上昇または低下させることができる。実施例1の空気調和機1は、水回路6を循環する水の温度を短時間で上昇または低下させることにより、消費電力を低減することができる。
【0047】
また、実施例1の空気調和機1の制御装置51は、冷房運転から内部クリーン運転に切り替わるときに、温水蓄熱槽41と水回路6とが接続されるように、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御する。実施例1の空気調和機1は、温水蓄熱槽41に貯留される温水を水回路6に供給することにより、水回路6を循環する水の温度を短時間に上昇させることができる。実施例1の空気調和機1は、水回路6を循環する水の温度が短時間に上昇することより、内部クリーン運転が実行される運転時間を短縮することができる。
【0048】
また、実施例1の空気調和機1の制御装置51は、内部クリーン運転が実行されるときに、温水蓄熱槽41と水回路6とが遮断されるように、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御する。実施例1の空気調和機1は、温水蓄熱槽41が水回路6から分離されることにより、冷媒回路5の冷媒を用いて温水蓄熱槽41に貯留される水を加熱しないで、冷媒回路5の冷媒を用いて水回路6を循環する水のみを加熱する。実施例1の空気調和機1は、冷媒回路5の冷媒を用いて水回路6を循環する水のみが加熱されることにより、水回路6を循環する水の温度を短時間で上昇させることができる。実施例1の空気調和機1は、水回路6を循環する水の温度が短時間に上昇することより、内部クリーン運転が実行される運転時間を短縮することができる。
【0049】
また、実施例1の空気調和機1は、温水蓄熱槽41に貯留される水の温度を測定する貯留水温度センサ46と、水回路6を循環する水の温度を測定する室内熱交循環水温度センサ23と中間熱交循環水温度センサ24とをさらに備えている。制御装置51は、温度差が温度差閾値より大きいときに、温水蓄熱槽41に貯留される水が水回路6に供給されるように、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御する。その温度差は、貯留水温度センサ46により測定された貯留水温度から、室内熱交循環水温度センサ23または中間熱交循環水温度センサ24により測定された循環水温度が減算された値を示している。制御装置51は、温度差が温度差閾値より小さいときに、温水蓄熱槽41と水回路6との接続を遮断するように、水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とを開閉制御する。
【0050】
水回路6を循環する水の温度は、温度差が温度差閾値より小さいときに温水蓄熱槽41に貯留される水が水回路6を循環する水と入れ替わったときに、大きく変化しない。実施例1の空気調和機1は、温度差が温度差閾値より大きいときにのみ温水蓄熱槽41に貯留される水が水回路6を循環する水と入れ替わることにより、水回路6を循環する水の温度を短時間で大きく変化させることができ、消費電力を低減することができる。
【0051】
ところで、既述の実施例1の空気調和機1の温水蓄熱槽41は、暖房運転または冷房運転が実行されるときに、水回路6から分離されているが、暖房運転または冷房運転が実行される前に、水回路6に接続されてもよい。たとえば、空気調和機は、暖房運転が開始されるときで、かつ、貯留水温度が循環水温度より高いときに、水回路6を循環する水と、温水蓄熱槽41に貯留される水とを入れ替える。空気調和機は、水回路6を循環する水と、温水蓄熱槽41に貯留される水とが入れ替わった後に、温水蓄熱槽41を水回路6から分離する。空気調和機は、温水蓄熱槽41が水回路6から分離された後に、既述の実施例1の空気調和機1と同様に、暖房運転を実行する。このとき、空気調和機は、水回路6を循環する水と、温水蓄熱槽41に貯留される水とを入れ替えることにより、水回路6を循環する水の温度を短時間に所定の温度以上に上昇させることができる。空気調和機1は、水回路6を循環する水を加熱するために消費される電力を低減することができる。空気調和機1は、さらに、水回路6を循環する水の温度が短時間に上昇することにより、暖房運転が開始されてから室内が暖房されるまでの時間を短縮することができる。
【0052】
また、空気調和機は、冷房運転が開始されるときで、かつ、貯留水温度が循環水温度より低いときに、水回路6を循環する水と、温水蓄熱槽41に貯留される水とを入れ替える。空気調和機は、水回路6を循環する水と、温水蓄熱槽41に貯留される水とが入れ替わった後に、温水蓄熱槽41を水回路6から分離する。空気調和機は、温水蓄熱槽41が水回路6から分離された後に、既述の実施例1の空気調和機1と同様に、冷房運転を実行する。このとき、空気調和機は、水回路6を循環する水と、温水蓄熱槽41に貯留される水とを入れ替えることにより、水回路6を循環する水の温度を短時間に所定の温度以下に低下させることができる。空気調和機1は、水回路6を循環する水の温度を低下させるのに消費される電力を低減することができる。空気調和機1は、さらに、水回路6を循環する水の温度が短時間に低下することにより、冷房運転が開始されてから室内が冷房されるまでの時間を短縮することができる。
【0053】
ところで、既述の実施例1の空気調和機1は、内部クリーン運転が開始される前に、入替時間を用いて温水蓄熱槽41を水回路6から分離するタイミングを決定しているが、入替時間を用いないでそのタイミングを決定してもよい。たとえば、制御装置51は、室内熱交循環水温度センサ23により測定された循環水温度が、貯留水温度センサ46により測定された貯留水温度より高くなったときに、温水蓄熱槽41を水回路6から分離する。空気調和機1は、このようなタイミングで温水蓄熱槽41が水回路6から分離される場合でも、水回路6を循環する水の温度を短時間に上昇させることができ、内部クリーン運転が実行される運転時間を短縮することができる。
【0054】
ところで、既述の実施例1の空気調和機1の水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とは、開閉弁から形成されているが、1つの四方弁から形成されてもよい。水回路開閉弁42と上流側開閉弁43と下流側開閉弁44とが1つの四方弁から形成された場合でも、空気調和機1は、同様に、水回路6を循環する水の温度を短時間に上昇させることができる。
蓄熱槽回路62は、温熱槽71(蓄熱槽)と冷熱槽72(他の蓄熱槽)と上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74(弁)と冷熱側開閉弁75(他の弁)とを備えている。温熱槽71は、温熱側流路65の途中に設けられ、温熱側流路65を流れる水を貯留する。冷熱槽72は、冷熱側流路66の途中に設けられ、冷熱側流路66を流れる水を貯留する。冷熱槽72は、断熱材77を備えている。断熱材77は、冷熱槽72を囲み、冷熱槽72に貯留される水に外気の熱が伝熱することを抑制している。温熱槽71は、断熱材を備えていない。このため、冷熱槽72に貯留される水に外気の熱が伝熱することを抑制する冷熱槽72の断熱性能は、温熱槽71に貯留される水に外気の熱が伝熱することを抑制する温熱槽71の断熱性能に比較して高い。すなわち、温熱槽71に貯留される水に外気の熱を伝熱する温熱槽71の伝熱性能は、冷熱槽72に貯留される水に外気の熱を伝熱する冷熱槽72の伝熱性能に比較して高い。
上流側開閉弁73は、上流側流路64の途中に設けられている。上流側開閉弁73は、上流側流路64に水が流れるように上流側分岐点34と蓄熱槽回路分岐部63とを接続したり、上流側流路64に水が流れないように上流側流路64を遮断したりする。温熱側開閉弁74は、温熱側流路65の途中に設けられている。温熱側開閉弁74は、温熱側流路65に水が流れるように蓄熱槽回路分岐部63と下流側分岐点35とを接続したり、温熱側流路65に水が流れないように温熱側流路65を遮断したりする。冷熱側開閉弁75は、冷熱側流路66の途中に設けられている。冷熱側開閉弁75は、冷熱側流路66に水が流れるように蓄熱槽回路分岐部63と下流側分岐点35とを接続したり、冷熱側流路66に水が流れないように冷熱側流路66を遮断したりする。
制御装置51は、空気調和機61が暖房運転を実行するときに、既述の実施例1の空気調和機1が暖房運転を実行するときと同様に、圧縮機11と四方弁12とポンプ21とを制御する。温熱槽71に貯留されている水は、空気調和機61が暖房運転を実行しているときに、外気の熱が伝熱され、外気の温度に近付くように冷却される。制御装置51は、空気調和機61が冷房運転を実行するときに、既述の実施例1の空気調和機1が冷房運転を実行するときと同様に、圧縮機11と四方弁12とポンプ21とを制御する。温熱槽71に貯留されている水は、空気調和機61が冷房運転を実行しているときに、外気の熱が伝熱され、外気の温度に近付くように加熱される。
制御装置51は、冷房運転から内部クリーン運転に切り替わるときで、内部クリーン運転が実行される前に、ポンプ21を制御し、水が水回路6を循環するように、中間熱交換器16から供給された水を室内熱交換器22に供給する。制御装置51は、上流側開閉弁73と冷熱側開閉弁75とを開き、水回路6を循環する冷水が冷熱側流路66に流れるようにする。制御装置51は、温熱側開閉弁74を閉じ、水回路6を循環する冷水が温熱側流路65に流れないように温熱側流路65を遮断する。制御装置51は、水回路開閉弁42を閉じ、水回路6を循環する冷水が流路45に流れないように流路45を遮断する。すなわち、制御装置51は、水回路開閉弁42と上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74と冷熱側開閉弁75とを開度制御し、温熱槽71を水回路6から分離し、冷熱槽72を水回路6に接続する。冷熱槽72が水回路6に接続されることにより、水回路6を循環する冷水は、冷熱槽72に貯留され、冷熱槽72に貯留されていた水は、冷水により冷熱槽72から押し出され、水回路6に供給される。
制御装置51は、水回路6を循環する冷水が冷熱槽72に貯留された後に、上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74とを開き、水回路6を循環する水が温熱側流路65に流れるようにする。制御装置51は、冷熱側開閉弁75を閉じ、水回路6を循環する水が冷熱側流路66に流れないように冷熱側流路66を遮断する。すなわち、制御装置51は、水回路開閉弁42と上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74と冷熱側開閉弁75とを開閉制御し、温熱槽71を水回路6に接続し、冷熱槽72を水回路6から分離する。温熱槽71が水回路6に接続されることにより、水回路6を循環する水は、温熱槽71に貯留され、温熱槽71に貯留されていた温水は、水回路6を循環する水により温熱槽71から押し出され、水回路6に供給される。
制御装置51は、温熱槽71に貯留されていた温水が水回路6に供給された後に、水回路開閉弁42を開き、水回路6を循環する水が流路45に流れるようにする。制御装置51は、上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74と冷熱側開閉弁75とを閉じ、水回路6を循環する水が温熱側流路65と冷熱側流路66とに流れないように温熱側流路65と冷熱側流路66とを遮断する。すなわち、制御装置51は、水回路開閉弁42と上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74と冷熱側開閉弁75とを開閉制御し、温熱槽71と冷熱槽72とを水回路6から分離する。
内部クリーン運転は、温熱槽71と冷熱槽72とが水回路6から分離された後に実行される。制御装置51は、空気調和機61が内部クリーン運転を実行するときに、既述の実施例1の空気調和機1が内部クリーン運転を実行するときと同様に、圧縮機11と四方弁12とポンプ21とを制御する。
空気調和機61は、内部クリーン運転が実行される前に、温熱槽71に貯留されていた温水が水回路6に供給されることにより、水回路6を循環する水の温度を短時間に上昇させることができる。空気調和機61は、内部クリーン運転が実行されるときに、水回路6を循環する水の温度を上昇させるために消費される電力を低減することができる。空気調和機61は、さらに、水回路6を循環する水の温度が短時間に上昇することにより、内部クリーン運転が開始されてから室内熱交換器22が加熱されるまでの時間を短縮することができる。
制御装置51は、内部クリーン運転から冷房運転に切り替わるときに、上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74とを開き、水回路6を循環する水が温熱側流路65に流れるようにする。制御装置51は、冷熱側開閉弁75を閉じ、水回路6を循環する水が冷熱側流路66に流れないように冷熱側流路66を遮断する。すなわち、制御装置51は、水回路開閉弁42と上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74と冷熱側開閉弁75とを開閉制御し、温熱槽71を水回路6に接続し、冷熱槽72を水回路6から分離する。温熱槽71が水回路6に接続されることにより、水回路6を循環する水は、温熱槽71に貯留され、温熱槽71に貯留されていた水は、水回路6を循環する水により温熱槽71から押し出され、水回路6に供給される。
制御装置51は、水回路6を循環する水が温熱槽71に貯留された後に、上流側開閉弁73と冷熱側開閉弁75とを開き、水回路6を循環する水が冷熱側流路66に流れるようにする。制御装置51は、温熱側開閉弁74を開き、水回路6を循環する水が温熱側流路65に流れないように温熱側流路65を遮断する。すなわち、制御装置51は、水回路開閉弁42と上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74と冷熱側開閉弁75とを開閉制御し、温熱槽71を水回路6から分離し、冷熱槽72を水回路6に接続する。冷熱槽72が水回路6に接続されることにより、水回路6を循環する水は、冷熱槽72に貯留され、冷熱槽72に貯留されていた冷水は、水回路6を循環する水により冷熱槽72から押し出され、水回路6に供給される。
内部クリーン運転の直後に実行される冷房運転は、温熱槽71と冷熱槽72とが水回路6から分離された後に実行される。制御装置51は、空気調和機61が冷房運転を実行するときに、既述の実施例1の空気調和機1が冷房運転を実行するときと同様に、圧縮機11と四方弁12とポンプ21とを制御する。
空気調和機61は、冷房運転が実行される前に、冷熱槽72に貯留されていた冷水が水回路6に供給されることにより、水回路6を循環する水の温度を短時間に低下させることができる。空気調和機61は、冷房運転が実行されるときに、水回路6を循環する水の温度を低下させるために消費される電力を低減することができる。空気調和機61は、さらに、水回路6を循環する水の温度が短時間に低下することにより、冷房運転が開始されてから室内が冷房されるまでの時間を短縮することができる。
ところで、既述の実施例2の空気調和機61の水回路開閉弁42と上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74と冷熱側開閉弁75とは、開閉弁から形成されているが、2つの四方弁から形成されてもよい。水回路開閉弁42と上流側開閉弁73と温熱側開閉弁74と冷熱側開閉弁75とが2つの四方弁から形成された場合でも、空気調和機61は、同様に、水回路6を循環する水の温度を短時間に変化させることができる。
以上、実施例を説明したが、前述した内容により実施例が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、実施例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。