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  • 特開-液状化粧料容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001508
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】液状化粧料容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20221226BHJP
【FI】
A45D34/04 530
A45D34/04 560
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102276
(22)【出願日】2021-06-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-18
(71)【出願人】
【識別番号】592081391
【氏名又は名称】中井紙器工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】中井 正裕
(57)【要約】
【課題】容器の向きにかかわらず、液状化粧料が伸縮性メッシュの網目から漏洩しない液状化粧料容器を提供すること。
【解決手段】開口部及び収容部を有する容器本体、並びに、前記開口部を被覆する伸縮性メッシュを備えており、前記収容部が含水液状化粧料を収容しており、前記伸縮性メッシュが撥水処理されている、液状化粧料容器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部及び収容部を有する容器本体、並びに、
前記開口部を被覆する伸縮性メッシュ
を備えており、
前記収容部が含水液状化粧料を収容しており、
前記伸縮性メッシュが撥水処理されている、液状化粧料容器。
【請求項2】
前記撥水処理がフッ素化合物による表面処理である、請求項1記載の液状化粧料容器。
【請求項3】
前記フッ素化合物がフッ化ポリマーである、請求項2記載の液状化粧料容器。
【請求項4】
前記伸縮性メッシュが合成繊維からなる、請求項1乃至3のいずれかに記載の液状化粧料容器。
【請求項5】
前記合成繊維がバイコンポーネント繊維である、請求項4記載の液状化粧料容器。
【請求項6】
前記バイコンポーネント繊維がポリエチレンテレフタレート及びポリトリメチレンテレフタレートからなる、請求項5記載の液状化粧料容器。
【請求項7】
前記伸縮性メッシュを構成する各合成繊維が撥水処理されている、請求項4乃至6のいずれかに記載の液状化粧料容器。
【請求項8】
更に蓋体を備えており、
前記蓋体が前記伸縮性メッシュを被覆可能である、請求項1乃至7のいずれかに記載の液状化粧料容器。
【請求項9】
更に塗布具を備えており、
前記塗布具が前記蓋体及び前記伸縮性メッシュの間に存在する、請求項8記載の液状化粧料容器。
【請求項10】
前記含水液状化粧料がファンデーションである、請求項1乃至9のいずれかに記載の液状化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液状化粧料を収容する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な化粧料容器が存在している。例えば、頂面を開口した有底の容器本体に収容した化粧料をパフ等の塗布具へ付着させて使用するにあたり、化粧料の付着量を調節可能な化粧料容器として、伸縮性メッシュを用いたものが、実開昭63-177406号公報、実開平3-72808号公報等に記載されている。
【0003】
上記の化粧料容器は、伸縮性メッシュの上方からパフ等の塗布具を化粧料に押し付けて拭うことにより、その押し付ける力に応じた量の化粧料を塗布具に付着させることができる等の利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63-177406号公報
【特許文献2】実開平3-72808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の化粧料容器に収容される化粧料が液状の場合、容器の向きによっては、液状化粧料が伸縮性メッシュの網目から漏洩することがある。例えば、運搬時等に化粧料容器が横倒しの状態となると、液状化粧料が伸縮性メッシュに接触し、伸縮性メッシュの網目から漏洩することがある。
【0006】
本発明は、容器の向きにかかわらず、液状化粧料が伸縮性メッシュの網目から漏洩しない液状化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
鋭意検討の結果、本発明者らは、
開口部及び収容部を有する容器本体、並びに、
前記開口部を被覆する伸縮性メッシュ
を備えており、
前記収容部が含水液状化粧料を収容しており、
前記伸縮性メッシュが撥水処理されている、液状化粧料容器により上記目的を達成可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
前記撥水処理がフッ素化合物による表面処理であることが好ましい。
【0009】
前記フッ素化合物がフッ化ポリマーであることが好ましい。
【0010】
前記伸縮性メッシュが合成繊維からなることが好ましい。
【0011】
前記合成繊維がバイコンポーネント繊維であることが好ましい。
【0012】
前記バイコンポーネント繊維がポリエチレンテレフタレート及びポリトリメチレンテレフタレートからなることが好ましい。
【0013】
前記伸縮性メッシュを構成する各合成繊維が撥水処理されていることが好ましい。
【0014】
本発明の液状化粧料容器が更に蓋体を備えており、
前記蓋体が前記伸縮性メッシュを被覆可能であることが好ましい。
【0015】
本発明の液状化粧料容器が更に塗布具を備えており、
前記塗布具が前記蓋体及び前記伸縮性メッシュの間に存在することが好ましい。
【0016】
前記液状化粧料がファンデーションであることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の液状化粧料容器は、容器の向きにかかわらず、液状化粧料が伸縮性メッシュの網目から漏洩しない。したがって、例えば、運搬時等に化粧料容器が横倒しの状態となっても、液状化粧料が伸縮性メッシュの網目から漏洩することがない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の化粧料容器の一例を示す分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の液状化粧料容器は、
開口部及び収容部を有する容器本体、並びに、
前記開口部を被覆する伸縮性メッシュ
を備えており、
前記収容部が含水液状化粧料を収容しており、
前記伸縮性メッシュが撥水処理されていることを特徴とする。
【0020】
以下、本発明について説明する。
【0021】
本発明の液状化粧料容器を構成する容器本体は開口部及び収容部を備えており、収容部が含水液状化粧料を収容する。収容部は1つの底部を有することが好ましい。
【0022】
容器本体の材質は任意であり、金属、セラミック等の無機材料;紙、樹脂等の有機材料;或いはこれらの複合体とすることができる。
【0023】
容器本体の開口部は伸縮性メッシュによって被覆されており、容器本体の収容部に収容されている含水液状化粧料は、使用時に、伸縮性メッシュを通過する。
【0024】
伸縮性メッシュは、通常は平面状であるが変形可能であり、含水液状化粧料の使用時には指等で押すことにより変形して、容器本体の開口部から収容部内(特に、収容部内の底部方向)に向けて伸長可能である。一方、伸縮性メッシュは、含水液状化粧料の非使用時には変形しておらず平面状であり、容器本体の収容部内に向けて伸長しない。
【0025】
伸縮性メッシュは、水平に載置した伸縮性メッシュを下方に向けて押したときに、鉛直下方向に0.5cm以上伸長可能であることが好ましく、1cm以上伸長可能であることがより好ましく、1.5cm以上伸長可能であることが更により好ましい。伸縮性メッシュは、伸長時に、収容部の底面に到達可能であることが特に好ましい。
【0026】
含水液状化粧料の使用時には、伸縮性メッシュを容器本体の収容部内の含水液状化粧料に向けて押し付けて変形させることにより、含水液状化粧料の少なくとも一部を伸縮性メッシュの網目から通過させる。伸縮性メッシュの網目を通過した含水液状化粧料はパフ、筆等の塗布具に付着させて使用することができる。
【0027】
容器本体の収容部は、伸縮性メッシュ以外の、多孔性のスポンジ、フォーム等の多孔性部材を更に含んでもよい。容器本体の収容部が多孔性部材を含む場合、含水液状化粧料の少なくとも一部が当該多孔性部材に含浸していてもよい。但し、容器本体の収容部が多孔性部材を含む場合、伸縮性メッシュが容器本体の収容部内に向けて変形しにくいので、容器本体の収容部は多孔性部材を含まない方が好ましい。
【0028】
伸縮性メッシュの材質は特に限定されるものではなく、金属等の無機材料、合成樹脂等の有機材料、これらの複合体等の任意の材料を使用することができる。伸縮性メッシュの材質は合成樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂がより好ましい。
【0029】
伸縮性メッシュは繊維からなる織物又は編物の形態であることが好ましく、当該繊維が合成樹脂からなることがより好ましく、熱可塑性樹脂からなることが更により好ましい。
【0030】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの混合物等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル-スチレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)、ポリアミド樹脂、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂が挙げられる。これらの樹脂を混合又は複合化して使用してもよい。熱可塑性樹脂としてはポリエステル樹脂がより好ましい。ポリエステル樹脂としては、芳香族ポリエステル樹脂がより好ましく、PTT、PET又はこれらの複合体が更により好ましい。
【0031】
前記合成樹脂はポリテトラフルオロエチレン又は後述するフッ化ポリマーでないことが好ましい。
【0032】
前記繊維として複合繊維を使用することもできる。複合繊維としては、例えば、芯鞘型複合繊維、バイコンポーネント(サイド-バイ-サイド)型複合繊維、分割型複合繊維が挙げられる。バイコンポーネント(サイド-バイ-サイド)型複合繊維がより好ましい。バイコンポーネント(サイド-バイ-サイド)型複合繊維は2種類のポリマーが複合されて1本の繊維を形成しており、異なるポリマーからなる2つの繊維が長手方向において一体化した構造を有する。バイコンポーネント(サイド-バイ-サイド)型複合繊維としては、例えば、PTT及びPETのバイコンポーネント繊維である東レ・オペロンテックス(株)のライクラT400(登録商標)等が挙げられる。
【0033】
前記繊維は合成繊維からなることが好ましく、熱可塑性樹脂製繊維からなることが好ましく、バイコンポーネント繊維からなることが更により好ましい。前記バイコンポーネント繊維はポリエチレンテレフタレート及びポリトリメチレンテレフタレートからなることが好ましい。前記バイコンポーネント繊維に占めるポリエチレンテレフタレート及:ポリトリメチレンテレフタレートの重量割合は、特には限定されるものではないが、例えば、10~90:90:10とすることができ、20~80:80:20が好ましく、30~70:70~30がより好ましく、30~50:70~50が更により好ましい。
【0034】
前記繊維の繊維幅は特には限定されるものではなく、例えば、0.01mm~2mmの範囲とすることができ、好ましくは0.05mm~1.5mm、より好ましくは0.1mm~1mmの範囲である。
【0035】
伸縮性メッシュの目付は、メッシュが伸縮性を発揮する限り特に限定されるものではなく、例えば、50g/m~200g/mの範囲とすることができ、好ましくは75g/m~175g/mの範囲とすることができ、より好ましくは100g/m~150g/mである。
【0036】
伸縮性メッシュの厚みは、メッシュが伸縮性を発揮する限り特に限定されるものではなく、例えば、0.01mm~3mmの範囲とすることができ、好ましくは0.05mm~2mm、より好ましくは0.1mm~1mmの範囲である。
【0037】
伸縮性メッシュの網目の最大長は特には限定されるものではなく、例えば、0.01mm~0.9mmの範囲とすることができ、好ましくは0.05mm~0.8mm、より好ましくは0.1mm~0.7mmの範囲である。
【0038】
伸縮性メッシュの網目の最大開口面積は、例えば、0.01mm~0.9mmの範囲とすることができ、好ましくは0.05mm~0.7mmの範囲、より好ましくは0.1mm~0.5mmの範囲である。
【0039】
一般に、化粧料の使用時には、伸縮性メッシュが伸びることにより、伸縮性メッシュの網目が大きくなり、化粧料が伸縮性メッシュを通過しやすくなるが、化粧料の非使用時には、伸縮性メッシュが縮んでおり、伸縮性メッシュの網目が小さくなっているために、化粧料は伸縮性メッシュを通過しにくい。
【0040】
しかし、液状化粧料は流動性が高いので、非使用時の伸縮性メッシュの小さい網目であっても通過しやすく、例えば、運搬時に容器が横倒しになると、液状化粧料は伸縮性メッシュの網目から漏洩することがある。
【0041】
そこで、本発明では、伸縮性メッシュが撥水処理されている。これにより、本発明では、含水液状化粧料の使用時には当該化粧料が伸縮性メッシュの網目を通過し、その一方で、含水液状化粧料の非使用時には当該化粧料が伸縮性メッシュの網目を通過しない。理論に束縛されるものではないが、撥水処理を受けた伸縮性メッシュの表面は疎水性であるため、含水液状化粧料は伸縮性メッシュの非使用時の小さい網目の通過が阻害されると考えられる。
【0042】
なお、伸縮性メッシュの伸長時の網目を十分に小さくすることにより、液状化粧料の非使用時(伸縮性メッシュの収縮時)には伸縮性メッシュの網目が完全に閉塞している一方で、液状化粧料の使用時には、伸縮性メッシュが伸長することにより、伸縮性メッシュの網目が開口するようにすることも可能である。
【0043】
撥水処理の種類は特に限定されるものではなく、例えば、フッ素化合物、シリコーン、非フッ化炭化水素等を含む任意の撥水剤による表面処理が挙げられる。複数種類の撥水剤を組み合わせて使用してもよい。撥水性の点では、フッ素化合物を含む撥水剤による表面処理が好ましい。
【0044】
フッ素化合物は、少なくとも1つ、好ましくは複数のフッ素原子を含む化合物である。
【0045】
フッ素化合物としては、少なくとも1つ、好ましくは複数のフッ素原子を含むフッ素原子含有基を有する有機化合物が好ましい。フッ素原子含有基は直鎖状又は分岐状のいずれでもよい。
【0046】
フッ素原子含有基としては、例えば、パーフルオロアルキル基、セミフルオロアルキル基、パーフルオロアルキルエーテル基、セミフルオロアルキルエーテル基等が挙げられる。
【0047】
パーフルオロアルキル基はC2n+1-(nは1以上の正数を表す)で表される。パーフルオロアルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれでもよいが、直鎖状が好ましい。
【0048】
セミフルオロアルキル基はパーフルオロアルキル基のフッ素原子の一部が水素原子に置換された化学構造を有する。セミフルオロアルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれでもよいが、直鎖状が好ましい。
【0049】
パーフルオロアルキルエーテル基はC2n+1-O-(nは1以上の正数を表す)で表される。パーフルオロアルキルエーテル基は直鎖状又は分岐状のいずれでもよいが、直鎖状が好ましい。
【0050】
セミフルオロアルキルエーテル基はパーフルオロアルキルエーテル基のフッ素原子の一部が水素原子に置換された化学構造を有する。セミフルオロアルキルエーテル基は直鎖状又は分岐状のいずれでもよいが、直鎖状が好ましい。
【0051】
フッ素原子含有基に含まれる炭素原子数は、特には限定されないが、12以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下が更により好ましく、6以下が特に好ましい。
【0052】
フッ素原子含有基はフッ素以外のハロゲン原子、例えば、塩素原子を少なくとも1つ含んでもよい。
【0053】
フッ素化合物としては、低分子化合物である低分子フッ化物、高分子化合物であるフッ化ポリマー、又は、これらの混合物を使用することができる。
【0054】
低分子フッ化物としては、例えば、フッ化炭素、フッ化炭化水素等が挙げられる。より具体的には、フッ素原子含有基を有するアルカン、アルコール、エーテル、エステル、ウレタン等が挙げられる。
【0055】
フッ化ポリマーとしては、例えば、フッ素原子含有基を主鎖及び/又は側鎖に少なくとも1つ、好ましくは複数有するポリマー又はオリゴマーが挙げられる。
【0056】
フッ化ポリマーとして、例えば、オレフィン系又は非オレフィン系のフッ化ポリマーを使用することができる。
【0057】
オレフィン系のフッ化ポリマーはエチレン性二重結合を有するモノマーの重合体である。オレフィン系のフッ化ポリマーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(パーフルオロアルコキシアルカン)、テトラフルオロエチレン/エチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、ポリフッ化ビニル、並びに、これらの混合物が挙げられる。
【0058】
フッ素原子含有基は水素原子を有してもよい。例えば、フッ素原子含有基は、既述のとおり、セミパーフルオロアルキル基、セミパーフルオロアルキルエーテル基等でもよい。
【0059】
オレフィン系のフッ化ポリマーは、少なくとも1つのフッ素原子含有基を側鎖に有する、フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマー若しくはオリゴマー、又は、フッ素原子含有(メタ)アクリル系コポリマーでもよい。
【0060】
フッ素原子含有(メタ)アクリル系ポリマーとしては、少なくとも1つのフッ素原子含有基を側鎖に有するフッ素原子含有(メタ)アクリレートのポリマー又はコポリマーが好ましい、そのようなフッ素原子含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記式1:
CH=C(R)COO-Q-Rf ・・・(式1)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Qは2価有機基を表し、Rfはフッ素原子含有基を表す)で表すことができる。
【0061】
式1におけるQは、アルキレン基又はアルキレン基、或いは、これらから誘導される2価有機基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。Qとしては、例えば、-CHCH-、-CH(CH)CH-、-CHCHN(CH)CO-、-CHCHN(CH)SO-、-CH(CHCl)CHOCHCHN(CH)SO-等が挙げられる。
【0062】
式1で表されるフッ素原子含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記のものが挙げられる(Rは水素原子又はメチル基を示し、Rはフッ素原子含有基を表す):
CH=CRCOOCHCH
CH=CRCOOCH(CH)CH
CH=CRCOOCHCHN(CH)COR
CH=CRCOOCHCHN(C)COR
CH=CRCOOCHCHN(C)COR
CH=CRCOOCHCHN(CH)SO
CH=CRCOOCHCHN(C)SO
CH=CRCOOCHCHN(C)SO
CH=CRCOOCH(CHCl)CHOCHCHN(CH)SO
【0063】
フッ素原子含有(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよく、また、複数種類を併用してもよい。
【0064】
フッ素原子含有(メタ)アクリレートのコポリマーは、フッ素原子含有(メタ)アクリレート以外のその他の単量体に基づく重合単位を含有させてもよい。その他の単量体としては、ラジカル重合性の不飽和結合を有する単量体が好ましい。
【0065】
その他の単量体としては、塩化ビニル、ステアリル(メタ)アクリレート、エチレン、酢酸ビニル、フッ化ビニル、ハロゲン化ビニルスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、グリシジル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレート、N-ビニルカルバゾール等が挙げられ、特に、塩化ビニル、ステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0066】
フッ素原子含有(メタ)アクリレートのコポリマーを構成するモノマー中のフッ素原子含有(メタ)アクリレートの量は、モノマーの総質量を基準として、25質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることが更により好ましい。
【0067】
オレフィン系のフッ化ポリマーの製造方法は特に限定されず、例えば、公知の製造方法(重合方法)及び反応条件等を任意に選択できる。前記重合方法としては、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合等が挙げられる。また、重合反応のメカニズムとしては、例えば、ラジカル重合反応、放射線重合反応、光重合反応等が選択可能であり、特に、ラジカル重合反応を用いる乳化重合法が好ましい。
【0068】
乳化重合法を用いる場合には、モノマー、界面活性剤等を水の存在下に乳化させ、撹拌し、重合させる方法が好ましい。また、ホモジナイザー等の乳化機を用いて、モノマー、界面活性剤、水等を予め乳化した後、撹拌下に重合させる方法も好ましい。
【0069】
重合開始剤としては、有機酸過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の各種の重合開始剤が好ましい。また、界面活性剤としては、陰イオン性、陽イオン性、両性又はノニオン性の各種界面活性剤を使用できる。
【0070】
一方、非オレフィン系のフッ化ポリマーはエチレン性二重結合を有するモノマーの重合体以外の重合体である。非オレフィン系のフッ化ポリマーとしては、例えば、ポリウレタンを挙げることができ、例えば、イソシアネート基との反応性を有する官能基を含む低分子フッ化物とポリイソシアネートとの反応生成物を使用することができる。
【0071】
イソシアネート基との反応性を有する官能基を含む低分子フッ化物としては、フッ素原子含有基及び水酸基を有する化合物、フッ素原子含有基及びアミノ基を有する化合物、又は、フッ素原子含有基及びカルボキシ基を有する化合物が好ましい。
【0072】
ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物が好ましく、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらの多量体、ヌレート変性体、ビュレット変性体等が挙げられる。
【0073】
上記ポリウレタンは、イソシアネートとの反応性を有する官能基を含む低分子フッ化物に加えて、イソシアネート基との反応性を有する官能基を含み、且つ、フッ素原子含有基を含まない化合物を更にポリイソシアネート化合物と反応させた化合物であってもよい。イソシアネートとの反応性を有する官能基を含み、フッ素原子含有基を含まない化合物としては、アルコール、アミン、カルボン酸等が挙げられる。
【0074】
上記ポリウレタンとしては、例えば、特開昭59-157166号公報に記載されるものが挙げられる。
【0075】
非使用時に含水液状化粧料が伸縮性メッシュを通過しない一方で、使用時に含水液状化粧料が伸縮性メッシュをより確実に通過するようにするために、フッ化ポリマーを使用することが好ましい。
【0076】
フッ素化合物を含む撥水剤としては、市販品も使用可能であり、例えば、アサヒガードシリーズ(旭硝子(株)製)、ユニダインシリーズ(ダイキン工業(株)製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、フッ素化合物を含む撥水剤は単独で用いてもよく、また、異なる種類のフッ素化合物をそれぞれ含む複数の撥水剤を併用してもよい。
【0077】
シリコーンとしては、特に限定されるものではなく、ポリジメチルシロキサン等のポリジアルキルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等のポリアルキルアリールシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のオルガノハイドロジェンポリシロキサン等を使用することが可能であるが、伸縮性メッシュを構成する材料が有する官能基と反応可能な官能基を備えるものが好ましく、例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基等を有するものが好ましい。アミノ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、ジオール変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーンがより好ましい。
【0078】
アミノ変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にアミノ基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にアミノ基が導入されたもの、これらの混合体のいずれを用いてもよく、アミノ基としてはモノアミン、ジアミンまたは一部が封鎖されたものを用いてもよい。アミノ変性シリコーンにおいて、撥水性の観点から、アミン当量が300~20000g/mol程度のものを用いることが好ましく、1000~7000g/molがより好ましい。このようなアミノ変性シリコーンは市販品を選択して用いることができる。例えば、旭化成ワッカーシリコーン社製WACKER FINISH WR301、WR1100、WR1200、WR1300及びWR1600、並びに、信越化学工業社製KF-867、KF-869及びKF-8004を用いることができる。
【0079】
カルビノール変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖に水酸基が導入されたもの、シロキサン構造の末端に水酸基が導入されたもの、これらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなカルビノール変性シリコーンは市販品を選択して用いることができる。例えば、信越化学工業社製X-22-4039、X-22-4015、X-22-170BX、X-22-170DX、KF-6000、KF-6001、KF-6002、KF-6003等を用いることができる。
【0080】
ジオール変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にジオール基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にジオール基が導入されたもの、これらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなジオール変性シリコーンは市販品を選択して用いることができる。例えば、信越化学工業社製X-22-176DX、X-22-176F、X-22-176GX-A等を用いることができる。
【0081】
フェノール変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にフェノール性水酸基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にフェノール性水酸基が導入されたもの、これらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなフェノール変性シリコーンは市販品を選択して用いることができる。例えば、信越化学工業社製KF-2201等を用いることができる。
【0082】
カルボキシル変性シリコーンとしては、シロキサン構造の側鎖にカルボキシル基が導入されたもの、シロキサン構造の末端にカルボキシル基が導入されたもの、これらの混合体のいずれを用いてもよい。このようなカルボキシル変性シリコーンは市販品を選択して用いることができる。例えば、信越化学工業社製X-22-3701E、X-22-162C等を用いることができる。
【0083】
非フッ化炭化水素としては、長鎖アルキル基を有するものが好ましく、伸縮性メッシュを構成する材料が有する官能基と反応可能な官能基を備えるものが好ましい。例としては、脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられ、具体的には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート等、また、WO2014/190905号公報に開示される各種のソルビタン誘導体、クエン酸アルキル、ペンタエリスリトール誘導体等の脂肪酸エステル等を用いることができる。中でもソルビタントリステアレート、クエン酸トリステアリルが、撥水性の点から好ましく用いられる。
【0084】
撥水処理の種類は特には限定されるものではなく、例えば、伸縮性メッシュを撥水剤の溶液に浸積後に乾燥させる方法、伸縮性メッシュに撥水剤の溶液を塗布後に乾燥させる方法、伸縮性メッシュに撥水剤の溶液を噴霧後に乾燥させる方法等によって実施することができる。
【0085】
撥水剤の溶液の溶媒は撥水剤を溶解できるものであれば特には限定されるものではないが、有機溶媒が好ましく、疎水性有機溶媒が好ましい。疎水性有機溶剤としては、例えば、直鎖状又は環状の炭化水素鎖を有する有機化合物が使用可能である。特に工業的観点では、疎水性有機溶剤は、石油系炭化水素溶剤が好ましく、沸点が130℃以下の低沸点の石油系炭化水素溶剤がより好ましい。疎水性有機溶剤は、炭化水素構造の疎水性を大きく低下させない範囲で各種の置換基を含んでいてもよく、例えば、炭化水素鎖の一部がフッ素原子、ケイ素原子等で置換されてもよく、少量のエーテル酸素原子を含んでもよい。
【0086】
伸縮性メッシュが繊維からなる場合、伸縮性メッシュを構成する各繊維が撥水処理されていることが好ましい。例えば、伸縮性メッシュが合成繊維からなる場合、伸縮性メッシュを構成する各合成繊維に撥水処理を施した後に、撥水処理済みの合成繊維を使用して伸縮性メッシュを製造することが好ましい。
【0087】
伸縮性メッシュへの撥水剤の付着量は、特には限定されるものではないが、例えば、1.1g/m~6.0g/m、好ましくは1.2g/m~5.0g/m、より好ましくは1.3g/m~4.5g/mである。
【0088】
本発明の液状化粧料容器が収容する液状化粧料は少なくとも水を含む含水液状化粧料である。含水液状化粧料は室温(25℃)で液状であればよい。
【0089】
含水液状化粧料に含まれる水の量は、含水液状化粧料の全質量を基準として、20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更により好ましい。含水液状化粧料に含まれる水の量は、含水液状化粧料の全質量を基準として、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更により好ましい。含水液状化粧料に含まれる水の量は、含水液状化粧料の全質量を基準として、20~80質量%が好ましく、30~70質量%がより好ましく、40~60質量%が更により好ましい。
【0090】
含水液状化粧料はエタノール、イソプロパノール等のC1-4モノアルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のグリコール;グリセリン等の多価アルコール等の親水性成分を更に含んでもよい。
【0091】
含水液状化粧料は、各種の油、界面活性剤、増粘剤、紫外線遮蔽剤、着色剤等の成分をも含むことができる。着色剤としては、二酸化チタン等の無機顔料、赤227等の有機染料等が挙げられる。
【0092】
含水液状化粧料の形態は特には限定されるものではなく、溶液、分散液、エマルション等の任意の形態とすることができる。エマルションとしては水中油型又は油中水型のいずれでもよいが、水中油型エマルションの形態が好ましい。
【0093】
含水液状化粧料は低粘度であってもよい。例えば、含水液状化粧料の粘度は、1000~20000センチポアズ(1~20Pa・s)の範囲とすることができ、1000~10000センチポアズ(1~10Pa・s)が好ましく、1000~7000センチポアズ(1~7Pa・s)がより好ましく、1000~3000センチポアズ(1~3Pa・s)が更により好ましい。粘度は、室温(25℃)にて、例えば、ブルックフィールド粘度計を用いて、スピンドル♯4を用いて30rpmで1分間測定することにより測定することができる。
【0094】
含水液状化粧料はチキソトロピー剤を含んでも含まなくてもよい。チキソトロピー剤としては、例えば、少なくとも1つの親水性部分及び少なくとも1つの疎水性部分を含む非イオン性ブロックコポリマーが挙げられる。含水液状化粧料の複素弾性率G(Pa)は300Pa未満が好ましく、200未満がより好ましく、100Pa未満が更により好ましい。
【0095】
含水液状化粧料は、液体状の含水化粧料であれば特に限定されるものではなく、例えば、液状ファンデーション、液状チーク等が挙げられる。液状ファンデーションが好ましい。
【0096】
本発明の液状化粧料容器は蓋体を備えてもよく、蓋体は伸縮性メッシュを被覆することが好ましい。これにより、容器本体からの含水液状化粧料の漏洩をより確実に回避することができる。
【0097】
本発明の液状化粧料容器は蓋体と伸縮性メッシュの間にパフ、筆等の塗布具を備えていてもよい。これにより、含水液状化粧料の使用時の塗布作業を容易に行うことができる。
【0098】
図1は本発明の液状化粧料容器の実施の形態の一例を示す分解斜視図であり、図1に示す液状化粧料容器Aは、容器本体1、蓋体2、中枠3、含水液状化粧料4、伸縮性メッシュ5、塗布具6及びシール部材7を備える。
【0099】
図1に示す例では、容器本体1は、一方の端部が封鎖されて底部を構成し、且つ、他方の端部が開口する略円筒形の皿状部材であり、含水液状化粧料4を収容する収容部、及び、中枠3の方向に開口する開口部を有する。
【0100】
中枠3は上端開口部及び下端開口部を備える略円筒形の部材であり、容器本体1の開口部を介して容器本体1の収容部に収容されている。具体的には、中枠3の外径のサイズは容器本体1の収容部の内径のサイズ以下であり、中枠3の上端縁には、容器本体1の開口部の上端縁に重ねて配置するためのフランジが突出形成されており、中枠3を、容器本体1の開口部から収容部内に向けて、フランジの下面が容器本体1の開口部の上端縁に当接するまで差し込み、フランジを当該上端縁に重ねて配置することにより、中枠3は容器本体1の収容部内の所定の深さ位置に固定されており、容器本体1の収容部内の中枠3より下方部分が含水液状化粧料4を収容する。したがって、図1に示す例では、容器本体1の収容部に含水液状化粧料4と共に中枠3が収容されている。そして、中枠3の上端開口部は容器本体1の開口部に対応して存在しており、外部から含水液状化粧料4を取り出し可能とされている。
【0101】
中枠3の上端開口部~下端開口部の間の任意の箇所には伸縮性メッシュ5が張設されている。中枠3の下端開口部に伸縮性メッシュ5が張設されていてもよい。伸縮性メッシュ5は中枠3の開口部を被覆しており、容器本体1の開口部をも被覆している。
【0102】
伸縮性メッシュ5は既述した材料から構成することができ、また、既述した撥水処理が施されている。
【0103】
伸縮性メッシュ5は、少なくとも、容器本体1の収容部下方(底部方向)へ変形可能である。伸縮性メッシュ5を柔軟性の高い材料から構成することにより、伸縮性メッシュ5の変形性を高めることができる。
【0104】
中枠3の上端開口部はシール部材7によってシールされている。これにより、伸縮性メッシュ5は外部から隔離される。シール部材7は中枠3の上端開口部をシール可能であれば、特には限定されるものではなく、例えば、剥離可能な接着剤層を備える金属ラミネートフィルムを使用することができる。
【0105】
塗布具6は、シール部材7と蓋体2の間の空間に収容されている。塗布具6の形態は特には限定されるものではないが、例えば、パフ等を使用することができる。
【0106】
蓋体2も略円筒形の部材であり、塗布具6を収容した状態で容器本体1と係合可能である。そして、蓋体2を容器本体1と係合させることにより、蓋体2は伸縮性メッシュ5を被覆可能である。また、蓋体2を容器本体1と係合させることにより、容器本体1の開口部を閉鎖することができる。
【0107】
このようにして、液状化粧料容器Aは、含水液状化粧料4を収容及び保持することができる。
【0108】
含水液状化粧料4の使用時には、蓋体2を容器本体1から外し、シール部材7を剥離除去して伸縮性メッシュ5を外部に露出後に、指等により塗布具6を伸縮性メッシュ5に押し付けることにより、伸縮性メッシュ5は容器本体1の収容部下方(底部方向)へ変形し、伸縮性メッシュ5の網目から含水液状化粧料4を適量だけ浮き出させることができる。伸縮性メッシュ5の表面に浮き出た含水液状化粧料4は、塗布具6に付着する。
【0109】
したがって、伸縮性メッシュ5に塗布具6を押し付けて拭うことにより、含水液状化粧料4を塗布具6に付着させて、容器本体1より取り出して皮膚の美容処理等に使用することができる。なお、伸縮性メッシュ5の作用により、塗布具6には適量の含水液状化粧料4が付着するため、皮膚に必要以上の含水液状化粧料4が塗布されることを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明の液状化粧料容器は、容器の向きにかかわらず、液状化粧料が伸縮性メッシュの網目から漏洩しない。したがって、本発明の液状化粧料容器は運搬、保管等が容易である。
【0111】
本発明の液状化粧料容器は、液状メークアップ化粧料用の容器として好適に使用することができ、液状ファンデーション、液状チーク等の容器として使用することができる。特に、本発明の液状化粧料容器は液状ファンデーション用の容器としてより好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0112】
1 容器本体
2 蓋体
3 中枠
4 含水液状化粧料
5 伸縮性メッシュ
6 塗布具
7 シール部材
図1
【手続補正書】
【提出日】2022-07-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部及び収容部を有する容器本体、並びに、
前記開口部を被覆する変形可能な伸縮性メッシュ
を備えており、
前記収容部が含水液状化粧料を収容しており、
前記伸縮性メッシュが繊維からなり、且つ、網目を備えており、
前記伸縮性メッシュが撥水処理されており、
前記伸縮性メッシュを前記含水液状化粧料に押し付けて変形させることにより、前記含水液状化粧料の少なくとも一部が前記伸縮性メッシュの網目を通過する、液状化粧料容器。
【請求項2】
前記撥水処理がフッ素化合物による表面処理である、請求項1記載の液状化粧料容器。
【請求項3】
前記フッ素化合物がフッ化ポリマーである、請求項2記載の液状化粧料容器。
【請求項4】
前記伸縮性メッシュが合成繊維からなる、請求項1乃至3のいずれかに記載の液状化粧料容器。
【請求項5】
前記合成繊維がバイコンポーネント繊維である、請求項4記載の液状化粧料容器。
【請求項6】
前記バイコンポーネント繊維がポリエチレンテレフタレート及びポリトリメチレンテレフタレートからなる、請求項5記載の液状化粧料容器。
【請求項7】
前記伸縮性メッシュを構成する各合成繊維が撥水処理されている、請求項4乃至6のいずれかに記載の液状化粧料容器。
【請求項8】
更に蓋体を備えており、
前記蓋体が前記伸縮性メッシュを被覆可能である、請求項1乃至7のいずれかに記載の液状化粧料容器。
【請求項9】
更に塗布具を備えており、
前記塗布具が前記蓋体及び前記伸縮性メッシュの間に存在する、請求項8記載の液状化粧料容器。
【請求項10】
前記含水液状化粧料がファンデーションである、請求項1乃至9のいずれかに記載の液状化粧料容器。