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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150800
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】インバータ回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20231005BHJP
【FI】
H02M7/48 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060086
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100172627
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 亘
(72)【発明者】
【氏名】長坂 俊彦
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA02
5H770BA01
5H770DA03
5H770GA01
5H770GA07
5H770JA01X
5H770LA02X
5H770QA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】基準電圧を降圧してインバータ部に供給しインバータ部に生ずる貫通電流を低減することができるインバータ回路を提供する。
【解決手段】モータ制御系100において、基準電圧VBに基づいて動作するモータ駆動用のインバータ回路1は、降圧設定部10と、インバータ部20と、を備える。降圧設定部10は、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDをインバータ部20に供給する。インバータ部20は、Hiサイドスイッチング素子21a、22a及びLowサイドスイッチング素子21b、22bを接続した第1インバータ部21、第2インバータ部22を有し、外部信号源Aから入力される入力電圧VAによりスイッチング素子をオンオフして降圧設定した電圧VBDに基づく制御信号VB1、VB2を生成して出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電圧(VB)に基づいて動作するモータ駆動用のインバータ回路(1)であって、
降圧設定部(10)と、インバータ部(20)と、を備え、
前記降圧設定部(10)は、前記基準電圧(VB)を降圧設定した電圧(VBD)を前記インバータ部(20)に供給し、
前記インバータ部(20)は、Hiサイドスイッチング素子(20a)およびLowサイドスイッチング素子(20b)を有し、信号源(A)から入力される入力電圧(VA)により前記Hiサイドスイッチング素子(20a)および前記Lowサイドスイッチング素子(20b)をオンオフして前記降圧設定した電圧(VBD)に基づく制御信号(VB1,VB2)を出力することを特徴とするインバータ回路(1)。
【請求項2】
前記降圧設定部(10)は、降圧設定スイッチング素子(11)を有し、前記降圧設定スイッチング素子(11)をオンすることにより、前記降圧設定スイッチング素子(11)の閾値電圧(ΔVD)分、前記基準電圧(VB)を降圧設定した電圧(VBD)を前記インバータ部(20)に供給することを特徴とする請求項1に記載のインバータ回路(1)。
【請求項3】
前記インバータ部(20)は、第1インバータ部(21)と、第2インバータ部(22)と、を備え、
前記降圧設定部(10)は、前記基準電圧(VB)を降圧設定した電圧(VBD)を前記第1インバータ部(21)に供給し、
前記第1インバータ部(21)は、第1Hiサイドスイッチング素子(21a)および第1Lowサイドスイッチング素子(21b)を有するとともに、前記信号源(A)から入力される入力電圧(VA)により前記第1Hiサイドスイッチング素子(21a)および前記第1Lowサイドスイッチング素子(21b)をオンオフして前記降圧設定した電圧(VBD)に基づき前記信号源(A)から入力される入力電圧(VA)と前記基準電圧(VB)との中間の電圧値にレベルシフトした第1制御信号(VB1)を出力し、
前記第2インバータ部(22)は、第2Hiサイドスイッチング素子(22a)および第2Lowサイドスイッチング素子(22b)を有するとともに、前記第1制御信号(VB1)の入力により前記第2Hiサイドスイッチング素子(22a)および第2Lowサイドスイッチング素子(22b)をオンオフし、前記第1制御信号(VB1)に基づく電圧(VBD)に対して基準電圧(VB)の値までレベルシフトした第2制御信号(VB2)を出力することを特徴とする請求項1または2いずれかに記載のインバータ回路(1)。
【請求項4】
前記降圧設定部(10)により降圧設定した電圧をVBD、前記入力電圧(VA)の最大出力をVAMAX、前記第1Hiサイドスイッチング素子(21a)の閾値電圧をΔVP1とした場合において、
VAMAX>VBD-ΔVP1
の関係が成立することを特徴とする請求項3に記載のインバータ回路。
【請求項5】
前記基準電圧をVB、前記第1インバータ部(21)により出力された前記第1制御信号(VB1)に対応する電圧(VBD)の最大出力をVBDMAXと、前記第2Hiサイドスイッチング素子(21a)の閾値電圧をΔVP2とした場合において、
VBDMAX>VB-ΔVP2
の関係が成立することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のインバータ回路。
【請求項6】
前記第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の閾値電圧(ΔVP2)は、前記降圧設定スイッチング素子(11)の閾値電圧(ΔVD)よりも大きくすることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のインバータ回路(1)。
【請求項7】
前記第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の相互コンダクタンスを、前記降圧設定スイッチング素子(11)の相互コンダクタンスよりも小さくすることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載のインバータ回路(1)。
【請求項8】
前記第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の寸法を、前記降圧設定スイッチング素子(11)の寸法よりも小さくすることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載のインバータ回路(1)。
【請求項9】
前記寸法は、チャネル幅の寸法とすることを特徴とする請求項8に記載のインバータ回路(1)。
【請求項10】
前記第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の不純物濃度を、前記降圧設定スイッチング素子(11)の不純物濃度よりも低くすることを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載のインバータ回路(1)。
【請求項11】
前記第1Hiサイドスイッチング素子(21a)、第2Hiサイドスイッチング素子(22a)、および前記降圧設定スイッチング素子(11)は、Pチャネル型MOSFETとすることを特徴とする請求項3乃至請求項10のいずれか一項に記載のインバータ回路(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
二輪車等車載用のモータインバータ用の制御回路には、電源の周波数を所定に制御するインバータ出力回路が備えられている。例えば、特許文献1に開示された車載機器には、このようなインバータ出力回路が備えられており、インバータ出力回路のスイッチング素子のオンオフ制御は、CPUがインバータ駆動回路を介して行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-098959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、CPUからインバータ駆動回路に入力される入力電圧(制御電圧)は、内部電源の電圧(基準電圧)よりも低くく設定されることがあった。このような場合には、内部電源とインバータ駆動回路との接続を介して貫通電流が流れてしまい、不用な消費電力が発生して、制御回路の効率低下に繋がり、制御回路が発熱するといった問題が生じる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、基準電圧を降圧してインバータ部に供給しインバータ部に生ずる貫通電流を低減することができるインバータ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るインバータ回路(1)は、基準電圧(VB)に基づいて動作するモータ駆動用のインバータ回路(1)であって、降圧設定部(10)と、インバータ部(20)と、を備え、降圧設定部(10)は、基準電圧(VB)を降圧設定した電圧(VBD)をインバータ部(20)に供給し、インバータ部(20)は、Hiサイドスイッチング素子(20a)およびLowサイドスイッチング素子(20b)を有し、信号源(A)から入力される入力電圧(VA)によりHiサイドスイッチング素子(20a)およびLowサイドスイッチング素子(20b)をオンオフして降圧設定した電圧(VBD)に基づく制御信号(VB1,VB2)を出力することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、降圧設定部(10)は、基準電圧(VB)を降圧設定した電圧(VBD)をインバータ部(20)に供給し、インバータ部(20)は、Hiサイドスイッチング素子(20a)およびLowサイドスイッチング素子(20b)を有し、信号源(A)から入力される入力電圧(VA)によりHiサイドスイッチング素子(20a)およびLowサイドスイッチング素子(20b)をオンオフして降圧設定した電圧(VBD)に基づく制御信号(VB1,VB2)を出力することにより、基準電圧(VB)を降圧してインバータ部(20)に供給しインバータ部(20)に生ずる貫通電流(i1,i2)を低減することができる。
【0008】
降圧設定部(10)は、降圧設定スイッチング素子(11)を有し、降圧設定スイッチング素子(11)をオンすることにより、降圧設定スイッチング素子(11)の閾値電圧(ΔVD)分、基準電圧(VB)を降圧設定した電圧(VBD)をインバータ部(20)に供給し、閾値電圧(ΔVD)分、基準電圧(VB)を降圧設定した電圧(VBD)をインバータ部(20)に供給することができる。
【0009】
降圧設定部(10)は、基準電圧(VB)を降圧設定した電圧(VBD)を第1インバータ部(21)に供給し、第1インバータ部(21)は、第1Hiサイドスイッチング素子(21a)および第1Lowサイドスイッチング素子(21b)を有するとともに、信号源(A)から入力される入力電圧(VA)により第1Hiサイドスイッチング素子(21a)および第1Lowサイドスイッチング素子(21b)をオンオフして降圧設定した電圧(VBD)に基づき信号源(A)から入力される入力電圧(VA)と基準電圧(VB)との中間の電圧値にレベルシフトした第1制御信号(VB1)を出力し、第2インバータ部(22)は、第2Hiサイドスイッチング素子(22a)および第2Lowサイドスイッチング素子(22b)を有するとともに、第1制御信号(VB1)の入力により第2Hiサイドスイッチング素子(22a)および第2Lowサイドスイッチング素子(22b)をオンオフし、第1制御信号(VB1)に基づく電圧(VBD)に対して基準電圧(VB)の値までレベルシフトした第2制御信号(VB2)を出力することにより、第1インバータ部(21)と第2インバータ部(22)を介して信号源(A)から入力される入力電圧(VA)を基準電圧(VB)の値までシフトした制御信号(VB2)を生成するとともに、基準電圧(VB)を降圧して第1インバータ部(21)と第2インバータ部(22)に供給し第1インバータ部(21)と第2インバータ部(22)に生ずる貫通電流(i1,i2)を低減することができる。
【0010】
降圧設定部(10)により降圧設定した電圧をVBD、入力電圧(VA)の最大出力をVAMAX、第1Hiサイドスイッチング素子(21a)の閾値電圧をΔVP1とした場合において、VAMAX>VBD-ΔVP1の関係が成立することにより、降圧設定部(10)により降圧設定した電圧(VBD)から第1インバータ部(21)の第1Hiサイドスイッチング素子(21a)の閾値電圧(ΔVP1)を減算した電圧(VBD-ΔVP1=VBD´)を、入力電圧(VA)の最大出力(VAMAX)よりも小さくすることができ、第1インバータ部(21)に生ずる貫通電流(i1)を低減することができる。
【0011】
基準電圧をVB、第1インバータ部(21)により出力された第1制御信号(VB1)に対応する電圧(VBD)の最大出力をVBDMAX、第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の閾値電圧をΔVP2とした場合において、VBDMAX>VB-ΔVP2の関係が成立することにより、基準電圧(VB)から第2インバータ部(22)の第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の閾値電圧(ΔVP2)を減算した電圧(VB´)を、第1制御信号(VB1)に対応する電圧(VBD)の最大出力(VB-ΔVP2=VBDMAX)よりも小さくすることができ、第2インバータ部(22)に生ずる貫通電流(i2)を低減することができる。
【0012】
第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の閾値電圧(ΔVP2)は、降圧設定スイッチング素子(11)の閾値電圧(ΔVD)よりも大きくすることにより、第1インバータ部(21)により出力された第1制御信号(VB1)に対応する電圧(VBD)の最大出力(VBDMAX)を大きくすることができ、基準電圧(VB)から第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の閾値電圧(ΔVP2)を減算した電圧(VB´)を、確実に第1インバータ部(21)により出力された第1制御信号(VB1)に対応する電圧(VBD)の最大出力(VBDMAX)よりも小さくすることができる。
【0013】
第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の相互コンダクタンスを、降圧設定スイッチング素子(11)の相互コンダクタンスよりも小さくすることにより、第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の閾値電圧(ΔVP2)を、確実に降圧設定スイッチング素子(11)の閾値電圧(ΔVD)よりも大きくすることができる。
【0014】
第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の寸法を、降圧設定スイッチング素子(11)の寸法よりも小さくすることにより、第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の閾値電圧(ΔVP2)を、確実に降圧設定スイッチング素子(11)の閾値電圧(ΔVD)よりも大きくすることができる。
【0015】
寸法は、チャネル幅(W,w)の寸法とすることができる。
【0016】
第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の不純物濃度を、降圧設定スイッチング素子(11)の不純物濃度よりも低くすることにより、第2Hiサイドスイッチング素子(22a)の閾値電圧(ΔVP2)を、確実に降圧設定スイッチング素子(11)の閾値電圧(ΔVD)よりも大きくすることができる。
【0017】
第1Hiサイドスイッチング素子(21a)、第2Hiサイドスイッチング素子(22a)、および降圧設定スイッチング素子(11)は、Pチャネル型MOSFETとすることことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、基準電圧を降圧してインバータ部に供給しインバータ部に生ずる貫通電流を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のインバータ回路を含むモータ制御系の構成を示すブロック図である。
図2】同インバータ回路の構成を示すブロック図である。
図3】同インバータ回路の構成を示す回路図である。
図4】同インバータ回路における外部信号源からの入力電圧と第1インバータ部における貫通電流の関係を示す図である。
図5】同インバータ回路における第1制御信号に対応する電圧と第2インバータ部における貫通電流の関係を示す図である。
図6】同インバータ回路のPチャンネル型MOSFETの構成示す図で、(a)は、降圧設定部のPチャンネル型MOSFETの構成を示す図、(b)は、第2インバータ回路のPチャンネル型MOSFETの構成を示す図である。
図7】本発明の実施例1に係るインバータ回路における外部信号源からの入力電圧と第1インバータ部における貫通電流の関係を示す図である。
図8】本発明の比較例1に係るインバータ回路の構成を拡大して示す回路図である。
図9】本発明の比較例1に係るインバータ回路における外部信号源からの入力電圧と第1インバータ部における貫通電流の関係を示す図である。
図10】本発明の実施例2に係るインバータ回路における第1制御信号に対応する電圧信号と第2インバータ部における貫通電流の関係を示す図である。
図11】本発明の比較例2に係るインバータ回路における第1制御信号に対応する電圧信号と第2インバータ部における貫通電流の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明のインバータ回路を含むモータ制御系の構成を示すブロック図、図2は、同インバータ回路の構成を示すブロック図、図3は、同インバータ回路の構成を示す回路図、図4は、同インバータ回路における外部信号源からの入力電圧と第1インバータ部における貫通電流の関係を示す図、図5は、同インバータ回路における第1制御信号に対応する電圧と第2インバータ部における貫通電流の関係を示す図、図6は、同インバータ回路のPチャンネル型MOSFETの構成示す図である。
【0021】
図1を参照して本発明のインバータ回路1を含むモータ制御系100の構成の概要を説明すると、モータ制御系100は、信号源Aより詳しくは外部信号源Aからの入力電圧VAおよび内部電源Bからの基準となる電圧VB(以下、基準電圧VBとする)に基づいて複数のインバータ回路1が制御信号をロジック回路Cおよびドライバ回路Dを介してモータ駆動用スイッチング回路Eに供給しモータMの制御を行う構成となっている。外部信号源Aは、例えばマクロコンピュータとすることができ、外部信号源Aからは入力電圧VAが矩形波のパルス信号として入力される。
【0022】
図1乃至図3に示すように、インバータ回路1は、基準電圧VBに基づいて動作するモータ駆動用のインバータ回路1であって、降圧設定部10と、インバータ部20と、を備え、降圧設定部10は、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDをインバータ部20に供給し、インバータ部20は、Hiサイドスイッチング素子20aおよびLowサイドスイッチング素子20bを有し、信号源Aから入力される入力電圧VAによりHiサイドスイッチング素子20aおよびLowサイドスイッチング素子20bをオンオフして降圧設定した電圧VBDに基づく制御信号VB1,VB2を生成して出力することができる。
【0023】
インバータ部20は、第1インバータ部21と、第2インバータ部22と、を備えている。また、Hiサイドスイッチング素子20aは、第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第2Hiサイドスイッチング素子22aを備え、Lowサイドスイッチング素子20bは、第1Lowサイドスイッチング素子21bおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bを備えている。インバータ回路1は、第1接続ラインL1乃至第5接続ラインL5を有している。
【0024】
第1接続ラインL1は、内部電源Bと接続されて基準電圧VBが供給される接続ラインである。基準電圧VBは、第1接続ラインL1を介して一定の電圧で供給される。第2接続ラインL2は、第1接続ラインL1と相互に並行するように設けられた接続ラインである。
【0025】
第3接続ラインL3は、第1接続ラインL1から分岐しつつ第1接続ラインL1と第2接続ラインL2とを結ぶように設けられた接続ラインである。第3接続ラインL3には、降圧設定部10および第1インバータ部21が相互に直列に接続されている。第3接続ラインL3は、接続ラインL31,L32,L33,L34および分岐ラインL31´を含んでいる。
【0026】
第4接続ラインL4は、第1接続ラインL1から分岐しつつ第1接続ラインL1と第2接続ラインL2とを結ぶように設けられた接続ラインであり、第3接続ラインL3と並行して設けられている。第4接続ラインL4は、接続ラインL43,L44を含んでいる。第4接続ラインL4には、第2インバータ部22が接続されている。第1インバータ部21と第2インバータ部22は、第3接続ラインL3および第4接続ラインL4を介して並列に配置されている。第5接続ラインL5は、並列に配置される第1インバータ部21の中点21Aと第2インバータ部22のゲート電極31aa,31ba側とを接続する接続ラインである。
【0027】
降圧設定部10は、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDを第1インバータ部21に供給することができる。より詳しくは、降圧設定部10は、内部電源Bからの基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDを第1インバータ部21に供給することができる。降圧設定部10は、降圧設定スイッチング素子11を有し、降圧設定スイッチング素子11をオンすることにより、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVD分、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDをインバータ部20に供給することができる。
【0028】
更に詳しくは、降圧設定部10は、降圧設定スイッチング素子11を有しており、降圧設定スイッチング素子11をオンすることにより、数1に示すように、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVD分詳しくはゲート閾値電圧ΔVD分(以下、ゲート閾値電圧は、単に閾値電圧とする)、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDを第1インバータ部21に供給することができる(閾値電圧ΔVDは正確には閾値電圧ΔVDの絶対値とする)。降圧設定スイッチング素子11は、Pチャネル型MOSFETとすることができる。
【0029】
[数1]
VBD=VB-|ΔVD|
【0030】
すなわち、降圧設定スイッチング素子11は、ゲート電極11a、ソース電極11b、およびドレイン電極11cを有しており、ゲート電極11aとドレイン電極11bが接続されている。降圧設定スイッチング素子11は、所定の閾値電圧ΔVDが設定されている。
【0031】
ゲート電極11aには、ゲート電圧VGDが入力される。つまり、入力されたゲート電圧VGDが、ソース電極11bの入力電圧VBつまり基準電圧VBから閾値電圧ΔVDを減算した電圧VBD以下のときに降圧設定スイッチング素子11がオンとなり、ソース電極11bとドレイン電極11cとの間に所定の電流が流れる。ソース電極11bには、内部電源Bからの基準電圧VBがソース電圧として入力され、ドレイン電極11cからは、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDがドレイン電圧として出力される。
【0032】
ゲート電極11aには、ドレイン電極11cと第2インバータ部22とを接続する接続ラインL31からの分岐ラインL31´が接続されている。つまり、ゲート電極11aとドレイン電極11bは、分岐ライン31´を介して接続されている。そして、ゲート電極11aには、分岐ラインL31´を介してドレイン電極11cからの電圧がゲート電圧VGDとして入力され、ドレイン電極11cから出力され第2インバータ部22に供給される電圧すなわち降圧設定した電圧VBDは、数1の如く降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVD分、基準電圧VBを降圧設定した電圧となる。なお、本実施形態においては、例えば、基準電圧VBを5V、閾値電圧ΔVDを1.1V、降圧設定した電圧VBDを3.9Vとすることができる。
【0033】
第1インバータ部21は、第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bを有するとともに、信号源Aから入力される入力電圧VAにより第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bをオンオフして降圧設定した電圧VBDに基づき信号源Aから入力される入力電圧VAと基準電圧VBとの中間の電圧値にレベルシフトした第1制御信号VB1を生成して出力し、第2インバータ部22は、第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bを有するとともに、第1制御信号VB1の入力により第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bをオンオフし、第1制御信号VB1に基づく電圧VBDに対して基準電圧VBの値までレベルシフトした第2制御信号VB2を生成して出力することができる(入力電圧VAと基準電圧VBとの中間の電圧値は、入力電圧VAと基準電圧VBとの中央値に限定されない)。
【0034】
より詳しくは、第1インバータ部21は、ハーフブリッジのCMOSで構成されており、第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bを有している。第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bは、直列接続されている。第1インバータ部21は、外部信号源Aから入力される入力電圧VAにより第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bをオンオフして基準電圧VB(より詳しくは電圧VBD)に基づく第1制御信号VB1を生成して出力することができる。第1Hiサイドスイッチング素子21aは、Pチャネル型MOSFETとすることができる。
【0035】
すなわち、第1Hiサイドスイッチング素子21aは、ゲート電極21aa、ソース電極21ab、およびドレイン電極21acを有しており、所定の閾値電圧ΔVP1より詳しくはゲート閾値電圧ΔVP1(以下、ゲート閾値電圧は、単に閾値電圧とする)が設定されている(閾値電圧ΔVP1は正確には閾値電圧ΔVP1の絶対値とする)。ゲート電極21aaには、外部信号源Aからの入力電圧VAがゲート電圧VAとして入力される。
【0036】
つまり、入力されたゲート電圧VAが、降圧設定した電圧VBDつまり第1Hiサイドスイッチング素子21aのソース電極21abの入力電圧VBD(ソース電圧)から第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1を減算した電圧VBD´よりも小さいときに第1Hiサイドスイッチング素子21aがオンとなり、ソース電極21abとドレイン電極21acとの間に所定の電流が流れる。ソース電極21abには、接続ラインL31を介して降圧設定した電圧VBD(ソース電圧)が入力され、ドレイン電極21acからは、第1制御信号VB1に対応する電圧として降圧設定した電圧VBD(ドレイン電圧)が出力される。
【0037】
[数2]
VBD´=VBD-|ΔVP1|
【0038】
第1Lowサイドスイッチング素子21bは、Nチャネル型MOSFETとすることができる。すなわち、第1Lowサイドスイッチング素子21bは、ゲート電極21ba、ドレイン電極21bb、およびソース電極21bcを有しており、所定の閾値電圧ΔVN1より詳しくはゲート閾値電圧ΔVN1(以下、ゲート閾値電圧は、単に閾値電圧とする)が設定されている(閾値電圧ΔVN1は正確には閾値電圧ΔVN1の絶対値とする)。
【0039】
ゲート電極21baには、接続ラインL32を介して、外部信号源Aからの入力電圧VAがゲート電圧VAとして入力される。つまり、入力されたゲート電圧VAが閾値電圧ΔVN1よりも大きいときに第1Lowサイドスイッチング素子21bがオンとなり、ドレイン電極21bbとソース電極21bcとの間に所定の電流が流れる。なお、第1Lowサイドスイッチング素子21bのドレイン電極21bbは、接続ラインL33を介して第1Hiサイドスイッチング素子21aのドレイン電極21acと接続し、第1Lowサイドスイッチング素子21bのソース電極21bcは、接続ラインL34を介して第2接続ラインL2と接続している。
【0040】
ここで、第1インバータ部21においては、第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bがいずれもオンのときであって、電圧VBD´が、外部信号源Aからの入力電圧VAつまりゲート電圧VAよりも大きいときに第1Hiサイドスイッチング素子21aから第1Lowサイドスイッチング素子21bに多大な貫通電流i1が流れることがある。
【0041】
一方、電圧VBD´が、外部信号源Aからの入力電圧VAつまりゲート電圧VAよりも小さい場合には、貫通電流i1は、第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bがいずれもオンであったとしても低減されることとなる。
【0042】
図4に示すように、電圧VBD´が、入力電圧VAの最大出力VAMAXよりも小さくなるように、降圧設定部10による降圧設定および閾値電圧ΔVP1が設定されることとすれば、貫通電流i1が確実に低減される領域が形成されることとなる。
【0043】
このため、本実施形態にあっては、数3に示すように、電圧VBD´が、入力電圧VAの最大出力VAMAXよりも小さくなるように、降圧設定部10による降圧設定および閾値電圧ΔVP1が設定されることとしている(降圧設定部10により降圧設定した電圧をVBD、入力電圧VAの最大出力をVAMAX、第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧をΔVP1とした場合において、VAMAX>VBD-ΔVP1の関係が成立することが好ましい)。
【0044】
[数3]
VAMAX>VBD-ΔVP1
VBD-ΔVP1=VBD´
【0045】
このように、電圧VBD´が、入力電圧VAの最大出力VAMAXよりも小さくなるように降圧設定および閾値電圧ΔVP1が設定されることにより、図4に示すように、入力電圧VAが、電圧VBD´よりも大きくなる入力電圧VAの領域Fを確実に形成することができ、第1インバータ部21に生ずる貫通電流i1を低減することができる。
【0046】
図4においては、貫通電流i1が発生する入力電圧VAの領域F´は、第1Lowサイドスイッチング素子21bの閾値電圧ΔVN1から、電圧VBD´に至る範囲であり、貫通電流i1が低減される入力電圧VAの領域Fは、電圧VBD´から、入力電圧VAの最大出力VAMAXに至る範囲である。入力電圧VAが閾値電圧ΔVN1以下で第1Hiサイドスイッチング素子21aがオン、第1Lowサイドスイッチング素子21bがオフの領域F´´についても貫通電流i1が低減されることとなる。なお、本実施形態においては、例えば、入力電圧の最大出力VAMAXを3.3V、第1制御信号VB1に基づく電圧すなわち電圧VBDを3.9V、第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1を1.2V、第1Lowサイドスイッチング素子21bの閾値電圧ΔVN1を1.2V、降圧設定した電圧VBDから第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1を減算した電圧VBD´を2.7Vとすることができる。
【0047】
第2インバータ部22は、ハーフブリッジのCMOSで構成されており、第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bを有している。第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bは、直列接続されている。第2インバータ部22は、第5接続ラインL5を介して第1インバータ部21の中点21Aと接続されており、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDを入力することができる。
【0048】
つまり、第2インバータ部22は、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDつまり降圧設定した電圧VBDにより第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bをオンオフして第1制御信号VB1に基づく電圧VBDに対して基準電圧VBの値までレベルシフトした第2制御信号VB2をを生成して出力することができる。第2Hiサイドスイッチング素子22aは、Pチャネル型MOSFETとすることができる。
【0049】
すなわち、第2Hiサイドスイッチング素子22aは、ゲート電極22aa、ソース電極22ab、およびドレイン電極22acを有しており、所定の閾値電圧ΔVP2より詳しくはゲート閾値電圧ΔVP2(以下、ゲート閾値電圧は、単に閾値電圧とする)が設定されている(閾値電圧ΔVP2は正確には閾値電圧ΔVP2の絶対値とする)。ゲート電極22aaには、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDがゲート電圧VBDとして入力される。
【0050】
つまり、入力されたゲート電圧VBDが、基準電圧VBつまり第2Hiサイドスイッチング素子22aのソース電極22abの入力電圧VB(ソース電圧)から第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を減算した電圧VB´よりも小さいときに第2Hiサイドスイッチング素子22aがオンとなり、ソース電極22abとドレイン電極22acとの間に所定の電流が流れる。ソース電極22abには、接続ラインL4を介して基準電圧VB(ソース電圧)が入力され、ドレイン電極22acからは、第2制御信号VB2に対応する電圧として基準電圧VB(ドレイン電圧)が出力される。
【0051】
[数4]
VB´=VB-|ΔVP2|
【0052】
第2Lowサイドスイッチング素子22bは、Nチャネル型MOSFETとすることができる。すなわち、第2Lowサイドスイッチング素子22bは、ゲート電極22ba、ドレイン電極22bb、およびソース電極22bcを有しており、所定の閾値電圧ΔVN2より詳しくはゲート閾値電圧ΔVN1(以下、ゲート閾値電圧は、単に閾値電圧とする)が設定されている(閾値電圧ΔVN2は正確には閾値電圧ΔVN2の絶対値とする)。ゲート電極22baには、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDがゲート電圧VBDとして入力される。
【0053】
つまり、入力されたゲート電圧VBDが閾値電圧ΔVN2よりも大きいときに第2Lowサイドスイッチング素子22bがオンとなり、ドレイン電極22bbとソース電極22bcとの間に所定の電流が流れる。なお、第2Lowサイドスイッチング素子22bのドレイン電極22bbは、接続ラインL43を介して第2Hiサイドスイッチング素子22aのドレイン電極22acと接続し、第2Lowサイドスイッチング素子22bのソース電極22bcは、接続ラインL44を介して第2接続ラインL2と接続している。
【0054】
ここで、第2インバータ部22においては、第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bがいずれもオンのときであって、電圧VB´が、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDつまりゲート電圧VBDよりも大きいときに第2Hiサイドスイッチング素子22aから第2Lowサイドスイッチング素子22bに多大な貫通電流i2が流れることがある。
【0055】
一方、貫通電流i2は、電圧VB´が、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDつまりゲート電圧VBDよりも小さい場合には、第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bがいずれもオンであったとしても低減されることとなる。
【0056】
図5に示すように、電圧VB´が、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXよりも小さくなるように、降圧設定部10による降圧設定および閾値電圧ΔVP2が設定されることとすれば、貫通電流i2が確実に低減される領域が形成されることとなる。
【0057】
このため、本実施形態にあっては、数5に示すように、電圧VB´が、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXよりも小さくなるように、降圧設定部10による降圧設定および閾値電圧ΔVP2が設定されることとしている(基準電圧をVB、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力をVBDMAXと、第2Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧をΔVP2とした場合において、VBDMAX>VB-ΔVP2の関係が成立することが好ましい)。
【0058】
[数5]
VBDMAX>VB-ΔVP2
VB-ΔVP2=VB´
【0059】
このように、電圧VB´が、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXよりも小さくなるように降圧設定および閾値電圧ΔVP2が設定されることにより、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDが、電圧VB´よりも大きくなる領域Gを確実に形成することができ、第2インバータ部22に生ずる貫通電流i2を低減することができる。
【0060】
図5においては、貫通電流i2が発生する電圧VBDの領域G´は、第2Lowサイドスイッチング素子22bの閾値電圧ΔVN2から、電圧VB´に至る範囲であり、貫通電流i2が低減される電圧VBDの領域Gは、電圧VB´から、電圧VBDの最大出力VBDMAXに至る範囲である。なお、第1インバータ部21からの第1制御信号VB1に対応する電圧VBDが閾値電圧ΔVN2以下で第2Hiサイドスイッチング素子22aがオン、第2Lowサイドスイッチング素子22bがオフの領域G´´についても貫通電流i2が低減されることとなる。なお、本実施形態においては、例えば、第1の制御信号VB1に基づく電圧の最大出力VBDMAXを3.9V、第2制御信号VB2に基づく電圧すなわち基準電圧VBを5V、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を1.3V、第2Lowサイドスイッチング素子22bの閾値電圧ΔVN2を1.3V、基準電圧VBから第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を減算した電圧VB´を3.7Vとすることができる。
【0061】
ここで、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2は、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることが好ましい。
【0062】
すなわち、本実施形態にあっては、降圧設定部10を設けることにより、降圧設定部10を設けない場合に対して、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXが低下することとなり、第2インバータ部22においては、貫通電流i2が発生し易い状態となる。しかしながら、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることにより(降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDを、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2よりも小さくすることにより)、閾値電圧ΔVP2と閾値電圧ΔVDを等しくする場合等に対して、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXを大きくすることができる。これにより、電圧VB´を、確実に第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXよりも小さくすることができる。
【0063】
また、降圧設定スイッチング素子11と第2Hiサイドスイッチング素子22aのチャネル部11d,22adに注入される不純物濃度(N-濃度)を同等とした場合、図6に示すように、第2Hiサイドスイッチング素子22aの寸法を、降圧設定スイッチング素子11の寸法よりも小さくすることが好ましい(なお、不純物濃度(N-濃度)とは、素子11,22aのチャネル部11d,22adの単位容量当たりの不純物の量である)。この寸法は、チャネル幅W,wの寸法とすることができる。
【0064】
言い換えると、降圧設定スイッチング素子11と第2Hiサイドスイッチング素子22aの寸法を同等とした場合、第2Hiサイドスイッチング素子22aのチャネル部22adの不純物濃度(N-濃度)を、降圧設定スイッチング素子11のチャネル部11dの不純物濃度(N-濃度)よりも低くすることが好ましい。
【0065】
すなわち、降圧設定スイッチング素子11と第2Hiサイドスイッチング素子22aの注入される不純物濃度(N-濃度)を同等として、第2Hiサイドスイッチング素子22のチャネル幅Wの寸法を、降圧設定スイッチング素子11のチャネル幅wの寸法よりも小さくすることにより、第2Hiサイドスイッチング素子22の閾値電圧ΔVP2を、確実に降圧設定スイッチング素子の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることができる。
【0066】
言い換えると、降圧設定スイッチング素子11と第2Hiサイドスイッチング素子22aの寸法を同等として、第2Hiサイドスイッチング素子22の不純物濃度(N-濃度)を、降圧設定スイッチング素子11の不純物濃度(N-濃度)よりも低くすることにより、第2Hiサイドスイッチング素子22の閾値電圧ΔVP2を、確実に降圧設定スイッチング素子の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることができる。
【0067】
他の側面から見ると、第2Hiサイドスイッチング素子22aの相互コンダクタンス(gm)を、降圧設定スイッチング素子11の相互コンダクタンス(gm)よりも小さくすることが好ましく、これにより、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を、確実に降圧設定スイッチング素子の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることができる。
【0068】
つまり、上記のように、第2Hiサイドスイッチング素子22aのチャネル幅Wの寸法を、降圧設定スイッチング素子11のチャネル幅wの寸法よりも小さくすることにより、または、第2Hiサイドスイッチング素子22aの不純物濃度(N-濃度)を、降圧設定スイッチング素子11の不純物濃度(N-濃度)よりも低くすることにより、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDを第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2よりも下げることができる。
【0069】
これは、降圧設定スイッチング素子11の相互コンダクタンス(gm)が相対的に大きくなって電流駆動能力が相対的に上り、第2Hiサイドスイッチング素子22aと降圧設定スイッチング素子11で同じゲート電圧としたときに、相対的に大きいチャネル幅wの寸法で相互コンダクタンス(gm)も相対的に大きい降圧設定スイッチング素子11の方が流れる電流が多くなるからである。言い換えると、同じ電流を流す場合に相対的に大きいチャネル幅wの寸法で相互コンダクタンス(gm)も相対的に大きい降圧設定スイッチング素子11の方がゲート電圧を低くすることができるからである。
【0070】
[実施例1]
次に、本発明の実施例1を図7に基づいて説明する。本発明の実施例1は、降圧設定部10および第1インバータ部21の例であり、基準電圧VBを5V、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDを通常の1.2Vよりも0.1V小さい1.1V、降圧設定した電圧VBDを3.9V、第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1および第1Lowサイドスイッチング素子21bの閾値電圧ΔVN1を通常の閾値電圧と同じ1.2V、外部信号源Aからの入力電圧VAの最大出力VAMAXを3.3Vとした例を示している。なお、基準電圧VBは、5V一定で供給される。
【0071】
本実施例1は、第1Lowサイドスイッチング素子21bの閾値電圧1.2Vから、降圧設定した電圧3.9Vから第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧1.2を減算した電圧2.7Vに至る範囲(領域F´)においては、貫通電流i1が発生するものの、降圧設定した電圧3.9Vから第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧1.2Vを減算した電圧2.7Vから、入力電圧VAの最大出力3.3Vに至る範囲(領域F)においては、貫通電流i1が低減される結果となっている。
【0072】
[比較例1]
次に、本発明の比較例1を図8および図9に基づいて説明する。本発明の比較例1は、降圧設定部10を設けていないインバータ回路1の第1インバータ部21の例であり、基準電圧VB(実施例1の降圧設定した電圧VBDに相当)を5V、第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1および第1Lowサイドスイッチング素子21bの閾値電圧ΔVN1を通常の閾値電圧と同じ1.2V、外部信号源Aからの入力電圧VAの最大出力を3.3Vとした例を示している。
【0073】
本比較例1においては、基準電圧5Vから第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧1.2Vを減算した電圧3.8Vが、外部信号源Aからの入力電圧VAの最大出力3.3Vよりも大きく貫通電流i1が低減される入力電圧VAの領域Fが形成されない結果となっている。
【0074】
[実施例2]
次に、本発明の実施例2を図10に示す。本発明の実施例2は、実施例1に続く第2インバータ部22の例であり、基準電圧VBを5V、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2および第2Lowサイドスイッチング素子22bの閾値電圧ΔVN2を通常の閾値電圧よりも0.1V大きい1.3V(降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDよりも0.2V大きい)、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXを3.9Vとした例を示している。なお、基準電圧VBは、5V一定で供給される。
【0075】
本実施例2は、第2Lowサイドスイッチング素子22bの閾値電圧1.3Vから、基準電圧5Vから閾値電圧1.3を減算した電圧3.7Vに至る範囲(領域G´)においては、貫通電流i2が発生するものの、基準電圧5Vから、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧1.3Vを減算した電圧3.7Vから、電圧VBDの最大出力VBDMAXの3.9Vに至る範囲(領域G´)においては、貫通電流i2が低減される結果となっている。
【0076】
[比較例2]
次に、本発明の比較例2を図11に基づいて説明する。本発明の比較例2は、実施例2において、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDおよび第2Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP2のいずれも1.2Vと同等とした例を示している。
【0077】
本比較例2においては、基準電圧5Vから第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧1.2Vを減算した電圧が3.8Vとなるとともに、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力も3.8Vとなり、電圧VBDの最大出力3.8Vと基準電圧5Vから第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧1.2Vを減算した電圧3.8Vが等しく貫通電流i2が低減される電圧VBDの領域Gが形成されない結果となっている。
【0078】
以上説明したように、本発明によれば、降圧設定部10は、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDをインバータ部20に供給し、インバータ部20は、Hiサイドスイッチング素子20aおよびLowサイドスイッチング素子20bを有し、信号源Aから入力される入力電圧VAによりHiサイドスイッチング素子20aおよびLowサイドスイッチング素子20bをオンオフして降圧設定した電圧VBDに基づき信号源Aから入力される入力電圧VAと基準電圧VBとの中間の電圧値VBDにレベルシフトした制御信号VB1,VB2を出力することにより、基準電圧VBを降圧してインバータ部20に供給しインバータ部20に生ずる貫通電流i1,i2を低減することができる。
【0079】
また、降圧設定部10は、降圧設定スイッチング素子11を有し、降圧設定スイッチング素子11をオンすることにより、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVD分、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDをインバータ部20に供給し、閾値電圧ΔVD分、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDをインバータ部20に供給することができる。
【0080】
更に、降圧設定部10は、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDを第1インバータ部21に供給し、第1インバータ部21は、第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bを有するとともに、信号源Aから入力される入力電圧VAにより第1Hiサイドスイッチング素子21aおよび第1Lowサイドスイッチング素子21bをオンオフして降圧設定した電圧VBDに基づき信号源Aから入力される入力電圧VAと基準電圧VBとの中間の電圧値にレベルシフトした第1制御信号VB1を出力し、第2インバータ部22は、第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bを有するとともに、第1制御信号VB1の入力により第2Hiサイドスイッチング素子22aおよび第2Lowサイドスイッチング素子22bをオンオフし、第1制御信号VB1に基づく電圧VBDに対して基準電圧VBの値までレベルシフトした第2制御信号VB2を出力することにより、第1インバータ部21と第2インバータ部22を介して信号源Aから入力される入力電圧VAを基準電圧VBの値までシフトした制御信号VB2を生成するとともに、基準電圧VBを降圧して第1インバータ部21と第2インバータ部22に供給し第1インバータ部21と第2インバータ部22に生ずる貫通電流i1,i2を低減することができる。
【0081】
更にまた、降圧設定部10により降圧設定した電圧をVBD、入力電圧VAの最大出力をVAMAX、第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧をΔVP1とした場合において、VAMAX>VBD-ΔVP1の関係が成立することにより、降圧設定部10により降圧設定した電圧VBDから第1インバータ部21の第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1を減算した電圧VBD´を、入力電圧VAの最大出力VAMAXよりも小さくすることができ、第1インバータ部21に生ずる貫通電流i1を低減することができる。
【0082】
また更に、基準電圧をVB、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力をVBDMAX、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧をΔVP2とした場合において、VBDMAX>VB-ΔVP2の関係が成立することにより、基準電圧VBから第2インバータ部22の第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を減算した電圧VB´を、第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXよりも小さくすることができ、第2インバータ部22に生ずる貫通電流i2を低減することができる。
【0083】
また、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2は、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることにより、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXを大きくすることができ、基準電圧VBから第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を減算した電圧VB´を、確実に第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧VBDの最大出力VBDMAXよりも小さくすることができる。
【0084】
更に、第2Hiサイドスイッチング素子22aの相互コンダクタンスを、降圧設定スイッチング素子11の相互コンダクタンスよりも小さくすることにより、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を、確実に降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることができる。
【0085】
更にまた、第2Hiサイドスイッチング素子22aの寸法を、降圧設定スイッチング素子11の寸法よりも小さくすることにより、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を、確実に降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることができる。
【0086】
また更に、第2Hiサイドスイッチング素子22aの不純物濃度(N-濃度)を、降圧設定スイッチング素子11の不純物濃度(N-濃度)よりも低くすることにより、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を、確実に降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVDよりも大きくすることができる。
【0087】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることなく発明の要旨を変更しない範囲において種々の変形実施、応用実施が可能であることは勿論である。
【0088】
すなわち、上述した実施形態にあっては、降圧設定部10は、降圧設定スイッチング素子11をオンすることにより、降圧設定スイッチング素子11の閾値電圧ΔVD分、基準電圧VBを降圧設定した電圧VBDをインバータ部20に供給することとしているが、降圧設定スイッチング素子11に代えて各種の抵抗やその他の手段により基準電圧VBを降圧設定することとしても所要の効果を奏することができる。
【0089】
また、上述した実施形態にあっては、降圧設定部10により降圧設定した電圧VBDから第1インバータ部21の第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1を減算した電圧VB´が、入力電圧VAの最大出力VAMAXよりも小さくなるように、降圧設定部10による降圧設定および第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1が設定されているが、降圧設定部10のみにより設定した電圧VBDから第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1を減算した電圧VB´が、入力電圧VAの最大出力VAMAXよりも小さくなるようにすることとしてもよい。
【0090】
すなわち、降圧設定した電圧VBDから第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1を減算した電圧VBD´が、入力電圧VAの最大出力VAMAXよりも小さくなるように、少なくとも降圧設定部10による降圧設定がされていることとすれば所要の効果を奏することができる。
【0091】
更に、上述した実施形態にあっては、基準電圧VBから第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を減算した電圧VB´が、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧の最大出力VBDMAXよりも小さくなるように、降圧設定部10による降圧設定および第2Hiサイドスイッチング素子31aの閾値電圧ΔVP2が設定されているが、降圧設定部10による降圧設定のみにより基準電圧VBから第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を減算した電圧VB´が、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧の最大出力VBDMAXよりも小さくなるようにすることとしてもよい。
【0092】
すなわち、基準電圧VBから第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔVP2を減算した電圧VB´が、第1インバータ部21により出力された第1制御信号VB1に対応する電圧の最大出力VBDMAXよりも小さくなるように、少なくとも降圧設定部10による降圧設定がされていることとすれば所要の効果を奏することができる。
【0093】
更にまた、上述した実施形態にあっては、スイッチング素子11,21a,21b,22a,22bをMOSFETとすることとしているがバイポーラトランジスタとすることとしても所要の効果を奏することができる。この場合にあっては上述したゲート電極11a,21aa,21ba,22aa,22ba、ソース電極11b,21ab,21bc,22ab,22bc、ドレイン電極11c,21ac,21bb,22ac,22bbは、それぞれベース電極、エミッタ電極、コレクタ電極と読み替えられ、ゲート電圧、ソース電圧、ドレイン電圧は、それぞれベース電圧、エミッタ電圧、コレクタ電圧に読み替えるものとする。
【0094】
また更に、上述した実施例にあっては、第1Hiサイドスイッチング素子21aの閾値電圧ΔVP1と第1Lowサイドスイッチング素子21bの閾値電圧ΔVN1を同等とするとともに、第2Hiサイドスイッチング素子22aの閾値電圧ΔPN2と第2Lowサイドスイッチング素子22bの閾値電圧ΔVN2を同等とすることとしているが、異なる閾値電圧とすることとしてもよい。
【0095】
また、上述した実施形態にあっては、信号源Aを外部信号源Aと、電源Bを内部電源Bとすることとしているが、それぞれ内部信号源A、外部電源Bとすることとしても同様の技術的効果を奏することができる。
【0096】
なお、上述においては、外部信号源Aからの入力電圧の最大出力VAMAXを3.3Vとする実施例について説明したが、入力電圧の最大出力VAMAXを例えば5Vとする場合等、3.3Vを超える電圧とした場合についても同様に使用可能であることは勿論である。入力電圧の最大出力VAMAXを3.3Vを超える電圧とした場合については貫通電流を更に抑制することができ、より一層好適な実施形態となる。
【0097】
すなわち、例えばマイクロコンピュータで構成される外部信号源Aは、入力電圧VAを3.3Vや5Vとすることが多いが、本発明のインバータ回路1は、いずれの入力電圧VAにも回路の変更や選択をすることなく対応することができ、ユーザーフレンドリーなインバータ回路1となっている。また、入力電圧VAは、ノイズ等の意図しない変動を伴うことがあるが、このような場合にも貫通電流i1,i2を効果的に抑制することができる。
【符号の説明】
【0098】
A:外部信号源
VA:入力電圧
VAMAX:入力電圧の最大出力
B:内部電源
VB:基準電圧
VB´:基準電圧から第2Hiサイドスイッチング素子の閾値電圧を減算した電圧
VBD:基準電圧を降圧設定した電圧
VBDMAX: 第1インバータ部からの第1制御信号に対応する電圧の最大出力
VBD´:第1Hiサイドスイッチング素子のソース電極21abの入力電圧から第1Hiサイドスイッチング素子の閾値電圧を減算した電圧
VB1:第1制御信号
VB2:第2制御信号
ΔVD:降圧設定スイッチング素子の閾値電圧
VGD:ゲート電圧
ΔVP1:第1Hiサイドスイッチング素子の閾値電圧
ΔVN1:第1Lowサイドスイッチング素子の閾値電圧
ΔVP2:第2Hiサイドスイッチング素子の閾値電圧
ΔVN2:第2Lowサイドスイッチング素子の閾値電圧
C:ロジック回路
D:ドライバ回路
E:モータ駆動用スイッチング回路
F:電圧VBD´よりも大きくなる入力電圧の領域
F´:貫通電流が発生する入力電圧の領域
F´´:第1Hiサイドスイッチング素子がオフ、第1Lowサイドスイッチング素子がオンの領域
G:第1制御信号に対応する電圧が電圧VB´よりも大きくなる領域
G´:貫通電流が発生する電圧VBDの領域
G´´:第2Hiサイドスイッチング素子がオフ、第2Lowサイドスイッチング素子がオンの領域
i1:第1インバータ部の貫通電流
i2:第2インバータ部の貫通電流
L1:第1接続ライン
L2:第2接続ライン
L3:第3接続ライン
L31:接続ライン
L31´:分岐ライン
L32:接続ライン
L33:接続ライン
L34:接続ライン
L4:第4接続ライン
L43:接続ライン
L44:接続ライン
L5:第5接続ライン
M:モータ
W:第2Hiサイドスイッチング素子のチャネル幅
w:降圧設定スイッチング素子のチャネル幅
1:インバータ回路
10:降圧設定部
11:降圧設定スイッチング素子
11a:ゲート電極
11b:ソース電極
11c:ドレイン電極
20:インバータ部
20a:Hiサイドスイッチング素子
20b:Lowサイドスイッチング素子
21:第1インバータ部
21A:中点
21a:第1Hiサイドスイッチング素子
21aa:ゲート電極
21ab:ソース電極
21ac:ドレイン電極
21b:第1Lowサイドスイッチング素子
21ba:ゲート電極
21bb:ドレイン電極
21bc:ソース電極
22:第2インバータ部
22a:第2Hiサイドスイッチング素子
22aa:ゲート電極
22ab:ソース電極
22ac:ドレイン電極
22b:第2Lowサイドスイッチング素子
22ba:ゲート電極
22bb:ドレイン電極
22bc:ソース電極
100:モータ制御系
図1
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