(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150811
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20231005BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20231005BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20231005BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 611A
G09G3/20 621B
G09G3/20 621K
G09G3/20 641E
G09G3/34 J
G09G3/20 612U
G02F1/133 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060102
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安藤 智宏
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZD15
2H193ZE04
2H193ZG14
2H193ZG26
2H193ZG27
2H193ZG34
2H193ZH30
2H193ZJ20
2H193ZQ24
5C006AA14
5C006AA22
5C006AC28
5C006AF51
5C006BA12
5C006BF02
5C006EA01
5C006EC11
5C006EC13
5C006FA48
5C006GA02
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA10
5C080CC03
5C080DD26
5C080JJ06
(57)【要約】
【課題】使い勝手の良い画像表示装置を提供する。
【解決手段】フィールドシーケンシャル駆動により1フレーム期間単位で1つの画像を表示する画像表示装置であって、1フレーム期間のフレームレートの値と、1フレーム期間内に含まれる単色の画像を表示するフィールド期間(「R」「G」「B」)の数との組み合わせが、第一の組み合わせ(60fps、6個)である、第一駆動モード(通常駆動モード)と、1フレーム期間のフレームレートの値と、1フレーム期間内に含まれる単色の画像を表示するフィールド期間(「R」「G」「B」)の数との組み合わせが、第二の組み合わせ(120fps、12個)である、第二駆動モード(高機能モード)と、を有し、第一駆動モードと第二駆動モードは、画像表示装置の外部から入力される電気信号に基づいて、互いに切り替わる、画像表示装置である。
【選択図】
図4-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールドシーケンシャル駆動により1フレーム期間単位で1つの画像を表示する画像表示装置であって、
前記1フレーム期間のフレームレートの値と、前記1フレーム期間内に含まれる単色の画像を表示するフィールド期間の数との組み合わせが、第一の組み合わせである、第一駆動モードと、
前記1フレーム期間のフレームレートの値と、前記1フレーム期間内に含まれる単色の画像を表示するフィールド期間の数との組み合わせが、第二の組み合わせである、第二駆動モードと、を有し、
前記第一駆動モードと前記第二駆動モードは、前記画像表示装置の外部から入力される電気信号に基づいて、互いに切り替わる、
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記第一駆動モードにおける前記フレームレートの値と前記第二駆動モードにおける前記フレームレートの値は、互いに異なり、且つ、前記第一駆動モードにおける前記フィールド期間の数と前記第二駆動モードにおける前記フィールド期間の数は、互いに異なる、ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
「前記第二駆動モードにおける前記フレームレートの値/前記第一駆動モードにおける前記フレームレートの値」の数式で表される値は、「前記第二駆動モードにおける前記フィールド期間の数/前記第一駆動モードにおける前記フィールド期間の数」の数式で表される値と等しい、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
「前記第二駆動モードにおける前記フレームレートの値/前記第一駆動モードにおける前記フレームレートの値」の数式で表される値は、「前記第二駆動モードにおける前記フィールド期間の数/前記第一駆動モードにおける前記フィールド期間の数」の数式で表される値の逆数である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第一駆動モード及び前記第二駆動モードにおける前記1フレーム期間内には、前記フィールド期間として、赤色の画像を表示するフィールド期間と、緑色の画像を表示するフィールド期間と、青色の画像を表示するフィールド期間とが、互いに連続的に設けられている、ことを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、薄型化、小型化が可能であり、低消費電力で駆動できること等々の利点があることから、近年ではモバイル機器やプロジェクター、ビューファインダー、HMD、HUD等の小型電子機器の分野で画像表示装置として広く使用されている。
【0003】
例えば、フィールドシーケンシャル駆動により画像を表示する液晶表示装置では、赤色(R色)、緑色(G色)及び青色(B色)の3つの光源を順次選択して発光させ、それと同期するように液晶パネルの駆動を制御して、カラー画像を表示する。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
フィールドシーケンシャル駆動により画像を表示する液晶表示装置では、例えば、強誘電性液晶を一対の基板間の狭ギャップに充填することで構成された液晶パネル(Surface Stabilized Ferroelectric Liquid Crystal Panel:表面安定化強誘電性液晶パネル)が使用される。この液晶パネルは、一定のON電圧が印加された場合、照射された光を透過させ、一定のOFF電圧(例えば、ON電圧と振幅が同じであり且つ極性が逆である電圧)が印加された場合、照射された光を遮断することで画像を表示する。この液晶パネルは、印加された電圧に応じて光学特性が高速で切り替わるため、フィールドシーケンシャル駆動に適している。
【0005】
図1は、液晶パネルの一例を示す(a)A-A断面図および(b)上面図である。
図1に示す液晶パネルは、透明なガラス基板1と、ITO膜(透明電極)2と、ITO膜2上に形成された有機配向膜3と、シリコン基板4と、画素電極5と、画素電極5上に形成された有機配向膜6及びSiO薄膜7と、ガラス基板1とシリコン基板4との間に充填された液晶8とを備えている。
【0006】
この液晶パネルでは、液晶8に電圧を印加する前の状態において、液晶分子の向きが有機配向膜3と有機配向膜6の配向規制力によって一方向に揃えられている。通常、液晶8に電圧が印加されると、液晶分子の向きは変化(スイッチング)し、液晶8に電圧が印加されなくなると、液晶分子の向きは一方向へ揃えられた状態に戻る。
【0007】
図3は、従来技術におけるフィールドシーケンシャル駆動を概念的に示すタイミングチャートであり、(a)は、30fpsの2倍速駆動、(b)は、60fpsの2倍速駆動、(c)は、120fpsの2倍速駆動をそれぞれ示している。従来技術における液晶表示装置は、例えば、
図3(a)~(c)に示すフィールドシーケンシャル駆動のうち何れか一つの駆動モードにより画像を表示する。なお、「fps」(frames per second)は、1秒間あたりのフレーム数を意味し、フレームレートと呼ばれることもある。
【0008】
図3(a)~(c)において、「R」と記された期間は、R色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「G」と記された期間は、G色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「B」と記された期間は、B色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「r」と記された期間は、R色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表し、「g」と記された期間は、G色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表し、「b」と記された期間は、B色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表している。「R」、「G」、「B」の各期間では、それぞれに対応する色の光源を点灯し、且つ、液晶パネルに所定の電圧を印加することで、それぞれに対応する色の光に基づく単色の画像を表示する表示駆動が行われ、これら3つの単色の画像の混色により1つのカラー画像が表示される。なお、
図3(a)~(c)に示す状態では、最大階調の白色画像が表示されている。「r」、「g」、「b」の各期間では、光源を消灯し、且つ、それぞれに対応する色のPositive期間で液晶に印加された電圧の反転電圧(振幅が同じであり且つ極性が逆である電圧)を液晶パネルに印加することで、液晶の電気的なバランスを保つ反転駆動(DCバランス駆動)が行われる。なお、反転駆動は、必須ではなく、適宜省略されることもある。
【0009】
図3(a)に示すフィールドシーケンシャル駆動では、1フレーム期間(Frame)が30fpsに設定され、この1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」の12個のフィールド期間が連続的に設けられている。このようなフィールドシーケンシャル駆動は、30fpsの2倍速駆動と呼ばれることがある。
【0010】
図3(b)に示すフィールドシーケンシャル駆動では、1フレーム期間(Frame)が60fpsに設定され、この1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」の12個のフィールド期間が連続的に設けられている。このようなフィールドシーケンシャル駆動は、60fpsの2倍速駆動と呼ばれることがある。
【0011】
図3(c)に示すフィールドシーケンシャル駆動では、1フレーム期間(Frame)が30fpsに設定され、この1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」の12個のフィールド期間が連続的に設けられている。このようなフィールドシーケンシャル駆動は、120fpsの2倍速駆動と呼ばれることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術において、フィールドシーケンシャル駆動の駆動モードは、予め1種類に固定されており、例えば、電子カメラの撮影モードなどに応じてユーザーが任意に変更したり電子カメラが自動で変更したりするようなことはできず、使い勝手が悪いという問題があった。
【0014】
本発明は、使い勝手の良い画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
フィールドシーケンシャル駆動により1フレーム期間単位で1つの画像を表示する画像表示装置であって、前記1フレーム期間のフレームレートの値と、前記1フレーム期間内に含まれる単色の画像を表示するフィールド期間の数との組み合わせが、第一の組み合わせである、第一駆動モードと、前記1フレーム期間のフレームレートの値と、前記1フレーム期間内に含まれる単色の画像を表示するフィールド期間の数との組み合わせが、第二の組み合わせである、第二駆動モードと、を有し、前記第一駆動モードと前記第二駆動モードは、前記画像表示装置の外部から入力される電気信号に基づいて、互いに切り替わる、画像表示装置である。
【0016】
前記第一駆動モードにおける前記フレームレートの値と前記第二駆動モードにおける前記フレームレートの値は、互いに異なり、且つ、前記第一駆動モードにおける前記フィールド期間の数と前記第二駆動モードにおける前記フィールド期間の数は、互いに異なる、画像表示装置であってもよい。
【0017】
「前記第二駆動モードにおける前記フレームレートの値/前記第一駆動モードにおける前記フレームレートの値」の数式で表される値は、「前記第二駆動モードにおける前記フィールド期間の数/前記第一駆動モードにおける前記フィールド期間の数」の数式で表される値と等しい、画像表示装置であってもよい。
【0018】
「前記第二駆動モードにおける前記フレームレートの値/前記第一駆動モードにおける前記フレームレートの値」の数式で表される値は、「前記第二駆動モードにおける前記フィールド期間の数/前記第一駆動モードにおける前記フィールド期間の数」の数式で表される値の逆数である、画像表示装置であってもよい。
【0019】
前記第一駆動モード及び前記第二駆動モードにおける前記1フレーム期間内には、前記フィールド期間として、赤色の画像を表示するフィールド期間と、緑色の画像を表示するフィールド期間と、青色の画像を表示するフィールド期間とが、互いに連続的に設けられている、画像表示装置であってもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、使い勝手の良い画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】液晶パネルの一例を示す(a)A-A断面図および(b)上面図である。
【
図2】本発明の実施形態における画像表示装置の駆動回路の構成を概念的に示すブロック図である。
【
図3】従来技術におけるフィールドシーケンシャル駆動を概念的に示すタイミングチャートであり、(a)は、30fpsの2倍速駆動、(b)は、60fpsの2倍速駆動、(c)は、120fpsの2倍速駆動をそれぞれ示している。
【
図4-1】本発明の実施形態におけるフィールドシーケンシャル駆動を概念的に示すタイミングチャートであり、(a)は、<低消費電力モード>の例としての30fpsの1倍速駆動、(b)は、<通常駆動モード>の例としての60fpsの2倍速駆動、(c-1)は、<高機能モード>の例としての120fpsの4倍速駆動をそれぞれ示している。
【
図4-2】本発明の実施形態におけるフィールドシーケンシャル駆動を概念的に示すタイミングチャートであり、(c-2)は、<高機能モード>の別の例としての120fpsの2倍速駆動、(c-3)は、<高機能モード>のさらに別の例としての60fpsの4倍速駆動をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態における画像表示装置は、例えば、液晶表示装置である。この液晶表示装置は、RGBの各色の光を発するLEDなどの光源と、強誘電性液晶を用いた液晶パネルと、光源と液晶パネルを駆動させる駆動回路とを備え、液晶パネルをフィールドシーケンシャル方式により駆動して1フレーム期間単位で1つの画像を表示するように構成されている。カラー画像を表示する場合には、RGBの各色に対応する画像を表示する3つのフィールド期間が1フレーム期間内に設けられ、それら3つのフィールド期間で1つのカラー画像が表示される。光源は、そこから発せられたRGBの各色の光により液晶パネルを前方又は後方から順次照明するサイクルを繰り返し、液晶パネルは、このサイクルに同期して液晶の光変調状態を変化させる。液晶パネルとしては、例えば、前述の
図1に示した液晶パネルと同様のものが用いられるが、これには限定されない。
【0023】
図2は、本発明の実施形態における画像表示装置の駆動回路の構成を概念的に示すブロック図である。本発明の実施形態における画像表示装置は、画像データ生成部9、データ書込部10、バッファメモリ11、データ選択部12、データ供給部13、画素部14等を備えている。外部から供給された画像信号は、画像データ生成部9でフィールドシーケンシャル駆動用の画像データに変換され、データ書込部10を介してバッファメモリ11に順次書き込まれる。バッファメモリ11は、例えば、2個設けられ、その2個のバッファメモリに画像データが交互に書き込まれる。バッファメモリ11に書き込まれた画像データは、データ選択部12により適宜選択されて読み出され、データ供給部13を介して画素部14に供給される。
【0024】
図4-1は、本発明の実施形態におけるフィールドシーケンシャル駆動を概念的に示すタイミングチャートであり、(a)は、<低消費電力モード>の例としての30fpsの1倍速駆動、(b)は、<通常駆動モード>の例としての60fpsの2倍速駆動、(c-1)は、<高機能モード>の例としての120fpsの4倍速駆動をそれぞれ示している。
【0025】
本発明の実施形態におけるフィールドシーケンシャル駆動では、1フレーム期間内に、フィールド期間として、Positive期間「R」、Negative期間「r」、Positive期間「G」、Negative期間「g」、Positive期間「B」、Negative期間「b」が設けられている。
【0026】
「R」と記された期間は、R色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「G」と記された期間は、G色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「B」と記された期間は、B色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「r」と記された期間は、R色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表し、「g」と記された期間は、G色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表し、「b」と記された期間は、B色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表している。「R」、「G」、「B」の各期間では、それぞれに対応する色の光源を点灯し、且つ、液晶パネルに所定の電圧を印加することで、それぞれに対応する色の光に基づく単色の画像を表示する表示駆動が行われ、これら3つの単色の画像の混色により1つのカラー画像が表示される。なお、
図4-1(a)~(c-1)に示す状態では、最大階調の白色画像が表示されている。「r」、「g」、「b」の各期間では、光源を消灯し、且つ、それぞれに対応する色のPositive期間で液晶に印加された電圧の反転電圧(振幅が同じであり且つ極性が逆である電圧)を液晶パネルに印加することで、液晶の電気的なバランスを保つ反転駆動(DCバランス駆動)が行われる。なお、反転駆動は、必須ではなく、適宜省略されることもある。
【0027】
本発明の実施形態における画像表示装置は、例えば、この画像表示装置が搭載された電子カメラの撮影モード(静止画撮影モード、動画撮影モード、高画質モード、低画質モード等)に応じて、
図4-1(a)~(c)に示すフィールドシーケンシャル駆動(低消費電力モード、通常駆動モード、高機能モード)が互いに切り替わる機能を備えている。具体的には、例えば、電子カメラのユーザーが手動でボタン操作を行う、あるいは、電子カメラが撮影環境を自動的に判別することにより、電子カメラから所定の電気信号が出力され、その所定の電気信号が画像表示装置の駆動回路に入力されると、画像表示装置は、その所定の電気信号に基づいて、
図4-1(a)~(c)に示す駆動モードを自動的に互いに切り替える。なお、
図4-1(a)~(c)に示す駆動モードは、液晶パネルのシリコン基板に組み込まれた半導体メモリ回路や外部の回路基板上に実装されたROM等に予め記憶され、そこから適宜読み出される。
【0028】
<低消費電力モード>
図4-1(a)に示すフィールドシーケンシャル駆動(低消費電力モード)では、1フレーム期間(Frame)が30fpsに設定され、この1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「r」「g」「b」の6個のフィールド期間が連続的に設けられている。このようなフィールドシーケンシャル駆動は、30fpsの1倍速駆動と呼ばれることがある。このような駆動モードは、動画を高画質で表示することはできないが、消費電力を抑えることができ、静止画を表示するのに適している。
【0029】
<通常駆動モード>
図4-1(b)に示すフィールドシーケンシャル駆動(通常駆動モード)では、1フレーム期間(Frame)が60fpsに設定され、この1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」の12個のフィールド期間が連続的に設けられている。このようなフィールドシーケンシャル駆動は、60fpsの2倍速駆動と呼ばれることがある。このような駆動モードは、動画を表示する際の画質と消費電力とのバランスに優れている。
【0030】
<高機能モード>
図4-1(c-1)に示すフィールドシーケンシャル駆動(高機能モード)では、1フレーム期間(Frame)が120fpsに設定され、この1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」の24個のフィールド期間が連続的に設けられている。このようなフィールドシーケンシャル駆動は、120fpsの4倍速駆動と呼ばれることがある。このような駆動モードは、消費電力は高いが、映像の遅延を抑えることができ、動きの速い動画を高画質で表示することができる。
【0031】
図4-2は、本発明の実施形態におけるフィールドシーケンシャル駆動を概念的に示すタイミングチャートであり、(c-2)は、<高機能モード>の別の例としての120fpsの2倍速駆動、(c-3)は、<高機能モード>のさらに別の例としての60fpsの4倍速駆動をそれぞれ示している。前述の
図4-1(c-1)に示した駆動モードは、例えば、
図4-2(c-2)または(c-3)に示す駆動モードに置き換えることも可能である。
【0032】
<高機能モード>の別の例
図4-2(c-2)に示すフィールドシーケンシャル駆動(高機能モード)では、1フレーム期間(Frame)が120fpsに設定され、この1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」の12個のフィールド期間が連続的に設けられている。このようなフィールドシーケンシャル駆動は、120fpsの2倍速駆動と呼ばれることがある。このような駆動モードは、動画を表示する際の画質が、前述の
図4(c-1)に示した駆動モードよりは低いが、前述の
図4-1(b)に示した駆動モードよりは高く、前述の
図4-1(c-1)に示した駆動モードよりも消費電力を抑えることができる。
【0033】
<高機能モード>のさらに別の例
図4-2(c-3)に示すフィールドシーケンシャル駆動(高機能モード)では、1フレーム期間(Frame)が60fpsに設定され、この1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「R」「r」「G」「B」「R」「G」「g」「B」「R」「G」「B」「b」の15個のフィールド期間が連続的に設けられている。このようなフィールドシーケンシャル駆動は、60fpsの4倍速駆動と呼ばれることがある。このような駆動モードは、動画を表示する際の画質が、前述の
図4-1(c-1)に示した駆動モードよりは低いが、前述の
図4-1(b)に示した駆動モードよりは高く、前述の
図4(c-1)に示した駆動モードよりも消費電力を抑えることができる。なお、
図4-2(c-3)に示す駆動モードは、4倍速駆動であるという点では、前述の
図4-1(c-1)に示した駆動モードと同じであるが、1フレーム期間内に設けられたフィールド期間の数が、前述の
図4-1(c-1)に示した駆動モードにおける24個よりも少ない15個であることから、その分だけ消費電力を抑えることができる。
【0034】
以上のようにフィールドシーケンシャル駆動の駆動モードを切り替えることができる画像表示装置によれば、例えば、電子カメラのバッテリーの残量が少ないときには低消費電力モードに自動的に切り替わるようにするなどの応用も可能である。
【0035】
前述の
図4-1に示した実施例では、駆動モードが
図4-1(a)に示した駆動モード(低消費電力モード)から
図4-1(b)に示した駆動モード(通常駆動モード)へ切り替わる際に、フレームレートの値は、30fpsから60fpsへと2倍に増加し、且つ、倍速駆動の倍速値(1倍速、2倍速、・・・)も、1倍速から2倍速へと2倍に増加するという関係が成り立ち、さらに、駆動モードが
図4-1(b)に示した駆動モード(通常駆動モード)から
図4-1(c-1)に示した駆動モード(高機能モード)へ切り替わる際に、フレームレートの値は、60fpsから120fpsへと2倍に増加し、且つ、倍速駆動の倍速値(1倍速、2倍速、・・・)も、2倍速から4倍速へと2倍に増加するという関係が成り立つ。すなわち、駆動モードが切り替わる際の、フレームレートの値の変化率(倍率)と、倍速駆動の倍速値の変化率(倍率)は、互いに等しいという関係が成り立つ。この関係を数式で表すと、例えば、任意の駆動モードAと任意の駆動モードBを互いに切り替える場合に、「駆動モードAにおけるフレームレートの値/駆動モードBにおけるフレームレートの値」の数式で表される値を「n」と定義し、「駆動モードAにおける1フレーム期間内に含まれる画像表示フィールド期間の数/駆動モードBにおける1フレーム期間内に含まれる画像表示フィールド期間の数」の数式で表される値を「m」と定義すると、n=mの関係が成り立つ。この関係が成り立つように各駆動モードを設定すれば、駆動モードを安定して切り替えることができる。
【0036】
なお、mとnは、整数に限らず、例えば、1.5といった小数でも構わない。m=n=1.5の場合には、例えば、90fpsに設定された1フレーム期間内に、時間軸上で左側から順に、「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」「R」「G」「B」「r」「g」「b」の18個のフィールド期間が連続的に設けられた駆動モードが1つの駆動モードとして設定される。
【0037】
また、フレームレートの値の変化率(倍率)と倍速駆動の倍速値の変化率(倍率)との関係は、上述の関係とは逆の関係、すなわち、フレームレートの値が2倍になると倍速駆動の倍速値が1/2倍になる関係、言い換えると、それぞれの変化率が互いに逆数となる関係が成り立つように設定されていても良い。この関係を数式で表すと、例えば、任意の駆動モードAと任意の駆動モードBを互いに切り替える場合に、「駆動モードAにおけるフレームレートの値/駆動モードBにおけるフレームレートの値」の数式で表される値を「n」と定義し、「駆動モードAにおける1フレーム期間内に含まれる画像表示フィールド期間の数/駆動モードBにおける1フレーム期間内に含まれる画像表示フィールド期間の数」の数式で表される値を「m」と定義すると、n=(m)^-1またはm=(n)^-1の関係が成り立つ。この関係が成り立つ場合にもn=mの場合と同様の効果が得られる。なお、この関係が成り立つ場合の具体例としては、例えば、30fpsの4倍速駆動、60fpsの2倍速駆動、120fpsの1倍速駆動を互いに切り替える場合が挙げられる。
【0038】
フィールド期間の数や順序は、上述の実施形態に示した数や順序に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその他の数や順序であっても良い。例えば、
図4-1に示した各駆動モードの間において「R」「G」「B」の順序や「r」「g」「b」の順序は、互いに異なっても良く、また、
図4-1に示した各駆動モードのそれぞれの1フレーム期間内において互いに連続する「R」「G」「B」の順序や互いに連続する「r」「g」「b」の順序は、一様に同じでなくても良い。
【0039】
上述の実施形態では、RGBの三色でカラー表示を行っているが、RGBとは異なる三色でカラー表示を行う場合やRGBのうち何れか二色でカラー表示を行うような場合にも本発明を適用することができる。
【0040】
上述の実施形態では、画像表示パネルとして液晶パネルを用いた場合について説明を行ったが、液晶パネルを用いることが本発明の本質ではない。すなわち、本発明は、液晶パネルを用いた画像表示装置である液晶表示装置に限定されず、OLEDパネルやμLEDパネル等の画像表示パネルを用いたその他の画像表示装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 第一基板
2 ITO膜
3 有機配向膜
4 シリコン基板
5 画素電極
6 有機配向膜
7 SiO薄膜
8 液晶
9 画像データ生成部
10 データ書込部
11 バッファメモリ
12 データ選択部
13 データ供給部
14 画素部