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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150812
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20231005BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231005BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20231005BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 621B
G09G3/20 641E
G09G3/20 642Z
G09G3/34 J
G02F1/133 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060103
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンファインデバイス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安藤 智宏
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZE04
2H193ZG14
2H193ZG23
2H193ZG27
2H193ZG34
2H193ZG41
2H193ZG57
2H193ZQ24
5C006AA14
5C006AA22
5C006AC28
5C006AF51
5C006BA12
5C006EA01
5C006EC11
5C006EC13
5C080AA10
5C080CC03
5C080JJ06
(57)【要約】
【課題】色割れ(カラーブレイク)の発生を抑制することが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】
第一フィールド期間(Phase1)に点灯されるR色光源の点灯開始タイミングは、この期間の開始タイミングから所定の時間だけ遅れたタイミングとなるように制御され、この期間にR色光源から出射される光の輝度は、この期間でR色光源の点灯開始タイミングが所定の時間だけ遅れたことにより減少するR色の光量が補完される所定の高さとなるように制御され、第三フィールド期間(Phase3)に点灯されるB色光源の点灯終了タイミングは、この期間の終了タイミングから所定の時間だけ早まったタイミングとなるように制御され、この期間にB色光源から出射される光の輝度は、この期間でB色光源の点灯終了タイミングが所定の時間だけ早まったことにより減少するB色の光量が補完される所定の高さとなるように制御される、液晶表示装置である。
【選択図】図5(a)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルと、
前記液晶パネルに第一色、第二色、及び第三色の光を供給する光源と、を備え、
フィールドシーケンシャル駆動により1フレーム期間単位で1つのカラー画像を表示する液晶表示装置であって、
前記1フレーム期間には、互いに連続し、且つ、互いに合同で1つのカラー画像を表示する、前記第一色の光に基づく第一画像を表示する第一フィールド期間と、前記第二色の光に基づく第二画像を表示する第二フィールド期間と、前記第三色の光に基づく第三画像を表示する第三フィールド期間とが、設けられ、
前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、及び前記第三フィールド期間のうち時間軸上で1番目に設けられたフィールド期間において点灯される前記光源の点灯開始タイミングは、当該フィールド期間の開始タイミングから所定の時間だけ遅れたタイミングとなるように制御され、且つ、当該フィールド期間において点灯される前記光源から出射される光の輝度は、当該フィールド期間において前記光源の点灯開始タイミングが前記所定の時間だけ遅れたことにより減少する光量が補完される所定の高さとなるように制御され、
前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、及び前記第三フィールド期間のうち時間軸上で3番目に設けられたフィールド期間において点灯される前記光源の点灯終了タイミングは、当該フィールド期間の終了タイミングから所定の時間だけ早まったタイミングとなるように制御され、且つ、当該フィールド期間において点灯される前記光源から出射される光の輝度は、当該フィールド期間において前記光源の点灯終了タイミングが前記所定の時間だけ早まったことにより減少する光量が補完される所定の高さとなるように制御される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記1フレーム期間には、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、及び前記第三フィールド期間と連続し、且つ、前記第一色、前記第二色、及び前記第三色のうちの一つの色の光に基づく第四画像を表示する、第四フィールド期間が設けられ、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、前記第三フィールド期間、及び前記第四フィールド期間の順序は、少なくとも当該4個のフィールド期間で構成される1つのシーケンスの中に含まれる互いに連続する3個のフィールド期間の色の組み合わせが、当該シーケンスの中のどの位置においても前記第一色、前記第二色、及び前記第三色の3つの色の組み合わせとなるように設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記1フレーム期間には、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、前記第三フィールド期間、及び前記第四フィールド期間と連続し、且つ、前記第一色、前記第二色、及び前記第三色のうちの一つの色の光に基づく第五画像を表示する、第五フィールド期間が設けられ、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、前記第三フィールド期間、前記第四フィールド期間、及び第五フィールド期間の順序は、少なくとも当該5個のフィールド期間で構成される1つのシーケンスの中に含まれる互いに連続する3個のフィールド期間の色の組み合わせが、当該シーケンスの中のどの位置においても前記第一色、前記第二色、及び前記第三色の3つの色の組み合わせとなるように設定されている、ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第一色は、赤色であり、前記第二色は、緑色であり、前記第三色は、青色である、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、薄型化、小型化が可能であり、低消費電力で駆動できること等々の利点があることから、近年ではモバイル機器やプロジェクター、ビューファインダー、HMD、HUD等の小型電子機器の分野で画像表示装置として広く使用されている。
【0003】
フィールドシーケンシャル駆動により画像を表示する液晶表示装置では、赤色(R色)、緑色(G色)及び青色(B色)の3つの光源を順次選択して発光させ、それと同期するように液晶パネルの駆動を制御して、カラー画像を表示する。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
フィールドシーケンシャル駆動により画像を表示する液晶表示装置では、例えば、強誘電性液晶を一対の基板間の狭ギャップに充填することで構成された液晶パネル(Surface Stabilized Ferroelectric Liquid Crystal Panel:表面安定化強誘電性液晶パネル)が使用される。この液晶パネルは、印加された電圧に応じて光学特性が高速で切り替わるため、フィールドシーケンシャル駆動に適している。
【0005】
図1は、液晶パネルの一例を示す(a)A-A断面図、(b)上面図である。図1に示す液晶パネルは、透明なガラス基板1と、透明電極であるITO膜2と、ITO膜2上に形成された有機配向膜3と、シリコン基板4と、画素電極5と、画素電極5上に形成された有機配向膜6及びSiO薄膜7と、ガラス基板1とシリコン基板4との間に充填された液晶8とを備えている。
【0006】
この液晶パネルでは、液晶8に電圧を印加する前の状態において、液晶分子の向きが有機配向膜3と有機配向膜6の配向規制力によって一方向に揃えられている。通常、液晶8に電圧が印加されると、液晶分子の向きは変化(スイッチング)し、液晶8に電圧が印加されなくなると、液晶分子の向きは一方向へ揃えられた状態に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-162651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
フィールドシーケンシャル駆動により画像を表示する液晶表示装置では、画像に色割れ(カラーブレイク)が発生するという問題がある。
【0009】
本発明は、色割れ(カラーブレイク)の発生を抑制することが可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
液晶パネルと、前記液晶パネルに第一色、第二色、及び第三色の光を供給する光源と、を備え、フィールドシーケンシャル駆動により1フレーム期間単位で1つのカラー画像を表示する液晶表示装置であって、前記1フレーム期間には、互いに連続し、且つ、互いに合同で1つのカラー画像を表示する、前記第一色の光に基づく第一画像を表示する第一フィールド期間と、前記第二色の光に基づく第二画像を表示する第二フィールド期間と、前記第三色の光に基づく第三画像を表示する第三フィールド期間とが、設けられ、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、及び前記第三フィールド期間のうち時間軸上で1番目に設けられたフィールド期間において点灯される前記光源の点灯開始タイミングは、当該フィールド期間の開始タイミングから所定の時間だけ遅れたタイミングとなるように制御され、且つ、当該フィールド期間において点灯される前記光源から出射される光の輝度は、当該フィールド期間において前記光源の点灯開始タイミングが前記所定の時間だけ遅れたことにより減少する光量が補完される所定の高さとなるように制御され、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、及び前記第三フィールド期間のうち時間軸上で3番目に設けられたフィールド期間において点灯される前記光源の点灯終了タイミングは、当該フィールド期間の終了タイミングから所定の時間だけ早まったタイミングとなるように制御され、且つ、当該フィールド期間において点灯される前記光源から出射される光の輝度は、当該フィールド期間において前記光源の点灯終了タイミングが前記所定の時間だけ早まったことにより減少する光量が補完される所定の高さとなるように制御される、液晶表示装置である。
【0011】
前記1フレーム期間には、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、及び前記第三フィールド期間と連続し、且つ、前記第一色、前記第二色、及び前記第三色のうちの一つの色の光に基づく第四画像を表示する、第四フィールド期間が設けられ、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、前記第三フィールド期間、及び前記第四フィールド期間の順序は、少なくとも当該4個のフィールド期間で構成される1つのシーケンスの中に含まれる互いに連続する3個のフィールド期間の色の組み合わせが、当該シーケンスの中のどの位置においても前記第一色、前記第二色、及び前記第三色の3つの色の組み合わせとなるように設定されている、液晶表示装置であってもよい。
【0012】
前記1フレーム期間には、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、前記第三フィールド期間、及び前記第四フィールド期間と連続し、且つ、前記第一色、前記第二色、及び前記第三色のうちの一つの色の光に基づく第五画像を表示する、第五フィールド期間が設けられ、前記第一フィールド期間、前記第二フィールド期間、前記第三フィールド期間、前記第四フィールド期間、及び第五フィールド期間の順序は、少なくとも当該5個のフィールド期間で構成される1つのシーケンスの中に含まれる互いに連続する3個のフィールド期間の色の組み合わせが、当該シーケンスの中のどの位置においても前記第一色、前記第二色、及び前記第三色の3つの色の組み合わせとなるように設定されている、液晶表示装置であってもよい。
【0013】
前記第一色は、赤色であり、前記第二色は、緑色であり、前記第三色は、青色である、液晶表示装置であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、色割れ(カラーブレイク)の発生を抑制することが可能な液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】液晶パネルの一例を示す(a)A-A断面図、(b)上面図である。
図2】本発明の実施例1におけるフィールドシーケンシャル駆動の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。
図3(a)】本発明の実施例2におけるフィールドシーケンシャル駆動(3倍速駆動)の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。
図3(b)】本発明の実施例3におけるフィールドシーケンシャル駆動(4倍速駆動)の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。
図3(c)】本発明の実施例4におけるフィールドシーケンシャル駆動(5倍速駆動)の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。
図4】本発明の実施例におけるPositive期間の順序と画像の色との関係を概念的に示す図である。
図5(a)】本発明の実施例1における光源の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。
図5(b)】本発明の実施例1における光源の駆動波形の変形例を概念的に示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態における液晶表示装置は、赤、緑、青(RGB)の各色の光を出射するLEDなどの光源と、強誘電性液晶を用いた液晶パネルと、光源と液晶パネルを駆動させる駆動回路とを備え、液晶パネルをフィールドシーケンシャル方式により駆動して1フレーム期間単位で1つのカラー画像を表示するように構成されている。1フレーム期間内には、RGBの各色に対応する単色の画像を表示する3つのフィールド期間が設けられ、それら3つのフィールド期間で1つのカラー画像が表示される。光源は、そこから発せられた各色の光により液晶パネルを前方又は後方から順次照明するサイクルを繰り返し、液晶パネルは、このサイクルに同期して液晶の光変調状態を変化させる。なお、液晶パネルとしては、例えば、前述の図1に示した液晶パネルと同様のものが用いられるが、これには限定されない。
【実施例0017】
図2は、本発明の実施例1におけるフィールドシーケンシャル駆動の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。図2に示すフィールドシーケンシャル駆動では、時間軸上で左側から順番に設けられた、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Negative期間「r」、Negative期間「g」、Negative期間「b」の6個の連続したフィールド期間で1フレーム期間(Frame)が構成されている。なお、これらの6個のフィールド期間は、それぞれ、フェーズ1~6(Phase1~6)と呼ばれることがある。
【0018】
図2において、「R」と記された期間は、R色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「G」と記された期間は、G色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「B」と記された期間は、B色光源の点灯期間に対応するPositive期間を表し、「r」と記された期間は、R色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表し、「g」と記された期間は、G色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表し、「b」と記された期間は、B色光源の消灯期間に対応するNegative期間を表している。「R」、「G」、「B」の各期間では、それぞれに対応する色の光源を点灯し、且つ、液晶パネルに所定の電圧を印加することで、それぞれに対応する色の光に基づく単色の画像を表示させる表示駆動が行われ、これら3つの単色の画像の混色により1つのカラー画像が表示される。なお、図2に示す状態では、最大階調の白色画像が表示されている。「r」、「g」、「b」の各期間では、光源を消灯し、且つ、それぞれに対応する色のPositive期間で液晶に印加された電圧の反転電圧(振幅が同じであり且つ極性が逆である電圧)を液晶パネルに印加することで、液晶の電気的なバランスを保つ反転駆動(DCバランス駆動)が行われる。なお、反転駆動は、必須ではなく、適宜省略されることもある。
【0019】
図5(a)は、本発明の実施例1における光源の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。図5(a)において、「R」と記された期間の幅(横軸)は、フェーズ1の期間内においてR色光源が点灯する時間の長さを表し、「G」と記された期間の幅(横軸)は、フェーズ2の期間内においてG色光源が点灯する時間の長さを表し、「B」と記された期間の幅(横軸)は、フェーズ3の期間内においてB色光源が点灯する時間の長さを表している。「R」、「G」、「B」の各期間の高さ(縦軸)は、それぞれに対応する色の光源(LED)に供給される電流の大きさ、すなわち、光源から出射される光の輝度を表している。光源に供給される電流が大きくなれば、光源から出射される光の輝度は上昇し、光源に供給される電流が小さくなれば、光源から出射される光の輝度は低下する。
【0020】
従来技術においては、図5(a)の上側図に示すように、フェーズ1~3の各期間で光源が点灯を開始するタイミングは、それぞれ、フェーズ1~3が開始するタイミングと一致するように制御され、フェーズ1~3の各期間で光源が点灯を終了するタイミングは、それぞれ、フェーズ1~3が終了するタイミングと一致するように制御される。そして、フェーズ1~3の各期間で光源から出射される光の輝度は、互いに等しくなるように制御される。すなわち、R色光源が点灯する期間「R」の幅、G色光源が点灯する期間「G」の幅、B色光源が点灯する期間「B」の幅は、それぞれ、互いに等しい幅となるように制御され、且つ、R色光源が点灯する期間「R」の高さ、G色光源が点灯する期間「G」の高さ、B色光源が点灯する期間「B」の高さは、それぞれ、互いに等しい高さとなるように制御される。
【0021】
これに対し、実施例1においては、図5(a)の下側図に示すように、フェーズ1の期間でR色光源が点灯を開始するタイミングは、フェーズ1の期間が開始するタイミングから所定の時間だけ遅れたタイミングとなるように制御され、フェーズ1の期間でR色光源が点灯を終了するタイミングは、従来技術と同様に、フェーズ1の期間が終了するタイミングと一致するように制御される。すなわち、フェーズ1の期間でR色光源が点灯する時間の長さは、フェーズ1の期間が開始するタイミングからフェーズ1の期間が終了するタイミングへ向かって、従来技術よりも所定の長さだけ短縮されるように制御される。そして、フェーズ1の期間でR色光源から出射される光の輝度は、フェーズ1の期間でR色光源の点灯時間が短縮されることにより減少するR色の光量が補完されてR色画像の適切な階調が得られるように、従来技術におけるフェーズ1の期間でR色光源から出射される光の輝度よりも高い所定の輝度となるように制御される。
【0022】
また、実施例1においては、図5(a)の下側図に示すように、フェーズ2の期間でG色光源が点灯を開始するタイミングは、従来技術と同様に、フェーズ2の期間が開始するタイミングと一致するように制御され、フェーズ2の期間でG色光源が点灯を終了するタイミングは、従来技術と同様に、フェーズ2の期間が終了するタイミングと一致するように制御される。すなわち、フェーズ2の期間でG色光源が点灯する時間の長さは、従来技術と同様に、フェーズ2の期間の長さと等しくなるように制御される。そして、フェーズ2の期間でG色光源から出射される光の輝度は、従来技術におけるフェーズ2の期間でG色光源から出射される光の輝度と等しくなるように制御される。
【0023】
また、実施例1においては、図5(a)の下側図に示すように、フェーズ3の期間でB色光源が点灯を開始するタイミングは、従来技術と同様に、フェーズ3の期間が開始するタイミングと一致するように制御され、フェーズ3の期間でB色光源が点灯を終了するタイミングは、フェーズ3の期間が終了するタイミングから所定の時間だけ早まったタイミングとなるように制御される。すなわち、フェーズ3の期間でB色光源が点灯する時間の長さは、フェーズ3の期間が終了するタイミングからフェーズ3の期間が開始するタイミングへ向かって、従来技術よりも所定の長さだけ短縮されるように制御される。そして、フェーズ3の期間でB色光源から出射される光の輝度は、フェーズ3の期間でB色光源の点灯時間が従来技術よりも短縮されることにより減少するB色の光量が補完されてB色画像の適切な階調が得られるように、従来技術におけるフェーズ3の期間でB色光源から出射される光の輝度よりも高い所定の輝度となるように制御される。
【0024】
なお、図5(a)に示す実施例1では、R色光源が点灯する期間「R」の幅とB色光源が点灯する期間「B」の幅は、それぞれ、互いに等しい幅となるように制御され、且つ、R色光源が点灯する期間「R」の高さとB色光源が点灯する期間「B」の高さは、それぞれ、互いに等しい高さとなるように制御されているが、本発明は、この実施形態には限定されず、適宜その他の実施形態を取り得る。
【0025】
以上のことにより、実施例1においては、R色光源が点灯する期間「R」とB色光源が点灯する期間「B」が、時間軸上において、G色光源が点灯する期間「G」を挟んで互いに近づくことになり、その分だけ、R色画像とG色画像とB色画像とが視覚的に重なり易くなることから、カラーブレイクの発生が抑制される。
【0026】
図5(b)は、本発明の実施例1における光源の駆動波形の変形例を概念的に示すタイミングチャートである。実施例1における光源の駆動波形は、図5(b)の下側図に示すようなものであってもよい。図5(b)に示す実施例1における光源の駆動波形においては、前述の図5(a)に示した実施例1における光源の駆動波形と比較して、フェーズ1の期間でR色光源が点灯を開始するタイミングは、更に遅れたタイミングとなるように制御され、フェーズ1の期間でR色光源から出射される光の輝度は、更に高くなるように制御され、フェーズ2の期間でG色光源が点灯を開始するタイミングは、フェーズ2の期間が開始するタイミングから所定の時間だけ遅れたタイミングとなるように制御され、フェーズ2の期間でG色光源が点灯を終了するタイミングは、フェーズ2の期間が終了するタイミングから所定の時間だけ早まったタイミングとなるように制御され、フェーズ2の期間でG色光源から出射される光の輝度は、従来技術におけるフェーズ2の期間でG色光源から出射される光の輝度よりも高い所定の輝度となるように制御され、フェーズ3の期間でB色光源が点灯を終了するタイミングは、更に早まったタイミングとなるように制御され、フェーズ3の期間でB色光源から出射される光の輝度は、更に高くなるように制御される。
【0027】
なお、図5(b)に示す実施例1では、R色光源が点灯する期間「R」の幅、G色光源が点灯する期間「G」の幅、B色光源が点灯する期間「B」の幅は、それぞれ、互いに異なる幅となるように制御され、且つ、R色光源が点灯する期間「R」の高さ、G色光源が点灯する期間「G」の高さ、B色光源が点灯する期間「B」の高さは、それぞれ、互いに異なる高さとなるように制御されているが、本発明は、この実施形態には限定されず、適宜その他の実施形態を取り得る。
【0028】
図5(b)に示す実施例1における光源の駆動波形を用いた場合にも、前述の図5(a)に示した実施例1における光源の駆動波形を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【実施例0029】
図3(a)は、本発明の実施例2におけるフィールドシーケンシャル駆動(3倍速駆動)の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。図3(a)に示す実施例2におけるフィールドシーケンシャル駆動(3倍速駆動)では、時間軸上で左側から順番に設けられた、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Negative期間「r」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Negative期間「g」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Negative期間「b」の12個の連続したフィールド期間(それぞれPhase1~12)で1フレーム期間(Frame)が構成されている。なお、各フィールド期間での動作は、実施例1と同様である。
【0030】
実施例2においては、例えば、図3(a)に示すフェーズ1~3の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状と光源の順序を維持したまま適用し、さらに、図3(a)に示すフェーズ5~7の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからGBRに置き換えたうえで適用し、さらに、図3(a)に示すフェーズ9~11の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからBRGに置き換えたうえで適用することにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例0031】
図3(b)は、本発明の実施例3におけるフィールドシーケンシャル駆動(4倍速駆動)の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。図3(b)に示す実施例3におけるフィールドシーケンシャル駆動(4倍速駆動)では、時間軸上で左側から順番に設けられた、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Negative期間「r」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Negative期間「g」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Negative期間「b」の15個の連続したフィールド期間(それぞれPhase1~15)で1フレーム期間(Frame)が構成されている。なお、各フィールド期間での動作は、実施例1と同様である。
【0032】
実施例3においては、例えば、図3(b)に示すフェーズ1~3の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状と光源の順序を維持したまま適応し、さらに、図3(b)に示すフェーズ6~8の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからGBRに置き換えたうえで適用し、さらに、図3(b)に示すフェーズ11~13の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからBRGに置き換えたうえで適用することにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、実施例3においては、例えば、図3(b)に示すフェーズ2~4の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからGBRに置き換えたうえで適用し、さらに、図3(b)に示すフェーズ7~9の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからBRGに置き換えたうえで適用し、さらに、図3(b)に示すフェーズ12~14の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状と光源の順序を維持したまま適用することによっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0034】
なお、実施例3において、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形が適用されるフェーズの組み合わせは、以上の組み合わせに限らず、その他の組み合わせが適宜選択され得る。
【実施例0035】
図3(c)は、本発明の実施例4におけるフィールドシーケンシャル駆動(5倍速駆動)の駆動波形を概念的に示すタイミングチャートである。図3(c)に示す実施例4におけるフィールドシーケンシャル駆動(5倍速駆動)では、時間軸上で左側から順番に設けられた、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Negative期間「r」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Negative期間「g」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Positive期間「G」、Positive期間「B」、Positive期間「R」、Negative期間「b」の18個の連続したフィールド期間(それぞれPhase1~18)で1フレーム期間(Frame)が構成されている。なお、各フィールド期間での動作は、実施例1と同様である。
【0036】
実施例4においては、例えば、図3(c)に示すフェーズ1~3の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、光源の順序をRGBにしたまま適用し、さらに、図3(c)に示すフェーズ7~9の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、光源の順序をRGBからGBRに置き換えたうえで適用し、さらに、図3(c)に示すフェーズ13~15の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、光源の順序をRGBからBRGに置き換えたうえで適用することにより、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0037】
また、実施例4においては、例えば、図3(c)に示すフェーズ2~4の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからGBRに置き換えたうえで適用し、さらに、図3(c)に示すフェーズ8~10の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからBRGに置き換えたうえで適用し、さらに、図3(c)に示すフェーズ14~16の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状と光源の順序を維持したまま適用することによっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、実施例4においては、例えば、図3(c)に示すフェーズ3~5の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからBRGに置き換えたうえで適用し、さらに、図3(c)に示すフェーズ8~10の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状と光源の順序を維持したまま適用し、さらに、図3(c)に示すフェーズ14~16の期間に、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形を、その全体形状を維持したまま光源の順序をRGBからGBRに置き換えたうえで適用することによっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、実施例4において、前述の図5(a)または図5(b)に示した実施例1における光源の駆動波形と同様の駆動波形が適用されるフェーズの組み合わせは、以上の組み合わせに限らず、その他の組み合わせが適宜選択され得る。
【0040】
図4は、本発明の実施例におけるPositive期間の順序と画像の色との関係を概念的に示す図である。複数のPositive期間を連続的に設ける場合には、例えば、図4に示すような順序でPositive期間を連続的に設けることが有利である。なお、図4に示す順序は、前述の図3(c)に示したフェーズ1~5の順序に相当する。すなわち、(1)に示すように、「R」「G」「B」の順序でPositive期間を連続的に設けることにより、それらの3個のPositive期間でカラーブレイクの少ない1つの白色画像(W)を表示することができる。また、(2)に示すように、(1)の順序の2番目に位置する「G」を1番目として、「G」「B」「R」の順序でPositive期間を連続的に設けることにより、それらの3個のPositive期間でカラーブレイクの少ない1つの白色画像(W)を表示することができる。また、(3)に示すように、(2)の順序の2番目に位置する「B」を1番目として、「B」「R」「G」の順序でPositive期間を連続的に設けることにより、それらの3個のPositive期間でカラーブレイクの少ない1つの白色画像(W)を表示することができる。したがって、図4に示す順序(RGBRG)では、カラーブレイクの発生を効率よく抑制することができる。
【0041】
図4に示すような順序は、言い換えると、4個以上のPositive期間が連続する1つのシーケンスが存在する場合において、そのシーケンスの中に含まれている互いに連続する3個のPositive期間の色の組み合わせが、そのシーケンスの中のどの位置においてもRGBの三色の組み合わせとなる順序である。このような順序は、図4に示す順序以外に、例えば、前述の図3(c)に示したフェーズ7~11、フェーズ13~17、前述の図3(b)に示したフェーズ1~4、フェーズ6~9、フェーズ11~14の各フェーズ群の順序が該当する。
【0042】
本発明は、以上の実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、1フレーム期間に含まれるフィールド期間の数や順序の組み合わせは、その他の組み合わせであってもよい。液晶パネルは、強誘電性液晶以外の液晶(ネマティック液晶など)を用いた液晶パネルであってもよい。光源は、LEDに限らず、その他の発光装置であってもよい。光源から出射される光の色は、赤、青、緑に限らず、その他の色であってもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 ガラス基板
2 ITO膜
3 有機配向膜
4 シリコン基板
5 画素電極
6 有機配向膜
7 SiO薄膜
8 液晶
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4
図5(a)】
図5(b)】