(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150904
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】評価方法および評価装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060251
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】泉 裕子
(72)【発明者】
【氏名】小西 一暢
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 太郎
(72)【発明者】
【氏名】首藤 美都子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】住宅のリノベーションの価値評価を支援する評価方法及び評価装置を提供する。
【解決手段】リノベーション評価システム10は、複数のユーザ端末12、複数の評価者端末14、不動産会社端末16、評価装置18と、を備える。評価装置18は、住宅のリノベーションを検討するユーザに提案される住宅のリノベーション案に関するデータを、ユーザとは異なる人を含む評価者端末14に提供する。評価装置18は、評価者端末14から、リノベーション案に対する投票を受け付ける。評価装置18は、評価者の投票に基づいて、リノベーション案を評価する。評価装置18は、評価結果を反映したリノベーション案に関するデータをユーザ端末12に提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅のリノベーションを検討するユーザに対する前記住宅のリノベーション案に関するデータを、前記ユーザとは異なる人を含む評価者に提供するステップと、
前記リノベーション案に対する前記評価者の投票を受け付けるステップと、
前記評価者の投票に基づいて、前記リノベーション案を評価するステップと、
評価結果を反映したリノベーション案に関するデータを前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータが実行する評価方法。
【請求項2】
前記評価するステップは、前記ユーザの属性情報と、リノベーションに対する前記ユーザの要望の少なくとも一方にさらに基づいて、前記リノベーション案を評価する、
請求項1に記載の評価方法。
【請求項3】
前記評価するステップは、前記評価者と前記ユーザとの属性の近似度に基づいて、前記評価者の投票を重み付けする、
請求項2に記載の評価方法。
【請求項4】
前記評価するステップは、前記ユーザと属性が近似する複数の評価者から同一または近似する投票結果が得られた場合、前記ユーザの要望の重みよりも、前記ユーザと属性が近似する前記複数の評価者による投票の重みを重くして、前記リノベーション案を評価する、
請求項2または3に記載の評価方法。
【請求項5】
前記住宅に関する情報と前記ユーザに関する情報とを前記ユーザの装置から受け付けるステップを前記コンピュータがさらに実行し、
前記リノベーション案は、前記ユーザの装置から受け付けられた、前記住宅に関する情報と前記ユーザに関する情報とに基づいて作成されたものである、
請求項1から3のいずれかに記載の評価方法。
【請求項6】
住宅のリノベーションを検討するユーザに対する前記住宅のリノベーション案に関するデータを、前記ユーザとは異なる人を含む評価者に提供する評価依頼部と、
前記リノベーション案に対する前記評価者の投票を受け付ける投票受付部と、
前記評価者の投票に基づいて、前記リノベーション案を評価する評価部と、
評価結果を反映したリノベーション案に関するデータを前記ユーザに提供する提供部と、
を備える評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はデータ処理技術に関し、特に評価方法および評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リノベーションの価値が反映された不動産物件の評価方法として、リノベーション部分の加算額と、取り替え部分の控除額とを考慮し、不動産物件の評価額を算出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、リノベーションの対象となる不動産物件の価値は、リノベーションにより生じる加算額や控除額などの物理的要因、機能的要因、あるいは経済的要因によって評価されていた。そのため、住宅のリノベーションを検討するユーザにとって、リノベーション後の住宅の実際の住み心地や、リノベーションが自分自身に適したものであるかについて不安が残ることがあった。
【0005】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、1つの目的は、住宅のリノベーションの価値評価を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の評価方法は、住宅のリノベーションを検討するユーザに対する住宅のリノベーション案に関するデータを、ユーザとは異なる人を含む評価者に提供するステップと、リノベーション案に対する評価者の投票を受け付けるステップと、評価者の投票に基づいて、リノベーション案を評価するステップと、評価結果を反映したリノベーション案に関するデータをユーザに提供するステップとをコンピュータが実行する。
【0007】
本開示の別の態様は、評価装置である。この装置は、住宅のリノベーションを検討するユーザに対する住宅のリノベーション案に関するデータを、ユーザとは異なる人を含む評価者に提供する評価依頼部と、リノベーション案に対する評価者の投票を受け付ける投票受付部と、評価者の投票に基づいて、リノベーション案を評価する評価部と、評価結果を反映したリノベーション案に関するデータをユーザに提供する提供部とを備える。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の技術によれば、住宅のリノベーションの価値評価を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例のリノベーション評価システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1の評価装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【
図3】実施例の評価装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】リノベーション提案データの例を示す図である。
【
図8】口コミ情報に基づくリノベーション案の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示における装置または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(Integrated Circuit)(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。ここではICあるいはLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)もしくはULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array)(FPGA)、またはLSI内部の接合関係の再構成またはLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM(Read Only Memory)、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録されてもよいし、コンピュータが読み取り可能なRAM(Random Access Memory)などの一時的記憶媒体に記録されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体もしくは記憶媒体に供給されてもよい。
【0012】
実施例の概要を説明する。実施例におけるリノベーションは、住宅の増改築とも言え、リフォーム、リモデル(remodel)とも言える。また、実施例におけるユーザは、不動産物件(以下「住宅」とも呼ぶ。)のリノベーションを検討する人であり、具体的には、リノベーション後の住宅の購入を検討する人である。また、実施例におけるユーザは、リノベーション案の提案を受けようとする人である。
【0013】
これまで、ユーザは、リノベーション後の住宅の実際の住み心地や、そのリノベーションが自分自身に適したものであるかについて不安を抱くことがあった。そこで、実施例では、住宅に対するリノベーションの価値を、そのリノベーションが実際の住み心地(言い換えれば快適性)の改善につながっているかどうかの観点から評価する物件価値評価方法を提案する。
【0014】
具体的には、実施例のリノベーション評価システムは、住宅に対するリノベーションの価値を、実際に住んでいる住民を評価者として、住民の投票に基づいて評価する。また、実施例のリノベーション評価システムは、リノベーションを検討しているユーザと各評価者との属性の近似性に基づいて、各評価者の投票を重み付けする。そして、重み付け反映後の各評価者の投票結果に基づいて、ユーザに提案される1つ以上のリノベーション案を評価し、その評価結果をユーザに提供する。なお、本実施形態では、実際に、リフォームの対象物件に住んでいる住民を評価者とするケースをあげるが、本発明におけるリフォーム案の評価者は、後述するように、過去に対象物件に住んだことがある元住民や、物件のオーナー、あるいはリフォーム業者など、実際に対象物件に住んでいない人物でも良い。
【0015】
図1は、実施例のリノベーション評価システム10の構成を示す。リノベーション評価システム10は、複数のユーザ端末12、複数の評価者端末14、不動産会社端末16、評価装置18を備える情報処理システムである。これらの各装置は、LAN・WAN・インターネット等を含む通信網20を介して接続される。
【0016】
複数のユーザ端末12は、互いに異なる複数のユーザにより操作される情報処理端末である。複数のユーザ端末12は、例えば、ユーザ端末12a、ユーザ端末12b、ユーザ端末12cを含む。
【0017】
複数の評価者端末14は、互いに異なる複数の評価者により操作される情報処理端末である。複数の評価者端末14は、例えば、評価者端末14a、評価者端末14b、評価者端末14cを含む。評価者は、住宅のリノベーション案を評価する人であり、予め評価装置18に登録される。なお、ユーザは、他のユーザに提案されるリノベーション案を評価する評価者にもなり得る。
【0018】
不動産会社端末16は、住宅の売買(売買の仲介)や住宅の管理を行う不動産会社の情報処理端末であり、不動産会社の担当者により操作される。ユーザ端末12、評価者端末14、不動産会社端末16は、例えば、コンピュータ、タブレット端末、スマートフォンであってもよい。
【0019】
評価装置18は、住宅のリノベーションの価値評価を支援するための情報処理を実行する情報処理装置である。評価装置18は、ウェブサーバの機能を備えてもよい。この場合、評価装置18は、ウェブページをユーザ端末12(または評価者端末14、不動産会社端末16)に提供することにより、ユーザ(または評価者、不動産会社の担当者)に各種情報を提示してもよい。また、評価装置18は、ユーザ端末12(または評価者端末14、不動産会社端末16)から送信された、ユーザ(または評価者、不動産会社の担当者)がウェブページに入力した各種情報を取得してもよい。
【0020】
図2は、
図1の評価装置18の機能ブロックを示すブロック図である。本開示のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU・メモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0021】
評価装置18は、データ処理部30、記憶部32、通信部34を備える。データ処理部30は、各種データ処理および演算処理を実行する。記憶部32は、データ処理部30により参照または更新されるデータを記憶する。通信部34は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。データ処理部30は、通信部34を介して、ユーザ端末12、評価者端末14、不動産会社端末16とデータを送受信する。
【0022】
記憶部32は、住宅情報記憶部36、ユーザ情報記憶部38、評価者情報記憶部40、リノベーション案記憶部42、投票結果記憶部44を含む。住宅情報記憶部36は、販売対象となり得る複数の住宅(典型的には販売時のリノベーションがセットになった中古住宅)のそれぞれに関する情報(以下「住宅情報」とも呼ぶ。)を記憶する。住宅情報は、例えば、住宅を一意に特定可能な住宅IDや、住宅の住所、住宅の間取りを示す情報(画像等)を含む。
【0023】
ユーザ情報記憶部38は、複数のユーザのそれぞれに関する情報(以下「ユーザ情報」とも呼ぶ。)を記憶する。ユーザ情報は、ユーザID、リノベーション対象住宅情報、ユーザ属性情報、ユーザ要望情報を含む。リノベーション対象住宅情報は、ユーザにより選択されたリノベーション対象となる住宅のIDを含む。また、リノベーション対象住宅情報は、住宅の間取りを示す情報(画像等)を含んでもよい。
【0024】
ユーザ属性情報は、ユーザの様々な属性を示す情報である。ユーザ属性情報は、例えば、ユーザの住所、家族構成(各成員の年齢を含む)、嗜好性を示す情報を含む。ユーザ要望情報は、リノベーションに対するユーザの希望や要望を示す情報である。ユーザ要望情報は、家事、住宅設備、リノベーション費用、地域との関係性のうち少なくとも1つに関するユーザの希望や要望を含んでもよい。例えば、ユーザ要望情報は、「家事が楽」、「収納が豊富」、「子育てしやすい」、「安全性が高い」、「ランニングコストが安価」のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0025】
評価者情報記憶部40は、複数の評価者のそれぞれに関する情報(以下「評価者情報」とも呼ぶ。)を記憶する。評価者情報は、評価者ID、評価者の様々な属性を示す情報を含む。例えば、評価者情報は、評価者の属性として、住所、家族構成(各成員の年齢を含む)、嗜好性を示す情報を含んでもよい。
【0026】
リノベーション案記憶部42は、ユーザに提案される住宅の複数のリノベーション案のそれぞれに関する情報(以下「リノベーション案情報」とも呼ぶ。)を記憶する。リノベーション案情報は、リノベーション案のID、リノベーション案の詳細情報、提案先のユーザのIDを含む。
【0027】
投票結果記憶部44は、リノベーション案に対する評価者の投票結果を示す情報(以下「投票結果情報」とも呼ぶ。)を記憶する。投票結果情報は、評価者ID、その評価者により投票されたリノベーション案のIDを含む。なお、実施例では、評価者により投票されたリノベーション案は、その評価者が賛成するリノベーション案である。すなわち、評価者は、自身が薦めるリノベーション案に投票する。
【0028】
データ処理部30は、ユーザ情報入力画面提供部46、ユーザ情報取得部48、ユーザ情報提供部50、リノベーション案取得部52、評価依頼部54、投票受付部56、評価部58、リノベーション案提供部60を含む。これら複数の機能ブロックの機能が実装されたコンピュータプログラムが、記録媒体またはネットワークを介して評価装置18のストレージにインストールされてもよい。評価装置18のプロセッサ(CPU等)は、このコンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより上記複数の機能ブロックの機能を発揮してもよい。
【0029】
以上の構成によるリノベーション評価システム10の動作を説明する。
住宅情報記憶部36には、予め登録された、リノベーションの対象となり得る複数の住宅のデータが格納される。評価者情報記憶部40には、予め登録された、複数の評価者のデータが格納される。ユーザは、評価装置18が提供するリノベーション提案サービスに対して予めユーザ登録を行う。登録されたユーザにはユーザIDが付与され、評価装置18は、各ユーザのユーザIDを管理する。
【0030】
以下、リノベーション案の提案を受けようとするユーザであり、言い換えれば、リノベーション案の提案先となるユーザを「対象ユーザ」と呼ぶ。ユーザ端末12は、対象ユーザの操作に応じて、事前に対象ユーザに付与されたユーザIDを用いて、評価装置18が提供するリノベーション提案サービスにログインする。そして、ユーザ端末12は、リノベーション案の提案を受けるために必要な情報を入力するウェブページ(以下「ユーザ情報入力画面」とも呼ぶ。)を要求するデータを評価装置18へ送信する。
【0031】
図3は、実施例の評価装置18の動作を示すフローチャートである。
図3に示す評価装置18の動作は、ユーザごとに実行される。ここでは、対象ユーザに対してリノベーション案を提案するための動作を説明する。評価装置18のユーザ情報入力画面提供部46は、対象ユーザのユーザ端末12からの要求に応じて、ユーザ情報入力画面のデータを対象ユーザのユーザ端末12へ送信する(S10)。対象ユーザのユーザ端末12は、ユーザ情報入力画面を表示装置に表示させる。
【0032】
図4は、ユーザ情報入力画面70の例を示す。ユーザ情報入力画面70は、住宅選択エリア72、属性入力エリア74、要望入力エリア76を含む。住宅選択エリア72は、リノベーション対象とする住宅を選択するエリアである。住宅選択エリア72は、リノベーション対象として選択可能な複数の住宅の情報を含む。例えば、住宅選択エリア72には、住宅情報記憶部36に記憶された、リノベーション対象として選択可能な各住宅の間取りを示す画像が配置されてもよい。
【0033】
属性入力エリア74は、ユーザが自身の属性情報を入力するエリアである。例えば、属性入力エリア74は、ユーザの家族構成、子供の有無、および家族の各成員の年齢を入力し、または選択するコンテンツを含む。要望入力エリア76は、リノベーションに対するユーザ自身の要望を入力するエリアである。例えば、要望入力エリア76は、リノベーションで取り入れて欲しい内容を入力または選択するコンテンツを含む。
【0034】
対象ユーザのユーザ端末12は、ユーザ情報入力画面70に入力されたユーザ情報を評価装置18へ送信する。ユーザ情報は、住宅選択エリア72で選択されたリノベーション対象住宅情報、属性入力エリア74に入力されたユーザ属性情報、要望入力エリア76に入力されたユーザ要望情報を含む。
図3に戻り、評価装置18のユーザ情報取得部48は、対象ユーザのユーザ端末12から送信されたユーザ情報(リノベーション対象住宅情報、ユーザ属性情報、ユーザ要望情報)を対象ユーザのIDと対応付けてユーザ情報記憶部38に格納する(S12)。
【0035】
評価装置18のユーザ情報提供部50は、リノベーション案作成依頼部として、対象ユーザに提案するリノベーション案の作成を、不動産会社の担当者に依頼する。具体的には、ユーザ情報提供部50は、ユーザ情報記憶部38に記憶された対象ユーザのユーザ情報を不動産会社端末16へ送信することにより、対象ユーザに適合したリノベーション案の作成を依頼する(S14)。
【0036】
実施例では、不動産会社の担当者は、1人の対象ユーザのユーザ情報(リノベーション対象住宅情報、ユーザ属性情報、ユーザ要望情報)に基づいて、複数のリノベーション案を作成する。リノベーション案は、間取り図を含んでもよく、また、テキスト表記でもよい。不動産会社端末16は、不動産会社等で作成された、対象ユーザに対する複数のリノベーション案のデータを評価装置18へ送信する。
【0037】
リノベーション案の作成例を説明する。
図5は、リノベーション案の例を示す。ここでは、(1)ユーザ情報のリノベーション対象住宅情報が、オープンキッチンに改築可能であることとディスポーザを追加可能であることを示し、かつ、(2)ユーザ情報のユーザ属性情報が、2人家族(子供無し)であることを示し、かつ、(3)ユーザ情報のユーザ要望情報が、キッチンを充実させること、および、オープンキッチンを希望することを示すこととする。この場合、例えば、
図5に示すようなリノベーション案が作成される。
図5は、1人の対象ユーザに対する4つのリノベーション案を示している。
【0038】
図3に戻り、評価装置18のリノベーション案取得部52は、不動産会社端末16から送信された、対象ユーザに対する複数のリノベーション案のデータを取得する。リノベーション案取得部52は、対象ユーザに対する複数のリノベーション案のデータを対象ユーザのIDと対応づけてリノベーション案記憶部42に格納する(S16)。
【0039】
評価装置18の評価依頼部54は、対象ユーザに対する複数のリノベーション案の評価を複数の評価者に依頼する。具体的には、評価依頼部54は、リノベーション案記憶部42に記憶された、対象ユーザのIDに対応づけられた複数のリノベーション案のデータを複数の評価者端末14へ送信する(S18)。変形例として、評価依頼部54は、複数の評価者端末14がアクセス可能な外部のサーバ(例えば当該サーバが提供するウェブサイト等)に複数のリノベーション案のデータを送信して登録してもよい。複数の評価者端末14は、各評価者の操作に応じて、このサーバから複数のリノベーション案のデータを取得してもよい。
【0040】
複数の評価者のそれぞれは、対象ユーザに対する複数のリノベーション案を、自身の経験や価値観に基づいて評価し、それら複数のリノベーション案の中から最もお薦めのリノベーション案を決定する。複数の評価者端末14のそれぞれは、評価者の操作に応じて、リノベーション案に対する投票データを評価装置18へ送信する。リノベーション案に対する投票データは、評価者のIDと、対象ユーザに対する複数のリノベーション案の中から最もお薦めのリノベーション案(例えばそのID)を示すデータである。
【0041】
評価装置18の投票受付部56は、複数の評価者端末14から送信された、対象ユーザ向けの複数のリノベーション案に対する各評価者の投票データを受け付ける。投票受付部56は、複数の評価者の投票データを示す投票結果情報を投票結果記憶部44に格納する(S20)。なお、実施例では、対象ユーザも評価者になるため、評価依頼部54は、対象ユーザ向けの複数のリノベーション案のデータを対象ユーザのユーザ端末12へも送信する。また、投票受付部56は、対象ユーザのユーザ端末12から送信された対象ユーザの投票データも投票結果記憶部44に格納する。
【0042】
評価装置18の評価部58は、投票結果記憶部44に記憶された、複数の評価者の投票結果情報に基づいて、対象ユーザに対する複数のリノベーション案を評価する(S22)。また、評価部58は、ユーザ情報記憶部38に記憶された対象ユーザの属性情報と、リノベーションに対する対象ユーザの要望とにさらに基づいて、対象ユーザに対する複数のリノベーション案を評価する。
【0043】
対象ユーザに対する複数のリノベーション案を評価する方法を詳細に説明する。評価者は、1人であってもよく、複数人であってもよい。評価者は、(1)対象ユーザ自身、(2)対象ユーザと属性が同一または近似する評価者(以下「同属評価者」とも呼ぶ。)、(3)対象ユーザと属性が近似しない評価者(以下「一般評価者」とも呼ぶ。)を含んでもよい。(1)~(3)のような特性を示す評価者が複数参加し、評価が行われると、評価数の比較などに基づき、リノベーション案の評価精度がより向上するため好ましい。さらに、複数のリノベーション案を準備し、評価者に提示の上、評価を行うと、リノベーション案(一次案)に対する評価結果を反映したリノベーション案(二次案)を作成できるので好ましいが、評価に供するリノベーション案は1以上であればよく、その数は問わない。
【0044】
評価装置18の評価部58は、ユーザ情報記憶部38に記憶された対象ユーザの属性情報と、評価者情報記憶部40に記憶された各評価者の属性情報とを比較する。評価部58は、対象ユーザの属性情報と、或る評価者(対象ユーザとは異なる評価者)の属性情報との差異が予め定められた閾値内である場合、当該評価者を同属評価者に分類し、上記の差異が閾値を超える場合、当該評価者を一般評価者に分類する。
【0045】
なお、住所、家族構成、家族成員の年齢、嗜好性等、複数の属性項目に対応する複数の閾値が定められてもよい。評価部58は、対象ユーザの属性情報と評価者の属性情報とを属性項目ごとに比較してもよい。評価部58は、全ての属性項目における差異が閾値内の評価者を同属評価者に分類し、少なくとも1つの属性項目における差異が閾値を超える評価者を一般評価者に分類してもよい。また、評価部58は、対象ユーザの属性情報と、或る評価者の属性情報の間に共通の内容(例えば趣味や嗜好、ライフスタイル等を示す共通のキーワードやキーフレーズ等)が所定個数存在する場合に、当該評価者を同属評価者に分類し、共通の内容が所定個数存在しない場合に、当該評価者を一般評価者に分類してもよい。上記の閾値や個数は、開発者の知見やリノベーション評価システム10を用いた実験に基づいて適切な値が決定されてよい。本開示における他の閾値や条件も同様である。
【0046】
また、実施例では、評価部58は、リノベーション対象住宅に実際に住んでいる住民である評価者(すなわちリノベーション対象物件と住所が同じ評価者)も同属評価者に分類する。変形例として、評価部58は、リノベーション対象住宅に実際に住んでいる住民である評価者を、同属評価者よりも投票の重みが大きい特別評価者に分類してもよい。別の変形例として、評価者には、リノベーション対象住宅を管理する不動産会社も含まれてよく、その不動産会社を同属評価者または特別評価者に分類してもよい。リノベーション対象住宅に実際にすんでいる住民や不動産会社の担当者は、リノベーション対象住宅と無関係の人よりもリノベーション対象住宅の実際の住み心地や改善すべき点に詳しいと考えられるからである。
【0047】
評価部58は、対象ユーザに対する複数のリノベーション案のそれぞれについて、対象ユーザ、同属評価者、一般評価者ごとの投票数を集計する。既述したように、実施例では、各案への投票数は賛成数を意味する。
図6は、投票数の集計結果の例を示す。投票結果欄の「ユーザ」アイコンは、対象ユーザによる投票を示すものであり、すなわち、対象ユーザが希望するリノベーション案であることを示す。不図示だが、対象ユーザの投票数は1である。「同属」アイコンは、同属評価者による投票を示す。例えば、案Aへの同属評価者による投票数は2である。「一般」アイコンは、一般評価者による投票を示す。例えば、案Aへの一般評価者による投票数は15票である。
【0048】
評価部58は、ユーザの属性に即した評価結果が得られるよう、評価者と対象ユーザとの属性の近似度に基づいて、評価者の投票を重み付けする。実施例では、評価部58は、複数の評価者のそれぞれと対象ユーザとの属性の近似度に基づいて、各評価者の投票を重み付けする。具体的には、評価部58は、対象ユーザとの属性の近似度が高い評価者ほどその投票の重みを重くする。また、評価部58は、対象ユーザと属性が近似する複数の評価者(すなわち複数の同属評価者)から同一または近似する投票結果が得られた場合、対象ユーザの要望(すなわち対象ユーザによる投票)の重みよりも、それら複数の同属評価者による投票の重みを重くする。
【0049】
実施例では、投票の重みを重い方から、同属評価者による投票(実施例では重み4、ただし複数の同属評価者が投票していることが条件)、対象ユーザによる投票(実施例では重み3)、一般評価者による投票(実施例では重み1)とする。1人の同属評価者しか投票していない場合、その投票の重みは2であり、すなわち、一般評価者による投票の重みより重いが、対象ユーザの要望の重みよりも軽くする。
図6の例では、評価部58は、4つのリノベーション案それぞれの獲得特徴数を以下のように算出する。
案Aの獲得投票数:26(3+4×2+1×15=26)
案Bの獲得投票数:19(4×3+1×7=19)
案Cの獲得投票数:30(4×7+1×2=30)
案Dの獲得投票数:2(2×1=2)
【0050】
変形例として、さらに、評価部58は、リノベーション案に関わり合いが深い評価者ほどその投票の重みを重くしても良い。例えば、リノベーション案に関わる対象物件の理事長や、自治会長、管理オーナーなど、物件の周辺環境や物件の内情などに詳しい人物が評価者の場合、その評価者の投票の重みを相対的に重くすることにより、ユーザが気づいていない事情に基づいてリノベーション案を作成、評価することができる。
【0051】
評価部58は、対象ユーザに対する複数のリノベーション案それぞれの重み付け反映後の獲得投票数に基づいて、複数のリノベーション案の優先度を決定する。この優先度は、対象ユーザへのお薦め度と言える。実施例では、評価部58は、重み付け反映後の獲得投票数が多いリノベーション案ほど高い優先度を付与する。
図6の例では、優先度が高い順に、案C、案A、案B、案Dとなる。
【0052】
図3に戻り、評価装置18のリノベーション案提供部60は、評価部58による評価結果を反映した、対象ユーザに提案するリノベーション案に関するデータ(以下「リノベーション提案データ」とも呼ぶ。)を対象ユーザのユーザ端末12へ送信する(S24)。対象ユーザのユーザ端末12は、評価装置18から送信されたリノベーション提案データを表示部に表示させる。変形例として、リノベーション案提供部60は、ユーザ端末12がアクセス可能な外部のサーバ(例えば当該サーバが提供するウェブサイト等)にリノベーション提案データを送信して登録してもよい。ユーザ端末12は、ユーザの操作に応じて、このサーバからリノベーション提案データを取得してもよい。
【0053】
図7は、リノベーション提案データの例を示す。
図7のリノベーション提案データは、
図6の投票結果に基づいて決定された、複数のリノベーション案の優先度(お薦め度)を示している。具体的には、
図7のリノベーション提案データは、お薦め度が高い順に、案C、案A、案B、案Dを並べて示している。
【0054】
また、リノベーション提案データは、各リノベーション案の推奨者データ78を含む。推奨者は、各リノベーション案に投票した評価者を意味し、複数の評価者の平均の属性が設定された仮想的な人であってもよく、属性が対象ユーザに最も近似する評価者であってもよい。評価部58は、予め定められた基準をもとに、推奨者の属性と対象ユーザの属性との近似度を導出する。評価装置18の評価部58は、推奨者の属性と対象ユーザの属性との近似度のスコアと、推奨者の家族構成(イラスト等)を含む推奨者データ78をリノベーション提案データに含める。
【0055】
対象ユーザは、リノベーション提案データを参照して、購入を検討している住宅で実施させるリノベーションの内容を決定する。リノベーション提案データに推奨者データ78を含めることで、評価者の属性を対象ユーザに提示でき、また、評価者と対象ユーザとの属性の近似度を対象ユーザに提示できる。これにより、対象ユーザの属性に沿ったリノベーション提案であることを対象ユーザに示すことができ、対象ユーザに安心感を与えることができる。
【0056】
実施例の評価装置18によると、対象ユーザの属性や要望に適合するように作成されたリノベーション案を、様々な属性を有する複数の評価者による投票に基づいて評価して、評価結果を反映したリノベーション案をユーザに提供する。これにより、ユーザが自身に適したリノベーション案を採用できるよう支援できる。なお、実施例に記載の技術思想は、ユーザが現在住んでいる住宅に対するリノベーションの実施有無や内容を判断することを支援する場合にも有用である。
【0057】
以上、実施例をもとに、本開示を説明した。この実施例は例示であり、実施例の各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0058】
第1変形例を説明する。ユーザ情報入力画面70において、対象ユーザのユーザ属性情報やユーザ要望情報が、自由記述の形式で記述されてもよい。この場合、評価装置18のユーザ情報取得部48は、公知の解析手法により、自由記述のテキストの中からリノベーションに関するキーワードを抽出してもよく、ユーザの属性や嗜好性、要望に関するテキストを抽出してもよい。
【0059】
第2変形例を説明する。評価装置18のユーザ情報取得部48は、リノベーション案の作成と評価に必要な情報として、対象ユーザの家電の利用ログ(利用履歴とも言える)、および/または、住宅設備の利用ログを取得してもよい。これらの家電や住宅設備は、例えば、空調機器、清掃機器、調理機器を含んでもよい。リノベーション案の作成主体は、家電の利用ログや住宅設備の利用ログを参照して対象ユーザの住まいに関する嗜好性や利用頻度などを算出てもよく、また、それらの利用ログが示す設備情報とリノベーション前の住宅(リノベーション対象住宅)の設備情報とを照合することで、必要となるリノベーションの内容を推定してもよい。これにより、対象ユーザは気づいていないが、対象ユーザに適合する内容を含むリノベーション案を策定しやすくなる。
【0060】
第3変形例を説明する。上記実施例では、評価装置18は、不動産会社端末16にリノベーション案の作成を依頼したが、変形例として、評価装置18は、対象ユーザのユーザ情報に基づいて、または、ユーザ情報と家電等の利用ログとに基づいて、リノベーション案を自動で生成してもよい。本変形例では、評価装置18は、ユーザ情報提供部50とリノベーション案取得部52に代えて、リノベーション案生成部を備えてもよい。
【0061】
リノベーション案生成部は、対象ユーザに対する複数のリノベーション案を自律的に生成し、生成した複数のリノベーション案のデータをリノベーション案記憶部42に格納してもよい。例えば、リノベーション案生成部は、ユーザの属性や要望に関するキーワードと、リノベーション案の内容とを対応付けた案生成規則を記憶してもよい。リノベーション案生成部は、対象ユーザのユーザ情報から、属性や要望を示すキーワードを抽出し、そのキーワードに対応付けられたリノベーション案を、対象ユーザ向けのリノベーション案として決定してもよい。
【0062】
第4変形例を説明する。対象ユーザのユーザ属性に近似する住民や一般人の口コミ情報に基づいて、リノベーション案が作成されてもよい。
図8は、口コミ情報に基づくリノベーション案の例を示す。口コミ情報は、住宅の住み心地やリノベーションに関する評価、意見、噂を示す情報であってもよい。口コミ情報は、リノベーション案を作成するタイミングでアンケートなどにより収集されてもよく、過去の投票時の投票履歴から取得されてもよい。
【0063】
また、口コミ情報は、リノベーション対象住宅に関する物理的な要因(築年数、西向きなど)に関する口コミ情報と、投稿者の主観に基づく口コミ情報とを含んでもよい。物理的な要因に関する口コミ情報は、リノベーションに反映させる必要性が相対的に高い情報、言い換えれば、相対的に重要度が高い情報として取り扱ってもよい。一方、投稿者の主観に基づく口コミ情報は、リノベーションに反映させる必要性が相対的に低い情報、言い換えれば、相対的に重要度が低い情報として取り扱ってもよい。
【0064】
さらに、口コミ投稿者の属性に基づいて、複数の口コミ情報を、対象ユーザと属性が同一または近似する投稿者(以下「同属者」)の口コミ情報と、対象ユーザと属性が近似しない投稿者(以下「非同属者」)の口コミ情報のいずれかに分類してもよい。同属者は、例えば、家族構成と家族成員年齢の両方が対象ユーザに近似する投稿者であってもよい。非同属者は、例えば、家族構成と家族成員年齢の少なくとも一方が対象ユーザと乖離する投稿者であってもよい。そして、対象ユーザと同属者の口コミ情報に基づいて、同属に人気のあるリノベーション案を作成してもよい。同属者の口コミ情報は、リノベーション案の作成に使用されることに加えて、評価部58による評価時の重み付けにおいて使用されてもよい。
【0065】
また、あえて、非同属者からの口コミ情報に基づいて、一部のリノベーション案を作成してもよい。対象ユーザが気づいていないが、リノベーション対象住宅に適したリノベーション案を提示できる可能性があるからである。さらにまた、同属者からの口コミ情報と非同属者からの口コミ情報の両方に基づいて、両者の問題を解決する折衷案をリノベーション案として作成してもよい。
【0066】
さらにまた、リノベーション対象住宅の制約条件とリノベーション案とを照合して、リノベーション対象住宅の制約条件に違反するリノベーション案を、制約条件ありの案として取り扱ってもよい。例えば、リノベーション対象住宅の制約条件に違反するリノベーション案であることを評価者および対象ユーザに提示してもよい。または、リノベーション対象住宅の制約条件に違反するリノベーション案を、評価者による投票対象から除外してもよく、また、当該リノベーション案の優先度を、リノベーション対象住宅の制約条件に違反しない他の案の優先度より低く評価してもよい。
【0067】
第5変形例を説明する。評価装置18の評価部58は、対象ユーザの家族に子供(例えば15歳以下の子供)が含まれる場合、対象ユーザの子供より2~5歳程度年齢が高い子供を有する評価者を同属評価者として分類してもよい。これにより、対象ユーザの将来像に類似する評価者の投票を、リノベーション案の優先度決定に反映させやすくなる。例えば、2歳の子供を持つ対象ユーザに対して、小学生の子供を持つ評価者の投票の重みを重くすることができる。また、第4変形例と第5変形例を組み合わせた構成として、対象ユーザの子供より2~5歳程度年齢が高い子供を有する投稿者の口コミ情報を同属者の口コミ情報として、リノベーション案の作成に用いてもよい。これにより、例えば、2歳の子供を持つ対象ユーザに対するリノベーション案に、小学生の子供を持つ投稿者からの口コミを反映させやすくなる。
【0068】
第6変形例を説明する。ユーザ端末12から登録され、ユーザ情報記憶部38に記憶されるユーザ属性情報は、ユーザが利用するSNS(Social Networking Service)(ミニブログサービス等)においてユーザがフォローする人を示す情報を含んでもよい。また、評価者情報記憶部40に記憶される評価者の属性情報は、評価者が利用するSNSにおいて評価者がフォローする人を示す情報を含んでもよい。
【0069】
評価装置18の評価部58は、対象ユーザが評価者をフォローしている場合に、その評価者を同属評価者としてもよく、また、その評価者による投票の重みを、対象ユーザにフォローされていない他の評価者による投票の重みより重くしてもよい。別の態様として、SNSにおける対象ユーザのフォロー状態(フォローする人等)が、そのSNSにおける評価者のフォロー状態(フォローする人等)に近似する場合、その評価者を同属評価者としてもよく、また、その評価者による投票の重みを、SNSでのフォロー状態が対象ユーザに近似しない他の評価者による投票の重みより重くしてもよい。フォロー状態が近似するとは、同じ人をフォローすること、または、同種の人をフォローすることであってもよい。SNSの利用状況が対象ユーザに近い評価者は、対象ユーザと嗜好性が近い人と推定できるため、対象ユーザに適合した投票の重み付けを実現することができる。
【0070】
第7変形例として、評価装置18からユーザ端末12に提供されるリノベーション提案データに関する変形例を説明する。ここでは、リノベーション提案データを設定する主体を評価部58とするが、リノベーション案提供部60でもよい。例えば、リノベーション提案データは、
図6に示したように、複数のリノベーション案のそれぞれに対する投票数を含んでもよい。これにより、複数のリノベーション案の優先度(お薦め度)の妥当性を対象ユーザが判断しやすくなる。
【0071】
また、リノベーション提案データは、複数のリノベーション案それぞれの実行にかかる費用(概算費用)を含んでもよい。各リノベーション案の費用は、リノベーション案とともに不動産会社端末16から評価装置18へ提供されてもよい。または、評価装置18の評価部58は、リノベーション案の情報に含まれうるキーワードと費用とを対応付けたテーブルを保持し、各リノベーション案からキーワードを抽出して、抽出したキーワードに対応付けられた費用を特定することにより、各リノベーション案の費用を自動で導出してもよい。
【0072】
また、リノベーション提案データは、リノベーションに必要なタスクの実行を支援する情報を含んでもよい。評価装置18の評価部58は、リノベーション案の情報に含まれるタスクのキーワードと、そのタスクの実行を支援する情報(タスク支援情報)とを対応付けたテーブルを保持してもよい。評価部58は、リノベーション案の情報からタスクのキーワードを抽出し、そのキーワードに対応付けられたタスク支援情報をリノベーション提案データに設定してもよい。例えば、「ディスポーザを設置する」リノベーション案の場合、評価部58は、タスクのキーワードとして「ディスポーザの設置」を抽出し、タスク支援情報として、ディスポーザの設置実績がある業者の情報をリノベーション提案データに付加してもよい。
【0073】
さらにまた、実施例では、対象ユーザ向けに作成され、評価された複数のリノベーション案の全てを含むリノベーション提案データを対象ユーザに提示したが、変形例として、評価結果に応じて、一部のリノベーション案のみを含むリノベーション提案データを対象ユーザに提示してもよい。例えば、評価装置18のリノベーション案提供部60は、優先度が高い方から所定順位までのリノベーション案を含むリノベーション提案データをユーザ端末12へ提供してもよく、または、優先度が最も高いリノベーション案のみを含むリノベーション提案データをユーザ端末12へ提供してもよい。
【0074】
また、上記実施例に記載の技術思想は、対象ユーザに対して作成されるリノベーション案が1つの場合にも有用である。この場合、そのリノベーション案に対する評価者の投票結果(賛成の投票数)を含むリノベーション提案データを対象ユーザに提供してもよい。また、この場合、そのリノベーション案に対する評価者の投票結果(賛成の投票数)が予め定められた閾値(多くの評価者が賛成している目安となる閾値)以上になったか否かを示す情報を含むリノベーション提案データを対象ユーザに提供してもよい。
【0075】
上記実施例において評価装置18が備えた複数の機能ブロックは、複数の装置に分散して実装されてもよい。そして、これら複数の装置がシステムとして連携することにより、実施例の評価装置18の処理と同様の処理が実現されてもよい。
【0076】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本開示の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【0077】
実施例および変形例に記載の技術は、以下の各項目に記載の態様によって特定されてもよい。
[項目1]
住宅のリノベーションを検討するユーザに対する前記住宅のリノベーション案に関するデータを、前記ユーザとは異なる人を含む評価者に提供するステップと、
前記リノベーション案に対する前記評価者の投票を受け付けるステップと、
前記評価者の投票に基づいて、前記リノベーション案を評価するステップと、
評価結果を反映したリノベーション案に関するデータを前記ユーザに提供するステップと、
をコンピュータが実行する評価方法。
この評価方法によると、住宅のリノベーションを検討するユーザとは異なる人を含む評価者の投票に基づいて、当該住宅に対するリノベーション案を評価し、その評価結果を反映したリノベーション案をユーザに提供する。これにより、住宅のリノベーションの価値評価を支援でき、例えば、ユーザが自身にとって有益なリノベーションを実施できるよう支援できる。
[項目2]
前記評価するステップは、前記ユーザの属性情報と、リノベーションに対する前記ユーザの要望の少なくとも一方にさらに基づいて、前記リノベーション案を評価する、
項目1に記載の評価方法。
この評価方法によると、ユーザの属性や要望に即した有用な評価結果をユーザに提供できる。
[項目3]
前記評価するステップは、前記評価者と前記ユーザとの属性の近似度に基づいて、前記評価者の投票を重み付けする、
項目2に記載の評価方法。
この評価方法によると、評価者の投票を適切に重み付けでき、ユーザの属性に一層即した有用な評価結果をユーザに提供できる。
[項目4]
前記評価するステップは、前記ユーザと属性が近似する複数の評価者から同一または近似する投票結果が得られた場合、前記ユーザの要望の重みよりも、前記ユーザと属性が近似する前記複数の評価者による投票の重みを重くして、前記リノベーション案を評価する、
項目2または3に記載の評価方法。
この評価方法によると、ユーザと属性が近似する評価者の投票をリノベーション案の評価に強く反映させることにより、リノベーション検討中のユーザにはわかり難い、リノベーションによる実際の住み心地を反映した評価結果を得やすくなる。
[項目5]
前記住宅に関する情報と前記ユーザに関する情報とを前記ユーザの装置から受け付けるステップを前記コンピュータがさらに実行し、
前記リノベーション案は、前記ユーザの装置から受け付けられた、前記住宅に関する情報と前記ユーザに関する情報とに基づいて作成されたものである、
項目1から3のいずれかに記載の評価方法。
この評価方法によると、ユーザの属性や要望等を反映したリノベーション案を得やすくなる。
[項目6]
住宅のリノベーションを検討するユーザに対する前記住宅のリノベーション案に関するデータを、前記ユーザとは異なる人を含む評価者に提供する評価依頼部と、
前記リノベーション案に対する前記評価者の投票を受け付ける投票受付部と、
前記評価者の投票に基づいて、前記リノベーション案を評価する評価部と、
評価結果を反映したリノベーション案に関するデータを前記ユーザに提供する提供部と、
を備える評価装置。
この評価装置によると、住宅のリノベーションを検討するユーザとは異なる人を含む評価者の投票に基づいて、当該住宅に対するリノベーション案を評価し、その評価結果を反映したリノベーション案をユーザに提供する。これにより、住宅のリノベーションの価値評価を支援でき、例えば、ユーザが自身にとって有益なリノベーションを実施できるよう支援できる。
【符号の説明】
【0078】
10 リノベーション評価システム、 12 ユーザ端末、 14 評価者端末、 18 評価装置、 48 ユーザ情報取得部、 50 ユーザ情報提供部、 52 リノベーション案取得部、 54 評価依頼部、 56 投票受付部、 58 評価部、 60 リノベーション案提供部。