(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150936
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】マイクロホンモジュール
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20231005BHJP
G01H 3/12 20060101ALI20231005BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H04R3/00 320
G01H3/12
H04R1/02 106
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060293
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大谷 佳道
(72)【発明者】
【氏名】竹内 久人
(72)【発明者】
【氏名】竹内 祐介
【テーマコード(参考)】
2G064
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB13
2G064BA02
2G064BD02
2G064BD18
5D017BC20
5D220BA21
5D220BB04
(57)【要約】
【課題】本開示は、ノイズ耐性の向上を図ることができるマイクロホンモジュールを提供する。
【解決手段】本開示に係るマイクロホンモジュールは、筐体と、振動センサと、減算器を備える。振動センサは、収音した音声及び振動を表す電気信号を出力する。減算器は、前記振動センサが出力する前記電気信号の出力差に対応する差動信号に基づいて減算信号を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
収音した音声及び振動を表す電気信号を出力する振動センサと、
前記振動センサが出力する前記電気信号の出力差に対応する差動信号に基づいて減算信号を出力する減算器と、
を備えるマイクロホンモジュール。
【請求項2】
前記振動センサが出力する前記差動信号をインピーダンス変換して増幅する増幅信号を出力する増幅器と、
を備え、
前記減算器は、前記増幅器が出力する前記増幅信号を減算する減算信号を出力する、
請求項1に記載のマイクロホンモジュール。
【請求項3】
前記振動センサが出力する前記差動信号をインピーダンス変換する変換信号を出力するトランジスタ素子と、
を備え、
前記減算器は、前記トランジスタ素子が出力する前記変換信号を減算する減算信号を出力する、
請求項1に記載のマイクロホンモジュール。
【請求項4】
前記筐体は、前記振動センサ、前記トランジスタ素子及び前記減算器を収容する、
請求項3に記載のマイクロホンモジュール。
【請求項5】
前記筐体は、帯電防止を有する、
請求項1から4の何れか1項に記載のマイクロホンモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マイクロホンモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミック圧電素子を使用したマイクロホンモジュールとして、振動センサを用いた振動マイクロホン等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の圧電素子を用いた振動センサでは、圧電素子が接続される2端子は圧電信号とグランド(GND)であり、後段の増幅器を収容する増幅器筐体のグランドと共通で構成される。このような振動センサにおいて、例えば、車両搭載時等の電波環境の悪い状況下では、信号ラインに商用周波数(ハムノイズ)が重畳される場合があり、ノイズが発生することがある。
【0005】
本開示は、ノイズ耐性の向上を図ることができるマイクロホンモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るマイクロホンモジュールは、筐体と、振動センサと、減算器を備える。振動センサは、収音した音声及び振動を表す電気信号を出力する。減算器は、前記振動センサが出力する前記電気信号の出力差に対応する差動信号に基づいて減算信号を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るマイクロホンモジュールによれば、ノイズ耐性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るマイクロホンモジュールの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るマイクロホンモジュールの回路構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、比較例に係るマイクロホンモジュールの回路の一例を示す回路図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係るマイクロホンモジュールの回路の一例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、第1実施形態に係るマイクロホンモジュールの実施形態について説明する。
【0010】
第1実施形態に係るマイクロホンモジュールは、例えば、車両の車室内に搭載され、車室内外の音声を収音し、収音した音声を示す音声信号を出力する。なお、マイクロホンモジュールは、このような用途に限らず、他の用途に用いられても良い。
【0011】
図1は、第1実施形態に係るマイクロホンモジュールの構成を示す図である。マイクロホンモジュール1は、マイクロホン筐体10及び増幅器筐体20を備える。なお、マイクロホンモジュール1が備える構成は、これに限定されない。
【0012】
マイクロホン筐体10は、第1筐体11、基板12、第2筐体13、音孔14、前気室15、振動センサ16、接触端子17及び軟体部材18を備える。なお、マイクロホン筐体10が備える構成は、これに限定されない。
【0013】
第1筐体11は、筐体の一例である。第1筐体11は、帯電防止筐体であり、例えば、筐体の抵抗率は、106(Ω・cm)以下である。第1筐体11は、例えば、内側が窪んだ凹状の形状を有する。
【0014】
第1筐体11は、後述する第2筐体13と組み合わせることで形成される空間内部に、後述する基板12、振動センサ16、接触端子17及び軟体部材18を収容する。なお、第1筐体11は、帯電防止筐体に限定されず、導電性を有する筐体であっても良く、導電性材質でさらにシールド性を高めた筐体であっても良い。
【0015】
基板12は、後述する接触端子17を実装する部材である。基板12の端部は、第1筐体11に固定される。基板12は、例えば、プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)である。基板12は、例えば、接触端子17をSMD(Surface Mount Device)で実装する。
【0016】
第2筐体13は、筐体の一例である。第2筐体13は、帯電防止筐体であり、例えば、筐体の抵抗率は、106(Ω・cm)以下である。第2筐体13は、例えば、内側が窪んだ凹状の形状を有する。
【0017】
第2筐体13は、音孔14を有する。第2筐体13は、第1筐体11と組み合わせることで形成される空間内部に、基板12、後述する振動センサ16、接触端子17及び軟体部材18を収容する。なお、第2筐体13は、帯電防止筐体に限定されず、通電性を有する筐体であっても良い。
【0018】
音孔14は、車室内の音を収音する構成である。音孔14は、第2筐体13の開口部である。
【0019】
前気室15は、音孔14の開口部から入った音を後述する振動センサ16へ案内する空間である。前気室15は、音孔14の開口部とマイクロホン振動面との間において略垂直であるように形成される。
【0020】
振動センサ16は、音孔14を介して集音される音により振動する部材である。
【0021】
振動センサ16は、例えば、セラミック圧電素子である。振動センサ16は、収音した音声及び振動を表す電気信号を出力する。具体的には、振動センサ16は、第2筐体13の音孔14より入る振動によって、電気信号へ変換する部材である。
【0022】
振動センサ16は、振動によって生じる力を検知し、電気信号へ変換し、電気信号の出力差に対応する差動信号を出力する。変換された差動信号は、増幅器筐体20へ出力する。
【0023】
接触端子17は、基板12に実装され、振動センサ16の上部に位置する。接触端子17は、振動センサ16の振動方向とが互いに垂直となるように位置する。
【0024】
軟体部材18は、振動センサ16を保持するための部材である。軟体部材18は、第1筐体11及び第2筐体13の間に位置し、振動センサ16を保持する。
【0025】
軟体部材18は、振動センサ16を保持することで、周波数特性において、振動センサ16のピークが抑制される。ピークが抑制されることで、振動センサ16が出力する電気信号の可聴域周波数の集音レベルのばらつきを低減することができる。軟体部材18は、例えば、シリコンである。
【0026】
増幅器筐体20は、振動センサ16から出力される電気信号を処理する。増幅器筐体20が電気信号を処理する内容について後述する。
【0027】
図2は、第1実施形態に係るマイクロホンモジュール1の回路構成図である。マイクロホン筐体10は、振動センサ16を備える。増幅器筐体20は、第1増幅器21、第2増幅器22及び第1減算器23を備える。第1増幅器21は、第1抵抗R1、第2抵抗R2及びオペアンプ21Aを備える。第2増幅器22は、第3抵抗R3、第4抵抗R4及びオペアンプ22Aを備える。第1減算器23は、第5抵抗R5、第6抵抗R6、第7抵抗R7、第8抵抗R8及びオペアンプ23Aを備える。なお、マイクロホンモジュール1の回路構成はこれに限定されない。
【0028】
振動センサ16は、第1増幅器21及び第2増幅器22の非反転入力端子に接続する。振動センサ16は、振動によって生じる力を検知し、電気信号へ変換し、電気信号の出力差に対応する差動信号を出力する。変換された一つの差動信号(正側)は、第1増幅器21へ出力する。また、変換された他方の差動信号(負側)は第2増幅器22へ出力する。
【0029】
第1増幅器21は、例えば、オペアンプ21Aを含む構成である。第1増幅器21は、増幅器の一例である。第1増幅器21は、電源電圧を電源ノードで受けて動作する。第1増幅器21のオペアンプ21Aのグランド端子は、回路のグランド(GND)に接続する。第1増幅器21の非反転入力端子は、振動センサ16に接続する。第1増幅器21の反転入力端子は、第1抵抗R1及び第2抵抗R2に接続する。第1増幅器21の出力端子は、後述する第1減算器23の反転入力端子に第7抵抗R7を介して接続する。
【0030】
第1増幅器21は、振動センサ16が出力する正の差動信号を増幅し、インピーダンス変換(インピーダンスを低く)した信号を第1減算器23に出力する。
【0031】
第1抵抗R1は、第1増幅器21の反転入力端子に接続する。第2抵抗R2は、第1増幅器21の反転入力端子及び第1増幅器21の出力端子に並列に接続する。
【0032】
第2増幅器22は、例えば、オペアンプ22Aを含む構成である。第2増幅器22は、増幅器の一例である。第2増幅器22は、電源電圧を電源ノードで受けて動作する。第2増幅器22のオペアンプ22Aのグランド端子は、回路のグランド(GND)に接続する。第2増幅器22の非反転入力端子は、振動センサ16に接続する。第2増幅器22の反転入力端子は、第3抵抗R3及び第4抵抗R4に接続する。第2増幅器22の出力端子は、後述する第1減算器23の非反転入力端子に第5抵抗R5を介して接続する。
【0033】
第2増幅器22は、振動センサ16が出力する負の差動信号を増幅し、インピーダンス変換(インピーダンスを低く)した信号を第1減算器23に出力する。
【0034】
第1減算器23は、例えば、オペアンプ23Aを含む構成である。第1減算器23は、電源電圧を電源ノードで受けて動作する。第1減算器23のオペアンプ23Aのグランド端子は、回路のグランド(GND)に接続する。第1減算器23の非反転入力端子は、第2増幅器22の出力端子、第4抵抗R4、第5抵抗R5及び第6抵抗R6に接続する。第1減算器23の反転入力端子は、第1増幅器21の出力端子、第2抵抗R2、第7抵抗R7及び第8抵抗R8に接続する。第1減算器23の出力端子は、出力信号を車両側に出力する。
【0035】
第5抵抗R5は、第2増幅器22の出力端子及び第1減算器23の非反転入力端子に接続する。第6抵抗R6は、第1減算器23の非反転入力端子に接続する。第7抵抗R7は、第1増幅器21の出力端子及び第1減算器23の反転入力端子に接続する。第8抵抗R8は、第1減算器23の反転入力端子に接続する。
【0036】
第1減算器23は、第2増幅器22が出力する増幅信号と、第1増幅器21が出力する増幅信号とを介し、同相のノイズをキャンセルし、逆相の信号を減算した減算信号を車両に出力する。
【0037】
第1減算器23は、例えば、信号ラインにノイズが重畳される場合でも、振動センサ16が出力する差動信号を減算することで、ノイズを相殺するため、ノイズを抑制することができる。
【0038】
なお、第1増幅器21及び第2増幅器22は、反転アンプを用いた構成であってもよい。また、バッファアンプを用いた構成であってもよい。
【0039】
以上説明したように、第1実施形態のマイクロホンモジュール1は、振動センサ16が出力する収音した音声及び振動を表す電気信号の出力差に対応する差動信号に基づいて減算信号を出力する。
【0040】
以上の第1実施形態の構成によれば、信号ラインにノイズが重畳される場合でも、振動センサ16が出力する差動信号を減算することで、ノイズを相殺するため、ノイズを抑制し、ノイズ耐性の向上を図ることができる。
【0041】
(比較例のマイクロホンモジュールの説明)
次に、
図3を用いて、第1実施形態のマイクロホンモジュール1の作用について説明する。
図3は、比較例のマイクロホンモジュール2の回路構成図である。
【0042】
比較例のマイクロホンモジュール2は、マイクロホン筐体30及び増幅器回路40を備える。マイクロホン筐体30は、振動センサ31を備える。増幅器回路40は、増幅器41、コンデンサ42及び増幅器43を備える。増幅器41は、抵抗R11、抵抗R12及びオペアンプ41Aを備える。増幅器43は、抵抗R13、抵抗R14及びオペアンプ43Aを備える。なお、マイクロホン筐体30は、電位をとらないように絶縁部材で構成される。
【0043】
振動センサ31は、増幅器41の非反転入力端子及びグランドに接続する。振動センサ31は、振動センサが振動によって生じる力を検知し、電気信号へ変換する。振動センサ31が出力する電気信号は、増幅器41の非反転入力端子に出力される。
【0044】
増幅器41は、例えば、オペアンプ41Aを含む構成である。増幅器41は、電源電圧を電源ノードで受けて動作する。増幅器41の非反転入力端子は、振動センサ31に接続する。増幅器41の反転入力端子は、抵抗R11及び抵抗R12に接続する。増幅器41の出力端子は、後述する増幅器43の非反転入力端子に、コンデンサ42を介して、接続する。
【0045】
増幅器41は、振動センサ31が出力する電気信号を増幅し、インピーダンス変換(インピーダンスを低く)した信号をコンデンサ42に出力する。
【0046】
抵抗R11は、増幅器41のオペアンプ41Aの反転入力端子及びグランドに接続する。抵抗R12は、増幅器41のオペアンプ41Aの反転入力端子及び増幅器41のオペアンプ41Aの出力端子に接続する。コンデンサ42は、増幅器41の出力端子と、増幅器43の非反転入力端子に接続する。
【0047】
増幅器43は、例えば、オペアンプ43Aを含む構成である。増幅器43は、電源電圧を電源ノードで受けて動作する。増幅器43のオペアンプ43Aのグランド端子は、回路のグランド(GND)に接続する。増幅器43の非反転入力端子は、コンデンサ42を介して増幅器41の出力端子に接続する。増幅器43の反転入力端子は、抵抗R13及び抵抗R14に接続する。増幅器43の出力端子は、車両側に出力信号を出力する。
【0048】
増幅器43は、非反転入力端子に入力される、コンデンサ42経由で伝達された電気信号を増幅した信号を車両側に出力する。
【0049】
例えば、車両室内の電波環境の悪い状況下では、ノイズが重畳する場合がある。従来の振動センサ31はグランドに接続されるため、出力する電気信号にノイズが重畳され、増幅器41に出力する。そのため、増幅器41の後段にある増幅器43でさらに増幅してしまい、ノイズが除去できない場合がある。
【0050】
他方で、第1実施形態のマイクロホンモジュール1において、振動センサ16はグランドに接続されていない。第1実施形態のマイクロホンモジュール1は、ノイズが重畳される場合に、振動センサ16が出力する差動信号を減算することで、ノイズを相殺するため、ノイズを抑制することができる。これにより、ノイズを抑制し、ノイズ耐性の向上を図ることができる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態と共通する部分については説明を適宜に省略する。なお、第1実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付与し適宜説明を省略する。
【0052】
上述の第1実施形態では、増幅器筐体20は、マイクロホン筐体10の外部に備える形態について説明した。第2実施形態では、増幅器筐体20の内部に備える回路構成が、マイクロホン筐体10の内部に収容する形態について説明する。
【0053】
第2実施形態のマイクロホンモジュール3は、マイクロホン筐体10を備える。マイクロホン筐体10が備える基板12は、接触端子17及び増幅回路50を実装する。
【0054】
図4は、第2実施形態に係るマイクロホンモジュール3の回路構成図である。増幅回路50は、トランジスタ素子51、第1コンデンサ52、第2コンデンサ53、第2減算器54、第9抵抗R21及び第10抵抗R22を備える。第2減算器54は、第11抵抗R23、第12抵抗R24、第13抵抗R25、第14抵抗R26及びオペアンプ54Aを備える。なお、マイクロホンモジュール3の回路構成はこれに限定されない。
【0055】
振動センサ16は、トランジスタ素子51及び第2コンデンサ53に接続する。振動センサ16は、一つの差動信号(正側)をトランジスタ素子51へ出力する。また、振動センサ16は、他方の差動信号(負側)を第2コンデンサ53へ出力する。
【0056】
トランジスタ素子51は、例えば、NチャネルMOSFET(Metal Oxice Semiconductor Field Effect Transistor)型のトランジスタである。トランジスタ素子51は、ドレインを第9抵抗R21及び第1コンデンサ52、ソースを第10抵抗R22及び第2コンデンサ53、ゲートを振動センサ16に接続する。
【0057】
第9抵抗R21は、トランジスタ素子51のドレイン、第1コンデンサ52及び電源に接続する。第9抵抗R21は電源に接続しているため、トランジスタ素子51は動作する。第10抵抗R22は、振動センサ16、トランジスタ素子51のソース、第2コンデンサ53及びグランド(GND)に接続する。
【0058】
第1コンデンサ52は、トランジスタ素子51のドレイン及び後述する第2減算器54の反転入力端子に第11抵抗R23を介して接続する。第2コンデンサ53は、振動センサ16及び後述する第2減算器54の非反転入力端子に第12抵抗R24を介して接続する。
【0059】
トランジスタ素子51は、ドレインを第9抵抗R21に、ソースを第10抵抗R22に接続することで、インピーダンス変換(インピーダンスを低く)した増幅信号を第1コンデンサ52及び第2コンデンサ53へ出力する。
【0060】
具体的には、トランジスタ素子51は、振動センサ16が出力する正の差動信号をインピーダンス変換(インピーダンスを低く)し、増幅した信号を第1コンデンサ52に出力する。トランジスタ素子51は、振動センサ16が出力する負の差動信号をインピーダンス変換(インピーダンスを低く)し、増幅した信号を第2コンデンサ53に出力する。
【0061】
第2実施形態のマイクロホンモジュール3は、上述したトランジスタ素子51を備えることで、第1実施形態のマイクロホンモジュール1が備える第1増幅器21及び第2増幅器22がもつ機能を実現することができる。これにより、第2実施形態のマイクロホンモジュール3は、部品点数を削減することができ、コスト削減にも寄与する。また、第2実施形態のマイクロホンモジュール2は、部品点数を削減することができるため、マイクロホンモジュールの小型化に寄与する。
【0062】
第11抵抗R23は、第1コンデンサ52及び第2減算器54のオペアンプ54Aの反転入力端子に接続する。第12抵抗R24は、第2コンデンサ53及び及び第2減算器54のオペアンプ54Aの非反転入力端子に接続する。第13抵抗R25は、第2減算器54のオペアンプ54Aの非反転入力端子に接続する。第14抵抗R26は、第2減算器54のオペアンプ54Aの反転入力端子に接続する。
【0063】
第2減算器54は、例えば、オペアンプ54Aを含む構成である。第2減算器54は、電源電圧を電源ノードで受けて動作する。第2減算器54のオペアンプ54Aのグランド端子は、回路のグランド(GND)に接続する。第2減算器54のオペアンプ54Aの非反転入力端子は、第12抵抗R24及び第13抵抗R25に接続する。第2減算器54のオペアンプ54Aの反転入力端子は、第11抵抗R23及び第14抵抗R26に接続する。第2減算器54の出力端子は、車両側に出力信号を出力する。
【0064】
第2減算器54は、第1コンデンサ52及び第2コンデンサ53の出力信号を入力され、入力された信号のうち、同相のノイズをキャンセルし、逆相の信号を減算した減算信号を車両側に出力する。第2減算器54は、例えば、振動センサ16の信号ラインにノイズが重畳される場合に、振動センサ16が出力する差動信号を減算することで、ノイズを相殺するため、ノイズを抑制することができる。
【0065】
以上説明したように、第2実施形態のマイクロホンモジュール3は、振動センサ16が出力する差動信号をインピーダンス変換した信号を出力するトランジスタ素子51を備え、第2減算器54は、トランジスタ素子51が出力する変換信号を減算して出力する。また、第2実施形態のマイクロホンモジュール3は、筐体に振動センサ16、トランジスタ素子51及び第2減算器54を収容する。なお、振動センサ16の出力の極性は、図面で開示した構成に限定されない。
【0066】
以上の第2実施形態の構成によれば、信号ラインにノイズが重畳される場合でも、振動センサ16が出力する差動信号を減算することで、ノイズを相殺するため、ノイズを抑制し、ノイズ耐性の向上を図ることができる。また、筐体内部に振動センサ16、トランジスタ素子51及び第2減算器54を収容することで、部品点数を削減することができ、マイクロホンモジュールのコスト削減及び小型化に寄与する。
【0067】
なお、上述した実施形態において、回路のグランド(GND)に接続される場合、DC(Direct Current)的なグランドに限定されるものではなく、AC(Alternating Current)的なグランドであっても良い。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0069】
1 マイクロホンモジュール
10 マイクロホン筐体
11 第1筐体
12 基板
13 第2筐体
14 音孔
15 前気室
16 振動センサ
17 接触端子
18 軟体部材
20 増幅器筐体
21 第1増幅器
22 第2増幅器
23 第1減算器
51 トランジスタ素子
54 第2減算器