(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150938
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】制御装置、アクセスネットワークノード、制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/02 20090101AFI20231005BHJP
H04W 92/10 20090101ALI20231005BHJP
【FI】
H04W28/02
H04W92/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060295
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 拓也
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】AMFが過負荷状態に陥った際にANノードに対して安定的に輻輳制御を実行させることを図る。
【解決手段】ANノードに対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置とは別個に設けられる第2制御装置は、ANノード及び第1制御装置から輻輳制御のための所定の情報を収集する情報収集部と、情報収集部が収集した情報に基づいて輻輳制御の必要性の判定を行う判定部と、判定部が輻輳制御の必要ありと判定した場合に、ANノードに対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する送信部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)に対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置とは別個に設けられる第2制御装置であって、
前記ANノード及び前記第1制御装置から前記輻輳制御のための所定の情報を収集する情報収集部と、
前記情報収集部が収集した前記情報に基づいて前記輻輳制御の必要性の判定を行う判定部と、
前記判定部が前記輻輳制御の必要ありと判定した場合に、前記ANノードに対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する送信部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記情報収集部が収集した前記情報に基づいて、前記輻輳制御に使用されるパラメータを決定するパラメータ決定部をさらに備え、
前記送信部は、前記判定部が前記輻輳制御の必要ありと判定した場合に、前記ANノードに対して、前記パラメータ決定部が決定した前記パラメータを通知するメッセージを送信する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記判定部が前記輻輳制御の必要なしと判定した場合に、前記ANノードに対して、輻輳制御の終了を命令する輻輳制御終了メッセージを送信する、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項4】
前記情報収集部が収集した前記情報に基づいて、前記第1制御装置が使用可能なリソースを拡張する制御を行うリソース拡張制御部をさらに備え、
前記判定部は、前記リソース拡張制御部の前記制御によって前記第1制御装置が使用可能なリソースが拡張された後に前記情報収集部が収集した前記情報に基づいて前記輻輳制御の必要性の判定を行う、
請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)であって、
ANノードに対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置と、前記第1制御装置とは別個に設けられる請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置(第2制御装置)との両方から、輻輳制御に関するメッセージを受信する受信部と、
前記第1制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージと、前記第2制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージとのうち、いずれかの輻輳制御に関するメッセージを優先する輻輳制御部と、
を備えるアクセスネットワークノード。
【請求項6】
前記輻輳制御部は、前記輻輳制御の対象の信号の優先度に応じて、当該信号に対する規制確率を変更する、
請求項5に記載のアクセスネットワークノード。
【請求項7】
移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)に対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置とは別個に設けられる第2制御装置のコンピュータに、
前記ANノード及び前記第1制御装置から前記輻輳制御のための所定の情報を収集する情報収集ステップと、
前記情報収集ステップが収集した前記情報に基づいて前記輻輳制御の必要性の判定を行う判定ステップと、
前記判定ステップが前記輻輳制御の必要ありと判定した場合に、前記ANノードに対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する送信ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)のコンピュータに、
ANノードに対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置と、前記第1制御装置とは別個に設けられる請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置(第2制御装置)との両方から、輻輳制御に関するメッセージを受信する受信ステップと、
前記第1制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージと、前記第2制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージとのうち、いずれかの輻輳制御に関するメッセージを優先する輻輳制御ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項9】
移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)に対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置とは別個に第2制御装置が設けられ、
前記第2制御装置が、前記ANノード及び前記第1制御装置から前記輻輳制御のための所定の情報を収集する情報収集ステップと、
前記第2制御装置が、前記情報収集ステップが収集した前記情報に基づいて前記輻輳制御の必要性の判定を行う判定ステップと、
前記第2制御装置が、前記判定ステップが前記輻輳制御の必要ありと判定した場合に、前記ANノードに対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する送信ステップと、
を含む制御方法。
【請求項10】
前記ANノードは、前記第1制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージと、前記第2制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージとのうち、いずれかの輻輳制御に関するメッセージを優先する、
請求項9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記ANノードは、前記輻輳制御の対象の信号の優先度に応じて、当該信号に対する規制確率を変更する、
請求項9又は10のいずれか1項に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、アクセスネットワークノード、制御方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5Gシステム)に関する技術仕様が非特許文献1,2等に記載されている。その5Gシステムに関する技術仕様(5G仕様)おいて、AMF(Access and Mobility management Function)が過負荷状態に陥った時に、AMFはNAS(Non-Access-Stratum)レベル輻輳制御を実行し、AN(Access Network)ノードが過負荷制御をサポートしている場合には、AMFはANノードが生成する負荷を抑制することが規定されている(非特許文献1、5.19.5「AMF Control Of Overload」参照)。
【0003】
より具体的には、AMFは、全て又は一部のANノードに対して「NGAP OVERLOAD START」メッセージを送信し、自AMFが過負荷状態にあることをANノードへ通知する。「NGAP OVERLOAD START」メッセージを受信したANノードは、「NGAP OVERLOAD START」メッセージの送信元のAMFが過負荷状態にあることを認識し、「NGAP OVERLOAD START」メッセージの送信元のAMF宛ての信号のうち特定の条件に合致する信号を拒否することによりトラヒックを規制する。AMFは、信号の規制確率を「NGAP OVERLOAD START」メッセージに含めることができる。ANノードは、「NGAP OVERLOAD START」メッセージに含まれる規制確率を、輻輳制御における信号の規制確率に使用することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP、「TS 23.501」、v17.2.0
【非特許文献2】3GPP、「TS 38.413」、v16.8.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の5G仕様では、突発的なトラヒックの増加によりAMFが急激に過負荷状態に陥った場合に、AMFが「NGAP OVERLOAD START」メッセージの送信に失敗することにより、ANノードが的確に輻輳制御を開始することができない可能性があった。
【0006】
また、AMFが過負荷状態に陥ると、AMFは、「NGAP OVERLOAD START」メッセージを送信することができたとしても、信号の規制確率の適切な値を算出することまでは難しい。これは、過負荷状態にあるAMFでは、信号の規制確率の算出に必要な情報を取得することが難しいからである。信号の規制確率の算出に必要な情報は、例えば、ANノードからAMFに送信される単位時間あたりの信号数である。過負荷状態にあるAMFでは、当該単位時間あたりの信号数を測定することまではできないために、信号の規制確率の適切な値を算出することが難しい。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、AMFが過負荷状態に陥った際にANノードに対して安定的に輻輳制御を実行させることを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の一態様は、移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)に対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置とは別個に設けられる第2制御装置であって、前記ANノード及び前記第1制御装置から前記輻輳制御のための所定の情報を収集する情報収集部と、前記情報収集部が収集した前記情報に基づいて前記輻輳制御の必要性の判定を行う判定部と、前記判定部が前記輻輳制御の必要ありと判定した場合に、前記ANノードに対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する送信部と、を備える制御装置である。
(2)本発明の一態様は、前記情報収集部が収集した前記情報に基づいて、前記輻輳制御に使用されるパラメータを決定するパラメータ決定部をさらに備え、前記送信部は、前記判定部が前記輻輳制御の必要ありと判定した場合に、前記ANノードに対して、前記パラメータ決定部が決定した前記パラメータを通知するメッセージを送信する、上記(1)の制御装置である。
(3)本発明の一態様は、前記送信部は、前記判定部が前記輻輳制御の必要なしと判定した場合に、前記ANノードに対して、輻輳制御の終了を命令する輻輳制御終了メッセージを送信する、上記(1)又は(2)のいずれかの制御装置である。
(4)本発明の一態様は、前記情報収集部が収集した前記情報に基づいて、前記第1制御装置が使用可能なリソースを拡張する制御を行うリソース拡張制御部をさらに備え、前記判定部は、前記リソース拡張制御部の前記制御によって前記第1制御装置が使用可能なリソースが拡張された後に前記情報収集部が収集した前記情報に基づいて前記輻輳制御の必要性の判定を行う、上記(1)から(3)のいずれかの制御装置である。
【0009】
(5)本発明の一態様は、移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)であって、ANノードに対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置と、前記第1制御装置とは別個に設けられる上記(1)から(4)のいずれかの制御装置(第2制御装置)との両方から、輻輳制御に関するメッセージを受信する受信部と、前記第1制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージと、前記第2制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージとのうち、いずれかの輻輳制御に関するメッセージを優先する輻輳制御部と、を備えるアクセスネットワークノードである。
(6)本発明の一態様は、前記輻輳制御部は、前記輻輳制御の対象の信号の優先度に応じて、当該信号に対する規制確率を変更する、上記(5)のアクセスネットワークノードである。
【0010】
(7)本発明の一態様は、移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)に対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置とは別個に設けられる第2制御装置のコンピュータに、前記ANノード及び前記第1制御装置から前記輻輳制御のための所定の情報を収集する情報収集ステップと、前記情報収集ステップが収集した前記情報に基づいて前記輻輳制御の必要性の判定を行う判定ステップと、前記判定ステップが前記輻輳制御の必要ありと判定した場合に、前記ANノードに対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する送信ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0011】
(8)本発明の一態様は、移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)のコンピュータに、ANノードに対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置と、前記第1制御装置とは別個に設けられる上記(1)から(4)のいずれかの制御装置(第2制御装置)との両方から、輻輳制御に関するメッセージを受信する受信ステップと、前記第1制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージと、前記第2制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージとのうち、いずれかの輻輳制御に関するメッセージを優先する輻輳制御ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0012】
(9)本発明の一態様は、移動通信システムにおけるアクセスネットワークノード(ANノード)に対して輻輳制御の開始を指示する第1制御装置とは別個に第2制御装置が設けられ、前記第2制御装置が、前記ANノード及び前記第1制御装置から前記輻輳制御のための所定の情報を収集する情報収集ステップと、前記第2制御装置が、前記情報収集ステップが収集した前記情報に基づいて前記輻輳制御の必要性の判定を行う判定ステップと、前記第2制御装置が、前記判定ステップが前記輻輳制御の必要ありと判定した場合に、前記ANノードに対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する送信ステップと、を含む制御方法である。
(10)本発明の一態様は、前記ANノードは、前記第1制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージと、前記第2制御装置から受信した輻輳制御に関するメッセージとのうち、いずれかの輻輳制御に関するメッセージを優先する、上記(9)の制御方法である。
(11)本発明の一態様は、前記ANノードは、前記輻輳制御の対象の信号の優先度に応じて、当該信号に対する規制確率を変更する、上記(9)又は(10)のいずれかの制御方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、AMFが過負荷状態に陥った際にANノードに対して安定的に輻輳制御を実行させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態に係る制御システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る輻輳制御開始段階の制御方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【
図3】一実施形態に係る輻輳制御終了段階の制御方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【
図4】一実施形態に係る輻輳制御開始段階の制御方法の手順の変形例を示すシーケンス図である。
【
図5】一実施形態に係る制御システムの装置構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る制御システム1の構成例を示すブロック図である。
図1において、制御システム1は、5GシステムのANノード群10(ANノード11)及びAMF群20(AMF21)に関する制御を行う。
【0016】
制御システム1は、オーケストレータ3と、RAN(Radio Access Network)コントローラ5と、コアコントローラ7と、を備える。RANコントローラ5は、AMF21に関する制御を行う。コアコントローラ7は、AMF21に関する制御を行う。オーケストレータ3は、RANコントローラ5及びコアコントローラ7を管理及び制御する。
【0017】
以下、本実施形態に係る制御システム1の動作を説明する。
【0018】
[輻輳制御開始段階]
図2を参照して
図1に示す制御システム1における輻輳制御開始段階の制御方法を説明する。
図2は、本実施形態に係る輻輳制御開始段階の制御方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0019】
(ステップS1) RANコントローラ5(RAN Con.)は、ANノード11から、輻輳制御に必要な情報を収集する。コアコントローラ7(Core Con.)は、AMF21から、輻輳制御に必要な情報を収集する。
【0020】
輻輳制御に必要な情報としては、例えば、リソース使用率(CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)、メモリ、記憶ディスク、NIC(Network Interface Card)などの使用率)、トラヒック容量、信号種別毎のトラヒック量、信号の遅延などが挙げられる。これらの輻輳制御に必要な情報の例のうち、収集の対象の情報が予めRANコントローラ5及びコアコントローラ7にそれぞれ設定される。
【0021】
輻輳制御に必要な情報は、AMF21及びANノードのそれぞれの内部に保持されるログ及び統計情報から収集することができる。又は、輻輳制御に必要な情報は、AMF21及びANノードのそれぞれのインフラストラクチャー(例えば仮想化基盤など)に保持される情報から生成される情報を収集することができる。
【0022】
例えば、AMF21やANノード11が仮想化基盤上のCNF(Cloud-native Network Function、クラウドネイティブネットワーク機能)として構築される場合、仮想化基盤に対応するモニタリングツールを用いることにより、仮想化基盤に保持される情報から生成されるCNFの例えばリソース使用率等の情報を収集することができる。また、仮想化基盤上でCNFに割り当てられているリソース量から求められるCNF自体のトラヒック容量を収集することができる。また、信号種別毎のトラヒック量や信号の遅延などのCNFに特有の情報については、CNFの内部に保持されるログや統計情報から収集することができる。
【0023】
(ステップS2) RANコントローラ5は、ANノード11から収集した輻輳制御に必要な情報をオーケストレータ3(Orchestrator)へ送信する。コアコントローラ7は、AMF21から収集した輻輳制御に必要な情報をオーケストレータ3へ送信する。輻輳制御に必要な情報がオーケストレータ3へ送信される時機は、定期的であってもよく、又は特定のイベントの発生時であってもよい。
【0024】
特定のイベントとは、例えば、コアコントローラ7がAMFから収集された輻輳制御に必要な情報に関して異常を検知したことである。この異状検知が発生したコアコントローラ7から輻輳制御に必要な情報を受信したオーケストレータ3は、RANコントローラ5に対して輻輳制御に必要な情報を問い合わせし、ANノード11から収集された輻輳制御に必要な情報をRANコントローラ5から受信してもよい。
【0025】
(ステップS3) オーケストレータ3は、RANコントローラ5及びコアコントローラ7からそれぞれに受信した輻輳制御に必要な情報に基づいて、ANノード11における輻輳制御の必要性を判定する。ANノード11における輻輳制御の必要性の判定方法の例を以下に示す。
【0026】
(輻輳制御の必要性の判定方法の例1)
AMF21のリソース使用率が所定の閾値を超過している場合は、ANノード11における輻輳制御の必要あり、一方、AMF21のリソース使用率が所定の閾値を超過していない場合は、ANノード11における輻輳制御の必要なし、と判定する。
【0027】
(輻輳制御の必要性の判定方法の例2)
ANノード11におけるAMF宛ての信号のトラヒック量の合計がAMF21のトラヒック容量を超過している場合は、ANノード11における輻輳制御の必要あり、一方、当該トラヒック量の合計がAMF21のトラヒック容量を超過していない場合は、ANノード11における輻輳制御の必要なし、と判定する。
【0028】
(輻輳制御の必要性の判定方法の例3)
5Gシステムの一部又は全てのネットワークスライスにおいて、AMF21からANノード11への応答信号に関する遅延の発生や応答失敗率の上昇が所定期間以上継続している場合は、ANノード11における輻輳制御の必要あり、一方、当該応答信号に関する遅延の発生や応答失敗率の上昇が所定期間以上継続していない場合は、ANノード11における輻輳制御の必要なし、と判定する。
【0029】
上記の輻輳制御の必要性の判定方法の例1,例2,例3は、単独で用いられてもよく、又は複数が組み合わされてもよい。
【0030】
ANノード11における輻輳制御の必要ありと判定された場合はステップS4に進む。一方、ANノード11における輻輳制御の必要なしと判定された場合は
図2の処理を終了する。
【0031】
(ステップS4) オーケストレータ3は、RANコントローラ5及びコアコントローラ7からそれぞれに受信した輻輳制御に必要な情報に基づいて、ANノード11における輻輳制御に使用されるパラメータを決定する。当該パラメータは、NASレベル輻輳制御においてAMF21が決定するパラメータを含んでもよい。NASレベル輻輳制御においてAMF21が決定するパラメータは、例えば、規制する信号の種類、信号の規制確率、輻輳制御の対象のNSSAI(Network Slice Selection Assistance Information)リスト、NSSAI毎の信号の規制確率などである。
【0032】
オーケストレータ3は、RANコントローラ5によって、ANノード11における信号種別ごとの単位時間あたりのトラヒック量(信号数)を取得することができる。また、オーケストレータ3は、コアコントローラ7によってAMF21のトラヒック容量を取得することができる。これにより、オーケストレータ3は、例えば次の(1)式を満たす値xを、信号の規制確率の適切な値として算出することができる。
【0033】
「D×(1-x)≦C」 ・・・(1)
Cは、AMF21のトラヒック容量(単位時間あたりに処理可能な信号数)である。Dは、ANノード11において輻輳制御が行われない場合に当該ANノード11から当該AMF21に送信される単位時間あたりの信号数の合計である。
また、オーケストレータ3は、輻輳制御を行うANノード11及び輻輳制御の対象のAMF21(ANノード11が輻輳制御により規制する信号の宛先になるAMF21)を決定する。
【0034】
(ステップS5) オーケストレータ3は、RANコントローラ5に対して、輻輳制御の指示メッセージを送信する。当該輻輳制御の指示メッセージは、輻輳制御を行うANノード11、輻輳制御の対象のAMF21、及びANノード11における輻輳制御に使用されるパラメータなどの情報を含む。
【0035】
(ステップS6) RANコントローラ5は、オーケストレータ3から輻輳制御の指示メッセージを受信すると、当該指示メッセージに示される輻輳制御を行うANノード11に対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する。当該輻輳制御開始メッセージは、輻輳制御の対象のAMF21、及びANノード11における輻輳制御に使用されるパラメータなどの情報を含む。
【0036】
(ステップS7) ANノード11は、RANコントローラ5から輻輳制御開始メッセージを受信すると、当該輻輳制御開始メッセージに示される輻輳制御の対象のAMF21を輻輳制御の対象にして、当該輻輳制御開始メッセージに含まれる輻輳制御に使用されるパラメータを用いた輻輳制御を開始する。当該輻輳制御は、当該輻輳制御の対象のAMF21から5G仕様に規定される「NGAP OVERLOAD START」メッセージを受信したANノードが実行する輻輳制御と同様の動作である。
【0037】
なお、ANノード11が既に輻輳制御を開始している状態(つまり、AMF21を輻輳制御の対象にした輻輳制御中の状態)において、当該ANノード11が新たに輻輳制御開始メッセージを受信した場合には、当該ANノード11は、新たに受信した輻輳制御開始メッセージに従ってもよい。この場合、ANノード11は、新たに受信した輻輳制御開始メッセージに含まれる輻輳制御に使用されるパラメータによって、既に開始している輻輳制御に使用されるパラメータを上書きしてもよい。
【0038】
[輻輳制御終了段階]
図3を参照して
図1に示す制御システム1における輻輳制御終了段階の制御方法を説明する。
図3は、本実施形態に係る輻輳制御終了段階の制御方法の手順の例を示すシーケンス図である。
【0039】
ANノード11は、AMF21を輻輳制御の対象にした輻輳制御中の状態である。
【0040】
(ステップS21) RANコントローラ5は、ANノード11から、輻輳制御に必要な情報を収集する。コアコントローラ7は、AMF21から、輻輳制御に必要な情報を収集する。これらの輻輳制御に必要な情報の収集は、上述した
図2のステップS1と同様である。
【0041】
(ステップS22) RANコントローラ5は、ANノード11から収集した輻輳制御に必要な情報をオーケストレータ3へ送信する。コアコントローラ7は、AMF21から収集した輻輳制御に必要な情報をオーケストレータ3へ送信する。これらのオーケストレータ3への輻輳制御に必要な情報の送信は、上述した
図2のステップS2と同様である。
【0042】
(ステップS23) オーケストレータ3は、RANコントローラ5及びコアコントローラ7からそれぞれに受信した輻輳制御に必要な情報に基づいて、ANノード11における輻輳制御の必要性を判定する。この輻輳制御の必要性の判定方法は、上述した
図2のステップS3と同様である。
【0043】
ANノード11における輻輳制御の必要ありと判定された場合はステップS4に進む。これ以降は上述した
図2のステップS4以降と同様である。一方、ANノード11における輻輳制御の必要なしと判定された場合はステップS24に進む。
【0044】
(ステップS24) オーケストレータ3は、RANコントローラ5に対して、輻輳制御終了の指示メッセージを送信する。当該輻輳制御終了の指示メッセージは、輻輳制御を終了するANノード11、及び輻輳制御終了の対象のAMF21などの情報を含む。
【0045】
(ステップS25) RANコントローラ5は、オーケストレータ3から輻輳制御終了の指示メッセージを受信すると、当該指示メッセージに示される輻輳制御を終了するANノード11に対して、輻輳制御の終了を命令する輻輳制御終了メッセージを送信する。当該輻輳制御終了メッセージは、輻輳制御終了の対象のAMF21などの情報を含む。
【0046】
(ステップS26) ANノード11は、RANコントローラ5から輻輳制御終了メッセージを受信すると、当該輻輳制御終了メッセージに示される輻輳制御終了の対象のAMF21に対する輻輳制御を終了する。当該輻輳制御の終了は、当該輻輳制御終了の対象のAMF21から5G仕様に規定される「NGAP OVERLOAD STOP」メッセージを受信したANノードが実行する輻輳制御と同様の動作である。
【0047】
[輻輳制御開始段階の変形例]
図4を参照して
図1に示す制御システム1における輻輳制御開始段階の制御方法の変形例を説明する。
図3は、本実施形態に係る輻輳制御開始段階の制御方法の手順の変形例を示すシーケンス図である。
【0048】
本輻輳制御開始段階の変形例では、オーケストレータ3がANノード11における輻輳制御の必要性の判定を行う前に、AMF21のリソース拡張を行うことによって、AMF21の過負荷状態を好転させることを試みる。
【0049】
(ステップS41) RANコントローラ5は、ANノード11から、輻輳制御に必要な情報を収集する。コアコントローラ7は、AMF21から、輻輳制御に必要な情報を収集する。これらの輻輳制御に必要な情報の収集は、上述した
図2のステップS1と同様である。
【0050】
(ステップS42) コアコントローラ7は、AMF21(#1)から収集した輻輳制御に必要な情報に基づいて、AMF21(#1)が使用可能なリソースを拡張するか否かを判断する。この判断では、コアコントローラ7は、AMF21(#1)の過負荷状態又は過負荷状態の予兆を示す所定の条件が満たされる場合にAMF21(#1)が使用可能なリソースを拡張すると判断し、一方、当該条件が満たされない場合にはAMF21(#1)が使用可能なリソースを拡張しないと判断する。
【0051】
コアコントローラ7は、AMF21が使用可能なリソースを拡張すると判断した場合に、AMF21が使用可能なリソースを拡張する制御を行う。例えば、コアコントローラ7は、AMF21(#1)に割り当てるリソースを増やす(スケールアップ)。例えば、コアコントローラ7は、追加のAMF21(#2)を構築する(スケールアウト)。この後、ステップS43に進む。
【0052】
(ステップS43) RANコントローラ5は、ANノード11から、輻輳制御に必要な情報を収集する。コアコントローラ7は、AMF21(#1)、(#2)から、輻輳制御に必要な情報を収集する。これらの輻輳制御に必要な情報の収集は、上述した
図2のステップS1と同様である。
【0053】
(ステップS44) RANコントローラ5は、ANノード11から収集した輻輳制御に必要な情報をオーケストレータ3へ送信する。コアコントローラ7は、AMF21(#1)、(#2)から収集した輻輳制御に必要な情報をオーケストレータ3へ送信する。これらのオーケストレータ3への輻輳制御に必要な情報の送信は、上述した
図2のステップS2と同様である。
【0054】
(ステップS45) オーケストレータ3は、RANコントローラ5及びコアコントローラ7からそれぞれに受信した輻輳制御に必要な情報に基づいて、ANノード11における輻輳制御の必要性を判定する。この輻輳制御の必要性の判定方法は、上述した
図2のステップS3と同様である。
【0055】
ANノード11における輻輳制御の必要ありと判定された場合はステップS4に進む。これ以降は上述した
図2のステップS4以降と同様である。一方、ANノード11における輻輳制御の必要なしと判定された場合は
図4の処理を終了する。
【0056】
以上が本実施形態に係る制御システム1の輻輳制御開始段階、輻輳制御終了段階、及び輻輳制御開始段階の変形例における各動作の説明である。
【0057】
なお、ANノード11は、RANコントローラ5とAMF21との両方から輻輳制御に関するメッセージを受信する場合がある。具体的には、ANノード11は、RANコントローラ5から輻輳制御開始メッセージや輻輳制御終了メッセージを受信する一方で、AMF21から「NGAP OVERLOAD START」メッセージや「NGAP OVERLOAD STOP」メッセージを受信する場合がある。
【0058】
ANノード11は、RANコントローラ5から受信した輻輳制御に関するメッセージと、AMF21から受信した輻輳制御に関するメッセージとのうち、いずれかのメッセージを優先する。
【0059】
例えば、ANノード11に対して、RANコントローラ優先フラグのオンオフ制御を設けてもよい。このオンオフ制御では、ANノード11は、RANコントローラ5から輻輳制御開始メッセージを受信した場合にRANコントローラ優先フラグをオンにし、RANコントローラ5から輻輳制御終了メッセージを受信した場合にRANコントローラ優先フラグをオフにする。ANノード11は、RANコントローラ優先フラグがオンである場合には、RANコントローラ5から受信した輻輳制御に関するメッセージに従う。
【0060】
例えば、ANノード11に対して、RANコントローラ5から受信した輻輳制御に関するメッセージの内容と、AMF21から受信した輻輳制御に関するメッセージの内容とが異なる場合には、RANコントローラ5から受信した輻輳制御に関するメッセージに従うように予め設定してもよい。これにより、ANノード11は、RANコントローラ5から受信した輻輳制御に関するメッセージの内容と、AMF21から受信した輻輳制御に関するメッセージの内容とが異なる場合には、RANコントローラ5から受信した輻輳制御に関するメッセージに従う。
【0061】
例えば、ANノード11に対して、最後に受信した輻輳制御に関するメッセージに従うように予め設定してもよい。これにより、ANノード11は、常に最後に受信した輻輳制御に関するメッセージに従う。
【0062】
また、ANノード11は、輻輳制御の対象の信号の優先度に応じて、当該信号に対する規制確率を変更してもよい。
【0063】
5G仕様おいて、AMF21を輻輳制御の対象にした輻輳制御中の状態にあるANノード11は、当該AMF21宛ての信号のうち所定の規制条件に合致する信号に対し、規制確率がある場合に規制確率分は当該AMF21へ送信しない規制を行い、一方、規制確率がない場合には全部を当該AMF21へ送信しない規制を行う。当該規制条件は、以下に示す2種類(規制条件1,2)が存在する(非特許文献2、8.7.7「動作概要」及び9.2.6.14「メッセージ構成」参照)。
(規制条件1)
所定の種類の信号(「AMF Overload Response IE」内の「Overload Action IE」で定めるもの)に合致する信号に対して規制を行う。この規制確率は「AMF Traffic Load Reduction Indication IE」で示される。
(規制条件2)
規制条件2は、スライス識別子(S-NSSAI)を利用する。
ユーザ端末(UE)からの要求に含まれるNSSAIが、輻輳制御の対象のS-NSSAIリスト(「Overload Start NSSAI List IE」内にあるS-NSSAIリスト)に全て含まれる場合に規制を行う。もし所定の種類の信号(「Slice Overload Response IE」内の「Overload Action IE」で定めるもの)が示されている場合には、当該所定の種類の信号に合致する信号に対して規制を行う。この規制確率は「Slice Traffic Load Reduction Indication IE」で示される。
なお、S-NSSAIが1つのスライス識別子であり、NSSAIはS-NSSAIの集まりである。
【0064】
したがって、5G仕様では、規制される信号の中に他の信号よりも優先度の高い信号があったとしても、一律に同じ規制確率で規制されてしまう。このため、輻輳制御の対象の信号の優先度に応じて、当該信号に対する規制確率を変更することは好ましい。これにより、規制される信号の中でも優先度の高い信号は通信しやすくすることができる。
【0065】
例えば、ANノード11は、信号種別ごとに過去のトラヒック量を記録し、この記録に基づいて信号種別毎の優先度を判定する。例えば、単位時間あたりのトラヒック量が多い信号種別ほど優先度をより高くする。ANノード11は、信号の規制確率に基づいて求めた規制される信号の規制総量(信号種別に無関係の規制総量)を変えないようにしながら、優先度の高い信号種別の規制確率を下げると共に優先度の低い信号種別の規制確率を上げるように、各信号種別の規制確率を制御してもよい。
【0066】
図5は、本実施形態に係る制御システム1の装置構成例を示すブロック図である。
図5に示される制御システム1は、AMF21(第1制御装置)と、第2制御装置50とを備える。AMF21と第2制御装置50とは通信回線で接続されている。AMF21及び第2制御装置50は、ANノード11と通信回線で接続されている。第2制御装置50は、上述した
図1に示されるRANコントローラ5、コアコントローラ7及びオーケストレータ3に対応する制御装置である。
【0067】
第2制御装置50は、5Gシステム(移動通信システム)におけるアクセスネットワークノード(ANノード)11に対して輻輳制御の開始を指示するAMF21(第1制御装置)とは別個に設けられる制御装置である。第2制御装置50は、情報収集部51と、判定部52と、パラメータ決定部53と、送信部54と、リソース拡張制御部55とを備える。
【0068】
情報収集部51は、ANノード11及びAMF21から、ANノード11における輻輳制御のための所定の情報を収集する。判定部52は、情報収集部51が収集した当該情報に基づいてANノード11における輻輳制御の必要性の判定を行う。送信部54は、判定部52がANノード11における輻輳制御の必要ありと判定した場合に、当該ANノード11に対して、輻輳制御の開始を命令する輻輳制御開始メッセージを送信する。
【0069】
パラメータ決定部53は、情報収集部51が収集した当該情報に基づいて、ANノード11における輻輳制御に使用されるパラメータを決定する。送信部54は、判定部52がANノード11における輻輳制御の必要ありと判定した場合に、当該ANノード11に対して、パラメータ決定部53が決定した当該パラメータを通知するメッセージを送信する。
【0070】
送信部54は、判定部52がANノード11における輻輳制御の必要なしと判定した場合に、当該ANノード11に対して、輻輳制御の終了を命令する輻輳制御終了メッセージを送信する。
【0071】
リソース拡張制御部55は、情報収集部51が収集した当該情報に基づいて、AMF21が使用可能なリソースを拡張する制御を行う。判定部52は、リソース拡張制御部55の当該制御によってAMF21が使用可能なリソースが拡張された後に情報収集部51が収集した当該情報に基づいてANノード11における輻輳制御の必要性の判定を行う。
【0072】
ANノード11は、5Gシステム(移動通信システム)におけるアクセスネットワークノード(ANノード)である。ANノード11は、受信部111と、輻輳制御部112とを備える。
【0073】
受信部111は、ANノード11に対して輻輳制御の開始を指示するAMF21(第1制御装置)と、当該AMF21とは別個に設けられる第2制御装置50との両方から、輻輳制御に関するメッセージを受信する。輻輳制御部112は、AMF21から受信した輻輳制御に関するメッセージと、第2制御装置50から受信した輻輳制御に関するメッセージとのうち、いずれかの輻輳制御に関するメッセージを優先する。輻輳制御部112は、輻輳制御の対象の信号の優先度に応じて、当該信号に対する規制確率を変更する。
【0074】
本実施形態によれば、第2制御装置50(RANコントローラ5、コアコントローラ7及びオーケストレータ3)が設けられることによって、AMF21が過負荷状態に陥った際にANノード11に対して安定的に輻輳制御を実行させることができるという効果が得られる。
【0075】
また、第2制御装置50(RANコントローラ5、コアコントローラ7及びオーケストレータ3)によって、ANノード11における信号の規制確率を算出するために必要な情報を取得することができる。これにより、ANノード11における信号の規制確率の適切な値を算出することが可能になる。
【0076】
なお、これにより、例えば5Gシステム等の移動通信システムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0078】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0079】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…制御システム、3…オーケストレータ、5…RANコントローラ、7…コアコントローラ、10…ANノード群、11…ANノード、20…AMF群、21…AMF、51…情報収集部、52…判定部、53…パラメータ決定部、54…送信部、55…リソース拡張制御部、111…受信部、112…輻輳制御部