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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023150944
(43)【公開日】2023-10-16
(54)【発明の名称】歩行型作業機
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20231005BHJP
   B60K 20/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B60K20/02 E
B60K20/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022060302
(22)【出願日】2022-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 恵一
(72)【発明者】
【氏名】岡部 直宗
(72)【発明者】
【氏名】森脇 稔仁
(72)【発明者】
【氏名】木下 裕生
(72)【発明者】
【氏名】増田 繁
【テーマコード(参考)】
3D040
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA14
3D040AB05
3D040AC13
3D040AC28
3D040AC63
3D040AD08
(57)【要約】
【課題】ハンドルの回動に伴って、変速操作具が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる歩行型作業機を提供する。
【解決手段】第一の作業位置(正ハンドル位置)と、前記第一の作業位置から反転した第二の作業位置(逆ハンドル位置)と、の間で回動可能なハンドル30と、前記ハンドル30と一体的に回動可能であり、径方向外側に向けて突出する突出部(第一突出部251a及び第二突出部251b)を有し、前記突出部を用いて前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制する回動部材251と、を具備した。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速操作が可能な変速操作具と、
第一の作業位置と、前記第一の作業位置から反転した第二の作業位置と、の間で回動可能なハンドルと、
前記ハンドルと一体的に回動可能であり、径方向外側に向けて突出する突出部を有し、前記突出部を用いて前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制する回動部材と、
を具備する歩行型作業機。
【請求項2】
前記突出部に当接可能となるように配置され、前記回動部材の回動に応じて前記突出部に押圧されることで変位し、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制するけん制部をさらに具備する、
請求項1に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
前記けん制部は、
前記回動部材の回動軸線方向に対して垂直な方向に変位する、
請求項2に記載の歩行型作業機。
【請求項4】
前記突出部は、
第一突出部と、
前記第一突出部とは異なる第二突出部と、を含み、
前記けん制部は、
前記ハンドルが前記第一の作業位置に回動される場合に、前記第一突出部に押圧されることで第一のけん制位置に変位し、
前記ハンドルが前記第二の作業位置に回動される場合に、前記第二突出部に押圧されることで第二のけん制位置に変位する、
請求項2又は請求項3に記載の歩行型作業機。
【請求項5】
前記変速操作具の変速操作をガイドするガイド溝が形成されたガイド板をさらに具備し、
前記けん制部は、
前記ガイド溝の一部分を塞ぐことで、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制する、
請求項2に記載の歩行型作業機。
【請求項6】
前記変速操作具の変速操作をガイドするガイド溝が形成されたガイド板をさらに具備し、
前記突出部は、
前記ガイド溝の一部分を塞ぐことで、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制する、
請求項1に記載の歩行型作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドルの向きを反転させることが可能な歩行型作業機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハンドルの向きを反転させることが可能な歩行型作業機の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、正ハンドル位置と逆ハンドル位置の間で回転可能なハンドルを具備する歩行型作業機が開示されている。特許文献1に記載の技術では、ハンドルが逆ハンドル位置に支持されているときには、歩行型作業機が作業者に接近する方向に走行する速度を低速のみ選択することができるように、変速操作がけん制される。
【0004】
具体的には、特許文献1に記載の歩行型作業機は、変速操作をけん制(規制)するための走行変速規制部材を具備している。作業者は、ハンドルの位置に応じて走行変速規制部材を所定の方向へ移動させる。この走行変速規制部材によって、変速操作を行うための操作具の移動がけん制され、高速への変速操作が不能となる。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ハンドルの位置に応じて作業者自身が走行変速規制部材を操作する必要があり、歩行型作業機の操作が煩雑である点で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-147145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の一態様は、以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ハンドルの回動に伴って、変速操作具が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる歩行型作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
本開示の一態様に係る歩行型作業機は、変速操作が可能な変速操作具と、第一の作業位置と、前記第一の作業位置から反転した第二の作業位置と、の間で回動可能なハンドルと、前記ハンドルと一体的に回動可能であり、径方向外側に向けて突出する突出部を有し、前記突出部を用いて前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制する回動部材と、を具備するものである。
本開示の一態様によれば、ハンドルの回動に伴って、変速操作具が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる。
【0010】
また、本開示の一態様に係る歩行型作業機は、前記突出部に当接可能となるように配置され、前記回動部材の回動に応じて前記突出部に押圧されることで変位し、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制するけん制部をさらに具備するものである。
本開示の一態様によれば、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0011】
また、本開示の一態様に係る前記けん制部は、前記回動部材の回動軸線方向に対して垂直な方向に変位するものである。
本開示の一態様によれば、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0012】
また、本開示の一態様に係る前記突出部は、第一突出部と、前記第一突出部とは異なる第二突出部と、を含み、前記けん制部は、前記ハンドルが前記第一の作業位置に回動される場合に、前記第一突出部に押圧されることで第一のけん制位置に変位し、前記ハンドルが前記第二の作業位置に回動される場合に、前記第二突出部に押圧されることで第二のけん制位置に変位するものである。
本開示の一態様によれば、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0013】
また、本開示の一態様に係る歩行型作業機は、前記変速操作具の変速操作をガイドするガイド溝が形成されたガイド板をさらに具備し、
前記けん制部は、
前記ガイド溝の一部分を塞ぐことで、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。
本開示の一態様によれば、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0014】
また、本開示の一態様に係る歩行型作業機は、前記変速操作具の変速操作をガイドするガイド溝が形成されたガイド板をさらに具備し、
前記突出部は、
前記ガイド溝の一部分を塞ぐことで、前記変速操作具の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。
本開示の一態様によれば、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一態様によれば、ハンドルの回動に伴って、変速操作具が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の一態様に係る歩行型作業機の全体的な構成を示した側面図。
図2】同じく、平面図。
図3】第一実施形態に係るハンドル支持台、ハンドル、変速操作機構及びけん制機構を示した斜視図。
図4図4の各部を分解した状態を示した分解斜視図。
図5】ハンドル支持台、変速操作機構及びけん制機構を示した正面図。
図6】ガイドプレートを示した正面図。
図7】(a)回動部材を示した平面図。(b)同じく、側面図。
図8】(a)正ハンドル位置における回動部材と当接部の位置関係を示した平面図。(b)同じく、回動部材の径方向外側から見た模式図。
図9】(a)逆ハンドル位置における回動部材と当接部の位置関係を示した平面図。(b)同じく、回動部材の径方向外側から見た模式図。
図10】(a)けん制プレートが下降した状態を示した正面図。(b)けん制プレートが上昇した状態を示した正面図。
図11】(a)下方付勢部材を設けた例において、逆ハンドル位置における回動部材等を示した模式図。(b)同じく、正ハンドル位置における回動部材等を示した模式図。
図12】(a)第一実施形態の変形例において、逆ハンドル位置における回動部材等を示した模式図。(b)同じく、正ハンドル位置における回動部材等を示した模式図。
図13】第二実施形態に係るハンドル支持台、ハンドル、変速操作機構及びけん制機構を示した分解斜視図。
図14】ハンドル支持台、変速操作機構及びけん制機構を示した正面図。
図15】(a)内側円筒部に形成された案内面を示した正面図。(b)同じく、側面図。(c)同じく、底面図。
図16】(a)正ハンドル位置における案内面と当接部の位置関係を示した模式図。(b)逆ハンドル位置における案内面と当接部の位置関係を示した模式図。
図17】(a)第二実施形態の変形例において、正ハンドル位置における案内溝と当接部の位置関係を示した模式図。(b)逆ハンドル位置における案内溝と当接部の位置関係を示した模式図。
図18】第三実施形態に係るハンドル支持台、ハンドル、変速操作機構及びけん制機構を示した斜視図。
図19図4のガイドプレート及びハンドルを分解した状態を示した分解斜視図。
図20】ハンドル支持台、変速操作機構及びけん制機構を示した正面図。
図21】ガイドプレートを示した平面図。
図22】正ハンドル位置における回動部材、けん制部及びガイドプレートを示した平面図。
図23】逆ハンドル位置における回動部材、けん制部及びガイドプレートを示した平面図。
図24】第四実施形態に係るハンドル支持台、ハンドル、変速操作機構及びけん制機構を示した分解斜視図。
図25】ハンドル支持台、変速操作機構及びけん制機構を示した正面図。
図26】正ハンドル位置における回動部材及びガイドプレートを示した平面図。
図27】逆ハンドル位置における回動部材及びガイドプレートを示した平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0018】
以下では、図1及び図2を用いて本発明の第一実施形態に係る歩行型作業機1の全体構成について説明する。
【0019】
歩行型作業機1は、主としてミッションケース2、車輪3、エンジン支持フレーム4、エンジン5、燃料タンク6、ベルトカバー8、ハンドル支持台20、ハンドル30、変速操作機構40及びけん制機構50等を具備する。
【0020】
ミッションケース2は、変速段(複数段の前後進)の切り換えを行うことが可能な変速機構を収容している。ミッションケース2の左右には、車軸を介して左右一対の車輪3が設けられている。ミッションケース2の前部にはエンジン支持フレーム4が固定されている。エンジン支持フレーム4には、エンジン5及び燃料タンク6が搭載されている。燃料タンク6の上面には、燃料を給油するための円筒状の給油口6aが形成されている。
【0021】
エンジン5及びミッションケース2の左側方には、ベルトカバー8が設けられている。ベルトカバー8の内側には、エンジン5の動力をミッションケース2に伝達するための伝動機構(不図示)が収容されている。当該伝動機構には動力の伝達の可否を切り換える主クラッチが設けられている。
【0022】
ミッションケース2の上部には、ハンドル支持台20が設けられている。ハンドル支持台20には、ハンドル30が回動可能となるように設けられている。ハンドル30は、略垂直方向の軸線回りに回動することができる。これによってハンドル30の回動位置を、後方に向けられた正ハンドル位置(図1に実線で示した位置)と、正ハンドル位置から反転されて前方に向けられた逆ハンドル位置(図1に二点鎖線で示した位置)と、に切り換えることができる。
【0023】
ハンドル30を正ハンドル位置に設定した状態では、作業者は歩行型作業機1の後方に立って、歩行型作業機1を操作しながら各種作業(以下では便宜上、この状態での作業を「正位置作業」と称する)を行う。またハンドル30を逆ハンドル位置に設定した状態では、作業者は歩行型作業機1の前方に立って、歩行型作業機1を操作しながら各種作業(以下では便宜上、この状態での作業を「逆位置作業」と称する)を行う。
【0024】
ハンドル30の左側方には、変速機構の変速段を切り換える操作を行うための変速操作機構40が設けられている。変速操作機構40による変速操作は、後述するけん制機構50(図4等参照)によって適宜けん制される。
【0025】
次に、変速操作機構40による変速操作のけん制に関する構成(具体的には、図2及び図3等に示すハンドル支持台20、ハンドル30、変速操作機構40及びけん制機構50)について、詳細に説明する。
【0026】
図3及び図4に示すハンドル支持台20は、ハンドル30を回動可能に支持するものである。ハンドル支持台20は、主として支持台本体21及び支点軸22を具備する。
【0027】
図4及び図5に示す支持台本体21は、ハンドル支持台20の主要な構造体を形成する部分である。支持台本体21は、上面、及び上面の両端から下方に延びる一対の側面を有する正面視略U字状に形成される。支持台本体21の左側面には、当該左側面の上端部から下端部に亘って、上下に延びるスリット21aが形成される。
【0028】
支点軸22は、後述するハンドル30や回動部材51等の回動支点となる部分である。支点軸22は、略円筒状に形成される。支点軸22は、軸線(後述するハンドル30等の回動軸線)を上下方向に向けて配置される。支点軸22は、支持台本体21の上面の略中央部分に固定される。支点軸22は、支持台本体21の上面から上方に突出するように配置される。
【0029】
図1から図3に示すハンドル30は、歩行型作業機1を操縦する際に作業者が把持する部分である。ハンドル30は、主としてハンドル本体31、ハンドル基部32及び回動連結部33を具備する。
【0030】
図1及び図2に示すハンドル本体31は、ハンドル30のうち先端側を形成する部分である。ハンドル本体31には、作業者が把持可能なグリップや各種の操作具等が設けられる。ハンドル本体31は、後述するハンドル基部32に固定される。
【0031】
図1から図3に示すハンドル基部32は、ハンドル30のうち基端側を形成する部分である。ハンドル基部32は、複数の板状部材を組み合わせた中空の箱状に形成される。
【0032】
図3及び図4に示す回動連結部33は、ハンドル支持台20に連結される部分である。回動連結部33は、二重に配置された2つの円筒状の部材(外側円筒部33a及び内側円筒部33b)を具備する。内側円筒部33bは、外側円筒部33aの内側に配置される。外側円筒部33aと内側円筒部33bの間には適宜の隙間が形成される。外側円筒部33a及び内側円筒部33bは、軸線を上下方向に向けて配置される。
【0033】
外側円筒部33aの内側(内側円筒部33bよりも外側)には、ハンドル支持台20の支点軸22が相対回動可能となるように挿通される。また、内側円筒部33bは、支点軸22に挿通される。これによってハンドル30は、支点軸22の軸線回りに回動することができる。
【0034】
図1から図3に示す変速操作機構40は、ミッションケース2に収容された変速機構の変速段を切り換える(変速する)ためのものである。変速操作機構40は、ハンドル30の回動連結部33の左側に配置される。変速操作機構40は、主として変速操作具41、リンク機構42、ガイド棒43及びガイドプレート44を具備する。
【0035】
変速操作具41は、変速操作を行うためのものである。変速操作具41は、長手状に形成される。変速操作具41の一端部(先端部)には、作業者が把持するためのグリップが設けられる。変速操作具41の他端部(基端部)は、後述するリンク機構42に連結される。
【0036】
図3及び図4に示すリンク機構42は、変速操作具41の操作に応じて変速機構の変速段を切り換えるものである。リンク機構42は、主としてボス部42a及びリンク部42bを具備する。
【0037】
ボス部42aは、変速操作具41が連結される部分である。ボス部42aは、略円筒状に形成される。ボス部42aは、軸線を略上下方向に向けて配置される。ボス部42aには、変速操作具41の一端部が挿通される。
【0038】
リンク部42bは、変速機構の変速段を切り換えるものである。リンク部42bは、ボス部42aの下部に固定される。リンク部42bは、適宜のリンク機構(不図示)を介してミッションケース2に収容された副変速機構に連結される。変速操作具41が操作されると、リンク部42bを介して変速機構の変速段が切り換えられる。
【0039】
ガイド棒43は、後述するガイドプレート44と共に、変速操作具41の操作方向を案内するものである。ガイド棒43は、略円柱状の部材により形成される。ガイド棒43の後部は、ボス部42aに固定される。ガイド棒43の前部は、ボス部42aから前方に向かって突出するように配置される。
【0040】
ガイドプレート44は、ガイド棒43を案内するものである。ガイドプレート44は、板状の部材により形成される。ガイドプレート44は、板面を前後に向けた状態で配置される。ガイドプレート44は、支持台本体21の左側面に固定される。ガイドプレート44は、支持台本体21のスリット21aから左方に突出するように配置される。ガイドプレート44には、ガイド溝Gが形成される。
【0041】
図6に示すガイド溝Gは、ガイド棒43を案内するためのものである。ガイド溝Gは、ガイドプレート44を前後に貫通するように形成される。ガイド溝Gは、全体的に上下方向に長く延びるような形状(長手状)に形成される。以下、ガイド溝Gの形状についてより詳細に説明する。ガイド溝Gは、主として縦溝GV及び複数の横溝GSを具備する。
【0042】
縦溝GVは、上下方向に長く延びる直線状の部分である。横溝GSは、左右方向に長く延びる直線状の部分である。横溝GSの長さは、縦溝GVの長さよりも短く形成される。複数の横溝GSは、縦溝GVの上端から下端に向かって略等間隔に並ぶように形成される。本実施形態では、4つの横溝GSが形成されている。複数の横溝GSは、それぞれ縦溝GVから左右に延びるように形成される。
【0043】
図4に示すように、ガイドプレート44のガイド溝Gには、ガイド棒43が挿通される。これによってガイド棒43は、ガイド溝Gによって移動可能な方向が規制され、ガイド溝Gの形状に沿って移動するように案内される。すなわち、変速操作具41による変速操作(操作方向)が、ガイド溝Gによって案内される。
【0044】
またガイド溝Gは、歩行型作業機1の各変速段に対応した形状となるように形成されている。具体的には、変速機構がいずれかの変速段(前進1速、前進2速、・・・、後進1速、後進2速、・・・等)に切り換えられた場合、ガイド棒43が複数の横溝GSの左右両端部(図6に示す変速位置P1~P8)のいずれかに位置するように設定されている。変速機構の変速段と、ガイド溝Gにおける変速位置Pの対応関係は特に限定するものではなく、変速機構の構成等に応じて任意に設定することができる。
【0045】
ここで、ハンドル30が正ハンドル位置に向けられた状態と、ハンドル30が逆ハンドル位置に向けられた状態とでは、共通の変速機構を使用する関係上、変速機構を同じ変速段に変速したとしても、作業者を基準とした歩行型作業機1の進行方向は前後逆転することになる。例えば、ハンドル30が正ハンドル位置に向けられた状態における「前進の最高速」に相当する変速段は、ハンドル30が逆ハンドル位置に向けられた状態においては「後進の最高速」に相当する変速段となる。
【0046】
このように、ハンドル30の位置(正ハンドル位置及び逆ハンドル位置)によって変速機構の変速段が前後逆転するため、ハンドル30の位置に応じて所定の変速段への変速操作を規制することが好ましい場合がある。例えば、後進方向への高速の変速段は作業に用いられることがないと考えられるため、当該変速段への変速操作を予め規制することが好ましい。そこで本実施形態では、後述するけん制機構50によって、所定の変速段への変速操作が規制されている。
【0047】
図4及び図5に示すけん制機構50は、変速操作具41による所定の変速段への変速操作をけん制(規制)するものである。けん制機構50は、主として回動部材51及びけん制部52を具備する。
【0048】
図4図5及び図7に示す回動部材51は、後述するけん制部52をハンドル30の位置に応じて移動させるためのものである。回動部材51は、板面を上下方向に向けた平板状に形成される。回動部材51は、平面視において円形の外周部分の一部(図7においては、後側部分)を切り欠いたような略扇状に形成される。回動部材51は、支持台本体21の内側(上面の下側)において、ハンドル30の内側円筒部33bの下端部に固定される。これによって回動部材51は、ハンドル30と一体的に回動することができる。回動部材51は、当該回動部材51の上面(上端面)によって後述するけん制部52を上下方向に移動するように案内することができる。以下、回動部材51の上面を案内面51aと称する。
【0049】
案内面51aの一部分(周方向において、切り欠きに面する部分)には、下向きに傾斜する傾斜部51bが形成される。傾斜部51bは、回動部材51の一部分を下方に向かって屈曲させることで形成される。
【0050】
図4及び図5に示すけん制部52は、ガイドプレート44のガイド溝Gを塞ぐことで、変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。けん制部52は、主としてけん制プレート52a及び当接部52bを具備する。
【0051】
けん制プレート52aは、ガイドプレート44のガイド溝Gを塞ぐ部分である。けん制プレート52aは、板状の部材により形成される。けん制プレート52aは、板面を前後に向けた状態で配置される。けん制プレート52aは、支持台本体21のスリット21aから左方に突出するように配置される。けん制プレート52aは、スリット21aに沿って上下に移動可能となるように配置される。けん制プレート52aは、正面視において上方に向かって開口する略U字状に形成される。けん制プレート52aの側部同士の左右の間隔は、ガイドプレート44のガイド溝Gの左右幅と略同一となるように形成される。
【0052】
けん制プレート52aの左右両側部には、それぞれ左右方向内側に向かって突出する突出部52cが複数形成される。突出部52cは、ガイドプレート44のガイド溝Gの形状に応じた位置(けん制すべき変速段に応じた位置)に形成される。本実施形態では、けん制プレート52aには、左右2つずつの突出部52cが形成される。左側の突出部52cは、右側の突出部52cよりも低い位置に形成される。
【0053】
当接部52bは、回動部材51の案内面51aに対して当接可能な部分である。当接部52bは、略円柱状に形成される。当接部52bは、軸線を左右方向に向けて配置される。当接部52bの左端部は、けん制プレート52aの前側面に固定される。これによって当接部52bは、けん制プレート52aから右方に突出するように配置される。当接部52bは、支持台本体21のスリット21aを介して、支持台本体21の内側に延びるように配置される。当接部52bは、スリット21aに形成された段差部21b(図8(b)参照)によって、下方への移動が制限されている。
【0054】
以下では、上述の如く構成された歩行型作業機1において、変速操作具41の変速操作がけん制される様子について説明する。
【0055】
まず、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態について説明する。
【0056】
ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態では、図8に示すように、当接部52bは回動部材51の案内面51aから離間している。この状態では、当接部52bは自重によって段差部21bと当接する位置まで下降している。
【0057】
この状態では、図10(a)に示すように、けん制プレート52aはガイドプレート44に対して相対的に下降している。具体的には、けん制プレート52aは、左側の2つの突出部52cが、それぞれ変速位置P6及び変速位置P8を前方から塞ぐ位置まで下降している。この際、右側の2つの突出部52cは、変速位置P1~P8を塞がない位置に配置されている。これによって、変速操作機構40のガイド棒43は変速位置P6及び変速位置P8へと移動することができなくなるため、当該変速位置に対応する変速段への変速操作がけん制される。例えば、変速位置P6及び変速位置P8に相当する変速段として、後進方向へ高速で移動する変速段等(正ハンドル位置で使用することが想定されない変速段)が設定されている場合、当該変速段への変速操作を予めけん制することで、作業性を向上させることができる。
【0058】
次に、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられる際の様子について説明する。
【0059】
ハンドル30を正ハンドル位置から逆ハンドル位置に切り換える場合、ハンドル30は、支点軸22を中心として平面視反時計回りに回動される。ハンドル30が回動すると、回動部材51はハンドル30と一体的に回動する。
【0060】
回動部材51が回動すると、回動部材51の傾斜部51bが相対的に当接部52bに近づく。さらに回動部材51が回動すると、図9に示すように、当接部52bは傾斜部51bを介して回動部材51(案内面51a)に乗り上げるように上昇する。すなわち当接部52bは、回動部材51の回動に応じて、回動部材51の回動軸線方向に変位することになる。
【0061】
次に、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられた状態について説明する。
【0062】
ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられている状態では、図9に示すように、当接部52bは案内面51aに載置された状態で保持されている。この状態では、図10(b)に示すように、けん制プレート52aはガイドプレート44に対して相対的に上昇している。具体的には、けん制プレート52aは、右側の2つの突出部52cが、それぞれ変速位置P1及び変速位置P3を前方から塞ぐ位置まで下降している。この際、左側の2つの突出部52cは、変速位置P1~P8を塞がない位置に配置されている。これによって、変速操作機構40のガイド棒43は変速位置P1及び変速位置P3へと移動することができなくなるため、当該変速位置に対応する変速段への変速操作がけん制される。例えば、変速位置P1及び変速位置P3に相当する変速段として、後進方向へ高速で移動する変速段等(逆ハンドル位置で使用することが想定されない変速段)が設定されている場合、当該変速段への変速操作を予めけん制することで、作業性を向上させることができる。
【0063】
なお、上述の場合とは逆に、ハンドル30が逆ハンドル位置(図9参照)から正ハンドル位置(図8参照)に切り換えられると、けん制部52は自重によって下降し、再び変速位置P6及び変速位置P8を前方から塞ぐ状態になる(図10(a)参照)。このようにけん制機構50は、ハンドル30の回動に伴って、変速操作具41による所定の変速段への変速操作を自動的にけん制することができる。
【0064】
以上の如く、第一実施形態に係る歩行型作業機1は、
変速操作が可能な変速操作具41と、
第一の作業位置(正ハンドル位置)と、前記第一の作業位置から反転した第二の作業位置(逆ハンドル位置)と、の間で回動可能なハンドル30と、
前記ハンドル30と一体的に回動可能な回動部材51と、
前記回動部材51と接するように配置され、前記回動部材51の回動に応じて前記回動部材51の回動軸線方向に変位することで、前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するけん制部52と、
を具備するものである。
このように構成することにより、ハンドル30の回動に伴って、変速操作具41が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる。これによって、作業性を向上させることができる。また上記構成によって、けん制のための構成を簡素化することができる。
【0065】
また、前記回動部材51の前記回動軸線方向における端面(上面)には、前記けん制部52を案内する案内面51aが形成されるものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0066】
また、前記案内面51aは、
前記回動部材51の上端面に形成されるものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0067】
なお、本実施形態ではけん制部52が自重によって下降する例を示しているが、付勢部材(例えば、圧縮コイルスプリング、引張りコイルスプリング、板ばね等)を用いて、けん制部52を下方へと付勢するように構成することも可能である。図11には、圧縮コイルスプリングにより構成された下方付勢部材53を用いて、けん制部52(当接部52b)を下方に付勢する例を示している。これによって、ハンドル30が逆ハンドル位置(図11(a)参照)から正ハンドル位置(図11(b)参照)に切り換えられた際に、下方付勢部材53の付勢力を用いてけん制部52を下降させることができるため、けん制部52を円滑に動作させることができる。
【0068】
このように、歩行型作業機1は、前記けん制部52を下方へと付勢する下方付勢部材53をさらに具備することも可能である。
このように構成することにより、けん制部52を円滑に動作させることができる。
【0069】
次に、図12を用いて、第一実施形態の変形例について説明する。
【0070】
本変形例は、回動部材51に加えて当該回動部材51と一体的に回動可能な上方回動部材54を設けた点で、第一実施形態と異なっている。
【0071】
上方回動部材54は、回動部材51の上方に配置される。上方回動部材54は、回動部材51と概ね同様の形状に形成される。すなわち、上方回動部材54は、回動部材51(図7等参照)と同様に平面視略扇状に形成される。上方回動部材54は、回動部材51との間に、けん制部52の当接部52bが通過できる程度の隙間を空けた状態で配置される。上方回動部材54は、回動部材51と共にハンドル30の内側円筒部33bに固定される。これによって、回動部材51及び上方回動部材54は、ハンドル30と一体的に回動することができる。上方回動部材54は、当該上方回動部材54の底面(下端面)によってけん制部52を上下方向に移動するように案内することができる。以下、上方回動部材54の底面を案内面54aと称する。
【0072】
案内面54aの一部分(回動部材51の傾斜部51bと対向する部分)には、下向きに傾斜する傾斜部54bが形成される。傾斜部54bは、上方回動部材54の一部分を下方に向かって屈曲させることで形成される。
【0073】
本変形例において、ハンドル30が正ハンドル位置から逆ハンドル位置に回動すると、回動部材51及び上方回動部材54はハンドル30と一体的に回動する。回動部材51及び上方回動部材54が回動すると、図12(a)に示すように、当接部52bは傾斜部51bを介して回動部材51(案内面51a)に乗り上げるように上昇する。すなわち当接部52bは、回動部材51及び上方回動部材54の回動に応じて、回動部材51の回動軸線方向に変位することになる。
【0074】
また、ハンドル30が逆ハンドル位置から正ハンドル位置に回動すると、図12(b)に示すように、当接部52bは傾斜部54bによって押し下げられる。このように本変形例では、けん制部52は上方回動部材54の案内面54a(傾斜部54b)に案内されて下降する。
【0075】
以上の如く本変形例に係る前記回動部材は、
回動部材51(第一の回動部材)と、
前記回動軸線方向において前記回動部材51の一側(上側)に配置される上方回動部材54(第二の回動部材)と、
を含み、
前記回動部材51及び前記上方回動部材54の互いに対向する端面には、前記けん制部52を案内する案内面(案内面51a及び案内面54a)が形成される。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。また、一対の回動部材(回動部材51及び上方回動部材54)によってけん制部52を円滑に動作させることができる。
【0076】
以上、第一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0077】
例えば第一実施形態では、回動部材51(図9等参照)によってけん制部52を押し上げるように動作させる例(図9等参照)を示したが、例えば回動部材51の底面を用いてけん制部52を下方へ押し下げるように動作させることも可能である。この場合、付勢部材(各種スプリング等)を用いてけん制部52を上方へ付勢することで、けん制部52を初期位置(回動部材51により押し下げられる前の位置)へ復帰するように構成することも可能である。
【0078】
また第一実施形態では、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられた場合にけん制部52が下降し、逆ハンドル位置に切り換えられた場合にけん制部52が上昇する例(図10等参照)を示したが、ハンドル30の回動とけん制部52の動作方向の関係性はこれに限るものではなく、任意に変更することが可能である。
【0079】
以下では、本発明の第二実施形態(図13から図16参照)に係るけん制機構150等について説明する。なお、第二実施形態の説明では、主に第一実施形態との相違点について説明し、第一実施形態と概ね同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0080】
第二実施形態は、主にけん制機構150の構成が、第一実施形態に係るけん制機構50と異なっている。第二実施形態に係るけん制機構150は、主としてけん制部152、支持部155及び上方付勢部材156を具備する。
【0081】
図13及び図14に示すけん制部152は、主としてけん制プレート52a及び当接部152bを具備する。
【0082】
けん制プレート52aは、第一実施形態(図4等参照)と概ね同様に形成される。当接部152bは、略円柱状の部材を正面視略L字状に屈曲させて形成される。当接部152bは、支持台本体21の内側において、けん制プレート52aの前側面に固定される。当接部152bの一端は、けん制プレート52aから下方に突出し、当接部152bの他端は、けん制プレート52aから右方に突出するように配置される。当接部152bの他端(右端)は、ハンドル30の内側円筒部33bの底面(後述する案内面33c)の下方に位置するように配置される。
【0083】
支持部155は、けん制部152を支持する部材である。支持部155は、支持台本体21の内側面に固定される。支持部155には、軸線方向を上下方向に向けた円筒部が設けられ、当該円筒部に当接部152bの下端部が上下に移動可能となるように挿入される。
【0084】
上方付勢部材156は、けん制部152を上方へと付勢するものである。上方付勢部材156としては、適宜の付勢部材(例えば、圧縮コイルスプリング、引張りコイルスプリング、板ばね等)を用いることが可能である。図例では、圧縮コイルスプリングにより構成された上方付勢部材156を示している。上方付勢部材156は、当接部152bの下端部に挿通された状態で、支持部155の上側に配置される。上方付勢部材156の上端は当接部152bに対して係止され、上方付勢部材156の下端は支持部155の上面に当接される。これによって上方付勢部材156は、当接部152bを支持部155に対して上方に付勢することができる。上方に付勢された当接部152bは、ハンドル30の内側円筒部33bの底面(後述する案内面33c)に下方から当接する。
【0085】
また第二実施形態では、第一実施形態の回動部材51(案内面51a)の代わりに、ハンドル30の内側円筒部33bの下端面が、当接部152bを案内する案内面33cとなる。
【0086】
図15に示すように、案内面33cの周方向中途部には、上方に凹んだ凹部33dが形成される。凹部33dの一端部(図15(b)における後端部)は、内側円筒部33bの下端面に向かって傾斜する傾斜面が形成される。
【0087】
上述の如く構成された第二実施形態において、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態では、図16(a)に示すように、当接部152bは、内側円筒部33bの案内面33cのうち、凹部33d以外の部分に下方から当接している。この状態では、図10(a)に示すように、けん制プレート52aはガイドプレート44に対して相対的に下降する。
【0088】
ハンドル30が正ハンドル位置から逆ハンドル位置へと回動すると、図16(b)に示すように、当接部152bは内側円筒部33bに対して、凹部33dと対向する位置に相対的に移動する。この際当接部152bは、上方付勢部材156の付勢力によって上方に付勢されているため、凹部33dに接触しながら上方へと移動する。この状態では、図10(b)に示すように、けん制プレート52aはガイドプレート44に対して相対的に上昇する。このように、第二実施形態においても、ハンドル30を回動させることでけん制部152を上下に昇降させ、変速操作具41が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる。
【0089】
以上の如く、第二実施形態に係る前記案内面33cは、
前記回動部材(ハンドル30の内側円筒部33b)の下端面に形成されるものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0090】
また、第二実施形態に係る歩行型作業機1は、
前記けん制部152を上方へと付勢する上方付勢部材156をさらに具備するものである。
このように構成することにより、けん制部152を円滑に動作させることができる。
【0091】
次に、図17を用いて、第二実施形態の変形例について説明する。
【0092】
本変形例は、内側円筒部33bの下端面に形成した案内面33cではなく、内側円筒部33bの側面に形成した案内溝33eによってけん制部152を案内する点で、第二実施形態と異なっている。
【0093】
案内溝33eは、内側円筒部33bの側面の下端部近傍を所定の深さだけ凹ませるようにして形成される。案内溝33eは、内側円筒部33bの周方向に延びるように形成される。より具体的には、案内溝33eは、水平方向に延びる上側溝33f、上側溝33fより低い位置に形成されて水平方向に延びる下側溝33g、及び、上側溝33fと下側溝33gとを接続するように形成されて斜めに傾斜する方向に延びる傾斜溝33hを具備する。案内溝33eには、当接部152bの先端が挿入される。
【0094】
本変形例において、図17(a)に示すように、ハンドル30が正ハンドル位置に位置している状態では、当接部152bは下側溝33g内に位置している。ハンドル30が正ハンドル位置から逆ハンドル位置(図17(b)参照)に回動すると、当接部152bは傾斜溝33hを介して上側溝33fに乗り上げるように上昇する。すなわち当接部152bは、ハンドル30(内側円筒部33b)の回動に応じて、ハンドル30の回動軸線方向に変位することになる。
【0095】
また、ハンドル30が逆ハンドル位置から正ハンドル位置に回動すると、当接部152bは傾斜溝33hによって押し下げられ、下側溝33gに移動する(図17(a)参照)。このように本変形例では、けん制部152は案内溝33eに案内されて上下に昇降する。
【0096】
以上の如く本変形例に係る前記回動部材(内側円筒部33b)の前記回動軸線方向に対する側面には、前記けん制部152を案内する案内溝33eが形成されるものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0097】
以上、第二実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0098】
例えば第二実施形態では、内側円筒部33bの下端面(案内面33c)によってけん制部152を押し下げる例(図16等参照)を示したが、例えば内側円筒部33bの側面から径方向外側に突出する部分(フランジ等)を形成し、当該部分によってけん制部152を下方から押し上げるように構成することも可能である。
【0099】
また第二実施形態では、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられた場合にけん制部152(当接部152b)が下降し、逆ハンドル位置に切り換えられた場合にけん制部152が上昇する例(図16等参照)を示したが、ハンドル30の回動とけん制部152の動作方向の関係性はこれに限るものではなく、任意に変更することが可能である。
【0100】
以下では、本発明の第三実施形態(図18から図23参照)に係るけん制機構250等について説明する。なお、第三実施形態の説明では、主に第一実施形態との相違点について説明し、第一実施形態と概ね同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0101】
第三実施形態は、主に変速操作機構240及びけん制機構250の構成が、第一実施形態に係る変速操作機構240及びけん制機構50と異なっている。以下、具体的に説明する。
【0102】
図18から図20に示す変速操作機構240は、主にガイド棒243及びガイドプレート244の構成が、第一実施形態と異なっている。
【0103】
第三実施形態に係るガイド棒243は、第一実施形態に係るガイド棒43(図4等参照)と異なり、上方に向かって突出するように配置される。具体的には、ガイド棒243の下端部は、リンク機構42に固定される。ガイド棒243の上部は、リンク機構42から上方に向かって突出するように配置される。
【0104】
第三実施形態に係るガイドプレート244は、第一実施形態に係るガイドプレート44(図4等参照)と異なり、板面を上下に向けた状態で配置される。ガイドプレート244は、支持台本体21の左側面に固定される。ガイドプレート244は、支持台本体21の左側面の前端から後端部近傍までを前後方向に切り欠くように形成されたスリット21cのすぐ下側に配置される。ガイドプレート244には、ガイド溝Gが形成される。
【0105】
図21に示すように、第三実施形態に係るガイド溝Gは、ガイドプレート244を上下に貫通するように形成される。ガイド溝Gは、全体的に前後方向に長く延びるような形状(長手状)に形成される。ガイド溝Gは、主として縦溝GV及び複数の横溝GSを具備する。
【0106】
縦溝GVは、前後方向に長く延びる直線状の部分である。横溝GSは、左右方向に長く延びる直線状の部分である。横溝GSの長さは、縦溝GVの長さよりも短く形成される。複数の横溝GSは、縦溝GVの前端から後端に向かって略等間隔に並ぶように形成される。本実施形態では、5つの横溝GSが形成されている。複数の横溝GSは、それぞれ縦溝GVから左右に延びるように形成される。
【0107】
ガイドプレート244のガイド溝Gには、ガイド棒243が挿通される。これによってガイド棒243は、ガイド溝Gによって移動可能な方向が規制され、ガイド溝Gの形状に沿って移動するように案内される。すなわち、変速操作具41による変速操作(操作方向)が、ガイド溝Gによって案内される。
【0108】
またガイド溝Gは、歩行型作業機1の各変速段に対応した形状となるように形成されている。具体的には、変速機構がいずれかの変速段(前進1速、前進2速、・・・、後進1速、後進2速、・・・等)に切り換えられた場合、ガイド棒43が複数の横溝GSの左右両端部(図6に示す変速位置P1~P10)のいずれかに位置するように設定されている。変速機構の変速段と、ガイド溝Gにおける変速位置Pの対応関係は特に限定するものではなく、変速機構の構成等に応じて任意に設定することができる。
【0109】
図19図20及び図22に示すけん制機構250は、変速操作具41による所定の変速段への変速操作をけん制(規制)するものである。けん制機構250は、主として回動部材251及びけん制部252を具備する。
【0110】
回動部材251は、後述するけん制部252をハンドル30の位置に応じて移動させるためのものである。回動部材251は、板面を上下方向に向けた平板状に形成される。回動部材251は、平面視円形状に形成される。回動部材251は、支持台本体21の内側(上面の下側)において、ハンドル30の内側円筒部33bの下端部に固定される。これによって回動部材251は、ハンドル30と一体的に回動することができる。回動部材251には、第一突出部251a及び第二突出部251bが形成される。
【0111】
第一突出部251a及び第二突出部251bは、後述するけん制部252と接触可能な部分である。第一突出部251a及び第二突出部251bは、回動部材251の外周部から径方向外側に突出するように形成される。第一突出部251a及び第二突出部251bは、回動部材251の回動軸線を挟んで相反する位置に形成される。
【0112】
けん制部252は、ガイドプレート244のガイド溝Gを塞ぐことで、変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。けん制部252は、板状の部材を適宜屈曲させて形成される。けん制部252は、支持台本体21のスリット21cを介して、支持台本体21の内側から左側方に突出するように配置される。けん制部252の右部(支持台本体21の内側に位置する部分)は、回動部材251の近傍(第一突出部251a及び第二突出部251bと接触可能な位置)に配置される。けん制部252の左部(支持台本体21の外側に位置する部分)は、ガイドプレート244のすぐ下方に配置される。けん制部252は、スリット21cの長手方向(前後方向)に沿って移動可能となるように配置される。すなわちけん制部252は、回動部材251(ハンドル30)の回動軸線方向(上下方向)に対して垂直な方向に変位することができる。図22に示すように、けん制部252の左部には、第一けん制部252a、接続部252b及び第二けん制部252cが形成されている。
【0113】
第一けん制部252aは、左右に延びるように形成される部分である。第一けん制部252aの左右幅は、ガイドプレート244のガイド溝Gの左右幅よりも大きく形成される。
【0114】
接続部252bは、第一けん制部252aと後述する第二けん制部252cとを接続する部分である。接続部252bは、第一けん制部252aの左端部から後方に向かって延びるように形成される。接続部252bは、平面視においてガイド溝Gよりも左側に位置するように形成される。
【0115】
第二けん制部252cは、左右に延びるように形成される部分である。第二けん制部252cは、接続部252bの後端部から右方に向かって延びるように形成される。第二けん制部252cの右端部は、平面視において縦溝GVのすぐ手前(すぐ左方)に位置するように形成される。このように第二けん制部252cは、第一けん制部252aとの間に前後に所定の間隔を空けるように形成される。
【0116】
以下では、上述の如く構成された歩行型作業機1において、変速操作具41の変速操作がけん制される様子について説明する。
【0117】
まず、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態について説明する。
【0118】
ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態では、図22に示すように、回動部材251の第一突出部251aが左前方に位置している。この状態では、第一突出部251aがけん制部252の右端部に後方から当接する。第一突出部251aによって後方から押されることによって、けん制部252はガイドプレート244に対して相対的に前方に移動した位置(第一のけん制位置)となる。
【0119】
この状態では、けん制部252によってガイド溝Gの一部が下方から塞がれる。具体的には、けん制部252の第二けん制部252cが、変速位置P8を下方から塞ぐように配置される。これによって、変速操作機構40のガイド棒243は変速位置P8へと移動することができなくなるため、当該変速位置に対応する変速段への変速操作がけん制される。例えば、変速位置P8に相当する変速段として、後進方向へ高速で移動する変速段等(正ハンドル位置で使用することが想定されない変速段)が設定されている場合、当該変速段への変速操作を予めけん制することで、作業性を向上させることができる。
【0120】
次に、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられる際の様子について説明する。
【0121】
ハンドル30を正ハンドル位置から逆ハンドル位置に切り換える場合、ハンドル30は、支点軸22を中心として平面視反時計回りに回動される。ハンドル30が回動すると、回動部材251はハンドル30と一体的に回動する。
【0122】
回動部材251が回動すると、図23に示すように、第二突出部251bがけん制部252の右端部に前方から当接する。第二突出部251bによって前方から押圧されることによって、けん制部252はガイドプレート244に対して相対的に後方に変位した位置(第二のけん制位置)となる。
【0123】
次に、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられた状態について説明する。
【0124】
ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられた状態(図23参照)では、けん制部252は、ハンドル30が正ハンドル位置にある場合(図22等参照)に比べて後方に位置している。
【0125】
この状態では、けん制部252によってガイド溝Gの一部が下方から塞がれる。具体的には、けん制部252の第二けん制部252cが、変速位置P6を下方から塞ぐように配置される。また、けん制部252の第一けん制部252aが、変速位置P9及び変速位置P10を下方から塞ぐように配置される。これによって、変速操作機構40のガイド棒243は変速位置P6、変速位置P9及び変速位置P10へと移動することができなくなるため、当該部分に対応する変速段への変速操作がけん制される。例えば、変速位置P6、変速位置P9及び変速位置P10に相当する変速段として、後進方向へ高速で移動する変速段等(逆ハンドル位置で使用することが想定されない変速段)が設定されている場合、当該変速段への変速操作を予めけん制することで、作業性を向上させることができる。
【0126】
なお、上述の場合とは逆に、ハンドル30が逆ハンドル位置(図23参照)から正ハンドル位置(図22参照)に切り換えられると、回動部材251の第一突出部251aによってけん制部252が前方へと押圧され、再び変速位置P8が閉塞された状態となる。このようにけん制機構250は、ハンドル30の回動に伴って、変速操作具41による所定の変速段への変速操作を自動的にけん制することができる。
【0127】
以上の如く、第三実施形態に係る歩行型作業機1は、
変速操作が可能な変速操作具41と、
第一の作業位置(正ハンドル位置)と、前記第一の作業位置から反転した第二の作業位置(逆ハンドル位置)と、の間で回動可能なハンドル30と、
前記ハンドル30と一体的に回動可能であり、径方向外側に向けて突出する突出部(第一突出部251a及び第二突出部251b)を有し、前記突出部を用いて前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制する回動部材251と、
を具備するものである。
このように構成することにより、ハンドル30の回動に伴って、変速操作具41が所定の変速段へ変速操作されるのをけん制することができる。これによって、作業性を向上させることができる。また上記構成によって、けん制のための構成を簡素化することができる。
【0128】
また、第三実施形態に係る歩行型作業機1は、
前記突出部に当接可能となるように配置され、前記回動部材251の回動に応じて前記突出部に押圧されることで変位し、前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するけん制部252をさらに具備するものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0129】
また、前記けん制部252は、
前記回動部材251の回動軸線方向に対して垂直な方向に変位するものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0130】
また、前記突出部は、
第一突出部251aと、
前記第一突出部251aとは異なる第二突出部251bと、を含み、
前記けん制部252は、
前記ハンドル30が前記第一の作業位置に回動される場合に、前記第一突出部251aに押圧されることで第一のけん制位置に変位し、
前記ハンドル30が前記第二の作業位置に回動される場合に、前記第二突出部251bに押圧されることで第二のけん制位置に変位するものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0131】
また、第三実施形態に係る歩行型作業機1は、
前記変速操作具41の変速操作をガイドするガイド溝Gが形成されたガイドプレート244(ガイド板)をさらに具備し、
前記けん制部252は、
前記ガイド溝Gの一部分を塞ぐことで、前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0132】
以上、第三実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0133】
例えば、第三実施形態で例示した回動部材251やけん制部252等の各部材の配置、形状等は任意に変更することが可能である。
【0134】
以下では、本発明の第四実施形態(図24から図27参照)に係るけん制機構350等について説明する。なお、第四実施形態の説明では、主に第三実施形態との相違点について説明し、第三実施形態と概ね同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0135】
第四実施形態は、主にけん制機構350の構成が、第三実施形態に係るけん制機構250と異なっている。第四実施形態に係るけん制機構350は、主として回動部材351を具備する。
【0136】
図24から図26に示す回動部材351は、ガイドプレート244のガイド溝Gを塞ぐことで、変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。回動部材351は、板面を上下方向に向けた平板状に形成される。回動部材351は、主として本体部351a及び突出部351bを具備する。
【0137】
本体部351aは、ハンドル30の内側円筒部33bに固定される部分である。本体部351aは、平面視略円形状に形成される。本体部351aは、支持台本体21の内側(上面の下側)において、ハンドル30の内側円筒部33bの下端部に固定される。これによって回動部材351は、ハンドル30と一体的に回動することができる。
【0138】
突出部351bは、ガイドプレート244のガイド溝Gを塞ぐことで、変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制する部分である。突出部351bは、本体部351aから径方向外側へと突出するように形成される。突出部351bは、回動部材351が所定の位置(図24に示す位置)に回動した状態において、支持台本体21のスリット21cを介して支持台本体21の左側方に突出するように形成される。この状態において、突出部351bの左部(支持台本体21の外側に位置する部分)は、ガイドプレート244のすぐ下方に配置される。図26及び図27に示すように、突出部351bには、第一けん制部351c、接続部351d及び第二けん制部351eが形成されている。
【0139】
第一けん制部351c、接続部351d及び第二けん制部351eの形状等は、第三実施形態に係る第一けん制部252a、接続部252b及び第二けん制部252c(図22等参照)と概ね同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0140】
以下では、上述の如く構成された歩行型作業機1において、変速操作具41の変速操作がけん制される様子について説明する。
【0141】
まず、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態について説明する。
【0142】
ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられている状態では、図26に示すように、回動部材351の突出部351bが右後方に位置している。この状態では、突出部351bがガイドプレート244のガイド溝Gを塞ぐことはないため、変速操作がけん制されることはない。
【0143】
次に、ハンドル30が逆ハンドル位置に切り換えられた状態について説明する。
【0144】
ハンドル30を正ハンドル位置から逆ハンドル位置に切り換える場合、ハンドル30は、支点軸22を中心として平面視反時計回りに回動される。ハンドル30が回動すると、回動部材351はハンドル30と一体的に回動する。
【0145】
回動部材351が回動すると、図27に示すように、突出部351bがガイドプレート244の下方へと移動する。この状態では、突出部351bによってガイド溝Gの一部が下方から塞がれる。具体的には、突出部351bの第二けん制部351eが、変速位置P6を下方から塞ぐように配置される。また、突出部351bの第一けん制部351cが、変速位置P9及び変速位置P10を下方から塞ぐように配置される。これによって、変速操作機構40のガイド棒243は変速位置P6、変速位置P9及び変速位置P10へと移動することができなくなるため、当該部分に対応する変速段への変速操作がけん制される。例えば、変速位置P6、変速位置P9及び変速位置P10に相当する変速段として、後進方向へ高速で移動する変速段等(逆ハンドル位置で使用することが想定されない変速段)が設定されている場合、当該変速段への変速操作を予めけん制することで、作業性を向上させることができる。
【0146】
なお、上述の場合とは逆に、ハンドル30が逆ハンドル位置(図27参照)から正ハンドル位置(図26参照)に切り換えられると、突出部351bがガイドプレート244から離間するように移動し、変速操作のけん制が解除される。このようにけん制機構350は、ハンドル30の回動に伴って、変速操作具41による所定の変速段への変速操作を自動的にけん制することができる。
【0147】
以上の如く、第四実施形態に係る歩行型作業機1は、
前記変速操作具41の変速操作をガイドするガイド溝Gが形成されたガイドプレート244(ガイド板)をさらに具備し、
前記突出部351bは、
前記ガイド溝Gの一部分を塞ぐことで、前記変速操作具41の所定の変速段への変速操作をけん制するものである。
このように構成することにより、簡素な構成で、変速操作をけん制することができる。
【0148】
以上、第四実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0149】
例えば、第四実施形態の回動部材351は、1つの突出部351bを用いて変速操作をけん制する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、回動部材351に2つ以上の突出部を形成し、正ハンドル位置と逆ハンドル位置のそれぞれにおいて、所定の変速段への変速操作をけん制することも可能である。
【0150】
また、上記各実施形態では、ハンドル30の回動に伴ってけん制部(例えば、図4に示すけん制部52等)を移動させることで変速操作をけん制する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、歩行型作業機1に変速操作をけん制するための操作具(例えば、けん制部52を任意に操作可能な操作具)が設けられている場合、ハンドル30の回動と連動して当該操作具を作動させるように構成することも可能である。これによって、ハンドル30の位置に応じて操作具を自動的に操作し、所定の変速操作をけん制することが可能となる。
【0151】
また、上記各実施形態で示したけん制される変速位置や変速段は一例であり、任意の変速位置(変速段)をけん制するように適宜設定することが可能である。
【0152】
また、ハンドル30の位置と変速操作のけん制の有無の関係は特に限定するものではない。すなわち、ハンドル30が正ハンドル位置に切り換えられた場合と逆ハンドル位置に切り換えられた場合のそれぞれにおいて所定の変速操作をけん制するように構成するだけでなく、いずれか一方に切り換えられた場合にのみ所定の変速操作をけん制するように構成することも可能である。
【0153】
また、本実施形態で例示したガイド溝Gの形状は一例であり、本発明はこれに限るものではない。ガイド溝Gの形状は、例えば略直線状や、H字状に形成することも可能である。
【符号の説明】
【0154】
1 歩行型作業機
30 ハンドル
40 変速操作機構
41 変速操作具
44 ガイドプレート
50 けん制機構
51 回動部材
52 けん制部
G ガイド溝
図1
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